JP5458674B2 - 移動体用スペクトル測定装置 - Google Patents

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本発明は、車両などの移動体に搭載されたスペクトルセンサにより測定された測定対象のスペクトルデータから測定対象を識別する移動体用スペクトル測定装置に関するものである。
近年、自動車等の車両には、その運転支援装置として、車両周囲において動的に変化する歩行者や信号機などの状態を認識してドライバーの運転や意思決定を支援する装置が搭載されることが少なくない。そして、そのような装置の多くは、信号機や歩行者等の状態をCCDカメラ等にて撮像するとともに、その撮像画像を実時間で画像処理して状態認識し、その認識した結果を上述した運転支援等に用いるようにしている。しかし通常、歩行者は、その形状が大きさや向き、あるいは持ち物の有無などにより多様に変化することから、上記画像処理に基づいて得られる形状からその存在を正確に認識することは難しい。また、信号機は一般に、その大きさや色についての規格性が高いものの、見る角度によってはその形状が変化するなどの不都合も避けがたく、上記画像処理を通じた形状認識ではやはり限界がある。
一方、特許文献1には、測定対象を認識する技術として、スペクトルセンサにより採取されたスペクトルデータを用いるリモートセンシング技術が記載されている。すなわちここでは、航空機や人工衛星に搭載されたスペクトルセンサにより撮影された不可視領域をも含むマルチスペクトル画像データから、例えば森林、田畑、市街地等のような、可視光領域のみでは認識の困難な測定対象の分類、特徴付けが行なわれ、こうして分類され、特徴付けされたデータに基づいて測定対象が識別される。
特開2000−251052号公報 特開2006−145362号公報
このように、スペクトルセンサでは、不可視領域をも含む各波長帯の輝度値(光強度)が観測されることから、波長毎の輝度値を比較することによって測定対象特有の特性を知ることができ、ひいてはその識別が可能となる。また近年は、このようなスペクトルセンサとして、撮像可能な帯域幅が広く、またその分解能も数nm〜数十nmと高いハイパースペクトルセンサなども実用化されている。このハイパースペクトルセンサでは、スリットの走査により順次取り込まれる光像を波長毎に分光しつつ撮像素子に受光させることによってスペクトルデータを得ることになる(特許文献2参照)。
そこで最近は、このようなスペクトルセンサを自動車等の車両に搭載し、同スペクトルセンサにより撮像されたスペクトルデータ(ハイパースペクトルデータ)を用いて車両周辺の各種測定対象を識別することが検討されている。ただし、このようなハイパースペクトルセンサによるスペクトルデータともなると、そのデータ数も膨大であることから、そのデータ処理に要する時間の増加が無視できず、特に車両周辺の各種測定対象を観測しようとしても、それら車両等の移動体にとって必要な情報を適切に取得できるとは限らない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両等の移動体に搭載されたスペクトルセンサによる観測データにより測定対象の精度の高い識別を可能にするとともに、同観測データとして必要とされる情報のより適切な取得を可能とする移動体用スペクトル測定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、波長情報と光強度情報とを測定可能なスペクトルセンサを移動体に搭載し、このスペクトルセンサにて検出される観測光のスペクトルデータに基づいて移動体周辺の測定対象を識別する移動体用スペクトル測定装置であって、前記スペクト
ルセンサは、スリットの走査により順次取り込まれる光像を波長毎に分光しつつ撮像素子に受光させることによってスペクトルデータを取得するものであり、前記移動体には、その環境情報及び運転操作を含む運転者情報の少なくとも一方に基づいて前記スリットの走査領域を制御するスリット走査制御器が設けられてなり、前記スリット走査制御器は、前記スリットの走査領域の制御として、前記走査領域において取得されるスペクトルデータの取得順序を可変とする制御を実行することを要旨とする。
上記構成によるように、移動体の環境情報及び運転操作を含む運転者情報の少なくとも一方に基づいてスリットの走査領域を制御することとすれば、この走査領域に応じたスリットの走査、ひいては、走査領域に応じた測定対象のスペクトルデータの取得が可能となる。これにより、移動体に搭載されたスペクトルセンサによって検出される観測データにより測定対象の精度の高い識別はもとより、同観測データとして必要とされる情報の適切な取得が可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記スリット走査制御器によって制御される前記スリットの走査領域が、同スリットの走査開始位置及び走査方向の設定であることを要旨とする。
上記構成によるように、スリットの走査開始位置及び走査方向の設定としてスリットの走査領域を制御することとすれば、これら設定された走査開始位置及び走査方向に応じたスリットの走査を通じて、測定対象のスペクトルデータが順次取得されるようになる。これにより、上記測定対象のうちの必要とされる観測データを移動体の環境情報及び運転操作を含む運転者情報に応じて優先的に取得することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記スリット走査制御器によって制御される前記スリットの走査領域が、同スリットの走査終了位置の設定を更に含むことを要旨とする。
上記構成によるように、スリットの走査開始位置及び走査方向に併せてスリットの走査終了位置を設定することとすれば、スリットの走査領域が移動体の環境情報及び運転操作を含む運転者情報に応じて制限されるようになる。このため、制限されたスリットの走査範囲内でのスペクトルデータの取得が可能となり、測定対象のスペクトルデータに基づき測定対象を識別する上でそのデータ量を必要最小限に抑制することができるようになる。これにより、必要とされる測定対象のスペクトルデータを実時間に近いかたちで取得することができるようになり、スペクトルデータに基づく測定対象の識別にかかる処理速度も高められるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記スリット走査制御器は、取得される環境情報及び運転操作を含む運転者情報から推定される緊急性の高い測定対象を優先して識別し得る態様で前記スリットの走査領域を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、緊急性の高い測定対象に対応してスリットの走査領域が制御され、緊急性の高い測定対象のスペクトルデータが優先して取得されるようになる。これにより、この優先して取得されたスペクトルデータに基づく測定対象の識別にかかる処理速度がより高められるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記移動体は操舵用のステアリングを備えており、前記運転操作を含む運転者情報はこのステアリングに設けられた角センサにより検出されるステアリングの操舵角情報であることを要旨とする。
上記識別の対象とされる測定対象は、移動体の移動に伴って変化するものであり、特に移動体の操舵角が変化したときに新しく検出される測定対象の識別が必要となる。この点、上記構成によるように、移動体のステアリングに設けられた舵角センサにより検出される操舵角情報に基づきスリットの走査領域の制御を行うこととすれば、移動体の移動に伴って新たに検出される測定対象の識別を優先して行うことが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記移動体には運転者の顔の向きを検出する顔方向検出センサが設けられており、前記運転操作を含む運転者情報はこの顔方向検出センサにより検出される運転者の顔の向きを示す情報であることを要旨とする。
通常、移動体の運転者の顔の向きと移動体の運転操作を含む運転者情報とは相関する関係にあり、例えば、運転者の顔の向く方向、あるいはその逆の方向が運転者の所望する、あるいは運転者に注意を促すべき測定対象が存在する方向と判定することが可能である。そこで、上記構成によるように、顔方向検出センサにより検出される運転者の顔の向きを示す情報に基づきスリットの走査領域を制御することとすれば、運転者が所望とする、あるいは運転者に注意を促すべき必要な測定対象の識別を優先して行うことが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記移動体には運転者の視線の方向を検出する視線検出センサが設けられており、前記運転操作を含む運転者情報はこの視線検出センサにより検出される運転者の視線の方向を示す情報であることを要旨とする。
通常、運転者の視線方向と運転者にとって必要とされる測定対象の識別情報とは相関する関係にある。すなわち、運転者の注視する方向に運転者にとって識別が必要とされる測定対象が存在することが普通である。また逆に、運転者の視線とは異なる方向に存在する測定対象の識別情報も、やはり注意を喚起するなど運転者にとっては有用な識別情報となり得る。そこで、上記構成によるように、視線検出センサにより検出される運転者の視線の方向を示す情報に基づきスリットの走査領域を制御することとしても、運転者にとって必要とされる測定対象の識別を優先して行うことが可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記移動体の環境情報は、その都度のスペクトルデータに基づき識別される測定対象の状態として取得されることを要旨とする。
上記構成によれば、例えば、測定対象が歩行者のときには、大人、子供、老人のうちのいずれであるか、また、測定対象が移動体に接近しているか等といった測定対象の状態に基づくスリットの走査領域の制御が可能となる。これにより、測定対象の状態に応じた適切な識別を行うことができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記移動体の環境情報は、ナビゲーションから得られる移動体の位置情報に基づき、測定対象の出現確率もしくは出現方向の可能性として取得されることを要旨とする。
上記移動体の環境情報は、移動体の位置によって変化するものであり、例えば、市街地では測定対象として歩行者、信号機が多く存在する一方、山道等では測定対象として動植物が多く存在することとなる。この点、上記構成によるように、移動体に搭載されるナビゲーションから得られる同移動体の位置情報に基づき測定対象の出現確率もしくは出現方向の可能性として取得することとすれば、スリット102の走査領域を測定対象の出現が予測される領域に予め設定することが可能となり、ひいては、スペクトルセンサ100による測定対象のスペクトルデータの適切な取得が可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置において、前記移動体が路面を走行する自動車であることを要旨とする。
この発明は、上記構成によるように、上記スペクトルセンサが搭載される移動体として自動車に適用して特に有効であり、上記構成によって、移動体の移動を支援する上で必要となる情報の適切な取得が可能となる。
本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置を車両、特に自動車に適用した第1の実施の形態についてその構成を示すブロック図。 (a)は、同実施の形態の装置に採用されるスペクトルセンサ(ハイパースペクトルセンサ)のスリットの一例についてその概略構成を示す正面図。(b)は、同スリットの駆動態様を示す正面図。 (a)及び(b)は、同実施の形態の装置によるスリット走査制御について、その走査開始位置及び走査方向の一例を模式的に示す図。 (a)は、同実施の形態の装置に採用されるスペクトルセンサ(ハイパースペクトルセンサ)のスリットの他の例についてその概略構成を模式的に示す正面図。(b)は、同スリットの駆動態様を模式的に示す正面図。 (a)及び(b)は、同実施の形態の装置によるスリット走査制御について、その走査開始位置及び走査方向の一例を模式的に示す図。 (a)〜(c)は、同実施の形態の装置によるスリットの走査領域制御の一例を示す図。 同実施の形態の装置のスリット走査制御器において実行されるスリットの走査領域制御についてその制御手順を示すフローチャート。 (a)は、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置を車両、特に自動車に適用した第2の実施の形態について、運転者によるステアリング操作の一例を模式的に示す図。(b)は、同実施の形態の装置によるスリット走査制御について、その走査開始位置及び走査方向の一例を模式的に示す図。 同実施の形態の装置のスリット走査制御器において実行されるスリットの走査領域制御についてその制御手順を示すフローチャート。 (a)は、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置を車両、特に自動車に適用した第3の実施の形態について、スリットの走査終了位置の一例を模式的に示す図。(b)は、同実施の形態のスリット走査について、走査開始位置及び走査方向の一例を模式的に示す図。 同実施の形態の装置のスリット走査制御器において実行されるスリットの走査領域制御についてその制御手順を示すフローチャート。 本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置を車両、特に自動車に適用した他の実施の形態について、車両に対する環境情報の一例を模式的に示す図。 (a)及び(b)は、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の他の実施の形態について、スリットの走査開始位置及び走査方向の一例を模式的に示す図。
(第1の実施の形態)
図1に本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置を具現化した第1の実施の形態についてその概略構成を示す。
図1に示されるように、この移動体用スペクトル測定装置は、例えば自動車等の車両に搭載されて波長情報と光強度とを測定可能なスペクトルセンサ100を備えている。このスペクトルセンサ100では、まず、測定対象の観測光がレンズ101を介して検出されると、この観測光がスリット102の走査により光像として取り込まれる。こうした光像は、分光器103によって波長毎に分光されたのちに撮像素子104に受光されることによって、測定対象のスペクトルデータ(ハイパースペクトルデータ)としてスペクトルデータ処理部110に読み込まれる。
このスペクトルデータ処理部110では、スペクトルセンサ100によって取得された測定対象のスペクトルデータに基づいて、車両周辺に歩行者、信号機、障害物等が存在するか否か、さらには、歩行者が大人、子供、老人であるか否か、信号機の色の状態等といった車両の周辺環境情報の識別が行われる。
そして、こうした測定対象の識別情報がHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)120及び車両制御器130にそれぞれ入力される。このうちHMI120では、スペクトルデータ処理部110からの識別情報に基づき、例えば、「前方に歩行者が存在する」、「信号機の状態が赤である」、等々といった音声情報等が運転者に対して通知される。また、同じく測定対象の識別対象が入力される車両制御器130では、スペクトルデータ処理部110から伝送される識別情報に基づいて例えば車両のブレーキ制御等の車両制御が行われる。
また、車両の運転操作もしくは運転者の情報が取得される操作・運転者情報取得装置140には、車両のステアリングに設けられた角センサにより検出される車両の操作情報としてのステアリングの操舵角情報や、運転者の顔の向きを検出する顔方向検出センサにより検出される運転者の顔の向きを示す情報、運転者の視線の方向を検出する視線検出センサにより検出される運転者の視線の方向を示す情報等々の運転者情報が取り込まれる。
そして、上記スリット102の走査領域を算出するスリット走査算出器150には、上記スペクトルデータ処理部110による識別情報と操作・運転者情報取得装置140による運転操作を含む運転者情報が入力される。このスリット走査算出器150では、これら各情報の少なくとも一方に基づきスリット102の走査領域の設定が行われる。そして、こうして設定された走査領域に応じたスリット102の走査制御が、スリット走査制御器160によって実行される。
次に、上記スペクトルセンサ100を構成するスリット102の概略構成及び駆動態様を、図2〜図5を参照して説明する。なお、図2(a)及び(b)は、走査領域の設定を左右方向に行う場合のスリット102Tの構成例を示しており、図3(a)及び(b)は、このスリット102Tによる左右方向への走査の一例を示している。また、図4(a)及び(b)は、走査領域の設定を上下方向に行う場合のスリット102Yの構成例を示しており、図5(a)及び(b)は、このスリット102Yによる上下方向への走査の一例を示している。
まず、図2(a)に示すように、このスリット102Tは、複数の板状のスリット板102T〜102Tnがそれぞれ垂直に隣接して配列されることによって構成されている。これらスリット板102T〜102Tnには、その下端に駆動源としてのアクチュエータM〜Mnがそれぞれ設けられている。そして、例えば、図2(b)に示すように、上記スリット102Tを構成するアクチュエータM〜MnのうちのアクチュエータMが駆動されると、その駆動に伴ってスリット板102Tが回転し、このスリット板102Tに隣接するスリット板102T及び102Tとの間で隙間Sが形成されるようになる。そして、この隙間Sを介して、上記レンズ101からの観測光が分光器103に取り込まれるようになる。
ここで例えば、図3(a)に示すように、車両前方の測定対象うち、左側に存在する測定対象のスペクトルデータを優先して取得する場合には、スリット102Tのうち、左端のスリット板102Tから右端のスリット板102Tnへと右方向に向けて各スリット板102T〜102Tnが順次回転駆動される。これにより、スペクトルデータ処理部110には、車両前方の測定対象うち、左端に存在する測定対象のスペクトルデータから順次取得されるようになる。
また、図3(b)に示すように、例えば車両前方の測定対象うち、右側に存在する測定対象のスペクトルデータを優先して取得する場合には、スリット102Tのうちの右端のスリット板102Tnから左端のスリット板102Tへと左方向に向けて各スリット板102T〜102Tnが順次回転駆動される。これにより、スペクトルデータ処理部110には、車両前方の測定対象うち、右端に存在する測定対象のスペクトルデータが順次取得されるようになる。
このように、垂直に隣接して構成されるスリット板102T〜102Tnからなるスリット102Tによれば、左右方向に対する選択的な走査を通じた同スリット102Tの走査領域の設定が可能となる。
一方、図4(a)に示すように、複数の板状のスリット板102Y〜102Ymをそれぞれ水平に隣接して配列することによって上記スリット102を構成することも可能である。すなわち、これらスリット板102Y〜102Ymにも、その下端に駆動源としてのアクチュエータM〜Mmがそれぞれ設けられている。そして、このスリット102Yによっても、図4(b)に示すように、上記スリット102を構成するアクチュエータM〜MmのうちのアクチュエータMが駆動されると、その駆動に伴ってスリット板102Yが回転し、このスリット板102Yに隣接するスリット板102Y及び102Yとの間で隙間Sが形成されるようになる。そして、この隙間Sを介して、上記レンズ101からの観測光が分光器103に取り込まれるようになる。
そして、図5(a)に示すように、例えば車両前方の測定対象うち、下側に存在する測定対象のスペクトルデータを優先して取得する場合には、スリット102Yのうちの下端のスリット板102Yから上端のスリット板102Ymへと上方向に向けて各スリット板102Y〜102Ymが順次回転駆動される。これにより、スペクトルデータ処理部110には、車両前方の測定対象うち、下側に存在する測定対象のスペクトルデータが順次取得されるようになる。
また、図5(b)に示すように、例えば車両前方の測定対象うち、上側に存在する測定対象のスペクトルデータを優先して取得する場合には、スリット102Yのうちの上端のスリット板102Ymから下端のスリット板102Yへと下方向に向けて順次回転駆動される。これにより、スペクトルデータ処理部110には、車両前方の測定対象うち、上側に存在する測定対象のスペクトルデータが順次取得されるようになる。
このように、水平に隣接して構成されるスリット板102Y〜102Ymからなるスリット102Yによれば、スリット102Yの上下方向の選択的な走査を通じたスリット102Yの走査領域の設定が可能となる。
次に、このような前提のもとに上記スリット走査制御器160によって実行されるスリット102の走査領域の制御について、図6を参照して説明する。なお、ここでの例では、先の図2に示したように、スリット板102T〜102Tnが垂直に配列されたスリット102(102T)を採用することとする。
まず、例えば、図6(a)に示す環境下において車両が道路上の走行を始めたとすると、これに伴ってスペクトルセンサ100による測定対象のスペクトルデータの取得が開始される。ここで、この車両の駆動直後にあっては、未だスペクトルデータ処理部110による測定対象の識別が行われていないため、車両の位置情報に基づき上記スリット102のスリット走査領域が設定される。すなわち、通常、運転者にとって緊急性の高い測定対象は歩行者であることに鑑み、この歩行者が通常存在する歩道側のスペクトルデータを優先して取得する。
そして、同図6(a)に示すように、歩道側、すなわち運転者の正面から見て左側の測定対象を優先して識別すべく、スリット走査算出器150による走査領域の制御を通じてスリット102が左端から右端に向かって走査される。これにより、スペクトルデータ処理部110には、運転者の正面から見て左側から右側の測定対象のスペクトルデータが順次取り込まれるようになる。
こうして、スペクトルデータ処理部110に取り込まれるスペクトルデータに基づき、図6(b)に示すように、車両前方の測定対象のうちの一つが例えば「歩行者」であると識別されると、スペクトルデータ処理部110に格納された測定対象の緊急性を判別するデータベースに基づいてその緊急性の度合いが決定される。こうして、このデータベースに基づき、例えば車両前方に存在する測定対象のうち「歩行者」に関する情報が最も緊急性が高いものとして優先順位が設定される。
そして、この優先順位に基づき緊急性の高い測定対象の状態を優先してモニタすべく、図6(c)に示すように、スリット102の走査開始位置が運転者の正面方向から見て右端となるように設定されるとともに同スリット102の走査方向が運転者の正面方向から見て右端から左端にかけて走査するように設定される。これにより、測定対象のうち最も緊急性の高い「歩行者」のスペクトルデータが優先して取得されるようになる。そして、スペクトルデータ処理部110では、この「歩行者」の識別情報が継続してモニタされるとともに、その都度検出されるスペクトルデータに基づいて「歩行者」が大人、子供、老人のうちいずれであるか否かといった詳細な識別が実行される。
次に、上記スリット走査算出器150にて実行されるスリット102の走査領域の制御手順を、図7を参照して説明する。
図7に示すように、スリット102の走査領域の制御が開始されると、まず、スペクトルセンサ100の検出帯域及び分解能の初期化が実行される(ステップS100)。そして、環境情報及び運転操作を含む運転者情報の現時点での情報レベルが取得されると、スペクトルセンサ100による観測光の検出に基づき測定対象のスペクトルデータが取得される(ステップS101、S102)。
こうして、測定対象のスペクトルデータに基づいて車両の環境情報が取得され(ステップS103)、この環境情報に基づいて車両周辺に歩行者、自転車、バイク等の交通弱者
が存在するか否か、また、信号機が存在するか否か、新しい検出領域が存在するか否か等の緊急情報の有無が判定される(ステップS104)。こうして、スリット走査算出器150では、緊急情報の存在が確認されるまでスペクトルセンサ100の検出に基づく環境情報の取得が実行される(ステップS102〜ステップS104)。
そして、緊急情報の存在が一旦確認されると、スリット102の走査領域のうち緊急性の最も高い測定対象が取得される部位の特定が行われる(ステップS104:YES、S05)。そして、この特定されたスリット走査領域に応じて、まず、スリット102を左端、右端、上端、下端のうちいずれの位置から開始するか否かの設定が行われる(ステップS106)。こうしてスリット102の走査開始位置が設定されると、同じく上記特定されたスリット走査領域に応じてスリット102の走査方向が設定される(ステップS107)。そしてこれにより、緊急情報の存在する部位のスペクトルデータが優先して取得されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる移動体用スペクトル測定装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)スリット102の走査開始位置及び走査方向を、車両の環境情報に応じて設定することとした。これにより、これら走査開始位置及び走査方向に応じてスペクトルデータを順次取得することが可能となり、測定対象を識別する上で必要とされるスペクトルデータの適切な取得が可能となる。
(2)スリット102の走査領域を、緊急性の最も高い測定対象が存在する部位に基づき設定することとした。これにより、測定対象が複数存在するような場合であれ、各測定対象のうちの最も緊急性の高い測定対象のスペクトルデータが早期に取得されるようになり、ひいては、このスペクトルデータに基づく測定対象の識別にかかる処理速度が高められるようになる。
(3)スペクトルセンサ100によって検出されるスペクトルデータに基づいて測定対象の環境情報が取得されるまでの間、車両の位置情報に基づいてスリット102の走査領域の設定を行うこととした。これにより、測定対象の識別を行う上で、より適切なスペクトルデータの取得が可能となる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる移動体用スペクトルセンサ測定装置にかかる第2の実施の形態を図8及び図9を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、スリット102の走査領域の制御を、上記操作・運転者情報取得装置140によって取得される運転操作を含む運転者情報のうちのステアリングの操舵角情報に基づき行うものであり、その基本的な構成は先の第1の実施の形態と共通になっている。
すなわち、図8(a)に示すように、運転者のステアリング操作によってステアリングSTが例えば右方向に切られた場合には、これに伴って運転者の正面方向から見て右側に新たな環境情報が入力されるようになる。そこで、本実施の形態では、ステアリングSTの操舵角情報に基づいて新たな環境情報が検出される領域を特定し、新たな環境情報を優先して検出することとする。
すなわち、まず、ステアリングSTの操舵角情報に基づきステアリングSTが右方向に切られたと判定されると、図8(b)に示すように、スリット102の走査開始位置が運転者の正面方向から見て右端となるように設定されるとともに同スリット102の走査方向が運転者の正面方向から見て右端から左端にかけて走査するように設定される。これにより、車両の走行に伴って検出対象となる環境情報が変化したとしても、新たに検出され
る環境情報が優先して取得されるようになる。
次に、上記スリット走査算出器150にて実行されるスリット102の走査領域の制御手順を、図9を参照して説明する。
図9に示すように、スリット102の走査領域の制御が開始されると、まず、スペクトルセンサ100の検出帯域及び分解能の初期化が実行される(ステップS200)。そして、環境情報及び運転操作を含む運転者情報の現時点での情報レベルが取得される(ステップS201)。ここで、例えば各情報のうちステアリングSTの操舵角情報がスリット102の走査領域を設定する上で最も有用であると判断された場合、このステアリングSTの操舵角情報がスリット102の走査領域を設定するために必要な情報として取得される(ステップS202)。こうして操舵角情報が取得されると、この操舵角情報に基づいてステアリングSTが切られた側が新たな環境情報が検出される部位として特定される(ステップS203)。そして、この特定されたスリット走査領域に応じて、まず、スリット102を左端及び右端のうちいずれの位置から開始するか否かの設定が行われる(ステップS204)。こうしてスリット102の走査開始位置が設定されると、同じく上記特定されたスリット走査領域に応じてスリット102の走査方向が設定される(ステップS205)。そしてこれにより、新たに検出される測定対象のスペクトルデータが優先して取得されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる移動体用スペクトル測定装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)スリット102の走査開始位置及び走査方向を、ステアリングSTの操舵角情報に基づいて設定することとした。これにより、これら走査開始位置及び走査方向に応じてスペクトルデータを順次取得することが可能となり、測定対象を識別する上で必要とされるスペクトルデータの適切な取得が可能となる。
(2)スリット102の走査開始位置を、ステアリングSTが切られた側と同一の方向と態様で設定することとした。これにより、車両の運転操作によって環境情報が変動するような場合であれ、新しい環境情報が優先して検出されるようになる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明にかかる移動体用スペクトルセンサ測定装置にかかる第3の実施の形態を図10及び図11を参照して説明する。なお、この第3の実施の形態は、走査開始位置及び走査方向の設定に併せて走査終了位置の設定を行うことにより、スリット102の走査領域の限定的な制御を行うものである。
すなわち、図10(a)に示すように、例えば、スリット102が走査領域の左端から左端へと右方向に走査されることによって歩行者が検出されたとする。そして、この歩行者が検出された時点で同歩行者が緊急情報として識別されると、必要な環境情報が取得されたとしてスリット走査領域の途中でスリット102の走査が一旦中断される。こうしてスリット102の走査が中断されると、スリット102が走査開始位置に戻され、再びスリット102による環境情報の取得が開始される。これにより、スリット102の走査領域が上記走査開始位置から走査終了位置の間で制限されるようになり、スペクトルデータ処理部110には、環境情報の識別を行う上で必要最低限のスペクトルデータが取り込まれるようになる。
また、例えば、運転者の正面方向の左側に存在する環境情報が緊急性の高い情報として識別されていた場合には、図10(b)に示すように、まず、スリット102の走査開始位置がスリット102の走査領域の中心に設定されるとともに、スリット102の走査方向が左方向に設定される。これによっても、スリット102の走査領域が走査開始位置か
ら走査終了位置の間で制限されるようになり、スペクトルデータ処理部110には、環境情報の識別を行う上で必要最低限のスペクトルデータが取り込まれるようになる。
次に、上記スリット走査算出器150にて実行されるスリット102の走査領域の制御手順を、図11を参照して説明する。
図11に示すように、スリット102の走査領域の制御が開始されると、まず、スペクトルセンサ100の検出帯域及び分解能の初期化が実行される(ステップS300)。そして、環境情報及び運転操作を含む運転者情報の現時点での情報レベルが取得されると、スペクトルセンサ100による観測光の検出に基づき測定対象のスペクトルデータが取得される(ステップS301、S302)。
こうして、測定対象のスペクトルデータに基づいて車両の環境情報が取得され(ステップS303)、この環境情報に基づいて車両周辺に歩行者、自転車、バイク等の交通弱者が存在するか否か、また、信号機が存在するか否か、新しい検出領域が存在するか否か等の緊急情報の有無が判定される(ステップS304)。こうして、スリット走査算出器150では、緊急情報の存在が確認されるまでスペクトルセンサ100の検出に基づく環境情報の取得が実行される(ステップS302〜ステップS304)。
そして、緊急情報の存在が一旦確認されると、スリット102の走査領域のうち緊急性の最も高い測定対象が取得される部位の特定が行われる(ステップS304:YES、S05)。そして、この特定されたスリット走査領域に応じて、まず、スリット102をその走査領域の全体のうちいずれの位置から開始するか否かの設定が行われる(ステップS306)。次いで、スリット102の走査開始位置が設定されると、同じく上記特定されたスリット走査領域に応じてスリット102の走査方向が設定される(ステップS307)。こうして、さらにスリット102の走査終了位置が設定されると、スリット102の走査領域が同スリット102の走査開始位置から走査終了位置の間で限定されるようになる。そしてこれにより、緊急情報の存在する部位のスペクトルデータが限定して取得されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる移動体用スペクトル測定装置によれば、第1の実施の形態による前記(1)〜(3)の効果に準じた効果が得られるとともに、更に以下に列記するような効果が併せて得られるようになる。
(4)スリット102の走査領域を、スリット102の走査開始位置、走査終了位置、及び走査方向によって限定することとした。これにより、スリット102の走査を通じて取得されるスペクトルデータが必要最低限に限定されるようになり、ひいては、環境情報の識別にかかる速度の向上が図られるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、緊急性の高い環境情報が優先して取得される態様でスリット102の走査領域を制御することとしたが、スペクトルセンサ100によって検出される環境情報に基づきスリット102の走査領域を制御するものであればよく、上記緊急性の優先度の設定を割愛するようにしてもよい。
・上記第2の実施の形態では、スリット102の走査開始位置をステアリングSTが切られた方向と同一の方向に設定することとした。スリット102の走査開始位置は、ステアリングSTが切られた方向と反対側に設定することも可能であり、スリット102の走査開始位置はこれらに限定されるものではない。
・上記第2の実施の形態では、スリット102の走査領域を、走査開始位置と走査方向とによって設定することとした。これに限らず、先の図10(a)及び(b)に示したように、ステアリングSTの操舵各情報に基づきスリット102の走査開始位置及び走査終了位置を設定することによってスリット102の走査領域を限定するようにしてもよい。
・上記第2の実施の形態では、スリット102の走査領域の制御を運転操作を含む運転情報のうち、ステアリングSTの操舵角情報に基づいて行うこととした。これに限らず、例えば、上記顔方向検出センサにより検出される運転者の顔の向きを示す情報、上記視線検出センサにより検出される運転者の視線の方向を示す情報等の運転者情報に基づきスリット102の走査領域を制御するようにしてもよい。すなわち、通常、移動体の運転者の顔の向きと移動体の運転操作を含む運転者情報とは相関する関係にあることから、例えば、運転者の顔の向く方向、あるいはその逆の方向が運転者の所望する、あるいは運転者に注意を促すべき測定対象が存在する方向と判定することが可能である。これにより、運転者が所望とする、あるいは運転者に注意を促すべき必要な測定対象の識別を優先して行うことが可能となる。一方、運転者の視線方向と運転者にとって必要とされる測定対象の識別情報とは相関する関係にある。すなわち、運転者の注視する方向に運転者にとって識別が必要とされる測定対象が存在することが普通である。また逆に、運転者の視線とは異なる方向に存在する測定対象の識別情報も、やはり注意を喚起するなど運転者にとっては有用な識別情報ともなり得る。これにより、運転者にとって必要とされる測定対象の識別を優先して行うことが可能となる。
・上記第1の実施の形態では、スリット102の走査領域の制御を、スペクトルセンサ100によって検出される環境情報に基づいて行うこととした。また、上記第2の実施の形態では、スリット102の走査領域の制御を、運転操作を含む運転者情報に基づいて行うこととした。これに限らず、これらスペクトルセンサ100の検出による環境情報及び運転操作を含む運転者情報の双方に基づきスリット102の走査領域を制御するようにしてもよい。
・上記第1の実施の形態では、車両に対する環境情報として、スペクトルデータ処理部110によって識別された測定対象の識別情報を用いることとした。これに限らず、図12に示すように、車両200に対する環境情報を、車両200に搭載されたナビゲーションから得られる自車両200の位置情報に基づき測定対象の出現確率もしくは出現方向の可能性として取得するようにしてもよい。すなわち、車両200の走行位置が市街地等の場合は、測定対象として歩行者201、ガードレール202、対向車両203、信号機204等の出現確率が高くなる。また、これら測定対象201〜204の出現方向は、自車両200の位置情報に基づいて予め予測することが可能である。一方、車両の走行位置が山道等の場合には、動植物が測定対象として存在する確率が高くなり、その出現方向も自車両200の位置情報に基づいて予め予測することが可能となる。このため、ナビゲーションから得られる自車両200の位置情報に基づき測定対象が存在する可能性が高いとされる領域をスリット102の走査領域として設定することとすれば、測定対象のスペクトルデータの適切な取得が可能となる。
・上記各実施の形態では、車両に対する環境情報、あるいは、運転操作を含む運転者情報に基づいてスリット102の走査領域を制御することとした。これに限らず、例えば、運転者の指令に基づきスリット102の走査領域を制御するようにしてもよい。
・上記各実施の形態では、スリット102を、図2及び図4に一例として示したように垂直あるいは水平に配列された複数のスリット板102T〜102Tn、102Y〜102YmとアクチュエータM〜Mn、M〜Mmとによって構成することとした。これに限らず、これら図2及び図4に示すスリット102T、102Yを二重に介すること
によって観測光の光像を取り込むことも可能である。これにより、スリット102の走査領域の制御の自由度が高められるようになり、ひいては、より限定的なスリットの走査領域の設定が可能ともなる。
・上記各実施の形態では、スリット102の走査方向を、上下方向、あるいは左右方向に設定することとした。これに限らず、例えば図13(a)に示すように、スリット102の走査開始位置をその走査領域の左下に設定し、この設定された位置から右上に向かって斜め方向に走査することも可能である。また、図13(b)に示すように、一対のスリット102が交差する態様でスリット102の走査開始位置及び走査方向を設定することも可能である。またさらには、上述のようにこれらスリット102を二重に組み合わせるようにしてもよい。
・上記各実施の形態では、スペクトルセンサが搭載される移動体として自動車等の車両を想定したが、移動体としては、路面を走行する自動二輪車、ロボット等であってもよい。またこれに限らず、スペクトルセンサが搭載されるとともに同スペクトルセンサによって検出されるスペクトルデータに基づき測定対象を識別する移動体であれば本発明の適用は可能である。
100…スペクトルセンサ、101…レンズ、102…スリット、102T〜102Tn、102Y〜102Yn…スリット板、103…分光器、104…撮像素子、110…スペクトルデータ処理部、120…HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、130…車両制御器、140…操作・運転者情報取得装置、150…スリット走査算出器、160…スリット走査制御器、200…車両、201…歩行者、202…ガードレール、203…対向車両、204…信号機、M〜Mn、Mm…アクチュエータ、ST…ステアリング。

Claims (10)

  1. 波長情報と光強度情報とを測定可能なスペクトルセンサを移動体に搭載し、このスペクトルセンサにて検出される観測光のスペクトルデータに基づいて移動体周辺の測定対象を識別する移動体用スペクトル測定装置であって、
    前記スペクトルセンサは、スリットの走査により順次取り込まれる光像を波長毎に分光しつつ撮像素子に受光させることによってスペクトルデータを取得するものであり、
    前記移動体には、その環境情報及び運転操作を含む運転者情報の少なくとも一方に基づいて前記スリットの走査領域を制御するスリット走査制御器が設けられてなり、
    前記スリット走査制御器は、前記スリットの走査領域の制御として、前記走査領域において取得されるスペクトルデータの取得順序を可変とする制御を実行する
    ことを特徴とする移動体用スペクトル測定装置。
  2. 前記スリット走査制御器によって制御される前記スリットの走査領域が、同スリットの走査開始位置及び走査方向の設定である
    請求項1に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  3. 前記スリット走査制御器によって制御される前記スリットの走査領域が、同スリットの走査終了位置の設定を更に含む
    請求項2に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  4. 前記スリット走査制御器は、取得される環境情報及び運転操作を含む運転者情報から推定される緊急性の高い測定対象を優先して識別し得る態様で前記スリットの走査領域を制御する
    請求項2または3に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  5. 前記移動体は操舵用のステアリングを備えており、前記運転操作を含む運転者情報はこのステアリングに設けられた角センサにより検出されるステアリングの操舵角情報である
    請求項4に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  6. 前記移動体には運転者の顔の向きを検出する顔方向検出センサが設けられており、前記運転操作を含む運転者情報はこの顔方向検出センサにより検出される運転者の顔の向きを示す情報である
    請求項4または5に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  7. 前記移動体には運転者の視線の方向を検出する視線検出センサが設けられており、前記運転操作を含む運転者情報はこの視線検出センサにより検出される運転者の視線の方向を示す情報である
    請求項4〜6のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  8. 前記移動体の環境情報は、その都度のスペクトルデータに基づき識別される測定対象の状態として取得される
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  9. 前記移動体の環境情報は、ナビゲーションから得られる移動体の位置情報に基づき、測定対象の出現確率もしくは出現方向の可能性として取得される
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  10. 前記移動体が路面を走行する自動車である
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
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