JP2000113159A - マルチスペクトル画像処理を用いた目標抽出装置 - Google Patents

マルチスペクトル画像処理を用いた目標抽出装置

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JP2000113159A JP10281471A JP28147198A JP2000113159A JP 2000113159 A JP2000113159 A JP 2000113159A JP 10281471 A JP10281471 A JP 10281471A JP 28147198 A JP28147198 A JP 28147198A JP 2000113159 A JP2000113159 A JP 2000113159A
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壽洋 岡村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチスペクトル画像処理において、画像の
明るさ(照度等)を測定しなくても、目標抽出を可能と
し、またしきい値の設定を容易に行えることを実現す
る。 【解決手段】 n次元マルチスペクトル画像を(n−
1)次元角度座標に変換し、目標抽出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は人工衛星、航空機、地
上車両等に搭載し、任意の明るさで撮影したマルチスペ
クトル画像と、目標物の色の比データから、マルチスペ
クトル画像内で雑音に埋もれた目標物の位置を確定する
ことが可能なマルチスペクトル画像処理を用いた目標抽
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リモートセンシングなどに使われている
マルチスペクトルセンシング技術で、最近代表的なもの
としては、波長帯域で、0.4 〜0.5 μm(青)、0.5 〜
0.6 μm(緑)、0.6 〜0.7 μm(赤)、0.75〜0.9 μ
m(近赤外)等を用いた4バンドのマルチスペクトル撮
像装置がある。このマルチスペクトル画像を用いて目標
物を抽出するための手法として、従来のものは、撮像し
た画像の明るさ(照度等)を測定し、目標物の色データ
から目標物の光の反射強度を求めて、目標抽出を行って
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方式では、撮像
画面内に反射率が既知の反射板等を設置し、目標物と同
時に撮像することで画像の明るさ(照度等)を知る必要
があった。また画像の明るさ(照度)が変わるとしきい
値設定のための目標物の座標が変化するため、しきい値
の設定が複雑になり、マルチスペクトル処理のためのバ
ンド数をむやみに増やすことができなかった。
【0004】本発明は上記事情に艦みてなされたもの
で、画像の明るさ(照度等)を測定しなくても目標の抽
出を可能とし、また画像の明るさが変化したりバンド数
が増えたりしても、しきい値の設定が容易にできるマル
チスペクトル画像処理を用いた目標抽出装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるマルチス
ペクトル画像処理を用いた目標抽出装置は、n個の波長
帯域で取得したデジタル化されたnバンドのマルチスペ
クトル画像と、既知である抽出したい目標物の色の比デ
ータから、マルチスペクトル画像各点のn次元の色強度
データを(n−1)次元の角度データに変換する。(n
−1)次元の角度座標の中心に目標物の座標を位置さ
せ、目標物の色の比データの分散と雑音源の座標とその
分散からしきい値を設定する。しきい値の内部空間に含
まれる角度データを目標物と判定し、マルチスペクトル
画像上で、抽出結果を表示する。
【0006】
【作用】画像の明るさ(照度等)を知る必要が無く、ま
たしきい値の設定が容易である。
【0007】
【実施例】まず簡単のために、3バンドのマルチスペク
トル画像処理について説明する。波長の感度帯域が図2
で表される3つのセンサを用いて取得したマルチスペク
トル画像を図3とする。マルチスペクトル画像データ
は、Xij=(B,R,N)で、表される。ここでXij
図4に示すように画像の中の任意の点の位置を示す。
B、R、Nはその点の青(B)の信号強度、赤(R)の
信号強度、近赤外(N)の信号強度である。従来の方法
では、この強度データを図4の全画面にわたって計算
し、ベクトルとして3次元座標上にプロットしていき、
図5の様な結果を得る。目標の周りにしきい値を設定す
ることにより、目標抽出を行う。しかしながらこの方法
では、しきい値を設定するために画像の明るさ(照度
等)に関する情報が必要で、またしきい値自体も明るさ
により3次元座標の中で動いてしまう。
【0008】本発明は、以下のような手法でこの問題を
解決する。
【0009】反射率計またはマルチスペクトル画像から
直接求めた目標物の色の比データの平均値を(TB ,T
R ,TN )とおく。この平均値は比データなので任意の
比例定数kを用いて(kTB ,kTR ,kTN )と各要
素をk倍したものを用いても構わない。画像の任意の点
の画像データをXij=(B,R,N)とした時に Y=(X1 , X2 , X3
【0010】
【数1】
【0011】なるベクトルYを定義する。Yを3次元空
間上で図示すると図6の様になるが、この時画像の明る
さ(照度等)によって、Yの大きさは変化するが、向き
は変わらないので、Y' =kY(kは比例定数)と定義
されるベクトルY' は、同一物体を明るさを変えて撮像
したときのベクトルと考えられる。そこで、ベクトルY
を表すために図6に示される角度θ1 、θ2 を用いる。
【0012】θ1 、θ2 は、式を用いて次のように計
算される。
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】ここでθ1 、θ2 の値の範囲は、X1 , X
2 , X3 ≧0であることから、0〜π/2(rad )であ
る。また式でX3 を√2倍しているのは、目標物をθ
1 θ2 平面上で常に座標(π/4,π/4)に位置させ
るためである。
【0016】この(θ1 ,θ2 )を2次元座標軸上でプ
ロットすると、図7の様になる。この時、目標物の色デ
ータ平均値は、式から Y(目標)=(X1 , X2 , X3
【0017】
【数4】
【0018】となる。、、式よりθ1 =π/4(r
ad) 、θ2 =π/4(rad) となり、図7の座標上で、目
標物の色データ平均値はθ1 θ2 平面上で常に座標(π
/4,π/4)に位置する。そこで、改めてθ1 −π/
4をθ1 、θ2 −π/4をθ2とおけば、目標物の色デ
ータ平均値は図8に示すように、θ1 θ2 平面上で常に
(0,0)に位置し、座標の中心に位置させることがで
きる。
【0019】しきい値の設定は、以上の方法により、θ
1 θ2 平面上で目標物色データ平均値が常に座標の中心
にあり、明るさ(照度等)の変化でしきい値が動くこと
が無いため、設定が容易になる。図8の例では、目標物
の色の比データの分散と雑音源の座標とその分散から、
しきい値の集合が楕円を形成するように設定している。
(θ1 ,θ2 )が楕円の内部に入った時に目標と判定す
る。
【0020】抽出結果の表示は、図4で示される画面上
で、任意の色で目標物と認識された位置に点を打つこと
により行う。
【0021】以上3バンドの場合について説明したが、
次に一般的なnバンドのマルチスペクトル画像の処理法
について説明する。反射率計またはマルチスペクトル画
像から直接求めた目標物の色の比データの平均値を(T
1 ,T2 ,T3 ,・・・,Tn )とおく。この平均値は
比データなので任意の比例定数kを用いて(kT1 ,k
2 ,kT3 ,・・・,kTn )と各要素をk倍したも
のを用いても構わない。画像の任意の点の画像データを
ij=(D1 ,D2 ,D3 ,・・・,Dn )とした時に Y=(X1 , X2 , X3 , ・・・,Xn-1 ,Xn
【0022】
【数5】
【0023】なるベクトルYを定義する。Yはn次元空
間上のベクトルと考えられる。この時画像の明るさ(照
度等)によって、Yの大きさは変化するが、向きは変わ
らないので、Y’=kY(kは比例定数)と定義される
ベクトルY’は、同一物体を明るさを変えて撮像したと
きのベクトルと考えられる。そこで、n次元ベクトルY
を表すのに(n−1)個の角度θ1 、θ2 、・・・、θ
n-1 を用いる。
【0024】θ1 、θ2 、・・・、θn-1 は、式を用
いて次のように計算される。
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
【0027】
【数8】
【0028】ここでθ1 、θ2 、・・・、θn-1 の値の
範囲は、X1 , X2 , X3 , ・・・,Xn ≧0であるこ
とから、0〜π/2(rad )である。また式でX3
√2倍、式でXn を√(n−1)倍しているのは、目
標物をθ1 θ2 ・・・θn-1 空間面上で常に座標(π/
4,π/4,・・・,π/4)に位置させるためであ
る。
【0029】この(θ1 ,θ2 ,・・・,θn-1 )は、
(n−1)次元の直交空間を形作る。この時、目標物の
色データ平均値は、式から Y(目標)=(X1 , X2 , X3 , ・・・, Xn
【0030】
【数9】
【0031】となる。、、、式よりθ1 =θ2
=・・・=θn-1 =π/4(rad) となり、目標物の色デ
ータ平均値は、(n−1)次元の直交空間上で常に座標
(π/4,π/4,・・・,π/4)に位置する。そこ
で改めて、θ1 −π/4をθ1、θ2 −π/4をθ2
・・・、θn-1 −π/4をθn-1 とおけば、目標物の色
データ平均値は(n−1)次元の直交空間上で常に
(0,0,・・・,0)に位置し、座標の中心に位置さ
せることができる。
【0032】しきい値の設定は、(θ1 ,θ2 ,・・
・,θn-1 )が構成する(n−1)次元直交空間上で、
θ1 =θ2 =・・・=θn-1 =0(rad) の点の周りに、
しきい値空間を設定し、その内部に(θ1 ,θ2 ,・・
・,θn-1 )が入ったときに目標と判断する。そのしき
い値空間の設定法は、例えば目標物の色の比データの分
散と雑音源の座標とその分散を考慮し、お互いをうまく
分離するような(n−1)次元の楕円面を描いて、その
内部に(θ1 ,θ2 ,・・・,θn-1 )が入った時に目
標と判定する。これはコンピューター上で容易にプログ
ラムが可能である。
【0033】抽出結果の表示は、図4で示される画面上
で、任意の色で目標物と認識された位置に点を打つこと
により行う。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係わるマル
チスペクトル画像処理を用いた目標抽出装置によれば、
従来の方式では成し得なかった画像の明るさ(照度等)
の測定を行わずに目標の抽出を可能とし、また画像の明
るさが変化したりバンド数が増えたりしても、しきい値
を容易に設定することが可能となる。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本装置の処理の流れである。
【図2】3種類のセンサのバンド幅と感度の一例であ
る。
【図3】マルチスペクトル画像の一例である。
【図4】画像の座標値を示す。
【図5】従来方式の目標抽出法の一例である。
【図6】3次元座標を2次元角度座標で表現した図であ
る。
【図7】2次元角度座標上の目標と雑音の一例である。
【図8】2次元角度座標を用いた目標抽出の一例であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月13日(1999.9.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の明るさで異なるn個の光の波長帯
    域を利用して撮影されたnバンドのマルチスペクトル画
    像と、既知である抽出したい目標物の色の比データをコ
    ンピュータに取り込む手段。(図1)。
  2. 【請求項2】 nバンドのマルチスペクトル画像データ
    を(n−1)次元の角度データに変換する手段。
  3. 【請求項3】 角度0〜π/2(rad )の範囲で定義さ
    れた(n−1)次元角度座標上で、目標物の座標を中心
    に位置させる手段。
  4. 【請求項4】 (n−1)次元角度座標上で、目標物の
    座標の周囲にしきい値を設定する手段。
  5. 【請求項5】 (n−1)次元角度座標上で、任意の明
    るさで撮像された目標物を抽出し、マルチスペクトル画
    像上で、抽出結果を表示する手段。
JP28147198A 1998-10-02 1998-10-02 マルチスペクトル画像処理を用いた目標抽出装置 Expired - Lifetime JP3012927B1 (ja)

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