JP2006320240A - リモートセンシングによる作物情報測定方法 - Google Patents

リモートセンシングによる作物情報測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定手順を簡便にするため、基準点となるマーカを設置することなく斜め上方から撮影した圃場の画像を用いて圃場内に生育する作物の作物情報を測定することを技術的課題とする。
【解決手段】圃場内の任意の領域に生育する作物を、斜め上方からカメラで撮影して画像データを得る工程と、前記工程での撮影時のカメラの俯角を測定する工程と、前記画像データと前記俯角とから、前記任意の領域における前記画像データの加重平均を求める工程と、前記加重平均から前記作物の第1の作物情報を求める工程と、前記第1の作物情報の、測定方位、植栽密度及び照度の影響による誤差を補正する工程と、からなることを特徴とする作物情報の測定方法とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、地上に設置したカメラによるリモートセンシングを用いた圃場内作物の生育情報を容易に測定する方法に関するものである。
従来、圃場を斜め上方から撮影した画像を用いて圃場内に生育する作物の生育情報を測定する方法として、特許文献1に記載されているように、射影変換技術によって圃場を斜め上方から撮影した画像の座標を地上座標に変換する画像処理方法を用いることが知られている。しかし、射影変換技術を用いる場合、撮影する範囲内に基準座標となる設置位置が既知の4点の座標が必要であり、また、この4点の座標の相対座標を算出するために任意の2点の位置から前記4点の各座標までの距離及び前記任意の2点間の距離を計測する必要がある。つまり、実際に圃場を斜め上方から撮影し、撮影して得た画像から圃場内作物の生育情報を求める場合には、基準座標となる基準点として4つのマーカを圃場内又は圃場近傍に設置し、任意の2点の位置から前記4つのマーカまでの距離及び前記2点の間の距離をレーザー距離計等で計測する必要があった。このため、測定手順が煩雑になってしまい、効率的に測定を行うことが困難であった。このようなことから、撮影の作業効率を上げるために測定手順を簡便にすることが望まれている。
特開2001−45868号公報
本発明は上記問題点をかんがみて、測定手順を簡便にするため、基準点となるマーカを設置することなく斜め上方から撮影した圃場の画像を用いて圃場内に生育する作物の作物情報を測定することを技術的課題とする。
上記課題を解決するため本発明は、圃場内の任意の領域に生育する作物を、斜め上方からカメラで撮影して画像データを得る工程と、前記工程での撮影時のカメラの俯角を測定する工程と、前記画像データと前記俯角とから、前記任意の領域における前記画像データの加重平均を求める工程と、前記加重平均から前記作物の第1の作物情報を求める工程と、前記第1の作物情報の、測定方位、植栽密度及び照度の影響による誤差を補正する工程と、からなることを特徴とする作物情報の測定方法とした。
また、地表面に対して前後方向及び左右方向共に水平な状態でカメラを設置して、この状態で水平画像を撮影し、前記カメラを移動させることなくそのままの位置で下方に向けて、前記作物と前記水平画像の水平方向の中心線上に写っていた対象物とが撮影範囲に含まれるように画像を撮影し、前記水平画像と前記画像とから、前記画像を撮影したときのカメラの俯角を求める前記測定方法とした。
本発明によれば、圃場を斜め上方から撮影して得た画像データから、加重平均を用いて圃場内の任意の領域の作物情報を求めることにより、圃場内又は圃場近傍に基準座標となるマーカを設置することなく測定を行うことができる。つまり、測定の作業効率を上げることができ、また、圃場内での人の移動距離を必要最低限にすることできるので、圃場内を人が移動することによる圃場内作物の地上部及び根圏部の損傷を最小限に抑えることができる。なお、本発明の測定方法は、圃場に限らず、斜め上方から撮影し、撮影した画像に加重平均を用いる全ての場合において有効に利用することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は、本発明の実施形態における測定手順を示すフローチャート1である。まず、圃場の撮影(ステップS1)について説明する。ここでは圃場での水稲の撮影を例にして説明する。図2は、圃場3を撮影する一例を示している。水稲が生育する圃場3に向けてカメラ2が所定の位置に設置されている。実施例ではCCDを搭載したデジタルカメラを使用しているが、本発明に使用するカメラは、撮影した情報をCCD搭載したデジタルカメラで撮影した画像データと同様な状態にデジタル化できるカメラであれば、特に限定されない。圃場3は自然光にさらされている。撮影範囲4には作物情報を求めたい領域全体が含まれている。なお、撮影範囲4は、「畔(あぜ)」で区切られた1枚の圃場であってもよいし、その1枚の圃場内の一区画であってもよい。また、複数枚の圃場を同時に撮影することも可能である。
図3で示すものは、カメラ2の機能を表す簡略なブロック図である。カメラ2は、CCD5を備えている。圃場内作物による自然光の反射光は、レンズ6を介してCCD5上の各画素によって受光される。受光して得た画像データは、記憶装置7に一度保存し、データ処理装置8に入力され、データ処理装置8にて処理される。なお、データ処理装置8には、一般的なパソコンなどを用いればよい。
図4は、圃場3をカメラ2で撮影するときの原理を説明するための斜視図である。図中の符号Fはカメラ2のレンズ6の主点、符号Eは主点Fから地表に向けた垂線と地表面との交点であり、主点Fは、地表面から高さHの位置にある。符号11は、CCD5上の任意の画素座標(Px,Py)(Px=0〜Nx−1,Py=0〜Ny−1)にある画素を示している。なお、Nxは、CCD5の水平方向の画素数であり、Nyは、CCD5の垂直方向の画素数である。符号12は、この画素11によって撮影した圃場面積を示している。点T’は、CCD5上での点であり、CCD5の中心点である。点Tは、点T’の位置の画素で撮影する撮影範囲4上の点であり、また、図5は、CCD5の画素座標(Px,Py)にある任意の画素11をイメージ的に示しており、図6は、この画素座標(Px,Py)にある画素にて取得した撮影面積12をイメージ的に示している。デジタルカメラにより斜め上方から圃場を撮影する場合、被写体である圃場との距離及び角度がCCD上の画素ごとに異なるので、図6で示すように、各画素が撮影する面積の大きさに違いが生じる。
したがって、この違いを考慮して作物情報を求める必要がある。そのため、カメラ2で撮影した撮影範囲4の画像データについて、単位画素間の面積比を求め、この面積比を加重平均の重みとして(ステップS3)、撮影範囲4内の任意の領域の作物情報を、加重平均により計算する。まずは、単位画素ごとの荷重平均の重みの求め方について説明する。ここでは、単位画素を1画素として、画素11の加重平均の重みの求め方を説明する。
図4では、撮影範囲4を四角形ABCDとして示しており、画素11で撮影した圃場の面積を四角形GIJKで示している。四角形GIJKの面積は、カメラ2の左右方向を水平にした状態で撮影した場合には、辺GIを下辺、辺JKを上辺とする台形として求めることができる。したがって、辺GI及び辺JKの長さと台形GIJKの高さを求めれば、台形GIJKの面積を計算することができる。
まず、台形GIJKの高さの求め方について説明する。台形GIJKの高さは、図4中の直線MNの長さに該当する。ここで、辺ABの中点を点L、辺CDの中点を点Oとしているので、直線LOは、撮影範囲4の垂直方向の中心線となる。点Mは、辺GIを延長した場合に直線LOと直交する点であり、点Nは、辺JKを延長した場合に直線LOと直交する点である。直線MNの長さの求め方を、図7を用いて説明する。図7は、主点F、中心点T、点M及び点Nの位置関係を表している。符号φは、撮影時の俯角である。この俯角φは、カメラ2での撮影時に傾斜計にて測定すればよい。符号θmは、主点Fと中心点Tとを直結した直線FTと、主点Fと点Mとを直結した直線FMとのなす角の角度であるので、直線FMと、点Eと点Mとを直結した直線EMとでなす角の角度は、(φ−θm)となる。また、符号θnは、主点Fと中心点Tとを直結した直線FTと、主点Fと点Nとを直結した直線FNとのなす角の角度であるので、直線FNと、点Eと点Nとを直結した直線ENとでなす角の角度は、(φ−θn)となる。このことから、直線EMの長さは、
Figure 2006320240
となり、直線ENの長さは、
Figure 2006320240
となる。直線ENと直線EMとの差が直線MNの長さであることから、直線MNの長さは、
Figure 2006320240
と表すことができる。なお、俯角φは、カメラ2での撮影時に傾斜計にて測定すればよい。このとき、カメラ2は、地表面に対して左右方向を水平にして設置する必要がある。この場合、一般的な水準器を用いればよい。次に、辺GI及び辺JKの長さの求め方について図8及び図9により説明する。図8は図4のZ1部の拡大図、図9は図7のZ2部の拡大図である。撮影に用いるカメラ2のレンズ6の焦点距離をfとすると、fと比較して直線FTがはるかに大きいので、焦点距離fは図9中の点Fと点T’を直結した直線FT’の長さと考えることができる。点M’は、撮影した際のCCD5上での点Mの位置を示した点であり、点N’は、撮影した際のCCD5上での点Nの位置を示した点である。直線FT’と、点Fと点M’とを直結した直線FM’とでなす角は、直線FTと、直線FMとでなす角の対角であるから、その角度はθmである。また、直線FT’と、点Fと点N’とを直結した直線FN’とでなす角は、直線FTと、直線FNとでなす角の対角であるから、その角度はθnである。点G’、点I’、点J’及び点K’は、それぞれ撮影した際のCCD5上での点G、点I、点J及び点Kの位置を示した点である。直線FM’、点G’と点I’とを直結した辺G’I’、直線FM及び辺GIには、次のような関係が成り立つ。
Figure 2006320240
したがって、直線GIは、
Figure 2006320240
と表すことができる。直線FM’は、
Figure 2006320240
直線FMは、
Figure 2006320240
と表すことができる。直線G’I’の長さは、画素11の水平方向の長さであるから、画素11の水平方向の長さをqとすると、辺GIの長さは、
Figure 2006320240
となる。同様に、直線FN’、点J’と点K’とを直結した辺J’K’、直線FN及び辺JKは、次のような関係が成り立つ。
Figure 2006320240
したがって、辺JKは、
Figure 2006320240
と表すことができる。直線FN’は、
Figure 2006320240
直線FNは、
Figure 2006320240
と表すことができる。辺J’K’の長さは、辺G’I’と同様に画素11の水平方向の長さであるから、その長さをqとすると、辺JKの長さは、
Figure 2006320240
となる。次に、θm及びθnの求め方について説明する。CCD5の垂直方向の画素数をNy、画素の垂直方向の長さを水平方向の長さと同様にqとすると、点T’と点M’とを直結した直線T’M’の長さは、
Figure 2006320240
となり、点T’と点N’とを直結した直線T’N’の長さは、
Figure 2006320240
となる。したがって、θmは、
Figure 2006320240
となり、θnは、
Figure 2006320240
となる。以上のことから、画素11で撮影した圃場の面積である台形GIJKの面積は、
Figure 2006320240
となる。本発明においては、カメラ2で撮影した撮影範囲4の画像データについて、単位画素間の面積比を求め(ステップS2)、この面積比を前記単位画素ごとの加重平均の重みとしている。なお、数式18のq、H及びfは一定であり、すなわち、各画素の面積比w(Px,Py)は、数式18より、
Figure 2006320240
と表すことができる。上記数式19によりCCD5上の各画素の加重平均の重みとなる面積比を求めることができる。
次に、撮影範囲4から作物情報を求める領域を決める。前記領域は、撮影範囲4を撮影して得た画像をパソコンなどのディスプレイ上で表示し、その画面上で目視により決めればよい。本発明においては、圃場内作物の任意の領域における作物情報の平均値を求めることを目的としているため、このような方法で領域を決めても精度に影響はない。
前記領域内の画像データは、その領域内を撮影したCCD5上の画素ごとに、R(赤)信号、G(緑)信号及びB(青)信号の3つのデジタル信号にそれぞれ変換されて保存されている。このため、前記領域内作物の作物情報の加重平均を計算するために、前記領域内を撮影したCCD5上の画素ごとのR信号、G信号及びB信号のそれぞれの平均値を求める必要がある。ただし、先に述べたように、デジタルカメラにより斜め上方から圃場を撮影した場合、各画素によって得られる撮影面積の大きさに違いが生じるので、数式19を使用して、前記領域内の全画素の面積比をそれぞれ求め、この面積比を加重平均の重みとして、前記領域内の画像データの加重平均を計算する。ここで、前記領域が、水平方向の画素数がNi(Ni=0〜Ni−1)、水平方向の画素数がNj(Nj=0〜Nj−1)の長方形であるとすると、この領域内の画像データのR信号の加重平均Ravgは、
Figure 2006320240
と計算することができる。同様にして、前記領域内の画像データのG信号及びB信号の加重平均Gavg及びBavgは、それぞれ、
Figure 2006320240
Figure 2006320240
と計算することができる。次に、加重平均Ravg、加重平均Gavg及び加重平均Bavgから前記領域内の作物情報を求める方法について説明する(ステップS3)。ここでは、作物情報を稲体の葉身窒素含有率として説明する。データ処理装置8には、前もって作成しておいた検量線(以下、「第1の作物関係式」という)を記憶しておく。この第1の作物関係式は、加重平均Ravg、加重平均Gavg及び加重平均Bavgから稲体の葉身窒素含有率を計算するためのものである。
前記第1の作物関係式は、一般的な方法によって求めることができる。まず、カメラ2により稲の生育する圃場を撮影し、R信号、G信号及びB信号の3つのデジタル信号に変換された画像データを得る。この画像データから前記圃場内の一定面積のR信号の加重平均、G信号の加重平均及びB信号の加重平均を求める。これからの加重平均は、上述した方法により求めることができる。前記一定面積の広さは特に限定されないが、通常1平方メートル程度である。次に、前記一定面積の範囲内に生育する複数の稲体から稲葉を採取し、採取した稲葉の葉身窒素含有率をそれぞれ化学分析により直接求め、これらの値を平均して前記一定面積に生育する稲の平均葉身窒素含有率とする。同様に、前記圃場内であって、前記一定面積とは異なる複数の場所で、一定面積のR信号の加重平均、G信号の加重平均、B信号の加重平均及び稲の平均葉身窒素含有率を求める。このようにして圃場内の複数箇所のR信号の加重平均、G信号の加重平均及びB信号の加重平均と、稲の平均葉身窒素含有率とを得て、前記R信号の加重平均、前記G信号の加重平均及び前記B信号の加重平均を説明変数、前記平均葉身窒素含有率を目的変数として重回帰分析等により下記に示す第1の作物関係式を作成することができる。
Figure 2006320240
一般的に、重回帰分析に用いる説明変数及び目的変数のサンプル数が多いほど第1の作物関係式の精度を高めることができる。また、第1の作物関係式は、サンプルデータを加えて毎年更新することにより、より的確なものとなる。なお、第1の作物関係式は、作物の生育時期毎に作成することが望ましい。また、ここでは同一圃場内の画像データを使用した場合の検量線の作成方法について説明しているが、同一条件で撮影する限り、異なる圃場の画像データを追加して使用しても何ら問題はない。
圃場3内の任意の領域に生育している稲体をカメラ2で撮影して得た画像データから、R信号の加重平均、G信号の加重平均及びB信号の加重平均を計算することで、これらの計算値と第1の作物関係式とから前記稲体の平均葉身窒素含有率(以下、「第1の作物情報」という)を簡単に求めることができる。このようにして圃場の任意の領域で生育している稲体の第1の作物情報を測定することができる。
ところで、分光分析装置には、特開平10−96692に記載されているような携帯型(小型)の葉の成分測定装置(以下、「測定装置10」という)がある。この測定装置10を用いることで、稲体の葉身窒素含有率(以下、「第2の作物情報」という)を容易に直接測定することができる。また、この第2の作物情報にて、第1の作物情報を補正することができる。測定装置10は、稲葉を直接測定して稲体の葉身窒素含有率を求めるので、測定方位、植栽密度及び照度などの影響を受けない。このため、本発明では、第1の作物情報の測定方位、植栽密度及び照度の影響による誤差を、測定装置10で測定した第2の作物情報を使用して補正する(ステップS4)。具体的には、第1の作物情報と第2の作物情報との差異を補正に用いる。例えば、ある圃場の一定面積の範囲内で生育している稲体の平均葉身窒素含有率が、カメラ2による測定で4.0%(第1の作物情報)、測定装置10による測定で3.0%(第2の作物情報)であったとする。なお、測定装置10による測定値は、前記一定面積の範囲に生育している複数の稲体の葉を測定した平均値である。また、ここでいう「一定面積の範囲」は、前記任意の領域と同一である必要はない。前記第2の作物情報を、データ処理装置8に入力し、データ処理装置8にて前記第1の作物情報と前記第2の作物情報との差異を算出し、この差異によって第1の作物情報の補正を行う。ここでは、第1の作物情報を4.0%、第2の作物情報を3.0%としているので、第1の作物情報が第2の作物情報よりも1.0%高い値となっているから、差異は−1.0%となる。この差異を前記第1の作物情報に加えて、前記第1の作物情報は3.0%と補正される。
前記差異を補正値としてデータ処理装置8内に記憶しておくことで、今後、カメラ2による測定で求めた第1の作物情報を、前記差異の−1.0%によって補正することができる。これにより、測定方位、植栽密度及び照度の影響を除去した測定が、カメラ2とデータ処理装置8とによって実現可能となる。なお、補正値(差異)を定めるに当たって、カメラ2によって得られた第1の作物情報の情報源と、測定装置10によって得られた第2の作物情報の情報源とは共通であることが重要である。つまり、カメラ2によって撮影する稲体と、測定装置10によって測定する稲葉の稲体とが、同一であることが重要である。測定装置10の測定値は、測定方位、植栽密度及び照度に関係なく得られた値であることから、前記測定値を利用して補正した第1の作物情報、すなわち、カメラ2による測定値は、従来のリモートセンシングに比べて外的要因に左右されないものとなる。
なお、俯角φは、カメラ2での撮影時に傾斜計にて測定すればよいが、傾斜計を使用しなくても、撮影した画像から俯角φを求めることができる。まず、圃場を斜め上方から撮影する前に、カメラ2を地表に対して前後方向及び左右方向共に水平にした状態で圃場3を撮影し、水平画像Aを得る。この水平画像Aは、地表面に対して前後方向を水平にしてカメラ2により撮影しているため、当然、圃場3全体は写っていない。次に、カメラ2を移動させることなくそのままの位置で下方に向け、斜め上方から撮影する状態にて圃場3全体を撮影し、画像Bを得る。このとき、水平画像Aの水平方向の中心線上に写っていた対象物(画像)を少なくとも2点、画像Bに写っているようにする。そして、このような条件で撮影した水平画像Aと画像Bとから俯角φを求める。この方法について図10により説明する。図10の点T’は、画像Bを撮影したときのCCD5上の中心点である。符号S及びUは、画像Bを撮影する際に、水平画像Aの水平方向の中心線上に写っていた対象物(画像)を撮影したときのCCD5上の点である。符号Vは、点Sと点Uとを直結した直線SUと、点T’を通る直線とが直交する点である。点T’と点Vとを直結した辺T’Vの長さは、CCD5上の画素の垂直方向の長さがわかれば、画像Bから求めることができる。したがって、俯角φは、
Figure 2006320240
となるので、傾斜計を使用しなくても、画像B及び数式24により俯角φを求めることができる。ここでは、直線SUと前記中心線が直交する場合、つまり、地表面に対して左右方向を水平にした状態でカメラ2により画像Bを撮影する場合について説明したが、この方法によれば、画像Bを撮影する場合に、カメラ2が地表面に対して左右方向のどちらかに傾いていてもよい。傾いた状態で撮影した画像Bを、一般的な画像処理ソフトを用いて、地表面に対して左右方向を水平にした状態で撮影したと同等の状態に処理することで、前述の方法により俯角を求めることができ、この俯角を用いて作物情報を測定することが可能となる。
また、地上からの撮影の他、気球、ラジコン飛行装置(飛行機、ヘリ)又は有人飛行機にカメラ2を搭載して圃場を撮影することも可能である。なお、地上からの撮影とは、地面から1m〜10mの高さから圃場を見下ろすようにカメラにて撮影することである。
本発明の測定方法は、圃場に限らず、斜め上方から撮影し、撮影した画像に加重平均を用いる全ての場合において有効に利用することができる。
本発明の測定手順を示したフローチャートである。 圃場を撮影する一例を示した説明図である。 カメラ2の機能を表す簡略なブロック図である。 圃場3をカメラ2で撮影するときの原理説明用斜視図である。 CCD5上の任意の位置にある画素を示した図である。 撮影する面積が画素ごとに異なることを示したイメージ図である。 主点F及び中心点Tの位置関係を表した図である。 図4のZ1部の拡大図である。 図7のZ2部の拡大図である。 画像データから俯角φを求めるための説明図である。
符号の説明
1 フローチャート
2 カメラ
3 圃場
4 撮影範囲
5 CCD
6 レンズ
7 記憶装置
8 データ処理装置
10 携帯型の葉の成分測定装置
F 主点

Claims (2)

  1. 圃場内の任意の領域に生育する作物を、斜め上方からカメラで撮影して画像データを得る工程と、
    前記工程での撮影時のカメラの俯角を測定する工程と、
    前記画像データと前記俯角とから、前記任意の領域における前記画像データの加重平均を求める工程と、
    前記加重平均から前記作物の第1の作物情報を求める工程と、
    前記第1の作物情報の、測定方位、植栽密度及び照度の影響による誤差を補正する工程と、
    からなることを特徴とする作物情報測定方法。
  2. 地表面に対して前後方向及び左右方向共に水平な状態でカメラを設置して、この状態で水平画像を撮影し、
    前記カメラを移動させることなくそのままの位置で下方に向けて、前記作物と前記水平画像の水平方向の中心線上に写っていた対象物とが撮影範囲に含まれるように画像を撮影し、
    前記水平画像と前記画像とから、前記画像を撮影したときのカメラの俯角を求めることを特徴とする請求項1に記載の作物情報測定方法。































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