JP5204987B2 - 空調システムおよび空調システムの制御方法 - Google Patents

空調システムおよび空調システムの制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5204987B2
JP5204987B2 JP2007103813A JP2007103813A JP5204987B2 JP 5204987 B2 JP5204987 B2 JP 5204987B2 JP 2007103813 A JP2007103813 A JP 2007103813A JP 2007103813 A JP2007103813 A JP 2007103813A JP 5204987 B2 JP5204987 B2 JP 5204987B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat source
heat
source water
water
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007103813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008261536A (ja
Inventor
利雄 林
資典 上遠野
伊之 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Nippon Pmac Co Ltd
Original Assignee
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Nippon Pmac Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago Thermal Engineering Co Ltd, Nippon Pmac Co Ltd filed Critical Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority to JP2007103813A priority Critical patent/JP5204987B2/ja
Publication of JP2008261536A publication Critical patent/JP2008261536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5204987B2 publication Critical patent/JP5204987B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを備える空調システムおよびその制御方法に関する。
室外機に空冷式と水冷式の2系統の熱交換器を設け、各絞り機構または各膨張弁の開度を制御することにより、冷房運転および暖房運転を同時に行うことを可能とする空調システムがある(特許文献1を参照)。
また、空調システムの各箇所の熱源水温度に基づいて熱源水流量を算出する技術があり(特許文献2を参照)、熱源水回路に迂回管を設け、熱源水温度に基づいて迂回管に設けられた流量制御弁を制御することで水熱源ヒートポンプへの熱源水流量を調節する技術がある(特許文献3を参照)。
特開2004−20068号公報 特開平5−223318号公報 特開2005−69554号公報
従来、水熱源空調システムには、冷却塔やボイラ等の熱源装置から各水熱源ヒートポンプユニットへ供給される熱源水をシステム全体で循環させるための熱源水循環ポンプが設けられている。従来、一般的な熱源水循環ポンプのエネルギー消費量が空調システム全体のエネルギー消費量に対して占める割合は8%程度であったが、近年の水熱源ヒートポンプユニットの高性能化に伴う圧縮装置のエネルギー消費量の低減により、熱源水循環ポンプのエネルギー消費量が占める割合が相対的に高まり、空調システム全体のエネルギー消費量のうち10%を超えつつある。
また、水熱源ヒートポンプユニットは部分負荷運転時に圧縮装置の停止または能力制御を行うことでエネルギー消費量の低減を図っているため、年間を通した熱源水循環ポンプのエネルギー消費量が全体に占める割合はさらに高まり、30%にも達する。このため、空調システム全体のエネルギー消費量を削減するにあたって、熱源水配管系における搬送動力、即ち熱源水循環ポンプのエネルギー消費量を低減させることが課題となっている。
ここで、熱源水循環ポンプのエネルギー消費量を低減させるために、各水熱源ヒートポンプユニットへ熱源水を循環させる流路ごとに定流量弁および電磁弁を配置し、この電磁弁を圧縮装置に連動して開閉することで各水熱源ヒートポンプユニットへの熱源水の供給量を制御し、さらに熱源水循環ポンプの吐出圧を一定に制御することにより、運転中の水熱源ヒートポンプユニットへの熱源水の供給量を維持しつつ、熱源水循環ポンプの能力を制御し、熱源水循環ポンプのエネルギー消費量を低減させる方法がある。
しかし、この方法では、定流量弁および電磁弁における圧力損失、および熱源水循環ポンプの吐出圧を一定に制御するための圧力損失等が発生するため、熱源水循環ポンプのエネルギー消費量を低減する効果を得ることは困難である。
さらに、上記方法は水熱源ヒートポンプユニットの圧縮装置がON/OFF制御である場合に限られ、インバータ制御の圧縮装置に適用するためには、定流量弁および電磁弁に代えて、二方制御弁を用いることとなる。そして、この場合には、二方制御弁部分で更に
流路が絞られた形状となっており、一層圧力損失が生じることとなる。
本発明は、上記した問題に鑑み、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを備える空調システムにおいて、熱源水ポンプのエネルギー消費量を低減させ、空調システム全体の成績係数(System Coefficient of Performance)を向上させることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、空調システムに備えられた水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに対して熱源水を供給する熱源水ポンプを備え、この熱源水ポンプを空調システム全体の成績係数が向上するよう制御することで、熱源水ポンプのエネルギー消費量を低減させ、空調システム全体の成績係数を向上させることを可能にした。
詳細には、本発明は、外部より供給される熱源水と熱媒との間の熱交換、圧縮装置による前記熱媒の圧縮、および減圧装置による前記熱媒の減圧、が行われた前記熱媒を供給する熱媒供給装置と、該熱媒供給装置から前記熱媒の供給を受けて冷房または暖房運転を行うことが可能な複数の室内機と、前記熱媒供給装置と前記室内機を接続する熱媒配管と、前記熱源水が外部より供給される際の流路となる熱源水入口と、前記熱交換後の前記熱源水が外部へ還流する際の流路となる熱源水出口とを有する水熱源マルチ型ヒートポンプシステムと、前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに前記熱源水を供給するための流路に設けられ、前記熱源水の供給量を可変制御する熱源水ポンプと、前記圧縮装置の運転状態を取得する運転状態取得手段と、前記熱源水入口における熱源水の水温である入口温度を取得する入口温度取得手段と、前記運転状態および前記入口温度に基づいて、前記熱源水出口における熱源水の水温である出口温度の目標温度を算出する目標温度算出手段と、前記目標温度を目標として、前記出口温度が該目標温度となるように前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を制御する熱源水ポンプ制御手段と、を備える空調システムである。
熱源水は、例えば冷却塔や加熱装置(ボイラ)等の熱源装置によって温度制御され、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに供給され、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム内を循環する熱媒の温度調節に用いられる。この熱源水との熱交換および圧縮装置による圧縮等を経た熱媒は、配管を介して室内機に供給される。室内機はこの熱媒と室内の空気との間で熱交換を行うことで、冷房または暖房の空調を行う。なお、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが複数備えられる場合、熱源装置によって供給される熱源水は、複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステムによって共用される。
空調システムは水熱源マルチ型ヒートポンプシステムへの熱源水の供給量を制御する熱源水ポンプを備える。この熱源水ポンプは供給量の可変制御が可能な熱源水ポンプであるが、ON/OFF制御、インバータ制御またはその他の可変制御方式のいずれであるかを問わない。
運転状態取得手段は、圧縮装置の運転状態を取得する。ここで、圧縮装置の運転状態とは、圧縮装置の運転負荷を示す情報であり、例えば、圧縮装置の回転数や、この回転数を定格回転数で割った回転数率等である。
ここで、前記熱源水ポンプが、複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに対して設けられる場合、前記目標温度算出手段は、前記熱源水ポンプが設けられた複数の前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムのうち、前記運転状態によって示される負荷が最も高い前記圧縮装置を有する前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに係る前記運転状態および前記入口温度に基づいて、前記目標温度を算出してもよい。

負荷が最も高い前記圧縮装置を有する前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを対象として目標温度を算出することで、最も負荷の高い水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに合わせた熱源水ポンプ制御が可能となり、エネルギー消費量を低減させ、成績係数を向上させる効果の高い制御が期待できる。
また、本発明において、前記目標温度算出手段は、前記運転状態および前記入口温度に基づいて、当該空調システムの成績係数を向上させる前記目標温度を算出してもよい。
空調システムの成績係数は、空調システムの各種状態と、この状態における空調システムのエネルギー消費量とを測定することで算出できる。ここで、前記運転状態と水熱源マルチ型ヒートポンプシステムへの前記入口温度との組み合わせと、この組み合わせにおいて最高の(または良好な)成績係数が算出される場合の出口温度とは所定の関係を有する。即ち、前記運転状態および前記入口温度に基づいて、良好な成績係数が得られる出口温度を算出することが可能である。このようにして算出された出口温度を目標温度として熱源水ポンプを制御することで、空調システムの成績係数を向上させることが出来る。
このことから、本発明に係る空調システムは、前記圧縮装置の運転状態と前記熱源水の入口温度との組み合わせ毎の、当該空調システムの成績係数が最高となる予め算出された前記熱源水の出口温度と、前記運転状態および前記入口温度との関係を記憶する関係記憶手段を更に備え、前記目標温度算出手段は、前記関係に基づいて、前記運転状態取得手段によって取得された前記運転状態、および前記入口温度取得手段によって取得された前記入口温度において前記成績係数が最高となる場合の前記出口温度を求め、この出口温度を前記目標温度としてもよい。
ここで、関係記憶手段は、目標温度算出に用いられる関係として近似式等の関係式を記憶してもよいし、前記運転状態、前記入口温度、前記目標温度等の各パラメータの関係を記録したテーブル、グラフ、マップ等を記憶してもよい。目標温度算出手段が前記運転状態および前記入口温度に基づいて目標温度を算出することが出来る関係が記憶されていれば、記憶の形式は問わない。
また、本発明に係る空調システムは、前記出口温度を取得する出口温度取得手段を更に備え、前記熱源水ポンプ制御手段は、前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として冷房負荷であって、且つ前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して高い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を増加させる方向へ前記熱源水ポンプを制御し、前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として冷房負荷であって、且つ前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して低い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を減少させる方向へ前記熱源水ポンプを制御してもよい。
なお、前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として暖房負荷である場合、前記熱源水ポンプ制御手段は、前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して低い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を増加させる方向へ前記熱源水ポンプを制御し、前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して高い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を減少させる方向へ前記熱源水ポンプを制御する。
また、本発明において、前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムは、前記熱源水と熱媒との間で熱交換を行う水対熱媒熱交換器、前記圧縮装置、前記減圧装置、該水熱源マルチ型ヒートポンプシステム全体の運転サイクルを冷房サイクルと暖房サイクルとの間で切
り替える切替弁、および液化した前記熱媒を溜める受液タンクを有する前記熱媒供給装置と、前記熱媒と空調対象の空気との間で熱交換を行う熱媒対空気熱交換器と、該熱交換が行われた空気を送風する送風機と、各室内機に設けられ、該室内機の運転を冷房運転と暖房運転との間で切替制御することで、室内機が各々独立して冷房または暖房運転を行うことを可能とするマルチコントローラとを有する前記複数の室内機とを有してもよい。
このような構成を備えることにより、室内機が各々独立して冷房または暖房運転を行う複合運転が可能な水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを備える空調システムに、本発明の熱源水ポンプ制御を適用することが出来る。
また、本発明は、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを備える空調システムを制御する方法の発明としても把握することが可能である。即ち、本発明は、外部より供給される熱源水と熱媒との間の熱交換、および圧縮装置による前記熱媒の圧縮が行われることによって温度制御された前記熱媒を供給する熱媒供給装置と、該熱媒供給装置から前記熱媒の供給を受けて冷房または暖房運転を行うことが可能な複数の室内機と、前記熱源水が外部より供給される際の流路となる熱源水入口と、前記熱交換後の前記熱源水が外部へ還流する際の流路となる熱源水出口とを有する水熱源マルチ型ヒートポンプシステムと、前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに前記熱源水を供給するための流路に設けられ、前記熱源水の供給量を可変制御する熱源水ポンプと、を備える空調システムの制御方法であって、前記圧縮装置の運転状態を取得する運転状態取得ステップと、前記熱源水入口における熱源水の水温である入口温度を取得する入口温度取得ステップと、前記運転状態および前記入口温度に基づいて、前記熱源水出口における熱源水の水温である出口温度の目標温度を算出する目標温度算出ステップと、前記目標温度を目標として、前記出口温度が該目標温度となるように前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を制御する熱源水ポンプ制御ステップと、が実行される空調システムの制御方法である。
本発明によって、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを備える空調システムにおいて、熱源水ポンプのエネルギー消費量を低減させ、空調システム全体の成績係数を向上させることが可能となる。
本発明に係る空調システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態における空調システム1の全体の概要を示す図である。空調システム1は、対象となる建物のフロアや方位、棟、用途系統または部屋等のゾーン60、60´、60´´ごとに設けられた水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10と、1または複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に対して設けられたインバータ制御の熱源水ポンプ52と、建物全体に設置された水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に供給される熱源水の温度を制御する熱源装置40と、これらを接続する熱源水配管43とを備える。なお、図1では、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムとその構成要素、および付属部材を3つのゾーン60、60´、60´´に対して夫々設置した例を示し、符号にダッシュを付すことで夫々のゾーン60、60´、60´´および各ゾーンに設けられた熱源マルチ型ヒートポンプシステム等を区別している(10、10´、10´´等)。また、熱源水ポンプおよび温度センサについても、空調システム1に複数備えられているものを、符号にダッシュを付すことで区別している。熱源水ポンプ52はゾーン60に対して専用の熱源水ポンプであり、熱源水ポンプ52´はゾーン60´、60´´に対して共用である。以降の説明では、第一のゾーン60に係る熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に代表させて構成要素と付属部材の説明を行う。
熱源装置40は、冷熱源としての冷却塔44および温熱源としてのボイラ45(加熱装置)を含む装置であり、制御装置90から指示された目標温度に従って冷却塔44またはボイラ45を運転することで、熱源水の温度制御を行う。また、熱源装置40への熱源水の入口および出口付近の熱源水配管43には、熱源水還水の温度を計測する熱源装置入口温度センサ42および熱源水往水の温度を計測する熱源装置出口温度センサ41が設置されている。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41によって計測された温度(熱源装置出口温度Tso)によって、熱源装置40による温度制御が目標温度に達しているか否かを判定する。
また、熱源水ポンプ52は、1または複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に対して熱源水を供給する。本実施形態において、1つの熱源水ポンプ52に対して設けられた1または複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10のグループを、「熱源水ポンプ系統」と称する。
熱源水ポンプ52はインバータ制御であるため、熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10のグループに対して適切な量の熱源水を供給することが出来る。また、各ゾーン60の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に送られた熱源水は、熱媒との熱交換に使用された上で、熱源装置40に還流する。熱源装置40に還流した熱源水の温度(熱源装置入口温度Tsi)は、熱源装置入口温度センサ42によって計測される。なお、熱源水ポンプ52は、熱源水ポンプ52が停止したときの熱源水の逆流を防止する逆止弁(図示は省略する)が設けられた熱源水ポンプユニットに設けられる。但し、逆止弁は、熱源水ポンプユニット内に内蔵されなくともよく、例えば熱源水配管43における熱源水ポンプ52に介装された枝管に設けられてもよい。
図2は、本実施形態に係る水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の概略構成を示す図である。水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10は、空調の対象となるゾーン(フロアまたは部屋)60ごとに設けられ、大きく分けて熱媒供給装置11、室内機12、熱媒供給装置11と室内機12を繋ぐ吐出ガス管21、吸入ガス管22、液管23から構成される。吐出ガス管21は圧縮されて高圧となった熱媒ガスを室内機12に供給するための流路であり、吸入ガス管22は、室内機群12側で減圧されて低圧となった熱媒ガスが還流するための流路である。また、液管23は液化した液熱媒のための流路である。
熱媒供給装置11は、例えば、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の室外機に相当し、後述する熱源装置40で温度制御された熱源水の供給を受けて該熱源水と熱媒との間で熱交換を行う水対熱媒熱交換器17、熱媒を圧縮する圧縮装置14、熱媒を減圧する減圧装置16、液化した熱媒を溜める受液タンク18、および熱媒の流路を切り替えることで冷房運転と暖房運転とを切り替える切替弁15を有する。これらの構成要素はフロン系冷媒(熱媒)が流通する熱媒管路19で接続され、切替弁15の切り替えによって、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10全体の運転状態を冷房負荷運転と暖房負荷運転との間で切り替えることが出来る。
室内機群12は、熱媒と温度調節対象の空気との間で熱交換を行うことで空気の温度調節を行う熱媒対空気熱交換器(図示は省略する)と、室内機12ごとに設けられた、熱媒対空気熱交換器によって熱交換が行われた空気を送風する送風機と、ゾーン60ごとに設けられた、室内機12の運転状態を冷房運転と暖房運転とで切り替えるマルチコントローラ13とを有する。
なお、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードには、全ての室内機12が冷房運転を行っている冷房運転モード、冷房運転の室内機12と暖房運転の室内機12が混在している複合運転モード、および全ての室内機12が暖房運転を行っている暖房運
転モードがある。その上で、熱源水ポンプ系統に複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が属している場合は、異なる運転モードの水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が1つの熱源水ポンプ52からの熱源水の送水を受けて稼動する状態が発生する。例えば、冷房運転モードの水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10と複合運転モードの水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が1つの熱源水ポンプ系統に属する場合等である。
加えて、熱源水の入口管路(本発明の熱源水入口に相当)には熱源水の温度(ヒートポンプシステム入口温度Ti)を計測するヒートポンプシステム入口温度センサ32、熱源水の出口管路(本発明の熱源水出口に相当)には熱源水の温度(ヒートポンプシステム出口温度To)を計測するヒートポンプシステム出口温度センサ33が設けられている。これらの温度センサによる計測結果は、ユニット内に設けられたユニット制御装置(図示は省略する)を介して有線または無線の通信手段を用いて電気的に制御装置90に送信される。
更に、圧縮装置14の運転状態や、切替弁15の状態などが、ユニット内に設けられたユニット制御装置を介して有線または無線の通信手段を用いて電気的に制御装置90に送信される(図示は省略する)。制御装置90は、圧縮装置14の運転状態や、切替弁15の状態等を取得することで、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に属する圧縮装置の回転数や、運転中である水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モード等の情報を得ることが出来る。
<処理の流れ>
次に、図3から図6Cに示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る各種制御の処理の流れを説明する。このうち、図3は熱源水ポンプ制御の処理全体の流れを示すフローチャートであり、図4から図6Cは、図3に示された各処理の詳細を示すフローチャートである。
図3は、本実施形態における熱源水ポンプ制御の処理全体の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、制御装置90によって定期的に実行される。なお、本フローチャートに示された処理において使用されるデータ(例えば、ステップS407、S417、S427、S437で使用される近似式等)は、処理が実行される前に、予めROMなどの記憶媒体に記憶されている。
ステップS101では、熱源水目標温度が設定される。制御装置90は、熱源装置40の熱源水出入口における熱源水温度に基づいて空調システム1が全体として冷房負荷または暖房負荷の何れで運転しているかを判断し、この判断結果に基づいて熱源装置40の目標温度を設定する。目標温度を設定された熱源装置40は、この目標温度に従って運転状態を制御する。本ステップにおける処理内容の詳細については後述する(図4を参照)。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、熱源水ポンプ制御モードが決定される。水熱源マルチ式ヒートポンプシステムが冷房運転を行っているか、暖房運転を行っているかによって、モリエル線図に示される特性が異なるために、熱源水ポンプ52の回転数を決定するためのパラメータが異なる。このため、制御装置90は、各水熱源マルチ式ヒートポンプシステムの集積された熱源水出入口における熱源水温度に基づいて水熱源マルチ式ヒートポンプシステムが全体として冷房負荷または暖房負荷の何れで運転しているかを判断し、更に熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ式ヒートポンプシステムの運転モード(冷房運転モード、暖房運転モード、複合運転モード)に基づいて熱源水ポンプ52の制御モードを決定する。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、熱源水ポンプ送水量が制御される。制御装置90は、ステップS102で決定された熱源水ポンプ52の制御モードに基づいて、予め制御装置90が有する記憶装置(図示は省略する)に予め記憶された所定の関係を特定し、この所定の関係に基づいて、ヒートポンプシステム出口温度(水温)Toの目標温度To’を算出し、この目標温度を達成するように熱源水ポンプ52を制御する。その後、処理はステップS101へ進む。
この際、処理対象の熱源水ポンプ52として次の熱源水ポンプ52が選択される。制御装置90は、建物に設置され、熱源装置40に接続された全ての熱源水ポンプ52について、処理対象となる熱源水ポンプ52を切り替えながら、熱源水ポンプ送水量の制御を行う。即ち、処理対象となる熱源水ポンプ52を切り替えながら、ステップS101からステップS103の処理は繰り返される。なお、本実施形態において、熱源水ポンプ52は制御装置90によって集中的に制御されるが、熱源水ポンプごとに制御装置を設けて個別に熱源水ポンプの制御を行うこととしてもよい。
図4は、本実施形態における熱源水目標温度の設定処理(図3のステップS101に示された処理に相当)の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、制御装置90によって実行される。
ステップS201では、熱源装置40の熱源水出入口における熱源水温度が取得される。制御装置90は、熱源水配管43に設置された熱源装置入口温度センサ42および熱源装置出口温度センサ41より、熱源装置入口温度Tsiおよび熱源装置出口温度Tsoを取得する。その後、処理はステップS202へ進む。
ステップS202およびステップS203では、空調システム1全体として冷房負荷と暖房負荷のどちらが高いかが判定される。制御装置90は、ステップS201で取得された熱源装置入口温度Tsiと熱源装置出口温度Tsoとを比較し、熱源装置入口温度Tsiが高い場合は全体として冷房負荷が高いと判断し、熱源装置出口温度Tsoが高い場合は全体として暖房負荷が高いと判断する。全体として冷房負荷が高い場合、処理はステップS204へ進む。全体として暖房負荷が高い場合、処理はステップS207へ進む。なお、全体として冷房負荷と暖房負荷が同等である場合、処理はステップS210へ進む。ここで、冷房負荷と暖房負荷が同等であるとは、負荷を示す値が完全に同値である場合のみに限られず、後述する熱源水目標温度の設定変更処理(ステップS206等)を行う必要がない程度の差は同等の範囲に含まれるものとする。換言すれば、熱媒供給装置11によって熱が取得されているのか、または放出されているのか、過不足に基づいて判断が行われている。
なお、空調システム1が全体として冷房負荷または暖房負荷の何れであるかを判定する方法としては、上記計測された熱源装置入口温度Tsiと熱源装置出口温度Tsoとを比較する方法に代えて、夫々の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転状況を積算して判定する方法を採用してもよい。具体的には、制御装置90は、夫々の水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10について室内機12の設定温度(空調の目標空気温度)と吸込温度(実際の室内空気温度)との差に基づいて各室内機12が要求している熱負荷を求め、これを積算することで空調システム1全体の負荷の方向を判定する。
ステップS204では、熱源装置出口温度Tsoが下限値に達しているか否かが判定される。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41から取得した情報と、予め設定されている閾値を比較することで、熱源装置出口温度Tsoが下限値に達しているか否かを判定する。ここで、予め設定された閾値とは、空調システム1における各機器の運転効率を考慮して設定された閾値(例えば、摂氏15度)である。熱源装置出口温度Tsoが下限
値に達していると判定された場合、処理はステップS206へ進む。熱源装置出口温度Tsoが下限値に達していないと判定された場合、処理はステップS205へ進む。
ステップS206では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階上げられる。この場合、熱源装置出口温度Tsoは下限値に達している(ステップS204)ため、制御装置90は、熱源水の温度調節目標温度の設定を1段階上げる。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む(図5Aを参照)。
ステップS207では、熱源装置出口温度Tsoが上限値に達しているか否かが判定される。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41から取得した情報と、予め設定されている閾値を比較することで、熱源装置出口温度Tsoが上限値に達しているか否かを判定する。ここで、予め設定された閾値とは、空調システム1における各機器の運転効率を考慮して設定された閾値(例えば、摂氏45度)である。熱源装置出口温度Tsoが上限値に達していると判定された場合、処理はステップS209へ進む。熱源装置出口温度Tsoが上限値に達していないと判定された場合、処理はステップS208へ進む。
ステップS209では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階下げられる。この場合、熱源装置出口温度Tsoは上限値に達している(ステップS207)ため、制御装置90は、熱源水の温度調節目標温度の設定を1段階下げる。処理は熱源水ポンプ制御モード決定処理へ進む(図5Aを参照)。
ステップS205、ステップS208およびステップS210では、熱源装置40による温度制御の目標温度が現在の設定のまま維持される。即ち、制御装置90は、目標温度を現在の目標温度と同じ値で更新するか、特段の処理を行わないことで、目標温度の設定内容を維持する。その後、処理は熱源水ポンプ制御モード決定処理へ進む(図5Aを参照)。
目標温度を設定された熱源装置40は、この目標温度に達するように運転状態を制御する。必要な際には、冷却運転(冷却塔44)と加熱運転(ボイラ45)とが切り替えられる。
図5A、図5B、図5Cは、本実施形態における熱源水ポンプ制御モードの決定処理(図3のステップS102に示された処理に相当)の流れを示すフローチャートである。これらのフローチャートに示された処理は、制御装置90によって実行される。
ステップS301では、熱源水ポンプ系統の熱源水出入口における熱源水温度が取得される。制御装置90は、ヒートポンプシステム入口温度センサ32およびヒートポンプシステム出口温度センサ33より、ヒートポンプシステム入口温度(水温)Tiおよびヒートポンプシステム出口温度Toを取得する。その後、処理はステップS302へ進む。
ステップS302およびステップS303では、熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10のグループ全体として冷房負荷と暖房負荷のどちらが高いかが判定される。制御装置90は、ステップS301で取得されたヒートポンプシステム入口温度Tiとヒートポンプシステム出口温度Toとを比較し、ヒートポンプシステム出口温度Toが高い場合は全体として冷房負荷が高いと判断し、ヒートポンプシステム入口温度Tiが高い場合は全体として暖房負荷が高いと判断する。全体として冷房負荷が高い場合、処理はステップS304へ進む。全体として暖房負荷が高い場合、処理はステップS311へ進む。また、全体として冷房負荷と暖房負荷が同等である場合、処理はステップS321へ進む。ここで、冷房負荷と暖房負荷が同等であるとは、負荷を示す値が完全に同値である場合のみに限られず、後述する熱源水ポンプ52のインバータ制御処理(図
6A、図6Bを参照)を行う必要がない程度の差は同等の範囲に含まれるものとする。
ステップS304からステップS308では、熱源水ポンプ制御モードを決定するために、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが判定される。制御装置90は、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードを取得し、判定を行う。熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが、冷房運転モードのみ(ステップS304)、冷房運転モード+複合運転モード(ステップS305)、複合運転モードのみ(ステップS306)、冷房運転モード+複合運転モード+暖房運転モード(ステップS307)、複合運転モード+暖房運転モード(ステップS308)のいずれかである場合、処理はステップS309へ進む。水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが上記何れでもない場合、処理はステップS310へ進む。
ステップS309では、熱源水ポンプ制御モードが冷房モードに決定される。制御装置90は、熱源水ポンプ制御処理における熱源水ポンプ制御モードを冷房モードに決定する。その後、処理は熱源水ポンプ送水量制御処理へ進む(図6Aを参照)。
ステップS310では、熱源水ポンプ52の回転数が下限値に設定される。水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが上記何れでもない場合、制御装置90は、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10は冷房運転、暖房運転、複合運転の何れでもなく、換気運転を行っていると判断して、熱源水ポンプ52の回転数を下限値に設定する。これは、再度熱源水ポンプ52の回転数を上げる場合に良好な応答性を得るために、熱源水ポンプ52の運転を止めてしまわずに、下限値運転を継続することとした制御である。このため、起動時の応答性が良い熱源水ポンプ52を採用することが出来る場合、この処理は省略されても良い。この制御によって、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が換気運転を行っている場合に熱源水ポンプ52のエネルギー消費量を低減させ、成績係数を向上させることが出来る。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む(図4を参照)。
ステップS311からステップS315では、熱源水ポンプ制御モードを決定するために、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが判定される。熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが、暖房運転モードのみ(ステップS311)、暖房運転モード+複合運転モード(ステップS312)、複合運転モードのみ(ステップS313)、冷房運転モード+複合運転モード+暖房運転モード(ステップS314)、複合運転モード+冷房運転モード(ステップS315)のいずれかである場合、処理はステップS316へ進む。水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが上記何れでもない場合、処理はステップS317へ進む。
ステップS316では、熱源水ポンプ制御モードが暖房モードに決定される。制御装置90は、熱源水ポンプ制御処理における熱源水ポンプ制御モードを暖房モードに決定する。その後、処理は熱源水ポンプ送水量制御処理へ進む(図6Bを参照)。
ステップS321からステップS324では、熱源水ポンプ制御モードを決定するために、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが判定される。熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが、冷房運転モード+複合運転モード(ステップS321)、複合運転モードのみ(ステップS322)、冷房運転モード+複合運転モード+暖房運転モード(ステップS323)、暖房運転モード+複合運転モード(ステップS324)のいずれかである場合、処理はステップS325へ進む。水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10
の運転モードが上記何れでもない場合、処理はステップS326へ進む。
ステップS325では、熱源水ポンプ制御モードがゼロモードに決定される。制御装置90は、熱源水ポンプ制御処理における熱源水ポンプ制御モードをゼロモードに決定する。その後、処理は熱源水ポンプ送水量制御処理へ進む(図6Cを参照)。
ステップS310、S317およびS326では、熱源水ポンプ52の回転数が下限値に設定される。水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の運転モードが上記何れでもない場合、制御装置90は、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10は換気運転を行っていると判断して、熱源水ポンプ52の回転数を下限値に設定する。この制御によって、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が換気運転を行っている場合に熱源水ポンプ52のエネルギー消費量を低減させ、成績係数を向上させることが出来る。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む(図4を参照)。
図6A、図6B、図6Cは、本実施形態における熱源水ポンプ送水量の制御処理(図3のステップS103に示された処理に相当)の流れを示すフローチャートである。
図6Aは、本実施形態における熱源水ポンプ送水量制御処理のうち、冷房モードの処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、ステップS309において熱源水ポンプ制御モードが冷房モードに決定された場合に選択され、制御装置90によって実行される。
ステップS401では、熱源水ポンプ系統に属する各水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10に設けられた圧縮装置の、回転数率が算出される。制御装置90は、各圧縮装置の現在の回転数を取得し、この回転数を該圧縮装置の定格回転数で割ることで、回転数率を算出する。その後、処理はステップS402へ進む。
ステップS402では、回転数率の最も高い水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が選択される。制御装置90は、ステップS401で算出された各水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の回転数率を参照し、最も回転数率の高い圧縮装置が属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10(より具体的には、熱媒供給装置11)を処理対象として選択する。但し、本ステップの処理は、処理対象の熱源水ポンプ系統に属する水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が1つである場合、スキップされる。最も回転数率の高い圧縮装置、即ち最もエネルギー消費量が大きい圧縮装置を選択して以降の処理対象とすることで、エネルギー消費量の削減効果を高め、成績係数を向上させることが出来る。その後、処理はステップS404へ進む。
ステップS404では、室内機12側熱媒配管における熱媒の温度である高圧液熱媒温度Trが、所定の閾値未満であるか否かが判定される。制御装置90は、室内機12側熱媒配管に設けられた熱媒温度センサ(図示は省略する)によって計測された熱媒温度Trを取得し、この熱媒温度Trが、予め設定された所定の閾値(例えば、摂氏50度)未満であるか否かを判定する。熱媒温度Trが閾値未満である場合、処理はステップS405へ進む。熱媒温度Trが閾値以上である場合、処理はステップS406へ進む。
ステップS405およびステップS406では、ヒートポンプシステム入口温度Tiが設定される。ステップS404において熱媒温度Trが閾値未満であると判定された場合、制御装置90は、ヒートポンプシステム入口温度センサ32によって計測されたヒートポンプシステム入口温度を取得し、この値をヒートポンプシステム入口温度Tiとして設定する(ステップS405)。これに対し、ステップS404において熱媒温度Trが閾値以上であると判定された場合、制御装置90は、ヒートポンプシステム入口温度Tiを
、予め設定された代替値(例えば、摂氏15度)で設定する(ステップS406)。その後、処理はステップS407へ進む。
ステップS404からステップS406までの処理は、熱源水の水温が低く保たれ、熱源水ポンプ52の送水量が過小となってしまうことで、熱媒温度Trが過剰に上昇してしまうことを防止するための処理である。即ち、制御装置90は、熱媒温度Trを監視し、熱媒温度Trが閾値(例えば、摂氏50度)以上となった場合に、実際の熱源水の水温よりも高い水温(例えば、摂氏15度)をヒートポンプシステム入口温度Tiに設定してヒートポンプシステム出口目標温度To’を算出させる(ステップS407を参照)ことで、熱源水ポンプ52の回転数を一時的に上げて、熱媒温度Trの過剰な上昇を抑制する。
なお、以降繰り返して熱源水ポンプ送水量制御処理が実行される場合、所定の復帰条件を満たすまで、ヒートポンプシステム入口温度TiにはステップS406で設定された代替値(例えば、摂氏15度)が使用される。所定の復帰条件とは、熱媒温度Trが、前記閾値よりも規定値Aぶん低い温度となることである。具体的には、前記閾値が摂氏50度で、規定値Aが10度である場合、熱媒温度Trが摂氏40度以下となった場合に、前記所定の復帰条件を満たす。復帰条件を満たした場合、ヒートポンプシステム入口温度Tiには実際にヒートポンプシステム入口温度センサ32によって計測されたヒートポンプシステム入口温度が設定される。
ステップS407では、選択された水熱源マルチ型ヒートポンプシステム(熱供給装置11)の成績係数が最高となるヒートポンプシステム出口目標温度To’が算出される。制御装置90は、制御装置90に予め記憶された所定の関係に基づいて、回転数率がステップS401で算出された回転数率であり、且つヒートポンプシステム入口温度TiがステップS405またはステップS406で決定されたヒートポンプシステム入口温度Tiである場合に、成績係数が最高の値(または最高に近い値)となるヒートポンプシステム出口目標温度To’を算出する。ここで、算出に際して参照される関係は、ヒートポンプシステム入口温度Ti、回転数率およびヒートポンプシステム出口目標温度To’の関係を所定の係数を持つ関係式として記憶したものでもよいし、ヒートポンプシステム入口温度Ti、回転数率およびヒートポンプシステム出口目標温度To’の関係をテーブルやマップとして記憶したものでもよい。本実施形態では、ヒートポンプシステム出口目標温度To’の算出に、以下の関係式(近似式)が用いられる。
To’=a1×Ti−b1×回転数率+c1
上記関係式における係数a1、b1、c1の算出方法については、後述する。その後、処理はステップS408へ進む。
ステップS408では、ヒートポンプシステム出口目標温度To’が設定される。制御装置90は、ステップS407で算出されたヒートポンプシステム出口目標温度To’を熱源水ポンプ制御の目標温度として決定する。即ち、空調システム1は、ここで決定した目標温度To’を、圧縮装置14の回転数の制御ではなく、熱源水ポンプ52の回転数を制御することによって達成しようとする。その後、処理はステップS409へ進む。
ステップS409では、実際のヒートポンプシステム出口温度Toが目標温度To’に近づくように、熱源水ポンプ52が制御される。制御装置90は、ステップS408で決定された目標温度に近づくように、熱源水ポンプ52のインバータ出力を設定することで熱源水ポンプ52の送水量を制御する。より具体的には、実際のヒートポンプシステム出口温度Toが目標温度To’に対して高い場合には、熱源水ポンプ52による送水量を増加させる方向へ前記熱源水ポンプ52を制御し、実際のヒートポンプシステム出口温度Toが目標温度To’に対して低い場合には、熱源水ポンプ52による送水量を減少させる方向へ前記熱源水ポンプ52を制御する。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む
(図4を参照)。
図6Bは、本実施形態における熱源水ポンプ送水量制御処理のうち、暖房モードの処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、ステップS316において熱源水ポンプ制御モードが暖房モードに決定された場合に選択され、制御装置90によって実行される。
ステップS411およびステップS412の処理は、上述のステップS401およびステップS402の処理と概略同様であるため、説明を省略する。
ステップS414では、室内機12側熱媒配管における熱媒の温度である低圧ガス熱媒温度Tdが、所定の閾値より大きいか否かが判定される。制御装置90は、室内機12側熱媒配管に設けられた熱媒温度センサによって計測された熱媒温度Tdを取得し、この熱媒温度Tdが、予め設定された所定の閾値(例えば、摂氏5度)より大きいか否かを判定する。熱媒温度Tdが閾値超である場合、処理はステップS415へ進む。熱媒温度Tdが閾値以下である場合、処理はステップS416へ進む。
ステップS415およびステップS416では、ヒートポンプシステム入口温度Tiが設定される。ステップS414において熱媒温度Tdが閾値超であると判定された場合、制御装置90は、ヒートポンプシステム入口温度センサ32によって計測されたヒートポンプシステム入口温度を取得し、この値をヒートポンプシステム入口温度Tiとして設定する。これに対し、ステップS414において熱媒温度Tdが閾値以下であると判定された場合、制御装置90は、ヒートポンプシステム入口温度Tiを、予め設定された代替値(例えば、摂氏45度)で設定する。その後、処理はステップS417へ進む。
ステップS414からステップS416までの処理は、熱源水の水温が高く保たれ、熱源水ポンプ52の送水量が過小となってしまうことで、熱媒温度Trが過剰に低下してしまうことを防止するための処理である。即ち、制御装置90は、熱媒温度Trを監視し、熱媒温度Trが閾値(例えば、摂氏5度)以下となった場合に、実際の熱源水の水温よりも低い水温(例えば、摂氏45度)をヒートポンプシステム入口温度Tiに設定してヒートポンプシステム出口目標温度To’を算出させる(ステップS417を参照)ことで、熱源水ポンプ52の回転数を一時的に上げて、熱媒温度Trの過剰な上昇を抑制する。
なお、以降繰り返して熱源水ポンプ送水量制御処理が実行される場合、所定の復帰条件を満たすまで、ヒートポンプシステム入口温度TiにはステップS416で設定された代替値(例えば、摂氏45度)が使用される。所定の復帰条件とは、熱媒温度Tdが、前記閾値よりも規定値Bぶん高い温度となることである。具体的には、前記閾値が摂氏5度で、規定値Bが7度である場合、熱媒温度Trが摂氏12度以上となった場合に、前記所定の復帰条件を満たす。復帰条件を満たした場合、ヒートポンプシステム入口温度Tiには実際にヒートポンプシステム入口温度センサ32によって計測されたヒートポンプシステム入口温度が設定される。
ステップS417およびステップS418の処理は、上述のステップS407およびステップS408の処理と概略同様であるため、説明を省略する。但し、ステップS417においてヒートポンプシステム出口目標温度To’を算出するために利用される所定の関係は、冷房運転モードにおいて利用される関係とは異なる。即ち、ステップS417では、ヒートポンプシステム出口目標温度To’の算出に、以下の関係式(近似式)が用いられる。
To’=a2×Ti−b2×回転数率+c2
上記関係式における係数a2、b2、c2の算出方法については、後述する。制御装置
90が有する記憶装置(本発明の関係記憶手段に相当)には、冷房モード制御において利用される所定の関係と、暖房モード制御において利用される所定の関係が夫々記憶されている。
ステップS419では、実際のヒートポンプシステム出口温度Toが目標温度To’に近づくように、熱源水ポンプ52が制御される。制御装置90は、ステップS418で決定された目標温度に近づくように、熱源水ポンプ52のインバータ出力を設定することで熱源水ポンプ52の送水量を制御する。より具体的には、実際のヒートポンプシステム出口温度Toが目標温度To’に対して低い場合には、熱源水ポンプ52による送水量を増加させる方向へ前記熱源水ポンプ52を制御し、実際のヒートポンプシステム出口温度Toが目標温度To’に対して高い場合には、熱源水ポンプ52による送水量を減少させる方向へ前記熱源水ポンプ52を制御する。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む(図4を参照)。
図6Cは、本実施形態における熱源水ポンプ送水量制御処理のうち、ゼロモードの処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、ステップS325において熱源水ポンプ制御モードがゼロモードに決定された場合に選択され、制御装置90によって実行される。
ステップS421およびステップS422の処理は、上述のステップS401およびステップS402の処理と概略同様であるため、説明を省略する。
ステップS423では、ステップS422で回転数率の最も高い水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10として選択された水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が冷房側であるか暖房側であるかが判定される。制御装置90は、ヒートポンプシステム入口温度Tiとヒートポンプシステム出口温度Toとを比較し、ヒートポンプシステム出口温度Toが高い場合は冷房側であると判断し、ヒートポンプシステム入口温度Tiが高い場合は暖房側であると判断する。冷房側である場合、処理はステップS424へ進む。暖房側である場合、処理はステップS434へ進む。
ステップS424からステップS429の処理は、上述のステップS404からステップS409の処理と概略同様であるため、説明を省略する。即ち、ステップS423において回転数率の最も高い水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が冷房負荷であると判断された場合、熱源水ポンプ52は制御モードが冷房モードである場合(図6Aを参照)と同様の方法で制御される。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む(図4を参照)。
ステップS434からステップS439の処理は、上述のステップS414からステップS419の処理と概略同様であるため、説明を省略する。即ち、ステップS423において回転数率の最も高い水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10が暖房負荷であると判断された場合、熱源水ポンプ52は制御モードが暖房モードである場合(図6Bを参照)と同様の方法で制御される。その後、処理は熱源水目標温度設定処理へ進む(図4を参照)。
<目標温度の算出方法>
以下に、上記熱源水ポンプ送水量制御処理でヒートポンプシステム出口温度Toの目標温度To’を算出する際に参照される、所定の関係について説明する。
表1はヒートポンプシステムへの入口温度Tiと入口水量により変化するヒートポンプシステムのCOP(成績係数)を実測と計算により求めたものである。表2は同じ因子ごとのヒートポンプシステムの冷凍能力(kw)すなわち圧縮装置のエネルギー消費量につ
いて同様に求めたものである。「入口温度」の単位は摂氏、「水量」の欄の単位はリットル/分である。また、冷房運転であり、空調用熱交換器が蒸発器として作用している状態で求められた。表1と表2を求めるにあたっては日本ピーマック株式会社製「水熱源ヒートポンプ天吊りユニット・ダクトタイプ 型番:WDP50D」を供試体として、運転周波数38Hzの条件で求めた。これによれば水量が多いほどCOPが良く冷凍能力も高く維持されることがわかる。
Figure 0005204987
Figure 0005204987
水熱源ヒートポンプユニットにおいては、部分負荷運転時に、エネルギー消費量が低減し、COPが改善する。部分負荷時には、圧縮装置のエネルギー消費量が低減する一方、熱源水を定量供給する場合、循環ポンプ能力(熱源水ポンプのインバータ周波数)が変化しないため、熱源水ポンプのエネルギー消費量は相対的に上昇する。そこで、熱源水水量を絞って熱源水循環動力を低減させれば、ヒートポンプユニット全体のエネルギー効率を向上させることができる。表3に、前記と同機種のユニットの定格運転時において、熱源水ポンプの電力を含めた場合の成績係数TCOP(システムCOP)を示す。なおこの試算は、ユニット台数100台、6000mの建物規模の実際の建物をモデルに試算した。
Figure 0005204987
定格運転時は、熱源水の入口温度Tiによらず、定格水量(機器設計時に予定された最大の流量)の場合が、システムCOPが最良であることは変わらない。ただし、小水量時のCOPはユニット単体でのそれより改善しており、定格流量時とその半分の流量時の差が縮まっていることがわかる。
一方、部分負荷運転として、圧縮装置の回転数を定格の約50%に低減した場合の機器
(ユニット)単体のCOPを表4に、冷凍能力すなわち圧縮装置のエネルギー消費量を表5に、システムCOPを表6に示す。圧縮装置の回転数を20Hzに落とした以外の運転条件は表1と表2の説明に示したとおりである。熱源水ポンプの電力を含めたシステムCOPで評価すると、熱源水ポンプを能力制御することにより、システムCOPが向上することが分かる。
Figure 0005204987
Figure 0005204987
Figure 0005204987
システムCOPを最良に維持するための熱源水の定格循環流量に対する循環流量の割合は、入口温度Tiによらず、圧縮装置の定格回転数に対する運転回転数と等しくすることができる。換言すれば表3では定格の圧縮装置回転数に対し定格流量のTCOPが最高効率を示すが、表6では約50%の圧縮装置回転数に対し約50%の熱源水ポンプ流量が最高効率を示している。
本発明者らは、表1から表6の特性を整理して、圧縮装置の回転数率(回転数/定格回転数)、入口温度Tiにおける最適な出口温度Toの目標温度To’を求めた。その結果は表7のとおりで、例えば入口温度Tiが摂氏30度のときポンプが定格回転の場合には摂氏34.8度、50%回転(流量が半分)のとき摂氏35.6度となる。ただし最適出口温度は回転数による差が少ないため、回転数を半減することがシステムCOPの向上に役立つことがわかる。
Figure 0005204987
また、目標温度To’を求めるには、温度差をつける必要から入口温度Tiの情報も必要である。表7に示された各値をグラフに示すことで、熱源水の出口目標温度To’、圧縮装置回転数率(圧縮装置の回転数/圧縮装置の定格回転数)、及び入口温度Tiの関係を示す次の一次近似式を求めることができる。なお、これは前述の日本ピーマック社の1つの型番のユニットに対して算出した結果で、ユニットごとに係数等は異なる。また、この一次近似式は冷房運転の場合に適用されるものであり、暖房運転の場合に適用される一次近似式は異なる(一次近似式を求める方法は同様である)。なお、このような近似式は次数を高めることで、精度を上げることも可能である。
To’=0.957×Ti−0.0177×回転数率+7.843
以上により出口目標温度To’を設定するために参照する関係式が構築できる。本実施形態のステップS407およびステップS417で使用される関係式の各係数a1、b1、c1、a2、b2、c2は、実施形態において使用される空調システム1および水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10の諸条件および測定結果に従って、上記方法で算出される。但し、本発明の「関係」は式によらず、記憶装置上に記憶されたテーブル(表)やグラフであってもよい。これは、表7を表3から表6に適用して作成することが可能である。
以上のような近似式やテーブル、グラフをROMなどの記憶媒体に予め記憶させておき、熱源水の入口温度Tiおよび圧縮装置の回転数を入力して、熱源水の出口目標温度To’を求め、その数値を目標値にして、熱源水ポンプ52の能力制御を行う。
<効果>
一般に、空調システムの熱負荷を長期に渡って観察した場合、設計最大負荷の運転状況が発生するのは数年間のうち1時間程度であり、殆どの場合は部分負荷運転を行っている。このとき、熱負荷の平均値は設計最大負荷の20%から40%である。インバータ制御の圧縮装置を有する水熱源ヒートポンプ方式では、負荷に合わせて圧縮機の運転状態を制御することで、エネルギー消費量の低減を図っている。本実施形態では、エネルギー消費量の低減を図って制御される圧縮機インバータの回転数に応じて熱源水ポンプを制御することにより、エネルギー消費量を更に低減することが出来る。本発明者による試算では、水熱源マルチ型ヒートポンプシステムを備える空調システムに本発明を適用した場合、熱源水ポンプ動力の削減により、従来のインバータによる圧縮装置制御システムのみを備える空調システムに対して、15%程度エネルギー消費量を削減できることが判明した。
即ち、本実施形態に拠れば、水熱源マルチ型ヒートポンプシステム10を備える空調システム1において、熱源水ポンプ52のエネルギー消費量を低減させ、空調システム1全体の成績係数を向上させることが可能となる。
実施形態における空調システムの全体の概要を示す図である。 実施形態に係る水熱源マルチ型ヒートポンプシステムの概略構成を示す図である。 実施形態における熱源水ポンプ制御の処理全体の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水目標温度の設定処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水ポンプ制御モードの決定処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水ポンプ制御モードの決定処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水ポンプ制御モードの決定処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水ポンプ送水量制御処理のうち、冷房モードの処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水ポンプ送水量制御処理のうち、暖房モードの処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水ポンプ送水量制御処理のうち、ゼロモードの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 空調システム
10 水熱源マルチ型ヒートポンプシステム
11 熱媒供給装置
12 室内機
14 圧縮装置
17 水対熱媒熱交換器
32 ヒートポンプシステム入口温度センサ
33 ヒートポンプシステム出口温度センサ
40 熱源装置
41 熱源装置出口温度センサ
42 熱源装置入口温度センサ
52 熱源水ポンプ
90 制御装置

Claims (7)

  1. 熱源水の温度を制御し、該熱源水を供給する熱源装置と、
    前記熱源装置から供給される前記熱源水を共用する複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステムであって、前記熱源装置より供給される熱源水と熱媒との間の熱交換、圧縮装置による前記熱媒の圧縮、および減圧装置による前記熱媒の減圧、が行われた前記熱媒を供給する熱媒供給装置と、該熱媒供給装置から前記熱媒の供給を受けて冷房または暖房運転を行うことが可能な複数の室内機と、前記熱媒供給装置と前記室内機を接続する熱媒配管と、前記熱源水が前記熱源装置より供給される際の流路となる熱源水入口と、前記熱交換後の前記熱源水が前記熱源装置へ還流する際の流路となる熱源水出口とを有する複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステムと、
    前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに前記熱源水を供給するための流路に設けられ、前記熱源水の供給量を可変制御する熱源水ポンプと、
    前記圧縮装置の運転状態を取得する運転状態取得手段と、
    前記熱源水入口における熱源水の水温である入口温度を取得する入口温度取得手段と、
    前記圧縮装置の運転状態および前記入口温度に基づいて、前記熱源水出口における熱源水の水温である出口温度の目標温度を算出する目標温度算出手段と、
    前記目標温度を目標として、前記出口温度が該目標温度となるように前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を制御する熱源水ポンプ制御手段と、を備え
    前記熱源水ポンプは、前記複数の水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに対して1つ設けられ、
    前記目標温度算出手段は、前記熱源水ポンプが設けられた複数の前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムのうち、前記運転状態によって示される負荷が最も高い前記圧縮装置を有する前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムに係る前記運転状態および前記入口温度に基づいて、前記目標温度を算出する、
    空調システム。
  2. 前記出口温度を取得する出口温度取得手段を更に備え、
    前記熱源水ポンプ制御手段は、
    前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として冷房負荷であって、且つ前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して高い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を増加させる方向へ前記熱源水ポンプを制御し、
    前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として冷房負荷であって、且つ前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して低い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を減少させる方向へ前記熱源水ポンプを制御する、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記出口温度を取得する出口温度取得手段を更に備え、
    前記熱源水ポンプ制御手段は、
    前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として暖房負荷であって、且つ前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して低い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を増加させる方向へ前記熱源水ポンプを制御し、
    前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムが全体として暖房負荷であって、且つ前記出口温度取得手段によって取得された出口温度が前記目標温度に対して高い場合には、前記熱源水ポンプによる前記熱源水の供給量を減少させる方向へ前記熱源水ポンプを制御する、
    請求項1に記載の空調システム。
  4. 前記目標温度算出手段は、前記運転状態および前記入口温度に基づいて、当該空調システムの成績係数を向上させる前記目標温度を算出する、
    請求項1から請求項3の何れかに記載の空調システム。
  5. 前記圧縮装置の運転状態と前記熱源水の入口温度との組み合わせ毎の、当該空調システムの成績係数が最高となる予め算出された前記熱源水の出口温度と、前記運転状態および前記入口温度との関係を記憶する関係記憶手段を更に備え、
    前記目標温度算出手段は、前記関係に基づいて、前記運転状態取得手段によって取得された前記運転状態、および前記入口温度取得手段によって取得された前記入口温度において前記成績係数が最高となる場合の前記出口温度を求め、この出口温度を前記目標温度とする、
    請求項4に記載の空調システム。
  6. 前記運転状態取得手段によって取得される前記運転状態は、前記圧縮装置の回転数を定格回転数で割ることで算出された回転数率である、
    請求項1から請求項5の何れかに記載の空調システム。
  7. 前記水熱源マルチ型ヒートポンプシステムは、
    前記熱源水と熱媒との間で熱交換を行う水対熱媒熱交換器、前記圧縮装置、前記減圧装置、該水熱源マルチ型ヒートポンプシステム全体の運転サイクルを冷房サイクルと暖房サイクルとの間で切り替える切替弁、および液化した前記熱媒を溜める受液タンクを有する前記熱媒供給装置と、
    前記熱媒と空調対象の空気との間で熱交換を行う熱媒対空気熱交換器と、該熱交換が行われた空気を送風する送風機と、各室内機に設けられ、該室内機の運転を冷房運転と暖房運転との間で切替制御することで、室内機が各々独立して冷房または暖房運転を行うことを可能とするマルチコントローラとを有する前記複数の室内機とを有する、
    請求項1から請求項6の何れかに記載の空調システム。
JP2007103813A 2007-04-11 2007-04-11 空調システムおよび空調システムの制御方法 Active JP5204987B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007103813A JP5204987B2 (ja) 2007-04-11 2007-04-11 空調システムおよび空調システムの制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007103813A JP5204987B2 (ja) 2007-04-11 2007-04-11 空調システムおよび空調システムの制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008261536A JP2008261536A (ja) 2008-10-30
JP5204987B2 true JP5204987B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=39984143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007103813A Active JP5204987B2 (ja) 2007-04-11 2007-04-11 空調システムおよび空調システムの制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5204987B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8417392B2 (en) 2009-07-23 2013-04-09 Siemens Industry, Inc. Qualification system and method for chilled water plant operations
US8774978B2 (en) 2009-07-23 2014-07-08 Siemens Industry, Inc. Device and method for optimization of chilled water plant system operation
US8275483B2 (en) * 2009-07-23 2012-09-25 Siemens Industry, Inc. Demand flow pumping
KR101266098B1 (ko) 2011-12-01 2013-05-27 엘지전자 주식회사 공기조화기 및 그 제어방법
JP5843630B2 (ja) * 2012-01-25 2016-01-13 三菱電機株式会社 冷却システム
JP5916436B2 (ja) * 2012-02-29 2016-05-11 三菱重工業株式会社 推定装置、劣化判定装置、推定方法及び劣化判定方法
JP5984703B2 (ja) * 2013-01-31 2016-09-06 三菱重工業株式会社 熱源システム及び冷却水供給装置の制御装置並びに制御方法
JP6787726B2 (ja) * 2016-08-25 2020-11-18 高砂熱学工業株式会社 空調システムの制御装置、制御方法、制御プログラムおよび空調システム
JP2019023537A (ja) * 2017-07-25 2019-02-14 日本ピーマック株式会社 水熱源ヒートポンプユニットシステム
CN113268873B (zh) * 2021-05-25 2023-09-15 云南电网有限责任公司电力科学研究院 一种基于多因素影响的地源热泵能效比获取方法及系统
CN114353382A (zh) * 2021-11-30 2022-04-15 青岛海尔空调电子有限公司 空气源热泵机组的启动控制方法、装置及存储介质

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58188558U (ja) * 1982-06-09 1983-12-14 株式会社日立製作所 ヒ−トポンプ式冷暖房機
JPS62186171A (ja) * 1986-02-12 1987-08-14 株式会社荏原製作所 ヒ−トポンプ
JPH076659B2 (ja) * 1986-12-22 1995-01-30 日本電信電話株式会社 空気調和機警報装置
JPH08226662A (ja) * 1995-02-20 1996-09-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機のドレンポンプ制御装置および制御方法
JPH08261517A (ja) * 1996-03-28 1996-10-11 Sanyo Electric Co Ltd 空気調和装置
JP3489932B2 (ja) * 1996-03-29 2004-01-26 松下電器産業株式会社 空気調和機
JP3749058B2 (ja) * 2000-01-13 2006-02-22 三洋電機株式会社 空気調和装置
JP2001304618A (ja) * 2000-04-18 2001-10-31 Taisei Corp 水冷ヒートポンプパッケージ熱源機を利用した空調システム
JP3783859B2 (ja) * 2002-07-19 2006-06-07 日立プラント建設株式会社 空調設備及びその制御方法
JP3800210B2 (ja) * 2003-08-22 2006-07-26 木村工機株式会社 水熱源ヒートポンプユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008261536A (ja) 2008-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5204987B2 (ja) 空調システムおよび空調システムの制御方法
US10422547B2 (en) Air-conditioning apparatus
CN109196287B (zh) 空气调节系统
JP4832960B2 (ja) 水熱源ヒートポンプユニットシステムの制御方法
EP2148147B1 (en) Method of controlling air conditioner
WO2010073579A1 (ja) 負荷処理バランス設定装置
JP3992195B2 (ja) 空気調和機
US10054349B2 (en) Air-conditioning apparatus
EP2428740A2 (en) Air conditioner and control method thereof
US10161651B2 (en) Air conditioning apparatus
KR101070186B1 (ko) 냉매 흐름량 변화에 따른 송풍기 풍량 자동 제어 장치를 구비한 직접팽창방식 공조기
CN107726567B (zh) 新风机的控制方法及系统、新风机及多联机空调系统
JP6681896B2 (ja) 冷凍システム
JP2009139014A (ja) 空気調和装置およびその運転制御方法
CN107525217A (zh) 一种空调器控制方法、控制装置及空调器
CN113339978A (zh) 全品质空调的基准运行频率确定方法、装置和全品质空调
JP2013190164A (ja) 空調装置
JP5677198B2 (ja) 空冷ヒートポンプチラー
JP4869873B2 (ja) 空調システムおよび空調システムの制御方法
JP2015087064A (ja) 空気調和システム
WO2020165992A1 (ja) 空気調和システム、空気調和装置、運転制御方法およびプログラム
JP7199529B2 (ja) 制御装置、空気環境調整システム、空気環境調整方法、プログラム、及び記録媒体
JP5062555B2 (ja) 省エネ空調制御システム
JP2005140367A (ja) 熱源送水温度制御方法および装置
JP7086276B2 (ja) 空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121029

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5204987

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350