JP5916436B2 - 推定装置、劣化判定装置、推定方法及び劣化判定方法 - Google Patents

推定装置、劣化判定装置、推定方法及び劣化判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷却装置の劣化を判定する技術に関する。
冷却塔は、時間の経過と共に汚れなどの要因により劣化し、設計当初の性能を維持できなくなる。そのため、定期的なメンテナンスが必要となる。冷却塔の性能劣化を検知することができれば、メンテナンス時期を正確に知ることが可能となる。さらに、台数制御など冷却塔制御に検知結果を利用することができる。
特許文献1は冷却塔の性能劣化を検知する技術の一例を示す文献である。特許文献1に開示された技術は以下の通りである。まず、冷却水入口温度、冷却水出口温度、湿球温度、冷却塔往還冷却水温度、冷却塔空気量などを測定する。これらの測定データから、NTU(移動単位係数)を用いて冷却塔性能劣化指数を算出する。そして、算出結果とNTUの閾値とを比較することによって、性能劣化を判定する。
特開2009−41886号公報
しかしながら、特許文献1に開示された冷却塔性能劣化指数の演算には複雑な計算が必要となり、リアルタイムでの処理の実現が困難である。そのため、実機への実装は困難であった。
上記事情に鑑み、本発明は、より少ない計算コストで冷却塔の劣化を判定する技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、冷却塔に関する複数のパラメータの理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶するマップ記憶部と、前記冷却塔に関する複数のパラメータの実測値及び前記パラメータマップに基づいて、前記パラメータの理想値を推定する推定部と、を備え、前記パラメータのうち、一部のパラメータの実測値の入力を受け付け、他のパラメータの実測値を算出するパラメータ算出部をさらに備え、前記マップ記憶部は、以下の関係を有する前記パラメータ(前記冷却塔におけるファンの回転周波数の指令値、前記冷却塔の冷却能力、アプローチ、負荷率、前記冷却塔の入口空気の湿球温度、冷却水出口温度、冷却水入口温度、冷却水流量のいずれか複数を含む)の理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶し、
アプローチ=冷却水出口温度−冷却塔の入口空気の湿球温度
負荷率=F(WB,冷却水流量)
冷却能力=冷却水流量×(冷却水入口温度−冷却水出口温度)
前記パラメータ算出部は、前記関係に基づいて前記他のパラメータの実測値を算出し、前記推定部は、前記実測値に基づいて、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの理想値を前記パラメータマップに基づいて推定し、前記推定部の推定結果と、前記推定部が理想値を推定する対象となるパラメータの実測値と、をタイムチャートとして出力装置に表示させる推定装置である。
本発明の一態様は、上記の推定装置であって、前記パラメータ算出部は、前記冷却塔が複数接続されている場合に、接続されている各冷却塔の冷却能力を合計することによって、前記冷却能力の実測値を算出する。
本発明の一態様は、上記の推定装置と、前記推定部によって得られた前記理想値と、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの実測値と、に基づいて前記冷却塔の劣化を判定する劣化判定部と、を備える劣化判定装置である。
本発明の一態様は、コンピュータが、冷却塔に関する複数のパラメータの理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶するマップ記憶部から前記パラメータマップを読み出すステップと、前記冷却塔に関する複数のパラメータの実測値及び前記パラメータマップに基づいて、前記パラメータの理想値を推定するステップと、を有し、前記パラメータのうち、一部のパラメータの実測値の入力を受け付け、他のパラメータの実測値を算出するパラメータ算出ステップをさらに有し、前記マップ記憶部は、以下の関係を有する前記パラメータ(前記冷却塔におけるファンの回転周波数の指令値、前記冷却塔の冷却能力、アプローチ、負荷率、前記冷却塔の入口空気の湿球温度、冷却水出口温度、冷却水入口温度、冷却水流量のいずれか複数を含む)の理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶し、
アプローチ=冷却水出口温度−冷却塔の入口空気の湿球温度
負荷率=F(WB,冷却水流量)
冷却能力=冷却水流量×(冷却水入口温度−冷却水出口温度)
前記パラメータ算出ステップにおいて、前記コンピュータは、前記関係に基づいて前記他のパラメータの実測値を算出し、前記推定ステップにおいて、前記コンピュータは、前記実測値に基づいて、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの理想値を前記パラメータマップに基づいて推定し、前記コンピュータは、前記推定ステップにおける推定結果と、前記推定ステップにおける理想値を推定する対象となるパラメータの実測値と、をタイムチャートとして出力装置に表示させる推定方法である。
本発明の一態様は、上記の推定方法の各ステップと、コンピュータが、前記推定ステップによって得られた前記理想値と、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの実測値と、に基づいて前記冷却塔の劣化を判定する劣化判定ステップと、を有する劣化判定方法である。
本発明により、劣化の判定に用いられるパラメータの理想値をより少ない計算コストで得ることが可能となる。そのため、より少ない計算コストで冷却塔の劣化を判定することが可能となる。
冷却システムのシステム構成を示すシステム構成図である。 本発明の第一実施形態である劣化判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 パラメータマップの具体例を示す図である。 本発明の第二実施形態の劣化判定装置が劣化判定の対象とする冷却システムのシステム構成を示すシステム構成図である。 第三実施形態における劣化判定装置の出力例を示す図である。 第三実施形態における劣化判定装置の出力例を示す図である。
[第一実施形態]
図1は、冷却システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。冷却システム1は、本発明の第一実施形態である劣化判定装置50による劣化判定の対象となるシステムである。冷却システム1は、制御装置10、冷却塔20、冷却水ポンプ30、冷却水配管31、冷凍機40を備える。
制御装置10は、冷却塔20の動作を制御する。例えば、制御装置10は、冷却塔20のファン21の回転周波数について指令値を冷却塔20に送ることによって、ファン21の回転周波数を制御する。
冷却塔20は、ファン21を備える。ファン21は、制御装置10の制御にしたがった回転周波数で回転し、冷却水配管31から冷却塔20へ導入された水を冷却する。冷却塔20は、冷却された水を、冷却水配管31を介して冷却水ポンプ30へ出力する。冷却水ポンプ30は、冷却塔20から出力された冷却水を、冷凍機40を介して冷却塔20まで送り出す。冷凍機40は、冷却水配管31を流れる冷却水を導入し、冷凍機40内部の温度を低温に維持する。冷凍機40内を流れた冷却水は、冷却水ポンプ30の力によって冷却塔20まで到達する。冷却塔20まで到達した冷却水は、再び冷却塔20によって冷却され、冷却水配管31へ出力される。
図2は、本発明の第一実施形態である劣化判定装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。劣化判定装置50は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備える。劣化判定装置50は、劣化判定プログラムを実行することによってマップ記憶部51、パラメータ算出部52、推定部53、劣化判定部54を備える装置として機能する。なお、劣化判定装置50の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。劣化判定プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。劣化判定プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
マップ記憶部51は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。マップ記憶部51は、予め得られているパラメータマップを記憶する。パラメータマップは、冷却塔20が正常な場合(劣化していない場合)における複数(N個:Nは2以上の整数)のパラメータの値の関係を示す。パラメータマップにおける各パラメータは、冷却システム1に関するパラメータである。
図3は、パラメータマップの具体例を示す図である。図3に示すパラメータマップは、ファン21の回転周波数の指令値、冷却塔20の冷却能力(冷却能力)、アプローチ、冷凍機40の負荷率の4つの値の関係を示す。このパラメータマップは、WBを所定値に固定し、複数の負荷率及び複数のアプローチにおける冷却能力とファンの回転周波数の指令値との関係をシミュレーションや実験によって取得することで得られる。
パラメータマップに示されているN個のパラメータのうち(N−1)個のパラメータの実測値が得られると、パラメータマップを参照することによって残る1つのパラメータ(以下、「監視パラメータ」という。)の理想値(冷却塔20が正常な場合のパラメータの値)を得ることができる。例えば、図3に示されるパラメータマップでは4個(N個)のパラメータの関係が示されているため、3個((N−1)個)のパラメータの実測値が得られると、残る一つの監視パラメータの理想値を得ることができる。したがって、冷却能力、アプローチ、負荷率の3つのパラメータの実測値が得られると、図3のパラメータマップを参照することによって、冷却塔20のファン21の回転周波数の指令値の理想値を監視パラメータの値として得ることができる。
そこで、以下の説明では、冷却能力、アプローチ、負荷率の3つのパラメータの実測値に基づいて、図3のパラメータマップから冷却塔20のファン21の回転周波数の指令値(監視パラメータ)の理想値を取得するように構成された劣化判定装置50について説明する。
図2に戻って劣化判定装置50の説明を続ける。
パラメータ算出部52は、複数の数値の入力を受け付ける。そして、パラメータ算出部52は、入力されたパラメータに基づいて、パラメータマップが示すN個のパラメータのうち(N−1)個のパラメータの値を取得する。マップ記憶部51が図3に示されるパラメータマップを記憶している場合、N=4であるため、パラメータ算出部52は3個のパラメータの値を取得する。
例えば、パラメータ算出部52は、冷却水の流量(冷却水流量)、冷凍機40に入る冷却水の水温(冷却水出口温度)、冷凍機40から出た冷却水の水温(冷却水入口温度)、冷却塔20の冷却能力(冷却能力)、冷却塔入口空気の湿球温度(WB)の5つの値の入力を受け付ける。そして、パラメータ算出部52は、冷却塔20の冷却能力(冷却能力)、アプローチ、冷凍機40の負荷率(負荷率)の3つのパラメータの値を取得する。この場合、冷却塔20の冷却能力の値は入力値として得られているため、パラメータ算出部52は残る2つの値を以下の式で算出する。
アプローチ=冷却水出口温度−WB・・・(式1)
負荷率=F(WB,冷却水流量)・・・(式2)
上述した式2におけるF()は、括弧内に示される2つの値の関数をしめす。関数F()は、冷却システム1に関して予め算出され、パラメータ算出部52に設定されている。
また、冷却システム1のパラメータについて、以下のような数式も成立する。
冷却能力=冷却水流量×(冷却水入口温度−冷却水出口温度)・・・(式3)
以上の式1〜3が成立するため、上述した5つの値(パラメータ算出部52に入力される値)のうち、WBに加えてさらに3つの値(計4つの値)が入力されれば、パラメータ算出部52は、冷却能力、アプローチ、負荷率の各値を算出することができる。そのため、パラメータ算出部52には、冷却水流量、冷却水出口温度、冷却水入口温度、冷却能力の4つの値の全てが入力される必要は無く、いずれか3つが入力されればよい。
推定部53は、パラメータ算出部52によって算出された(N−1)個の各パラメータの値が得られている状態で、冷却塔20が正常であると仮定した場合の残る一つのパラメータ(監視パラメータ)の値を推定する。以下、図3のパラメータマップを用いた処理を具体例として説明する。推定部53は、マップ記憶部51に記憶されるパラメータマップを読み出す。推定部53は、パラメータ算出部52によって得られた3つのパラメータの値(冷却能力、アプローチ、負荷率)に対応するファンの回転周波数の指令値を、パラメータマップから取得する。得られた値が、推定部53による推定結果となる。
劣化判定部54は、推定部53による推定結果と実際の値とを比較することによって劣化の有無を判定する。以下、劣化判定部54の構成の具体例について説明する。劣化判定部54は、減算器541、比較器542、判定部543を備える。減算器541には、監視パラメータの実測値が入力される。減算器541は、冷却塔20に対して制御装置10によって出力されているファンの回転周波数の指令値(実測値)から、推定部53による推定結果の値(理想値)を減算し、減算結果を出力する。比較器542は、減算結果と劣化判定閾値とを比較し、大小関係を表す値(比較結果)を出力する。判定部543は、比較器542による比較結果に基づいて、冷却塔20に劣化が生じているか否かを判定する。
冷却塔20の性能が劣化している場合、冷却塔20のファン21に対する回転周波数の指令値は、冷却塔20が正常に動作している場合のファン21に対する回転周波数の指令値に比べて高くなる。そのため、劣化判定部54は、パラメータマップから得られた回転周波数の指令値と、冷却塔20のファン21に対する回転周波数の指令値とを比較し、その差が劣化判定閾値よりも大きい場合には、冷却塔20に劣化が生じていると判定する。なお、劣化判定閾値は、パラメータマップやセンサの精度などに基づいて適宜設定される。
このように構成された劣化判定装置50では、入力されたパラメータ及び予め得られているパラメータマップに基づいて、監視パラメータ(上述した例ではファンの回転周波数の指令値)について冷却塔20が正常である場合の値が推定される。そして、監視パラメータについて、推定値と実測値とを比較することによって、冷却塔20の劣化が判定される。このような判定に要する処理は、上記の式1〜3の算術処理や、劣化判定部54の減算器541及び比較器542における演算であり、冷却塔性能劣化指数を算出する処理に比べて計算コストは少ない。このように、本願発明の劣化判定装置50によれば、従来よりも少ない計算コストで冷却塔20の劣化を判定することが可能となる。
また、劣化判定装置50が処理に用いるパラメータの値は、いずれも冷却システム1においてセンサなどによって取得可能な値である。そのため、劣化判定装置50によって劣化の判定を行う場合に、冷却システム1において新たに生じるセンサ等の取り付け作業を軽減することが可能である。
<変形例>
上述した具体例では、監視パラメータはファンの回転周波数の指令値であるが、監視パラメータはファンの回転周波数の指令値に限定される必要は無い。例えば、監視パラメータは冷却塔20の冷却能力であっても良い。この場合、パラメータ算出部52は、冷却能力に代えてファンの回転周波数の指令値を取得する。推定部53は、パラメータマップに基づいて、冷却能力の理想値を推定する。劣化判定部54の減算器541には、冷却能力の実測値が入力され、減算器541は推定値から実測値を減算する。そして、比較器542が減算結果の値と劣化判定閾値とを比較し、比較結果に応じて判定部543が判定する。この場合に用いられる劣化判定閾値は、回転周波数の指令値が用いられる場合の劣化判定閾値とは異なる。また、推定されるパラメータは他のパラメータであっても良い。ただし、WBの値は推定ができないため、WBの値は推定されることなくパラメータ算出部52に実測値が入力される。
図3では、ファンの回転周波数(冷却塔FAN回転周波数)、冷却能力、アプローチ、負荷率の4つのパラメータに関するパラメータマップが示されているが、劣化判定装置50が用いるパラメータマップは図3に示されるものに限定される必要は無い。パラメータの数がより多くても良いし、より少なくても良い。また、用いられるパラメータが他のパラメータであっても良い。
劣化判定部54は、理想値と実測値との差ではなく、理想値と実測値との比に基づいて劣化を判定しても良い。また、劣化判定部54は、実測値の変化率に基づいて劣化を判定しても良い。また、本発明の一実施形態は、上述した劣化判定装置50ではなく、劣化判定装置50が備える機能部のうち劣化判定部54を除いた機能部で構成される推定装置として構成されても良い。このような構成であっても、劣化の判定に用いられるパラメータの理想値をより少ない計算コストで得ることが可能となる。そのため、より少ない計算コストで冷却塔の劣化を判定することが可能となる。
[第二実施形態]
図4は、本発明の第二実施形態の劣化判定装置50が劣化判定の対象とする冷却システム1aのシステム構成を示すシステム構成図である。冷却システム1aは、複数の冷却塔20、還水ヘッダ61、冷却水ポンプ30、冷却水配管31、冷凍機40、送水ヘッダ62、冷却水バイパス弁63を備える。第二実施形態の劣化判定装置50は、冷却システム1aに含まれる起動中の複数台の冷却塔20を仮想的に1台の冷却塔(以下、「仮想冷却塔」という。)とみなし、パラメータマップに基づいて推定値を取得する。その上で、第二実施形態の劣化判定装置50は、仮想冷却塔において劣化が生じているか否か判定する。第二実施形態の劣化判定装置50は、仮想冷却塔に劣化が生じていると判定した場合、仮想冷却塔に含まれる複数の冷却塔20の少なくとも1台に劣化が生じていると判定する。
第二実施形態の劣化判定装置50のマップ記憶部51が記憶するパラメータマップは、図4に示されるように起動中の複数の冷却塔20(仮想冷却塔を構成する複数の冷却塔20)を含む冷却システム1aに関し、仮想冷却塔を想定してシミュレーションや実験を行うことによって予め得られる。
第二実施形態においては、以下の式が成立する。
仮想冷却塔の冷却能力=起動中の各冷却塔20の冷却能力の合計値
=起動中の冷凍機40の冷却能力 ・・・(式4)
冷却水出口温度は、仮想冷却塔を構成する全ての冷却塔20から出力された冷却水が合流した後であって冷凍機40に導入される前の冷却水の水温である。例えば、冷却水出口温度は、還水ヘッダ61における冷却水の水温として測定されても良い。冷却水入口温度は、冷凍機40から出力された後であって、仮想冷却塔を構成する冷却塔20に導入される前の冷却水の水温である。例えば、冷却入口温度は、送水ヘッダ62における冷却水の水温として測定されても良い。
仮想冷却塔を構成する全ての冷却塔20のファンの回転周波数の指令値は同一である。そのため、仮想冷却塔のファンの回転周波数の指令値は、仮想冷却塔を構成するいずれか一台の冷却塔20のファンの回転周波数の指令値と一致する。
以下、第二実施形態の劣化判定装置50の構成について説明する。マップ記憶部51は、上述したように仮想冷却塔を想定して生成されたパラメータマップを予め記憶する。パラメータ算出部52は、パラメータマップにおける(N−1)個のパラメータの値を取得する。推定部53は、パラメータ算出部52によって取得された(N−1)個のパラメータの値を用いて、パラメータマップに基づいて監視パラメータの理想値を推定する。劣化判定部54は、監視パラメータの理想値及び実測値に基づいて、仮想冷却塔の劣化の有無を判定する。
このように構成された第二実施形態の劣化判定装置50によれば、複数台の冷却塔20を備える冷却システム1aにおいても、少ない計算コストで冷却塔20の劣化を判定することが可能となる。
<変形例>
図4には冷凍機40が1台だけ記載されているが、第二実施形態における冷却システム1aは複数台の冷凍機40が接続されても良い。この場合、複数台の冷凍機40を仮想的に1台の冷凍機(以下、「仮想冷凍機」という。)とみなして、パラメータマップが生成される。
この場合、上述した式4は、以下のように変形される。
仮想冷却塔の冷却能力=起動中の各冷却塔20の冷却能力の合計値
=起動中の各冷凍機40の冷却能力の合計値
=仮想冷凍機の冷却能力 ・・・(式5)
冷却水流量=起動中の各冷凍機40の冷却水流量
=仮想冷凍機の冷却水流量 ・・・(式6)
負荷率=起動中の冷凍機40の負荷の合計値/起動中の各冷凍機の定格負荷の合計値
・・・(式7)
また、冷却水入口温度は、仮想冷凍機を構成する全ての冷凍機40から出力された冷却水が合流した後であって、仮想冷却塔を構成する冷却塔20に導入される前の冷却水の水温である。上述したように、冷却水入口温度は、例えば送水ヘッダ62における冷却水の水温として測定されても良い。
第二実施形態において、劣化判定装置50は、仮想冷却塔において劣化が生じているとの判定結果が得られた場合、より少ない台数の冷却塔20を新たな仮想冷却塔として想定し、新たな仮想冷却塔について劣化の有無を判定するように構成されても良い。この場合、マップ記憶部51は、各処理において想定される仮想冷却塔に関するパラメータマップをそれぞれ予め記憶している。
[第三実施形態]
第三実施形態における劣化判定装置50は、出力装置に対して推定部53の推定結果と監視パラメータの実測値とを出力する。出力装置は、劣化判定装置50に接続された不図示の装置であり、劣化判定装置50のユーザ(例えば冷却システム1の管理者)に対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。
図5及び図6は、第三実施形態における劣化判定装置50の出力例を示す図である。図5は、横軸に時間、縦軸に監視パラメータの値をとったグラフである。図5のグラフには、監視パラメータの理想値(推定部53の推定結果)と実測値とがそれぞれ異なる態様で表示される。劣化判定装置50のユーザは、出力装置に出力される図5のグラフを見ることによって、理想値及び実測値の時間経過に伴う変化(劣化の進行など)を感覚的に認識することが可能となる。また、劣化判定装置50のユーザは、理想値と実測値との差が劣化判定閾値を超えた場合には、劣化が生じたことをすぐに判断することができる。
図6は、横軸に冷却能力、縦軸にファンの回転周波数の指令値(監視パラメータ)の値をとったグラフである。図6において、線で示されるグラフは、監視パラメータの理想値の変化を表す。図6において、バツ印は、監視パラメータの実測値を表す。劣化判定装置50は、出力装置において、所定のタイミングで新たな実測値を示すバツ印を出力し、図6に示されるグラフの表示を更新する。劣化判定装置50のユーザは、図6のグラフを見ることによって、理想値及び実測値の時間経過に伴う変化(劣化の進行など)を感覚的に認識することが可能となる。
第三実施形態において、図5又は図6に示される監視パラメータをユーザが選択できても良い。この場合、劣化判定装置50には、不図示の入力装置が設けられる。ユーザは、入力装置を操作することによって監視パラメータを選択する。また、図6に示される横軸のパラメータをユーザが選択できても良い。この場合の選択も、上記の入力装置を操作することによって行われる。
第三実施形態において、出力装置は劣化判定装置50から離れた場所に設置されても良い。この場合、出力装置は、有線通信や無線通信によって、劣化判定装置50から表示すべき各パラメータの値を取得する。このような構成により、ユーザは、遠隔地から冷却システム1の劣化の状態などを把握することが可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1,1a…冷却システム, 10…制御装置, 20…冷却塔, 21…ファン, 30…冷却水ポンプ, 31…冷却水配管, 40…冷凍機, 50…劣化判定装置, 51…マップ記憶部, 52…パラメータ算出部, 53…推定部, 54…劣化判定部, 541…減算器, 542…比較器, 543…判定部

Claims (5)

  1. 冷却塔に関する複数のパラメータの理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶するマップ記憶部と、
    前記冷却塔に関する複数のパラメータの実測値及び前記パラメータマップに基づいて、前記パラメータの理想値を推定する推定部と、
    を備え
    前記パラメータのうち、一部のパラメータの実測値の入力を受け付け、他のパラメータの実測値を算出するパラメータ算出部をさらに備え、
    前記マップ記憶部は、以下の関係を有する前記パラメータ(前記冷却塔におけるファンの回転周波数の指令値、前記冷却塔の冷却能力、アプローチ、負荷率、前記冷却塔の入口空気の湿球温度、冷却水出口温度、冷却水入口温度、冷却水流量のいずれか複数を含む)の理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶し、
    アプローチ=冷却水出口温度−冷却塔の入口空気の湿球温度
    負荷率=F(WB,冷却水流量)
    冷却能力=冷却水流量×(冷却水入口温度−冷却水出口温度)
    前記パラメータ算出部は、前記関係に基づいて前記他のパラメータの実測値を算出し、
    前記推定部は、前記実測値に基づいて、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの理想値を前記パラメータマップに基づいて推定し、
    前記推定部の推定結果と、前記推定部が理想値を推定する対象となるパラメータの実測値と、をタイムチャートとして出力装置に表示させる推定装置。
  2. 前記パラメータ算出部は、前記冷却塔が複数接続されている場合に、接続されている各冷却塔の冷却能力を合計することによって、前記冷却能力の実測値を算出する、請求項に記載の推定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の推定装置と、
    前記推定部によって得られた前記理想値と、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの実測値と、に基づいて前記冷却塔の劣化を判定する劣化判定部と、
    を備える劣化判定装置。
  4. コンピュータが、
    冷却塔に関する複数のパラメータの理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶するマップ記憶部から前記パラメータマップを読み出すステップと、
    前記冷却塔に関する複数のパラメータの実測値及び前記パラメータマップに基づいて、前記パラメータの理想値を推定するステップと、
    を有し
    前記パラメータのうち、一部のパラメータの実測値の入力を受け付け、他のパラメータの実測値を算出するパラメータ算出ステップをさらに有し、
    前記マップ記憶部は、以下の関係を有する前記パラメータ(前記冷却塔におけるファンの回転周波数の指令値、前記冷却塔の冷却能力、アプローチ、負荷率、前記冷却塔の入口空気の湿球温度、冷却水出口温度、冷却水入口温度、冷却水流量のいずれか複数を含む)の理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶し、
    アプローチ=冷却水出口温度−冷却塔の入口空気の湿球温度
    負荷率=F(WB,冷却水流量)
    冷却能力=冷却水流量×(冷却水入口温度−冷却水出口温度)
    前記パラメータ算出ステップにおいて、前記コンピュータは、前記関係に基づいて前記他のパラメータの実測値を算出し、
    前記推定ステップにおいて、前記コンピュータは、前記実測値に基づいて、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの理想値を前記パラメータマップに基づいて推定し、
    前記コンピュータは、前記推定ステップにおける推定結果と、前記推定ステップにおける理想値を推定する対象となるパラメータの実測値と、をタイムチャートとして出力装置に表示させる推定方法。
  5. 請求項に記載の推定方法の各ステップと、
    コンピュータが、前記推定ステップによって得られた前記理想値と、前記一部のパラメータ及び前記他のパラメータとは異なるパラメータの実測値と、に基づいて前記冷却塔の劣化を判定する劣化判定ステップと、
    を有する劣化判定方法。
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