JP5203312B2 - 動力出力装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力出力装置の制御装置に関する。
従来より、内燃機関と、電動機と、電動機に電力を供給するバッテリと、を備えるハイブリッド車において、さらにバッテリから電力を供給されて車室内の空調を行なうエアコンユニットを搭載するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1においては、車両の走行中における内燃機関の停止中は車両の走行中における内燃機関の運転中よりもエアコンユニットの能力を低めに設定し、使用電力を制限することで充電のためだけに内燃機関が始動される頻度を低減している。この特許文献1のハイブリッド車両においては、エアコンユニット内に冷媒圧縮機を駆動するモータが、トラクションモータである電動機とは別に設けられおり、車体重量の増加や高コスト化の要因となっていた。一方、この問題を解消するものとして、トラクションモータである電動機を用いて冷媒圧縮機を駆動することも考えられる。
特開2008−150035号公報
しかしながら、車両の停止中、且つ、内燃機関の停止中にトラクションモータである電動機を用いて冷媒圧縮機を駆動している状態から車両を発進する場合、バッテリの逐電容量が少ないと一度内燃機関を始動した後、ギヤを入れて発進するまでに時間がかかりスムーズな発進ができないという問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、駆動源として内燃機関と電動機を有し、内燃機関と電動機で冷媒圧縮機を駆動可能な動力出力装置においてスムーズな発進を可能とする動力出力装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
内燃機関(例えば、後述の実施形態のエンジン6)と、電動機(例えば、後述の実施形態のモータ7)と、前記電動機に電力を供給する蓄電手段(例えば、後述の実施形態のバッテリ3)と、前記電動機に接続されるとともに第1断接手段(例えば、後述の実施形態の第1クラッチ41)を介して選択的に前記内燃機関に接続される第1の入出力軸(例えば、後述の実施形態の第1主軸11)と、第2断接手段(例えば、後述の実施形態の第2クラッチ42)を介して選択的に前記内燃機関に接続される第2の入出力軸(例えば、後述の実施形態の第2中間軸16)と、選択的に前記第1の入出力軸と前記2の入出力軸に接続される出入力軸(例えば、後述の実施形態のカウンタ軸14)と、前記第1の入出力軸の回転に伴って前記内燃機関と前記電動機の動力により作動可能な冷媒圧縮機(例えば、後述の実施形態の冷媒圧縮機8)と、を備え、前記第1の入出力軸を介して第1速走行及びEV走行を行なうことができ、前記第2の入出力軸を介して第2速走行を行なうことができる動力出力装置(例えば、後述の実施形態の動力出力装置1、1A)の制御装置であって、
車速を検出する車速検出手段(例えば、後述の実施形態の車速検出手段58)と、
シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段(例えば、後述の実施形態のシフトポジション検出手段57)と、
前記蓄電手段の蓄電容量を検出する蓄電容量検出手段(例えば、後述の実施形態のSOC検出手段4)と、
蓄電容量から前記電動機による車両の発進の可否を判断するEV発進判定手段(例えば、後述の実施形態のEV発進判定手段55)と、を備え、
シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記内燃機関の停止中に前記冷媒圧縮機が前記電動機により作動している状態から車両を発進するとき、前記EV発進判定手段がEV発進不可能と判断した場合には、前記第1断接手段を接続して前記電動機の動力で前記第1の入出力軸を介して前記内燃機関を始動した後、前記第2断接手段を接続して前記内燃機関の動力で第2速発進を行なうことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、
前記内燃機関を始動した後、前記電動機を駆動することにより前記内燃機関と前記電動機の動力を足し合わせて第2速発進を行なうことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、
前記内燃機関を始動した後、前記電動機により前記内燃機関の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記内燃機関の停止中に前記冷媒圧縮機が前記電動機により作動している状態から車両を発進するとき、前記EV発進判定手段がEV発進が可能と判断した場合には、前記電動機を一度停止し前記第1の入出力軸と前記出入力軸を接続した後、前記電動機の動力でEV発進することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記冷媒圧縮機は第3断接手段(例えば、後述の実施形態のA/C用クラッチ65)を介して前記第1の入出力軸に接続されており、
走行路の斜度を検出する斜度検出手段(例えば、後述の実施形態の斜度検出手段56)を備え、
前記斜度検出手段により斜度が所定の閾値を超えた場合には、前記冷媒圧縮機の駆動を停止することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記動力出力装置は、サンギヤ(例えば、後述の実施形態のサンギヤ32)と、キャリア(例えば、後述の実施形態のキャリア36)と、リングギヤ(例えば、後述の実施形態のリングギヤ35)とにより構成された遊星歯車式減速機(例えば、後述の実施形態の遊星歯車機構31)を備え、前記第1の入出力軸は第4断接手段(例えば、後述の実施形態のシンクロ機構61)を介して選択的に前記出入力軸に接続され、
前記第1の入出力軸は前記サンギヤに接続され、
前記出入力軸は前記キャリアに接続され、
前記第4断接手段は前記リングギヤに接続されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記第1断接手段を接続することにより前記冷媒圧縮機が前記内燃機関により作動している状態から車両を発進するとき、前記第2断接手段を接続して前記内燃機関の動力で第2速発進を行なうことを特徴とする動力出力装置の制御装置。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、
内燃機関(例えば、後述の実施形態のエンジン6)と、電動機(例えば、後述の実施形態のモータ7)と、前記電動機に電力を供給する蓄電手段(例えば、後述の実施形態のバッテリ3)と、前記電動機に接続されるとともに前記内燃機関に接続され第1速走行及びEV走行を行うことができる第1変速部と、前記内燃機関に接続され第2速走行を行うことができる第2変速部と、前記第1変速部に接続され前記内燃機関と前記電動機の動力により作動可能な冷媒圧縮機(例えば、後述の実施形態の冷媒圧縮機8)と、を備える動力出力装置(例えば、後述の実施形態の動力出力装置1、1A)の制御装置であって、
車速を検出する車速検出手段(例えば、後述の実施形態の車速検出手段58)と、
シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段(例えば、後述の実施形態のシフトポジション検出手段57)と、
前記蓄電手段の蓄電容量を検出する蓄電容量検出手段(例えば、後述の実施形態のSOC検出手段4)と、
蓄電容量から前記電動機による車両の発進の可否を判断するEV発進判定手段(例えば、後述の実施形態のEV発進判定手段55)と、を備え、
シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記内燃機関の停止中に前記冷媒圧縮機が前記電動機により作動している状態から車両を発進するとき、前記EV発進判定手段がEV発進不可能と判断した場合には、前記電動機の動力で前記第1変速部を介して前記内燃機関を始動した後、前記内燃機関の動力で前記第2変速部を介して第2速発進を行なうことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明の構成に加えて、
前記内燃機関を始動した後、前記電動機を駆動することにより前記内燃機関と前記電動機の動力を足し合わせて第2速発進を行なうことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の発明の構成に加えて、
前記内燃機関を始動した後、前記電動機により前記内燃機関の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことを特徴とする。
請求項1の動力出力装置の制御装置によれば、シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、内燃機関の停止中に冷媒圧縮機が電動機により作動している状態から車両を発進するとき、EV発進判定手段がEV発進不可能と判断した場合には、第1断接手段を接続して電動機の動力で第1の入出力軸を介して内燃機関を始動した後、第2断接手段を接続して内燃機関の動力で第2速発進を行なうので、内燃機関の始動後、第1断接手段を一度切り離して電動機を停止させて第1の入出力軸と出入力軸を接続するとともに、再度第1断接手段を接続して第1速発進するよりも短時間でスムーズな発進を行うことができる。
請求項2の動力出力装置の制御装置によれば、内燃機関を始動した後、電動機を駆動することにより内燃機関と電動機の動力を足し合わせて第2速発進を行なうので、トルクが必要な場合に電動機の動力でアシストすることで、始動に必要なトルクを確保することができる。
請求項3の動力出力装置の制御装置によれば、内燃機関を始動した後、電動機により内燃機関の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことで、振動を抑制しドライバビリティを向上させることができる。
請求項4の動力出力装置の制御装置によれば、EV発進判定手段がEV発進が可能と判断した場合には、電動機を一度停止し第1の入出力軸と出入力軸を接続した後、電動機の動力でEV発進するので、内燃機関を始動させることなくEV発進することができる。
請求項5の動力出力装置の制御装置によれば、斜度検出手段により斜度が所定の閾値を超えた場合には、冷媒圧縮機の駆動を停止することにより、内燃機関及び電動機の負荷を軽減することでスムーズな始動が確保できる。
請求項6の動力出力装置の制御装置によれば、第1の入出力軸はサンギヤに接続され、出入力軸はキャリアに接続され、第4断接手段はリングギヤに接続されるので、第4断接手段の切断により第1の入力軸の回転が出入力軸に伝達されないため電動機をスタータモータとして使用することができ、且つ、内燃機関によりアイドル充電することができる。
請求項7の動力出力装置の制御装置によれば、シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、第1断接手段を接続することにより冷媒圧縮機が内燃機関により作動している状態から車両を発進するとき、第2断接手段を接続して内燃機関の動力で第2速発進を行なうことにより、短時間でスムーズな発進を行うことができる。
請求項8の動力出力装置の制御装置によれば、シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、内燃機関の停止中に冷媒圧縮機が電動機により作動している状態から車両を発進するとき、EV発進判定手段がEV発進不可能と判断した場合には、電動機の動力で第1変速部を介して内燃機関を始動した後、内燃機関の動力で第2変速部を介して第2速発進を行なうので、内燃機関の始動と車両の発進を異なる変速部で行なうことで短時間でスムーズな発進を行うことができる。
請求項9の動力出力装置の制御装置によれば、内燃機関を始動した後、電動機を駆動することにより内燃機関と電動機の動力を足し合わせて第2速発進を行なうので、トルクが必要な場合に電動機の動力でアシストすることで、始動に必要なトルクを確保することができる。
請求項10の動力出力装置の制御装置によれば、内燃機関を始動した後、電動機により内燃機関の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことで、振動を抑制しドライバビリティを向上させることができる。
本発明の制御装置を適用可能な動力出力装置の一例を示す概略図である。 図1の動力出力装置の制御系の概略構成図である。 ECUの概略構成図である。 車両の停止時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 エンジン始動時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 1stモードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 1stモードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 2nd Post1モードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 2nd Post1モードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 2ndモード(クラッチ両掴み)のアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 2nd Pre3モードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 2ndモードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 3rd Post2モードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 3rdモードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 3rdモードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 4th Post3モードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 4th Post3モードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 4thモード(クラッチ両掴み)のアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 4th Pre5モードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 4thモードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 5th Post4モードにおける動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 5thモードのアシスト時における図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 1st EVモードにおける図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 3rd EVモードにおける図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 5th EVモードにおける図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 EV走行からエンジン始動する場合におけるフローチャートである。 アイドル充電時の(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 図1の動力出力装置における各モード間の移行を説明する説明図である。 図1の動力出力装置の車両状態とクラッチ、変速用シフター、ブレーキ、モータ、エンジンの状態をまとめた図である。 車両の停止中、エンジンで冷媒圧縮機を駆動している状態の図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 車両の停止中、モータで冷媒圧縮機を駆動している状態の図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 車両の停止中、モータで冷媒圧縮機を駆動している状態から車両を発進するまでの制御を説明するフロー図である。 モータゼロ回転でシンクロ機構がロック状態の図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 車両の停止中、モータで冷媒圧縮機を駆動している状態から車両を第2速走行に移行した状態の図であり、(a)は速度線図であり、(b)は動力出力装置のトルクの伝達状況を示す図である。 本発明の制御装置を適用可能な動力出力装置の他の例を示す概略図である。
以下、本発明の動力出力装置の制御装置の実施形態ついて図面を参照しながら説明する。 図1はハイブリッド車両の駆動系の概略構成図である。
動力出力装置1は、図1に示すように、車両(図示せず)の駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DW(被駆動部)を駆動するためのものであり、駆動源である内燃機関(以下「エンジン」という)6と、電動機(以下「モータ」という)7と、冷媒圧縮機8と、動力を駆動輪DW,DWに伝達するための変速機20と、変速機20の一部を構成する差動式減速機30と、を備えている。
エンジン6は、例えばガソリンエンジンであり、このエンジン6のクランク軸6aには、変速機20の第1クラッチ41(第1断接手段)と第2クラッチ(第2断接手段)が接続されている。
モータ7は、3相ブラシレスDCモータであり3n個の電機子71aで構成されたステータ71と、このステータ71に対向するように配置されたロータ72とを有している。各電機子71aは、鉄芯71bと、この鉄芯71bに巻き回されたコイル71cで構成されており、不図示のケーシングに固定され、回転軸を中心に周方向にほぼ等間隔で並んでいる。3n個のコイル71cは、n組のU相、V相,W相の3相コイルを構成している。
ロータ72は、回転軸を中心にほぼ等間隔で並んだn個の永久磁石72aを有しており、隣り合う各2つの永久磁石72aの極性は、互いに異なっている。各永久磁石72aを固定する固定部72bは、軟磁性体(例えば鉄)で構成された中空円筒状を有し、後述する差動式減速機30を構成する遊星歯車機構31のリングギヤ35の外周側に配置され、遊星歯車機構31のサンギヤ32に接続されている。これにより、ロータ72は、差動式減速機30を構成する遊星歯車機構31のサンギヤ32と一体に回転するように構成されている。
差動式減速機30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構31により構成され、サンギヤ32と、このサンギヤ32と同軸上に配置され、かつ、このサンギヤ32の周囲を取り囲むように配置されたリングギヤ35と、サンギヤ32とリングギヤ35に噛合されたプラネタリギヤ34と、このプラネタリギヤ34を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリア36とを有している。このようにして、サンギヤ32とリングギヤ35とキャリア36が、相互に差動回転自在に構成されている。
リングギヤ35には、リングギヤ35の回転を停止(ロック)可能に構成されたシンクロ機構61(第4断接手段)が接続されている。
変速機20は、前述した第1クラッチ41と第2クラッチ42と、差動式減速機30を構成する遊星歯車機構31と、後述する複数の変速ギヤ群を備えた、いわゆるツインクラッチ式変速機である。
より具体的に、変速機20は、エンジン6のクランク軸6aと同軸(回転軸線A1)上に配置された第1主軸11(第1の入出力軸)と、第2主軸12と、連結軸13と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線B1を中心として回転自在なカウンタ軸14(出入力軸)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線C1を中心として回転自在な第1中間軸15と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線D1を中心として回転自在な第2中間軸16(第2の入出力軸)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線E1を中心として回転自在なリバース軸17を備えている。
第1主軸11には、エンジン6側に第1クラッチ41が接続され、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構31のサンギヤ32とモータ7のロータ72が取り付けられている。従って、第1主軸11は、第1クラッチ41によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと結合されるとともにモータ7と直結され、エンジン6及び/又はモータ7の動力がサンギヤ32に伝達されるように構成されている。
第2主軸12は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、第2主軸12には、エンジン6側に第2クラッチ42が接続され、エンジン6側とは反対側にアイドル駆動ギヤ27aが一体に取り付けられている。従って、第2主軸12は、第2クラッチ42によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと結合され、エンジン6の動力がアイドル駆動ギヤ27aへ伝達されるように構成されている。
連結軸13は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側とは反対側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、連結軸13には、エンジン6側に第3速用駆動ギヤ23aが一体に取り付けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構31のキャリア36が一体に取り付けられている。従って、プラネタリギヤ34の公転により連結軸13に取り付けられたキャリア36と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転するように構成されている。
さらに、第1主軸11には、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aとの間に、第1主軸11と相対回転自在に第5速用駆動ギヤ25aが設けられるとともに第1主軸11と一体に回転するリバース従動ギヤ28bが取り付けられ、さらに第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aとの間に、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23a又は第5速用駆動ギヤ25aとを連結又は開放する第1変速用シフター51が設けられている。そして、第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが連結して一体に回転し、第5速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aが一体に回転し、第1変速用シフター51がニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aに対し相対回転する。なお、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転するとき、第1主軸11に取り付けられたサンギヤ32と第3速用駆動ギヤ23aに連結軸13で連結されたキャリア36が一体に回転するとともに、リングギヤ35も一体に回転し、遊星歯車機構31が一体となる。
第1中間軸15には、第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aと噛合する第1アイドル従動ギヤ27bが一体に取り付けられている。
第2中間軸16には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第2アイドル従動ギヤ27cが一体に取り付けられている。第2アイドル従動ギヤ27cは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第1アイドルギヤ列27Aを構成している。また、第2中間軸16には、第1主軸11周りに設けられた第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aと対応する位置にそれぞれ第2中間軸16と相対回転可能な第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとが設けられている。さらに第2中間軸16には、第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとの間に、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22a又は第4速用駆動ギヤ24aとを連結又は開放する第2変速用シフター52が設けられている。そして、第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aとが一体に回転し、第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとが一体に回転し、第2変速用シフター52がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aに対し相対回転する。
カウンタ軸14には、エンジン6側とは反対側から順に第1共用従動ギヤ23bと、第2共用従動ギヤ24bと、パーキングギヤ21と、ファイナルギヤ26aとが一体に取り付けられている。
ここで、第1共用従動ギヤ23bは、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと噛合して第3速用駆動ギヤ23aと共に第3速用ギヤ対23を構成し、第2中間軸16に設けられた第2速用駆動ギヤ22aと噛合して第2速用駆動ギヤ22aと共に第2速用ギヤ対22を構成する。
第2共用従動ギヤ24bは、第1主軸11に設けられた第5速用駆動ギヤ25aと噛合して第5速用駆動ギヤ25aと共に第5速用ギヤ対25を構成し、第2中間軸16に設けられた第4速用駆動ギヤ24aと噛合して第4速用駆動ギヤ24aと共に第4速用ギヤ対24を構成する。
ファイナルギヤ26aは差動ギヤ機構8と噛合して、差動ギヤ機構8は、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに連結されている。従って、カウンタ軸14に伝達された動力はファイナルギヤ26aから差動ギヤ機構8、駆動軸9,9、駆動輪DW,DWへと出力される。
リバース軸17には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第3アイドル従動ギヤ27dが一体に取り付けられている。第3アイドル従動ギヤ27dは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第2アイドルギヤ列27Bを構成している。また、リバース軸17には、第1主軸11に取り付けられた後進用従動ギヤ28bと噛合する後進用駆動ギヤ28aがリバース軸17と相対回転自在に設けられている。後進用駆動ギヤ28aは、後進用従動ギヤ28bとともに後進用ギヤ列28を構成している。さらに後進用駆動ギヤ28aのエンジン6側とは反対側にリバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとを連結又は開放する後進用シフター53が設けられている。そして、後進用シフター53が後進用接続位置でインギヤするときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが一体に回転し、後進用シフター53がニュートラル位置にあるときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが相対回転する。
また、後進用駆動ギヤ28aには、チェーン、ベルトなどの伝達部材29により冷媒圧縮機8の出力軸18と動力伝達可能に接続されている。冷媒圧縮機8の出力軸18には、後進用駆動ギヤ28aとの動力を断接可能なA/C用クラッチ65(第3断接手段)が設けられており、A/C用クラッチ65の接続中は、冷媒圧縮機8は後進用駆動ギヤ28aの回転に伴って伝達部材29を介して駆動され、A/C用クラッチ65の切断中は、冷媒圧縮機8は停止する。
以上の構成により、本実施形態の動力出力装置1は、以下の第1〜第5の伝達経路を有している。
(1)第1伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、遊星歯車機構31、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。ここで、差動式減速機である遊星歯車機構31の減速比は、第1伝達経路を介して伝達されるエンジントルクが第1速相当となるように設定されている。即ち、遊星歯車機構31の減速比と第3速用ギヤ対23の減速比をかけ合わせた減速比が第1速相当となるように設定されている。
(2)第2伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第1アイドルギヤ列27A(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第2アイドル従動ギヤ27c)、第2中間軸16、第2速用ギヤ対22(第2速用駆動ギヤ22a、第1共用従動ギヤ23b)又は第4速用ギヤ対24(第4速用駆動ギヤ24a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
(3)第3伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
(4)第4伝達経路は、モータ7が、遊星歯車機構31又は第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
(5)第5伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第2アイドルギヤ列27B(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第3アイドル従動ギヤ27d)、リバース軸17、後進用ギヤ列28(後進用駆動ギヤ28a、後進用従動ギヤ28b)、遊星歯車機構31、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
また、本実施形態の動力出力装置1において、モータ7は、図2に示すように、その動作を制御するパワーコントロールユニット(以下、PDUという。)2に接続されている。PDU2は、モータ7へ電力を供給またはモータ7からの電力を充電するバッテリ3に接続されている。バッテリ3には、その残容量(以下、蓄電容量又はSOCという。)を検出するSOC検出手段4が接続されている。モータ7は、バッテリ3からPDU2を介して供給された電力によって駆動される。また、モータ7は、減速走行時における駆動輪DW,DWの回転やエンジン6の動力により回生発電を行って、バッテリ3の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。さらに、PDU2は、電気制御ユニット(以下、ECUという。)5に接続されている。ECU5は、車両全体の各種制御をするための制御装置であり、車両が走行している走行路の斜度(勾配角度)を検出する斜度検出手段56と、シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段57と、車両の車速を検出する車速検出手段58などに接続されている。
図3は、ECU5の概略構成図である。ECU5は、バッテリ3のSOCからモータ7による車両の発進の可否を判断するEV発進判定手段55を備え、ECU5には加速要求、制動要求、エンジン回転数、モータ回転数、第1,第2主軸11、12の回転数、カウンタ軸14等の回転数、車速、シフトポジション、SOC、斜度などが入力される一方、ECU5からは、エンジン6を制御する信号、モータ7を制御する信号、バッテリ3における発電状態・充電状態・放電状態などを示す信号、第1,第2変速シフター51、52、後進用シフター53を制御する信号、シンクロ機構61のロックを制御する信号、A/C用クラッチ65を制御する信号などが出力される。
次に、動力出力装置1の作動制御について説明する。なお、以下の説明において特に規定した場合を除いて、第1及び第2クラッチ41、42は切断されており、第1、第2及び後進用シフター51〜53はニュートラル位置にあり、シンクロ機構61はリングギヤ35の回転を許容するロックオフ状態(SYN ロックOFF)にあるものとする。以下、この状態を初期状態と呼ぶ。また、冷媒圧縮機8の制御については後述するため、図4〜図24において冷媒圧縮機8は図示を省略する。
先ず、動力出力装置1における車両の停止中、即ち、イグニッションがOFF(IG_OFF)の状態について説明する。
イグニッションがOFFの状態においては、図4に示すように、エンジン6及びモータ7が停止しているため、トルクは発生していない。このとき、動力出力装置1は初期状態となっている。
この状態からイグニッションをON(IG_ON)にして、モータ7を駆動(正転方向にトルクを印加)し第1クラッチ41を接続すると、図5に示すように、ロータ72に接続された遊星歯車機構31のサンギヤ32が正転方向に回転する。このとき、シンクロ機構61のロックがなされていないため、リングギヤ35は逆転方向に回転する。従って、キャリア36にはモータトルクが伝達されず車両は停止している。そして、モータトルクはサンギヤ32と一体に回転する第1主軸11からエンジン6のクランク軸6aに伝達され、クランク軸6aをクランキングしてエンジン6を始動する(停止中ENG始動)。
そして、エンジン始動後、シンクロ機構61をロックした状態で第1クラッチ41を接続しエンジントルクをあげると、サンギヤ32に伝達されたエンジントルクが減速してキャリア36に伝達され、図7Aに示すように、前述した第3速用ギヤ対23を通る第1伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され第1速走行(1stモード)がなされる。この図7Aの状態を以下、1stモードと呼ぶ。
図6は、1stモードで走行中にモータ7でアシストする場合を示している。図6(a)の速度線図は、モータ7の停止位置を0、上方を正転方向、下方を逆転方向とし、サンギヤ32を「S」、キャリア36を「C」、リングギヤ35を「R」でそれぞれ表している。このことは、図4、5及び後述する速度線図においても同様である。また、図6(b)はトルクの伝達状況を示す図であり、ハッチング付の太い矢印はトルクの流れを表し、矢印中のハッチングはそれぞれの速度線図のトルクを示す矢印のハッチングと対応している。また、モータ7の正転方向とは駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに前進方向のトルクを伝達する方向をいい、逆転方向とは駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに後進方向のトルクを伝達する方向をいう。
1stモードで走行中に、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクがサンギヤ32からキャリア36に減速して伝達され、前述した第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。言い換えると、エンジントルクとモータトルクがサンギヤ32に伝達され、合成トルクが駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。
続いて、第1速走行から第2速走行にシフトアップする制御について説明する。先ず、図7Aの1stモードの状態から、第2変速用シフター52をニュートラル位置から第2速用接続位置にインギヤする(1st Pre2モード)。以下、この第1速走行中に第2変速用シフター52を第2速用接続位置にプレシフトした状態を1st Pre2モードと呼ぶ。この状態においても、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加したり、逆転方向に回生トルクを印加することでモータ7でアシスト又は充電を行なうことができる。そして、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち第1クラッチ41を切断し、第2クラッチ42を締結することにより、図7Bに示すように、エンジントルクは第2速用ギヤ対22を通る第2伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、これにより第2速走行(2nd Post1モード)がなされる。以下、この第2速走行中においてシンクロ機構61がロックされたままの図7Bの状態を以下、2nd Post1モードと呼ぶ。
図8は、2nd Post1モードで走行中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、サンギヤ32にはモータトルクが入力され、モータトルクがサンギヤ32からキャリア36に減速して伝達され、第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。
そして、2nd Post1モードから、図11Aに示すように、シンクロ機構61のロックを解除することにより2ndモードとなる。この2ndモードでは、第1クラッチ41が切断されシンクロ機構61のロックが解除されているため、サンギヤ32及びリングギヤ35が空転しモータ7が切り離されている。
また、2ndモードは、図11Aに示した態様の他に、1st Pre2モードから第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる代わりに、シンクロ機構61のロックを解除するとともに第1クラッチ41を接続したまま、さらに第2クラッチ42を接続する態様がある。
図9は、この第1及び第2クラッチ41、42の両方を接続(クラッチ両掴み)した2ndモードで走行中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクとエンジントルクの合成トルクが第2速用ギヤ対22を通る第2伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。なお、この第1及び第2クラッチ41、42の両方を接続する場合、サンギヤ32は第2速の減速比で回され、キャリア36は第3速の減速比で回されるため、遊星歯車機構31では図9(a)で示す一定の差回転が生じる。
続いて、第2速走行から第3速走行にシフトアップする制御について説明する。先ず、図11Aに示す2ndモードから、第1変速用シフター51をニュートラル位置から第3速用接続位置にインギヤする(2nd Pre3モード)。以下、この第2速走行中に第1変速用シフター51を第3速用接続位置にプレシフトした状態を2nd Pre3モードと呼ぶ。
図10は、2nd Pre3モードで走行中にモータ7でアシストする場合を示している。前述したように第1変速用シフター51を第3速用接続位置にインギヤすることで、遊星歯車機構31は一体に回転する。従って、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクがそのまま減速されずに第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。
そして、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち第2クラッチ42を切断し、第1クラッチ41を締結することにより、図11Bに示すように、エンジントルクは第3速用ギヤ対23を通る第3伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、これにより第3速走行(3rd Post2モード)がなされる。この第3速走行中において第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤしたままの図11Bの状態を以下、3rd Post2モードと呼ぶ。この状態においても、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加したり、逆転方向に回生トルクを印加することでモータ7でアシスト又は充電を行なうことができる。
そして、3rd Post2モードから、図13Aに示すように、第2変速用シフター52を第2速用接続位置からニュートラル位置にインギヤすることにより、3rdモードとなる。
図12は、3rdモードで走行中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクがそのまま減速されずに第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。言い換えると、エンジントルクとモータトルクが第3速用ギヤ対23に伝達され、合成トルクが駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。
続いて、第3速走行から第4速走行にシフトアップする制御について説明する。先ず、図13Aの3rdモードの状態から、第2変速用シフター52をニュートラル位置から第4速用接続位置にインギヤする(3rd Pre4モード)。以下、この第3速走行中に第2変速用シフター52を第4速用接続位置にプレシフトした状態を3rd Pre4モードと呼ぶ。この状態においても、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加したり、逆転方向に回生トルクを印加することでモータ7でアシスト又は充電を行なうことができる。そして、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち第1クラッチ41を切断し、第2クラッチ42を締結することにより、図13Bに示すように、エンジントルクは前述した第4速用ギヤ対24を通る第2伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、これにより第4速走行(4th Post3モード)がなされる。この第4速走行中において第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤしたままの図13Bの状態を以下、4th Post3モードと呼ぶ。
図14は、4th Post3モード中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクがそのまま第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。
そして、4th Post3モードから、図17Aに示すように、第1変速用シフター51を第3速用接続位置からニュートラル位置にインギヤすることにより4thモードとなる。この4thモードでは、第1クラッチ41が切断されシンクロ機構61のロックが解除されているため、サンギヤ32及びリングギヤ35が空転しモータ7が切り離されている。
また、4thモードは、図17Aに示した態様の他に、3rd Pre4モードから第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる代わりに、第1クラッチ41を接続したまま、さらに第2クラッチ42を接続する態様がある。
図15は、この第1及び第2クラッチ41、42の両方を接続(クラッチ両掴み)した4thモード中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクとエンジントルクの合成トルクが第4速用ギヤ対24を通る第2伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。なお、この第1及び第2クラッチ41、42の両方を接続する場合、サンギヤ32は第4速の減速比で回され、キャリア36は第3速の減速比で回されるため、遊星歯車機構31では図15(a)で示す一定の差回転が生じる。
続いて、第4速走行から第5速走行にシフトアップする制御について説明する。先ず、図17Aに示す4thモードから、第1変速用シフター51をニュートラル位置から第5速用接続位置にインギヤする(4th Pre5モード)。以下、この第4速走行中に第1変速用シフター51を第5速用接続位置にプレシフトした状態を4th Pre5モードと呼ぶ。
図16は、4th Pre5モード中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、サンギヤ32にはモータトルクが入力され、モータトルクがサンギヤ32からキャリア36に加速して伝達され、モータトルクが前述した第5速用ギヤ対25を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。なお、この状態では、サンギヤ32は第5速の減速比で回され、キャリア36は第3速の減速比で回されるため、遊星歯車機構31では図16(a)で示す一定の差回転が生じる。
そして、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち第2クラッチ42を切断し、第1クラッチ41を接続することにより、図17Bに示すように、エンジントルクは第5速用ギヤ対25を通る第3伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、これにより第5速走行(5th Post4モード)がなされる。この第5速走行中において第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤしたままの図17Bの状態を以下、5th Post4モードと呼ぶ。この状態においても、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加したり、逆転方向に回生トルクを印加することでモータ7でアシスト又は充電を行なうことができる。
そして、5th Post4モードから、第2変速用シフター52を第4速用接続位置からニュートラル位置にインギヤすることにより、5thモードとなる。
図18は、5thモード中にモータ7でアシストする場合を示している。この状態から、モータ7を駆動して正転方向にモータトルクを印加することで、モータトルクが第5速用ギヤ対25を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。言い換えると、エンジントルクとモータトルクが第5速用ギヤ対25に伝達され、合成トルクが駆動輪DW,DWに伝達される。一方、モータ7を駆動せずに、モータ7に逆転方向の回生トルクを印加させることにより、モータ7で充電することができる。なお、この状態では、サンギヤ32は第5速の減速比で回され、キャリア36は第3速の減速比で回されるため、遊星歯車機構31では図18(a)で示す一定の差回転が生じる。
次に、動力出力装置1における後進走行について説明する。
車両の後進走行には、エンジン6を用いる場合と、EV走行で後進走行する場合があるが、ここではエンジン6を用いる場合を説明し、EV走行で後進走行する場合はEV走行の説明とあわせて後述する。
エンジン6のトルクのみを用いる場合の後進走行は、初期状態から後進用シフター53を後進用接続位置でインギヤするとともにシンクロ機構61をロック状態にして第2クラッチ42を接続することにより実現される。これにより、エンジン6のトルクが、上述した第5伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。
次に、EV走行について説明する。
動力出力装置1は3つのEV走行モードを備えている。
1つ目のEV走行は、初期状態からシンクロ機構61をロック状態(OWC ロックON)にすることによりなされる1st EVモードである。
この状態で、モータ7を駆動(正転方向にトルクを印加)すると、図19(a)に示すように、ロータ72に接続された遊星歯車機構31のサンギヤ32が正転方向に回転する。このとき、図19(b)に示すように、第1及び第2クラッチ41、42が切断されているため、サンギヤ32に伝達された動力は第1主軸11からエンジン6のクランク軸6aに伝達されることはない。そして、シンクロ機構61のロックがなされているため、モータトルクがサンギヤ32からキャリア36に減速して伝達され、第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。
また、この1st EVモードでの後進走行は、モータ7を逆転方向に駆動して逆転方向にモータトルクを印加することでなされる。
2つ目のEV走行は、初期状態から第1変速用シフター51をニュートラル位置から第3速用接続位置でインギヤすることによりなされる3rd EVモードである。前述したように第1変速用シフター51を第3速用接続位置にインギヤすることで、遊星歯車機構31は一体となっている。
この状態で、モータ7を駆動(正転方向にトルクを印加)すると、図20(a)に示すように、ロータ72に接続された遊星歯車機構31は一体で正転方向に回転する。このとき、第1及び第2クラッチ41、42が切断されているため、サンギヤ32に伝達された動力は第1主軸11からエンジン6のクランク軸6aに伝達されることはない。そして、モータトルクが第3速用ギヤ対23を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。
また、この3rd EVモードでの後進走行は、モータ7を逆転方向に駆動して逆転方向にモータトルクを印加することでなされる。
3つ目のEV走行は、初期状態から第1変速用シフター51をニュートラル位置から第5速用接続位置でインギヤすることによりなされる5th EVモードである。
この状態で、モータ7を駆動(正転方向にトルクを印加)すると、図21(a)に示すように、ロータ72に接続された遊星歯車機構31のサンギヤ32が正転方向に回転する。このとき、図21(b)に示すように、第1及び第2クラッチ41、42が切断されているため、サンギヤ32に伝達された動力は第1主軸11からエンジン6のクランク軸6aに伝達されることはない。そして、モータトルクが第5速用ギヤ対25を通る第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。
また、この5th EVモードでの後進走行は、モータ7を逆転方向に駆動して逆転方向にモータトルクを印加することでなされる。
次に、EV走行からエンジン始動する場合について、3rd EVモードでの走行を例に図22のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、図20で示す3rd走行中に、モータ7のトルク抜きを行なうとともに第3速用接続位置でインギヤしていた第1変速用シフター51をニュートラル位置に戻す(S1)。続いて、第1クラッチ41を締結して(S2)、クランク軸6aをクランキングしてエンジン6を始動する(S3)。続いて、第1クラッチ41を切断し(S4)、シンクロ機構61をロックするとともに第1クラッチ41を接続する(S5)と同時に、モータトルクをあげてリングギヤ35を正転方向に回転させる(S6)。これにより、3rd EVモードでの走行から図6に示す第1速走行(1stモード アシスト)に移行することができる(S7)。
なお、第1クラッチ41を締結してエンジン6を始動する以外にも、第2クラッチ42を接続するとともに、第2変速用シフター52を第2速用接続位置又は第4速用接続位置でインギヤすることで、エンジン6を始動することができる。
次に、車両の停車(アイドリング)中に充電する場合について説明する。
車両の停車(アイドリング)中に充電する場合は、初期状態から第1クラッチ41を接続してアイドリングした状態からエンジントルクをあげることで、図23に示すように、サンギヤ32に直結したモータ7が正転方向に回転するとともに逆転方向にトルクが印加され、充電がなされる。このとき、シンクロ機構61のロックが解除されているため、リングギヤ35が空転しキャリア36にトルクが伝達されることはない。
なお、上記実施形態は、1速ずつシフトチェンジする場合を説明したが、これに限定されず、図24に示すように、車両の速度や必要トルクに応じて適宜変速したり、アシスト又は充電することができる。
次に、冷媒圧縮機8(A/C)の駆動制御と車両の発進制御について説明する。
上述したように冷媒圧縮機8は伝達部材29により後進用駆動ギヤ28aに接続されており、後進用駆動ギヤ28aの回転に伴って駆動され、出力軸18に設けられたA/C用クラッチ65を切断することにより停止する。
図26は、車両の停車(アイドリング)中にエンジン6の動力で冷媒圧縮機8を駆動している状態を示している。車両の停止中、且つ、エンジン6のアイドリング中に初期状態から第1クラッチ41を接続することで、エンジン6の動力が、第1主軸11、後進用ギヤ列28、伝達部材29を介して冷媒圧縮機8に伝達されている。このとき、シンクロ機構61のロックが解除されているため、リングギヤ35が空転しキャリア36にトルクが伝達されることはない。
この状態から車両を発進する場合、第1クラッチ41を切断してモータ7をゼロ回転に制御した後、即ちリングギヤ35の回転を停止後、シンクロ機構61をロック状態にして、再度第1クラッチ41を接続することで、図7Aに示した1stモードで第1速走行を行うことができる。また、よりスムーズな発進を行なうため、図26の第1クラッチ41を接続している状態から、第2変速用シフター52をニュートラル位置から第2速用接続位置にインギヤし、第2クラッチ42を接続することで第2速発進してもよい。
図27は、車両の停車(アイドリング)中、且つエンジン6の停止中にモータ7の動力で冷媒圧縮機8を駆動している状態を示している。モータ7は第1主軸11に常時接続しているため、初期状態からモータ7のトルクをあげることで、モータ7の動力が、第1主軸11、後進用ギヤ列28、伝達部材29を介して冷媒圧縮機8に伝達されている。このときも、シンクロ機構61のロックが解除されているため、リングギヤ35が空転しキャリア36にトルクが伝達されることはない。
この状態から車両の発進までの制御について図28のフローチャートに従って説明する。モータ7で冷媒圧縮機8を駆動している間、SOC検出手段4は、所定のタイミングでバッテリ3のSOC量を検出する(ステップS11)。このとき、SOC量がEV発進するために十分なSOC量を有していれば発進要求を待って、運転者がシフトポジションを走行ポジションに変更するなど発進要求があれば(ステップS12)、EV発進の準備を行なう。EV発進する場合、図19に示した1stEVモードでの発進を例にとると、図29で示すように、先ず、モータ7をゼロ回転に制御した後(ステップS13)、シンクロ機構61をロック状態にし(ステップS14)、モータ7のトルクをあげることで図19に示す1stEVモードでのEV発進を行うことができる。なお、斜度検出手段56により、走行路の斜度が所定の閾値を越えた場合、冷媒圧縮機8の駆動を停止してもよい。これにより、EV発進時のモータ7の負荷を低減し、上り坂であっても確実にEV発進をすることができる。
また、ステップS11において、SOC量がモータ7でエンジン6を始動できるほど蓄電容量がない場合(極小)、不図示のスタータモータでエンジン6を始動する(ステップS15)。一方、SOC量がモータ7でエンジン6は始動できるが、EV発進するほど十分なSOC量がない場合、図5で示したように、モータ7を駆動することでエンジン6を始動する(ステップS16)。
ステップS15又はステップS16によってエンジン6を始動した後、第1クラッチ41を接続し(ステップS17)、図23に示すようにモータ7で発電させてアイドル充電を行なう(ステップS18)。その後、発進要求を待って、運転者がシフトポジションを走行ポジションに変更するなど発進要求があれば(ステップS19)、偶数変速段のうち最小のギヤ段を選択するため第2変速用シフター52をニュートラル位置から第2速用接続位置にインギヤし(ステップS20)、第2クラッチ42を接続する(ステップS21)。これにより、図30に示すように、第2速用ギヤ対22を用いて第2速発進を行なうことができる。このとき、要求駆動力がエンジン始動トルクを比較し(ステップS22)、要求駆動力がエンジン始動トルクより大きければ、モータ7を駆動することでエンジン6とモータ7の動力を足し合わせて発進を行う(ステップS23)。一方、要求駆動力がエンジン始動トルクより小さい場合には、そのままエンジン6の動力のみで発進する。このとき、モータ7によりエンジン6の動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なってもよい。
以上、説明したように本実施形態によれば、シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、エンジン6の停止中に冷媒圧縮機8がモータ7により作動している状態から車両を発進するとき、EV発進判定手段55がEV発進不可能と判断した場合には、第1クラッチ41を接続してモータ7の動力で第1主軸11を介してエンジン6を始動した後、第2クラッチ42を接続してエンジン6の動力で第2速発進を行なうので、エンジン6の始動後、第1クラッチ41を一度切り離してモータ7を停止させてシンクロ機構61をロック状態にするとともに再度第1クラッチ41を接続して第1速発進するよりも短時間でスムーズな発進を行うことができる。
また、エンジン6を始動した後、要求駆動力がエンジン始動トルクより大きい場合、モータ7を駆動することによりエンジン6とモータ7の動力を足し合わせて第2速発進を行なうので、トルクが必要な場合にモータ7の動力でアシストすることで、始動に必要なトルクを確保することができる。
また、エンジン6を始動した後、モータ7によりエンジン6の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことで、振動を抑制しドライバビリティを向上させることができる。
また、EV発進判定手段55がEV発進が可能と判断した場合には、モータ7を一度停止しシンクロ機構61をロック状態にした後、モータ7の動力でEV発進するので、エンジン6を始動させることなくEV発進することができる。
また、斜度検出手段56により斜度が所定の閾値を超えた場合には、冷媒圧縮機8の駆動を停止することにより、エンジン6及びモータ7の負荷を軽減することでスムーズな始動が確保できる。
次に動力出力装置の他の例について図31を参照して説明する。動力出力装置1Aは、変速機20Aにおいて差動式減速機30を構成する遊星歯車機構31と、第2〜第5速用ギヤ対22〜25に加えて、第6速用ギヤ対96と第7速用ギヤ対97を備えている点で動力出力装置1と相違している。以下、この動力出力装置1Aについて、上述した動力出力装置1との相違点のみを説明する。
第1主軸11には、第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aとの間に第1主軸11と相対回転自在に第7速用駆動ギヤ97aが設けられている。また、第3速用駆動ギヤ23aと第7速用駆動ギヤ97aとの間に、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23a又は第7速用駆動ギヤ97aとを連結又は開放する第1変速用シフター51Aが設けられ、第7速用駆動ギヤ97aと第5速用駆動ギヤ25aとの間に、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aとを連結又は開放する第3変速用シフター51Bが設けられている。そして、第1変速用シフター51Aが第3速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが連結して一体に回転し、第7速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第7速用駆動ギヤ97aが一体に回転し、第1変速用シフター51Aがニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第3速用駆動ギヤ23aと第7速用駆動ギヤ97aに対し相対回転する。また、第3変速用シフター51Bが第5速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aが連結して一体に回転し、第3変速用シフター51Bがニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第5速用駆動ギヤ25aに対し相対回転する。
第2中間軸16には、第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとの間に第2中間軸16と相対回転自在に第6速用駆動ギヤ96aが設けられている。また、第2速用駆動ギヤ22aと第6速用駆動ギヤ96aとの間に、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22a又は第6速用駆動ギヤ96aとを連結又は開放する第2変速用シフター52Aが設けられ、第6速用駆動ギヤ96aと第4速用駆動ギヤ24aとの間に、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとを連結又は開放する第4変速用シフター52Bが設けられている。そして、第2変速用シフター52Aが第2速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aが連結して一体に回転し、第6速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第6速用駆動ギヤ96aが一体に回転し、第2変速用シフター52Aがニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第2速用駆動ギヤ22aと第6速用駆動ギヤ96aに対し相対回転する。また、第4変速用シフター52Bが第4速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aが連結して一体に回転し、第4変速用シフター52Bがニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第4速用駆動ギヤ24aに対し相対回転する。
カウンタ軸14には、第1共用従動ギヤ23bと第2共用従動ギヤ24bとの間に、第3共用従動ギヤ96bがカウンタ軸14に一体に取り付けられている。
ここで、第3共用従動ギヤ96bは、第1主軸11に設けられた第7速用駆動ギヤ97aと噛合して第7速用駆動ギヤ97aと共に第7速用ギヤ対97を構成し、第2中間軸16に設けられた第6速用駆動ギヤ96aと噛合して第6速用駆動ギヤ96aと共に第6速用ギヤ対26を構成する。
そして、第2変速用シフター52Aが第6速用接続位置でインギヤした状態で第2クラッチ42を接続することで第6速走行を行うことができ、また、第1変速用シフター51Aが第7速用接続位置でインギヤした状態で第1クラッチ41を接続することで第7速走行を行うことができ、それぞれモータ7でアシスト又は充電することができる。
このように構成された動力出力装置1Aにおいても、上述したような冷媒圧縮機8(A/C)の駆動制御と車両の発進制御を行なうことで、動力出力装置1の制御装置と同様の作用効果を奏する。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
ロック機構としてロック可能なシンクロ機構61を例示したが、シンクロ機構に限らず、リングギヤ35の回転を停止可能なブレーキ、ロック機構付ワンウェイクラッチを用いてもよい。
また、例えば、差動式減速機としてシングルピニオン式の遊星歯車機構に限らず、ダブルピニオン式の遊星歯車機構であってもよく、遊星歯車機構のように機械式のものに限定されず例えば、相反差動モータのような磁気的に差動回転するものであってもよい。
1、1A 動力出力装置
3 バッテリ(蓄電手段)
4 SOC検出手段(蓄電容量検出手段)
5 ECU
55 EV発進判定手段
56 斜度検出手段
57 シフトポジション検出手段
58 車速検出手段
6 エンジン(内燃機関)
7 モータ(電動機)
8 冷媒圧縮機
11 第1主軸(第1の入出力軸)
12 第2主軸
13 連結軸
14 カウンタ軸(出入力軸)
15 第1中間軸
16 第2中間軸(第2の入出力軸)
20、20A 変速機
30 差動式減速機
31 遊星歯車機構
32 サンギヤ(第1要素)
35 リングギヤ(第3要素)
36 キャリア(第2要素)
41 第1クラッチ(第1断接手段)
42 第2クラッチ(第2断接手段)
61 シンクロ機構(第4断接手段)
65 A/C用クラッチ(第3断接手段)

Claims (10)

  1. 内燃機関と、電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電手段と、前記電動機に接続されるとともに第1断接手段を介して選択的に前記内燃機関に接続される第1の入出力軸と、第2断接手段を介して選択的に前記内燃機関に接続される第2の入出力軸と、選択的に前記第1の入出力軸と前記第2の入出力軸に接続される出入力軸と、前記第1の入出力軸の回転に伴って前記内燃機関と前記電動機の動力により作動可能な冷媒圧縮機と、を備え、前記第1の入出力軸を介して第1速走行及びEV走行を行なうことができ、前記第2の入出力軸を介して第2速走行を行なうことができる動力出力装置の制御装置であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段と、
    前記蓄電手段の蓄電容量を検出する蓄電容量検出手段と、
    蓄電容量から前記電動機による車両の発進の可否を判断するEV発進判定手段と、を備え、
    シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記内燃機関の停止中に前記冷媒圧縮機が前記電動機により作動している状態から車両を発進するとき、前記EV発進判定手段がEV発進不可能と判断した場合には、前記第1断接手段を接続して前記電動機の動力で前記第1の入出力軸を介して前記内燃機関を始動した後、前記第2断接手段を接続して前記内燃機関の動力で第2速発進を行なうことを特徴とする動力出力装置の制御装置。
  2. 前記内燃機関を始動した後、前記電動機を駆動することにより前記内燃機関と前記電動機の動力を足し合わせて第2速発進を行なうことを特徴とする請求項1に記載の動力出力装置の制御装置。
  3. 前記内燃機関を始動した後、前記電動機により前記内燃機関の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力出力装置の制御装置。
  4. シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記内燃機関の停止中に前記冷媒圧縮機が前記電動機により作動している状態から車両を発進するとき、前記EV発進判定手段がEV発進が可能と判断した場合には、前記電動機を一度停止し前記第1の入出力軸と前記出入力軸を接続した後、前記電動機の動力でEV発進することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力出力装置の制御装置。
  5. 前記冷媒圧縮機は第3断接手段を介して前記第1の入出力軸に接続されており、
    走行路の斜度を検出する斜度検出手段を備え、
    前記斜度検出手段により斜度が所定の閾値を超えた場合には、前記冷媒圧縮機の駆動を停止することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の動力出力装置の制御装置。
  6. 前記動力出力装置は、サンギヤと、キャリアと、リングギヤとにより構成された遊星歯車式減速機を備え、前記第1の入出力軸は第4断接手段を介して選択的に前記出入力軸に接続され、
    前記第1の入出力軸は前記サンギヤに接続され、
    前記出入力軸は前記キャリアに接続され、
    前記第4断接手段は前記リングギヤに接続されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の動力出力装置の制御装置。
  7. シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記第1断接手段を接続することにより前記冷媒圧縮機が前記内燃機関により作動している状態から車両を発進するとき、前記第2断接手段を接続して前記内燃機関の動力で第2速発進を行なうことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の動力出力装置の制御装置。
  8. 内燃機関と、電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電手段と、前記電動機に接続されるとともに前記内燃機関に接続され第1速走行及びEV走行を行うことができる第1変速部と、前記内燃機関に接続され第2速走行を行うことができる第2変速部と、前記第1変速部に接続され前記内燃機関と前記電動機の動力により作動可能な冷媒圧縮機と、を備える動力出力装置の制御装置であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段と、
    前記蓄電手段の蓄電容量を検出する蓄電容量検出手段と、
    蓄電容量から前記電動機による車両の発進の可否を判断するEV発進判定手段と、を備え、
    シフトポジションが走行ポジションにあり、車両の停止中、且つ、前記内燃機関の停止中に前記冷媒圧縮機が前記電動機により作動している状態から車両を発進するとき、前記EV発進判定手段がEV発進不可能と判断した場合には、前記電動機の動力で前記第1変速部を介して前記内燃機関を始動した後、前記内燃機関の動力で前記第2変速部を介して第2速発進を行なうことを特徴とする動力出力装置の制御装置。
  9. 前記内燃機関を始動した後、前記電動機を駆動することにより前記内燃機関と前記電動機の動力を足し合わせて第2速発進を行なうことを特徴とする請求項8に記載の動力出力装置の制御装置。
  10. 前記内燃機関を始動した後、前記電動機により前記内燃機関の駆動力の変動に伴って発生する振動を抑制するように制振制御を行なうことを特徴とする請求項8又は9に記載の動力出力装置の制御装置。
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