JP2011152914A - 動力出力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン6とモータ7とを駆動源とする車両に用いられ、エンジン6のクランク軸6a及びモータ7からの機械的動力を、モータ7と連結された第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、第1入力軸と駆動輪DWとを連結させることが可能な第1変速機構と、エンジン6のクランク軸6aからの機械的動力を第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、第2入力軸と駆動輪DWとを連結させることが可能な第2変速機構と、エンジン6のクランク軸6aと第1入力軸とを連結させることが可能な第1クラッチ41と、エンジン6のクランク軸6aと第2入力軸とを連結させることが可能な第2クラッチ42と、を備える動力出力装置であって、第1クラッチ41と第2クラッチ42をすべらせながら接続して駆動輪DWに伝達されるトルクを調整しながら走行可能である。
【選択図】図1
Description
内燃機関(例えば、後述の実施形態のエンジン6)と電動機(例えば、後述の実施形態のモータ7)とを駆動源とする車両に用いられ、
前記内燃機関のクランク軸及び前記電動機からの機械的動力を、前記モータと連結された第1入力軸(例えば、後述の実施形態の第1主軸11)で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、前記第1入力軸と駆動輪(例えば、後述の実施形態の駆動輪DW)とを連結させることが可能な第1変速機構と、
前記内燃機関のクランク軸からの機械的動力を第2入力軸(例えば、後述の実施形態の第2中間軸16)で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、前記第2入力軸と前記駆動輪とを連結させることが可能な第2変速機構と、
前記内燃機関のクランク軸と前記第1入力軸とを連結させることが可能な第1断接手段(例えば、後述の実施形態の第1クラッチ41)と、
前記内燃機関のクランク軸と前記第2入力軸とを連結させることが可能な第2断接手段(例えば、後述の実施形態の第2クラッチ42)と、を備え、
前記第1断接手段と前記第2断接手段をすべらせながら接続して前記駆動輪に伝達されるトルクを調整しながら走行可能であることを特徴とする動力出力装置。
前記内燃機関と前記電動機を共に駆動源として走行している状態から前記電動機を駆動源とするEV走行に移行する際、前記第2変速機構の複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、前記第2入力軸と前記駆動輪とを連結させ、前記第2断接手段をすべらせながら接続して走行することを特徴とする。
請求項1に記載の動力出力装置の制御方法であって、
前記内燃機関の適正駆動領域で前記内燃機関を駆動し、
前記電動機の定格出力を超えるか否かを判断し、
前記電動機の定格出力を超える場合には、前記電動機の定格出力で駆動するとともに前記内燃機関の回転数を制御し、前記電動機の定格出力を超えない場合には、前記電動機の最高回転数を超えるか否かを判断し、
前記電動機の最高回転数を越えない場合には、前記内燃機関を適正駆動領域で駆動したまま前記電動機を駆動し、前記電動機の最高回転数を超える場合には、前記電動機の最高回転数で駆動するとともに前記内燃機関の回転数を制御することを特徴とする。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る動力出力装置1を概略的に示している。この動力出力装置1は、車両(図示せず)の駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWを駆動するためのものであり、駆動源である内燃機関(以下「エンジン」という)6と、電動機(以下「モータ」という)7と、動力を駆動軸9,9に取り付けられた駆動輪DW,DWに伝達するための変速機20、動力合成機構30、差動ギヤ機構8と、を備えている。なお、以下の説明において、動力とは、トルクに回転数を乗じたもの、即ち「動力(出力)=トルク×回転数」である。
転に移行する(図4参照)。そして、リングギヤ36に連結されたモータ7にリングギア36の回転数を増やす方向、即ち正転方向に駆動トルクを印加することでモータ7から駆動トルク(以下、モータトルクと呼ぶ。)を出力することができる。この際、エンジントルクと回生トルク又はモータトルクを足し合わせた合成トルクがキャリア36から第3伝達経路を介して駆動軸9,9に伝達され、この合成トルクが発進ギヤ、すなわち第1速相当のトルクとなるように、動力合成機構30と第3速用ギヤ対23のギヤ比が設定されている。即ち、本実施形態の動力出力装置1では、後述するバッテリ3の残容量(以下、SOCと呼ぶ。)がなくても車両を発進可能に構成されている。
1クラッチ41のみが接続されいずれのギヤも入っていない状態をLowモードと呼ぶ。このLowモードは、通常、車両の発進時や大きなトルクが必要な場合に選択される。また、以下の説明において特に規定した場合を除いて、第1及び第2クラッチ41、42は切断されており、第1、第2及び後進用シフター51〜53はニュートラル位置にあるものとする。以下、この状態を初期状態と呼ぶ。
図3(b)は、第1クラッチを接続した状態でエンジン6をアイドリングしている状態を示している。このとき、エンジン6のトルクは第1主軸11からサンギヤ32に伝達される。しかし、エンジン6のトルクが小さいためサンギヤ32のトルクによりプラネタリギヤ34は公転せずに自転し、リングギヤ35に伝達される。リングギヤ35はサンギヤ32の回転方向に対し反対方向に回転するため、ここでは逆転方向に回転しモータ7は回生する。従って、図3(a)の速度線図に示すように、サンギヤ32とリングギヤ35は公転が停止したキャリア36を中心に、サンギヤ32が正転方向に回転し、リングギヤ35は逆転方向に回転している。これにより、エンジン6のアイドリング中は、動力合成機構30としての遊星歯車機構31ですべりを吸収することができる。
加速パターンとしては、(i)図4(a)に示すように、モータ7とエンジン6の回転数を共に上昇させるか、又は(ii)図5(a)に示すように、モータ7の回転数を変えないでエンジン6の回転数を上昇させるか、又は、(iii)図5(b)に示すように、エンジン6の回転数を変えないでモータ7の回転数を上昇させることにより行なわれる。なお、(i)の場合、車両の駆動力はエンジン6の動力とモータ7の動力の合成動力で決まり、(ii)の場合、車両の駆動力はエンジン6の動力で決まり、(iii)の場合、車両の駆動力はモータ7の動力で決まる。
なお、モータ7に対しエンジン6の回転数が高過ぎるとオーバーレブを誘発し、エンジン6に対しモータ7の回転数が高過ぎるとエンジンストールを誘発するため、エンジン6とモータ7のバランスを制御することが必要である。
要求動力設定手段としてのECU5は、まず駆動軸9,9に伝達すべき要求動力を設定する(S1)。続いて、ECU5は、エンジン6の適正駆動領域でエンジン6を駆動し(S2)、モータ7の定格出力を超えるか否かを判断し(S3)、モータ7の定格出力を超える場合には、モータ7の定格出力で駆動するとともにエンジン6の回転数を制御する(S4)。一方、モータ7の定格出力を超えない場合には、モータ7の最高回転数を超えるか否かを判断する(S5)。その結果、モータ7の最高回転数を超えない場合には、エンジン6を適正駆動領域で駆動したままモータ7を駆動し(S6)、モータ7の最高回転数を超える場合には、モータ7の最高回転数で駆動するとともにエンジン6の回転数を制御する(S7)。なお、エンジン6の適正駆動領域とは、エンジン6の効率が著しく悪くならない領域をいう。
このようにエンジン6がエンジンストールしない領域から最高回転の範囲内で駆動する、好ましくはエンジン6の効率のよい適正駆動領域で駆動するとともに、要求動力と動力合成機構30で合成された合成動力を比較してモータ7の動力を制御するとともに、モータ7の定格出力と最高回転数を超えない範囲で駆動することにより、エンジン6とモータ7に不具合が生じるのを抑制することができる。
第1クラッチ41のみを接続した図4(b)のLowモードでの加速状態から、図7(a)に示すように、第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤし、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aとを連結する。以下、このLowモードにおいて第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤした状態をLow Pre2モードと呼ぶ。続いて、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち、第1クラッチ41を切断し第2クラッチ42を接続することにより、図7(b)に示すように、エンジン6の動力は第2伝達経路を介して駆動軸9,9に伝達され、第2速走行が実現される。以下、この第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤして第2クラッチ42が接続された図7(b)の状態を2ndモードと呼ぶ。
2nd走行第1モードは、図8(b)に示すように、図7(b)の第2クラッチ42を接続した状態から、さらに第1クラッチ41を接続することにより実現される。これは、第1クラッチ41を接続することにより、第2速用ギヤ対22を介して走行する第2速走行において、第3速用駆動ギヤ23aと第1共用従動ギヤ23bの噛み合いにより回転するキャリア36の回転数に対し、第1クラッチ41を接続することでエンジン6に第1主軸11を介して連結されたサンギヤ32の回転数が必ず高くなることを利用して、強制的にエンジン6とモータ7にあるレシオを作り出すことを意味している。動力合成機構30を構成する遊星歯車機構31の特性からキャリア36の回転数がサンギヤ32の回転数より低いと遊星歯車機構31の仮想支点Pは図8(a)において上方に位置し、リングギヤ35の回転数は必ずキャリア36の回転数よりも低くなる。
2nd走行第2モードは、図10(b)に示すように、図7(b)の第2クラッチ42を接続した状態から、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることにより実現される。以下、図7(b)の2ndモードの状態から、第1変速用シフター51を第3速用接続位置にプレシフトした状態を2nd Pre3モードとも呼ぶ。この第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることで、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aとが連結して一体に回転し、必然的に第1主軸11に連結されたサンギヤ32と第3速用駆動ギヤ23aに連結軸13を介して連結されたキャリア36は一体に回転する。
図7(b)に示す2ndモードで走行中において、図12(a)に示すように、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤし、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aとを連結する(2nd Pre3モード)。続いて、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち、第2クラッチ42を切断し第1クラッチ41を接続することにより、図12(b)に示すように、エンジン6のトルクは第1伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、第3速走行が実現される。この第3速走行中において第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤしたままの図12(b)の状態を以下、3rdPost2モードと呼ぶ。
なお、第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤしておくと、第2中間軸16、第1中間軸15、第2主軸12を連れまわすため、第2変速用シフター52をニュートラル位置に移動させることが好ましい。この3rd Post2モードから第2変速用シフター52をニュートラル位置に移動させることにより3rdモードとなる。
この状態においては、遊星歯車機構31を一体に回転させて、強制的にエンジン6とモータ7との回転数を一致させる状態、すなわちレシオが1の状態が、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤしたことで既に作り出されている。
なお、以下に示すモードを便宜上、モータ走行第1モードと呼ぶ。
モータ走行第1モードは、図15(b)に示すように、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤするとともに第1及び第2クラッチ41、42を切断ことにより実現される。第1及び第2クラッチ41、42を切断することによりエンジン6との動力伝達は遮断される。また、第1変速用シフター51を第3速用接続位置に移動してインギヤすることで、上述したように遊星歯車機構31がロックし、強制的にエンジン6とモータ7との回転数を一致させる状態、すなわちレシオが1の状態が作り出される。
り具体的には、リングギヤ35から伝達される正転方向のモータトルクとサンギヤ32からの正転方向のトルクの合成トルクがキャリアトルクとしてキャリア36に伝達される。また、サンギヤ32にはプラネタリギヤ34との噛み合いによりモータトルクとは反対方向、ここでは逆転方向の反力が作用し、第1変速用シフター51による第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aとの連結によりキャリアトルクからサンギヤ32の反力が抜き取られる。そして、第3速用駆動ギヤ23aと第1共用従動ギヤ23bとの噛み合いによりキャリアトルクからサンギヤ32の反力が抜き取られたトルクが総駆動力として、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに伝達される。その結果、モータ7のトルクのみで車両を走行することができる。
車両がモータ走行中に、エンジン6を始動する場合として2つのモード(以下、モータ走行第1始動モード、モータ走行第2始動モードと呼ぶ。)により、エンジン6の始動を行なう場合について説明する。
モータ走行第1始動モードは、図16(b)に示すように、図15(b)に示すモータ走行中に第1クラッチ41を接続することにより実現される。第1変速用シフター51による第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aとの連結により正転方向のキャリアトルクからサンギヤ32の逆転方向の反力が抜き取られるとともに、第1クラッチ41の接続により逆転方向の始動トルクが抜き取られる。従って、キャリアトルクからサンギヤ32の反力と始動トルクとを足し合わせた3rdDogトルクを差し引いたトルクが第1共用従動ギヤ23bに伝達され、総駆動力としてファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに伝達される。また、第1主軸11に伝達された始動トルクにより、第1主軸11がエンジン6のクランク軸6aを連れまわしてクランキングし、エンジン6を点火することができる。これによりモータ走行しながらエンジン6を始動させることができる。エンジン6の始動後は、第1変速用シフター51をニュートラル位置に戻すことにより、Lowモードとなる。
シフトポジションがパーキングにあるとき、パーキングロック機構が作動しパーキングギヤ29からキャリア36にはロックトルクが作用し、キャリア36の回転が停止している。このパーキング中にエンジン6を始動する場合には、まず第1クラッチ41を接続してエンジン6とモータ7を第1主軸11と動力合成機構30を介して連結するとともに、図18(a)に示すように、モータ7に逆転方向のモータトルクを作用させて逆転方向に回転させることにより、動力合成機構30を構成する遊星歯車機構31の特性からサンギヤ32の回転数とキャリア36の回転数はキャリア36を中心に対角線上に位置することとなり、サンギヤ32はプラネタリギヤ34からの正転方向の反力を受けて正転方向に回転する。このサンギヤ32に作用する反力が図18(b)に示すように、サンギヤ32から、第1主軸11に伝達される。このサンギヤ32の反力によって、第1主軸11がエンジン6のクランク軸6aを連れまわしてクランキングし、エンジン6を点火することができる。また、シフトポジションがパーキング以外にあるとき、例えばニュートラルにあるときであっても、パーキングギヤ29でキャリア36にロックトルクを作用させることで、エンジン始動中に意図しない駆動力が発生しても車両の発進を防止することができる。パーキングギヤ29でロックする他、不図示の車両走行安定装置(以下、VSAと呼ぶ。)などでキャリア36にロックトルクを作用させてもよい。
パーキング中にエンジン始動する図18(b)の状態から、エンジン6を始動した後、パーキングギヤ29からキャリア36にロックトルクを作用させたままエンジン6のトルクを増大することにより、図19(b)に示すように、エンジントルクがサンギヤ32からリングギヤ35を介してモータ7に伝達される。このとき、モータ7を回生させてバッテリ3を充電することができる。
車両の後進には、エンジン6のトルクのみを用いる場合として、後進用シフター53を後進用接続位置でインギヤして第2クラッチ42を接続することにより実現される。これにより、エンジン6のトルクが、第2主軸12、アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、後進用ギヤ対28(後進用駆動ギヤ28a、第1共用従動ギヤ23b)、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに伝達され、後進走行することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る動力出力装置1Aについて、図21〜図37を参照して説明する。なお、第2実施形態の動力出力装置1Aは、変速機20Aが第3速用変速ギヤ対23より減速比の小さい第4速用ギヤ対24と、第4速用ギヤ対24より減速比の小さい第5速用ギヤ対25を備えている点を除き、第1実施形態の動力出力装置1と同様の構成を有する。このため、第1実施形態の動力出力装置1と同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
第2実施形態の動力出力装置1Aにおける変速機20Aにおいて、第2中間軸16には第2速用駆動ギヤ22aと第2アイドル従動ギヤ27cとの間に、第2中間軸16と相対回転可能な第4速用駆動ギヤ24aが設けられている。また、第2中間軸16に設けられた第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aとを連結又は開放する第2変速用シフター52は、さらに第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとを連結又は開放するように構成され、第2速用接続位置、ニュートラル位置、第4速用接続位置を移動可能に構成されている。従って、第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16に取り付けられた第2アイドル従動ギヤ27cと第2速用駆動ギヤ22aとが一体に回転し、第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16に取り付けられた第2アイドル従動ギヤ27cと第4速用駆動ギヤ24aとが一体に回転し、第2変速用シフター52がニュートラル位置にあるときには、第2アイドル従動ギヤ27cは第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aに対し相対回転する。
この動力出力装置1Aにおいてトルク合成駆動(Lowモード、Low Pre2モード)について第1実施形態の動力出力装置1と同様の制御によりなされるため説明を省略する。なお、通常走行、モータ走行、モータ走行エンジン始動、後進走行も第1実施形態の動力出力装置1と同様の制御によりなされるため、ここでは第4速用ギヤ対24と第5速用ギヤ対25を備えることにより可能となる走行モードについてのみ説明する。この動力出力装置1Aにおいては、第2速走行におけるモータ7によるアシスト、充電パターンとして、2nd走行第1モード、2nd走行第2モードに加えて別の2nd走行第3モードを備える。
第1クラッチ41が接続され第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤした3rdモードでの走行中において、図25(a)に示すように、第2変速用シフター52を第4速用接続位置でインギヤして、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとを連結する。以下、3rd モードの状態から、第2変速用シフター52を第4速用接続位置にプレシフトした状態を3rd Pre4モードと呼ぶ。続いて、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち、第1クラッチ41を切断し第2クラッチ42を接続することにより、図25(b)に示すように、エンジン6のトルクは第4伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、第4速走行が実現される。以下、この第4速走行において第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤしたままの図25(b)の状態を4th Post3モードと呼ぶ。
なお、この4th Post3モードから第1変速用シフター51をニュートラル位置に移動させることにより4thモードとなる。
この4thモードで走行中に3つのモード(4th走行第1モード、4th走行第2モード、4th走行第3モード)により、モータ7によるアシスト又は充電を行う場合について説明する。
4th走行第2モードは、図28(b)に示すように、第2クラッチ42を接続した4thモードから、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることにより実現される(4th Post3モード)。第1変速用シフター51を第3速用接続位置に移動してインギヤすることで、上述したように遊星歯車機構31がロックすることとなる。この場合、動力合成機構30を構成する遊星歯車機構31の特性からサンギヤ32の回転数とキャリア36の回転数が等しいと遊星歯車機構31の仮想支点Pは図28(a)において無限遠方に位置することとなる。
4th走行第3モードは、図30(b)に示すように、第2クラッチ42を接続した4thモードから、さらに第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤすることにより実現される。以下、4th モードの状態から、第1変速用シフター51を第5速用接続位置にプレシフトした状態を4th Pre5モードとも呼ぶ。これは第1変速用シフター51を第5速用接続位置に移動してインギヤすることで、上述したようにキャリア36の回転数に対し、サンギヤ32の回転数が必ず低くなることを利用して強制的にエンジン6とモータ7にあるレシオを作り出している。
第2クラッチ42が接続され第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤした4thモードで走行中において、図32(a)に示すように、第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤして、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aとを連結する(4th Pre5モード)。続いて、第1及び第2クラッチ41、42をつなぎかえる、即ち、第2クラッチ42を切断し第1クラッチ41を接続することにより、図32(b)に示すように、エンジントルクは第5伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達され、第5速走行が実現される。この第5速走行中において第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤしたままの図32(b)の状態を以下、5th Post4モードと呼ぶ。
なお、第2変速用シフター52を第4速用接続位置でインギヤしておくと、第2中間軸16、第1中間軸15、第2主軸12を連れまわすため、第2変速用シフター52をニュートラル位置に移動させることが好ましい。この5th Post4モードから第2変速用シフター52をニュートラル位置に移動させることにより5thモードとなる。
この状態においては、第5速用ギヤ対25を介して走行する第5速走行において、第3速用駆動ギヤ23aと第1共用従動ギヤ23bの噛み合いにより回転するキャリア36の回転数に対し、第5速用ギヤ対25を介して連結されたサンギヤ32の回転数が必ず低くなることを利用して、強制的にエンジン6とモータ7にあるレシオを作り出す状態が、第1変速用シフター51を第5速用接続位置に移動してインギヤすることで既に作り出されている。
モータ走行第2モードは、図35(b)に示すように、第1及び第2クラッチ41、42を切断し、第1変速用シフター51を第5速用接続位置に移動してインギヤすることにより実現される。第1変速用シフター51を第5速用接続位置に移動してインギヤすることで、上述したようにキャリア36の回転数に対し、サンギヤ32の回転数が必ず高くなることを利用して強制的にエンジン6とモータ7にあるレシオを作り出している。
また、このモータ走行第2モードにおいても、図16及び図17で説明したように、第1クラッチ41又は第2クラッチ42のいずれか一方を接続することで、エンジン6を始動することができる。
後進走行第1モードは、図36(a)及び図36(b)に示すように、後進用シフター53を後進用接続位置でインギヤして第2クラッチ42を接続するとともに第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤし、モータ7に逆転方向のトルクを作用させることにより実現される。これにより、エンジントルクは、第2主軸12、アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、後進用駆動ギヤ28a、第1共用従動ギヤ23bに伝達される。一方、リングギヤ35から伝達される逆転方向のモータトルクとサンギヤ32から伝達される逆転方向のトルクの合成トルクがキャリアトルクとしてキャリア36に伝達され、3rdトルクとして第3速用ギヤ対23に伝達される。また、サンギヤ32にはプラネタリギヤ34との噛み合いによりモータトルクとは反対方向、ここでは正転方向の反力が作用し、第5速用駆動ギヤ25aと第2共用従動ギヤ24bの噛み合いにより、第2共用従動ギヤ24bに5thトルクに伝達される。従って、カウンタ軸14においてエンジントルクと3rdトルクを足し合わせたトルクから5thトルクを差し引いたトルクが総駆動力としてファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに伝達され、モータ7でアシストしながら車両を後進させることができる。
さらに、シフトチェンジ時に第1変速用シフター51又は第2変速用シフター52をシフトチェンジする目的のギヤに予めインギヤ(プレシフト)した後、第1クラッチ41と第2クラッチ42を繋ぎかえることにより、クラッチを断接する時間の短縮を図ることができ、これにより変速ショックを抑制することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る動力出力装置について、図38を参照して説明する。なお、第3実施形態の動力出力装置1Bは、変速機の構成が異なる以外は第2実施形態の動力出力装置1Aと同様の構成を有する。このため、第2実施形態の動力出力装置1Aと同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
また、第2中間軸16には、第1速用駆動ギヤ21aと第3速用駆動ギヤ23aとの間に、第2中間軸16と第1速用駆動ギヤ21aとを連結又は開放する第3変速用シフター54が設けられている。そして第3変速用シフター54が第1速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第1速用駆動ギヤ21aが連結して一体に回転し、第3変速用シフター54がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16と第1速用駆動ギヤ21aが開放され相対回転する。
さらに、第2中間軸16には、第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aとの間に、第2中間軸16と第3速用駆動ギヤ23aとを連結又は開放するとともに第2中間軸16と第5速用駆動ギヤ25aとを連結又は開放する第2変速用シフター52が設けられている。そして第2変速用シフター52が、第3速用接続位置、ニュートラル位置、第5速用接続位置を移動可能に構成されている。第2変速用シフター52が第3速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転し、第2変速用シフター52が第5速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第5速用駆動ギヤ25aが一体に回転し、第2変速用シフター52がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aに対し相対回転する。
次に、本発明の第4実施形態に係る動力出力装置について、図39を参照して説明する。なお、第4実施形態の動力出力装置1Cは、動力合成機構を構成する遊星歯車機構と変速機の接続位置が異なる以外は第2実施形態の動力出力装置1Aと同様の構成を有する。このため、第2実施形態の動力出力装置1Aと同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
次に、本発明の第5実施形態に係る動力出力装置について、図40を参照して説明する。なお、第5実施形態の動力出力装置1Dは、後進用ギヤ列の構成以外は第2実施形態の動力出力装置1Aと同様の構成を有する。このため、第2実施形態の動力出力装置1Aと同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
例えば、動力合成機構としてシングルピニオン式の遊星歯車機構に限らず、ダブルピニオン式の遊星歯車機構であってもよく、遊星歯車機構のように機械式のものに限定されず例えば、相反差動モータのような磁気的に差動回転するものであってもよい。
2つの変速軸を備えているので、ハイブリッド車両として設計の自由度を高くできる。
6 エンジン
7 モータ
9 駆動軸
11 第1主軸(第1変速軸、第2変速軸)
12 第2主軸(入力軸)
13 連結軸
14 カウンタ軸
15 第1中間軸(中間軸)
16 第2中間軸(第2変速軸、第1変速軸)
17 リバース軸
20、20A、20B、20C、20D 変速機
22 第2速用ギヤ対
22a 第2速用駆動ギヤ
23 第3速用ギヤ対
23a 第3速用駆動ギヤ
23b 第1共用従動ギヤ
24 第4速用ギヤ対
24a 第4速用駆動ギヤ
24b 第2共用従動ギヤ
25 第5速用ギヤ対
25a 第5速用駆動ギヤ
26a ファイナルギヤ
27 アイドルギヤ列
27A 第1アイドルギヤ列
27B 第2アイドルギヤ列
27a アイドル駆動ギヤ
27b 第1アイドル従動ギヤ
27c 第2アイドル従動ギヤ
27d 第3アイドル従動ギヤ
28 後進用ギヤ対
28a 後進用駆動ギヤ
28b 後進用従動ギヤ
29 パーキングギヤ
30 動力合成機構
31 遊星歯車機構(動力合成機構)
32 サンギヤ(第1要素、第3要素)
35 リングギヤ(第1要素、第3要素)
36 キャリア(第2要素)
41 第1クラッチ(第1断接手段、第2断接手段)
42 第2クラッチ(第2断接手段、第1断接手段)
51 第1変速用シフター
52 第2変速用シフター
53 後進用シフター
54 第3変速用シフター
Claims (3)
- 内燃機関と電動機とを駆動源とする車両に用いられ、
前記内燃機関のクランク軸及び前記電動機からの機械的動力を、前記モータと連結された第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、前記第1入力軸と駆動輪とを連結させることが可能な第1変速機構と、
前記内燃機関のクランク軸からの機械的動力を第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、前記第2入力軸と前記駆動輪とを連結させることが可能な第2変速機構と、
前記内燃機関のクランク軸と前記第1入力軸とを連結させることが可能な第1断接手段と、
前記内燃機関のクランク軸と前記第2入力軸とを連結させることが可能な第2断接手段と、を備え、
前記第1断接手段と前記第2断接手段をすべらせながら接続して前記駆動輪に伝達されるトルクを調整しながら走行可能であることを特徴とする動力出力装置。 - 前記内燃機関と前記電動機を共に駆動源として走行している状態から前記電動機を駆動源とするEV走行に移行する際、前記第2変速機構の複数の変速段のうちいずれか1つを係合状態にして、前記第2入力軸と前記駆動輪とを連結させ、前記第2断接手段をすべらせながら接続して走行することを特徴とする請求項1に記載の動力出力装置。
- 請求項1に記載の動力出力装置の制御方法であって、
前記内燃機関の適正駆動領域で前記内燃機関を駆動し、
前記電動機の定格出力を超えるか否かを判断し、
前記電動機の定格出力を超える場合には、前記電動機の定格出力で駆動するとともに前記内燃機関の回転数を制御し、前記電動機の定格出力を超えない場合には、前記電動機の最高回転数を超えるか否かを判断し、
前記電動機の最高回転数を越えない場合には、前記内燃機関を適正駆動領域で駆動したまま前記電動機を駆動し、前記電動機の最高回転数を超える場合には、前記電動機の最高回転数で駆動するとともに前記内燃機関の回転数を制御することを特徴とする動力出力装置の制御方法。
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