JP5200716B2 - 分波器 - Google Patents

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本発明は分波器に関し、詳しくは、例えば携帯電話システムに好適な分波器に関する。
一般に、バルク弾性波を利用する圧電薄膜共振器(BAW共振器)は、BAW共振器自身が持つ効果(非線形効果)によって、IMD(intermodulation distortion;相互変調歪み)が発生する。そのため、例えば携帯電話システムの分波器にBAW共振器を用いた場合、受信感度の劣化を引き起こすことが知られている。特に、BAW共振器に入力される電力との相関が強く、高電力の負荷がかかるほど、非線形効果が発生しやすいことが知れている。
BAW共振器の非線形特性を低減するため、例えば図10の断面図に示すように、上下の電極72T,72Bの間に圧電層72Pが配置されている第1のBAW共振器72と、上下の電極74T,74Bの間に圧電層74Pが配置されている第2のBAW共振器74とを、それぞれの分極方向が矢印72R,74Rで示す方向になるように構成し、位相が反転するようにする電極接続を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−6495号公報
しかしながら、このような構成では、BAW共振器を並列に接続するため、もとのBAW共振器の容量の半分の容量をもつBAW共振器を並列に2つ接続することになる。BAW共振器では、一般に容量の小さい共振器ほどQ値の劣化が起こるため、特許文献1の構成では、特性劣化が生じやすくなる。
また、特許文献1の構成では、BAW共振器を逆平行に接続することでIMDの発生を緩和できるものの、ユーザー要求を満足するレベルに達していないことが、実験的に分かっている。
さらに、弾性表面波を利用する弾性表面波共振器(SAW共振器)を用いた分波器に比べ、BAW共振器を用いた分波器は、IMDの発生が顕著であり、BAW共振器の方がSAW共振器よりも非線形効果が生じやすいことが、実験的に分かっている。
本発明は、かかる実情に鑑み、相互変調歪み(IMD)の発生を抑制できる分波器を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した分波器を提供する。
分波器は、共振素子が梯子型に接続された送信フィルタと、共振素子及び縦結合型弾性波フィルタ素子を含む受信フィルタとを備える。分波器は、前記送信フィルタの前記共振素子うち前記送信フィルタと前記受信フィルタとが接続される共通端に最も近い前記共振素子と、前記受信フィルタの前記共振素子及び縦結合型弾性波フィルタ素子のうち前記共通端に最も近い前記共振素子との少なくとも一方が、直列接続された複数の共振器を含む共振器群で構成される。
上記構成によれば、送信フィルタ及び受信フィルタの少なくとも一方について、最も共通端に近い共振素子を、直列接続された複数の共振器に分割することにより、複数の共振器に分割しない場合と比べると、共振器1つあたりの電力密度が小さくなり、非線形効果が減少し、IMDの発生を抑制できる。
記送信フィルタの前記共振素子うち前記共通端に最も近い前記共振素子と、前記受信フィルタの前記共振素子及び縦結合型弾性波フィルタ素子のうち前記共通端に最も近い前記共振素子との少なくとも一方が、複数の前記共振器群を並列接続することにより構成される。
この場合、共振器群を並列接続することにより、共振器1つあたりの電力密度がより小さくなり、非線形効果がより減少し、IMDの発生を一層抑制できる。
好ましくは、並列接続された複数の前記共振器群に含まれる直列接続された複数の前記共振器は、基板の一方主面に沿って一対の電極の間に圧電薄膜が配置され、かつ前記基板から音響的に分離されている振動部を備える圧電薄膜共振器で構成される。隣り合う前記圧電薄膜共振器は、それぞれの前記圧電薄膜の分極方向が同一であり、かつ、それぞれの前記一対の電極間の電界の方向が反転する。
この場合、隣り合う共振器の分極方向に対する電界方向を反転することで、振動の位相が反転し、非線形2次効果が相互に打ち消しあうため、IMDの発生を抑制することができる。
好ましくは、前記共振器群の直列接続された複数の前記共振器を構成する前記圧電薄膜共振器の前記振動部は、前記一対の電極のそれぞれ前記圧電薄膜とは反対側に配置された一対の絶縁膜をさらに備え、前記一対の絶縁膜の厚みが実質的に同一である。
この場合、振動部は、圧電薄膜に関して対称に電極と絶縁膜とが配置され、振動が厚み方向両側に対称に伝搬する状態となるようにして、2次の非線形現象を抑制できる。したがって、IMDの発生がさらに抑制できる。
好ましくは、前記共振器群の直列接続された複数の前記共振器を構成する前記圧電薄膜共振器は、前記振動部を厚み方向から透視したとき、前記一対の電極同士が圧電薄膜を介して重なる前記振動部の外周縁は、隣接する2辺が曲線で滑らかにつながれている。
この場合、圧電薄膜共振器の振動部について、厚み方向から透視したときの外周縁の角部を曲線で形成することにより、振動部内での振動反射状態が振動部の角部で不連続にならないようにすることができるので、IMDの発生をさらに抑制できる。
好ましくは、前記共振器群の直列接続された複数の前記共振器を構成する前記圧電薄膜共振器は、前記振動部を厚み方向から透視したとき、前記振動部に接続される引き回し配線の輪郭が、前記一対の電極同士が圧電薄膜を介して重なっている前記振動部の外周縁に滑らかな曲線でつながれている。
この場合、厚み方向から透視したときに、圧電薄膜共振器の振動部に接続する引き回し配線が、振動部との接続部分に曲線部を備えることにより、振動部での振動反射状態が、振動部と引き回し配線との接続部分で不連続にならないようにすることができるので、IMDの発生がさらに抑制される。
本発明によれば、分波器の送信フィルタ又は受信フィルタを構成する共振器のうち、送信フィルタと受信フィルタとが接続された共通端に最も近い共振器を直列に2つ以上に分割し、直列接続することで、IMDの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図12を参照しながら説明する。
<実施例1> 実施例1の分波器100について、図1〜図7を参照しながら説明する。
図1の電気回路図に示すように、実施例1の分波器100は、共振器101a,101b,102〜107,109a,109b,110,111a,111b,112と、縦結合型フィルタ120とを備え、アンテナ端とTx端及びRx端の間に、送信フィルタ100aと受信フィルタ100bとが構成されている。インダクタL1〜L6は、分波器100自体が備えても、分波器100に外付けされてもよい。
Tx端には、不平衡(アンバランス信号)を入・出力できる。受信フィルタ100bは不平衡信号を平衡信号(バランス信号)に変換する機能を持ち、Rx端には、平衡信号が出力される。
アンテナ端とTx端との間に構成される送信フィルタ100aは、直列に接続される5つの共振器101a,11b,103,105,107と、並列に接続される3つの共振器102,104,106とを備える。アンテナ端側の2つの共振器101a,101bは、通常は1つの共振器で構成されるところを直列に分割され、カスケード接続(直列接続)されている。
すなわち、送信フィルタ100aは、交互に梯子型に接続される共振素子を共振器で構成するにあたり、送信フィルタ100aと受信フィルタ100bとが接続される共通端100xに最も近い共振素子を、直列接続された2つの共振器101a,101bで構成し、他の共振子を、それぞれ1つの共振器102〜107で構成している。
この2つの共振器101a,101bには、BAW共振器、SAW共振器もしくは弾性境界波共振器を用いる。他の共振器102〜107には、BAW共振器を用いる。
アンテナ端とRx端との間に構成される受信フィルタ100bは、共振器109a,109b;110;111a,111b;112と縦結合型フィルタ120とを備える。一方のRx端と共通端100xとの間に配置される共振器のうち、アンテナ端側の2つの共振器109a,109bは、通常は1つの共振器で構成されるところを直列に分割され、直列接続されている。同様に、他方のRx端と共通端100xとの間に配置される共振器のうち、アンテナ端側の2つの共振器111a,111bは、通常は1つの共振器で構成されるところを直列に分割され、直列接続されている。
すなわち、受信フィルタ100bは、共振素子及び縦結合型フィルタで構成するにあたり、一方のRx端側について、共通端100xに最も近い共振素子を直列接続された2つの共振器109a,109bで構成し、他方のRx端側について、共通端100xに最も近い共振素子を直列接続された2つの共振器111a,111bで構成している。
共振器109a,109b,110,111a,111b,112には、BAW共振器、SAW共振器もしくは弾性境界波共振器を用いる。他の共振器102〜107には、BAW共振器を用いる。縦結合型フィルタ120には、縦結合型SAWフィルタ又は縦結合型弾性境界波フィルタ等の縦結合型弾性波フィルタを用いる。
受信フィルタ100bの共振器109a,109b;110;111a,111b;112や縦結合型フィルタ120は、送信フィルタ100aのSAW共振器又は弾性境界波共振器の共振器101a,101bと、同一のチップに形成してもよい。例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)基板上の同一チップ内に、送信フィルタ100aの一部を構成する共振器101a,101bと、受信フィルタ100bを構成する共振器109a,109b;110;111a,111b;112及び縦結合型フィルタ120とを形成し、基板内で配線することで、図1のように接続してもよい。
また、受信フィルタ100bの共振器110,112は、BAW共振器で構成し、送信フィルタ100a内のBAW共振器で構成する共振器102〜107と同一のチップに形成してもよい。
分波器100は、送信フィルタ100a及び受信フィルタ100bにおいて、それぞれ最もアンテナ端側の本来は1つの共振器で構成される部分を直列に分割し、直列接続された2つの共振器101a,101b;109a,109b;111a,111bで構成することによって、共振器一つあたりの電力密度が半分になるため、非線形効果が減少し、IMDの発生が抑制できる。
共振器群の共振器101a,101b;109a,109b;111a,111bをBAW共振器で構成する場合には、図2〜図4に示すように構成する。
図2は、共振器が直列接続された共振器群の一つの共振器について、共振器が接続される方向と直角方向の断面を示している。図2に示すように、基板12上に、音響インピーダンスが相対的に低い低音響インピーダンス層30と相対的に高い高音響インピーダンス層32とが交互に配置されており、その上に、振動部10xを構成する下部電極15、圧電薄膜16及び上部電極17が配置されている。振動部10xは、交互に積層された低音響インピーダンス層30と高音響インピーダンス層32とによって、基板12から音響的に分離されている。
図3は、共振器が直列接続された共振器群の共振器101a,101bについて、共振器101a,101bが接続される方向の断面を示している。図4は、図3の断面構成を模式的に示す説明図である。
図3及び図4に示すように、共振器101a,101bは、圧電薄膜16が共通であり、共振器101aの上部電極17aはアンテナ端側に接続され、共振器101aの下部電極15aと共振器101bの上部電極17bとが接続され、共振器101bの下部電極15bはRx端側に接続される。このような電極接続により、共振器101a,101bは、それぞれの分極方向が、図4において実線の矢印で示すように同じ方向である。一方、それぞれの電界方向は、図4において破線の矢印で示すように逆方向である。
このように、直列接続された共振器101a,101bにおいて分極方向に対する電界方向を反転することで、振動の位相が反転し、非線形効果の2次効果が相互に打ち消しあうため、IMDの発生を抑制できる。
共振器群の共振器101a,101b;109a,109b;111a,111bをBAW共振器で構成する場合には、図5の要部断面図に示すように、圧電薄膜16を挟持する一対の電極15,17の外側に絶縁膜14,18が配置され、厚み方向(図において上下方向)に対して垂直方向(例えば、図において紙面垂直方向)から見たときに、圧電薄膜16に対して実質的に対称構造にすることが好ましい。
典型的には、上部電極17と下部電極15とを同じ材料を用いて同じ厚みに形成し、上部電極17に接して配置される上部絶縁膜18と下部電極15に接して配置される下部絶縁膜14とを同じ材料を用いて同じ厚みに形成する。
圧電薄膜16に対して厚み方向の構造が対称であると、振動が圧電薄膜16の厚み方向両側に伝搬する状態が対称となり、2次の非線形現象が抑制される。すなわち、このようなBAW共振器を用いた分波器では、IMDの発生が抑制される。
振動伝搬の状態が対称となれば2次の非線形現象が抑制されるので、振動伝搬の状態が実質的に対称となる程度に、上部電極17及び上部絶縁膜18の合計厚みと、下部電極15及び下部絶縁膜14の合計厚みとがおおよそ一致する構成であればよく、上部電極17と下部電極15の厚みが多少異なったり、上部絶縁膜18と下部絶縁膜14の厚みが多少異なったりしても、IMDの発生が抑制される。
すなわち、圧電薄膜16の両側に配置される一対の電極15,17の厚みが実質的に同一であり、かつ、それぞれの電極15,17の圧電薄膜16とは反対側に配置された絶縁膜14,18の厚みが実質的に同一であることが好ましい。
図6(a)は、図1において鎖線で囲まれている部分の送信フィルタの共振器102〜107の構成を書き直した電気回路図である。図6(a)のPort1は、図1の共振器101bに接続される。図6(a)のPort3及びPort4は、図1のインダクタL3に接続される。図6(a)のPort5は、図1のインダクタL4に接続される。図6(a)のPort2は、図1のインダクタL5に接続される。
図6(b)は、図6(a)に示した直列共振器S1〜S3と並列共振器P1〜P3のチップ内のレイアウトを示す、厚み方向から透視した透視図である。各共振器S1〜S3,P1〜P3の振動部60は、引き回し配線64で接続されている。振動部60は、一対の電極同士が圧電薄膜を介して重なっている部分である。
図6(b)に示すように、引き回し配線64は一定幅ではなく、振動部60に接近するほど引き回し配線64の幅が急激に広がっている。引き回し配線64は、振動部60に接続される部分の輪郭が、滑らかな曲線で振動部60の外周縁につながれている。このように、引き回し配線64が振動部60に接続される部分に曲線部を備えることにより、振動部60での振動反射状態が引き回し配線64との接続部分で不連続にならないようにすることができるので、IMDの発生が抑制される。
さらに、図6(c)の拡大透視図に示すように、振動部60の外周縁の角部62は丸く形成されており、振動部60の外周縁は、隣り合う辺同士が滑らかな曲線でつながれている。
このように振動部60の角部を曲線で形成することにより、振動部60内での振動反射状態が振動部60の角部で不連続にならないようにすることができるので、IMDの発生を抑制できる。
送信フィルタ100aや受信フィルタ100bを構成するBAW共振器は、図7の断面図に示すように、種々の構成とすることができる。
図7(a)は、圧電薄膜16を挟持する一対の電極15,17の外側に絶縁膜14,18が配置された振動部10が、空隙13を介して基板12から浮いた状態で支持されている例である。空隙13は、基板12上に犠牲層を形成し、その上に各層14〜18を形成した後、犠牲層を除去することにより形成できる。下部絶縁膜14は、上部絶縁膜18とは異なる材料で構成してもよい。
図7(b)は、圧電薄膜16を挟持する一対の電極15,17の外側に絶縁膜14,18が配置された振動部10が、基板12を貫通する空洞12sの上に配置されている例である。空洞12sは、振動部10を形成した基板を裏側からエッチングすることにより形成できる。この場合、基板12に接する絶縁膜14には、エッチングされない材料を用いる。
図7(c)は、圧電薄膜16を挟持する一対の電極15,17の外側に絶縁膜14,18が配置された振動部10が、基板12に形成された非貫通の空洞(くぼみ)12tの上に配置されている例である。基板12に予め空洞12tを形成しておき、空洞12tに犠牲層を埋め込んだ状態で振動部10を形成した後、犠牲層を除去する。
図7(d)〜(f)は、振動部10aと基板12との間に音響反射層を配置した例である。音響反射層は、音響インピーダンスが相対的に低い低音響インピーダンス層30と、相対的に高い高音響インピーダンス層32とが交互に配置されており、例えば音響インピーダンスが異なる材料を交互に積層することによって形成することができる。
図7(d)は、基板12上に全体的に音響反射層が形成され、その上に振動部10aが形成されている例である。
図7(e)は、基板12の空洞(くぼみ)12kの中に音響反射層30,32が形成され、その上に振動部10aが形成されている例である。
図7(f)は、基板12の一部に音響反射層30,32が形成され、その上に振動部10aが形成されている例である。
なお、下部電極15に接する音響反射層30は、振動部10aの下部絶縁膜として機能させてもよい。
<実施例2> 実施例2の分波器について、図8〜図11を参照しながら説明する。
実施例2の分波器は、実施例1と略同様に構成されている。以下では、相違点を中心に説明する。
図8の電気回路図に示すように、実施例2の分波器200は、実施例1と略同様に、共振器201a,201b,201c,201d,202〜207,209a,209b,210,211a,211b,212と、縦結合型フィルタ220とを備え、アンテナ端とTx端及びRx端の間に、送信フィルタ200aと受信フィルタ200bとが構成されている。インダクタL1〜L6は、分波器200自体が備えても、分波器200に外付けされてもよい。
実施例1と異なり、送信フィルタ200aは、通常は1つの共振器で構成する最もアンテナ端側の共振素子が、4つの共振器201a,201b,201c,201dを用いて構成されている。すなわち、共振器201a,201bが直列接続された第1の共振器群と、共振器201c,201dが直列接続された第2の共振器群とが、並列に接続されている。
受信フィルタ200bは、実施例1と同じ構成である。なお、アンテナ端側の直列接続された2つの共振器209a,209b;211a,211bは、1つの共振器で構成しても、送信フィルタ200aの共振器201a,201b,201c,201dのように直列接続された共振器を含む共振器群が並列に接続された構成としてもよい。
共振器201a,201b,201c,2001dには、BAW共振器、SAW共振器もしくは弾性境界波共振器を用いる。他の共振器202〜207には、BAW共振器を用いる。縦結合型フィルタ220には、縦結合型SAWフィルタ又は縦結合型弾性境界波フィルタ等の縦結合型弾性波フィルタを用いる。
受信フィルタ200bの共振器209a,209b;210;211a,211b;212や縦結合型フィルタ220は、送信フィルタ200aのSAW共振器又は弾性境界波共振器の共振器201a,201b,201c,201dと、同一のチップに形成してもよい。例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)基板上の同一チップ内に、送信フィルタ200aの一部を構成する共振器201a,201b,201c,201dと、受信フィルタ200bを構成する共振器209a,209b;210;211a,211b;212及び縦結合型フィルタ220とを形成し、基板内で配線することで、図8のように接続してもよい。
また、受信フィルタ200bの共振器210,212は、BAW共振器で構成し、送信フィルタ200a内のBAW共振器で構成する共振器202〜207と同一のチップに形成してもよい。
図9は、送信フィルタ200aのアンテナ端側の並列に接続される一方の共振器群の共振器201a,201bについて、共振器201a,201bが接続される方向の断面を示している。図10は、送信フィルタ200aのアンテナ端側の並列に接続される共振器群の共振器201a,201b;201c,201dの断面構成を模式的に示す説明図である。
図9及び図10に示すように、共振器201a,201b,201c,201dは、圧電薄膜16が共通であり、共振器201aの上部電極17aと共振器201cの下部電極15cとがアンテナ端側に接続され、共振器201aの下部電極15aと共振器201bの上部電極17bとが接続され、共振器201cの上部電極17cと共振器201dの下部電極15dとが接続され、共振器201bの下部電極15bと共振器201dの上部電極17dとがRx端側に接続される。共振器201a,201b,201c,201dは、それぞれの分極方向が、図10において実線の矢印で示すように同じ方向である。一方、電界方向については、図10において破線の矢印で示すように、同じ共振器群の共振器201a,201b;201c,201d同士は同じであるが、一方の共振器群の共振器201a,201bと他方の共振器群の共振器201c,201dとは逆方向である。
このように、並列に接続される一方の共振器群の共振器201a,201bと他方の共振器群の共振器201c,201dとについて、分極方向に対する電界方向を反転することで、一方の共振器群の共振器201a,201bと他方の共振器群の共振器201c,201dとの間で振動の位相が反転し、非線形効果の2次効果が相互に打ち消しあうため、IMDの発生を抑制できる。
図11は、他の断面構成を模式的に示す説明図である。並列に接続される共振器群の共振器201a,201b;201c,201dは、圧電薄膜が共通であり、共振器201aの上部電極17aと共振器201cの下部電極15cとがアンテナ端側に接続され、共振器201aの下部電極15aと共振器201bの下部電極15bとが接続され、共振器201cの上部電極17cと共振器201dの上部電極17dとが接続され、共振器201bの上部電極17bと共振器201dの下部電極15dとがRx端側に接続される。
このような電極接続により、共振器201a,201b;201c,201dは、図11において実線の矢印で示す分極方向に対して、電界方向が図11において破線の矢印で示すようになる。すなわち、同じ共振器群の共振器201a,201b;201c,201d同士の電界方向が互いに逆方向であり、かつ、一方の共振器群内における共振器201a,201bの電界方向と他方の共振器群内における共振器201c,201dの電界方向とは逆方向である。
このように隣接する共振器間で電界方向を反転することで、共振器群201a,201b;201c,201d間において振動の位相が反転し、かつ各共振器群201a,201b;201c,201d内においても振動の位相が反転し、非線形効果の2次効果が相互に打ち消しあうため、IMDの発生を抑制できる。
実施例2の分波器200は、送信フィルタ200a内で最もアンテナ端側に配置される直列共振素子の部分を1つの共振器で構成する代わりに、複数の共振器が直列接続された共振器群を並列に接続した構成に置き換えることにより、実施例1と同様に、IMDの発生が抑制される。
<実施例3> 実施例3の分波器300について、図12を参照しながら説明する。
実施例3の分波器300は、実施例1と略同様に構成されている。以下では、相違点を中心に説明する。
図12の電気回路図に示すように、実施例3の分波器300は、実施例1と略同様に、共振器301a,301b,302〜307,309a,309b,310,311a,311b,312と、縦結合型フィルタ320とを備え、アンテナ端とTx端及びRx端の間に、送信フィルタ300aと受信フィルタ300bとが構成される。インダクタL1〜L6は、分波器300自体が備えても、分波器300に外付けされてもよい。
受信フィルタ300bは、実施例1と同じ構成である。なお、アンテナ端側の直列接続された2つの共振器309a,309b;311a,311bは、1つの共振器で構成してもよい。
送信フィルタ300aは、直列共振素子と並列共振素子とでフィルタが構成される点では実施例1と同じであるが、実施例1ではアンテナに最も近い共振素子が直列共振素子であり、それを直列に分割して直列接続された2つの共振器101a,101bで構成するのに対して、実施例3の送信フィルタ300aでは、アンテナに最も近い共振素子が並列共振素子であり、それを直列に分割して直列接続された2つ共振器301a,301bで構成している。
この2つの共振器301a,301bと、その次の共振器302とには、BAW共振器、SAW共振器もしくは弾性境界波共振器を用いる。他の共振器303〜307には、BAW共振器を用いる。縦結合型フィルタ320には、縦結合型SAWフィルタ又は縦結合型弾性境界波フィルタ等の縦結合型弾性波フィルタを用いる。
受信フィルタ300bの共振器309a,309b;310;311a,311b;312や縦結合型フィルタ320は、送信フィルタ300aのSAW共振器又は弾性境界波共振器の共振器301a,301b,302と、同一のチップに形成してもよい。例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)基板上の同一チップ内に、送信フィルタ300aの一部を構成する共振器301a,301b,302と、受信フィルタ300bを構成する共振器309a,309b;310;311a,311b;312及び縦結合型フィルタ320とを形成し、基板内で配線することで、図12のように接続してもよい。
また、受信フィルタ300bの共振器310,312は、BAW共振器で構成し、送信フィルタ300a内のBAW共振器で構成する共振器303〜307と同一のチップに形成してもよい。
実施例3の分波器300のように、最もアンテナ端側の並列共振素子を、共振器が直列接続された共振器群で置き換えても、実施例1と同様の効果が得られる。
<まとめ> 以上のように、分波器のフィルタを構成する共振器のうち、最もアンテナ端に近い共振器を、直列に分割して直列接続された複数の共振器で置き換えると、共振器1つあたりの電力密度が小さくなり、非線形効果が減少し、IMDの発生が抑制できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
分波器の電気回路図である。(実施例1) 共振器群の共振器の断面図である。(実施例1) 共振器群の共振器の断面図である。(実施例1) 共振器群の共振器の断面構造を模式的に示す説明図である。(実施例1) 主要部断面図である。(実施例1) 分波器のレイアウト図である。(実施例1) 圧電薄膜共振器の断面図である。(実施例1) 分波器の電気回路図である。(実施例2) 共振器群の共振器の断面図である。(実施例2) 共振器群の共振器の断面構造を模式的に示す説明図である。(実施例2) 共振器群の共振器の断面構造を模式的に示す説明図である。(実施例2) 分波器の電気回路図である。(実施例3) BAW装置の断面図である。(従来例)
符号の説明
10,10a,10x 振動部
12 基板
14 絶縁膜
15 電極
16 圧電薄膜
17 電極
18 絶縁膜
100 分波器
100a 送信フィルタ
100b 受信フィルタ
100x 共通端
101a,101b,102〜107,109a,109b,110,111a,111b,112 共振器
120 縦結合型フィルタ
200 分波器
200a 送信フィルタ
200b 受信フィルタ
200x 共通端
201a,201b,201c,201d,202〜207,209a,209b,210,211a,211b,212 共振器
220 縦結合型フィルタ
300 分波器
300a 送信フィルタ
300b 受信フィルタ
300x 共通端
301a,301b,302〜307,309a,309b,210,311a,311b,312 共振器
320 縦結合型フィルタ

Claims (5)

  1. 共振素子が梯子型に接続された送信フィルタと、共振素子及び縦結合型弾性波フィルタ素子を含む受信フィルタとを備える分波器であって、
    前記送信フィルタの前記共振素子のうち前記送信フィルタと前記受信フィルタとが接続される共通端に最も近い前記共振素子と、前記受信フィルタの前記共振素子及び縦結合型弾性波フィルタ素子のうち前記共通端に最も近い前記共振素子との少なくとも一方が、直列接続された複数の共振器を含む複数の共振器群を並列接続することにより構成されることを特徴とする、分波器。
  2. 並列接続された複数の前記共振器群に含まれる直列接続された複数の前記共振器は、
    基板の一方主面に沿って一対の電極の間に圧電薄膜が配置され、かつ前記基板から音響的に分離されている振動部を備える圧電薄膜共振器で構成され、
    隣り合う前記圧電薄膜共振器は、それぞれの前記圧電薄膜の分極方向が同一であり、かつ、それぞれの前記一対の電極間の電界の方向が反転することを特徴とする、請求項に記載の分波器。
  3. 前記共振器群の直列接続された複数の前記共振器を構成する前記圧電薄膜共振器の前記振動部は、
    前記一対の電極のそれぞれ前記圧電薄膜とは反対側に配置された一対の絶縁膜をさらに備え、前記一対の絶縁膜の厚みが実質的に同一であることを特徴とする、請求項2に記載の分波器。
  4. 前記共振器群の直列接続された複数の前記共振器を構成する前記圧電薄膜共振器は、
    前記振動部を厚み方向から透視したとき、前記一対の電極同士が圧電薄膜を介して重なる前記振動部の外周縁は、隣接する2辺が曲線で滑らかにつながれていることを特徴とする、請求項2に記載の分波器。
  5. 前記共振器群の直列接続された複数の前記共振器を構成する前記圧電薄膜共振器は、
    前記振動部を厚み方向から透視したとき、前記振動部に接続される引き回し配線の輪郭が、前記一対の電極同士が圧電薄膜を介して重なっている前記振動部の外周縁に滑らかな曲線でつながれていることを特徴とする、請求項2に記載の分波器。
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