JPWO2006134959A1 - 多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ - Google Patents

多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ Download PDF

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Abstract

平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(100)において、第1の下部電極(102)の面積は、第2及び第3の下部電極(104及び106)と、第2及び第3の下部電極(104及び106)を離間する領域との合計面積と略等しい。第1の上部電極(103)の面積は、第2及び第3の上部電極(105及び107)と、第2及び第3の上部電極(105及び107)を離間する領域との合計面積と略等しい。第3の下部電極(106)と第2の上部電極(105)と、及び第3の上部電極(107)と第2の下部電極(104)とは、それぞれ対向して配置されている。第2の下部電極(104)の一部と、第2の上部電極(105)の一部とは、対向して配置されている。

Description

本発明は、平衡化のために用いられる多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ、並びにそれを備えるラダー型フィルタ、共用機、及び通信機器に関する。
従来、携帯電話等の無線通信機器に搭載されるフィルタには、誘電体フィルタ、積層フィルタ、及び弾性波フィルタ等がある。弾性波フィルタでは、バルク波の複数モードを利用した水晶フィルタ(MCF:モノリシック・クリスタル・フィルタ)や弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)等が知られている。しかし、近年、更なる小型化、高性能化、及び高周波化が要求されており、それを実現するデバイスとして、圧電薄膜のバルク波を利用した薄膜弾性波共振器フィルタ(FBARフィルタ)が開発されている。また、薄膜弾性波共振器フィルタには、複数のモードを多重することによって実現される多重モード薄膜弾性波フィルタも提案されている。
ここで、近年、対雑音特性の良好化を目的としてIC等の半導体部品の平衡化が進み、RF段に使用される薄膜弾性波共振器、又はそれを用いたフィルタにおいても平衡化が求められている。
また、近年では、前段及び後段に配置されるICとのインピーダンス整合の観点から、薄膜弾性波共振器フィルタのインピーダンスを制御することが求められている。
複数モードを利用した従来の平衡型MCF(特許文献1)について説明する。図12は、従来の平衡型MCFの構成を示す図である。
このMCFは、水晶基板71(圧電基板)を挟んで対向する三対の電極72及び76、電極73及び74、並びに電極75及び77を配置している。左側の電極72は、入力電極であり、右側の電極73は、出力電極である。入力電極72とそれに対向する補助電極76とが、それぞれ入力平衡端子711及び713に接続され、出力電極73とそれに対向する補助電極74とが、それぞれ出力平衡端子714及び712に接続される。このMCFは、1次モードの厚み振動と3次モードの厚み振動とを励振することによって、複数モードの高結合を実現、入力平衡端子と出力平衡端子間において、広帯域かつ高減衰な特性を有した平衡型フィルタが実現される。
また、従来の平衡型フィルタのインピーダンス制御方法(特許文献2)について説明する。図13は、従来の平衡型SAWフィルタの平衡端子におけるインピーダンスを制御する構成を示す図である。
このSAWフィルタは、圧電基板601上に周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板601上には、入力IDT電極602a及び602bと、反射器電極603a及び603bと、出力IDT電極604とによって構成される、縦モード型のSAWフィルタが形成される。入力IDT電極602a及び602bの上部電極は、入力端子Sに接続され、入力IDT電極602a及び602bの下部電極は、接地されている。さらに、出力IDT電極604は、第1、第2及び第3の分割IDT電極604a、604b及び604cの3つに分割されており、3つのIDT電極604a〜604cのグループ接続により構成されている。ここで、第1〜第3の分割IDT電極604a〜604cは、それぞれ同相に配置されている。また、第1及び第2の分割IDT電極604a及び604bにおける上部電極605a及び605bは、電気的に接続され、平衡型出力端子の一端T1に接続される。第2及び第3の分割IDT電極604b及び604cにおける下部電極606b及び606cは、電気的に接続され、平衡型出力端子の他端T2に接続される。
ここで、図13における平衡型SAWフィルタの出力平衡端子間の容量等価回路図を図14に示す。容量Ca〜Ccは、それぞれ第1〜第3の分割IDT電極604a〜604cの容量であり、容量Ca〜Ccの合成容量が、出力IDT電極604の総容量Coutとなる。出力IDT電極604に含まれる電極指の対数を変化させることで、総容量値Coutを制御できる。それゆえ、SAWフィルタにおけるインピーダンスはIDT電極の容量が支配的であるので、第1〜第3の分割IDT電極604a〜604cの対数を変えることにより、出力平衡端子間のインピーダンスを制御することができる。
以下、平衡−不平衡変換型入出力端子を有する従来の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタにおけるインピーダンス制御方法について説明する。
図15Aは、従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900の構造を示す斜視図である。図15Bは、図15Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900のE−E断面図である。
この従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900は、基板90上に、第1及び第2の下部電極92及び94と、圧電薄膜91と、第1及び第2の上部電極93及び95とが形成されている。第1の下部電極92と、第1の上部電極93と、両方の電極に挟まれた圧電薄膜91とによって、第1の振動部が構成される。第1の上部電極93を入力端子とし、第1の下部電極92をGND端子としている。また、第2の下部電極94と、第2の上部電極95と、両方の電極に挟まれた圧電薄膜91とによって、第2の振動部が構成される。第2の上部電極95を出力平衡端子(+)とし、第2の下部電極94を出力平衡端子(−)としている。また、基板90内に、第1及び第2の振動部の振動を共通に確保し、当該振動を結合することができる空洞部96が形成されている。これにより、例えば、入力側の第1の振動部で励振された機械振動によって出力側の第2の振動部は機械振動を励振し、さらに出力側の第2の振動部は励振した当該機械振動を電気信号に変換して出力する。
一般的に、出力側となる第2の振動部において厚み方向に励振された振動は、λ/2で振動する。ここで、第2の振動部での共振周波数をfrとし、厚み方向の平均音速をVとした場合、波長λは、V/frで表される。従って、第2の振動部を共振周波数frが得られる厚さに設計することで、その共振周波数frにおいて圧電薄膜91の上面から出力される電気信号と下面から出力される電気信号とは、理想的には、180度の位相差特性及び同振幅特性を有することとなる。よって、入力端子IN1に入力された単相の電気信号は、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900によって、差動の電気信号に変換され、出力端子OUT1(+)及びOUT2(−)から出力される。
さらに、、第1の下部電極92又は第1の上部電極93に比べ、第2の下部電極94又は第2の上部電極95のx方向の長さを小さくしている。これによって、電極面積が小さくなり、等価回路上、並列容量を構成する制動容量が小さくなる効果が生じる。よって、出力平衡端子のインピーダンスを高くすることができる。
また、図16Aは、他の従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800の構造を示す斜視図である。図16Bは、図16Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800のF−F断面図である。この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800は、第2の上部電極及び第2の下部電極の形状だけが、上述した平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900と異なる構成である。よって、インピーダンス制御方法の原理は、上述した内容と同じであるので説明は省略する。
特開2001−53580号公報 特開2003−92526号公報
図17は、図15A及び図15Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900における理想的な振動モード分布を示す図である。振動モード分布曲線の積分値は、圧電薄膜内における発生電荷量と略等価である。発生電荷を2つの振動部における振動に効率的に利用することで、各振動部の結合係数を大きくすることができ、低損失かつ広帯域な特性を得ることができる。
しかし、この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900では、第2の下部電極94及び第2の上部電極95の面積が、第1の下部電極92及び第1の上部電極93の面積よりも小さいので、第2の振動部における発生電荷量が小さくなる。従って、第1の振動部で発生した電荷を第2の振動部において効率的に利用することができず、損失が増大し、共振帯域が小さくなる。このように、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900では、インピーダンスを大きく変換することができるが、損失が増大し、共振帯域が小さくなるという問題を有していた。
図18は、図16A及び図16Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800における理想的な振動モード分布を示す図である。この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800においては、x方向に伝搬する振動に対して、第1の振動部と第2の振動部との間に不連続面が存在する。この不連続面において、不要モードが発生してしまう。さらに、空洞部が構成される領域の上部において、無電極部の占める割合が上記従来の平衡−不平衡変換型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900よりも大きい、すなわち第2の振動部の電極面積が第1の振動部の電極面積よりも小さいので、第1の振動部での発生電荷を効率的に第2の振動部において利用することができず、発生電荷が損失し、共振帯域が小さくなり、特性を劣化してしまう。このように、平衡−不平衡変換型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800では、インピーダンスを大きく変換することができるが、不要モードが発生し、損失が増大し、共振帯域が小さくなるという問題を有していた。
それ故に、本発明の目的は、入出力振動部において発生電荷を効率良く利用し、特性に優れかつインピーダンス制御を実現する平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを提供することである。
本発明は、薄膜弾性波共振器を用いて、平衡信号と不平衡信号との間の変換を行う平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ、又は平衡信号と平衡信号との間の変換を行う平衡−平衡型に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタは、薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、薄膜弾性波共振器によって構成されかつ第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、第1及び第2の振動部を載置し、第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによってこの2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備える。
第1の振動部は、第1の下部電極と、第1の下部電極に対向して配置された第1の上部電極と、第1の下部電極と第1の上部電極との間に挟まれた圧電薄膜の一部とを含み、第1の下部電極及び第1の上部電極の少なくとも一方が入出力端子として用いられる。第2の振動部は、第2の下部電極と、第2の下部電極とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極と、第3の下部電極の一部と対向して配置された第2の上部電極と、第3の上部電極の一部と対向して配置され、かつ第2の上部電極とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極と、第2及び第3の下部電極と第2及び第3の上部電極との間に挟まれた圧電薄膜の他の一部とを含み、前記第2の下部電極及び前記第2の上部電極が共に入出力端子として用いられる。そして、第1の下部電極の面積が、第2及び第3の下部電極と第2及び第3の下部電極を離間する領域との合計面積と略等しく、第1の上部電極の面積が、第2及び第3の上部電極と第2及び第3の上部電極を離間する領域との合計面積と略等しく、また第2の下部電極の一部と、第2の上部電極の一部とは、対向して配置されていることを特徴とする。
好ましくは、第3の下部電極の面積と第3の上部電極の面積とを略等しくして、第3の下部電極及び第3の上部電極は、第2の振動部における厚み方向の中心軸に対して、回転対称となるように配置する。なお、共振振動確保部は、基板内に形成された空洞部であるか、高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層とを交互に有する音響ミラー層である。
また、本発明は、上述した多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを備えるラダー型フィルタであってもよいし、共用器であってもよいし、通信機器であってもよい。
本発明によれば、第1の振動部を構成する電極の総面積と第2の振動部を構成する電極の総面積とを略等しくするので、入力側の振動部から出力側の振動部へ伝搬される振動の損失を防止することができ、共振帯域を広くすることができる。さらに、第1の振動部と第2の振動部とが対向しているので、不要モードの発生も防止できる。
加えて、第2の下部電極と第2の上部電極とが対向する部分の面積を調整することによって、入出力間のインピーダンスを調整することができる。また、回転対称な配置とすることによって、バランス度を向上させることができる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の構成を示す斜視図 図1Bは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のA−A断面図 図1Cは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のB−B断面図 図2は、第2の振動部の簡略的な等価回路図 図3は、第2の振動部における上部電極及び下部電極の面積比率を変化させたときのインピーダンスの変化例を示すスミスチャート 図4Aは、第1の実施形態に係る平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110の構成を示す斜視図 図4Bは、図4Aの平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110のC−C断面図 図5Aは、第1の実施形態に係る他の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ120の構成を示す斜視図 図5Bは、図5Aの平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ120のD−D断面図 図6Aは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100に音響ミラー層112を用いた場合のA−A断面図 図6Bは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100に音響ミラー層112を用いた場合のB−B断面図 図7Aは、本発明の第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200の構成を示す断面図 図7Bは、本発明の第2の実施形態に係る平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ210の構成を示す断面図 図8Aは、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号 図8Bは、本発明の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号 図9Aは、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ300の回路図 図9Bは、本発明の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ310の回路図 図10は、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた通信機器400の構成を示すブロック図 図11は、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた共用器500の構成を示すブロック図 図12は、従来の平衡型MCFの構成を示す図 図13は、従来の平衡型SAWフィルタ600の平衡端子におけるインピーダンスを制御する構成を示す図 図14は、図13における平衡型SAWフィルタの出力平衡端子間の容量等価回路図 図15Aは、従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900の構造を示す斜視図 図15Bは、図15Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900のE−E断面図 図16Aは、従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800の構造を示す斜視図 図16Bは、図16Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800のF−F断面図 図17は、図15A及び図15Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタにおける理想的な振動モード分布を示す図 図18は、図16A及び図16Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタにおける理想的な振動モード分布を示す図
符号の説明
100〜120、200、210、303、401、402、501、502、800、900 多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ
101 圧電薄膜
71〜77、102〜107、122〜125 電極
110 基板
111 空洞部
112 音響ミラー層
300、310 ラダー型フィルタ
301、302 薄膜弾性波共振器
400 通信機器
403 スイッチ回路
404、504 アンテナ
405 送信回路
406 受信回路
500 共用器
503 アイソレーション移相器
600 平衡型SAWフィルタ
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の構成を示す斜視図である。図1Bは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のA−A断面図である。図1Cは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のB−B断面図である。図1A〜図1Cにおいて、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100は、基板110と、空洞部111と、圧電薄膜101と、第1の下部電極102と、第2の下部電極104と、第3の下部電極106と、第1の上部電極103と、第2の上部電極105と、第3の上部電極107とを備える。なお、図1A〜図1Cで示すx、y及びz軸の方向は、以下の説明で用いる各方向に対応している。なお、図1Aでは、構造を理解しやすいように圧電薄膜101を透過させて図示している。
第1〜第3の下部電極102、104及び106と、第1〜第3の上部電極103、105及び107は、例えばモリブデン(Mo)等で形成される。圧電薄膜101は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の圧電体材料で形成される。
まず、第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタの100構造の詳細を説明する。
第1の下部電極102と、第1の上部電極103と、この上下電極に挟まれた圧電薄膜101の一部とによって、第1の振動部が構成される。第2及び第3の上部電極105及び107と、第2及び第3の下部電極104及び106と、この上下電極に挟まれた圧電薄膜101の一部とによって、第2の振動部が構成される。この第1の振動部及び第2の振動部は、x方向に離間した状態で基板110上に並列に載置される。基板101には、振動を閉じ込めるための空洞部111が形成されている。第2の下部電極104と第3の下部電極106と、及び第2の上部電極105と第3の上部電極107とは、それぞれ絶縁領域を介してy方向に離間されている。
第1の下部電極102と第1の上部電極103とは、長さ(y方向)及び幅(x方向)が略同一、すなわち面積が略同一となるように形成される。第2の下部電極104と第2の上部電極105とは、長さ及び幅が略同一、すなわち面積が略同一となるように形成される。第3の下部電極106と第3の上部電極107とは、長さ及び幅が略同一、すなわち面積が略同一となるように形成される。第2の下部電極104と第3の下部電極106とは、y方向に幅W3を有する絶縁領域を介して同一平面上に離間配置される。第2の上部電極105と第3の上部電極107とは、y方向に幅W4を有する絶縁領域を介して同一平面上に離間配置される。第2の下部電極104と第2の上部電極105とは、y方向に幅W1を持たせて配置される。第3の下部電極106と第3の上部電極107とは、y方向に幅W2を持たせて配置される。第2の下部電極104、第3の下部電極106、及び幅W3の絶縁領域の総面積は、第1の下部電極102の面積と略等しい。また、第2の上部電極105、第3の上部電極107、及び幅W4の絶縁領域の総面積は、第1の上部電極103の面積と略等しい。このとき、第2及び第3の下部電極及び上部電極104〜107を、第2の振動部のx方向中心軸に対して回転対称となる位置にそれぞれ配置すれば、バランス性が向上する。
この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の構造には、以下の3つの特徴が存在する。1.第2の下部電極104の一部の領域と、第2の上部電極105の一部の領域とが、圧電薄膜101を挟んで対向して配置されている。(W2−W4>W1)
2.第3の上部電極107の全領域が、圧電薄膜101を挟んで第2の下部電極104の一部と対向して配置されている。(W2>W1)
3.第3の下部電極106の全領域が、圧電薄膜101を挟んで第2の上部電極105の一部と対向して配置されている。(W2−W4>W1−W3)
上記構造により、第1及び第2の振動部は、入力側となる振動部は、入力する電気信号から機械振動を励振して出力側の振動部へ伝搬し、出力側の振動部は、励振した機械振動を電気信号に変換して出力することができる。すなわち、インピーダンス制御を実現することが可能となる。空洞部111は、第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、これらの振動を結合するための共通振動結合部として機能する。
次に、第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の動作を説明する。この例では、第1の上部電極103が入力端子INであり、第1の下部電極102が接地端子GNDであるとする。なお、入力端子INと接地端子GNDとは、逆であっても構わない。また、第3の下部電極106及び第3の上部電極107は、接地されているものとする。
まず、第1の上部電極103に不平衡信号(単相信号)が入力されて第1の上部電極103と第1の下部電極103との間に電圧が印加されると、振動が励振されて横方向(x方向)に複数の共振周波数で共振する複数のモードが発生する。このとき、第1の振動部は、1次のモードと2次のモードとを結合させることが好ましく、それにより広帯域なフィルタ特性を実現することができる。
一般に、出力側となる第2の振動部において、横方向振動により励振された厚み方向(z方向)の振動は、理想的にはλ/2で振動する。ここで、第2の振動部での共振周波数をfrとし、厚み方向の平均音速をVとした場合、波長λは、V/frで表される。従って、第2の振動部を共振周波数frが得られる厚さに設計することで、その共振周波数frにおいて、第2の振動部の第2の下部電極104と第2の上部電極105とにおいて、逆相の信号を取り出すことができる。これにより、第2の下部電極104及び第2の上部電極105から出力される信号は、位相差180度及び振幅差0の平衡特性を備えた平衡信号(差動信号)になる。
図1A〜図1Cで例示したように、第1の上部電極103の入力端子INから単相の電気信号が入力され、第1の下部電極102がGNDが接続されている場合には、第2の上部電極105に接続された端子OUT1(+)及び第2の下部電極104に接続された端子OUT2(−)から、差動の電気信号が出力される。
図2は、第2の振動部の簡略的な等価回路図である。ここで、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対向することによって構成される制動容量をC1とし、第2の下部電極104と第3の上部電極107とが対向することによって構成される制動容量をC2とし、第2の上部電極105と第3の下部電極106とが対向することによって構成される制動容量をC3とする。
図2に示すように、2つの出力平衡端子OUT1(+)(第2の上部電極105)と出力平衡端子OUT2(−)(第2の下部電極104)との間には、制動容量C1が直列に接続される。さらに、制動容量C2及びC3の直列回路が、制動容量C1に対して並列に接続される。また、制動容量C2と制動容量C3との間には、GNDが接続される。
このとき、出力平衡端子OUT1(+)及びOUT2(−)から見た総容量Coutは、(C1・C2+C2・C3+C3・C1)/(C2+C3)で求められる。出力平衡端子OUT1(+)及びOUT2(−)から見たインピーダンスは、Coutと反比例の関係にある。また、それぞれの制動容量C1〜C3は、対向する電極の面積と比例の関係にある。すなわち、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対応する面積、第2の下部電極104と第3の上部電極107とが対向する面積、及び第2の上部電極105と第3の下部電極106と対向する面積について、3つの面積の比を調整することによって、インピーダンスを調整することができる。
ここで、第1の下部電極102と第1の上部電極103と間の制動容量をC0としたとき、第2の振動部の総容量Coutは、第3の下部電極106及び第3の下部電極107が存在せず、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが全面的に対向している場合には、制動容量C0と等しくなる。また、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対応する領域が存在せず、第2の下部電極104、第3の上部電極107、第3の下部電極106、及び第2の上部電極105の面積が全て第1の振動部の半分となる場合、総容量Coutは1/4×C0となる。
従って、インピーダンスの調整範囲は、入力側である第1の下部電極102と第1の上部電極103との間の制動容量C0から算出される入力振動部のインピーダンスをZinとしたとき、Zin<Z<4Zinとなる。
図3は、出力振動部における上部電極及び下部電極の面積比率を変化させたときのインピーダンスの変化例を示すスミスチャートである。図3において、a1は、第3の下部電極106及び第3の上部電極107が存在せず、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが全面的に対向している場合のインピーダンスである。a2は、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが、互いに長さ1/3の領域で対向している場合のインピーダンスである。a3は、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが、互いに長さ1/5の領域で対向している場合のインピーダンスである。図3に示すように、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対向する領域を小さくしていくと、高いインピーダンスを得ることができる。よって、入力側のインピーダンスと、出力側のインピーダンスとを、大きく変化させることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100によれば、第1の振動部を構成する電極の総面積と第2の振動部を構成する電極の総面積とを略等しくする。これにより、振動部間で伝搬する振動の損失を防止して、入力側の振動部で発生した電荷を出力側の振動部で効率的に利用することができるので、共振帯域を広くすることが可能となる。
また、第1の振動部と第2の振動部とが、形状を略等しくし、かつ対向して配置しているので、不要モードの発生も防止できる。加えて、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対向する面積を調整することによって、容易にインピーダンス制御を実現することができる。
また、第2の振動部に平衡信号(差動信号)を入力し、第1の振動部から不平衡信号(単相信号)を出力する構成としても、同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1の実施形態では、入力端子が1つ及び出力端子が2つの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100を説明した。しかし、同じ構造で入力端子をさらに1つ追加することで、図4A及び図4Bに示すように、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110を構成することもできる。
さらに、この平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110の第1の振動部の電極を、図5A及び図5Bに示す平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ120のように分割することで、入力インピーダンスをさらに変換することも可能である。
なお、上記第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100において、空洞部111の代わりに、図6A及び図6Bに示す低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層とが交互に配置された音響ミラー層112を用いても、同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
図7Aは、本発明の第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200の構成を示す断面図である。図7Aに示す断面図は、図1におけるA−A断面図に相当する。
この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200は、上記第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100に、以下の4つの特徴を加えて構成したものである。
1.第1の振動部と第2の振動部とが、隙間なく隣接して形成される。
2.第1の下部電極102と第2及び第3の下部電極104及び106とが、電気的に絶縁されている。
3.第1の上部電極103と第2及び第3の上部電極105及び107とが、電気的に絶縁されている。
4.第1の振動部の厚み方向(z方向)の共振周波数と、第2の振動部の厚み方向(z方向)の共振周波数とが、略等しい。
上記の特徴1〜3を実現するための条件は、まず、第1の下部電極102の厚みより大きな厚みの第2の絶縁体108を、第2及び第3の下部電極104及び106の下に形成する。ここで、一般的な製造工程では、圧電薄膜101の堆積量は時間で管理されるため、第1の下部電極102の上に堆積される圧電薄膜101の厚みと第2及び第3の下部電極104及び106の上に堆積される圧電薄膜101の厚みとは、等しくなる。よって、通常、第2及び第3の下部電極104及び106の上面と第1の下部電極102の上面との段差分が、圧電薄膜101の表面段差として現れる。次に、第1の上部電極103の厚みを、この圧電薄膜101の表面段差よりも小さくすることである。そして、上記の特徴4を実現するために、例えば、第2及び第3の上部電極105及び107と一致する高さまで、第1の振動部(第1の上部電極103)の上に、第1の絶縁体109を積層する。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200によれば、第1の実施形態の構造において無電極部分で消費されていた発生電荷をなくすことができる。これにより、2つの振動部の間で振動モードを効果的に結合させることができるので、発生電荷を効率良く利用することができ、低損失かつ広帯域な特性を実現することができる。
なお、この第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200に関しても、図7Bに示すように同じ構造で入力端子をさらに1つ追加することで、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ210を構成することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタの応用例について説明する。図8Aは、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号である。図8Bは、本発明の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号である。以下、図8A又は図8Bに示す回路記号を用いて、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表すものとする。
図9Aは、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ300の回路図である。図9Aにおいて、ラダー型フィルタ300は、直列に接続された複数の薄膜弾性波共振器301と、複数の薄膜弾性波共振器301に並列に接続された複数の薄膜弾性波共振器302と、出力の箇所に接続された本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ303とを備える。薄膜弾性波共振器301及び302は、ラダー型に接続されているのであれば、図9Aに示す数に限定されない。また、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ303が接続される箇所も、図9Aの例に限定されない。
なお、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ310の回路図は、図9Bに示す通りである。
このように、薄膜弾性波共振器から構成されるラダー型フィルタに本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器を接続することによって、低損失かつ広帯域で、インピーダンス整合をとり、かつ、平衡−不平衡の変換を行うことができるフィルタを構成することができる。
図10は、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた通信機器400の構成を示すブロック図である。図10において、通信機器400は、送信回路405と、受信回路406と、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ401及び402と、スイッチ回路403と、アンテナ404とを備える。
平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ401は、送信回路405とスイッチ回路403との間に接続されており、送信周波数帯を通過する特性を有し、また当該回路間のインピーダンス整合をとるように電極の大きさが調整されている。平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ401は、送信回路405からの平衡信号を不平衡信号に変換して、スイッチ回路403に入力する。平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ402は、受信回路406とスイッチ回路403との間に接続されており、受信周波数帯を通過する特性を有し、また当該回路間のインピーダンス整合をとるように電極の大きさが調整されている。平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ402は、スイッチ回路403からの不平衡信号を平衡信号に変換して、受信回路406に入力する。スイッチ回路1803は、送信回路1805からの信号をアンテナ1804側に伝搬するか、アンテナ1804からの信号を受信回路1806側に伝搬するかを切り換える。
このように、本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを通信機器に用いることによって、低損失かつ広帯域な特性を有する通信機器を構成することができる。
図11は、本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた共用器500の構成を示すブロック図である。図11において、共用器500は、送信回路側に接続された本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ501と、受信回路側に接続された本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ502と、アイソレーション移相器503とを備える。
図11に示す構成により、平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ501は、送信周波数帯の信号のみを通過させると共に、アンテナ504と送信回路との間のインピーダンス整合をとり、送信回路からの平衡信号を不平衡信号に変換して、アンテナ504から出力させる。平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ502は、受信周波数帯の信号のみを通過させると共に、アイソレーション移相器503と受信回路との間のインピーダンス整合をとり、アイソレーション移相器503からの不平衡信号を平衡信号に変換して、受信回路に入力する。これにより、低損失かつ広帯域な共用器を構成することができる。
その他、フィルタ特性又は平衡−不平衡変換特性を必要とする機器であれば、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタは、利用可能である。
本発明に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ、並びにそれを用いたフィルタ、共用器、及び通信機器は、低損失かつ広帯域を実現することができ、無線機器等に有用である。
本発明は、平衡化のために用いられる多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ、並びにそれを備えるラダー型フィルタ、共用機、及び通信機器に関する。
従来、携帯電話等の無線通信機器に搭載されるフィルタには、誘電体フィルタ、積層フィルタ、及び弾性波フィルタ等がある。弾性波フィルタでは、バルク波の複数モードを利用した水晶フィルタ(MCF:モノリシック・クリスタル・フィルタ)や弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)等が知られている。しかし、近年、更なる小型化、高性能化、及び高周波化が要求されており、それを実現するデバイスとして、圧電薄膜のバルク波を利用した薄膜弾性波共振器フィルタ(FBARフィルタ)が開発されている。また、薄膜弾性波共振器フィルタには、複数のモードを多重することによって実現される多重モード薄膜弾性波フィルタも提案されている。
ここで、近年、対雑音特性の良好化を目的としてIC等の半導体部品の平衡化が進み、RF段に使用される薄膜弾性波共振器、又はそれを用いたフィルタにおいても平衡化が求められている。
また、近年では、前段及び後段に配置されるICとのインピーダンス整合の観点から、薄膜弾性波共振器フィルタのインピーダンスを制御することが求められている。
複数モードを利用した従来の平衡型MCF(特許文献1)について説明する。図12は、従来の平衡型MCFの構成を示す図である。
このMCFは、水晶基板71(圧電基板)を挟んで対向する三対の電極72及び76、電極73及び74、並びに電極75及び77を配置している。左側の電極72は、入力電極であり、右側の電極73は、出力電極である。入力電極72とそれに対向する補助電極76とが、それぞれ入力平衡端子711及び713に接続され、出力電極73とそれに対向する補助電極74とが、それぞれ出力平衡端子714及び712に接続される。このMCFは、1次モードの厚み振動と3次モードの厚み振動とを励振することによって、複数モードの高結合を実現、入力平衡端子と出力平衡端子間において、広帯域かつ高減衰な特性を有した平衡型フィルタが実現される。
また、従来の平衡型フィルタのインピーダンス制御方法(特許文献2)について説明する。図13は、従来の平衡型SAWフィルタの平衡端子におけるインピーダンスを制御する構成を示す図である。
このSAWフィルタは、圧電基板601上に周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板601上には、入力IDT電極602a及び602bと、反射器電極603a及び603bと、出力IDT電極604とによって構成される、縦モード型のSAWフィルタが形成される。入力IDT電極602a及び602bの上部電極は、入力端子Sに接続され、入力IDT電極602a及び602bの下部電極は、接地されている。さらに、出力IDT電極604は、第1、第2及び第3の分割IDT電極604a、604b及び604cの3つに分割されており、3つのIDT電極604a〜604cのグループ接続により構成されている。ここで、第1〜第3の分割IDT電極604a〜604cは、それぞれ同相に配置されている。また、第1及び第2の分割IDT電極604a及び604bにおける上部電極605a及び605bは、電気的に接続され、平衡型出力端子の一端T1に接続される。第2及び第3の分割IDT電極604b及び604cにおける下部電極606b及び606cは、電気的に接続され、平衡型出力端子の他端T2に接続される。
ここで、図13における平衡型SAWフィルタの出力平衡端子間の容量等価回路図を図14に示す。容量Ca〜Ccは、それぞれ第1〜第3の分割IDT電極604a〜604cの容量であり、容量Ca〜Ccの合成容量が、出力IDT電極604の総容量Coutとなる。出力IDT電極604に含まれる電極指の対数を変化させることで、総容量値Coutを制御できる。それゆえ、SAWフィルタにおけるインピーダンスはIDT電極の容量が支配的であるので、第1〜第3の分割IDT電極604a〜604cの対数を変えることにより、出力平衡端子間のインピーダンスを制御することができる。
以下、平衡−不平衡変換型入出力端子を有する従来の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタにおけるインピーダンス制御方法について説明する。
図15Aは、従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900の構造を示す斜視図である。図15Bは、図15Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900のE−E断面図である。
この従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900は、基板90上に、第1及び第2の下部電極92及び94と、圧電薄膜91と、第1及び第2の上部電極93及び95とが形成されている。第1の下部電極92と、第1の上部電極93と、両方の電極に挟まれた圧電薄膜91とによって、第1の振動部が構成される。第1の上部電極93を入力端子とし、第1の下部電極92をGND端子としている。また、第2の下部電極94と、第2の上部電極95と、両方の電極に挟まれた圧電薄膜91とによって、第2の振動部が構成される。第2の上部電極95を出力平衡端子(+)とし、第2の下部電極94を出力平衡端子(−)としている。また、基板90内に、第1及び第2の振動部の振動を共通に確保し、当該振動を結合することができる空洞部96が形成されている。これにより、例えば、入力側の第1の振動部で励振された機械振動によって出力側の第2の振動部は機械振動を励振し、さらに出力側の第2の振動部は励振した当該機械振動を電気信号に変換して出力する。
一般的に、出力側となる第2の振動部において厚み方向に励振された振動は、λ/2で振動する。ここで、第2の振動部での共振周波数をfrとし、厚み方向の平均音速をVとした場合、波長λは、V/frで表される。従って、第2の振動部を共振周波数frが得られる厚さに設計することで、その共振周波数frにおいて圧電薄膜91の上面から出力される電気信号と下面から出力される電気信号とは、理想的には、180度の位相差特性及び同振幅特性を有することとなる。よって、入力端子IN1に入力された単相の電気信号は、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900によって、差動の電気信号に変換され、出力端子OUT1(+)及びOUT2(−)から出力される。
さらに、第1の下部電極92又は第1の上部電極93に比べ、第2の下部電極94又は第2の上部電極95のx方向の長さを小さくしている。これによって、電極面積が小さくなり、等価回路上、並列容量を構成する制動容量が小さくなる効果が生じる。よって、出力平衡端子のインピーダンスを高くすることができる。
また、図16Aは、他の従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800の構造を示す斜視図である。図16Bは、図16Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800のF−F断面図である。この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800は、第2の上部電極及び第2の下部電極の形状だけが、上述した平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900と異なる構成である。よって、インピーダンス制御方法の原理は、上述した内容と同じであるので説明は省略する。
特開2001−53580号公報 特開2003−92526号公報
図17は、図15A及び図15Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900における理想的な振動モード分布を示す図である。振動モード分布曲線の積分値は、圧電薄膜91内における発生電荷量と略等価である。発生電荷を2つの振動部における振動に効率的に利用することで、各振動部の結合係数を大きくすることができ、低損失かつ広帯域な特性を得ることができる。
しかし、この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900では、第2の下部電極94及び第2の上部電極95の面積が、第1の下部電極92及び第1の上部電極93の面積よりも小さいので、第2の振動部における発生電荷量が小さくなる。従って、第1の振動部で発生した電荷を第2の振動部において効率的に利用することができず、損失が増大し、共振帯域が小さくなる。このように、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900では、インピーダンスを大きく変換することができるが、損失が増大し、共振帯域が小さくなるという問題を有していた。
図18は、図16A及び図16Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800における理想的な振動モード分布を示す図である。この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800においては、x方向に伝搬する振動に対して、第1の振動部と第2の振動部との間に不連続面が存在する。この不連続面において、不要モードが発生してしまう。さらに、空洞部が構成される領域の上部において、無電極部の占める割合が上記従来の平衡−不平衡変換型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900よりも大きい、すなわち第2の振動部の電極面積が第1の振動部の電極面積よりも小さいので、第1の振動部での発生電荷を効率的に第2の振動部において利用することができず、発生電荷が損失し、共振帯域が小さくなり、特性を劣化してしまう。このように、平衡−不平衡変換型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800では、インピーダンスを大きく変換することができるが、不要モードが発生し、損失が増大し、共振帯域が小さくなるという問題を有していた。
それ故に、本発明の目的は、入出力振動部において発生電荷を効率良く利用し、特性に優れかつインピーダンス制御を実現する平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを提供することである。
本発明は、薄膜弾性波共振器を用いて、平衡信号と不平衡信号との間の変換を行う平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ、又は平衡信号と平衡信号との間の変換を行う平衡−平衡型に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタは、薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、薄膜弾性波共振器によって構成されかつ第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、第1及び第2の振動部を載置し、第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによってこの2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備える。
第1の振動部は、第1の下部電極と、第1の下部電極に対向して配置された第1の上部電極と、第1の下部電極と第1の上部電極との間に挟まれた圧電薄膜の一部とを含み、第1の下部電極及び第1の上部電極の少なくとも一方が入出力端子として用いられる。第2の振動部は、第2の下部電極と、第2の下部電極とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極と、第3の下部電極の一部と対向して配置された第2の上部電極と、第2下部電極の一部と対向して配置され、かつ第2の上部電極とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極と、第2及び第3の下部電極と第2及び第3の上部電極との間に挟まれた圧電薄膜の他の一部とを含み、前記第2の下部電極及び前記第2の上部電極が共に入出力端子として用いられる。そして、第1の下部電極の面積が、第2及び第3の下部電極と第2及び第3の下部電極を離間する領域との合計面積と略等しく、第1の上部電極の面積が、第2及び第3の上部電極と第2及び第3の上部電極を離間する領域との合計面積と略等しく、また第2の下部電極の一部と、第2の上部電極の一部とは、対向して配置されていることを特徴とする。
好ましくは、第3の下部電極の面積と第3の上部電極の面積とを略等しくして、第3の下部電極及び第3の上部電極は、第2の振動部における厚み方向の中心軸に対して、回転対称となるように配置する。なお、共通振動確保部は、基板内に形成された空洞部であるか、高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層とを交互に有する音響ミラー層である。
また、本発明は、上述した多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを備えるラダー型フィルタであってもよいし、共用器であってもよいし、通信機器であってもよい。
本発明によれば、第1の振動部を構成する電極の総面積と第2の振動部を構成する電極の総面積とを略等しくするので、入力側の振動部から出力側の振動部へ伝搬される振動の損失を防止することができ、共振帯域を広くすることができる。さらに、第1の振動部と第2の振動部とが対向しているので、不要モードの発生も防止できる。加えて、第2の下部電極と第2の上部電極とが対向する部分の面積を調整することによって、入出力間のインピーダンスを調整することができる。また、回転対称な配置とすることによって、バランス度を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の構成を示す斜視図である。図1Bは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のA−A断面図である。図1Cは、図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のB−B断面図である。図1A〜図1Cにおいて、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100は、基板113と、空洞部111と、圧電薄膜101と、第1の下部電極102と、第2の下部電極104と、第3の下部電極106と、第1の上部電極103と、第2の上部電極105と、第3の上部電極107とを備える。なお、図1A〜図1Cで示すx、y及びz軸の方向は、以下の説明で用いる各方向に対応している。なお、図1Aでは、構造を理解しやすいように圧電薄膜101を透過させて図示している。
第1〜第3の下部電極102、104及び106と、第1〜第3の上部電極103、105及び107は、例えばモリブデン(Mo)等で形成される。圧電薄膜101は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の圧電体材料で形成される。
まず、第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタの100構造の詳細を説明する。
第1の下部電極102と、第1の上部電極103と、この上下電極に挟まれた圧電薄膜101の一部とによって、第1の振動部が構成される。第2及び第3の上部電極105及び107と、第2及び第3の下部電極104及び106と、この上下電極に挟まれた圧電薄膜101の一部とによって、第2の振動部が構成される。この第1の振動部及び第2の振動部は、x方向に離間した状態で基板113上に並列に載置される。基板113には、振動を閉じ込めるための空洞部111が形成されている。第2の下部電極104と第3の下部電極106と、及び第2の上部電極105と第3の上部電極107とは、それぞれ絶縁領域を介してy方向に離間されている。
第1の下部電極102と第1の上部電極103とは、長さ(方向)及び幅(方向)が略同一、すなわち面積が略同一となるように形成される。第2の下部電極104と第2の上部電極105とは、長さ及び幅が略同一、すなわち面積が略同一となるように形成される。第3の下部電極106と第3の上部電極107とは、長さ及び幅が略同一、すなわち面積が略同一となるように形成される。第2の下部電極104と第3の下部電極106とは、y方向に幅W3を有する絶縁領域を介して同一平面上に離間配置される。第2の上部電極105と第3の上部電極107とは、y方向に幅W4を有する絶縁領域を介して同一平面上に離間配置される。第2の下部電極104と第2の上部電極105とは、y方向に幅W1を持たせて配置される。第3の下部電極106と第3の上部電極107とは、y方向に幅W2を持たせて配置される。第2の下部電極104、第3の下部電極106、及び幅W3の絶縁領域の総面積は、第1の下部電極102の面積と略等しい。また、第2の上部電極105、第3の上部電極107、及び幅W4の絶縁領域の総面積は、第1の上部電極103の面積と略等しい。このとき、第2及び第3の下部電極及び上部電極104〜107を、第2の振動部のx方向中心軸に対して回転対称となる位置にそれぞれ配置すれば、バランス性が向上する。
この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の構造には、以下の3つの特徴が存在する
.第2の下部電極104の一部の領域と、第2の上部電極105の一部の領域とが、圧電薄膜101を挟んで対向して配置されている。(W2−W4>W1)
2.第3の上部電極107の全領域が、圧電薄膜101を挟んで第2の下部電極104の一部と対向して配置されている。(W2>W1)
3.第3の下部電極106の全領域が、圧電薄膜101を挟んで第2の上部電極105の一部と対向して配置されている。(W2−W4>W1−W3)
上記構造により、第1及び第2の振動部は、入力側となる振動部は、入力する電気信号から機械振動を励振して出力側の振動部へ伝搬し、出力側の振動部は、励振した機械振動を電気信号に変換して出力することができる。すなわち、インピーダンス制御を実現することが可能となる。空洞部111は、第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、これらの振動を結合するための共通振動結合部として機能する。
次に、第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の動作を説明する。この例では、第1の上部電極103が入力端子INであり、第1の下部電極102が接地端子GNDであるとする。なお、入力端子INと接地端子GNDとは、逆であっても構わない。また、第3の下部電極106及び第3の上部電極107は、接地されているものとする。
まず、第1の上部電極103に不平衡信号(単相信号)が入力されて第1の上部電極103と第1の下部電極102との間に電圧が印加されると、振動が励振されて横方向(x方向)に複数の共振周波数で共振する複数のモードが発生する。このとき、第1の振動部は、1次のモードと2次のモードとを結合させることが好ましく、それにより広帯域なフィルタ特性を実現することができる。
一般に、出力側となる第2の振動部において、横方向振動により励振された厚み方向(z方向)の振動は、理想的にはλ/2で振動する。ここで、第2の振動部での共振周波数をfrとし、厚み方向の平均音速をVとした場合、波長λは、V/frで表される。従って、第2の振動部を共振周波数frが得られる厚さに設計することで、その共振周波数frにおいて、第2の振動部の第2の下部電極104と第2の上部電極105とにおいて、逆相の信号を取り出すことができる。これにより、第2の下部電極104及び第2の上部電極105から出力される信号は、位相差180度及び振幅差0の平衡特性を備えた平衡信号(差動信号)になる。
図1A〜図1Cで例示したように、第1の上部電極103の入力端子INから単相の電気信号が入力され、第1の下部電極102がGNDが接続されている場合には、第2の上部電極105に接続された端子OUT1(+)及び第2の下部電極104に接続された端子OUT2(−)から、差動の電気信号が出力される。
図2は、第2の振動部の簡略的な等価回路図である。ここで、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対向することによって構成される制動容量をC1とし、第2の下部電極104と第3の上部電極107とが対向することによって構成される制動容量をC2とし、第2の上部電極105と第3の下部電極106とが対向することによって構成される制動容量をC3とする。
図2に示すように、2つの出力平衡端子OUT1(+)(第2の上部電極105)と出力平衡端子OUT2(−)(第2の下部電極104)との間には、制動容量C1が直列に接続される。さらに、制動容量C2及びC3の直列回路が、制動容量C1に対して並列に接続される。また、制動容量C2と制動容量C3との間には、GNDが接続される。
このとき、出力平衡端子OUT1(+)及びOUT2(−)から見た総容量Coutは、(C1・C2+C2・C3+C3・C1)/(C2+C3)で求められる。出力平衡端子OUT1(+)及びOUT2(−)から見たインピーダンスは、総容量Coutと反比例の関係にある。また、それぞれの制動容量C1〜C3は、対向する電極の面積と比例の関係にある。すなわち、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対応する面積、第2の下部電極104と第3の上部電極107とが対向する面積、及び第2の上部電極105と第3の下部電極106と対向する面積について、3つの面積の比を調整することによって、インピーダンスを調整することができる。
ここで、第1の下部電極102と第1の上部電極103と間の制動容量をC0としたとき、第2の振動部の総容量Coutは、第3の下部電極106及び第3の上部電極107が存在せず、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが全面的に対向している場合には、制動容量C0と等しくなる。また、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対応する領域が存在せず、第2の下部電極104、第3の上部電極107、第3の下部電極106、及び第2の上部電極105の面積が全て第1の振動部の半分となる場合、総容量Coutは1/4×C0となる。
従って、インピーダンスの調整範囲は、入力側である第1の下部電極102と第1の上部電極103との間の制動容量C0から算出される入力振動部のインピーダンスをZinとしたとき、Zin<Z<4Zinとなる。
図3は、出力振動部における上部電極及び下部電極の面積比率を変化させたときのインピーダンスの変化例を示すスミスチャートである。図3において、a1は、第3の下部電極106及び第3の上部電極107が存在せず、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが全面的に対向している場合のインピーダンスである。a2は、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが、互いに長さ1/3の領域で対向している場合のインピーダンスである。a3は、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが、互いに長さ1/5の領域で対向している場合のインピーダンスである。図3に示すように、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対向する領域を小さくしていくと、高いインピーダンスを得ることができる。よって、入力側のインピーダンスと、出力側のインピーダンスとを、大きく変化させることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100によれば、第1の振動部を構成する電極の総面積と第2の振動部を構成する電極の総面積とを略等しくする。これにより、振動部間で伝搬する振動の損失を防止して、入力側の振動部で発生した電荷を出力側の振動部で効率的に利用することができるので、共振帯域を広くすることが可能となる。
また、第1の振動部と第2の振動部とが、形状を略等しくし、かつ対向して配置しているので、不要モードの発生も防止できる。加えて、第2の下部電極104と第2の上部電極105とが対向する面積を調整することによって、容易にインピーダンス制御を実現することができる。
また、第2の振動部に平衡信号(差動信号)を入力し、第1の振動部から不平衡信号(単相信号)を出力する構成としても、同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1の実施形態では、入力端子が1つ及び出力端子が2つの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100を説明した。しかし、同じ構造で入力端子をさらに1つ追加することで、図4A及び図4Bに示すように、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110を構成することもできる。
さらに、この平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110の第1の振動部の電極を、図5A及び図5Bに示す平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ120のように分割することで、入力インピーダンスをさらに変換することも可能である。
なお、上記第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100において、空洞部111の代わりに、図6A及び図6Bに示す低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層とが交互に配置された音響ミラー層112を用いても、同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
図7Aは、本発明の第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200の構成を示す断面図である。図7Aに示す断面図は、図1BにおけるA−A断面図に相当する。
この平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200は、上記第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100に、以下の4つの特徴を加えて構成したものである。
1.第1の振動部と第2の振動部とが、隙間なく隣接して形成される。
2.第1の下部電極102と第2及び第3の下部電極104及び106とが、電気的に絶縁されている。
3.第1の上部電極103と第2及び第3の上部電極105及び107とが、電気的に絶縁されている。
4.第1の振動部の厚み方向(z方向)の共振周波数と、第2の振動部の厚み方向(z方向)の共振周波数とが、略等しい。
上記の特徴1〜3を実現するための条件は、まず、第1の下部電極102の厚みより大きな厚みの第2の絶縁体108を、第2及び第3の下部電極104及び106の下に形成する。ここで、一般的な製造工程では、圧電薄膜101の堆積量は時間で管理されるため、第1の下部電極102の上に堆積される圧電薄膜101の厚みと第2及び第3の下部電極104及び106の上に堆積される圧電薄膜101の厚みとは、等しくなる。よって、通常、第2及び第3の下部電極104及び106の上面と第1の下部電極102の上面との段差分が、圧電薄膜101の表面段差として現れる。次に、第1の上部電極103の厚みを、この圧電薄膜101の表面段差よりも小さくすることである。そして、上記の特徴4を実現するために、例えば、第2及び第3の上部電極105及び107と一致する高さまで、第1の振動部(第1の上部電極103)の上に、第1の絶縁体109を積層する。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200によれば、第1の実施形態の構造において無電極部分で消費されていた発生電荷をなくすことができる。これにより、2つの振動部の間で振動モードを効果的に結合させることができるので、発生電荷を効率良く利用することができ、低損失かつ広帯域な特性を実現することができる。
なお、この第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200に関しても、図7Bに示すように同じ構造で入力端子をさらに1つ追加することで、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ210を構成することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタの応用例について説明する。図8Aは、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号である。図8Bは、本発明の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号である。以下、図8A又は図8Bに示す回路記号を用いて、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表すものとする。
図9Aは、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ300の回路図である。図9Aにおいて、ラダー型フィルタ300は、直列に接続された複数の薄膜弾性波共振器301と、複数の薄膜弾性波共振器301に並列に接続された複数の薄膜弾性波共振器302と、出力の箇所に接続された本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ303とを備える。薄膜弾性波共振器301及び302は、ラダー型に接続されているのであれば、図9Aに示す数に限定されない。また、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ303が接続される箇所も、図9Aの例に限定されない。
なお、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ310の回路図は、図9Bに示す通りである。
このように、薄膜弾性波共振器から構成されるラダー型フィルタに本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器を接続することによって、低損失かつ広帯域で、インピーダンス整合をとり、かつ、平衡―不平衡の変換を行うことができるフィルタを構成することができる。
図10は、本発明の多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた通信機器400の構成を示すブロック図である。図10において、通信機器400は、送信回路405と、受信回路406と、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ401及び402と、スイッチ回路403と、アンテナ404とを備える。
平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ401は、送信回路405とスイッチ回路403との間に接続されており、送信周波数帯を通過する特性を有し、また当該回路間のインピーダンス整合をとるように電極の大きさが調整されている。平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ401は、送信回路405からの平衡信号を不平衡信号に変換して、スイッチ回路403に入力する。平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ402は、受信回路406とスイッチ回路403との間に接続されており、受信周波数帯を通過する特性を有し、また当該回路間のインピーダンス整合をとるように電極の大きさが調整されている。平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ402は、スイッチ回路403からの不平衡信号を平衡信号に変換して、受信回路406に入力する。スイッチ回路403は、送信回路405からの信号をアンテナ404側に伝搬するか、アンテナ404からの信号を受信回路406側に伝搬するかを切り換える。
このように、本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを通信機器に用いることによって、低損失かつ広帯域な特性を有する通信機器を構成することができる。
図11は、本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた共用器500の構成を示すブロック図である。図11において、共用器500は、送信回路側に接続された本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ501と、受信回路側に接続された本発明の平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ502と、アイソレーション移相器503とを備える。
図11に示す構成により、平衡−不平衡多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ501は、送信周波数帯の信号のみを通過させると共に、アンテナ504と送信回路との間のインピーダンス整合をとり、送信回路からの平衡信号を不平衡信号に変換して、アンテナ504から出力させる。平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ502は、受信周波数帯の信号のみを通過させると共に、アイソレーション移相器503と受信回路との間のインピーダンス整合をとり、アイソレーション移相器503からの不平衡信号を平衡信号に変換して、受信回路に入力する。これにより、低損失かつ広帯域な共用器を構成することができる。
その他、フィルタ特性又は平衡−不平衡変換特性を必要とする機器であれば、本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタは、利用可能である。
本発明に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ、並びにそれを用いたフィルタ、共用器、及び通信機器は、低損失かつ広帯域を実現することができ、無線機器等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100の構成を示す斜視図 図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のA−A断面図 図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100のB−B断面図 第2の振動部の簡略的な等価回路図 第2の振動部における上部電極及び下部電極の面積比率を変化させたときのインピーダンスの変化例を示すスミスチャート 第1の実施形態に係る平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110の構成を示す斜視図 図4Aの平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ110のC−C断面図 第1の実施形態に係る他の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ120の構成を示す斜視図 図5Aの平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ120のD−D断面図 図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100に音響ミラー層112を用いた場合のA−A断面図 図1Aの平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ100に音響ミラー層112を用いた場合のB−B断面図 本発明の第2の実施形態に係る平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ200の構成を示す断面図 本発明の第2の実施形態に係る平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ210の構成を示す断面図 本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号 本発明の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを表す回路記号 本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ300の回路図 本発明の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いたラダー型フィルタ310の回路図 本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた通信機器400の構成を示すブロック図 本発明の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタを用いた共用器500の構成を示すブロック図 従来の平衡型MCFの構成を示す図 従来の平衡型SAWフィルタ600の平衡端子におけるインピーダンスを制御する構成を示す図 図13における平衡型SAWフィルタの出力平衡端子間の容量等価回路図 従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900の構造を示す斜視図 図15Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ900のE−E断面図 従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800の構造を示す斜視図 図16Aの従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ800のF−F断面図 図15A及び図15Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタにおける理想的な振動モード分布を示す図 図16A及び図16Bに示した従来の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタにおける理想的な振動モード分布を示す図
符号の説明
100〜120、200、210、303、401、402、501、502、800、900 多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ
101 圧電薄膜
71〜77、102〜107、122〜125 電極
110 基板
111 空洞部
112 音響ミラー層
300、310 ラダー型フィルタ
301、302 薄膜弾性波共振器
400 通信機器
403 スイッチ回路
404、504 アンテナ
405 送信回路
406 受信回路
500 共用器
503 アイソレーション移相器
600 平衡型SAWフィルタ

Claims (11)

  1. 薄膜弾性波共振器を用いて、平衡信号と不平衡信号との間の変換を行う平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(100)であって、
    薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、
    薄膜弾性波共振器によって構成されており、前記第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、
    前記第1及び第2の振動部を載置し、前記第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、当該2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備え、
    前記第1の振動部は、
    第1の下部電極(102)と、
    前記第1の下部電極(102)に対向して配置された第1の上部電極(103)と、
    前記第1の下部電極(102)と前記第1の上部電極(103)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の一部とを含み、
    前記第1の下部電極(102)又は前記第1の上部電極(103)が入出力端子として用いられ、
    前記第2の振動部は、
    第2の下部電極(104)と、
    前記第2の下部電極(104)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極(106)と、
    前記第3の下部電極(106)の一部と対向して配置された第2の上部電極(105)と、
    前記第2の下部電極(104)の一部と対向して配置され、かつ前記第2の上部電極(105)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極(107)と、
    前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)との間に挟まれた前記圧電薄膜(101)の他の一部とを含み、
    前記第2の下部電極(104)及び前記第2の上部電極(105)が共に入出力端子として用いられ、
    前記第1の下部電極(102)の面積が、前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の下部電極(104,106)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第1の上部電極(103)の面積が、前記第2及び第3の上部電極(105,107)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第2の下部電極(104)の一部と、前記第2の上部電極(105)の一部とは、対向して配置されていることを特徴とする、平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  2. 前記第3の下部電極(106)の面積と、前記第3の上部電極(107)の面積とは、略等しく、
    前記第3の下部電極(106)及び前記第3の上部電極(107)は、前記第2の振動部における厚み方向の中心軸に対して、回転対称となるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  3. 前記共振振動確保部は、基板内に形成された空洞部(111)であることを特徴とする、請求項1に記載の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  4. 前記共振振動確保部は、高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層とを交互に有する音響ミラー層(112)であることを特徴とする、請求項1に記載の平衡−不平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  5. 薄膜弾性波共振器を用いて、平衡信号と平衡信号との間の変換を行う平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(110)であって、
    薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、
    薄膜弾性波共振器によって構成されており、前記第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、
    前記第1及び第2の振動部を載置し、前記第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、当該2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備え、
    前記第1の振動部は、
    第1の下部電極(102)と、
    前記第1の下部電極(102)に対向して配置された第1の上部電極(103)と、
    前記第1の下部電極(102)と前記第1の上部電極(103)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の一部とを含み、
    前記第1の下部電極(102)及び前記第1の上部電極(103)が共に入出力端子として用いられ、
    前記第2の振動部は、
    第2の下部電極(104)と、
    前記第2の下部電極(104)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極(106)と、
    前記第3の下部電極(106)の一部と対向して配置された第2の上部電極(105)と、
    前記第2の下部電極(104)の一部と対向して配置され、かつ前記第2の上部電極(105)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極(107)と、
    前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)との間に挟まれた前記圧電薄膜(101)の他の一部とを含み、
    前記第2の下部電極(104)及び前記第2の上部電極(105)が共に入出力端子として用いられ、
    前記第1の下部電極(102)の面積が、前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の下部電極(104,106)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第1の上部電極(103)の面積が、前記第2及び第3の上部電極(105,107)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第2の下部電極(104)の一部と、前記第2の上部電極(105)の一部とは、対向して配置されていることを特徴とする、平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  6. 前記第3の下部電極(106)の面積と、前記第3の上部電極(107)の面積とは、略等しく、
    前記第3の下部電極(106)及び前記第3の上部電極(107)は、前記第2の振動部における厚み方向の中心軸に対して、回転対称となるように配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  7. 前記共振振動確保部は、基板内に形成された空洞部(111)であることを特徴とする、請求項5に記載の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  8. 前記共振振動確保部は、高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層とを交互に有する音響ミラー層(112)であることを特徴とする、請求項5に記載の平衡−平衡型多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ。
  9. 多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(303)を備えるラダー型フィルタ(300)であって、
    前記多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(303)は、
    薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、
    薄膜弾性波共振器によって構成されており、前記第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、
    前記第1及び第2の振動部を載置し、前記第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、当該2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備え、
    前記第1の振動部は、
    第1の下部電極(102)と、
    前記第1の下部電極(102)に対向して配置された第1の上部電極(103)と、
    前記第1の下部電極(102)と前記第1の上部電極(103)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の一部とを含み、
    前記第1の下部電極(102)及び前記第1の上部電極(103)の少なくとも一方が入出力端子として用いられ、
    前記第2の振動部は、
    第2の下部電極(104)と、
    前記第2の下部電極(104)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極(106)と、
    前記第3の下部電極(106)の一部と対向して配置された第2の上部電極(105)と、
    前記第2の上部電極(104)の一部と対向して配置され、かつ前記第2の上部電極(105)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極(107)と、
    前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の他の一部とを含み、
    前記第2の下部電極(104)及び前記第2の上部電極(105)が共に入出力端子として用いられ、
    前記第1の下部電極(102)の面積が、前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の下部電極(104,106)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第1の上部電極(103)の面積が、前記第2及び第3の上部電極(105,107)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)を離間する領域との合計面積と略等しく、前記第2の下部電極(104)の一部と、前記第2の上部電極(105)の一部とは、対向して配置されていることを特徴とする、ラダー型フィルタ。
  10. 多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(501,502)を備える共用器(500)であって、
    前記多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(501,502)は、
    薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、
    薄膜弾性波共振器によって構成されており、前記第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、
    前記第1及び第2の振動部を載置し、前記第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、当該2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備え、
    前記第1の振動部は、
    第1の下部電極(102)と、
    前記第1の下部電極(102)に対向して配置された第1の上部電極(103)と、
    前記第1の下部電極(102)と前記第1の上部電極(103)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の一部とを含み、
    前記第1の下部電極(102)及び前記第1の上部電極(103)の少なくとも一方が入出力端子として用いられ、
    前記第2の振動部は、
    第2の下部電極(104)と、
    前記第2の下部電極(104)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極(106)と、
    前記第3の下部電極(106)の一部と対向して配置された第2の上部電極(105)と、
    前記第2の上部電極(104)の一部と対向して配置され、かつ前記第2の上部電極(105)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極(107)と、
    前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の他の一部とを含み、
    前記第2の下部電極(104)及び前記第2の上部電極(105)が共に入出力端子として用いられ、
    前記第1の下部電極(102)の面積が、前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の下部電極(104,106)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第1の上部電極(103)の面積が、前記第2及び第3の上部電極(105,107)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)を離間する領域との合計面積と略等しく、前記第2の下部電極(104)の一部と、前記第2の上部電極(105)の一部とは、対向して配ることを特徴とする、共用器。
  11. 多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(401,402)を備える通信機器(400)であって、
    前記多重モード薄膜弾性波共振器フィルタ(401,402)は、
    薄膜弾性波共振器によって構成される第1の振動部と、
    薄膜弾性波共振器によって構成されており、前記第1の振動部と並列に配置される第2の振動部と、
    前記第1及び第2の振動部を載置し、前記第1及び第2の振動部の振動を共通に確保することによって、当該2つの振動を結合するための共通振動確保部とを備え、
    前記第1の振動部は、
    第1の下部電極(102)と、
    前記第1の下部電極(102)に対向して配置された第1の上部電極(103)と、
    前記第1の下部電極(102)と前記第1の上部電極(103)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の一部とを含み、
    前記第1の下部電極(102)及び前記第1の上部電極(103)の少なくとも一方が入出力端子として用いられ、
    前記第2の振動部は、
    第2の下部電極(104)と、
    前記第2の下部電極(104)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の下部電極(106)と、
    前記第3の下部電極(106)の一部と対向して配置された第2の上部電極(105)と、
    前記第2の上部電極(104)の一部と対向して配置され、かつ前記第2の上部電極(105)とは絶縁領域によって離間して配置された第3の上部電極(107)と、
    前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)との間に挟まれた圧電薄膜(101)の他の一部とを含み、
    前記第2の下部電極(104)及び前記第2の上部電極(105)が共に入出力端子として用いられ、
    前記第1の下部電極(102)の面積が、前記第2及び第3の下部電極(104,106)と前記第2及び第3の下部電極(104,106)を離間する領域との合計面積と略等しく、
    前記第1の上部電極(103)の面積が、前記第2及び第3の上部電極(105,107)と前記第2及び第3の上部電極(105,107)を離間する領域との合計面積と略等しく、前記第2の下部電極(104)の一部と、前記第2の上部電極(105)の一部とは、対向して配ることを特徴とする、通信機器。
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