JP6915076B2 - 複合基板、およびそれを用いた弾性波素子 - Google Patents

複合基板、およびそれを用いた弾性波素子 Download PDF

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Description

本開示は、複合基板おびそれを用いた弾性波素子に関する。
従来、電気特性を改善することを目的として、支持基板と圧電基板とを貼り合わせた複合基板に電極を設けて弾性波素子を作製することが知られている。ここで、弾性波素子は、例えば、携帯電話などの通信機器におけるバンドパスフィルタとして使用されている。また、特開2006−319679号公報には、圧電基板としてニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム(以下、LTということがある。)、支持基板としてシリコン(Si)や石英、セラミックスなどを用いた複合基板が知られている。
しかしながら、近年、移動体通信に用いられる携帯端末装置は小型化、軽量化が進むとともに、高い通話品質を実現することが求められている。このため、さらに高い電気特性を備える弾性波素子が求められている。例えば、入出力信号の隣接チャネルへの漏洩を低減するために、通過帯域外の特定周波数帯における減衰特性が優れた弾性波素子が求められている。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、電気特性の優れた弾性波素子を提供するための複合基板、およびそれを用いた弾性波素子を提供することにある。
本開示の複合基板は、タンタル酸リチウム(LT)基板からなる第1基板と、前記第1基板に接合されたシリコン単結晶からなる第2基板とを備えている。第1基板は、オイラー角が(0°,α,γ)である。第2基板は、オイラー角が(−45°,−54.7°,β)である。そして、αが−40°〜−60°もしくは、120°〜140°であり、γが0°もしくは180°であるとともに、以下のいずれかを満たしている。(1)β=γ±20°以内およびその等価な方位である、(2)γ+160°≦β≦γ+200°。
本開示の複合基板は、タンタル酸リチウム(LT)基板からなる第1基板と、前記第1基板に接合されたシリコン単結晶からなる第2基板とを備えている。第1基板は、オイラー角が(0°,α,γ)である。第2基板は、オイラー角が(−45°,−54.7°,β)である。そして、αが−40°〜−60°もしくは、120°〜140°であり、γが0°もしくは180°であるとともに、以下のいずれかを満たしている。(1)β=0°±20°以内およびその等価な方位である、(2)β=60°±20°以内およびその等価な方位である。
本開示の弾性波素子は、上述の複合基板と、前記複合基板の前記第1基板の上面に形成されたIDT電極と、を備えている。
上記の複合基板によれば、電気特性の優れた弾性波素子を提供することができる。
図1(a)は、本開示にかかる複合基板の上面図であり、図1(b)は図1(a)の部分破断斜視図である。 本開示にかかる弾性表面波素子の説明図である。 図3(a)は弾性波素子の周波数特性を示す線図であり、図3(b)は図3(a)の要部拡大図である。 図4(a)は弾性波素子の周波数特性を示す線図であり、図4(b)は図4(a)の要部拡大図である。 図5(a),図5(b)はそれぞれ、シリコン結晶のオイラー角を変化させたときの弾性波素子の特性を示す計算結果である。 第1基板と第2基板とのオイラー角の組み合わせと弾性波素子の特性との関係を纏めた図である。 変形例に係る弾性波素子のスプリアス強度と容量部の配列方向との関係を示す線図である。 変形例に係る弾性波素子のスプリアス強度とシリコン結晶のオイラー角との関係を示す線図である。
以下、本開示の複合基板、弾性波素子の一例について図面を用いて詳細に説明する。
(複合基板)
本実施形態の複合基板1は、図1に示すように、いわゆる貼り合せ基板であり、第1基板10と、第1基板10に接合された第2基板20とで構成される。ここで、図1(a)は複合基板1の上面図を示し、図1(b)は複合基板1の一部を破断した斜視図を示す。
第1基板10は、LT(LiTaO)結晶からなる圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。そして、第1基板10のオイラー角(φ,θ,ψ)を(0°,α,γ)とすると、α=−40°〜−60°、もしくは、120°〜140°である。これは、30°〜50°のYカットもしくは30°〜50°のYカットの裏面のいずれかと等価となっている。そして、γは0°もしくは180°としている。
第1基板10の厚みは、一定であり、弾性波素子が適用される技術分野や弾性波素子に要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。具体的には、第1基板10の厚さは、0.3μm〜25μmとしてもよいし、さらに薄くしてもよい。後述のIDT電極31の電極指32の繰り返し間隔(ピッチ)の2倍で定義されるλの1倍以上20倍以下の厚みとしてもよい。特に2λ以下とする場合には、弾性波を第1基板10内に低ロス化することができる。また、0.1λ〜0.5λとしてもよい。この場合には、IDT電極31により励振される弾性波の共振周波数を高周波数化することができる。第1基板10の平面形状および各種寸法も適宜に設定されてよい。
第2基板20は、Si単結晶からなる。Si単結晶は、第1基板10を支持する強度を備えているので、信頼性の高い複合基板1を提供することができる。さらに、Si単結晶は、第1基板10の材料よりも熱膨張係数が小さい。この場合には、温度変化が生じると第1基板10に熱応力が生じ、この際、弾性定数の温度依存性と応力依存性とが打ち消し合い、ひいては、弾性波素子の電気特性の温度変化が補償される。第2基板20のオイラー角(φ,θ,ψ)は、(−45°,−54.7°,β)であり、βの値については後述する。上述のオイラー角はSi単結晶の(111)面に相当する。
第2基板20の厚さは、例えば、一定であり、第1基板10の厚さと同様に適宜に設定されてよい。ただし、第2基板20の厚さは、温度補償が好適に行われるように、第1基板10の厚さを考慮して設定される。一例として、第2基板20の厚みを第1基板10よりも厚くしてもよく、第1基板10の厚さ1〜30μmに対して、第2基板15の厚さは50〜300μmである。第2基板20の平面形状および各種寸法は、第1基板10と同等としてもよい。
第1基板10および第2基板20は、接合面をプラズマやイオンガン,中性子ガンなどで活性化処理した後に接着層を介在させずに貼り合わせる、いわゆる直接接合によって貼り合わされていても良い。言い換えると、第1基板10と第2基板20との接合面は、直接接合が可能な平坦さを備える。一般的に、直接接合が可能な接合面の算術平均粗さは1nm未満である。このような接合面を有する基板同士を接合することで、両基板同士の結晶面同士が接触するものとなり、音響的な境界が明瞭となる。また、直接接合に限定されず、第1基板10と第2基板20との間に不図示の中間層を備えていてもよい。中間層により両者の接合を可能としたり、音響的な特性を調整したりすることができる。中間層としては、SiO、Ta、Si,Si,AlN、TiOを例示できる。これらの中間層は例えば1λ以下の厚みとしてもよい。
(弾性波素子)
そして、複合基板1は、図2に示す通りの複数の区画に区分され、その一区分それぞれが弾性波素子30となる。具体的には、複合基板1を各区画ごとに切り出し個片化して弾性波素子30とする。弾性波素子30は、第1基板10の上面に弾性表面波を励振するIDT電極31が形成されている。IDT電極31は電極指32を複数本有し、その配列方向に沿って弾性波が伝播する。ここで、この配列方向は、第1基板10の圧電結晶のX軸と概ね平行である。
弾性波素子30は、複合基板1を用いることにより、温度変化による周波数特性(電気特性)変化を抑制することができる。一方で、第1基板10が薄く、かつ、第2基板20を貼り合せていることにより、弾性波素子30では、第1基板10の下面においてバルク波が反射してバルク波スプリアスが発生する。このバルク波スプリアスが、複数のIDT電極31を組み合わせてフィルタを構成したときに、他のフィルタの通過帯域の周波数帯等に発生すると、アイソレーション特性が悪化したり、その周波数帯での損失が大きくなったりする虞があった。特に、反共振周波数よりも高周波数側においてロスの小さい共振子を提供することが望まれている。
このような反共振周波数よりも高周波数側のバルク波スプリアスについて、発明者らが鋭意検討を重ねた結果、第1基板10の伝播角度に対する第2基板20の伝播角度を一定の関係にすることで、反共振周波数よりも高周波数における低ロス化を実現し、減衰特性を高めることができることを見出した。なお、第1基板10と第2基板20との「伝播角度を調整する」とは、オイラー角(φ、θ、ψ)のψを変更して回転させることであり、βとγとの関係を調整することであるが、第1基板10に対して第2基板20を回転させるものでもあり、第1基板10の圧電結晶のX軸に対するシリコン結晶の方向を変更することでもある。このため、「伝播角度を調整する」ことを、以後、オイラー角のψ(第1基板10のγ,第2基板20のβ)で標記したり、第1基板10のX軸に対してシリコン結晶がなす角度で示したりすることがある。
(複合基板1の実施形態)
以下、反共振周波数よりも高周波数側のロスを低減できる複合基板1の構成例について説明する。まず、第2基板20として、シリコンの面方位を(111)とし、オリフラの方位を通常の{110}から0°±20°もしくは60°±20°の角度で回転させた方位としたものを用いる。なお、{110}は方位を示すものであり、(110)面と等価の面を総括して表示しているものではない。
ここで、例えば60°回転させたものは、第2基板20の結晶方位をオイラー角で表すと、(−45°、−54.7°、60°)となる。すなわち、β=60°としたものである。また、第1基板10のオリフラは弾性波の伝播方向に直交するように設けられることから、弾性波の伝播方向である圧電結晶のX軸に対してシリコンの結晶の方位{110}の法線が60°傾くように第2基板20を接合することとなる。なお、第1基板10のオリフラは、弾性波の伝播方向(LT基板のX軸方向)と直交する。さらに言い換えると、第1基板10の伝播方向(X軸)に対して、第2基板20のβはSiの[1−10]方向の角度になることと同義である。
さらに言い換えると、第1基板10のγを0°もしくは180°としたときに、第2基板20のβを0°±20°もしくは60°±20°とするものである。
このような複合基板1を用いて弾性波素子30を構成すると、反共振周波数よりも高周波数側のロスを低減できる。以下その効果について検証する。
本開示の複合基板1にIDT電極31を形成した弾性波素子30のモデルについてシミュレーションを行なった。弾性波素子30の基本構成モデルは以下の通りである。
[第1基板10]
材料:42°YカットX伝播LT基板
オイラー角:(0°,−48°,γ)
厚み:2.2μm
[IDT電極31]
材料:Al−Cu合金
(ただし、第1基板10との間には6nmのTiからなる下地層がある。)
厚さ(Al−Cu合金層):420nm
IDT電極31の電極指32:
(本数)無限周期で配置
(ピッチ)2.7μm
(デューティー)0.5
(交差幅)20λ (λ=2×ピッチ)
[IDT電極31を覆う保護層]
材料:SiO
厚さ:15nm
[第2基板20]
材料:シリコン単結晶
厚み:230μm
結晶方位:(111)
本実施形態の弾性波素子30として、第1基板10と第2基板20との伝播角度を変更したモデルを作製してシミュレーションを行なった。具体的には以下の通りである。
実施例1:第1基板10のγ=0°とし、第2基板20のオイラー角(φ、θ、ψ)=(−45、−54.7、β)のβを変更する)
実施例1−1:β=0°
実施例1−2:β=20°
実施例1−3:β=40°
実施例1−4:β=60°
実施例2:第1基板10のγ=180°とし、第2基板20のオイラー角(φ、θ、ψ)=(−45、−54.7、β)のβを変更する)
実施例2−1:β=0°
実施例2−2:β=20°
実施例2−3:β=40°
実施例2−4:β=60°
実施例1,2の位相特性を図3,4に示す。図3,4において、縦軸は位相(単位:deg)を示し、横軸は周波数(単位:MHz)を示す。図3(a),図4(a)は共振周波数、反共振周波数を含む広い周波数範囲の特性を示す図であり、図3(b),図4(b)は図3(a),図4(a)の一部拡大図であり、反共振周波数よりも高周波数側の特性を示すものである。
図3(b)から明らかなように、γ=0°の場合に、β=0±20°とすると、スプリアスの盛り上がりが小さくなるとともに、盛り上がりの立ち上がりを高周波数側にシフトさせることができることが分かる。なお、スプリアスの盛り上がりとは、反共振周波数よりも高周波数側において、位相が―85°よりも大きくなる周波数から始まるものと判断している。
同様に、図4(b)から明らかなように、γ=180°の場合には、β=60°±20°のときに同様の傾向が確認できる。
ここで、シリコン(111)結晶は120°の回転対称性を有することから、β=60°と180°とは等価である。このことから、γ=0°のときにβ=0°とすることと、γ=180°のときにβ=60°とすることは、ともに、γとβとを略一致させることと同義となる。このことから、γとβとを略一致させることで、スプリアスの盛り上がりが小さくなるとともに、盛り上がりの立ち上がりを高周波数側にシフトさせることができることが分かった。γとβとを略一致させることは、言い換えると、β=γ±20°の範囲とするか、これと等価な方位になるように調整することである。
次に、図3(a)から明らかなように、γ=0°の場合に、β=60±20°とすると、スプリアスの強度を小さくすることができることが分かる。同様に図4(a)から明らかなように、γ=180°の場合に、β=0°±20°を満たす場合には、スプリアスの強度を小さくすることができることが分かる。
ここで、シリコン(111)結晶は120°の回転対称性を有することから、β=60°と180°とは等価である。このことから、γ=0°のときにβ=60°とすることと、γ=180°のときにβ=0°とすることは、ともに、γとβとを180°ずらすこと、すなわち、γ=180°+βに略一致させることと同義となる。このことから、γ=180°+βに略一致させることで、スプリアスの絶対強度を小さくすることができることが分かった。γ=180°+βに略一致させることは、言い換えると、γ+160°≦β≦γ+200°の範囲とするか、これと等価な方位になるように調整することである。
ここで、さらに、βを細かく変化させたときの、共振周波数からスプリアスの盛り上がり点までの間隔(Sp−fr)と、スプリアスの最大位相(SP2)とをそれぞれ求め、図5に示した。図5(a)は、γ=0°のときの結果を、図5(b)はγ=180°のときの結果をそれぞれ示している。
図5(a)において、Sp−frの推移の様子を線L11で、Sp2の推移の様子を線L12で示す。同様に図5(b)において、Sp−frの推移の様子を線L21で、Sp2の推移の様子を線L22で示す。
図5からも明らかなように、βが20°を超え40°未満までの領域は、Sp−frは小さくなっていき、Sp2は極大値をとる。以上より、β=21°〜39°とならないようにγとβとの関係を調整して第1基板10と第2基板20とを貼り合わせることで、減衰特性に優れた弾性波素子を実現することができる。
また、L11の0°〜20°、L21の40°〜60°の領域(すなわち、β≒γとなる領域)はSp−frが安定して大きいことが確認される。さらに、いずれも、β=γとなる、L11の0°、L21の60°において、Spも小さくなることが確認された。このことから、β=γ±5°とした場合には、Sp−frが大きく、Sp2を小さくすることができる。
同様に、L12の40°〜60°、L22の0°〜20°の領域(すなわち、γ≒180°+βとなる領域)はSp2が安定して小さいことが確認される。さらに、いずれも、γ=180°+βから20°〜15°程度ずれた、L12の40°、L22の20°において、Spも最小となり、Sp−frも大きくなることが確認された。
以上より、第1基板10のオイラー角を(0°、−40°〜―60°、γ)とし、第2基板20のオイラー角を(−45°、−54.7、β)とし、γが0°もしくは180°としたときに、γ≒β、およびそれと等価なオイラー角とすると、Sp−frを安定して大きくすることができる。すなわち、スプリアスを高周波数側にシフトさせるとともに、スプリアス全体の強度を低くすることができる。また、γ≒180°+β、およびそれと等価なオイラー角とすると、Sp2の強度を小さくすることができる。すなわち、スプリアス強度を小さくすることができることを確認した。
なお、ここで、Si(111)面において、βの値が0°と等価なものは、120°、240°であり、60°と等価なものは180°、300°である。すなわち、第2基板20のオイラー角(−45,−54.7,−20〜20)と等価な角度は、(−45,−54.7,100〜140)、(−45,−54.7,220〜260)が挙げられる。同様に、(−45,−54.7,40〜80)と等価な角度は、(−45,−54.7,160〜200)、(−45,−54.7,280〜320)が挙げられる。
上述の例では、第1基板10のオイラー角を(0°、−40°〜―60°、γ)とした場合について説明したが、もしくは(0°、120°〜140°、γ)の場合についても同様である。それぞれのオイラー角の組み合わせのときの、Sp−frの大小、Sp2の大小について調べた結果を図6に示す。図6からも明らかなように、αに違いがあっても、γとβとの関係を調整することで、上述の効果の発現を制御できることを確認した。
なお、第1基板10のオイラー角のうちφの角度、第2基板20のオイラー角のうちφ、θの角度は例示した数値を中心に±5°以内の範囲であれば、上述の特性を発現することを確認している。
また、γを0°および180°からずらした場合には、Sp−frの大きさが小さくなることを確認している。
また、上述の開示より、以下の概念も抽出可能である。
すなわち、LTのオイラー角を(0,α,γ)とし、α:−40°〜−60°(30°〜50°Yカットに相当)、または120°〜140°(30°〜50°Yカットの裏面)、γ:0°、180°、Siのオイラー角が(−45,−54.7,β)で貼り合わせたLT/Si貼り合わせウェハであって、
(1)βが0°±20°以内およびその等価な方位である
もしくは(2)βが60°±20°以内およびその等価な方位である
貼り合わせウェハである。(1)の場合には、帯域の高周波に発生するスプリアスをより高域に移動、または低減させることができる。(2)の場合には、高周波に発生するスプリアスのピークを小さくすることができる。
なお、LT/Siの界面に中間層が位置していてもよい。
<変形例>
弾性波素子30は、IDT電極31に並列に接続される容量部60を備えていてもよい。容量部60により、共振周波数と反共振周波数との差(df)を小さくすることができるので、所望のdfを備えるよう調整することができる。このような容量部60をIDT電極31と同様のインターディジタル型の電極で形成する場合には、容量部の電極指43(容量部電極指43)の繰り返し配列方向D1を、共振子として機能するIDT電極31の電極指32の配列方向と異ならせてもよい。このような構成とすることで、容量部60による共振の影響を低減することができる。さらに、図7に示すように、配列方向D1を−60°±5°,60°±5°とすると、共振周波数(fr)よりも高周波数側に位置するスプリアスの最大強度を低くすることができる。なお、γ=0°,180°であることから、配列方向D1はX軸に対して−60°±5°,60°±5°とすることになる。
ここで、容量部60を含む弾性波素子30について、第2基板20のβを変化させたときの、スプリアスの最大強度をシミュレーションした。その結果を図8に示す。図8において、横軸は配列方向D1,縦軸はβであり、スプリアスの最大強度(MaxSP)を等高線で示している。図8からも明らかなように、第2基板20のβを0°〜20°、40°〜140°、160°〜180°とした場合にスプリアス強度を小さくすることができる。すなわち、第2基板20のβを、0°〜20°,40°〜80°,160°〜180°とした場合には、前述の通り、IDT電極31に起因する反共振周波数よりも高周波数側の損失を低減するのに加え、容量部60に起因する反共振周波数よりも高周波数側の損失も低減することができる。
なお、このような容量部60の配列方向D1と第2基板20のオイラー角との関係は、第1基板10と第2基板20との間に中間層がある場合もない場合も同様であることを確認している。
1:複合基板
10:第1基板
20:第2基板
30:弾性波素子
31:IDT電極

Claims (11)

  1. タンタル酸リチウム結晶からなり、オイラー角が(0,α,γ)の第1基板と、
    前記第1基板に接合されたシリコン単結晶からなり、オイラー角が(−45,−54.7,β)の第2基板とを備え、αが−40°〜−60°もしくは、120°〜140°であり(ただし、140°およびその等価な角度は除く)、γが0°もしくは180°であるとともに、
    以下のいずれかを満たす複合基板。
    (1)β=γ±20°以内およびその等価な方位である
    (2)γ+160°≦β≦γ+200°以内およびその等価な方位である
  2. タンタル酸リチウム結晶からなり、オイラー角が(0,α,γ)の第1基板と、
    前記第1基板に接合されたシリコン単結晶からなり、オイラー角が(−45,−54.7,β)の第2基板とを備え、αが−40°〜−60°もしくは、120°〜140°であり(ただし、140°およびその等価な角度は除く)、γが0°もしくは180°であるとともに、
    以下のいずれかを満たす複合基板。
    (1)β=0°±20°以内およびその等価な方位である
    (2)β=60°±20°以内およびその等価な方位である
  3. 前記第1基板は前記第2基板に比べて薄い、請求項1または2に記載の複合基板。
  4. 前記第1基板と前記第2基板との接合面は、前記タンタル酸リチウム結晶の結晶面と前記シリコン単結晶の結晶面とが直接接触している、請求項1〜3のいずれかに記載の複合基板。
  5. 前記第1基板と前記第2基板との間に、中間層が1層以上位置している、請求項1〜4のいずれかに記載の複合基板。
  6. 前記第1基板及び前記第2基板はそれぞれウェハであり、前記第1基板の外周と前記第2基板の外周とが揃っている、請求項1〜5のいずれかに記載の複合基板。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合基板と、
    前記複合基板の前記第1基板の上面に位置するIDT電極と、を備える弾性波素子。
  8. 前記IDT電極は、複数の電極指を備えており、前記電極指の間隔の2倍をλとしたときに、前記第1基板の厚みは2λ以下である、請求項7に記載の弾性波素子。
  9. 複合基板と、IDT電極と、容量部とを含み、
    前記複合基板が、
    タンタル酸リチウム結晶からなり、オイラー角が(0,α,γ)の第1基板と、
    前記第1基板に接合されたシリコン単結晶からなり、オイラー角が(−45,−54.7,β)の第2基板とを備え、αが−40°〜−60°もしくは、120°〜140°であり、γが0°もしくは180°であるとともに、
    以下の(1)〜(4)のいずれかを満たし、
    (1)β=γ±20°以内およびその等価な方位である
    (2)γ+160°≦β≦γ+200°以内およびその等価な方位である
    (3)β=0°±20°以内およびその等価な方位である
    (4)β=60°±20°以内およびその等価な方位である、
    前記IDT電極が前記第1基板の上面に位置し、
    前記容量部が、前記IDT電極に並列に接続された、複数の容量部電極指を含むインターディジタル型であり、前記容量部電極指の配列方向は、前記IDT電極の複数の電極指の配列方向に対して60°±5°もしくは−60°±5°の角度をなしている、弾性波素子。
  10. 前記第2基板のβは、0°〜20°、40°〜140°および160°〜180°のいずれかである、請求項9に記載の弾性波素子。
  11. 前記IDT電極及び前記容量部のうち前記容量部のみに重なる絶縁体を有していない、請求項9又は10に記載の弾性波素子。
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