JP5199023B2 - 酸化スズ粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)を形成する際のスパッタリングターゲットであるITO焼結体の原料として用いる酸化スズ粉末、詳しくは、酸化インジウム粉末と混合して焼結することによってITO焼結体を製造するのに用いる酸化スズ粉末に関する。
ITO膜は、高い導電性と可視光透過性を併せ持つため、太陽電池や液晶表示デバイス、タッチパネル、窓ガラス用結露防止発熱膜など、様々な透明導電膜用途に広く利用されている。
このようなITO薄膜を製造する方法として、スパッタリング法、真空蒸着法、ゾル・ゲル法、クラスタービーム蒸着法、PLD法などの方法が挙げられる。中でも、スパッタリング法は、大面積基板上に低抵抗な膜を比較的低温で作製できるため工業的に広く利用されている。
スパッタリング法によってITO薄膜を製造する際、スパッタリングターゲットとして用いられるのがITO焼結体である。このITO焼結体は、酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを9:1程度の割合で混合し、得られた混合粉末(プレミックス粉体)を加圧成型後、焼結して製造するのが一般的である。
ITO焼結体原料としての酸化スズ粉末の物性が、ITO焼結体及びITO薄膜の性能に大きく影響するため、従来から、酸化スズ粉末及びその製造方法に関する提案が為されてきた。
例えば特許文献1には、酸化スズの含有量が20〜50質量%の高濃度酸化スズITOターゲットの原料として、比表面積値が10〜15m2/gで、平均粒径が1.5μm以下である酸化スズ粉末が開示されている。
また、特許文献2には、インジウム粉末と混合してITO焼結体を製造する際に均一な混合粉末を得ることができ、高密度なITO焼結体を得ることができる酸化スズ粉末の製造方法として、金属スズを硝酸に溶解し、生成したメタスズ酸沈澱物を回収し、洗浄濾過し焼成して酸化スズ粉末を製造する方法において、加熱下で金属スズに硝酸を徐々に加えて溶解し、回収したメタスズ酸沈澱物を濾過水の電気伝導度が5mS/cm〜100mS/cmになるまで洗浄濾過して、圧縮度35%以下の酸化スズ粉末を製造する方法が開示されており、嵩密度が1.30〜1.47g/cm3で且つタップ密度が2.07〜2.22g/cm3である酸化スズ粉末が開示されている。
特開2004−143484号公報の請求項2 特開2008−56514号公報の要約書及び[表1]
スパッタリング法によって安定して均質なITO薄膜を製造するには、均質なITO焼結体をスパッタリングターゲットとして用いることが必要不可欠である。このような均質なITO焼結体を製造するためには、その原料である酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを均一に混合する必要がある。より詳しく言えば、量的に少ない酸化スズ粉末を、酸化インジウム粉末中に均一に分散させて混合できる(「均一混合性」という)ことが重要である。
そこで本発明は、ITO焼結体原料としての酸化スズ粉末において、酸化インジウム粉末に対する均一混合性に優れた酸化スズ粉末を提供せんとするものである。
本発明は、嵩密度が0.60〜1.20g/cm3である酸化スズ粉末、中でも好ましくは嵩密度が0.60〜1.20g/cm3で且つタップ密度が2.25〜2.65g/cm3である酸化スズ粉末を提案する。
本発明の酸化スズ粉末は、ITO焼結体原料として従来用いられてきた酸化スズ粉末に比べ、嵩密度が小さいという特徴を有している。一般的に酸化インジウム粉末の嵩密度は酸化スズ粉末の嵩密度に比べて小さく、通常は両者の嵩密度の差は大きかったが、本発明の酸化スズ粉末は、一般的な酸化スズ粉末に比べて嵩密度が小さいため、酸化インジウム粉末の嵩密度との差(絶対値)を小さくすることができるという特徴を有している。よって、酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを混合し、得られた混合粉末(「プレミックス粉体」ともいう)を加圧成型後、焼結してITO焼結体を製造する場合において、量的に少ない酸化スズ粉末の嵩密度が小さく、酸化スズ粉末の嵩密度と酸化インジウム粉末の嵩密度の差が小さくなり、酸化インジウム粉末に対する均一混合性が良くなり、より均質なITO焼結体を製造することができる。
さらに、単に嵩密度が低いだけではなく、タップ密度は逆に大きいという特徴を有していれば、ITO焼結体の焼結性を向上させることができるという効果も享受することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の一実施形態の例(以下、「本実施形態」という)について説明するが、本発明が下記本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る酸化スズ粉末(以下、「本酸化スズ粉末」という)の嵩密度は、0.60〜1.20g/cm3であることが重要である。本酸化スズ粉末の嵩密度が0.60〜1.20g/cm3の範囲内であれば、プレミックス粉体の均一混合性を高めることができる。かかる観点から、本酸化スズ粉末の嵩密度は0.80g/cm3以上、或いは1.00g/cm3以下であるのがさらに好ましい。
本発明でいう「嵩密度」とは、自然落下により粉末を一定容器に充填される単位体積当たり質量であり、JIS K 5101に準拠して測定することができる。
本酸化スズ粉末のタップ密度は、2.25〜2.65g/cm3であるのが好ましい。本酸化スズ粉末のタップ密度が2.25〜2.65g/cm3であれば、ITO焼結体の焼結密度を高めることができる。かかる観点から、本酸化スズ粉末のタップ密度は2.30g/cm3以上、或いは、2.50g/cm3以下であるのがさらに好ましい。
本発明でいう「タップ密度」とは、自然落下により粉末を一定容器に充填した後、容器にタップによる衝撃を加え、試料の体積変化がなくなったときの単位体積当たり質量であり、JIS K 5101に準拠して測定することができる。
本酸化スズ粉末の圧縮度、すなわち{(タップ密度−嵩密度)/タップ密度}×100で示される圧縮度は55〜70%であるのが好ましい。圧縮度が55〜70%であれば、ITO焼結体の焼結密度をさらに高めることができる。かかる観点から、本酸化スズ粉末の圧縮度は60%以上、或いは、65%以下であるのがさらに好ましい。
本酸化スズ粉末の粒度分布、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布によるD50は、1.5μm〜5.0μmであるのが好ましい。
本酸化スズ粉末の嵩密度を前記の如く規定することで、酸化インジウム粉末に対するマクロな分散性を高めることができる。すなわち酸化インジウム粉末全体に対して均一に分散させることができるようになる。そしてさらに、D50を規定することで、ミクロな分散性、すなわち各粒子の周囲における局所的な分散性を高めることができる。つまりD50が5.0μmより粗粒になると、ミクロな分散性が悪くなり混合性が低下することになり、1.5μmより小さいと、嵩密度が小さくなり過ぎてしまうようになる。かかる観点から、本酸化スズ粉末のD50は、2.0μm〜4.0μmであるのが特に好ましく、中でも2.5μm〜3.5μmであるのがさらに好ましい。
なお、D50は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準累積度数50%の粒子径の意味である。
本酸化スズ粉末の粒度分布、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布において、D50/(D90−D10)の値は0.10〜0.40であるのが好ましい。D50/(D90−D10)の値は、粉末の粒度分布のばらつきの度合いを示すものであり、この値が0.10〜0.40であれば、プレミックス粉体の均一混合性をさらに高めることができる。かかる観点から、本酸化スズ粉末のD50/(D90−D10)の値は、0.20〜0.30であるのがさらに好ましい。
なお、D10及びD90は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準累積度数10%の粒子径(:D10)、90%の粒子径(:D90)の意味である。
また、本酸化スズ粉末は、酸化インジウム粉末と混合し、加圧成型後、焼結してITO焼結体を製造する場合において、混合する相手方の酸化インジウム粉末との嵩密度の差(絶対値)が0.20g/cm3以下であるのが好ましい。混合する相手方の酸化インジウム粉末との嵩密度の差(絶対値)が0.20g/cm3以下であれば、酸化インジウム粉末に対する均一混合性がより一層高くなり、当該酸化インジウム粉末と均一に混合することができる。下限値は特に制限するものではないが、酸化インジウム粉末との均一混合性の観点を考慮すると、混合する相手方の酸化インジウム粉末との嵩密度の差(絶対値)は0.15g/cm3以下であるのがさらに好ましい。
(製造方法)
次に、本酸化スズ粉末の製造方法の一例について説明する。但し、あくまで一例であって、本酸化スズ粉末の製造方法が以下に説明する製造方法に限定されるものではない。
粒状のスズ(スズショットとも称する)を硝酸へ投入してメタスズ酸を生成させ、メタスズ酸のスラリーを作製する。この際、メタスズ酸の作製方法としては、温度:50〜100℃に保持した硝酸濃度:30〜60質量%の硝酸に対し、モル比で10〜25%の粒状のスズを加え、反応時間:1時間〜10時間(但し、溶解残渣があれば延長する)で反応させてメタスズ酸を作製するのが好ましい。また、得られるスラリー中のメタスズ酸濃度は10g/L〜200g/Lであるのが好ましい。
次に、純水を用いてデカンテーションを繰り返すなどして硝酸根等を洗浄除去した後、濾過等によって固液分離し、乾燥させて乾燥体を得る。この際、乾燥は水分を蒸発させることができればよいから、乾燥温度は100℃より若干高い程度で十分である。
そして、こうして得られた乾燥体を焼成匣鉢に充填し、900〜1200℃で2〜4時間焼成し、必要に応じてハンマーミル等で粉砕及び分級すればよい。
上記製造方法において、焼成匣鉢に充填する前に、乾燥体を解す機能を有する解砕機で解砕するのが好ましい。乾燥体を解す機能を有する解砕機としては、例えば、ハンマーミル、ピンミルなどの高速回転型の解砕機、ボールミルやビーズミルなどのメデイアを使用する解砕機を挙げることができる。中でも、制御因子の数が多いという点で処理制御が容易であるハンマーミルが最も好ましい。逆に、圧密するタイプのローラーミル(例えば新東工業社製のミックスマーラーなど)などは嵩密度が高くなってしまう点で好ましくはない。
焼成前に粉体を解す(ほぐす)ことにより、焼成後の酸化スズ粉末の嵩密度を低くすることができ、かつ、タップ密度を高めることができる。これは、焼成前段階で粉体を解す(ほぐす)ことで、焼成時に発生する水蒸気が滞留することなく系外に放出され、同時に、粒子間に空隙を保有した状態で焼結が進行し、その結果、嵩密度が低くなるものと考えられる。また、空隙を保有した状態で焼結が進行するが、焼成前に粉体を解す(ほぐす)ことにより、粒子同士の空隙はタッピングなどの応力で容易に破壊され、タップ密度が高い粉体を得ることができる。
粉体を解す(ほぐす)作用の程度、すなわち粉砕強度は、ハンマーミルの場合、ディスクの回転数、粉砕機への供給速度、スクリーンメッシュの目開きサイズ等により、調整することができる。ピンミルの場合も、ディスクの回転数、粉砕機への供給速度等により、調整することができる。
なお、この粉体を解す(ほぐす)作用の程度、すなわち粉砕強度が弱過ぎると、十分に解れず、粒子間に空隙を十分に与えることができず、嵩密度が高いままである。その一方、粉砕強度が強過ぎても、嵩密度が高くなってしまうため、最適な範囲に制御する必要がある。ディスクの直径や、ハンマーやピンの形状や大きさ、本数にもよるが、目安としては、回転数は1000〜20000rpm、粉砕機への供給速度は1分間に0.01kg〜0.5kg程度、ハンマーミルの場合、スクリーンメッシュの目開きサイズは0.1mm〜3mm程度とするのが好ましい。そして、焼成前のメタスズ酸の乾燥体の嵩密度を0.5〜1.5g/cm3程度とするように制御するのが好ましい。
(用途)
本酸化スズ粉末は、酸化インジウム粉末と混合し圧縮成形することにより、ITO焼結体の前駆体としてのプレミックス体を製造することができる。そして、このプレミックス体を焼成することにより、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)を形成する際のスパッタリングターゲット原料としてのITO焼結体を製造することができる。
本酸化スズ粉末と混合する相手方の酸化インジウム粉末としては、嵩密度が0.65〜0.95g/cm3であるものが好ましい。本酸化スズ粉末と混合する相手方の酸化インジウム粉末の嵩密度が0.65〜0.95g/cm3であれば、本酸化スズ粉末との均一混合性をさらに高めることができる。かかる観点から、本酸化スズ粉末と混合する相手方の酸化インジウム粉末の嵩密度は0.75g/cm3以上、或いは、0.85g/cm3以下であるのがさらに好ましい。
また、本酸化スズ粉末と混合する相手方の酸化インジウム粉末の中心粒径D50、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布によるD50は、2.00μm〜6.00μmであるのが好ましい。このD50が2.00μm〜6.00μmであれば、本酸化スズ粉末との均一混合性をさらに高めることができる。かかる観点から、酸化インジウム粉末のD50は、2.50μm以上、或いは5.50μm以下であるのがさらに好ましい。
ITO焼結体の製造方法としては、例えば、酸化インジウム粉末に酸化スズ粉末を例えば5〜15wt%加え、ボールミルや振動ミル等によって混合してITO粉末とし、所望の形に成型した後、適宜条件で焼結してITO焼結体を乾式条件下で製造することができる。
また、酸化インジウム粉末、酸化スズ粉末及びイオン交換水をボールミル混合し、さらに分散剤及びバインダーを加えて混合してスラリー状にし、これを構造成形型に注入して減圧下排水して成形体とし、乾燥及び脱脂処理を行った後、焼結するようにしてITO焼結体を湿式条件下で製造することもできる。
但し、これらの製造方法に限定されるものではない。
なお、上記の成型手段としては、金形プレス、鋳込み成型、冷間静水圧プレス(CIP)、スリップキャスト成型等の成形方法を採用することができる。
また、焼結は、例えば1350℃〜1600℃の温度で焼結すればよいが、この温度に限定されるものではない。焼結時間は数時間〜数十時間が一般的であるが、この時間に限定されるものではない。焼結雰囲気は特に限定されず、大気中、酸素中、不活性ガス中等で行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<粒度測定>
粉末を少量ビーカーに取り、3%トリトンX溶液(関東化学製)を2、3滴添加し、粉末になじませてから、0.1%SNディスパーサント41溶液(サンノプコ製)50mLを添加し、その後、超音波分散器TIPφ20(日本精機製作所製、OUTPUT:8、TUNING:5)を用いて2分間分散処理して測定用サンプルを調製した。この測定用サンプルを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置MT3300 (日機装製)を用いて、体積累積基準D50、D90−D10を測定した。
<嵩密度(AD)>
嵩密度は、JIS K 5101に準拠して、蔵持科学器械製作所製カサ比重測定器を使用して測定した。その際、いずれの粉末も粉砕してから3時間以内に測定を開始した。
<タップ密度 (TD)>
タップ密度は、JIS K 5101に準拠して、試料200gを用いてパウダーテスターPT−E型(ホソカワミクロン製)により測定した。
<酸化インジウム粉末に対する均一混合性の評価>
実施例及び比較例で得られた酸化スズ粉末20gと、酸化インジウム粉末(D50:2.71μm、嵩密度0.79g/cm3)180gとを、筒井理化学器械社製透視式混合器「S−3」を用いて30分間混合し、任意に10箇所の粉末を各3gサンプリングし、それぞれ酸化スズの割合を分析し、次の基準で酸化インジウム粉末に対する均一混合性を評価した。
酸化スズの含有量は、アルカリ熔融後、ICP法でSnを定量した。
◎: 分析値の最大値と最小値の差が0.3%未満
○: 分析値の最大値と最小値の差が0.3%以上0.6%未満
△: 分析値の最大値と最小値の差が0.6%以上1.0%未満
×: 分析値の最大値と最小値の差が1.0%以上
(実施例1)
純度99.99%のスズ1.19kg(10mol)を、80℃に保った2mol/Lの硝酸30L(60mol)に、30分間かけてゆっくりと投入し、10時間かけてメタルのスズからメタスズ酸を生成させた。反応終了後、純水によるデカンテーションを繰り返し、洗浄したのち、濾過により固液分離を行い、105℃にて、24時間乾燥させ、メタスズ酸の乾燥体を得た。
得られたメタスズ酸の乾燥体は、ADが1.5g/cm3であった。なおメタスズ酸の乾燥体のADを測定する際、その形態が塊状であるため、手でほぐして測定を行った。
このメタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数8000rpm、供給速度100g/min、スクリーンメッシュ目開き1mmにて解砕処理を行い、解されたメタスズ酸を得た。この解されたメタスズ酸のADは0.6g/cm3であった。
さらに、この解されたメタスズ酸をセラミック製の焼成容器(焼成匣鉢)に入れ、大気雰囲気、800℃にて3時間焼成を行った後、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数5,000rpm、供給速度500g/min、スクリーンメッシュ目開き2mmにて解砕処理を行い、酸化スズ粉末を得た。
得られた酸化スズ粉末の特性値を表に示す。
(実施例2)
メタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数8000rpm、供給速度100g/min、スクリーンメッシュ目開き0.5mmにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(実施例3)
メタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数8000rpm、供給速度50g/min、スクリーンメッシュ目開き1mmにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(実施例4)
メタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数10000rpm、供給速度100g/min、スクリーンメッシュ目開き1mmにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(実施例5)
メタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数8000rpm、供給速度120g/min、スクリーンメッシュ目開き1mmにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(実施例6)
メタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数8000rpm、供給速度150g/min、スクリーンメッシュ目開き1mmにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(実施例7)
メタスズ酸の乾燥体を、ミルシステム社製ピンミル(型式:AVIS-100)を用いて、回転数8000rpm、供給速度100g/minにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(比較例1)
メタスズ酸の乾燥体を、吉田製作所社製ハンマーミル(型式:1018−LA)を用いて、回転数12,000rpm、供給速度30g/min、スクリーンメッシュ目開き0.3mmにて解砕処理を行った以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
(比較例2)
メタスズ酸の乾燥体を、ヨドキャスティング社製ローラーミル(型式:MPUV−2)で線圧力120kg/cmで15分処理した以外は、実施例1と同様にして酸化スズ粉末を得た。
Figure 0005199023
表1を見て分かるとおり、実施例1-7の酸化スズ粉末は、比較例1-2の酸化スズ粉末に比べて、混合した酸化インジウム粉末の嵩密度との差が小さく、酸化インジウム粉末に対する均一混合性に優れていることが判明した。
また、D50/(D90−D10)の値を比較すると、比較例1−2に比べて実施例1−7の値が小さいことから、粒度分布のバラツキが小さく、この点も酸化インジウム粉末に対する均一混合性に影響していると考えられる。
なお、酸化スズ粉末と酸化インジウム粉末の均一混合性は、両者の嵩密度が近い方が好ましくなるが、或る程度接近すると、酸化スズ粉末の嵩密度の方が若干高い方(0.10〜0.20g/cm3程度高い方)が好ましい。その理由は、酸化スズ粉末と酸化インジウム粉末との混合割合及び比重の違いが影響しているものと考えることができる。

Claims (4)

  1. 嵩密度が0.60〜1.20g/cm3で且つタップ密度が2.25〜2.65g/cm3である酸化スズ粉末。
  2. {(タップ密度−嵩密度)/タップ密度}×100で示される圧縮度が60〜65%であることを特徴とする請求項1に記載の酸化スズ粉末。
  3. レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布によるD50が1.5μm〜5.0μmである請求項1又は2に記載の酸化スズ粉末。
  4. レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布において、D50/(D90−D10)の値が0.10〜0.40である請求項1〜3の何れかに記載の酸化スズ粉末。
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