図2は、本発明の実施の第1の形態であるコンパレータ回路1の回路構成の一例を示す図である。コンパレータ回路1は、たとえば論理回路の入力側および出力側に設けられるインターフェース回路であり、入力端子11、出力端子26、入力部28、出力部29、入力レベル監視回路A30および切換部31を含んで構成されている。コンパレータ回路1の構成要素のうち図1に示したコンパレータ回路9の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付している。
入力端子11は、入力信号が入力される端子であり、出力端子26は、出力信号を出力する端子である。入力部28は、トランジスタ12〜15,19、電流源16,20、および抵抗素子17,18を含んで構成されている。トランジスタ12,15は、PNP型のトランジスタ(以下「PNPトランジスタ」という)であり、トランジスタ13,14,19は、NPN型のトランジスタ(以下「NPNトランジスタ」という)である。
トランジスタ12は、ベースが入力端子11に接続され、エミッタがスイッチ回路313を介して電流源16およびトランジスタ15のエミッタに接続され、コレクタがトランジスタ13のコレクタおよびベースならびにトランジスタ14のベースに接続されている。トランジスタ13は、コレクタおよびベースがトランジスタ12のコレクタならびにトランジスタ14のベースに接続され、エミッタがグランドに接続されている。トランジスタ14は、ベースがトランジスタ12のコレクタならびにトランジスタ13のベースおよびコレクタに接続され、エミッタがグランドに接続され、コレクタがトランジスタ15のコレクタおよびトランジスタ19のベースに接続されている。
トランジスタ15は、コレクタがトランジスタ14のコレクタおよびトランジスタ19のベースに接続され、エミッタがスイッチ回路313を介して電流源16およびトランジスタ12のエミッタに接続され、ベースが抵抗素子17と抵抗素子18との接続点に接続されている。トランジスタ19は、ベースがトランジスタ14のコレクタおよびトランジスタ15のコレクタに接続され、エミッタがグランドに接続され、コレクタがスイッチ回路314を介して電流源20およびトランジスタ21のベースに接続されている。
抵抗素子17の一端は、スイッチ回路315を介して、図示しない電源、たとえば車両に搭載されるバッテリに接続され、スイッチ回路315が導通状態(以下「オン」という)であると、電源の電圧VBが印加される。抵抗素子17の他端は、抵抗素子18の一端およびトランジスタ15のベースに接続され、抵抗素子18の他端は、グランドに接続されている。電流源16,20は、電源に接続され、電圧VBが印加されている。
スイッチ回路313〜315がオンである場合、入力端子11に入力される入力信号の入力電圧が、予め定める基準電圧、具体的には電源の電圧VBを抵抗素子17および抵抗素子18で分圧した電圧未満であると、トランジスタ12は、オンとなり、トランジスタ12のエミッタの電圧、つまりトランジスタ15のエミッタの電圧が低下するので、トランジスタ15は、遮断状態(以下「オフ」という)となる。トランジスタ15がオフになると、トランジスタ19のベースに電流が供給されず、トランジスタ19は、オフになる。
入力電圧が基準電圧以上であると、トランジスタ12は、オフとなり、トランジスタ12のエミッタの電圧、つまりトランジスタ15のエミッタの電圧が上昇するので、トランジスタ15は、オンとなる。トランジスタ15がオンになると、トランジスタ19のベースに電流が供給され、トランジスタ19は、オンになる。スイッチ回路313〜315がオフである場合、トランジスタ12〜15,19は、オフである。
出力部29は、トランジスタ21,23,25、電流源22および抵抗素子24を含んで構成されている。トランジスタ21,23,25は、NPNトランジスタであり、いずれのエミッタもグランドに接続されている。トランジスタ21は、ベースがトランジスタ19のコレクタおよびスイッチ回路314を介して電流源20に接続され、コレクタがスイッチ回路316を介して電流源22、およびトランジスタ23のベースに接続されている。トランジスタ23は、ベースがトランジスタ21のコレクタおよびスイッチ回路316を介して電流源22に接続され、コレクタが、一端が電源に接続される抵抗素子24の他端、およびトランジスタ25のベースに接続されている。トランジスタ25は、ベースがトランジスタ23のコレクタおよび抵抗素子24の前記他端に接続され、コレクタが出力端子26に接続されている。
スイッチ回路316がオンである場合、入力部28のトランジスタ19がオフになると、電流源20からの電流がトランジスタ21のベースに供給され、トランジスタ21はオンになる。トランジスタ21がオンになると、電流源22からの電流は、トランジスタ23のベースに供給されず、トランジスタ23は、オフとなる。トランジスタ23がオフになると、電源から抵抗素子24を介して供給される電流がトランジスタ25のベースに供給されるので、トランジスタ25は、オンになる。トランジスタ25がオンになると、出力端子26から出力される出力電圧は、LOWレベルとなる。LOWレベルは、たとえばグランドレベルと同じ電圧であり、HIGHレベルは、たとえば電源の電圧と同じ電圧である。
入力部28のトランジスタ19がオンになると、電流源20からの電流がトランジスタ21のベースに供給されず、トランジスタ21はオフになる。トランジスタ21がオフになると、電流源22からの電流は、トランジスタ23のベースに供給され、トランジスタ23は、オンとなる。トランジスタ23がオンになると、電源から抵抗素子24を介して供給される電流がトランジスタ25のベースに供給されず、トランジスタ25は、オフになる。出力端子26は、出力側で図示しない抵抗素子などによって電源に接続されてプルアップされるので、トランジスタ25がオフになると、出力端子26の出力電圧は、HIGHレベルとなる。スイッチ回路316がオフである場合、トランジスタ21は、オフである。
すなわち、スイッチ回路313〜316がオンである場合、入力電圧が基準電圧未満であると、出力電圧がLOWレベルの出力信号が出力端子26から出力され、入力電圧が基準電圧以上であると、出力電圧がHIGHレベルの出力信号が出力端子26から出力される。スイッチ回路313〜316がオフである場合、出力電圧がLOWレベルの出力信号が出力端子26から出力される。これは、スイッチ回路313〜316がオフする直前と同じ論理である。
制御部である入力レベル監視回路A30は、トランジスタ301,304、および抵抗素子302,303を含んで構成されている。トランジスタ301,304は、NPNトランジスタである。トランジスタ301は、ベースが入力端子11に接続され、コレクタが電源に接続され、エミッタが抵抗素子302の一端に接続されている。抵抗素子302は、前記一端がトランジスタ301のエミッタに接続され、他端が抵抗素子303の一端およびトランジスタ304のベースに接続されている。抵抗素子303は、前記一端が抵抗素子302の前記他端およびトランジスタ304のベースに接続され、他端がグランドに接続されている。トランジスタ304は、ベースが抵抗素子302および抵抗素子303の接続点に接続され、エミッタがグランドに接続され、コレクタが抵抗素子311およびインバータ312の入力に接続されている。
入力電圧が入力監視レベル以上の電圧になると、トランジスタ304は、オンになる。入力電圧が入力監視レベル未満の電圧になると、トランジスタ304は、オフになる。入力監視レベルは、トランジスタ301のエミッタの電圧を抵抗素子302と抵抗素子303とで分圧した電圧を、トランジスタ304のベースエミッタ間の順方向降下電圧とする入力電圧の電圧である。予め定める切換電圧である入力監視レベルの電圧は、予め定める基準電圧未満の電圧である。
切換部31は、抵抗素子311、インバータ312、およびスイッチ回路313〜316を含んで構成されている。抵抗素子311は、一端が電源に接続され、他端がインバータ312の入力およびトランジスタ304のコレクタに接続されている。インバータ312は、入力が抵抗素子311の前記他端およびトランジスタ304のコレクタに接続され、出力が各スイッチ回路313〜316に接続されている。スイッチ回路313〜316の具体的な回路の例は、図9のコンパレータ回路7で詳述する。
スイッチ回路313〜316は、いずれも電源に接続されている。スイッチ回路313は、電源からの電流をトランジスタ12またはトランジスタ15に供給するか否かを切り換える。スイッチ回路314は、電源からの電流をトランジスタ19のコレクタおよびトランジスタ21のベースに供給するか否かを切り換える。スイッチ回路315は、電源からの電流を抵抗素子17に供給するか否かを切り換える。スイッチ回路316は、電源からの電流をトランジスタ21のコレクタおよびトランジスタ23のベースに供給するか否かを切り換える。電流源16,20および抵抗素子17は、入力回路素子であり、電流源22および抵抗素子24は、出力回路素子である。
すなわち、入力レベル監視回路A30は、入力電圧が予め定める範囲内の電圧であると判定すると、トランジスタ304をオフとすることによって、インバータ312の出力をLOWレベルとし、スイッチ回路313〜316をオフとする。予め定める範囲は、グランドレベルの電圧から入力監視レベルの電圧までの範囲である。入力レベル監視回路A30は、入力電圧が予め定める範囲内の電圧でないと判定すると、トランジスタ304をオンすることによって、インバータ312の出力をHIGHレベルとし、スイッチ回路313〜316をオンとする。
したがって、たとえばコンパレータ回路1を含む論理回路が動作していない待機状態である場合、コンパレータ回路1への入力電圧を予め定める範囲内の電圧としておくことによって、スイッチ回路313〜316をオフにすることができ、待機状態であるときの暗電流を低減することができる。暗電流を低減することができるので、電源、たとえば車両に搭載されるバッテリのバッテリあがりあるいは電池切れを低減することができる。また、論理回路が動作している動作状態では、各トランジスタには十分な電流値の電流を供給することができるので、コンパレータ回路1を構成するトランジスタの寄生容量の影響を受けても、コンパレータ回路1の応答速度は数十ナノ秒程度の高速な応答が可能であり、またトランジスタの寄生ダイオードからのリーク電流の影響を受けず誤動作することもない。
図3は、本発明の実施の第2の形態であるコンパレータ回路2の回路構成の一例を示す図である。コンパレータ回路2は、図1に示したコンパレータ回路1を最小の構成要素によって構成した回路であり、コンパレータ回路1の構成要素から、トランジスタ19,21,電流源20,22、およびスイッチ回路314,316を除いた構成である。
コンパレータ回路2は、入力端子11、出力端子26、入力部28a、出力部29a、入力レベル監視回路A30および切換部3aを含んで構成されている。コンパレータ回路2の構成要素のうち図2に示したコンパレータ回路1の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
入力部28aは、トランジスタ12〜15、電流源16、および抵抗素子17,18を含んで構成されている。トランジスタ15のコレクタは、トランジスタ23のベースおよびトランジスタ14のコレクタに接続されている。出力部29aは、トランジスタ23,25、および抵抗素子24を含んで構成されている。トランジスタ23のベースは、トランジスタ15のコレクタおよびトランジスタ14のコレクタに接続されている。電流源16および抵抗素子17は、入力回路素子であり、抵抗素子24は、出力回路素子である。
スイッチ回路313,315がオンである場合、入力電圧が予め定める基準電圧未満になると、トランジスタ15がオフになり、電流源16からの電流は、トランジスタ23のベースに供給されず、トランジスタ23は、オフとなる。トランジスタ23がオフであると、電源から抵抗素子24を介して供給される電流がトランジスタ25のベースに供給されるので、トランジスタ25は、オンになる。トランジスタ25がオンになると、出力端子26から出力される出力電圧は、LOWレベルとなる。
入力電圧が予め定める基準電圧以上になると、トランジスタ15がオンになり、電流源16からの電流がトランジスタ23のベースに供給され、トランジスタ23は、オンとなる。トランジスタ23がオンになると、電源から抵抗素子24を介して供給される電流がトランジスタ25のベースに供給されず、トランジスタ25は、オフになる。出力端子26は、出力側でプルアップされるので、トランジスタ25がオフになると、出力端子26の出力電圧は、HIGHレベルとなる。
スイッチ回路316がオフである場合、電流源22からの電流は、トランジスタ23のベースに供給されず、トランジスタ23は、オフとなる。トランジスタ23がオフであると、電源から抵抗素子24を介して供給される電流がトランジスタ25のベースに供給されるので、トランジスタ25は、オンになる。トランジスタ25がオンになると、出力端子26から出力される出力電圧は、LOWレベルとなる。
すなわち、スイッチ回路313,315がオンである場合、入力電圧が基準電圧未満であると、出力電圧がLOWレベルの出力信号が出力端子26から出力され、入力電圧が基準電圧以上であると、出力電圧がHIGHレベルの出力信号が出力端子26から出力される。スイッチ回路313,315がオフである場合、出力電圧がLOWレベルの出力信号が出力端子26から出力される。
したがって、たとえばコンパレータ回路2を含む論理回路が動作していない待機状態である場合、コンパレータ回路2への入力電圧を予め定める範囲内の電圧としておくことによって、スイッチ回路313,315をオフにすることができ、待機状態であるときの暗電流を低減することができる。暗電流を低減することができるので、電源、たとえば車両に搭載されるバッテリのバッテリあがりあるいは電池切れを低減することができる。また、論理回路が動作している動作状態では、各トランジスタには十分な電流値の電流を供給することができるので、コンパレータ回路2を構成するトランジスタの寄生容量の影響を受けても、コンパレータ回路2の応答速度は数十ナノ秒程度の高速な応答が可能であり、またトランジスタの寄生ダイオードからのリーク電流の影響を受けず誤動作することもない。
このように、入力端子11によって、入力信号が入力され、出力端子26によって、出力信号が出力され、電源に接続される複数の入力回路素子を含む入力部28または入力部28aによって、入力端子11に入力される入力信号の入力電圧が予め定める基準電圧以上であるか否かが判定され、電源に接続される複数の出力回路素子を含む出力部29または出力部29aによって、入力部28または入力部28aによって判定された判定結果に応じた出力電圧の出力信号を出力端子26から出力させ、切換部31または切換部31aによって、複数の入力回路素子のうちの少なくとも一部の入力回路素子および複数の出力回路素子のうちの少なくとも一部の出力回路素子に電源からの電流を供給する状態および供給しない状態のうちのいずれかの状態に切り換えられる。そして、入力レベル監視回路A30によって、入力端子11に入力される入力信号の入力電圧に応じて、切換部31または切換部31aに前記いずれかの状態に切り換えさせる。コンパレータ回路1では、電流源16,20および抵抗素子17は、入力回路素子であり、電流源22および抵抗素子24は、出力回路素子であり、コンパレータ回路2では、電流源16および抵抗素子17は、入力回路素子であり、抵抗素子24は、出力回路素子である。
したがって、入力信号の入力電圧に応じて、一部の入力回路素子および一部の出力回路素子に電源からの電流が供給されない状態とすることができ、応答の遅れおよび誤動作が発生することなく暗電流を低減することができる。
さらに、入力レベル監視回路A30によって、入力電圧が予め定める範囲内の電圧であるか否かが検出され、入力電圧が予め定める範囲内の電圧であることが検出されると、切換部31または切換部31aによって、前記一部の入力回路素子および前記一部の出力回路素子に電源からの電流を供給しない状態に切り換え、入力電圧が予め定める範囲内の電圧でないことが検出されると、切換部31または切換部31aによって、前記一部の入力回路素子および前記一部の出力回路素子に電源からの電流を供給する状態に切り換える。したがって、入力電圧が予め定める範囲内の電圧であるとき、たとえば論理回路が動作していない待機状態であるとき、暗電流を低減することができる。
さらに、前記予め定める範囲は、前記予め定める基準電圧より低い入力監視レベルの電圧未満であり、かつグランドレベルの電圧以上の範囲であるので、待機状態での入力電圧がLOWレベルであるとき、暗電流を低減することができる。
図4は、本発明の実施の第3の形態であるコンパレータ回路3の回路構成の一例を示す図である。図2に示したコンパレータ回路1および図3に示したコンパレータ回路2は、待機状態での入力電圧が予め定める基準電圧未満の電圧の場合の回路であり、コンパレータ回路3は、待機状態での入力電圧が予め定める基準電圧以上の電圧の場合の回路である。
コンパレータ回路3は、たとえば論理回路の入力側および出力側に設けられるインターフェース回路であり、入力端子11、出力端子26、入力部28、出力部29、入力レベル監視回路B40および切換部32を含んで構成されている。コンパレータ回路3の構成要素のうち図2に示したコンパレータ回路1の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
入力レベル監視回路B40は、トランジスタ401,404、および抵抗素子402,403を含んで構成されている。トランジスタ401,404は、PNPトランジスタである。トランジスタ401は、ベースが入力端子11に接続され、コレクタがグランドに接続され、エミッタが抵抗素子403の一端に接続されている。抵抗素子403は、前記一端がトランジスタ401のエミッタに接続され、他端が抵抗素子402の一端およびトランジスタ404のベースに接続されている。抵抗素子402は、前記一端が抵抗素子403の前記他端およびトランジスタ404のベースに接続され、他端が電源に接続されている。トランジスタ404は、ベースが抵抗素子402および抵抗素子403の接続点に接続され、エミッタが電源に接続され、コレクタが抵抗素子321およびバッファ322の入力に接続されている。
入力電圧が入力監視レベル以上の電圧になると、トランジスタ404は、オフになる。入力電圧が入力監視レベル未満の電圧になると、トランジスタ404は、オンになる。入力監視レベルは、抵抗素子402の電圧降下をトランジスタ404のベースエミッタ間の順方向降下電圧にする入力電圧の電圧である。予め定める切換電圧である入力監視レベルの電圧は、予め定める基準電圧より高い電圧である。
切換部32は、抵抗素子321、バッファ322、およびスイッチ回路313〜317を含んで構成されている。抵抗素子321は、一端がトランジスタ404のコレクタおよびバッファ322の入力に接続され、他端がグランドに接続されている。バッファ322は、入力が抵抗素子321の前記一端およびトランジスタ404のコレクタに接続され、出力が各スイッチ回路313〜317に接続されている。スイッチ回路317は、電源に接続され、電源からの電流を抵抗素子24に供給するか否かを切り換える。
入力レベル監視回路B40は、入力電圧が予め定める範囲内の電圧であると判定すると、トランジスタ404をオフにすることによって、バッファ322の出力をLOWレベルとし、スイッチ回路313〜317をオフとする。予め定める範囲は、入力監視レベルの電圧から電源の電圧までの範囲である。入力レベル監視回路B40は、入力電圧が予め定める範囲内の電圧でないと判定すると、トランジスタ404をオンにすることによって、バッファ322の出力をHIGHレベルとし、スイッチ回路313〜316をオンとする。コンパレータ回路3の入力監視レベルの電圧および予め定める範囲は、図2に示したコンパレータ回路1および図3に示したコンパレータ回路2の入力監視レベルの電圧および予め定める範囲とは異なる電圧である。
したがって、たとえばコンパレータ回路3を含む論理回路が動作していない待機状態である場合、コンパレータ回路3への入力電圧を予め定める範囲内の電圧としておくことによって、スイッチ回路313〜317をオフにすることができ、待機状態であるときの暗電流を低減することができる。コンパレータ回路3では、抵抗素子24にもスイッチ回路317を設けているので、コンパレータ回路1よりも暗電流は少なくなる。暗電流を低減することができるので、電源、たとえば車両に搭載されるバッテリのバッテリあがりあるいは電池切れを低減することができる。また、論理回路が動作している動作状態では、各トランジスタには十分な電流値の電流を供給することができるので、コンパレータ回路3を構成するトランジスタの寄生容量の影響を受けても、コンパレータ回路3の応答速度は数十ナノ秒程度の高速な応答が可能であり、またトランジスタの寄生ダイオードからのリーク電流の影響を受けず誤動作することもない。
このように、前記予め定める範囲は、前記電源の電圧以下であり、かつ前記予め定める基準電圧より高い入力監視レベルの電圧以上の範囲であるので、待機状態での入力電圧がHIGHレベルであるとき、暗電流を低減することができる。
図5は、コンパレータ回路1の動作タイミングを示すタイムチャートである。図5に示したタイムチャートは、入力端子11に入力される入力信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化する過渡期のタイムチャートである。
入力レベル監視回路A30は、入力信号が、LOWレベルから上昇し、入力監視レベル、すなわちトランジスタ301のエミッタの電圧を抵抗素子302と抵抗素子303とで分圧した電圧を、トランジスタ304のベースエミッタ間の順方向降下電圧とする入力電圧のレベルに達すると、切換部31にスイッチ回路313〜316をオンにするように指示する。
しかしながら、各スイッチ回路313〜316を構成する回路素子のばらつきによって、各スイッチ回路313〜316がオフからオンに切り換わるタイミングがずれることがある。たとえば、図5のタイムチャートに示すように、スイッチ回路316がオンからオフに切り換わる時刻t1より、スイッチ回路314がオンからオフに切り換わる時刻t2が時間T1だけ遅いタイムラグ、つまり時間差があることがある。
入力信号が入力監視レベル以下の電圧であるとき、入力レベル監視回路A30は、切換部31によってスイッチ回路313〜316をオフにしている。このとき、トランジスタ21はオフであり、かつ電流源22からの電流もトランジスタ23のベースに嘘窮されないので、トランジスタ23はオフである。トランジスタ23がオフであるので、電源から抵抗素子24を介して電流がトランジスタ25に供給され、トランジスタ25はオンであり、LOWレベルの出力信号が出力端子26から出力されている。
スイッチ回路316が時刻t1にオンになったとき、スイッチ回路314はまだオフであるので、電流源20からの電流はトランジスタ21に供給されておらず、トランジスタ21はオフである。しかし。スイッチ回路316がオンになったので、電流源22からの電流がトランジスタ23のベースに供給され、トランジスタ23のベースの電圧がHIGHレベルになり、トランジスタ23がオンになる。トランジスタ23がオンになると、トランジスタ25のベースの電圧がLOWレベルになり、トランジスタ25は、オフになる。トランジスタ25がオフになると、出力端子26の電圧は、HIGHレベルになる。
時刻t1から時間T1が経過した時刻t2に、スイッチ回路314がオンになると、電流源20からの電流がトランジスタ19に供給される。このとき、入力端子11の電圧は、出力論理切り換えレベル、つまり予め定める基準電圧未満であるので、トランジスタ19は、オフであり、電流源20からの電流は、トランジスタ21のベースに供給され、トランジスタ21のベースの電圧は、HIGHレベルとなる。トランジスタ21のベースの電圧がHIGHレベルとなると、トランジスタ21はオンになり、電流源22からの電流は、トランジスタ21に流れ、トランジスタ23のベースに供給されなくなる。トランジスタ23のベースの電圧がLOWレベルになり、トランジスタ23はオフになるので、抵抗素子24からの電流がトランジスタ25に供給され、トランジスタ25のベースの電圧がHIGHレベルとなり、トランジスタ25はオンになる。トランジスタ25がオンになると、出力端子26はLOWレベルとなる。
入力信号が入力監視レベルからさらに上昇し、出力論理切り換えレベルに達すると、トランジスタ15がオンになり、電流源16からの電流がトランジスタ19に供給され、トランジスタ19はオンになる。トランジスタ19がオンになると、電流源20からの電流は、トランジスタ19に流れ、トランジスタ21に供給されなくなるので、トランジスタ21はオフになる。トランジスタ21がオフになると、上述したように、出力端子26の電圧は、HIGHレベルになる。
すなわち、入力信号が時刻t3に出力論理切り換えレベルに達する前に、入力信号が時刻t1に入力監視レベルに達してから時間T1の期間、出力端子26からHIGHレベルの誤論理の信号、いわゆるひげが出力されてしまう。
このように、同じインバータ312の出力によってスイッチ回路314,316が切り換えられても、各スイッチ回路を構成する回路素子のばらつきによって、オンからオフ、あるいはオフからオンになるタイミングがずれることがある。すなわち、このタイミング差によって、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングあるいはひげが発生する可能性がある。
図6は、本発明の実施の第4の形態であるコンパレータ回路4の一部の回路構成の一例を示す図である。コンパレータ回路4は、チャタリングおよびひげの発生を防止するために、図2に示したコンパレータ回路1にディレイ回路50を追加した回路である。コンパレータ回路4の他の構成要素は、図2に示したコンパレータ回路1の構成要素と同じであり、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
ディレイ回路50は、たとえば抵抗素子とコンデンサとによって構成され、インバータ312の出力とスイッチ回路316との間に設けられる。ディレイ回路50を抵抗素子とコンデンサとによって構成する場合、抵抗素子の抵抗値とコンデンサの容量とを変えることによって、ディレイ回路50の遅延時間を目的の予め定める遅延時間とすることができる。ディレイ回路50は、インバータ312の出力の変化、具体的には、LOWレベルからHIGHレベルへの変化、およびHIGHレベルからLOWレベルへの変化を予め定める遅延時間だけ遅延する。
ディレイ回路50は、出力部29の電流源22からの電流の供給の切り換えタイミングを、入力部28の電流源16,20からの電流の供給および抵抗素子17への電圧の印加の切り換えタイミングより予め定める遅延時間だけ遅らせる。予め定める遅延時間は、たとえば1μ秒未満のこともあるし、1μ秒以上のこともあり、コンパレータ回路4の回路構成に応じて設定する。
ディレイ回路50は、遅延回路および遅延部を構成する。抵抗素子311、インバータ312、およびスイッチ回路313〜315は、第1の切換部を構成し、スイッチ回路316は、第2の切換部を構成する。インバータ312の出力信号は、第1の切換信号であり、ディレイ回路50の出力信号は、第2の切換信号である。
したがって、コンパレータ回路4は、ディレイ回路50を備えているので、入力信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化するとき、出力部29のスイッチ回路316をオンに切り換えるタイミングを、入力部28のスイッチ回路313〜315をオンに切り換えるタイミングより予め定める遅延時間だけ遅らせることができ、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングおよびひげが発生することはない。
図7は、本発明の実施の第5の形態であるコンパレータ回路5の回路構成の一例を示す図である。コンパレータ回路5は、たとえば論理回路の入力側および出力側に設けられるインターフェース回路であり、図6に示したコンパレータ回路4と同様に、チャタリングおよびひげの発生を防止する回路を含む。
コンパレータ回路5は、入力端子11、出力端子26、入力部28、出力部29、入力レベル監視回路A30、入力レベル監視回路C41、第1の切換部33および第2の切換部34を含んで構成されている。コンパレータ回路5の構成要素のうち図2に示したコンパレータ回路1の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
入力レベル監視回路C41は、抵抗素子411,412およびトランジスタ413を含んで構成されている。抵抗素子411は、一端がトランジスタ301のコレクタおよび抵抗素子302の一端に接続され、他端が抵抗素子412の一端およびトランジスタ413のベースに接続されている。抵抗素子412は、前記一端が抵抗素子411の前記他端およびトランジスタ413のベースに接続され、他端がグランドに接続されている。トランジスタ413は、NPNトランジスタであり、ベースが抵抗素子411と抵抗素子412との接続点に接続され、エミッタがグランドに接続され、コレクタが抵抗素子341の一端およびインバータ342の入力に接続されている。
抵抗素子411,412の抵抗値は、トランジスタ301のエミッタの電圧を抵抗素子411および抵抗素子412の抵抗値で分圧した電圧が、トランジスタ301のエミッタの電圧を抵抗素子302および抵抗素子303の抵抗値で分圧した電圧より高い電圧になる抵抗値である。すなわち、入力レベル監視回路A30の入力監視レベル(以下「第1の入力監視レベル」という)は、入力レベル監視回路C41の入力監視レベル(以下「第2の入力監視レベル」という)より低いレベルに設定されている。さらに、第1の入力監視レベルは、出力論理切り換えレベルより低いレベルに設定され、第2の入力監視レベルは、出力論理切り換えレベルより低いレベルに設定されている。第1の入力監視レベルと第2の入力監視レベルとの電圧差は、入力レベル監視回路A30が、入力電圧が第1の入力監視レベルになったと判定する時刻から、入力レベル監視回路C41が、入力電圧が第2の入力監視レベルになったと判定する時刻までの時間が予め定める遅延時間となる電圧差である。予め定める第2の範囲は、入力電圧が、グランドレベルの電圧から第2の入力監視レベルまでの範囲である。
第1の切換部33は、図2に示した切換部31からスイッチ回路316を除いた構成である。第2の切換部34は、抵抗素子341、インバータ342およびスイッチ回路316を含んで構成されている。抵抗素子341は一端が電源に接続され、他端がインバータ342の入力およびトランジスタ413のコレクタに接続されている。インバータ342は、入力が抵抗素子341の前記他端およびトランジスタ413のコレクタに接続され、出力がスイッチ回路316に接続されている。
第1の入力監視レベルが第2の入力監視レベルより低いレベルに設定されているので、入力端子11に入力される入力信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化するとき、入力レベル監視回路C41は、入力レベル監視回路A30がトランジスタ304をオンにするタイミングより予め定める遅延時間だけ遅いタイミングで、トランジスタ413をオンとする。トランジスタ413がオンになると、スイッチ回路316はオンになる。
そして、入力信号がHIGHレベルからLOWレベルに変化するとき、入力レベル監視回路C41は、入力レベル監視回路A30がトランジスタ304をオフにするタイミングより早いタイミングで、トランジスタ413をオフとする。トランジスタ413がオフになると、スイッチ回路316はオフになる。タイミング差は、抵抗素子411,412の抵抗値を変化させることによって、変化させることができる。
入力レベル監視回路C41は、遅延部を構成する。インバータ312の出力信号は、第1の切換信号であり、インバータ342の出力信号は、第2の切換信号である。
したがって、コンパレータ回路5は、入力信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化するとき、出力部29のスイッチ回路316をオンに切り換えるタイミングが、入力部28のスイッチ回路313〜315をオンに切り換えるタイミングより予め定める遅延時間だけ遅いので、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングおよびひげが発生することはない。さらに、入力信号がHIGHレベルからLOWレベルに変化するとき、出力部29のスイッチ回路316をオフに切り換えるタイミングが、入力部28のスイッチ回路313〜315をオフに切り換えるタイミングより早いので、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングおよびひげが発生することはない。
このように、切換部は、コンパレータ回路5では、抵抗素子311、インバータ312、およびスイッチ回路313〜315を含んで構成される第1の切換部と、スイッチ回路316とを含んで構成される第2の切換部とを含み、コンパレータ回路6では、第1の切換部33および第2の切換部34を含む。第1の切換部によって、前記一部の入力回路素子に電源からの電流を供給する状態および供給しない状態のうちのいずれかの状態に切り換えられ、第2の切換部によって、前記一部の出力回路素子に電源からの電流を供給する状態および供給しない状態のうちのいずれかの状態に切り換えられる。そして、入力レベル監視回路A30によって、入力電圧が前記予め定める範囲内の電圧から前記予め定める範囲外の電圧に変化したとき、前記一部の入力回路素子に電源からの電流を供給しない状態から供給する状態に切り換える第1の切換信号が第1の切換部に指示され、入力レベル監視回路A30に含まれる遅延部によって、第1の切換信号より予め定める遅延時間だけ遅い第2の切換信号であって、前記一部の出力回路素子に電源からの電流を供給しない状態から供給する状態に切り換えことを第2の切換部に指示する第2の切換信号が生成される。したがって、出力信号にチャタリングおよびひげが発生することを防止することができる。
さらに、前記遅延部は、第1の切換信号を前記予め定める時間遅延させた信号を第2の切換信号とするディレイ回路50である。ディレイ回路50は、抵抗素子およびコンデンサなどの簡単な回路構成によって実現することができる。
さらに、入力レベル監視回路C41によって、入力電圧が、前記予め定める範囲より広い予め定める第2の範囲であって、前記予め定める範囲と予め定める第2の範囲との差が前記予め定める時間に対応する電圧差である第2の範囲内の電圧から予め定める第2の範囲外の電圧に変化したとき、第2の切換信号が第2の切換部に指示される。したがって、入力信号がHIGHレベルからLOWレベルに変化する場合、およびLOWレベルからHIGHレベルに変化する場合のいずれの場合においても、出力信号にチャタリングおよびひげが発生することを防止することができる。
図8は、本発明の実施の第6の形態であるコンパレータ回路6の回路構成の一例を示す図である。コンパレータ回路6は、入力端子11、出力端子26、入力部28、出力部29、入力レベル監視回路A30、入力レベル監視回路C41、切換部31および第3の切換部35を含んで構成されている。コンパレータ回路6の構成要素のうち、図2に示したコンパレータ回路2または図7に示したコンパレータ回路5の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
第3の切換部35は、抵抗素子341、インバータ342およびフリップフロップ351を含んで構成され、図7に示した第2の切換部34のスイッチ回路316を取り除き、フリップフロップ351を追加した回路である。
ラッチ回路であるフリップフロップ351は、Dタイプフリップフロップであり、入力端子(以下「D端子」という)がトランジスタ19のコレクタおよびスイッチ回路314を介して電流源20に接続され、クロック端子(以下「CK端子」という)がインバータ342の出力に接続され、出力端子(以下「Q端子」という)がトランジスタ23のベースに接続されている。
フリップフロップ351は、インバータ342がLOWレベルからHIGHレベルに変化したとき、D端子に入力される信号のレベルをQ端子から出力する。すなわち、入力レベル監視回路A30が、入力電圧が第1の入力監視レベルに達したと判定して、スイッチ回路313〜316をオンにした後、入力レベル監視回路C41が、入力電圧が第2の入力監視レベルに達したと判定したとき、トランジスタ19のコレクタの電圧のレベルを、Q端子から出力する。
入力レベル監視回路C41が、入力電圧が第2の入力監視レベルに達したと判定する時点は、入力電圧が出力論理切り換えレベルに達する時点より遅い時点に設定される。入力レベル監視回路C41が、入力電圧が第2の入力監視レベルに達したと判定した時点では、入力信号が出力論理切り換えレベルよりも高い電圧になっており、トランジスタ12はオフになり、トランジスタ15はオン、そしてトランジスタ19はオンである。トランジスタ19がオンであると、トランジスタ21はオフであり、トランジスタ21のコレクタの電圧、つまりD端子の電圧はHIGHレベルである。D端子の電圧はHIGHレベルであるので、CK端子がLOWレベルからHIGHレベルに変化したとき、Q端子からHIGHレベルが出力される。Q端子からHIGHレベルが出力されると、トランジスタ23はオンになり、トランジスタ25はオフになるので、出力端子26からHIGHレベルの信号が出力される。
第2の入力監視レベルを出力論理切り換えレベルよりも高い電圧に設定しているので、
フリップフロップ351は、入力信号が出力論理切り換えレベルよりも高い電圧になった後で、D端子のレベルをQ端子から出力する。そして、出力論理切り換えレベルは、入力レベル監視回路A30が、入力電圧が第1の入力監視レベルに達したと判定した時点からタイムラグT経過した時点より遅い時点になるレベルに設定されている。タイムラグTは、スイッチ回路313〜316のうち最初に変化するスイッチ回路が変化する時点から、最後に変化するスイッチ回路が変化するまでのタイムラグである。
したがって、フリップフロップ351がD端子のレベルをQ端子から出力するときには、スイッチ回路313〜316の最大のタイムラグTが経過した後であるので、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングおよびひげが発生することはない。
このように、入力レベル監視回路A30によって、入力電圧が前記予め定める範囲内の電圧から前記予め定める範囲外の電圧に変化したとき、切換部31によって、前記一部の入力回路素子および前記一部の出力回路素子に電源からの電流を供給する状態に切り換える。そして、入力電圧が、前記予め定める範囲より広い予め定める第2の範囲であって、前記予め定める範囲と予め定める第2の範囲との差が前記予め定める時間に対応する電位差である第2の範囲内の電圧から予め定める第2の範囲外の電圧に変化したとき、前記一部の出力回路素子のうち最終段の回路素子が接続される回路素子、たとえばトランジスタ21のコレクタの信号がフリップフロップ351に記憶され、フリップフロップ351に記憶された信号に応じた出力電圧の出力信号を出力端子26から出力させる。したがって、出力信号としてフリップフロップ351にラッチした信号を出力するので、より確実に出力信号にチャタリングおよびひげが発生することを防止することができる。
図9は、本発明の実施の第7の形態であるコンパレータ回路7の回路構成の一例を示す図である。コンパレータ回路7は、図7に示したコンパレータ回路5の電流源およびスイッチ回路を具体的な回路構成に置き換えた回路である。
コンパレータ回路7は、入力端子11、出力端子26、入力部28b、出力部29b、入力レベル監視回路A30、入力レベル監視回路C41、第4の切換部36および第5の切換部37を含んで構成されている。コンパレータ回路7の構成要素のうち図7に示したコンパレータ回路5の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
入力部28bは、図7に示したコンパレータ回路5の入力部28の電流源16をトランジスタ362に置き換え、電流源20をトランジスタ363に置き換えた回路である。出力部29bは、図7に示したコンパレータ回路5の出力部29の電流源22をトランジスタ372に置き換えた回路である。第4の切換部36は、抵抗素子341およびトランジスタ361〜364を含んで構成されている。第5の切換部37は、抵抗素子341およびトランジスタ371,372を含んで構成されている。
トランジスタ362は、電流源16とスイッチ回路313とを兼ね、トランジスタ363は、電流源20とスイッチ回路314とを兼ね、トランジスタ372は、電流源22とスイッチ回路316とを兼ね、トランジスタ364は、スイッチ回路315である。トランジスタ361は、インバータ312であり、トランジスタ371は、インバータ342である。
トランジスタ361〜364,372は、PNPトランジスタであり、いずれもエミッタが電源に接続されている。抵抗素子311は、一端がトランジスタ304のコレクタに接続され、他端がトランジスタ361のコレクタおよびベース、ならびにトランジスタ362〜364の各ベースに接続されている。トランジスタ362のコレクタは、トランジスタ12,15の各エミッタに接続され、トランジスタ363のコレクタは、トランジスタ19のコレクタおよびトランジスタ21のベースに接続され、トランジスタ364のコレクタは、抵抗素子17の一端に接続されている。抵抗素子341は、一端がトランジスタ413のコレクタに接続され、他端がトランジスタ371のコレクタおよびベース、ならびにトランジスタ372のベースに接続されている。トランジスタ372のコレクタは、トランジスタ21のコレクタおよびトランジスタ23のベースに接続されている。
入力電圧が第1の入力監視レベル未満であると、トランジスタ304はオフであり、トランジスタ361〜364もオフである。入力電圧が第1の入力監視レベル以上になると、トランジスタ304はオンになり、トランジスタ361〜364もオンになる。入力電圧が第2の入力監視レベル未満であると、トランジスタ413はオフであり、トランジスタ371,372もオフである。入力電圧が第2の入力監視レベル以上になると、トランジスタ413はオンになり、トランジスタ371,372もオンになる。
第1の入力監視レベルが第2の入力監視レベルより低いレベルに設定されているので、入力端子11に入力される入力信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化するとき、入力レベル監視回路C41は、入力レベル監視回路A30がトランジスタ304をオンにするタイミングより予め定める遅延時間だけ遅いタイミングで、トランジスタ413をオンとする。トランジスタ413がオンになると、トランジスタ372はオンになる。
そして、入力信号がHIGHレベルからLOWレベルに変化するとき、入力レベル監視回路C41は、入力レベル監視回路A30がトランジスタ304をオフにするタイミングより早いタイミングで、トランジスタ413をオフとする。トランジスタ413がオフになると、トランジスタ372はオフになる。
したがって、コンパレータ回路7は、入力信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化するとき、出力部29bのトランジスタ372をオンに切り換えるタイミングが、入力部28bのトランジスタ362〜364をオンに切り換えるタイミングより遅いので、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングおよびひげが発生することはない。さらに、入力信号がHIGHレベルからLOWレベルに変化するとき、出力部29bのトランジスタ372をオフに切り換えるタイミングが、入力部28bのトランジスタ362〜364をオフに切り換えるタイミングより早いので、出力端子26から出力される出力信号に、チャタリングおよびひげが発生することはない。
コンパレータ回路1〜7のいずれも、車両に搭載されるナビゲーション装置、オーディオ機器、およびビデオ機器などの電子機器に限らず、他の分野で用いられる電子機器に用いることができる。
さらに、コンパレータ回路1〜7のいずれか1つを備えている。したがって、応答が遅くなることなく暗電流を低減することができるコンパレータ回路1〜7のいずれかを用いるので、応答速度が早く、かつ消費電力の少ない電子機器を実現することができる。