JP2019204985A - 負荷駆動装置 - Google Patents

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巧 増渕
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【課題】複数のスイッチング素子(ドライバ)間でPGND(パワーグランド)端子を共有する負荷駆動装置において、当該PGND端子がオープン状態となった場合であっても、局所的な発熱量の増加を抑制可能な信頼性の高い負荷駆動装置を提供する。【解決手段】負荷に接続される複数の駆動素子と、前記複数の駆動素子が並列に接続され、前記複数の駆動素子間で共有される第1の接地端子と、ダイオードを介して前記第1の接地端子に接続される第2の接地端子と、前記複数の駆動素子のゲート電圧を制御するプリドライバ回路と、前記第1の接地端子のオープン状態を検知するオープン検出回路と、を備え、前記オープン検出回路が前記第1の接地端子のオープン状態を検知した場合、前記複数の駆動素子のうちの一部の駆動素子の動作を停止し、他の駆動素子の動作を継続することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、電気的負荷に供給する電流を制御する負荷駆動装置に係り、特に、複数のスイッチング素子(ドライバ)を有する負荷駆動装置に適用して有効な技術に関する。
鉄道や自動車などの車両に搭載される各種機器の電子制御化が進んでおり、これに伴って、電気信号を機械的運動や油圧に変換するために、モータやソレノイドなどの電動アクチュエータが広く用いられるようになっている。これらの電動アクチュエータは、負荷に通電する駆動回路を備えている。
これらの駆動回路では、フェイルセーフの観点から、駆動回路の接地ラインが断線し電気的にオープンとなった場合にこれを検知し、車両が安全に停止するまでの動作を保証するために、駆動回路の動作を継続することが求められている。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「誘導性負荷の接地ラインが断線した場合でも、誘導性負荷の駆動を確保することのできる電子制御装置」が開示されている。
特開2017−28417号公報
ところで、上記特許文献1に記載の電子制御装置は、ECU(Electronic Control Unit)における構成を示しており、誘導性負荷の駆動継続の実現にはMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やダイオード等の追加部品コストが掛かる。また、追加部品の配置に必要な基板面積の増加分もコスト増加に繋がる。
これらのコスト増加を抑制する手段として、上記特許文献1の電子制御装置の構成を集積回路内で実現する方法が考えられるが、集積回路内で同様の負荷駆動継続機能を実現するには発熱による素子破壊の回避が課題として挙げられる。
そこで、本発明の目的は、複数のスイッチング素子(ドライバ)を搭載し、スイッチング素子(ドライバ)間でPGND(パワーグランド)端子を共有する負荷駆動装置において、当該PGND端子がオープン状態となった場合であっても、一部のスイッチング素子(ドライバ)の動作を継続し、ダイオードにおける局所的な発熱量の増加を抑制可能な信頼性の高い負荷駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、負荷に接続される複数の駆動素子と、前記複数の駆動素子が並列に接続され、前記複数の駆動素子間で共有される第1の接地端子と、ダイオードを介して前記第1の接地端子に接続される第2の接地端子と、前記複数の駆動素子のゲート電圧を制御するプリドライバ回路と、前記第1の接地端子のオープン状態を検知するオープン検出回路と、を備え、前記オープン検出回路が前記第1の接地端子のオープン状態を検知した場合、前記複数の駆動素子のうちの一部の駆動素子の動作を停止し、他の駆動素子の動作を継続することを特徴とする。
本発明によれば、複数のスイッチング素子(ドライバ)を搭載し、スイッチング素子(ドライバ)間でPGND(パワーグランド)端子を共有する負荷駆動装置において、当該PGND端子がオープン状態となった場合であっても、一部のスイッチング素子(ドライバ)の動作を継続し、ダイオードにおける局所的な発熱量の増加を抑制可能な信頼性の高い負荷駆動装置を提供することができる。
これにより、車両が安全に停止するまで負荷駆動装置の動作を継続させることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の構成を示すブロック図である。 図1の構成における負荷駆動装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の構成を示すブロック図である。 図3の構成における負荷駆動装置のドライバ停止処理方法を示すフローチャートである。 図3の構成における負荷駆動装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の構成を示すブロック図である。 図6の構成における負荷駆動装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。(トリミング前) 図6の構成における負荷駆動装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。(トリミング後) 本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の構成を示すブロック図である。 図9の構成における負荷駆動装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係る負荷駆動装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において、同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
以下の各実施例では、ドライバの接地ラインPGNDがオープン状態となったことを検知し、PGNDを共有する複数のドライバのうち一部を停止し、残りのドライバの動作を継続する負荷駆動装置の構成及び動作について説明する。
図1から図5を参照して、本発明の第1の実施形態による負荷駆動装置について説明する。図1は、本実施例の負荷駆動装置100の構成を示すブロック図である。図2は、図1の構成による負荷駆動装置100の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図3は、図1の変形例であり、ドライバ制御ブロック5の別の構成を示すブロック図である。図4は、図3の構成におけるドライバ制御回路54において実行されるドライバ停止処理の手順を示すフローチャートである。図5は、図3の構成における負荷駆動装置100の動作の一例を示すタイミングチャートである。
本実施例の負荷駆動装置100は、図1に示すように、負荷L1,L2を接続するための出力端子OUT1及びOUT2と、接地端子GND(グランド,第2の接地端子)と、接地端子PGND(パワーグランド,第1の接地端子)と、Nチャネル型MOSFETで構成されたスイッチング素子(駆動素子)11及び12と、GND及びPGNDに接続された双方向ダイオード2と、PGNDとGND間の電位差が閾値以上であることを検知して、検知信号Vdet1として論理的ハイレベル(以下、Hレベル)を出力するGNDオープン検出回路3と、検知信号Vdet1がHレベルであることを検知して検知保持信号Vdet2にHレベルを出力し、リセット信号RESに論理的ローレベル(以下、Lレベル)が入力されるまでVdet2のHレベル出力を保持する保持回路4と、スイッチング素子11及び12の導通状態を制御するための制御信号Vctr1及びVctr2を出力するドライバ制御ブロック5と、制御信号Vctr1及びVctr2を入力とし、スイッチング素子11及び12を導通または非導通とする為に必要なゲート電圧Vgate1及びVgate2を供給するためのプリドライバ回路6と、を備えている。ドライバ制御回路51はプリドライバ回路6を介して複数のスイッチング素子(駆動素子)11及び12を制御する。
スイッチング素子11は出力端子OUT1とPGNDに接続され、Vgate1により導通状態を制御され、スイッチング素子12は出力端子OUT2とPGNDに接続され、Vgate2により導通状態を制御される。スイッチング素子11と12は、PGNDを共有している。
つまり、接地端子PGND(第1の接地端子)には複数のスイッチング素子(駆動素子)11及び12が並列に接続され、スイッチング素子(駆動素子)11及び12間で接地端子PGND(第1の接地端子)を共有している。接地端子PGND(第1の接地端子)には双方向ダイオード2を介して接地端子GND(第2の接地端子)が接続されている。
また、負荷駆動装置100の外部には負荷L1及びL2が配置され、L1は直流電源VBと出力端子OUT1に接続され、L2は直流電源VBと出力端子OUT2に接続される。
接地端子GNDは、負荷駆動装置100の外部で接地される。また、接地端子PGNDは、負荷駆動装置100の外部でインピーダンスZopを介して接地される。
ここで、Zopは本発明の動作及び効果を説明するために定義した、接地端子PGNDと接地点間のインピーダンスであり、実際の基板や回路に実装される部品とは異なる。正常状態におけるインピーダンスZopは、スイッチング素子11及び12のオン抵抗と比較して小さく、無視できる。また、PGNDオープン状態におけるインピーダンスZopは無限大と考えて差し支えない。
双方向ダイオード2は、例えば、PGNDからGNDに対して順方向に挿入したダイオード21と逆方向に挿入したダイオード22(互いに逆方向の導通特性を有するダイオード21,22)とを有する。すなわち、ダイオード21のアノードとダイオード22のカソードはPGNDに接続される。また、ダイオード21のカソードとダイオード22のアノードはGNDに接続される。
GNDオープン検出回路3は、例えば、比較器31と、閾値電圧Vthを生成する閾値生成回路32を有する。比較器31は、非反転入力端子(+)がPGNDに接続され、反転入力端子(−)に閾値電圧Vthを入力し、出力端子は検知信号Vdet1を出力する。
図2の説明において後述するように、本実施例においてPGNDオープン時にスイッチング素子11または12がオンすると、PGND電位はVf1またはVf2に上昇する。PGNDの電位上昇がVthよりも大きければ比較器31は検知信号Vdet1にHレベルを出力し、PGND電位上昇がVthよりも小さければ比較器31は検知信号Vdet1にLレベルを出力する。
保持回路4は、例えば、フィルタ回路41と、セレクタ42と、フリップフロップ43から構成される。フィルタ回路41は検知信号Vdet1を入力とし、Vdet1がHレベルとなる期間が所定のフィルタ時間tfil以上持続した場合に、セレクタ42の信号選択入力にHレベル印加し、それ以外の場合はLレベルを印加する。
セレクタ42は、信号選択入力がLレベルの場合はVdet2と同じ論理レベルを出力し、信号選択入力がHレベルの場合はHレベルを出力し、後段のフリップフロップ43の入力端子Dへ入力する。
フリップフロップ43は、セレクタ42からのデータ入力Dを周期的に取り込んで保持し、出力端子Qへ出力する。フリップフロップ43の出力端子Qは検知保持信号Vdet2を出力し、初期値はLレベルであり、リセット信号RESにLレベルを印加することでVdet2はLレベルに駆動される。なお、本実施例では、リセット信号RESの極性は、Hレベルを非リセット状態、Lレベルをリセット状態としている。
つまり、フィルタ回路41はGNDオープン検出回路3からの検知信号Vdet1のレベルおよび持続時間tfilに応じてセレクタ42への入力信号を制御し、セレクタ42はGNDオープン検出回路3からの検知信号Vdet1のレベルに応じてフリップフロップ43への入力信号を制御し、フリップフロップ43は、所定のリセット信号RESおよびセレクタ42からの入力信号に応じて検知保持信号Vdet2を出力する。
保持回路4をフィルタ回路41、セレクタ42、フリップフロップ43で構成することで、比較的簡単な構成で信頼性の高い制御を実現することができる。
ドライバ制御ブロック5は、例えば、制御信号Vctr0及びVctr2とリセット信号RESを出力するドライバ制御回路51と、Vdet2の論理レベルを反転させるNOT回路52と、NOT回路52によって反転されたVdet2の論理レベルとVctr0の論理レベルとの論理積をVctr1として出力するAND回路53を有する。Vdet2がLレベルの場合、Vctr1に出力される論理レベルはVctr0の論理レベルと等しくなる。Vdet2がHレベルの場合は、Vctr0の論理レベルによらず、Vctr1はLレベルに固定される。
つまり、検知保持信号Vdet2のレベルに応じてNOT回路52およびAND回路53によりプリドライバ回路6へ入力する制御信号を決定する。
図1のように、ドライバ制御ブロック5をドライバ制御回路51、NOT回路52、AND回路53で構成することで、比較的簡単な構成で信頼性の高い制御を実現することができる。
プリドライバ回路6は、例えば、制御信号Vctr1をゲート電圧Vgate1に変換するバッファ回路61及びVctr2をゲート電圧Vgate2に変換するバッファ回路62を備える。Vctr1及びVctr2がHレベルの場合はスイッチング素子11及び12をオンさせるための電圧値をVgate1及びVgate2に出力し、Vctr1及びVctr2がLレベルの場合はスイッチング素子11及び12をオフさせるための電圧値をVgate1及びVgate2に出力する。
図2を用いて、図1の構成による負荷駆動装置100の動作例を説明する。本実施例では説明の簡略化の為、スイッチング素子11及び12は周期的にオン及びオフに制御される場合を想定する。
図2に示す正常状態では、スイッチング素子11の動作は以下のように説明される。先ず、PGNDから接地点への電流経路は、Zopを介して接続される経路と、ダイオード21と接地端子GNDを介して接続される経路がある。正常状態において、Zopはダイオード21の順方向インピーダンスと比較して小さく無視することができ、前述のダイオード21と接地端子GNDを介する接続への電流経路は無視することができる。
すなわち、正常状態において、ドライバ制御回路51より出力された制御信号Vctr1がHレベルの時、ゲート電圧Vgate1にはスイッチング素子11をオンさせるための電圧が印加され、直流電源VBから負荷L1とスイッチング素子11を介し、接地端子PGNDへ負荷電流IL1を流す。
このときの負荷電流IL1を正常時負荷電流Ia1とし、負荷L1の抵抗成分をR1、スイッチング素子11のオン抵抗をRon1とすると、Ia1=VB/(R1+Ron1)と表される。Vctr1がLレベルの時、ゲート電圧Vgate1はスイッチング素子11をオフさせるための電圧が印加され、負荷電流IL1は遮断されゼロとなる。
スイッチング素子12の動作についても上記のスイッチング素子11の動作と同様に説明できる。スイッチング素子12のオン抵抗をRon2、負荷L2の抵抗成分をR2とした時、スイッチング素子12オン時の負荷電流IL2を正常時負荷電流Ia2とすると、Ia2=VB/(R2+Ron2)と表される。また同様に、スイッチング素子12のオフ時の負荷電流IL2は遮断されゼロとなる。
次に、時刻t0においてPGNDがオープン(以下、PGNDオープン状態)になると、インピーダンスZopは無限大となる。PGNDオープン状態では、正常状態では無視できた、ダイオード21と接地端子GNDを介した電流経路を考慮する必要がある。PGNDオープン状態においてスイッチング素子11をオンした場合の負荷電流をIb1、負荷電流Ib1によりダイオード21に発生する順方向降下電圧をVf1とすると、Ib1=(VB−Vf1)/(R1+Ron1)と表され、Ib1はIa1と比較して小さい値となる。
同様に、PGNDオープン状態における、スイッチング素子12をオンした場合の負荷電流をIb2、負荷電流Ib2によりダイオード21に発生する順方向降下電圧をVf2とすると、Ib2=(VB−Vf2)/(R2+Ron2)を表され、こちらもIb2はIa2と比較して小さい値となる。
PGNDオープン状態にて時刻t1においてスイッチング素子11がオンした場合、既に説明した負荷電流Ib1が流れ、ダイオード21には順方向電圧Vf1が発生する。この順方向電圧Vf1はGNDとPGNDの電位差を示し、すなわちPGND電位の上昇に等しい。
GNDオープン検出回路3における検出閾値をVthと置いたとき、このVf1がVthよりも高ければ検知信号Vdet1にHレベルを出力する。検知信号Vdet1がHレベルとなる期間が所定のフィルタ時間tfil以上持続した場合、Vdet2がHレベルとなり、Vctr1はLレベルに固定される。従って、Vctr1を入力とするバッファ回路61の出力Vgate1は、スイッチング素子11をオフする電圧を出力する。
以上により、スイッチング素子11の駆動は停止する。検知保持信号Vdet2の論理レベルはセレクタ42とフリップフロップ43により保持されており、時刻t1+tfil以降におけるスイッチング素子11の動作は停止する。一方で制御信号Vctr2はVdet2の論理レベルに依存せずプリドライバ6へ入力され、PGNDオープン状態においてもスイッチング素子12の駆動は継続する。
次に、図2に示すタイミングチャートにおいて時刻t2でRES信号がLレベルに駆動された場合について説明する。リセット信号RESにLレベルを印加することでVdet2はLレベルに駆動される。しかしながら、図2に示す通り、PGNDオープン状態は継続しており、次回のスイッチング素子11または12のオン時に、再度Vdet1が検知される。
図2においては時刻t3にスイッチング素子12がオンする場合を示しているが、このとき保持回路4において、Vdet1がHレベルとなる期間が所定のフィルタ時間tfil以上持続している場合にVdet2にHレベルを出力する。
図3を用いて、図1に示す本実施例の変形例を説明する。図3は、ドライバ制御ブロック5の別の構成を示すブロック図である。
図3に示すドライバ制御ブロック5は、検知保持信号Vdet2を入力とし、制御信号Vctr1とVctr2とリセット信号RESを出力とするドライバ制御回路54を有する。Vdet2の論理レベルによってVctr1に出力される論理レベルが制御される点は図1におけるドライバ制御ブロック5と同様であるが、Vdet2のHレベル印加によりVctr1をLレベルに固定するタイミングが異なる。以下、図1のドライバ制御ブロック5との違いについて説明する。
図4を用いて、図3の構成による負荷駆動装置100のドライバ制御回路54で実行されるドライバ停止処理の手順を説明する。ステップS1よりスタートしステップS2へ至り、まずVdet2がHレベルかどうかを判定する。
ステップS2でNO(所定の閾値未満)と判定した場合はステップS6へ進み、正常状態と判断してスイッチング素子11,12の動作を継続する。一方、ステップS2でYES(所定の閾値以上)と判定した場合はステップS3へ進み、スイッチング素子11がオン状態かどうかを判定する。
ステップS3でNO(スイッチング素子11はオフ状態)と判定した場合は、ステップS5へ進み直ちにVctr1をLレベルに固定する。一方、ステップS3でYES(スイッチング素子11はオン状態)と判定した場合はスイッチング素子11が導通している状態であり、ステップS4に進みスイッチング素子11のオフ後にVctr1をLレベルに固定する処理を実施し、ステップS7で一連の処理を終了する。
続いて、図5を用いて、図3の構成による負荷駆動装置100の動作例を説明する。ここでは、同様のタイミングチャートを示す図2からの差分に着目して説明する。図1における制御信号Vctr0は図3には明示されていないが、ドライバ制御回路54の内部信号として考えて矛盾は生じないため、説明の為に図5においても付記した。
時刻t0においてPGNDオープン状態になった後、時刻t1においてスイッチング素子11がオンした場合、図2の場合と同様の負荷電流Ib1が流れ、ダイオード21には順方向電圧Vf1が発生する。順方向電圧Vf1がGNDオープン検出回路3における検出閾値Vthよりも高ければ検知信号Vdet1はHレベルとなり、さらに検知信号Vdet1がHレベルである期間が所定のフィルタ時間tfil以上持続した後、Vdet2がHレベルとなる。
つまり、双方向ダイオード2のPGND(第1の接地端子)側からGND(第2の接地端子)側へ駆動電流が流れて発生する電圧によりPGND(第1の接地端子)のオープン状態を検知する。
ここで、図4のフローチャートに照らし合わせると、Vdet2がHレベルとなった時点でVctr0はHレベルであり、スイッチング素子11はオン状態にある。よって、Vctr1をLレベルに固定するのは、ステップS4に従ってスイッチング素子11がオフした後となる。スイッチング素子11のオフ後、Vctr1はLレベルに固定されるためスイッチング素子11の駆動は停止し、一方でスイッチング素子12の駆動は継続するのは図2と同様である。
次に、時刻t2においてRES信号がLレベルに駆動された場合、図2の場合と同様にVdet2はLレベルに駆動される。その後、時刻t3においてスイッチング素子12がオンした場合、図2の場合と同様の負荷電流Ib2が流れ、ダイオード21には順方向電圧Vf2が発生する。順方向電圧Vf2がGNDオープン検出回路3における検出閾値Vthよりも高ければ検知信号Vdet1はHレベルとなり、さらに検知信号Vdet1がHレベルである期間が所定のフィルタ時間tfil以上持続した後、Vdet2がHレベルとなる。
ここで、図4のフローチャートに照らし合わせると、Vdet2がHレベルとなった時点でVctr0はLレベルであり、スイッチング素子11はオフ状態にある。よって、ステップS5に従ってVctr1は直ちにLレベルに固定され、スイッチング素子11の駆動は停止する。以上によりPGNDオープン状態の検知、及び一部ドライバの動作停止を実行する。
PGNDオープン状態において、本実施例によるドライバ停止がなされない場合を想定するとき、ダイオード21における発熱はスイッチング素子11の導通による電力損失P1=Vf1×Ib1と、スイッチング素子12の導通による電力損失P2=Vf2×Ib2との和に比例する。一方で、PGNDオープン状態において本実施例によりスイッチング素子11が停止した後のダイオード21における発熱は、スイッチング素子12の導通のみが寄与し、すなわち電力損失P2=Vf2×Ib2に比例する。
以上説明したように、本実施例によれば、PGNDオープン状態を検知し、スイッチング素子11を停止した場合は、スイッチング素子11を停止せずに導通を継続する場合と比較し、ダイオード21の発熱量を相対的に低減できる。これにより、PGNDオープンによる突発的な負荷駆動装置の停止を防止することができ、車両が安全に停止するまで当該負荷駆動装置の動作を継続させることができる。
図6から図8を参照して、本発明の第2の実施形態による負荷駆動装置について説明する。図6は、本実施例の負荷駆動装置101の構成を示すブロック図である。図7及び図8は、図6の構成による負荷駆動装置101の動作の一例を示すタイミングチャートであり、それぞれ本実施例によるトリミング前後の回路動作を示している。
図6に示す本実施例の負荷駆動装置101は、実施例1(図3)における負荷駆動装置100に含まれる構成要素に加え、閾値生成回路32の電圧シフト量を調整し閾値電圧Vthを調整するための信号TRIMを発生するトリミング回路7を備えている。
本実施例の負荷駆動装置101は、図7に示すように、図2の場合と同様に、PGNDオープン状態におけるスイッチング素子11及び12の導通により、ダイオード21で順方向電圧Vf1,Vf2が発生する。但し、図7ではGNDオープン検出回路3の閾値Vth1はVf1及びVf2よりも大きい値であると仮定して説明する。図7のタイムチャートに示すように、時刻t0においてPGNDオープン状態が発生した後、スイッチング素子11及び12の駆動によりPGNDの電位変動はVth1を超えないため、PGNDオープン状態は検知できない。
次に、図8を用いて、本実施例のトリミング回路7によるトリミング後の動作例を説明する。図8ではGNDオープン検出回路3の閾値はトリミング信号TRIMによってVth1からVth2に調整され、Vth2はVf1及びVf2よりも小さい値であることを想定する。この時、図8に示すタイムチャート、すなわちトリミング回路7によるトリミング後のタイムチャートにおいては、閾値電圧がVthとVth2で異なる点を除いて、図5に示すタイムチャートと同じ状態となり、PGNDオープン状態を検知できる。図5と同じタイムチャートになるため、重複する説明は省略する。
以上説明したように、本実施例によれば、GNDオープン検出回路3の閾値Vthをトリミング(所定の閾値に調整)することで精度良くPGNDオープン検知できるように調整することができる。
図9及び図10を参照して、本発明の第3の実施形態による負荷駆動装置について説明する。図9は、本実施例の負荷駆動装置102の構成を示すブロック図である。図10は、図9の構成による負荷駆動装置102の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図9に示す本実施例の負荷駆動装置102は、実施例1(図3)における負荷駆動装置100に含まれる構成要素に加え、過温度検知回路8を備えている。
過温度検知回路8は、負荷駆動回路102全体の温度または双方向ダイオード2近傍の温度を測定し、所定の閾値以上の温度を検出した場合に、過温度状態として過温度検知信号OVTを出力する。過温度検知信号OVTはドライバ制御回路54へ入力され、Vctr1及びVctr2をLレベルに固定する。
次に、図10を用いて、本実施例の過温度検知回路8による動作例を説明する。時刻t0においてPGNDオープン状態が発生し、時刻t1+tfilにおいてVdet2がHレベルになるところまでは図5と同じであるため重複する説明は省略する。
Vdet2がHレベルになった後はスイッチング素子12のみが駆動される。スイッチング素子12の駆動電流Ib2による、ダイオード21における発熱により時刻t2において過温度閾値を超えた場合、過温度検知信号OVTがHレベルになり、Vctr0、Vctr1、Vctr2はドライバ制御回路54によりLレベルに固定される。
以上説明したように、本実施例によれば、PGNDオープン状態においてドライバ駆動を継続しつつ、過温度検知回路8によりダイオード21における局所的な発熱量の増加を抑制することで負荷駆動装置102を構成する各素子を保護することができる。
図11を参照して、本発明の第4の実施形態による負荷駆動装置について説明する。図11は、本実施例の負荷駆動装置103の構成を示すブロック図である。
図11に示す本実施例の負荷駆動装置103は、実施例3(図9)における負荷駆動装置102の構成要素の内、負荷駆動装置102に内蔵されるドライバ制御ブロック5に代えて、負荷駆動装置103とは独立して設けられる外付けの制御回路(制御装置)200に接続されている。
負荷駆動装置103は、保持回路4からの検知保持信号Vdet2を出力する出力端子と、プリドライバ回路6へ制御信号Vctr1,Vctr2を入力する入力端子を備えており、これらの出力端子および入力端子に負荷駆動装置103とは独立して設けられる制御回路(制御装置)200が接続される。
制御回路(制御装置)200は、負荷駆動装置103におけるPGNDオープン状態の検知保持信号Vdet2及び過温度検知信号OVTを入力とし、制御信号Vctr1とVctr2とリセット信号RESを出力する。ここで、本実施例における制御回路200は、図9に示した実施例3におけるドライバ制御回路54の機能を包含すると考えて良い。従って、負荷駆動装置103及び制御回路200の回路動作の一例は図10に示したタイムチャートで説明できる。その為、重複する説明は省略する。
以上説明したように、本実施例によれば、ドライバ駆動を制御する制御回路(制御装置)200を負荷駆動装置103とは独立して設けているため、PGNDオープン状態となった場合であっても、過温度検知回路8による回路動作が開始するまでの一時的な負荷駆動回路103全体の温度上昇や双方向ダイオード2近傍の温度上昇による制御回路(制御装置)200の誤動作を防止することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施例は本発明に対する理解を助けるために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記の各実施例ではPGNDのオープン検知後に動作を停止するのはスイッチング素子11として示したが、これに限定されるものではなく、スイッチング素子12を停止することでも同様の効果が得られる。また、接地端子を共有するスイッチング素子は11と12の2つを示したが、3つ以上のスイッチング素子であっても同様の効果を得ることができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。例えば、保持回路4の構成の一例としてフィルタ回路41とセレクタ42とフリップフロップ43を記載しているが、入力のHレベルを検知後、リセット信号RESが印加されるまで出力のHレベルを保持する回路であれば他の構成でも同様の効果が得られる。
また、各実施例における負荷駆動装置で示した各構成要素は、全て同じ半導体チップに形成された集積回路でも良く、それぞれの構成要素が複数の部品に分割されているモジュールであっても良い。
2…双方向ダイオード
3…GNDオープン検出回路
4…保持回路
5…ドライバ制御ブロック
6…プリドライバ回路
7…トリミング回路
8…過温度検知回路
11,12…スイッチング素子(ドライバ,駆動素子)
21,22…ダイオード
31…比較器
32…閾値生成回路
41…フィルタ回路
42…セレクタ
43…フリップフロップ
51,54…ドライバ制御回路
52…NOT回路
53…AND回路
61,62…バッファ回路
100,101,102,103…負荷駆動装置
200…制御回路(制御装置)
Vth,Vth1,Vth2…GNDオープン検出閾値
Vdet1…検知信号
Vdet2…検知保持信号
Vctr0,Vctr1,Vctr2…制御信号
RES…リセット信号
TRIM…トリミング信号
OVT…過温度検知信号
L1,L2…負荷
OUT1,OUT2…出力端子
GND…接地端子(グランド端子,第2の接地端子)
PGND…接地端子(パワーグランド端子,第1の接地端子)
VB…直流電源
Zop…インピーダンス
IL1,IL2…負荷電流

Claims (11)

  1. 負荷に接続される複数の駆動素子と、
    前記複数の駆動素子が並列に接続され、前記複数の駆動素子間で共有される第1の接地端子と、
    ダイオードを介して前記第1の接地端子に接続される第2の接地端子と、
    前記複数の駆動素子のゲート電圧を制御するプリドライバ回路と、
    前記第1の接地端子のオープン状態を検知するオープン検出回路と、
    を備え、
    前記オープン検出回路が前記第1の接地端子のオープン状態を検知した場合、前記複数の駆動素子のうちの一部の駆動素子の動作を停止し、他の駆動素子の動作を継続することを特徴とする負荷駆動装置。
  2. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記プリドライバ回路を介して前記複数の駆動素子を制御するドライバ制御回路をさらに備えることを特徴とする負荷駆動装置。
  3. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記ダイオードは、互いに逆方向の導通特性を有する2つのダイオードが並列に接続された双方向ダイオードであり、
    前記双方向ダイオードの前記第1の接地端子側から前記第2の接地端子側へ駆動電流が流れて発生する電圧により前記第1の接地端子のオープン状態を検知することを特徴とする負荷駆動装置。
  4. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記オープン検出回路からの検知信号を検知して検知保持信号を出力する保持回路をさらに備え、
    前記保持回路は、所定のリセット信号を受信するまで前記第1の接地端子のオープン状態検知および前記複数の駆動素子のうちの一部の駆動素子の動作停止を継続することを特徴とする負荷駆動装置。
  5. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記複数の駆動素子のうちの一部の駆動素子の動作を停止する場合、当該停止させる駆動素子の導通が完了した後に動作を停止することを特徴とする負荷駆動装置。
  6. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記オープン検出回路の閾値を調整する閾値生成回路およびトリミング回路をさらに備えることを特徴とする負荷駆動装置。
  7. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記負荷駆動装置または前記ダイオードの温度を測定し、当該測定した温度が所定の閾値以上の場合、過温度検知信号を出力する過温度検知回路をさらに備え、
    前記過温度検知信号が出力された場合、前記複数の駆動素子のうちの一部の駆動素子の動作を停止することを特徴とする負荷駆動装置。
  8. 請求項4に記載の負荷駆動装置であって、
    前記負荷駆動装置は、前記検知保持信号を出力する出力端子と、前記プリドライバ回路へ制御信号を入力する入力端子を備え、
    前記出力端子および前記入力端子を前記負荷駆動装置とは独立して設けられる制御装置に接続することで、前記複数の駆動素子を制御することを特徴とする負荷駆動装置。
  9. 請求項1に記載の負荷駆動装置であって、
    前記オープン検出回路は、比較器と閾値電圧Vthを生成する閾値生成回路を有し、
    前記第1の接地端子の電位の変化量が前記閾値電圧Vthよりも大きい場合、前記第1の接地端子はオープン状態であると判定することを特徴とする負荷駆動装置。
  10. 請求項4に記載の負荷駆動装置であって、
    前記保持回路は、フィルタ回路とセレクタとフリップフロップを有し、
    前記フィルタ回路は、前記オープン検出回路からの検知信号のレベルおよび持続時間に応じて前記セレクタへの入力信号を制御し、
    前記セレクタは、前記オープン検出回路からの検知信号のレベルに応じて前記フリップフロップへの入力信号を制御し、
    前記フリップフロップは、所定のリセット信号および前記セレクタからの入力信号に応じて前記検知保持信号を出力することを特徴とする負荷駆動装置。
  11. 請求項4に記載の負荷駆動装置であって、
    前記プリドライバ回路を介して前記複数の駆動素子を制御するドライバ制御回路と、
    前記検知保持信号の論理レベルを反転させるNOT回路と、
    前記NOT回路により反転された前記検知保持信号の論理レベルと前記ドライバ制御回路の論理レベルとの論理積を前記プリドライバ回路へ出力するAND回路と、
    を有し、
    前記検知保持信号のレベルに応じて前記NOT回路および前記AND回路により前記プリドライバ回路へ入力する制御信号を決定することを特徴とする負荷駆動装置。
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