JP5192372B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置に係り、特に診断対象を識別するために適切なコントラストノイズ比を得るためのX線条件をスキャン開始前に予め決定する機能を有するX線CT装置に関する。
X線CT装置には、1回のX線曝射で、一つの断層画像が得られるシングルスライス型X線CT装置と、同時に複数の断層画像が得られるマルチスライス型X線CT装置とがある。
前記シングルスライス型X線CT装置は、多数のX線検出素子を1列、すなわち一次元方向(チャネル方向)に配列したX線検出器を用い、被検体にファンビーム、すなわち扇形のX線ビームをX線管から照射し、前記被検体透過後のX線を計測して被検体の投影データを得る。
これに対して、前記マルチスライス型X線CT装置は、被検体にコーンビーム、すなわち円錐形もしくは角錐形のX線ビームをX線管から照射し、多数のX線検出素子を二次元方向(チャネル方向と列方向)に配列したX線検出器によって前記被検体透過後のX線を計測して被検体の投影データを得る。
いずれのX線CT装置においても、対向するX線管とX線検出器とを被検体の周囲に回転させて多方向からの投影データを収集し、この収集した投影データにぼけ補正のための再構成フィルタ処理を行った上で逆投影して被検体の断層像を再構成する。
前記投影データは、離散的なX線管の位置(以下、「ビュー」と呼ぶ)において収集され、この収集された投影データを「該当ビューにおける投影データ」と呼び、前記被検体の周囲を回転するX線管とX線検出器の1回転あたりのビュー数は、通常、数百から数千にまでおよび、1枚のCT画像を再構成するために必要なビュー数の投影データを収集する動作を「スキャン」と呼ぶ。
また、1ビュー分の投影データは、前記X線検出器のチャネル数×列数分のデータから成る(シングルスライス型X線CT装置は前記のとおり列数=1の場合である)。
このようなX線CT装置において、得られた断層像内の診断対象を識別するために、診断対象とその周囲とのCT値差の絶対値を画像ノイズ標準偏差値(以下、「画像SD(Standard Deviation)値」と記載)で除した値、すなわちコントラストノイズ比(Contrast Noise Ratio、以下「CNR」と記載)が重要な画質指標である。
前記X線CT装置の画質指標において、一般的には被曝線量を増大させることによりCNRが向上し、診断用画像として良質な画像となるが、その一方で患者の被曝線量は極力少なく抑えることが望ましい。
そこで、被曝線量・画像SD値を増大させないようにしつつ従来より低い管電圧(X線管の陽極と陰極間に印加する電圧)を使用することで再構成画像におけるCNRを向上させる、あるいは再構成画像におけるCNRを減少させないようにしつつ従来より低い管電圧を使用することで被曝線量を低減するX線CT装置が特許文献1に開示されている。
特開2004−073865号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているX線CT装置は、実際には画像SD値に着目したX線条件最適化を行っているものであり、コントラスト(ここではCT値差の絶対値)もしくはCNRとX線条件との関係は十分に検討されていない。
例えば、臓器間のコントラストは必ずしも管電圧に大きく依存しないので、画像SD値が増大しないようにしつつ従来より低い管電圧を使用しても、CNRの向上には必ずしも有効ではない。
また実際にCNRを保ちながら被曝線量を低減可能なプロセスがどのようなものになるかが明確ではない。
さらに診断対象のサイズによって実現すべきCNRが異なり、したがって設定すべきX線条件も異なるが、その点についても検討されてはいない。
そこで本発明は、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得るX線条件を決定する機能を有するX線CT装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のX線CT装置は以下のように構成される。
すなわち、被検体に照射するX線を発生するX線管と、前記被検体を挟み前記X線管と対向配置され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管とX線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転体と、スキャノグラム撮影及びスキャン撮影に必要な情報を入力及び設定して操作する操作手段と、前記X線検出器によって検出された被検体のスキャノグラム投影データに基づいてスキャン時の撮影条件を決定する撮影条件決定手段と、この撮影条件決定手段によって決定された撮影条件でスキャンするスキャン手段とを備え、このスキャン手段によってスキャンされ前記X線検出器で検出した透過X線量に基づいて前記被検体の断層像を再構成するX線CT装置において、前記撮影条件決定手段は、標準撮影条件を記憶する記憶手段と、前記スキャノグラム投影データを解析して前記被検体の3次元モデルを生成する被検体3次元モデル生成手段と、前記操作手段で前記被検体の診断対象サイズを設定する診断対象サイズ設定手段と、前記設定した診断対象サイズと前記被検体3次元モデルと前記標準撮影条件とから診断対象を識別するコントラストノイズ比を得るためのX線条件を算出するX線条件算出手段とを備える。
本発明のX線CT装置は、さらに、X線条件算出手段が最終的に算出したX線条件(例えば管電圧及び管電流時間積)とこのX線条件とは異なるX線条件での撮影時における評価指標の予想値を表示する手段と、この表示手段に表示された評価指標の予想値に対応するX線条件を選択するX線条件選択手段とを備える。前記評価指標の予想値は、管電圧、管電流、被曝線量、診断対象の想定コントラスト値、コントラストノイズ比、画像ノイズ標準偏差値、診断対象の識別可能サイズ、消費X線管電力のうち少なくとも一つを含む。
さらにまた、前記表示手段に表示された評価指標の予想値に対応するX線条件を選択するX線条件選択手段を備える。
本発明のX線CT装置において、前記X線条件算出手段は、以下、例示する種々の態様を採りえる。
前記X線条件算出手段は、前記標準撮影条件である標準管電圧および標準管電流時間積を用いた場合に、前記操作手段で設定した撮影範囲内の各スライス位置において実現される画像ノイズ標準偏差値の第1の予測値を算出する第1の画像ノイズ標準偏差予測値算出手段と、前記第1の画像ノイズ標準偏差予測値が前記撮影範囲内に設定した特定スライス位置範囲内において最大値となる参照スライス位置を算出する手段と、前記設定した診断対象のサイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、前記コントラストノイズ比算出手段が算出したコントラストノイズ比を用いて前記標準管電圧における第1の画像ノイズ標準偏差基準値を算出する手段と、前記第1の画像ノイズ標準偏差基準値を実現するための第1の管電流時間積を算出する第1の管電流時間積算出手段と、前記参照スライス位置において前記第1の管電流時間積を用いた場合の画像ノイズ標準偏差予測値が所定の上限値以下となる第1の管電圧を算出する手段と、前記参照スライス位置において前記第1の管電圧および前記第1の管電流時間積により実現される第2の画像ノイズ標準偏差基準値を算出する手段と、前記撮影範囲内の各スライス位置で前記第1の管電圧および前記第1の管電流時間積により実現される第2の画像ノイズ標準偏差値予測値を算出する手段と、前記第1の管電圧および前記第2の画像ノイズ標準偏差予測値と前記第2の画像ノイズ標準偏差基準値から前記撮影範囲内の各スライス位置において前記第2の画像ノイズ標準偏差基準値を実現するための第2の管電流時間積を算出する第2の管電流時間積算出手段とを備え、前記第1の管電圧および第2の管電流時間積をX線条件とする。
前記コントラストノイズ比算出手段、第1の画像SD基準値算出手段の具体的手段の一例は以下のとおりである。
(1)前記コントラストノイズ比算出手段は、前記コントラストノイズ比を、前記診断対象のサイズと識別可能なコントラストノイズ比との関係の関数より算出する手段である。
(2)前記第1の画像SD基準値算出手段は、前記第1の画像ノイズ標準偏差基準値を、前記記憶装置に記憶してある診断対象の標準管電圧における想定コントラスト値を前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズで除算することにより算出する手段である。
また、前記X線条件算出手段は、前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における真陽性率と偽陽性率とを設定する真陽性率および偽陽性率設定手段と、前記設定した診断対象のサイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、前記被検体3次元モデルにおける同一撮影条件での画像ノイズ標準偏差値が最大になる参照スライス位置を算出するスライス位置算出手段と、想定コントラスト値と前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比とから前記参照スライス位置における画像ノイズ標準偏差値を算出する画像ノイズ標準偏差値算出手段と、該画像ノイズ標準偏差値算出手段で算出した画像ノイズ標準偏差値を実現するための第1の管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、前記第1の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、前記第1の管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とする。
前記コントラストノイズ比算出手段、前記想定コントラスト値、前記管電流時間積算出手段および前記管電流時間積補正係数算出手段の一例は以下のとおりである。
(3)前記コントラストノイズ比算出手段は、前記コントラストノイズ比を、前記診断対象サイズと識別可能なコントライスノイズ比との関係と、前記真陽性率と偽陽性率との関係と、前記識別可能なコントラストノイズ比と偽陽性率との関係とから算出する手段である。
(4)前記想定コントラスト値は、前記標準撮影条件の標準管電圧における成人の平均被検体サイズとこの平均値で正規化した前記被検体の診断対象サイズに応じた造影効果との関係より求める。
(5)前記管電流時間積算出手段は、前記第1の管電流時間積を、前記被検体サイズにおける画像ノイズ標準偏差値と管電流時間積の関係より求める手段である。
(6)前記管電流時間積補正係数算出手段は、前記補正係数を、前記被検体の所定のサイズにおける管電圧と正規化コントラストノイズ比の関係より求める手段である。
また、前記X線条件算出手段は、前記被検体3次元モデルにおける同一撮影条件での画像ノイズ標準偏差値が最大になる参照スライス位置を算出するスライス位置算出手段と、前記操作手段から目標の画像ノイズ標準偏差値を入力して設定する目標画像ノイズ標準偏差値設定手段と、前記参照スライス位置における想定コントラスト値と前記目標の画像ノイズ標準偏差値とから前記被検体の診断対象の識別可能なコントラストノイズ比を算出して診断対象サイズを算出する診断対象サイズ算出手段と、前記算出した診断対象サイズが現実の診断対象サイズとして適切か否かの判断を受け付ける診断対象サイズ判断入力手段と、前記算出した診断対象サイズが適切であると判断された場合に、前記参照スライス位置での前記診断対象サイズで前記目標の画像ノイズ標準偏差値を満たす第1の管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、前記算出した診断対象サイズが適切でないと判断された場合に、前記診断対象サイズが妥当になるように目標の画像ノイズ標準偏差値を調整する画像ノイズ標準偏差値調整手段と、前記第1の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための前記管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、前記第1の管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とする。
前記想定コントラスト値、前記管電流時間積算出手段および前記管電流時間積補正係数算出手段の一例は以下のとおりである。
(7)前記想定コントラスト値は、前記診断対象サイズ算出手段で算出した診断対象サイズと前記参照スライス位置とに基づいて算出する。
(8)前記管電流時間積算出手段は、前記参照スライス位置および前記診断対象の所定のサイズにおける画像ノイズ標準偏差値と管電流時間積の関係より求める手段である。
(9)前記管電流時間積補正係数算出手段は、前記補正係数を、前記被検体の所定のサイズにおける管電圧と正規化コントラストノイズ比の関係より求める手段である。
また、前記X線条件算出手段は、前記操作手段で所望のスライス位置を指定する所望スライス位置指定手段と、前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における偽陽性率を設定する偽陽性率設定手段と、想定コントラスト値と前記所望スライス位置における前記被検体3次元モデルとから前記所望スライス位置の画像標準偏差予測値を算出する所望スライス位置画像ノイズ標準偏差値予測手段と、前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値と前記想定コントラスト値とから前記指定した所望のスライス位置における診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値が実現可能かを判断する画像ノイズ標準偏差予測値実現性判断手段と、前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値が実現不可能であると判断した場合に、前記画像ノイズ標準偏差予測値が実現できるように前記偽陽性率と前記診断対象サイズを調整する偽陽性率および診断対象サイズ調整手段と、前記画像ノイズ標準偏差予測値が実現可能であると判断した場合に、前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比が全スライス位置に適用可能かを判断するコントラストノイズ比判断手段とを備え、前記コントラストノイズ比が全スライス位置に適用可能であると判断した場合は、前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値を実現するための第1の管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、前記第1の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、前記第1の管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とする。
前記管電流時間積算出手段および前記管電流時間積補正係数算出手段の一例は以下のとおりである。
(10)前記管電流時間積算出手段は、前記第1の管電流時間積を、前記所望のスライス位置および前記被検体の所定のサイズにおける画像ノイズ標準偏差値と管電流時間積の関係より求める手段である。
(11)前記管電流時間積補正係数算出手段は、前記補正係数を、前記被検体の所定のサイズにおける管電圧と正規化コントラストノイズ比の関係より求める手段である。
さらに、前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比を実現できないスライス位置を前記表示手段に強調表示する。
前記コントラストノイズ比判断手段において前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比が全スライス位置に適用不可能と判断した場合に、前記指定したスライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値が全スライス位置に適用可能かの判断をする全スライス位置適用判断手段と、この手段で全スライス位置に適用可能と判断した場合に、スライス位置に依らず前記所望スライス位置における画像ノイズ標準偏差予測値を満たす第2の管電流時間積を算出する第2の管電流時間積算出手段と、前記被検体のスライス位置毎のサイズと前記指定した所望スライス位置における被検体サイズとを比較する被検体サイズ比較手段とを備え、前記管電流時間積補正係数算出手段および前記管電流時間積補正手段は、前記被検体サイズ比較手段において、指定した所望スライス位置における被検体サイズがスキャン位置における被検体サイズと同等以下と判断された場合は、前記第2の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出し、前記第2の管電流時間積を前記補正係数により補正し、前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とする。
前記第2の管電流時間積算出手段および前記管電流時間積補正係数算出手段の一例は以下のとおりである。
(12)前記第2の管電流時間積算出手段は、第2の管電流時間積を、前記所望のスライス位置および前記診断対象の所定のサイズにおける画像ノイズ標準偏差値と管電流時間積の関係より求める手段である。
(13)前記管電流時間積補正係数算出手段は、前記補正係数を、前記診断対象の所定のサイズにおける管電圧と正規化コントラストノイズ比の関係より求める手段である。
前記被検体サイズ比較手段において、当該スライス位置における被検体サイズが前記指定したスライス位置における被検体サイズより大きいと判断された場合に、前記管電圧算出手段が算出した管電圧の条件下でスライス位置毎に前記所望スライス位置における画像ノイズ標準偏差予測値を満たす第3の管電流時間積を算出する第3の管電流時間積算出手段と、前記管電流時間積補正係数算出手段および前記管電流時間積補正手段は、前記第3の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出し、前記第3の管電流時間積を前記補正係数により補正し、前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とする。
前記第3の管電流時間積算出手段および前記管電流時間積補正係数算出手段の一例は以下のとおりである。
(14)前記第3の管電流時間積算出手段は、前記第3の管電流時間積を、前記所望のスライス位置および前記被検体のサイズにおける画像ノイズ標準偏差値と管電流時間積の関係より求める手段である。
(15)前記管電流時間積補正係数算出手段は、前記被検体のサイズにおける管電圧と正規化コントラストノイズ比の関係より求める手段である。
前記指定したスライス位置の画像標準偏差予測値が全スライス位置に適用できない場合に、前記指定したスライス位置における画像ノイズ標準偏差値を満たす第4の管電流時間積を算出する第4の管電流時間積算出手段と、該第4の管電流時間積を用いて前記指定したスライス位置における被曝線量とX線管電力を算出する指定スライス位置の被曝線量およびX線管電力算出手段と、この手段で算出したX線管電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする第2の管電圧を算出する第2の管電圧算出手段とを備え、前記第2の管電圧および前記第4の管電流時間積をX線条件とする。
また、前記X線条件算出手段は、前記操作手段でスキャン領域を設定し、この領域内で複数の関心領域を設定する複数関心領域設定手段と、前記複数関心領域設定手段で設定した複数の関心領域毎に前記診断対象サイズ設定手段で診断対象サイズを設定し、かつ前記複数の診断対象サイズ内に存在する疾病の偽陽性率を設定する複数偽陽性率設定手段と、前記設定した複数の関心領域の診断対象サイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、前記被検体3次元モデルで前記設定した関心領域毎に画像ノイズ標準偏差値が最大になるスライス位置を算出するスライス位置算出手段と、想定コントラスト値と前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比とから前記スライス位置算出手段で算出したスライス位置における画像ノイズ標準偏差値を算出する画像ノイズ標準偏差値算出手段と、該画像ノイズ標準偏差値算出手段で算出した画像ノイズ標準偏差値を実現するための管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、該管電流時間積算出手段で算出した管電流時間積における管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、前記管電流時間積算出手段で算出した管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とする。
前記管電流時間積算出手段および前記管電流時間積補正係数算出手段の一例は以下のとおりである。
(16)前記管電流時間積算出手段は、前記被検体サイズにおける画像ノイズ標準偏差値と管電流時間積の関係より求める手段である。
(17)前記管電流時間積補正係数算出手段は、前記被検体サイズにおける管電圧と正規化コントラストノイズ比の関係より求める手段である。
また、前記X線条件算出手段は、前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における真陽性率と偽陽性率とを設定する真陽性率および偽陽性率設定手段と、前記設定した診断対象のサイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、想定コントラスト値と前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比とを満たす画像ノイズ標準偏差値を、特定スライス位置範囲内にあるスライス面毎に算出する画像ノイズ標準偏差値算出手段と、前記標準撮影条件として設定された管電圧において、スライス面毎の診断対象サイズで前記画像ノイズ標準偏差値を満たす管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段とを備え、前記設定された管電圧および前記管電流時間積算出手段で算出された管電流時間積をX線条件とする。
本発明によれば、被検体のスキャノグラム投影データを解析して被検体の3次元モデルを生成し、被検体の診断対象のサイズと被検体3次元モデルと予め設定してある標準撮影条件とから診断対象を識別するコントラストノイズ比を得るためのX線条件を算出し、この算出したX線条件でスキャンする構成としたので、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得るX線条件を決定できる。その結果、診断に必要十分な画質の断層画像を得るX線CT装置を提供することができる。
以下、添付図面に従って本発明のX線CT装置の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
なお、本発明は、診断対象を識別するために適切なコントラストノイズ比を得るためのX線条件をスキャン開始前に予め決定し、この決定したX線条件でスキャンするものであり、スキャン方式(アキシャルスキャン、螺旋スキャン)及びスライス型(シングルスライス、マルチスライス)のいずれにも適用可能であるが、ここでは、マルチスライス型螺旋スキャン方式のX線CT装置に適用した場合を例として説明する。
図2に本発明が適用されるX線CT装置の全体概観図、図1にその全体構成図を示す。
図2に示すX線CT装置は、被検体にX線を照射して前記被検体の透過X線データを収集し、この収集したX線データを再構成演算して断層像を得るもので、被検体にX線を照射して被検体を透過したX線データを収集するスキャナガントリ1と、被検体を載置する移動可能な天板4を備えた寝台2と、各種動作設定を行うと共に収集したX線データに基づいてX線断層像を再構成し表示する操作装置6と表示装置5等を備えた操作卓3とにより構成される。
スキャナガントリ1は、図1に示すように、X線制御装置7によって制御されるX線を発生するX線管8を有し、該X線管8から放射されたX線はコリメータ制御装置9によって制御されるコリメータ10により、例えば角錐形のX線ビーム、すなわちコーンビームX線が被検体17に照射されて該被検体17を透過したX線はX線検出器11に入射する。
X線検出器11は、図3に示すようにチャネル方向と列方向に二次元的に配列された複数のX線検出素子18を有する。
このX線検出素子18は、例えばシンチレータとフォトダイオードとの組み合わせによって構成され、全体として円筒面状若しくはチャネル方向に関して折れ線状に湾曲したX線入射面を構成しており、例えばチャネル番号iは1〜1000程度、列番号jは1〜1000程度である。
X線検出器11におけるチャネルの配列方向に一致するコーンビームX線のチャネル方向の広がり角度、すなわちファン角度はαであり、またX線検出器11における列の配列方向に一致するコーンビームX線の列方向広がりの角度、すなわちコーン角度はγである。
X線検出器11にはデータ収集装置12が接続され、このデータ収集装置12はX線検出器11の個々のX線検出素子18の検出データを収集する。
上記のX線制御装置7からデータ収集装置12までの構成要素はスキャナガントリ1の回転板13に搭載され、この回転板13は回転制御装置14によって制御される回転板駆動装置15からの駆動力が駆動力伝達系16により伝達されて被検体17の周囲を回転する。
図1に示す被検体17を載置する移動可能な天板4を備えた寝台2は、寝台制御装置20によって寝台上下移動装置21を制御して適切な寝台高さにすると共に、前記寝台制御装置20によって天板移動装置22を制御して天板4を前後に移動させ、被検体17をスキャナガントリ1のX線照射空間(開口部)26に搬入および搬出するように構成されている。
このように構成されたスキャナガントリ1において、図4に示すように、寝台2の天板4に載置された被検体17がスキャナガントリ1の開口部26に搬入された後、コリメータ10の開口幅によりコーン角度γを調整したコーンビームX線を被検体17に照射すると、コーンビームX線を照射された被検体17のX線像はX線検出器11に投影され、X線検出器11によって被検体17を透過したX線が検出される。
図1に示す前記操作卓3は、本発明によるX線CT装置のシステム全体を制御するシステム制御装置19を備え、このシステム制御装置19には、スキャナガントリ1と寝台2が接続されている。
すなわち、このシステム制御装置19により、スキャナガントリ1内のX線制御装置7、コリメータ制御装置9、データ収集装置12、回転制御装置14及び寝台2内の寝台制御装置20が制御される。
データ収集装置12で収集されたデータは、システム制御装置19の制御によって画像再構成装置23に入力される。
この画像再構成装置23は、スキャノグラム撮影時にはデータ収集装置12が収集したスキャノグラム投影データ(被検体透視データ)を用いてスキャノグラム画像を作成し、スキャン時にはデータ収集装置12が収集した複数ビューの投影データを用いてCT画像再構成を行う。
画像再構成装置23で作成されたスキャノグラム画像及び再構成されたCT画像や、各種データ、及びX線CT装置の機能を実現するためのプログラム等は、システム制御装置19に接続されている記憶装置24に格納されている。
記憶装置24には、標準撮影条件も記憶される。標準撮影条件とは、被検体17の体格や撮影部位で推奨される撮影条件を意味する。さらに後述するスキャン計画装置25の計算に必要なデータ等も保存される。
また、システム制御装置19には、表示装置5と操作装置6がそれぞれ接続され、表示装置5は、画像再構成装置23から出力される再構成画像やシステム制御装置19が取り扱う種々の情報を表示する。
前記操作装置6は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等をシステム制御装置19に入力する入力手段を備えている。
そして、操作者は、前記表示装置5および操作装置6を使用して対話的に本発明によるX線CT装置を操作する。
さらに、システム制御装置19には、本発明の要部であるスキャン計画装置25が接続されており、このスキャン計画装置25は、操作者が前記操作装置6を使用して入力した指示と前記記憶装置24から読み出したスキャノグラム画像を用いて撮影条件をスキャン開始前に予め決定するものである。
すなわち、記憶装置24から読み出されたスキャノグラム画像が表示装置5に表示され、操作者は表示された被検体スキャノグラム画像上で操作装置6を用いてCT画像再構成位置(以下、スライス位置という)の座標を指定することにより、スライス位置を設定することができ、ここで設定したスライス位置の情報は記憶装置24に保存されると共にX線量制御条件等を設定するために用いられる。
本発明によるX線CT装置は、被検体のCT画像を取得するスキャンの前に、撮影条件を決定するために種々の準備操作を行う。
この準備操作は、被検体の撮影位置を設定するためのスキャノグラム画像の撮影と、この撮影で得られたスキャノグラムデータの解析と、それに基づく撮影条件としての最適な照射X線条件の決定などで、これらはシステム制御装置19の制御の下で行われる。
この準備操作に関与する主な構成要素としては、図1中のシステム制御装置19と、スキャン計画装置25と、操作装置6と、表示装置5と、X線管8と、X線検出器11等で、特に、スキャノグラムデータの解析、それに基づく撮影条件としての最適な照射X線条件の決定は、システム制御装置19に接続されたスキャン計画装置25の重要な機能である(撮影条件決定手段)。
この準備操作において、先ずスキャノグラム画像(スキャン範囲の計画を立てるために一方向から透視して得られる画像)を得るために操作装置6は、主としてX線管電圧(X線管8の陽極と陰極間に印加する電圧)、X線管電流(X線管8の陽極と陰極間に流れる電流)の設定値等のX線条件をシステム制御装置19に入力する。
そして、回転板13を回転させずに被検体17を載置した天板4と回転板13を前記被検体17の体軸に沿って相対移動させて、スキャノグラム画像の撮影を行い、スキャノグラム投影データ及びスキャノグラム画像データを記憶装置24に保存する。
スキャノグラム画像データは、画像再構成装置23の機能の一部を使用して、スキャノグラム投影データにチャネル方向およびビュー方向の2次元フィルタ処理を行って作成する。
スキャン計画装置25は、スキャノグラム投影データを解析し、被検体の体軸に沿った任意の位置における推定断面を、例えば水に等価なX線吸収係数を持つ楕円断面としてモデル化する。
このモデルは、被検体の体軸に沿った位置(以下、z位置と記載)に依存して楕円断面の長軸長・短軸長が変化する3次元的なモデルとなる(以下、被検体3次元モデルと記載)。
この被検体3次元モデルのデータは記憶装置24に保存される。
そして、スキャン計画装置25は、操作装置6から入力された診断対象サイズ、管電圧及び管電流設定値、X線コリメーション条件、スキャナ1回転あたりの時間(以下、スキャン時間と記載)、及びスキャン計画装置25が作成した被検体3次元モデルのデータを基にして、推奨する管電圧及び該管電圧でのスキャン中に被検体断面形状の変化に応じて経時的に変化する一連の管電流値、すなわち管電流の変化パターンを算出する。
上記機能を持つスキャン計画装置25は、本発明の重要な構成要素で、これらによりスキャン時の最適なX線条件を決定するものである(X線条件算出手段)。
図5は上記最適なX線条件を決定するためのスキャン前に行なう準備操作の一連の動作フロー図で、以下、この動作フロー図を用いてX線条件を決定する工程について詳細に説明する。
(1)スキャノグラム撮影(ステップS100)
被検体17のスキャノグラム画像を撮影する。被検体17のスキャノグラム画像を撮影する手順とスキャンにおいてCT画像を撮影する手順とは基本的には同じである。
このスキャノグラム投影データは、スキャナガントリ1の回転板13を回転させずに被検体17に対して一定方向、例えば被検体17の背面方向からX線を照射して、X線検出器11によって被検体17を透過したX線を検出し、この検出データを取り込むことによって得られる。
X線検出器11で検出した検出データをデータ収集装置12で収集したスキャノグラム投影データは、このデータ収集装置12からシステム制御装置19を介して画像再構成装置23に送られ、該画像再構成装置23でスキャノグラム画像が作成され、表示装置5に表示される。
このとき得られるスキャノグラム画像は一定方向、例えば背面から正面へ透過するX線による像を正面方向から見たもので、このスキャノグラム画像は、スキャン時の被検体17のスライス位置(CT画像再構成位置)設定のために利用される。
スキャノグラム投影データは、スキャノグラム画像作成に用いられるだけでなく、本発明の特徴であるスキャンにおける最適なX線照射撮影条件決定のために利用される。
(2)撮影条件の入力(ステップS110、S120、S130)
操作者が表示装置5に表示されたスキャノグラム画像を参照して操作装置6から撮影条件としての天板移動ピッチ、スキャン開始位置zs、スキャン終了位置zeを入力する。ここでzs≦zeと仮定して一般性を失わないので、以下においてzs≦zeとする。
これらの入力データを用いてスキャン計画装置25により、被検体17のCT画像撮影範囲とスライス位置zとX線管8の位相角(回転板13の位相角)βが決定される。
ここで、スキャン開始位置zs、スキャン終了位置zeは一連のスキャンで得られる最初のCT画像のz位置、最後のCT画像のz位置を各々意味している。
(3)その他の撮影条件の入力(ステップS140)
操作者が操作装置6から撮影条件としての標準管電圧、標準管電流、スキャン時間、X線コリメーション条件、再構成フィルタ関数の種類、視野サイズ、スライス厚、ウィンドウ条件等を入力する。
(4)特定スライス位置範囲、診断対象サイズの入力(ステップS150)
操作者が操作装置6から、特に着目する撮影範囲の開始位置zssおよび終了位置zse、診断対象(例えば、造影した肝細胞がん)のサイズd_0を入力する。
ここで、zs≦zss≦zse≦zeである。zssの入力を省略した場合はzss=zs、zseの入力を省略した場合はzse=zeが自動設定される。また、診断対象のサイズd_0としては、例えば診断対象と等しい面積を持つ円の直径(等価直径)を入力する。
(5)スキャノグラムデータの解析及び被検体3次元モデルの生成(ステップS160、S170)
スキャン計画装置25でスキャノグラム投影データを解析して被検体17の被検体3次元モデルを生成する。
この被検体3次元モデルは、z位置に対応する被検体17の各断面を水に等価なX線吸収係数を持つ楕円断面として近似したもので、その近似方法については特許文献1や特開2001-276040号公報に開示されているので、ここではその説明を省略する。
(6)標準管電圧、標準管電流における画像SD予測値の算出(ステップS180)
標準管電圧xv_ref、標準管電流時間積(管電流値とスキャン時間との積)i_refを用いた場合に、スキャン開始位置zsからスキャン終了位置zeの範囲内の任意のスライス位置zにおいて得られるCT画像の画像SD値の予測値SD_ref(z,xv_ref,i_ref)を算出する(第1の画像SD予測値算出手段)。
この予測算出方法についても、特許文献1や特開2001-276040号公報に開示されている方法を各スライス位置zにおける断面モデル、標準管電圧xv_ref、標準管電流時間積i_refに対して用いればよいので、ここでは説明を省略する。
(7)特定スライス位置範囲における画像SD予測値の最大値及び当該スライス位置の算出(ステップS190)
前記ステップS180で予測したSD_ref(z,xv_ref,i_ref)の特定スライス位置範囲(zss≦z≦zse)における最大値MAX_SD_refと、画像SD値がMAX_SD_refとなるスライス位置(参照スライス位置)z_MAXSDを求める(画像SD予測値の最大値におけるスライス位置算出手段)。
(8)診断対象識別可能なCNRの算出(ステップS200)
ステップS150で入力した診断対象サイズd_oから診断対象を識別可能なCNRを求める(コントラストノイズ比算出手段)。
これは図6に示す診断対象サイズdと識別可能CNRとの関係の関数CNR_det_funcを予め実験により求めておき、次式により目的とする識別可能コントラストノイズ比CNR_detを求めることによって成される。
CNR_det=CNR_det_func(d_o) (式1)
ここで、関数CNR_det_funcは典型的には次式のように表される
CNR_det_func(x)≡a×x-b (式2)
ただし、a、bは実数であり、a>0、b>0である。
なお、式2は多項式による表現も可能とする。
この場合、
CNR_det_func=a+b*x+c*x2+・・・+n*xn (式2’)
のように表される。
ただし、a, b, c, nは実数である。
また診断対象サイズd_oと識別可能なCNRの関係は、表1のようにデータテーブルとして記憶装置に保持していても良いものとする。このデータテーブルを操作者に開示し、操作者が所望の変更を加えることも可能である。この場合、変更されたデータに基づき、離散的なデータをスプライン補間する等によって、最適な近似曲線が自動的に作成されるようにするのが望ましい。
Figure 0005192372
(9)識別可能なCNRをスライス厚およびウィンドウ条件に基づいて補正(ステップS201〜S204)
ここでは、ステップS200で算出した識別可能CNRを、ステップS140で設定したスライス厚およびウィンドウ条件の情報を基に補正する。具体的には、図7に示す手順により補正処理を行う。
(9-1)ステップS201
スライス厚と診断対象サイズdとから診断対象実効径d_effを算出する。
これは診断対象を球とした場合にスライス厚が厚くなることにより、球の見かけ上のサイズが小さく見えるため、ここではその実効的なサイズを求める。典型的には以下の式により表される。スライス厚をSthickとすると、
Figure 0005192372
(9-2)ステップS202
診断対象の実効径d_effに基づき、スライス厚による実効径の変化が識別可能CNRに及ぼす影響を補正する。図8(a)に示すように、識別可能CNRと診断対象のサイズ(径)との関係を示すグラフにおいて、診断対象のサイズがd_oからd_effに変わる、識別可能CNRも変わり、この時点での補正後の識別可能CNRは、CNR_d_modu1となる。
(9-3)ステップS203
スライス厚、ウィンドウ条件(ウィンドウ幅、ウィンドウレベル)が診断対象のコントラストに及ぼす影響を補正する。
これはスライス厚およびウィンドウ条件が変化した場合、診断対象の見かけ上のコントラストが変化し、識別可能CNRを適切に補正する必要があるためである。
ウィンドウ条件(ウィンドウ幅、ウィンドウレベル:W_Cond)の変化に対応する診断対象を識別可能な見かけ上のCNRの変化割合(CNR_app)の関係の概略図を、図8(b)に示す。
典型的には式2および式2’において、CNR_det_funcをCNR_appに、xをW_Condに置き換えた式により表される。よって、ウィンドウ条件を考慮した場合、補正後の識別可能CNRをCNR_d_modu2とすると、
CNR_d_modu2=CNR_d_modu1*CNR_app
となる。
(9-4)ステップS204
以上、ステップS201〜S203の手順を踏むことにより、スライス厚やウィンドウ条件の影響を考慮した補正後の識別可能CNR(CNR_d_modu2)を得ることができる。
なお、上記ステップS201〜S204による識別可能CNRの補正は、本実施の形態において必須ではないが、スライス厚およびウィンドウ条件を考慮した補正を行なうことにより、より精度の高いX線条件設定を行なうことができる。以下、参照する識別可能コントラストノイズ比CNR_detは、上述した補正後の識別可能コントラストノイズ比を含む。
(10)標準管電圧で実現すべき画像SD基準値の算出(ステップS210)
予め記憶装置24に格納してある診断対象の標準管電圧xv_refにおける想定コントラスト値C_oとステップS200で求めたCNR_detとから、標準管電圧で実現すべき画像SD値の基準値であるSD_xv_refを次式により求める(第1の画像SD基準値算出手段)。
SD_xv_ref=C_o/CNR_det (式3)
(11)SD_xv_refを実現する管電流時間積i_ta(z_MAXSD)の算出(ステップS220)
参照スライス位置z_MAXSDにおける標準管電圧xv_refのもとでの画像SD値であるSD_xv_refを実現するための管電流時間積i_ta(z_MAXSD)を次式によって求める(第1の管電流時間積算出手段)。
i_ta(z_MAXSD)=i_ref×(MAX_SD_ref/SD_xv_ref)2 (式4)
(12)画像SD≦上限値SD_ULIMとなる管電圧xv_a及びスライス位置z_MAXSDにおける予測画像SD値SD_xv_aの算出(ステップS230)
識別対象以外の部分の画質を考慮し、(式4)で算出した管電流時間積i_ta(z_MAXSD)での画像SDが上限値SD_ULIM以下となるような管電圧xv_aを求める。画像SDの上限値SD_ULIMは、適切な値を予め操作装置から入力しておく。或いは推奨される値をデフォルトで記憶装置24に設定しておいてもよい。
ここで、管電流一定のもとでは管電圧によらず造影対象のCNRが略一定に保たれることがわかっているため、管電圧の変更は造影対象の診断に悪影響を与えない。
そこで、管電圧xv_aの算出は、画像SD値の予測機能を用い、実験データ他に基づいて求めた図9に示すスライス位置z_MAXSD、管電流時間積i_ta(z_MAXSD)のもとでの管電圧と画像SDとの関係を用いて、次式を満たす最低の管電圧xv_aを求める。(第1の管電圧を算出する手段)。
SD_ULIM≧SD_func(xv_a) (式5)
この時、スライス位置z_MAXSDにおいて予測される画像SD値をSD_xv_aとする。なお管電圧と画像SDとの関係は典型的には次式のように表される。
SD_func(x)≡c×x-g (式6)
ただし、c、gは実数であり、c>0、g>0である。
(13)管電圧xv_a、管電流時間積i_ta(z_MAXSD)時の画像SD予測値の算出(ステップS240)
画像SD予測機能により、各スライス位置zにおいて管電圧xv_a、管電流時間積i_ta(z_MAXSD)を用いた場合に得られるCT画像の画像SD値、SD_ref(z,xv_a,i_ta(z_MAXSD))を予測する(第2の画像SD予測値算出手段)。
(14)スライス位置zにおける画像SD値SD_xv_aを実現するための管電流時間積i_r(z)の算出(ステップS250)
各スライス位置zにおける管電圧xv_aのもとでスライス位置z_MAXSDにおいて予測される画像SD値SD_xv_aとするための管電流時間積i_r(z)を次式によって求める(第2の管電流時間積算出手段)。
i_r(z)=i_ta(z_MAXSD)×(SD_ref(z,xv_a,i_ta(z_MAXSD))/SD_xv_a)2
こうして求めた管電流時間積i_r(z)および管電圧xv_aが、スキャン計画装置25で算出された管電流時間積および管電圧の推奨条件となる。
(15)管電圧、管電流と被曝線量、画像SD予測値との関係の表示(ステップS260)
上記推奨条件およびそれ以外の条件で撮影した場合の、被曝線量(CTDI)、画像SD値、診断対象の識別可能サイズ等の予想値を計算し、それを操作者に対する選択肢として表示する。例えば、以下の選択肢<1>〜<3>の各々につき、図10に示すように、管電圧、平均管電流(管電流時間積をスキャン時間で除した値)、被曝線量(CTDI)、画像SD値、診断対象の識別可能サイズ等の予想値を表示し(評価指標の予想値表示手段)、この中で選択肢<1>が推奨条件であることを明示する。
なお診断対象の識別可能サイズについては、(式1)に記載した関数CNR_det_funcの逆関数を用いて算出することができる。
<1>管電圧xv_a、管電流時間積i_r(z)を使用する場合(推奨条件)
<2>標準管電圧xv_ref、管電流時間積i_r(z)を使用する場合(管電流のみ最適化)
<3>標準管電圧xv_ref、標準管電流時間積i_refを使用する場合(最適化なし)
上記<1>、<2>、<3>の選択肢において、<1>は管電圧、管電流ともに最適化した場合、<2>は管電流のみ最適化し、管電圧は標準的な値を使用する場合、<3>は管電圧及び管電流も最適化せずに、標準的な撮影条件を使用する場合である。
上記のように表示することによって、各々のメリットとデメリットが良く分かるようになり、操作者は前記メリットとデメリットを考慮して撮影条件を選択することができる。
通常は、本発明の目的である診断対象を識別するために適切なCNRを達成するためのX線条件を求めて、このX線条件でスキャンする場合は<1>が最適であるが、読影医等の判断で<1>以外を選ぶこともあり、そのような場合でも、その結果得られる画質等について予測値を示しておく方が判断の一助となる。
(16)撮影条件の選択(ステップS270)
操作者が前記ステップS260で示された選択肢から最も適切な条件を選択する。
前記条件の選択は、例えば図10に示す条件を表示装置5に表示し、この表示された条件の中から使用する条件を操作装置6の入力装置、例えばマウスでクリックして選択する(X線条件選択手段)。
以上のようにして、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得る撮影条件を決定することができる。
なお、診断対象を最小限の被曝線量で識別可能とするには<1>が最適であるが、若干被曝線量が増大しても<1>より画像SD値が小さい画像にしたい場合は<2>を選択し、あるいは経験的に慣れている標準条件でスキャンするのが最も適切と考える場合は<3>を選択することになる。
ただし、<3>は適切なCNRを達成できない場合が考えられるので、表示された識別可能サイズが入力した診断対象サイズより大きくなってしまう場合は、改めて<1>や<2>を選択すれば良い。
このように、実際に撮影条件を決定するには読影医の経験等に基づいて決定する場合もあるので、これを考慮して上記のように使用目的に応じて撮影条件を選択できるように配慮することにより柔軟なシステムにすることができる。
以上のようにして決定された撮影条件は記憶装置24に保存され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次読み出されて、X線制御装置7を介してスキャン中の撮影条件(管電圧、管電流)を制御する。
上記機能及び処理を実行するシステム制御装置19、スキャン計画装置25、操作装置6等の装置は、プロセッサ、コンピュータ、メモリ、記憶装置、レジスタ、タイミング制御、割り込み、通信インタフェイス、及び入力/出力信号インタフェイス等の組み合わせによりコンピュータ・プログラムに応じて動作する構成とすることにより具現化可能である。
以上、実施形態例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
上記に説明した如く、本発明のX線CT装置は、スキャン計画装置25により、被検体17のスキャノグラム投影データから被検体17の3次元モデルを生成するスキャノグラム解析及び被検体3次元モデル生成機能や、識別対象のサイズから診断に必要なCNRを算出し、被検体17の3次元モデルから被検体の撮影部位に応じた適切な撮影条件を算出して設定する最適撮影条件設定機能を備えているので、適切な画質の被検体画像を得るためのX線CT検査を容易に提供することが可能となる。
次に、別の好ましい5つの実施形態について図11以降の図面を用いて説明する。なお、前記別の好ましい5つの実施形態と図5の動作フローにより説明した実施形態とを区別するために、上記図5を第1の実施形態とし、別の好ましい5つの実施形態を説明順にそれぞれ第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態、第6の実施形態とする。
《第2の実施形態》
図11は、第2の実施形態における上記最適なX線条件を決定するためのスキャン前に行なう準備操作の一連の動作フロー図で、以下、この動作フロー図を用いてX線条件を決定する工程について詳細に説明する。
本実施形態は、(a)識別可能CNRの算出に際し、診断対象のサイズに加えて、真陽性率および偽陽性率を用いる点、および(b)予め求めておいた画像SDと管電流時間積mAsの関係を用いて識別可能CNRを実現する管電流時間積mAsを求める点、および(c)求めた管電流時間積mAsを管電圧に依らずCNRを概一定にするように補正する点が、主として第1の実施形態と異なっている。(a)を採用することにより、読影医の読影能力を考慮した識別可能CNRに基づき推奨撮影条件を算出することができる。
(1)スキャノグラム撮影(ステップS300)
被検体17のスキャノグラム画像を撮影する。このスキャノグラム画像の撮影は第1の実施形態と同様であるので、その詳細については省略する。
(2)スキャン領域設定、撮影条件の入力(ステップS301)
この処理は、第1の実施形態のステップS110、S120、S130およびS140と同じで、操作者がスキャノグラム画像を参照して操作装置6から診断対象を含んだ撮影領域(スキャン開始位置zs、スキャン終了位置ze)を設定する。
ここで、スライス位置の撮影条件として、スライス厚、天板移動ピッチ、スキャン時間、標準管電圧、標準管電流、X線コリメーション条件、再構成フィルタ関数の種類、視野サイズ、ウィンドウ条件等を入力する。
(3)スキャノグラムデータ解析(ステップS302)および被検体3次元モデル生成(ステップS303)
第1の実施形態のS160、S170と同様に、スキャン計画装置25でスキャノグラム投影データを解析して被検体17の被検体3次元モデルを生成する。
(4)診断対象サイズd_oおよびTPF、FPFの入力(ステップS304)
操作装置6の入力装置から診断対象となるもののサイズ(例えば造影された肝細胞ガン)d_oを入力して設定する。
さらに、操作装置6の入力装置から操作者が診断の際の目安となる真陽性率(診断対象に存在する疾病が正しいと判断する確率:True Positive Fraction、以下「TPF」と記す)と偽陽性率(診断対象に疾病が存在しないにもかかわらず誤って存在すると判断する確率:False Positive Fraction、以下「FPF」と記す)とを操作装置6の入力装置から入力して設定する(真陽性率および偽陽性率設定手段)。
診断対象のサイズは、例えば診断対象と等しい面積を持った円の直径r(円等価直径)とする。
(5)診断対象の識別が可能なCNR_detの算出(ステップS305)
ステップS304で操作者が入力した診断対象のサイズd_oから診断対象を識別可能なCNR_detを求める(コントラストノイズ比算出手段)。
識別可能なCNR_detは、図12に示す診断対象サイズd_oと識別可能なCNRとの関係図(診断対象サイズと識別可能なコントラストノイズ比との関係)と、図13(a)に示すFPFとTPFとの関係図(真陽性率と偽陽性率との関係)および図13(b)に示す識別可能なCNRとFPFとの関係図(識別可能なコントラストノイズ比と偽陽性率との関係)を用いて算出する。
先ず、図12に示す診断対象サイズd_oと識別可能なCNRとの関係を得るためには、例えば操作者がTPF、FPF、d_oなどを入力することによって、後述の図13(a)に示すFPFとTPFとの関係および図13(b)に示す識別可能なCNRとFPFとの関係図を求める必要がある。
図13(a)に示すFPFとTPFとの関係を表すROC曲線(receiver operating characteristic curve)は、診断対象サイズ毎にCNRを変化させた場合について、CNRが既知の画像を用いて予めROC解析を行って算出し、この結果を記憶装置24に格納しておく。
そして、図13(a)のROC曲線上で操作者がステップS304で入力したTPFの値がTである場合、例えば、d_o=r、CNR=aのROC曲線上からTPF=Tに対応するFPF=Fをスキャン計画装置25で算出する。同様にして異なるCNR毎のROC曲線で、TPF=Tに対するFPFを求め、図13(b)に示すCNR-FPF曲線を作成する。
その後、CNR−FPF曲線において、例えばFPF=F1におけるCNR_detが診断対象サイズrにおける識別可能なCNRとして算出される(図12に参照)。
CNR−FPF曲線は、操作者がTPFを入力した時点で様々な診断対象サイズで作成されて記憶装置24に格納される。
ここで、さらにFPFの値を定めることによって、図12に示す様な診断対象サイズd_oと識別可能CNRとの関係図が作成される。
この図12の関係図を基に、操作者は該当する検査に対応する診断対象サイズd_oを入力することで、該診断対象サイズd_oに対応する識別可能なCNR_detを算出することができる。
なお、記憶装置24に格納してあるCNR毎のROC曲線は、読影者に応じて改変することも可能である。
このように、読影者に応じて改変する場合は、ROC解析を行うためのデータセットを記憶装置24に格納しておいても良いし、操作者が用意したものを使用しても良い。
またステップS304において、TPFやFPFの入力は省略し、デフォルト値として、例えばTPF=0.95、FPF=0.05のような値を予め記憶装置24に格納しておいても良い。
さらにまた、診断対象サイズd_oの入力も省略可能である。この場合は、診断対象部位や撮影部位に応じて、例えば肝臓領域であればd_o=10mmという値を予め記憶装置24に格納しておき、読影者に応じて改変することも可能である。
なお、診断対象サイズd_oと識別可能CNRの関係は、典型的には上記(式2)と同様である。
ここで、読影医が予め決まっている場合には、記憶装置24に格納してあるデータセットをステップS304以前に呼び出しておき、読影医のROC解析結果と(式2)を用いて、読影医が設定した診断対象サイズから導き出された識別可能なCNRを求める。
この結果、算出した(式2)の曲線と読影医の読影能力が完全に一致することで、より最適な識別可能なCNRの設定が可能になる。
この方法による識別可能なCNRの設定は、以下の実施形態(第3の実施形態、第4の実施形態および第5の実施形態)でも同様に適用可能である。
また上述のようにステップS305で算出した識別可能なCNRは、第1の実施形態のステップS201〜S204(図7)と同様に、ステップS301で入力されたスライス厚やウィンドウ条件を考慮して補正してもよい。
(6)作成した3次元モデルにおける同一撮影条件での画像SDが最大になるスライス位置z_MAXSD2の算出(ステップS306)
ステップS303で作成した被検体17の3次元モデルからスキャン範囲内における同一撮影条件での画像SDが最大になる参照スライス位置z_MAXSD2を算出する(スライス位置算出手段)。
このz_MAXSD2は、スキャノグラムの投影高さ(スライス毎のX線減衰量に対応し、投影高さが大きいとX線減衰が大きいことを意味し、画像SDは大きくなる)を解析することによって算出される。
(7)想定コントラスト値とCNR_detより、参照スライス位置z_MAXSD2での画像SD(z_MAXSD2)の算出(ステップS307)
この工程では、撮影部位および被検体のサイズ等を考慮した想定コントラスト値C_dと、ステップS305で算出したCNR_detより、参照スライス位置z_MAXSD2での画像SDであるSD(z_MAXSD2)を以下の(式7)により算出する(画像ノイズ標準偏差値算出手段)。
SD(z_MAXSD2)=C_d/CNR_det (式7)
上記想定コントラスト値C_dは、例えば肝臓領域の造影を想定すると、診断対象としての肝細胞ガンと肝実質とのCT値差の絶対値を意味する。ここで、肝臓における想定コントラスト値は、患者に投与する造影剤濃度に比例して大きくなる。また、被検体サイズが大きいほど想定コントラスト値は小さくなる。
図14は、標準管電圧xv_refにおいて成人の平均被検体サイズをPat_aveとし、このPat_aveで正規化した被検体サイズに応じた想定コントラスト値を示す模式図である。スキャノグラム解析データを基にz_MAXSD2における被検体サイズがPat_Rと算出できる時、正規化想定コントラスト値がc(R)であることを意味する。
実際の想定コントラスト値ΔHU_refの算出は、例えば(式8)のようになる。
ΔHU_ref=(HU_dia/HU_init)×c(R) (式8)
ただし、HU_initは正規化造影効果を算出する際に使用した造影剤濃度、HU_diaは実際に臨床で使用される造影剤濃度を表す。
このΔHU_refを、上記式7の想定造影効果C_dに用いる。
上記想定コントラスト値は診断対象部位や撮影部位、被検者の体格等に応じて予め記憶装置24に格納しておく。
(8)参照スライス位置z_MAXSD2の被検体サイズLでSD(z_MAXSD2)を満たすmAs(z_MAXSD2)の算出(ステップS308)
図15に示す被検体サイズLにおける画像SDと管電流時間積mAsの関係より、画像SD=SD(z_MAXSD2)に対応する管電流時間積mAs(z_MAXSD2)を算出する(管電流時間積算出手段)。ここで、画像SD-管電流時間積mAs曲線の管電圧条件は、例えば120kV(以降、標準管電圧xv_ref)とする。
図15の画像SDと管電流時間積mAsの関係図は、被検体サイズ毎に予め記憶装置24に格納してあるものを用いる。関係図の作成に必要なデータは、例えば使用するX線CT装置を用いて様々なサイズの水ファントムで撮影して得られたデータ、若しくはシミュレーションデータに基づいて作成したデータを用いる。
(9)mAs(z_MAXSD2)の条件での被写体サイズLにおける管電圧と正規化CNRとの関係を基にして、管電圧に依らずCNRを概一定にするためのmAs補正係数の算出とmAsの補正(ステップS309)。
ステップS308で算出した管電流時間積mAs(z_MAXSD2)の条件において、図16に示す被写体サイズLにおける管電圧と正規化CNRとの関係図を基にして、管電圧に依らずCNRを概一定にするためのmAs補正係数λを算出する(管電流時間積補正係数を算出手段)。
これは、図16に実線のグラフで示すように、CNRは管電圧が小さくなるにつれてが減少傾向にあることを考慮するためである。例えば、管電圧がb(<標準管電圧xv_ref)の時、正規化CNRがc(b)であるとすると、mAs補正係数λ(b)および補正後のmAs値であるmAs_corr(b)は以下の(式9)で算出される(管電流時間積補正手段)。
mAs_corr(b)=λ(b)×mAs(z_MAXSD2) (式9)
ただし、λ(b)=1/c(b)2
上記図16の管電圧と正規化CNRとの関係図の作成に使用するデータは、使用するX線CT装置を用いて様々なサイズの水ファントムで撮影して得られたデータが望ましいがシミュレーションデータに基づいて作成したデータを用いても良い。
(10)補正後mAsでの最適管電圧、被曝線量、X線管電力の算出(ステップS310)
使用するX線CT装置もしくはシミュレーションにおいて様々な条件から算出された被曝線量およびX線管電力の基礎データは、予め記憶装置24に記憶されており、ステップS309で算出した管電圧毎の補正後管電流時間積mAs_corrで、z_MAXSD2のスライス位置における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。
この時の管電圧、被曝線量、X線管電力の関係は、図17に示すようになり、管電圧の最適値であるkV_optは、X線管電力kWがkW≦kW_max(定格X線管電力)となる条件下で被曝線量が最小となる最適管電圧である(管電圧算出手段)。
上記図17は、使用するX線CT装置、もしくはシミュレーションによって算出したファントムサイズ、管電圧毎の被曝線量を基にし(単位はmGy/mAsであるので、mAsが算出されていれば被曝線量は求まる)、管電圧毎に当該撮影条件に応じて算出した補正後の管電流mAs_corrを前記mAs値に乗算することにより管電圧と被曝線量の関係が作成でき、X線管電力は管電圧毎に管電圧×管電流により算出できる。これらを用いることにより管電圧とX線管電力の関係を作成することができる。
上記X線管電力を算出するのは、算出したX線条件がX線CT装置の使用範囲内であるかをチェックするためと、当該撮影条件において撮影待ち時間がどれくらいになるかを知るために必要である。
また、被曝線量(例えばCTDIw)は、IECから勧告されている測定法CTDIwの国際基準に準じて測定し、“スキャン範囲内で変動するmAs値の平均を単位質量あたりに放射線によって吸収されるエネルギーとしCTDIwに換算”して求める。
(11)他のスライス面zにおけるCNR_detを満たすmAs値の算出および画像SD、推奨管電圧、被曝線量等の撮影情報表示(ステップS311)
ステップS310で求めた最適管電圧kV_optの条件下で、他のスライス面zでCNR_detを満たすmAs値であるmAs(z)を被写体サイズL(z)毎の図16に示す管電圧-正規化CNR曲線から(式9)によりに算出し、xv_opt、mAs(z)における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。
そして、以上により求めた診断対象の想定コントラスト値、コントラストノイズ比、画像SD、診断対象の識別可能サイズd_o、被曝線量(CTDIw)、最適管電圧、平均管電流(mAs値をスキャン時間で除算した値)X線管電力(kW)等の撮影情報を表示装置5に表示する。
これらの表示の一例を図18に示す。この例でも、上記ステップにより最適化した推奨撮影条件と、最適化しない場合の撮影条件を表示して操作者に示している。
このように、最適化した推奨撮影条件と最適化しない従来の撮影条件を踏襲した場合を並べて表示してことにより、本実施形態によって最適化したX線推奨条件との差を明確に提示することができる。
以上の様にして、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得る撮影条件を決定することができる。この様にして決定された撮影条件は、記憶装置24に格納され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次呼び出されながら各スライス位置に対応して算出されたmAs値に従い、X線制御装置7によってmAs値をスキャン時間で除した管電流を用いてスキャンする。
《第3の実施形態》
図19は、第3の実施形態における上記最適なX線条件を決定するためのスキャン前に行なう準備操作の一連の動作フロー図で、以下、この動作フロー図を用いてX線条件を決定する工程について詳細に説明する。
本実施形態は、第2の実施形態のように、診断対象サイズとCNRとの関係からCNRを求めて、CNRから参照スライス位置におけるSDを求めるのではなく、操作者が目標とする目標SDを設定し、診断対象サイズとCNRとの関係から識別可能な診断対象サイズを算出する点が異なる。本実施形態は、従来から用いてきた画像SDを入力して撮影条件を設定する方式と同様の入力によりCNRに基く撮影条件を設定できるという利点がある。
(1)スキャノグラム撮影(S400)、スキャン領域設定、撮影条件入力(S401)、スキャノグ
ラムデータ解析(S402)および被検体の3次元モデル生成(S403)までの処理は、上記第2の実施形態のステップS300〜ステップS303の処理と同様であるので、各工程の説明は省略する。
(2)3次元モデルにおける同一撮影条件での画像SDが最大になるスライス位置z_MAXSD3の算出(ステップS404)
ステップS403で作成した被検体17の3次元モデルからスキャン範囲内における同一撮影条件での画像SDが最大になるスライス位置z_MAXSD3を算出する(スライス位置算出手段)。
このz_MAXSD3は、スキャノグラムの投影高さ(スライス毎のX線減衰量に対応し、投影高さが大きいとX線減衰が大きいことを意味し、画像SDは大きくなる)を解析することによって算出される。これは第2の実施形態と同じである。
(3)目標の画像ノイズ標準偏差値SD_demの入力(ステップS405)
操作者が要求する画像SDであるSD_dem(目標画像SD)を操作装置6の入力手段から入力して設定する(目標画像ノイズ標準偏差値設定手段)。
本スキャン時には前記SD_demに基づいて、全スライス位置でSD_demが実現できるようにX線制御装置7によってX線量が制御される。
(4)z_MAXSD3における想定コントラスト値から識別可能な診断対象サイズdの算出(ステップS406)
この工程では、撮影部位および被検体のサイズ等を考慮した想定コントラスト値と前記ステップS405で入力されたSD_demから識別可能なCNRが算出され、識別可能なCNRと診断対象サイズとの関係を表す(式2)の概念から診断で識別可能な対象物のサイズdが逆算されて(診断対象サイズ算出手段)表示装置5に表示される。想定コントラスト値は、第2の実施形態のステップS307で説明したものと同じであり、診断対象部位や撮影部位、被検者の体格等に応じて予め記憶装置24に格納されている。
表示される対象物のサイズdは、例えば同一撮影条件で画像SDが最大になるスライス位置z_MAXSD3を基準に考えれば良い。CNRの定義、および(式2)からz_MAXSD3における想定コントラスト値をC_z_MAXSD3とすると、以下の(式10)が成り立つ(想定コントラスト値算出手段)。
Figure 0005192372
上記(式10)を模式的に表したものを図20に示す。この図20において、SD_entは操作者が入力する画像SD値で、SD_demは実際に入力した値を示す。
操作者は、表示装置5に表示された図20のグラフ上で、マウス等を用いて視覚的にSD_demを入力することもできる。
この場合、診断対象サイズと画像SDとの関係が明確になるので、より簡便にSD_demを設定することが可能となる。
また、想定コントラスト値やSD_demは撮影部位もしくは診断対象毎に予め記憶装置24に格納されているものをデフォルトとして用いても良いし、操作者自らが操作装置6の入力手段から入力しても良い。この入力した想定コントラスト値は(式10)に反映される。
(5)算出した識別可能な診断対象サイズdの妥当性の判断(ステップS407)
この工程では、操作者が前記ステップS406で表示された識別可能なサイズd(診断対象と等しい面積を持つ円の直径r)が診断部位や疾病の程度などから適切かどうかを判断する(診断対象サイズ判断手段)。
適切であると判断された場合、ステップS408へ進み、適切でないと判断された場合は操作者が画像SDを調整しながら(画像ノイズ標準偏差値調整手段)ステップS405およびステップS406の工程を踏む。ステップS408以降の手順は、基準とするSDが目標SD値であるSD_demであることを除き、第2の実施の形態と同様である。
(6)z_MAXSD3の被写体サイズLでSD_demを満たすmAs(SD_dem)の算出(ステップS408)
この工程では、スライス位置z_MAXSD3における被検体サイズLの図15に示す画像SD−管電流時間積mAs曲線上でSD_demを満たす管電流時間積であるmAs(SD_dem)を算出する(管電流時間積算出手段)。
この場合の管電圧条件は、標準管電圧xv_refである。
(7)被検体サイズL、mAs(SD_dem)における管電圧とCNRとの関係から管電圧に依らずにCNRを一定にするためのmAs補正係数の算出とmAsの補正(ステップS409)
被写体サイズL、mAs(SD_dem)において図16に示す管電圧―正規化CNR曲線から、管電圧に依らずCNRを一定にするためのmAs補正係数を算出する(管電流時間積補正係数算出手段)。
より具体的には、前記ステップS408で算出したmAs(SD_dem)の条件において、被写体サイズLの管電圧-正規化CNR曲線を基に、管電圧に依らずにCNRを概一定にするためのmAs補正係数λを(式9)により算出する。
そして、mAs補正係数によりmAs(SD_dem)を補正して補正後のmAsを算出する(管電流時間積補正手段)。
(8)補正後mAsでの最適管電圧、被曝線量、X線管電力の算出(ステップS410)
ステップS409で算出した管電圧毎の補正後mAsで、z_MAXSD3のスライス位置における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。算出方法は第2の実施形態のステップS310と同じである。
また、管電圧の最適値kV_optは、X線管電力kWがkW≦kW_maxとなる条件下で被曝線量を最小とする管電圧である(管電圧算出手段)。
(9)他のスライス面zにおけるSD_demを満たすmAs値の算出と画像SD、推奨管電圧、被曝線量等の表示(ステップS411)
ステップS410で求めた最適管電圧kV_optの条件下で、他のスライス面zにおけるSD_demを満たすmAs値であるmAs(z)を図16に示す被写体サイズL(z)毎の管電圧−正規化CNR曲線から(式9)によりに算出し、kV_opt、mAs(z)における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。
そして、以上により求めた診断対象の想定コントラスト値、コントラストノイズ比、画像SD、診断対象の識別可能サイズd、被曝線量(CTDIw)、X線管電力(kW)等の撮影条件情報を表示装置5に表示する。
この表示においても第2の実施形態の表示例(図18)と同様に、本実施形態によって最適化した推奨撮影条件と最適化しない従来の撮影条件を踏襲した場合を並べて表示して操作者に示すことにより、本実施形態によって最適化したX線推奨条件との差を明確に提示することができる。
このように、第3の実施形態によれば、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得る撮影条件を決定することができる。また従来から用いてきた自動露出機構のような画像SDを入力する方式に慣れた操作者によっては、本実施形態を適用するに当たりほとんど抵抗なく簡便に撮影条件を決定することが可能になる。このようにして決定された撮影条件は、記憶装置24に格納され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次呼び出されながら各スライス位置に対応して算出されたmAs値に従い、X線制御装置7によってmAs値をスキャン時間で除した平均管電流を制御してスキャンする。
《第4の実施形態》
図21は、第4の実施形態における上記最適なX線条件を決定するためのスキャン前に行なう準備操作の一連の動作フロー図で、以下、この動作フロー図を用いてX線条件を決定する工程について詳細に説明する。
第1〜第3の実施形態では、最初に特定スライス範囲のうちSD値が最大となるスライス位置(参照スライス位置)において管電圧および管電流(もしくは管電流時間積)を算出したが、本実施形態では、SD値が最大となるスライス位置を基準とするのではなく、操作者が所望のスライス位置を指定する点が上記実施形態と異なる。このため本実施形態では、算出されたCNRが全スライスに適用可能か否かに応じて処理を異ならせる。
(1)スキャノグラム撮影(S500)、スキャン領域設定、撮影条件入力(S501)、スキャノグ
ラムデータ解析(S502)および被検体の3次元モデル生成(S503)までの処理は、上記第2の実施形態のステップS300〜ステップS303の処理および第3の実施形態のステップS400〜ステップS403の処理と同様であるので、各工程の説明は省略する。
(2)スライス位置z_defの指定(ステップS504)、FPF、診断対象サイズd_oの入力(ステップS505)
これらの工程では、操作者が所望のスライス位置z_defを指定し(所望スライス位置指定手段)、FPF、診断対象サイズd_oを入力して設定する(偽陽性率設定手段、診断対象サイズ設定手段)。スライス位置は断面指定でも良いし、あるいはボリュームで指定しても良い。
(3)想定コントラスト値と所望スライス位置z_defにおける画像SD(z_def)とから診断対象を識別可能なCNR_dの算出(ステップS506)
撮影部位および被検体のサイズ等を考慮した想定コントラスト値と前記ステップS504で指定した所望スライス位置z_defにおいて、ステップS503で算出された被検体の3次元モデルから画像SD予測機能を用いて、所望スライス位置z_defにおける画像ノイズ標準偏差値SD(z_def)を求める(所望スライス位置画像ノイズ標準偏差値予測手段)。
このSD(z_def)は、例えば様々なサイズの水ファントムを、使用するX線CT装置で撮影して画像SDを解析したデータ、もしくはシミュレーションデータに基づいて作成されたものを使用する。これらのデータを記憶装置24に格納しておき、スライス位置z_defにおいて被検体の3次元モデルを構築して、このデータと記憶装置24に格納されたデータとを比較することによって画像SDを予測する。
このようにして予測した画像SD(z_def)と指定したスライス位置z_defにおける診断対象領域で識別可能なコントラストノイズ比CNR_dを下式の(式11)により算出することができる(第3のコントラストノイズ比算出手段)。
CNR_d=想定コントラスト値/SD(z_def) (式11)
(4)所望スライス位置z_defでの画像SD(z_def)は装置の限界性能範囲内かの判断(ステップS507)
この工程では、ステップS506で算出した被検体の3次元モデル上での画像SD(z_def)が、使用しているX線CT装置で実現可能かどうかを判断する(画像ノイズ標準偏差予測値実現性判断手段)。
これには算出した被検体の3次元モデル条件下における図15のような画像SDと管電流時間積mAsの関係を用いれば良い。SD(z_def)を満たすmAsについて、ソフトウェアがX線CT装置のコンフィグファイルを参照することによって、X線CT装置の限界性能範囲内にあるかどうかを判断する。なお、コンフィグファイルとは、各種撮影条件の組合せ、CTシステムとしての動作条件等が記載されたパラメータ設定ファイルである。
この判断において、X線CT装置で実現可能である場合は、ステップS508へ移行し、実現不可能である場合は、操作者はパラメータを変更しながらステップS505〜S507の手順を繰り返す(偽陽性率および診断対象サイズ調整手段)。
(5)CNR_dを全スライス位置に適用可能かの判断(ステップS508)
さらに、ステップS506で算出したCNR_dをステップS501で設定したスキャン領域全域に適用可能かを判断する(コントラストノイズ比判断手段)。
全スライス位置に適用可能な場合はS509へ移行し、適用できない場合はS510へ移行する。
(6)mAs補正係数算出、最適管電圧kV_opt、補正後のmAsの算出と撮影条件の表示(ステップS509)
この工程は、第2の実施形態におけるステップS308〜S311と同様である。ただし、第2の実施形態における表記z_MAXSD2、SD(z_MAXSD2)はそれぞれz_def、SD(z_def)に置き換える(管電流時間積算出手段、管電流時間積補正係数算出手段、管電流時間積補正手段、管電圧算出手段)。
ここで、スライス位置に応じた被検体サイズ(径r)によっては、CNR_dを達成するためのmAs値がX線CT装置の限界性能範囲を超えることが予想されるが、この場合は、可能な限りCNR_dに近付くように修正して装置許容性能範囲内の限界値でスキャンする。
この場合、操作者に対しては、図22に「○」で示すようにCNR_dを達成できないスライス位置を表示装置5に強調表示して明示するようにしても良い。
また、操作者が指定した重点スライス位置以外においては、図22に「装置限界出力する」と示したように、装置限界性能を要求しないようにすることも可能である。
本実施形態においては、当該スライス位置に対応した位置を示すためのラジオボタンを設け、装置限界出力撮影をするスライス位置をチェックできる構成としたが、マウスでスライス位置をクリックする方法など、その実現方法はここで示した限りでない。
上記の方法を用いることにより、操作者は表示された画像から予めCNR_dが確保されない位置を確認できるようになると共にスライス位置によって装置限界性能を要求しない設定とすることで不要な被曝が抑えられ、さらなる被曝低減が可能となる。
(7)SD(z_def)を全スライス位置に適用可能かの判断(ステップS510)
この工程は、ステップS508において、ステップS506で算出したCNR_dがスキャン領域全域に適用可能ではないと判断された場合に、さらに、SD(z_def)が全スライス位置で満足するかどうかを当該検査内容および診断領域に応じて判断する(全スライス位置適用判断手段)。
このステップS510(全スライス位置適用判断手段)でSD(z_ref)を全スライス位置で満足すると判断した場合はステップS511へ移行し、SD(z_ref)を全スライス位置に適用できないと判断した場合はステップS514へ移行する。
(8)SD_defを満たすmAs(z)の算出(ステップS511)
スライス位置に依らず画像SD_defを満たすような撮影条件の制御を行い、被検体サイズL(z)毎に画像SD予測機能を用いてSD_defになるmAs(z)を図15を用いて算出する(第2の管電流時間積算出手段)。
図15は、z_MAXSD2における被検体サイズLの画像SD-管電流時間積mAs曲線なので、スライス位置zに応じた被検体サイズL(z)毎の曲線からmAs(z)を算出することができる。
この方法は、画像SDが指定したスライス位置と同等に保たれるので、MPR(multi planar reconstruction、多断面再構成法)による画像作成などで有効な手段となる。
(9)最適管電圧xv_optでスライス位置毎にSD_defを満たすmAs(z)の条件における被曝線量、X線管電力の算出(ステップS512)
この工程では、被検体の診断対象サイズL(z)と前記指定したスライス位置z_defにおける被検体サイズL(z_def)とを比較して(被検体サイズ比較手段)以下の処理を行う。
先ず、L(z)≦L(z_def)の場合、ステップS509と同様の処理を行う(第3の管電流時間積算出手段、管電流時間積補正係数算出手段、管電流時間積補正手段、管電圧算出手段)。
一方、L(z)>L(z_def)の時は、L(z)≦L(z_def)で算出した最適管電圧kV_optを用いて、スライス位置z毎にmAs(z)の条件における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。
前記L(z)>L(z_def)の場合のmAs(z)は、前記最適管電圧xv_optにおける図15に示す画像SD-管電流時間積mAs曲線から、SD_defを満たすmAs値を算出し、L(z)≦L(z_def)の場合と同様に前記算出したmAs値を補正するための係数を算出して前記mAs値を補正する。
この時の管電圧の最適値は、X線管電力kWがkW≦kW_ref(X線管電力の基準値)となる条件下で被曝線量が最小となる最適管電圧である(管電圧算出手段)。
また、被検体の診断対象サイズL(z)によっては、画像SD_defを満たすmAs値がX線CT装置の限界性能を超えるスライス位置が生じることが予想される。
この場合は、可能な限りSD_defに近付くよう撮影パラメータを調整してX線CT装置の限界性能でスキャンする。
そして、操作者に対しては、図22に示す様にSD_defを達成できないスライス位置を表示装置5に強調表示して操作者に明示するようにしても良い。
また、操作者が指定した重点スライス位置以外においては、X線CT装置の限界性能を要求しないようにすることも可能である。
本実施形態においても、当該スライス位置に対応した位置を示すためのラジオボタンを設け、装置限界出力撮影をするスライス位置をチェックできる構成の代わりに、マウスでスライス位置をクリックする方法など、その実現方法はここで示した限りでない。
以上の方法を用いることにより、操作者は表示された画像から予めSD_defが確保されない位置を確認できると共にスライス位置によってX線CT装置の限界性能を要求しない設定とすることで不要な被曝が抑えられ、さらなる被曝低減が可能となる。
(10)画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報表示(ステップS513)
前記ステップS512で決定した管電圧、管電流(mAsをスキャン時間で除算した平均管電流)画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報を表示装置5に表示した後に撮影を開始する。
(11)z_defでSD(z_def)を満たすmAs(z_def)を画像SD予測機能を用いて算出(ステップS514)
ステップS510で、SD(z_def)を全スライスに適用しないと判断された場合は、スライス位置z_defにおいてCNR_dを満たすような管電流時間積mAs(z_def)で全スライス位置の撮影を行う。
mAs(z_def)は、被検体サイズL(z_def)における画像SD予測機能を用いて算出する(第4の管電流時間積算出手段)。
この方法は、全スライス位置で同一mAsを用いることができるので、管電流制御が非常に簡便になるというメリットがある。
(12)mAs(z_def)でスライス位置毎の被曝線量、X線管電力を使用可能な管電圧の全てにおいて算出(ステップS515)
ステップS514で算出した管電流時間積mAs(z_def)を用いてスライス位置z_defにおける被曝線量(例えばCTDIw)とX線管電力を使用可能な管電圧の全てにおいて算出する(指定スライス位置の被曝線量およびX線管電力算出手段)。
この場合の管電圧の最適値kV_optは、X線管電力kWがkW≦kW_maxとなる条件下で被曝線量を最小とする管電圧である(管電圧算出手段)。
(13)画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報表示(ステップS516)
ステップS515で決定した管電圧、管電流(mAsをスキャン時間で除算した平均管電流)画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報を表示装置5に表示した後に撮影を開始する。
上記では、ステップS511およびステップS514への移行の際、SD(z_def)が全スライス位置で満足するかどうかを当該検査内容および診断領域に応じて判断するとしたが、ステップS510を経ることなく、ステップS511以降およびS514以降を実施し、ステップS513およびステップS516で決定した画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報を表示した後に操作者が該当する検査に最も適切と考える撮影条件を選択するようにしても良い。
このように第4の実施形態によれば、操作者が所望の診断領域を指定することで、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得る撮影条件を決定することができ、上記第3の実施形態とほぼ同程度の被曝低減が可能となる。
このようにして決定された撮影条件は、記憶装置24に格納され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次呼び出されながら各スライス位置に対応して算出されたmAs値に従い、X線制御装置7によってmAs値をスキャン時間で除した平均管電流を制御してスキャンする。
《第5の実施形態》
図23は、第5の実施形態における上記最適なX線条件を決定するためのスキャン前に行なう準備操作の一連の動作フロー図で、以下、この動作フロー図を用いてX線条件を決定する工程について詳細に説明する。本実施形態は、関心領域を複数設定可能し、各関心領域毎に推奨撮影条件を算定する。それ以外は、第2の実施形態とほぼ同様である。
(1)スキャノグラム撮影(S600)、本スキャン領域設定、撮影条件入力(S601)、スキャノグラムデータ解析(S602)および被検体の3次元モデル生成(603)までの処理は、第2の実施形態のステップS300〜ステップS303の処理、第3の実施形態のステップS400〜ステップS403の処理および第4の実施形態のステップS500〜ステップS503の処理と同様であるので、各工程の説明は省略する。
(2)関心領域の複数設定(ステップS604)
前記ステップS601で設定した本スキャン領域内で、操作者が条件を変えて撮影したい関心領域を複数設定する(複数関心領域設定手段)。
以降の説明では、設定した複数の領域番号をnとする。
(3)FPF(n)、診断対象サイズd_0を領域毎に入力(ステップS605)
操作者が診断の際の目安となるFPF(n)、および診断対象となるもののサイズ(例えば造影された肝細胞ガン)d_0を設定した領域毎に入力する(診断対象サイズ設定手段、複数偽陽性率設定手段)。
前記診断対象サイズd_0は、例えば診断対象と等しい面積を持った円の直径r(円等価直径)とする。
図24は関心領域が2つの場合の模式図で、例えば関心領域1(Region of Interest 1:ROI 1)として肺野領域を、関心領域2(Region of Interest 2:ROI 2)として肝臓領域を設定し、それぞれの領域における診断対象サイズをd_0(1)、d_0(2)とした場合である。
(4)設定した関心領域毎に診断対象識別可能なCNR_d(n)を算出(Sステップ606)
前記ステップS605で操作者が入力した診断対象のサイズに基づき、達成すべきCNR_d(n)を算出する(第4のコントラストノイズ比算出手段)。
達成すべきCNRの算出には、第2の実施形態と同様に、図12および図13に示す識別可能CNRと診断対象サイズとの関係、FPFとTPFとの関係図および識別可能CNRとFPFとの関係図を用いる。識別可能なCNRは、第1の実施形態と同様にスライス厚およびウィンドウ条件をもとに補正される。
(5)被検体3次元モデルで設定した関心領域毎に画像SDが最大になるスライス位置z_ref(n)の算出(ステップS607)
ステップS603で作成した被検体3次元モデルから前記ステップS604で設定した関心領域(ROI)毎に同一撮影条件での画像SDが最大になるスライス位置z_ref(n)を算出する(スライス位置算出手段)。
(6)想定コントラスト値とCNR_d(n)より、スライス位置z_ref(n)での画像SD(z_ref(n))の算出(ステップS608)
この工程では、撮影部位および被検体のサイズ等を考慮した想定コントラスト値と、ステップS606で算出したCNR_d(n)より、ステップS607で求めたスライス位置z_ref(n)での画像SD(z_ref(n))を算出する(画像ノイズ標準偏差値算出手段)。
(7)スライス位置z_ref(n)における被検体サイズL(z_ref(n))のSD(z_ref(n))を満たすmAs(z_ref(n))を算出(ステップS609)
この工程では、z_ref(n)における被検体サイズL(z_ref(n))のSD(z_ref(n))を満たすmAs(z_ref(n))を図15に示す画像SD-管電流時間積mAs曲線上で算出する(管電流時間積算出手段)。
画像SD−管電流時間積mAs曲線の管電圧条件は、例えば120kV(以降、標準管電圧xv_ref)とする。
(8)被検体サイズL(z_ref(n))およびmAs(z_ref(n))の条件で管電圧に依らずにCNRを概一定にするためのmAs補正係数の算出とmAsの補正(ステップS610)
前記ステップS609で算出したmAs(z_ref(n))の条件において、被検体サイズL(z_ref(n))の図16に示す管電圧-正規化CNR曲線を基に、管電圧に依らずCNRを概一定にするためのmAs補正係数を算出する(管電流時間積補正係数算出手段)。
このmAs補正係数の算出方法は、第2の実施形態と同様である。
mAs補正係数を用いて前記算出したmAs(z_ref(n))を(式9)によりmAsを補正する(管電流時間積補正手段)。以下、この補正後mAsをmAs_corr(n)と記す。
(9)補正後mAs_corr(n)でz_ref(n)のスライス位置における被曝線量、X線管電力の算出(ステップS611)
ステップS610で算出した管電圧ごとの補正後管電流時間積mAs_corr(n)で、スライス位置z_ref(n)における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。前記被曝線量のデータは予め記憶装置24に格納されており、管電圧の最適値であるkV_opt(n)は、X線管電力kWがkW≦kW_max(n)となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧である(管電圧算出手段)。
(10)最適管電圧kV_opt(n)を用いて他のスライス面でSD(z_ref(n))を満たすmAsの算出と画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報表示(ステップS612)
ステップS611で選択した最適管電圧xv_opt(n)の条件で、他のスライス面でSD(z_ref(n))を満たすmAs値を画像SD予測機能より算出する。算出されたmAs値におけるスライス面毎の管電圧−正規化CNR曲線(図16)からmAs_corr(z(n))を算出し、ステップS611で選択した撮影条件における被曝線量(例えばCTDIw)、X線管電力を算出する。
このようにして算出されたmAs値は、X線制御装置7における管電流制御に用いられる。
その後、診断対象の想定コントラスト値、コントラストノイズ比、最適管電圧、平均管電流、画像SD、診断対象の識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等の情報を表示装置に表示する。これらの表示例は、例えば図18と同様になる。
上記第5の実施形態において、診断領域を複数設定した場合には、それぞれの撮影領域において画像SDが異なる。このため、三次元再構築した場合などは画像SDが急激に変化するスライス面が存在することになる。そこで画像SDが急激に変化する前後のスライス面においては、画像SDの変化を滑らかにするような撮影線量の制御を行うようにする方式が望ましい。
以上の様にして、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得る撮影条件を決定することができる。領域ごとに診断の対象となる病変は当然異なることが予想されるため、それぞれの撮影領域で適切な撮影条件を設定することが可能となる。
これにより、無用な被曝を低減することが可能となり、決定された撮影条件は、記憶装置24に格納され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次呼び出されながらX線量の制御が行われる。
なお、上記別の好ましい第2〜第5の4つの実施形態についても第1の実施形態と同様に、推奨する撮影条件と他の撮影条件の中から任意の撮影条件を選択する手段(X線条件選択手段)を備えておき、この選択手段により読影医が使用目的に応じて撮影条件を選択できる構成とすることにより柔軟なシステムにすることができる。
以上のようにして決定された撮影条件は記憶装置24に保存され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次読み出されて、X線制御装置7を介してスキャン中の撮影条件(管電圧、管電流)を制御する。
《第6の実施形態》
上記第2〜5の実施形態では、管電流および管電圧をともに最適化した場合について示したが、本実施形態では、スライス位置に依らず所望のCNRになるよう、管電圧はユーザ設定値から変化させず、管電流のみ最適化する。本実施形態の利点としては、
(1)管電圧をユーザ設定値と異なる最適管電圧へと変化させると、X線スペクトルが変化し各組織のCT値が変化する。臨床では、組織のCT値に応じて診断を下す場合があるため、これを防止する。
(2)同一患者で過去画像との比較を行う場合には、同一管電圧で撮影を行うことで画像の印象を変化させない方が好ましい場合がある。
が挙げられる。
図25は、第6の実施形態における上記最適なX線条件を決定するためのスキャン前に行なう準備操作の一連の動作フロー図で、以下、この動作フロー図を用いてX線条件を決定する工程について詳細に説明する。
スキャノグラム撮影(ステップS700)
被検体17のスキャノグラム画像を撮影する。このスキャノグラム画像の撮影は第1の実施形態のステップS100と同様であるので、その詳細については省略する。
スキャン領域設定、撮影条件の入力(ステップS701)
この処理は、第1の実施形態のステップS110、S120、S130およびS140と同じで、操作者がスキャノグラム画像を参照して操作装置6から診断対象を含んだ撮影領域(スキャン開始位置zs、スキャン終了位置ze)を設定する。
ここで、スライス位置の撮影条件として、スライス厚、天板移動ピッチ、スキャン時間、標準管電圧、標準管電流、X線コリメーション条件、再構成フィルタ関数の種類、視野サイズ、ウィンドウ条件等を入力する。
スキャノグラムデータ解析(ステップS702)および被検体3次元モデル生成(ステップS703)
第1の実施形態のステップS160、S170と同様に、スキャン計画装置25でスキャノグラム投影データを解析して被検体17の被検体3次元モデルを生成する。
診断対象サイズd_oおよびTPF、FPFの入力(ステップS704)
操作装置6の入力装置から診断対象となるもののサイズ(例えば造影された肝細胞ガン)d_oを入力して設定する。
さらに、操作装置6の入力装置から操作者が診断の際の目安となるTPF、FPFとを操作装置6の入力装置から入力して設定する(真陽性率および偽陽性率設定手段)。
診断対象のサイズは、例えば診断対象と等しい面積を持った円の直径r(円等価直径)とする。
診断対象の識別が可能なCNR_detの算出(ステップS705)
ステップS704で操作者が入力した診断対象のサイズd_oから診断対象を識別可能なCNR_detを求める(第2のコントラストノイズ比算出手段)。
識別可能CNR_detは、第2の実施形態で示した図12および図13の関係を用いて第2の実施形態と同様に算出する。また第1の実施形態で示した図7の手順と同じ手順により、スライス厚およびウィンドウ条件をもとに補正された識別可能なCNR_detを得る。
作成した3次元モデルにおいて、想定コントラスト値とCNR_detを満たすべき画像SD(Z)を、スライス面毎に算出(ステップS706)
この工程では、撮影部位および被検体のサイズ等を考慮した想定コントラスト値C_dと、ステップS705で算出した識別可能CNR_detより、各スライス位置での画像SDであるSD(Z)を、(式7)を用いて第2の実施形態と同様にして算出する(画像ノイズ標準偏差値算出手段)。
上記想定コントラスト値C_dは、例えば肝臓領域の造影を想定すると、診断対象としての肝細胞ガンと肝実質とのCT値差の絶対値を意味する。ここで、肝臓における想定コントラスト値は、患者に投与する造影剤濃度に比例して大きくなる。また、被検体サイズが大きいほど想定コントラスト値は小さくなる。想定コントラスト値の算出は、第2の実施形態で示した(式8)を用いて算出できる。
上記想定コントラスト値は診断対象部位や撮影部位、被検者の体格等に応じて予め記憶装置24に格納しておく。
ユーザ設定管電圧(kV_usrset)条件にて、スライス面毎の被検体サイズL(Z)でSD(Z)を満たすmAs(Z)を算出し、画像SD、診断対象識別可能サイズ、被曝線量、X線管電力等表示(ステップS707)。
mAs(Z)の算出は、図15に示す被検体サイズLにおける画像SDと管電流時間積mAsの関係より、求めることができる。
ここで、スライス位置に応じた被検体サイズによっては、CNR_dを達成するためのmAs値がX線CT装置の限界性能範囲を超えることが予想されるが、この場合は、可能な限り識別可能CNR_dに近付くように修正して装置許容性能範囲内の限界値でスキャンする。
この場合、操作者に対しては、図22に示したように識別可能CNR_dを達成できないスライス位置を表示装置5に強調表示して明示するようにしても良い。また、操作者が指定した重点スライス位置以外においては、装置限界性能を要求しないようにすることも可能である。
上記の方法を用いることにより、操作者は表示された画像から予めCNR_dが確保されない位置を確認できるようになると共にスライス位置によって装置限界性能を要求しない設定とすることで不要な被曝が抑えられ、さらなる被曝低減が可能となる。
そして、以上により求めた診断対象の想定コントラスト値、コントラストノイズ比、画像SD、診断対象の識別可能サイズd_o、被曝線量(CTDIw)、管電圧、平均管電流(mAs値をスキャン時間で除算した値)、X線管電力(kW)等の撮影情報を表示装置5に表示する。
この時の被曝線量、X線管電力の関係は、図26に示すようになり、被検体サイズが小さくなるスライス位置ほど被曝線量、X線管電力ともに小さくなる。
このように、本実施形態によって最適化した推奨撮影条件と最適化しない従来の撮影条件を踏襲した場合を並べて表示して操作者に示すことにより、本実施形態によって最適化したX線推奨条件との差を明確に提示することができる。
本実施形態では、診断対象を識別するために適切なCNRを達成し得る撮影条件をユーザ設定の管電圧条件で設定することができる。このようにして決定された撮影条件は、記憶装置24に格納され、スキャン時に被検体17の撮影部位に応じてシステム制御装置19によって順次呼び出されながら各スライス位置に対応して算出されたmAs値に従い、X線制御装置7によってmAs値をスキャン時間で除した管電流を用いてスキャンする。
上記別の好ましい第2〜第6の5つの実施形態についても第1の実施形態と同様に、上記機能及び処理を実行するシステム制御装置19、スキャン計画装置25、操作装置6等の装置は、プロセッサ、コンピュータ、メモリ、記憶装置、レジスタ、タイミング制御、割り込み、通信インタフェイス、及び入力/出力信号インタフェイス等の組み合わせによりコンピュータ・プログラムに応じて動作する構成とすることにより具現化可能である。
また、本発明は、上記別の好ましい第2〜第6の5つの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明が適用されるX線CT装置の全体構成図。 本発明が適用されるX線CT装置の全体概観図。 本発明が適用されるX線CT装置のX線検出器の構成およびX線照射との関係を説明する模式図。 本発明が適用されるX線CT装置のスキャナガントリ、患者テーブル、被検体の関係を側面方向から示す図。 本発明の第1の実施形態が適用されるX線CT装置のスキャンに先立つ準備操作の動作フロー図。 診断対象サイズと識別可能CNRとの関数を示す図。 図5の動作フローのステップS200の詳細を示す図 CNRの補正を説明する図 管電圧と画像SDとの関係を示す図。 X線条件の選択肢に関する情報表示の例を示す図。 本発明の第2の実施形態が適用されるX線CT装置のスキャンに先立つ準備操作の動作フロー図。 診断対象サイズと識別可能なCNRとの関係図。 真陽性率と偽陽性率との関係および識別可能なCNRと偽陽性率との関係を示す図。 標準管電圧において成人の平均被検体サイズとこのサイズで正規化した造影効果との関係の模式図。 ある被検体サイズにおける標準管電圧条件下での画像SDと管電流時間積mAsとの関係を示す図。 ある被写体サイズにおける管電圧と正規化CNRおよび補正後管電流時間積(補正後mAs)との関係を示す図。 管電圧と被曝線量およびX線管消費電力との関係を示す図。 X線条件に関する情報表示の例を示す図。 本発明の第3の実施形態が適用されるX線CT装置のスキャンに先立つ準備操作の動作フロー図。 入力する画像SD値と診断対象サイズとの関係を示す図。 本発明の第4の実施形態が適用されるX線CT装置のスキャンに先立つ準備操作の動作フロー図。 指定したスライス位置における診断対象領域で識別可能なコントラストノイズ比を達成できないスライス位置の強調表示例。 本発明の第5の実施形態が適用されるX線CT装置のスキャンに先立つ準備操作の動作フロー図。 関心領域が2つの場合の模式図。 本発明の第6の実施形態が適用されるX線CT装置のスキャンに先立つ準備操作の動作フロー図。 第6の実施の形態で設定される撮像条件と被検体サイズとの関係を示す図
符号の説明
1
スキャナガントリ、2 寝台、3 操作卓、4 天板、5 表示装置、6 操作装置、7 X線制御装置、8 X線管、9 コリメータ制御装置、10 コリメータ、11 X線検出器、12 データ収集装置、13 回転板、14 回転制御装置、15 回転板駆動装置、16 駆動力伝達系、17 被検体、18 X線検出素子、19 システム制御装置、20 寝台制御装置、21寝台上下移動装置、22 天板移動装置、23 画像再構成装置、24 記憶装置、25 スキャン計画装置、26 スキャナガントリの開口部、TPF 真陽性率、FPF 偽陽性率、ROI1、ROI2 関心領域

Claims (20)

  1. 被検体に照射するX線を発生するX線管と、
    前記被検体を挟み前記X線管と対向配置され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管とX線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転体と、
    スキャノグラム撮影及びスキャン撮影に必要な情報を入力及び設定して操作する操作手段と、
    前記X線検出器によって検出された被検体のスキャノグラム投影データに基づいてスキャン時の撮影条件を決定する撮影条件決定手段と、
    この撮影条件決定手段によって決定された撮影条件でスキャンするスキャン手段とを備え、
    このスキャン手段によってスキャンされ前記X線検出器で検出した透過X線量に基づいて前記被検体の断層像を再構成するX線CT装置において、
    前記撮影条件決定手段は、標準撮影条件を記憶する記憶手段と、
    前記スキャノグラム投影データを解析して前記被検体の3次元モデルを生成する被検体3次元モデル生成手段と、
    前記操作手段で前記被検体の診断対象サイズを設定する診断対象サイズ設定手段と、
    前記設定した診断対象サイズと前記被検体3次元モデルと前記標準撮影条件とから診断対象を識別するコントラストノイズ比を得るためのX線条件を算出するX線条件算出手段と、
    を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記記憶手段に格納された前記被検体の診断対象サイズと、診断対象を識別するコントラストノイズ比との関係を表す関数をもとに、診断対象を識別するコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段を備え、
    前記コントラストノイズ比算出手段が算出したコントラストノイズ比を用いてX線条件を算出することを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項2に記載のX線CT装置であって、
    前記コントラストノイズ比算出手段は、前記関数をもとに算出したコントラストノイズ比を、前記操作手段を介して入力されたスライス厚およびウィンドウ条件を用いて補正するコントラストノイズ比補正手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項2に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における真陽性率と偽陽性率とを設定する真陽性率および偽陽性率設定手段を備え、
    前記コントラストノイズ比算出手段は、設定された真陽性率、偽陽性率および診断対象サイズをもとに、前記被検体の診断対象サイズと、診断対象を識別するコントラストノイズ比との関係を表す関数を作成することを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、
    前記標準撮影条件である標準管電圧および標準管電流時間積を用いた場合に、前記操作手段で設定した撮影範囲内の各スライス位置において実現される画像ノイズ標準偏差値の第1の予測値を算出する第1の画像ノイズ標準偏差予測値算出手段と、
    前記第1の画像ノイズ標準偏差予測値が前記撮影範囲内に設定した特定スライス位置範囲内において最大値となる参照スライス位置を算出する手段と、
    前記設定した診断対象のサイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、
    前記コントラストノイズ比算出手段が算出したコントラストノイズ比を用いて前記標準管電圧における第1の画像ノイズ標準偏差基準値を算出する手段と、
    前記第1の画像ノイズ標準偏差基準値を実現するための第1の管電流時間積を算出する第1の管電流時間積算出手段と、
    前記参照スライス位置において前記第1の管電流時間積を用いた場合の画像ノイズ標準偏差予測値が所定の上限値以下となる第1の管電圧を算出する手段と、
    前記参照スライス位置において前記第1の管電圧および前記第1の管電流時間積により実現される第2の画像ノイズ標準偏差基準値を算出する手段と、
    前記撮影範囲内の各スライス位置で前記第1の管電圧および前記第1の管電流時間積により実現される第2の画像ノイズ標準偏差値予測値を算出する手段と、
    前記第1の管電圧および前記第2の画像ノイズ標準偏差予測値と前記第2の画像ノイズ標準偏差基準値から前記撮影範囲内の各スライス位置において前記第2の画像ノイズ標準偏差基準値を実現するための第2の管電流時間積を算出する第2の管電流時間積算出手段とを備え、
    前記第1の管電圧および第2の管電流時間積をX線条件とすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  6. 請求項5に記載のX線CT装置であって、
    前記コントラストノイズ比算出手段は、前記診断対象のサイズと識別可能なコントラストノイズ比との関係の関数より算出する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項5に記載のX線CT装置であって、
    前記第1の画像ノイズ標準偏差基準値算出手段は、前記記憶装置に記憶してある診断対象の標準管電圧における想定コントラスト値を前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比で除算することにより算出する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか1項に記載のX線CT装置であって、
    さらに、前記第1の管電圧及び第2の管電流時間積によるX線条件とこのX線条件とは異なるX線条件での撮影時における評価指標の予想値を表示する手段と、この表示手段に表示された評価指標の予想値に対応するX線条件を選択するX線条件選択手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項8に記載のX線CT装置であって、
    前記評価指標の予想値は、管電圧、管電流、被曝線量、診断対象の想定コントラスト値、コントラストノイズ比、画像ノイズ標準偏差値、診断対象の識別可能サイズ、消費X線管電力のうち少なくとも一つを含むことを特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における真陽性率と偽陽性率とを設定する真陽性率および偽陽性率設定手段と、
    前記設定した診断対象のサイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、
    前記被検体3次元モデルにおける同一撮影条件での画像ノイズ標準偏差値が最大になる参照スライス位置を算出するスライス位置算出手段と、
    想定コントラスト値と前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比とから前記参照スライス位置における画像ノイズ標準偏差値を算出する画像ノイズ標準偏差値算出手段と、
    該画像ノイズ標準偏差値算出手段で算出した画像ノイズ標準偏差値を実現するための第1の管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、
    前記第1の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、
    前記第1の管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、
    前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、
    前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  11. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記被検体3次元モデルにおける同一撮影条件での画像ノイズ標準偏差値が最大になる参照スライス位置を算出するスライス位置算出手段と、
    前記操作手段から目標の画像ノイズ標準偏差値を入力して設定する目標画像ノイズ標準偏差値設定手段と、
    前記参照スライス位置における想定コントラスト値と前記目標の画像ノイズ標準偏差値とから前記被検体の診断対象の識別可能なコントラストノイズ比を算出して診断対象サイズを算出する診断対象サイズ算出手段と、
    前記算出した診断対象サイズが現実の診断対象サイズとして適切か否かの判断を受け付ける診断対象サイズ判断入力手段と、
    前記算出した診断対象サイズが適切であると判断された場合に、前記参照スライス位置での前記診断対象サイズで前記目標の画像ノイズ標準偏差値を満たす第1の管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、
    前記算出した診断対象サイズが適切でないと判断された場合に、前記診断対象サイズが妥当になるように目標の画像ノイズ標準偏差値を調整する画像ノイズ標準偏差値調整手段と、
    前記第1の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための前記管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、
    前記第1の管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、
    前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、
    前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  12. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記操作手段で所望のスライス位置を指定する所望スライス位置指定手段と、
    前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における偽陽性率を設定する偽陽性率設定手段と、
    想定コントラスト値と前記所望スライス位置における前記被検体3次元モデルとから前記所望スライス位置の画像標準偏差予測値を算出する所望スライス位置画像ノイズ標準偏差値予測手段と、
    前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値と前記想定コントラスト値とから前記指定した所望のスライス位置における診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、
    前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値が実現可能かを判断する画像ノイズ標準偏差予測値実現性判断手段と、
    前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値が実現不可能であると判断した場合に、前記画像ノイズ標準偏差予測値が実現できるように前記偽陽性率と前記診断対象サイズを調整する偽陽性率および診断対象サイズ調整手段と、
    前記画像ノイズ標準偏差予測値が実現可能であると判断した場合に、前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比が全スライス位置に適用可能かを判断するコントラストノイズ比判断手段とを備え、
    前記コントラストノイズ比が全スライス位置に適用可能であると判断した場合は、前記所望スライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値を実現するための第1の管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、
    前記第1の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、
    前記第1の管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、
    前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、
    前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  13. 請求項12に記載のX線CT装置であって、
    前記コントラストノイズ比判断手段で前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比が全スライス位置に適用不可能と判断した場合に、前記指定したスライス位置の画像ノイズ標準偏差予測値が全スライス位置に適用可能かの判断をする全スライス位置適用判断手段と、
    この手段で全スライス位置に適用可能と判断した場合に、スライス位置に依らず前記所望スライス位置における画像ノイズ標準偏差予測値を満たす第2の管電流時間積を算出する第2の管電流時間積算出手段と、
    前記被検体のスライス位置毎のサイズと前記指定した所望スライス位置における被検体サイズとを比較する被検体サイズ比較手段とを備え、
    前記管電流時間積補正係数算出手段および前記管電流時間積補正手段は、前記被検体サイズ比較手段において、指定した所望スライス位置における被検体サイズがスキャン位置における被検体サイズと同等以下と判断された場合は、前記第2の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出し、前記第2の管電流時間積を前記補正係数により補正し、
    前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  14. 請求項13に記載のX線CT装置であって、
    前記被検体サイズ比較手段において、当該スライス位置における被検体サイズが前記指定したスライス位置における被検体サイズより大きいと判断された場合に、前記管電圧算出手段が算出した管電圧の条件下でスライス位置毎に前記所望スライス位置における画像ノイズ標準偏差予測値を満たす第3の管電流時間積を算出する第3の管電流時間積算出手段と、
    前記管電流時間積補正係数算出手段および前記管電流時間積補正手段は、前記第3の管電流時間積における、管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出し、前記第3の管電流時間積を前記補正係数により補正し、
    前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  15. 請求項13に記載のX線CT装置であって、
    前記指定したスライス位置の画像標準偏差予測値が全スライス位置に適用できない場合に、前記指定したスライス位置における画像ノイズ標準偏差値を満たす第4の管電流時間積を算出する第4の管電流時間積算出手段と、
    該第4の管電流時間積を用いて前記指定したスライス位置における被曝線量とX線管電力を算出する指定スライス位置の被曝線量およびX線管電力算出手段と、
    この手段で算出したX線管電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする第2の管電圧を算出する第2の管電圧算出手段とを備え、
    前記第2の管電圧および前記第4の管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  16. 請求項1に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記操作手段でスキャン領域を設定し、この領域内で複数の関心領域を設定する複数関心領域設定手段と、
    前記複数関心領域設定手段で設定した複数の関心領域毎に前記診断対象サイズ設定手段で診断対象サイズを設定し、かつ前記複数の診断対象サイズ内に存在する疾病の偽陽性率を設定する複数偽陽性率設定手段と、
    前記設定した複数の関心領域の診断対象サイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、
    前記被検体3次元モデルで前記設定した関心領域毎に画像ノイズ標準偏差値が最大になるスライス位置を算出するスライス位置算出手段と、
    想定コントラスト値と前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比とから前記スライス位置算出手段で算出したスライス位置における画像ノイズ標準偏差値を算出する画像ノイズ標準偏差値算出手段と、
    該画像ノイズ標準偏差値算出手段で算出した画像ノイズ標準偏差値を実現するための管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段と、
    該管電流時間積算出手段で算出した管電流時間積における管電圧に依らずコントラストノイズ比を概一定にするための管電流時間積補正係数を算出する管電流時間積補正係数算出手段と、
    前記管電流時間積算出手段で算出した管電流時間積を前記管電流時間積補正係数により補正する管電流時間積補正手段と、
    前記X線管で消費する電力が前記標準撮影条件であるX線管電力の基準値以下となる条件下で被曝線量を最小とする管電圧を算出する管電圧算出手段とを備え、
    前記管電圧算出手段が算出した管電圧および前記管電流時間積補正手段で補正した管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  17. 請求項1または2に記載のX線CT装置であって、
    前記X線条件算出手段は、前記診断対象サイズ設定手段で設定した前記被検体の診断対象における真陽性率と偽陽性率とを設定する真陽性率および偽陽性率設定手段と、
    前記設定した診断対象のサイズから当該診断対象を識別するためのコントラストノイズ比を算出するコントラストノイズ比算出手段と、
    想定コントラスト値と前記コントラストノイズ比算出手段で算出したコントラストノイズ比とを満たす画像ノイズ標準偏差値を、特定スライス位置範囲内にあるスライス面毎に算出する画像ノイズ標準偏差値算出手段と、
    前記標準撮影条件として設定された管電圧において、スライス面毎の診断対象サイズで前記画像ノイズ標準偏差値を満たす管電流時間積を算出する管電流時間積算出手段とを備え、
    前記設定された管電圧および前記管電流時間積算出手段で算出された管電流時間積をX線条件とすることを特徴とするX線CT装置。
  18. 請求項10ないし17の何れか1項に記載のX線CT装置であって、
    さらに、前記X線条件算出手段で算出した管電圧および管電流時間積をスキャン時間で除算して得た平均管電流によるX線条件とこれらのX線条件とは異なるX線条件での撮影時における評価指標の予想値を表示する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  19. 請求項18に記載のX線CT装置であって、
    前記評価指標の予想値は、前記管電圧である推奨管電圧、平均管電流、偽陽性率、診断対象の識別可能サイズ、画像ノイズ標準偏差値、被曝線量、消費X線管電力のうち少なくも一つを含むことを特徴とするX線CT装置。
  20. 請求項18に記載のX線CT装置であって、
    さらに、前記表示手段に表示された評価指標の予想値に対応するX線条件を選択するX線条件選択手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
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