JP5191138B2 - ヘッドレスト - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッドレストに関し、更に詳細には、車両に設置したシートのシートバックに配設され、追突事故の発生時に通常位置から緊急位置へ姿勢変位可能な可動式のヘッドレストに関するものである。
車両の乗員室内に設置されるシートのシートバック上方には、当該車両が後方から追突された際に、該シートに着座した乗員の頭部や頸部を保護するヘッドレストが標準装備されている。そして近年では、頭部の保護機能を更に向上させるため、追突事故の発生時に瞬時に前方へ姿勢変位して乗員の頭部を拘束するよう構成された可動式のヘッドレスト(アクティブヘッドレスト等とも称される)が、各自動車メーカーや自動車部品メーカーから提案されている。この種のヘッドレストに関しては、例えば特許文献1および特許文献2等に開示されている。
特開2002−142910号公報 特開2006−264431号公報
ところで、特許文献1および特許文献2に開示された可動式のヘッドレストは、当該ヘッドレストを姿勢変位させるために、複数のアーム状のリンク部材等を連結させた複雑なリンク機構からなる姿勢変位機構が採用されている。また、可動式のヘッドレストは、姿勢変位した該ヘッドレストを変位した状態で保持する保持機構や、姿勢変位したヘッドレストを元の状態に復帰させる復帰機構等を内蔵する必要がある。従って、可動式のヘッドレストは、部品点数の増加による大型化、重量化およびコストアップ等を招来する課題を内在している。また姿勢変位機構は、ヘッドレストへの頭部の衝突による衝撃力が各リンク部材に直接的に加わる構造であるから、例えばヘッドレストの上方や側方から衝撃力が加わった場合には、個々のリンク部材で衝撃力を充分に受止めることができなかったり、姿勢変位後に元の位置に戻す場合にリンク機構の動作不良が発生するおそれもある。
また、ヘッドレストを姿勢変位させる機構の大型化に伴い、例えば前後に分割する前後分割タイプのヘッドレストが多く提案されている。しかし、前後分割タイプのヘッドレストでは、目立つ見切り線が外周意匠面に形成されてしまうので、デザイン性が劣る問題がある。更に、前後分割タイプのヘッドレストでは、前後のヘッドレスト構成部材の境界部分の隙間から内部へ異物が侵入し、侵入した該異物により各機構の正常な動作を阻害するおそれがあるので、異物の侵入防止を図るカバー等の部材を追加装備する必要があり、更なるコストアップの要因となっていた。
従って本発明では、姿勢変位機構をコンパクトな構造として小型化を図ることで、コストダウンやデザイン性向上等を達成し得るヘッドレストを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、車両に設置したシートのシートバックに配設され、通常位置から緊急位置へ姿勢変位可能な可動式のヘッドレストであって、
前記シートバックに支持される支持ステーがガイド部となるヘッドレスト支持体と、
前記支持ステーのガイド部が挿通する挿通孔が、前記シートバックに対向する下側部分に設けられたヘッドレスト本体と、
前記ヘッドレスト本体の内側に臨む前記ヘッドレスト支持体に一端部が枢支されると共に該ヘッドレスト本体に他端部が枢支され、前記通常位置に対応した第1位置および前記緊急位置に対応した第2位置の間で回動可能な回動支持部材と、
前記回動支持部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて回動させる回動手段と、
前記回動支持部材を前記第1位置において係脱可能に係止保持し、前記回動手段による該回動支持部材の回動を規制する係止保持手段と、
前記回動支持部材に対する前記係止保持手段の係止を解除して、前記回動手段による前記回動支持部材の回動を許容する係止解除手段とを備え
前記ヘッドレスト本体は、前記挿通孔の開口縁が、前記回動支持部材の第1位置から第2位置への回動に伴い前記ガイド部に沿って移動すると共に、該ガイド部に支持されて前記ヘッドレスト本体の下側部分が後方へ移動するのを規制する本体支持部として構成され、
前記回動支持部材の第1位置から第2位置への回動に伴う前記本体支持部の前記ガイド部との摺動により、前記ヘッドレスト本体の下側部分の移動軌跡を規定するよう構成されたことを要旨とする。
従って、請求項1の発明によれば、ヘッドレストの通常位置から緊急位置への姿勢変位に対応するヘッドレスト本体の姿勢変位が、ヘッドレスト支持体に対する回動支持部材の第1位置から第2位置への回動と、支持ステーのガイド部に対するヘッドレスト本体に設けた本体支持部の摺動とによって規定される構造のため、構成部材点数が少なくなってシンプルな構成となり、ヘッドレスト本体の小型化および軽量化を図り得ると共に、コストダウンをも図り得る。また、回動支持部材の回動および本体支持部のガイド部に沿った摺動により、ヘッドレスト本体が全体的に姿勢変位するので、ヘッドレストを前後に分割するよう構成する必要がなく、デザイン性の向上を図り得ると共に、異物の侵入による動作不良が発生するおそれもない。更には、異物の侵入を防止する部材を追加装備する必要がないので、コストアップが抑えられる。
請求項2に記載の発明では、前記ヘッドレスト本体は、中空状に形成され、
前記ヘッドレスト本体の内側に、前記回動支持部材、回動手段および係止保持手段が配設されたことを要旨とする
請求項3に記載の発明では、前記回動支持部材は、前記第2位置において、前記ヘッドレスト支持体の前側に前方から当接する第1当接面と、前記ヘッドレスト本体の内側に後方から当接する第2当接面とを有することを要旨とする。
従って、請求項3の発明によれば、ヘッドレストが緊急位置に姿勢変位して回動支持部材が第2位置へ回動した際に、回動支持部材の第2当接面がヘッドレスト本体の内側に後方から当接する共に該回動支持部材の第1当接面がヘッドレスト支持体に前方から当接するので、乗員の頭部の衝突による衝撃力を該ヘッドレスト支持体で受止めることができる。また、ヘッドレスト本体に対して斜め前方から頭部が衝突した場合でも、衝撃力をヘッドレスト支持体で受止めるようにすることができる。
請求項4に記載の発明では、前記ガイド部は、上方に向かうに従い前方に傾斜することを要旨とする。
従って、請求項4の発明によれば、ガイド部が前方へ傾斜した状態で延出しているため、ヘッドレスト本体は、緊急位置に移動する過程で全体的に前方へ移動し、後方へ移動する頭部の移動量が少ない時点で該頭部を拘束し得る。
請求項5に記載の発明では、前記ガイド部には、係止凹部が設けられ、前記ヘッドレスト本体には、前記回動支持部材が前記第2位置に回動した際に前記係止凹部に係止する係止部材が設けられることを要旨とする。
従って、請求項5の発明によれば、緊急位置に姿勢変位したヘッドレスト本体が、乗員の頭部の衝突に伴う衝撃力により逆戻りすることが防止され、該ヘッドレスト本体による頭部の支持が適切に行なわれる。
請求項6に記載の発明では、前記ガイド部には、本体支持部の移動方向に離間して複数の係止凹部が配設され、
前記ヘッドレスト本体の下側部分には、該ヘットレスト本体の通常位置から緊急位置方向への移動時には前記係止凹部を通過し、ヘッドレスト本体の緊急位置から通常位置方向への移動時には前記係止凹部に係止して該ヘッドレスト本体の通常位置への移動を規制する係止部材が配設されたことを要旨とする。
従って、請求項6の発明によれば、ヘッドレスト本体が通常位置から緊急位置に姿勢変位する途中で該ヘッドレスト本体に乗員の頭部が衝突した場合でも、複数の係止凹部の何れかに係止部材が係止するから、該ヘッドレスト本体が該頭部を適切に受止めることができる。
本発明に係るヘッドレストによれば、姿勢変位機構がコンパクトな構造となって小型化が図られることで、コストダウンやデザイン性向上等を達成し得る等の利点がある。
次に、本発明に係るヘッドレストにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお実施例では、図7における左側(シートSの前方で、乗員の頭部を受止める側)を、ヘッドレストHRの前側とする。
実施例のヘッドレストHRは、図7および図8に示すように、シートSを構成するシートバックS1の上面に開口するように配設されたステー支持部材120,120に、支持ステー14,14を上方から差込むことで、該シートバックS1に装着されて実施に供される。シートバックS1に装着されたヘッドレストHRは、後述するように、シートバックS1の内部に配設された追突検知手段としての受圧機構100と機械的に連結されるようになっている。すなわち、実施例のヘッドレストHRは、車両が後方から追突されて乗員がシートバックS1に押付けられた際に受圧機構100が作動することで、図1に示すように、同図に2点鎖線で表示した通常使用時にシートバックS1に装着される位置(以降「通常位置」と云う)から、実線で表示した追突事故の発生時に移動する位置(以降「緊急位置」と云う)まで姿勢変位する可動式として構成されている。
実施例のヘッドレストHRは、図2および図3に示すように、前述した支持ステー14,14を有してシートバックS1に支持されるヘッドレスト支持体10と、このヘッドレスト支持体10に配設されたヘッドレスト本体12とを有している。ヘッドレスト本体12は、該ヘッドレスト本体12内に配設された回動支持部材50を介してヘッドレスト支持体10に連結されていると共に、該ヘッドレスト本体12に設けた後述の本体支持部34Aにより、該ヘッドレスト支持体10の支持ステー14,14に対して摺動可能に配設されている。従ってヘッドレスト本体12は、後述するように、回動支持部材50が回動することで支持ステー14,14に対してスライド移動し、通常位置から緊急位置へ姿勢変位するよう構成されている。
ヘッドレスト支持体10は、図4および図5に示すように、前述した2本の支持ステー14,14を、スチール製の成形部材である固定支持部材16の左右両側に固定して構成され、乗員の頭部が衝突した際の衝撃力を適切に受止め得るよう強固に構成されている。各支持ステー14は、所要長のパイプ部材を2箇所で折曲成形することで、前述したステー支持部材120に差込まれる下方支持部14Aと、この下方支持部14Aの上端から所要角度で前方へ斜めに延出する中間支持部(ガイド部)14Bと、この中間支持部14Bの上端から略鉛直に延出する上方支持部14Cとに構成されており、該上方支持部14Cが固定支持部材16に固定される。なお各支持ステー14は、1本のパイプ部材を略U字形に折曲成形して単一部材として構成することも可能である。
各支持ステー14の下方支持部14Aにおいて、ヘッドレストHRの側外方を指向する外側面には、図3および図4に示すように、4個の第1係止凹部18が、支持ステー14の長手方向に所要間隔毎に形成されている。これら第1係止凹部18は、上方側に段部が形成されていると共に下方側に傾斜面が形成されていて、ステー支持部材120に設けた係止突部(図示せず)に係止されるようになっており、シートバックS1に対する当該ヘッドレストHRの高さ位置を調整するために供される。
また、各支持ステー14の中間支持部14Bにおいて、ヘッドレストHRの内側方を指向する内側面には、4個の第2係止凹部20が、支持ステー14の長手方向に所要間隔毎に形成されている。これら第2係止凹部20は、後述すると共に図1等に示すように、下方側に段部が形成されていると共に上方側に傾斜面が形成されていて、ヘッドレストHRに設けた後述のロックプレート(係止部材)82が係脱可能に係止するようになっている。すなわち、ロックプレート82が各第2係止凹部20の段部に係止することで、頭部の衝突による衝撃力を受けたヘッドレストHRが、緊急位置から通常位置に向けて移動する(逆戻りする)のを規制する。なお、最も上方に位置する第2係止凹部20(20A)は、ヘッドレストHRが緊急位置まで姿勢変位した際に、ロックプレート82が整合して係止される位置に設けられている。
固定支持部材16は、図3および図4に示すように、例えばプレス成形機を使用してスチール板に深絞り加工を施すことで、複雑な凹凸形状をなすと共に外周縁に沿ってフランジが設けられており、該固定支持部材16に対して衝撃力が加わっても容易に変形しない剛性が確保されている。そして、固定支持部材16における上部の左右側壁部分には、回動支持部材50を回動可能に枢支する第1軸部材46を挿通支持する第1支持孔22,22が形成されている。また、固定支持部材16における下部の左右底壁部分には、後述するロック部材(係止保持手段)70を回動可能に支持するブラケット74を固定するビスがねじ込まれるビス孔24,24が形成されている。更に、固定支持部材16の前面上縁に沿って形成された横長のフランジ部26は、図1に示すように、回動支持部材50が後述する第2位置に姿勢変位した際に、該回動支持部材50に設けた第1当接面56に当接するよう構成される。なお、左右に形成された陥凹部27,27から前方へ夫々突出した突部28,28は、後述する第1トーションバネ(回動手段)60の第2アーム部66,66(図4)を当接支持するためのものである。
ヘッドレスト本体12は、図1〜図3および図5に示すように、中空箱体状を呈し、剛性を有するヘッドレストコア30と、このヘッドレストコア30の外側に配設された表皮42と、これらヘッドレストコア30と表皮42との間に配設された発泡体44とから構成されている。ヘッドレストコア30は、ヘッドレストHRの前側に位置する前部半体31と後側に位置する後部半体32とからなり、これら前部半体31と後部半体32とを組付けることで単一の中空箱体状として構成される。前部半体31および後部半体32は、何れもインジェクション成形された合成樹脂製の成形部材であって、後部半体32の当接部端縁に沿って形成された溝状嵌合部32Aに、前部半体31の当接端縁部に沿って形成された突状嵌合部31Aを嵌合させることで、前部半体31と後部半体32との当接境界部分に隙間が形成されないようになっている。
そして、ヘッドレストコア30の下側部分、すなわち前部半体31の底壁部分には、前述した各支持ステー14が挿通する挿通孔34,34が形成されていると共に、各挿通孔34の周囲には、該支持ステー14の中間支持部14Bに面接触しながら該中間支持部14Bに沿って移動する本体支持部34Aが形成されている。また、前部半体31の左右に位置する縦壁部分には、回動支持部材50を回動可能に枢支する第2軸部材48を挿通支持する第2支持孔36,36が形成されている。更に、前部半体31における前壁部分の内壁面には、図5に示すように、縦方向へ所要間隔毎に配置される複数の横リブ38と、横方向へ所要間隔毎に配置される複数の縦リブ40とが形成されていて、ヘッドレストHRに対して頭部が衝突した際に変形し難くなっている。なお、前述した各縦リブ40は、後述すると共に図1に示すように、回動支持部材50が第2位置に姿勢変位した際に、該回動支持部材50に設けた第2当接面58に当接するよう構成される。
表皮42は、シートSやシートバックS1の表皮の素材に合わせ、本革、合成皮革またはファブリック等からなる。また発泡体44は、図示しない発泡成形型に、前部半体31と後部半体32とを組合わせたヘッドレストコア30および表皮42を夫々セットしたもとで、これら表皮42とヘッドレストコア30との間に注入した発泡原料を発泡反応させて成形したもので、適度の弾力性を有していて乗員の頭部が衝突した際の衝撃を軽減するようになっている。すなわち、実施例のヘッドレストHRにおけるヘッドレスト本体12は、中空箱体状のヘッドレストコア30の外側に、発泡体44および表皮42を被着した構成となっており、非可動式のヘッドレストと同様の単一構造となっている。なおヘッドレスト本体12は、前述したように、ヘッドレストコア30の前部半体31と後部半体32との当接境界部が密着しているため、発泡体44の発泡成形に際して発泡原料が該ヘッドレストコア30内へ漏出することを防止し得るようになっている。
回動支持部材50は、図3〜図5に示すように、インジェクション成形された合成樹脂製で横長のモノブロック体状をなす単一成形部材として構成され、ヘッドレストHRに加わった衝撃力により破損しない強度および剛性を有している。この回動支持部材50は、前述したヘッドレスト支持体10における固定支持部材16の前側部分に整合する形状、サイズとされている。また、回動支持部材50が固定支持部材16に整合した状態において、該回動支持部材50の上面となる壁部の左右両側には支持部52,52が突設されており、各支持部52には、第1軸部材46が左右方向へ挿通する第1貫通孔52Aが穿設されている。従って回動支持部材50は、第1軸部材46を介して固定支持部材16に枢支され、該固定支持部材16の前面に整合して、ヘッドレストHRの通常位置に対応する第1位置(図2,図3)と、該第1軸部材46を中心として該固定支持部材16に対して約90度回動して前方へ迫り出して、ヘッドレストHRの緊急位置に対応する第2位置(図1)との間で回動が可能となっている。
また、回動支持部材50が第1位置に臨んでいる状態において、該回動支持部材50における前面の下部両側にはボス部54,54が形成され、各ボス部54には、前述した第2軸部材48を左右に貫通する第2貫通孔54Aが穿設されている。従って回動支持部材50は、第2軸部材48を介してヘッドレストコア30の前部半体31に枢支され、ヘッドレスト本体12に対して回動が可能となっている。なお第2軸部材48は、第1軸部材46から所要の軸間距離を以て配設され、回動支持部材50が第1位置に臨んでいる場合は第1軸部材46の略垂直下方に位置し(図2)、回動支持部材50が第1位置から第2位置へ回動する際は第1軸部材46を中心とした円弧状に沿って前上方へ移動し(図6)、回動支持部材50が第2位置に臨んだ場合は第1軸部材46の略水平前方に位置する(図1)ようになっている。
そして、回動支持部材50が第1位置に臨んでいる状態において該回動支持部材50における前面には、左右に延在する突出部55が突設されている。この突出部55の上面は、図1に示すように、回動支持部材50が第1軸部材46を中心として回動して第2位置に臨んだ際に、固定支持部材16のフランジ部26に当接する第1当接面56として構成される。更に、回動支持部材50が第1位置に臨んでいる状態において該回動支持部材50における下面は、図1に示すように、回動支持部材50が第1軸部材46を中心として回動して第2位置に臨んだ際に、ヘッドレストコア30の前部半体31に形成した各縦リブ40に当接する第2当接面58として構成される。
前述した第1軸部材46には、図1〜図5に示すように、回動支持部材50を第1位置から第2位置へ回動させるダブルトーションタイプの第1トーションバネ(回動手段)60が配設されている。この第1トーションバネ60は、図4に2点鎖線で示すように、無負荷状態では、両捻り部62,62を連結する中央の第1アーム部64が、両捻り部62,62から延出した両端の第2アーム部66,66に対して90度以上に拡開した姿勢となっている。そして第1アーム部64は、図4に実線で示すように、先端部を下方へ押すと両捻り部62,62が変形し、第2アーム部66,66と略同方向を指向する位置まで弾力的に変形し得るようになっている。このような第1トーションバネ60は、回動支持部材50における支持部52,52の間において、両側の各捻り部62,62に挿入したスペーサ68,68を介して第1軸部材46に配設され、第1アーム部64は、図2に示すように、回動支持部材50に形成した開口57へ第1アーム部64が挿通されて、該回動支持部材50の内側当接部59に当接するようになっている。そして、第1軸部材46を介して回動支持部材50を固定支持部材16へ取付けた際には、第1トーションバネ60の各第2アーム部66が、該固定支持部材16に形成した各突部28に対応的に当接するため、該回動支持部材50は第2位置に付勢保持される。従って、回動支持部材50を第1位置へ臨ませるに際しては、第1トーションバネ60の第1アーム部64が図4に実線で示す位置まで変位するため、該回動支持部材50が第1位置に臨んだ際に第1トーションバネ60の復帰弾力が最大となるように設定され、第1位置に臨んでいる回動支持部材50は、常に第2位置の側へ付勢されるよう構成されている。
ヘッドレスト支持体10における固定支持部材16の下部中央には、図1〜図3に示すように、回動支持部材50を第1位置に係止保持すると共に、シートバックS1に設けた受圧機構100に機械的に連結される係止保持手段としてのロック部材70が配設されている。このロック部材70は、長さ方向の略中央部において左右方向に貫通する第3軸部材72により、固定支持部材16にビス固定される前述のブラケット74に揺動可能に取付けられている。そして、ロック部材70の前端部には、上方へ突出した鈎部76が形成されており、該ロック部材70が略水平な第1姿勢では(図2)、第1位置に臨んでいる回動支持部材50の下端部に該鈎部76が係止され、該ロック部材70が前下がりに傾斜した第2姿勢では(図1、図6)、該回動支持部材50に対する係止が解除されるように設定されている。すなわち、ロック部材70が第2姿勢に変位することで、第1トーションバネ60の付勢力により、回動支持部材50が第2位置へ回動するようになっている。なお第3軸部材72には、図4に示すように、第2トーションバネ78が配設されており、常にロック部材70を第1姿勢に向けて付勢するようになっている。
実施例のヘッドレストHRでは、ヘッドレスト本体12が通常位置から緊急位置に向けて移動した際に、該通常位置へ移動する(逆戻りする)のを防止する機構を装備している。すなわち、図2および図3に示すように、ヘッドレスト本体12の下面に装着された各下部ブラケット80に、略「ロ字形状」のロックプレート82を夫々スライド可能に配設し、該ロックプレート82の中央開口部に支持ステー14を挿通させることで、該支持ステー14に設けた前述の各第2係止凹部20に、該ロックプレート82の内縁端部を係止させる構造となっている。例えば、図3における図示左側の下部ブラケット80に配設されたロックプレート82は、同図の左右方向へスライド可能となっていると共に、図示右側に配設したコイルバネ84により同図の左方向へ付勢されている。また、図3における図示右側の下部ブラケット80に配設されたロックプレート82は、同図の左右方向へスライド可能となっていると共に、図示左側に配設したコイルバネ84により同図の右方向へ付勢されている。
各第2係止凹部20は、前述したように下方側に段部が形成されていると共に上方側が緩い傾斜面となっているため、ヘッドレストHRが通常位置から緊急位置へ移動する過程ではロックプレート82の通過を許容し、該ヘッドレストHRが緊急位置から通常位置へ移動する過程では該ロックプレート82の通過を規制するよう構成されている。従って、ヘッドレストHRが緊急位置側から通常位置側へ移動するに際し、ロックプレート82が何れかの第2係止凹部20に係止されることで、該ヘッドレストHRが通常位置まで移動することが防止される。なお実施例では、支持ステー14に4個の第2係止凹部20が設けられてあり、ヘッドレストHRが緊急位置まで到達する前に頭部が衝突した場合には、通常位置の側に隣接する第2係止凹部20にロックプレート82が係止されるようになり、通常位置の側への該ヘッドレストHRの移動が規制される。また、ロックプレート82に形成されている操作部82Aを支持ステー14側へ押して該ロックプレート82をスライドさせることで、ロックプレート82が第2係止凹部20と係止しない位置まで退避し、ヘッドレスト本体12を通常位置へ押戻すことが可能となっている。
シートバックS1の正面左側に配設された支持ステー14の内部には、図3および図8等に示すように、前述した受圧機構100から延出された第2ワイヤ90と連結される第1ワイヤ(係止解除手段)86が挿通されている。この第1ワイヤ86の一端は、支持ステー14の先端に配設された第1ジョイントブロック88に連結され、該第1ワイヤ86の他端は、支持ステー14の上端から延出されて、ロック部材70に対して第3軸部材72より後方側で連結されている。なお、支持ステー14とブラケット74との間はチューブ86Aで被覆され、第1ワイヤ86をガイドするようになっている。
また、シートバックS1に配設した第2ワイヤ90の一端は、図7および図8に示すように、受圧機構100における受圧板102の下端部に連結され、該第2ワイヤ90の他端は、ステー支持部材120の下端に配設された第2ジョイントブロック92に連結されている。前述した第1ジョイントブロック88と第2ジョイントブロック92は、実施例のヘッドレストHRをシートバックS1に装着するに際して支持ステー14,14を対応のステー支持部材120,120に差込むことで連結され、また該ヘッドレストHRをシートバックS1から取外すに際して支持ステー14,14をステー支持部材120,120から引抜くことで連結が解除される構造となっている。従って、ヘッドレストHRをシートバックS1に装着した際には、第2ワイヤ90と第1ワイヤ86とが、第1ジョイントブロック88および第2ジョイントブロック92を介して連結され、よって受圧機構100の受圧板102とロック部材70とが、これら第2ワイヤ90および第1ワイヤ86を介して機械的に連結されるようになっている。
シートバックS1に配設された受圧機構100は、図7および図8に示すように、図示しないシートフレームに配設された前述の受圧板102と、該受圧板102と対向するようにクッション部材に配設された当接部材104とから構成されている。受圧板102は、無負荷状態において当接部材側へ突出した湾曲状に形成され、図示しないシートフレーム106を構成する部材に固定されたブラケット108に上端部が固定されると共に、第2ワイヤ90の一端が連結されている下端部はフリー状態となっている。
また当接部材104は、受圧板102から適宜離間した位置に配設されたブロック状の部材であって、通常の使用状態においてシートSに着座した乗員がシートバックS1にもたれ掛かる程度では、受圧板102に接触しないように設定されている。そして当接部材104は、当該車両が後方から追突されて乗員がシートバックS1に押付けられた際に湾曲状の受圧板102に当接して、該受圧板102を略真直な形状に変形させるよう構成されている。すなわち、追突により乗員がシートバックS1へ押付けられた際には、受圧板102の下端部が下方へ移動することで第2ワイヤ90が下方へ引張られると共に、該第2ワイヤ90に連結したヘッドレストHR側の第1ワイヤ86が引張られて、ロック部材70を第1姿勢(図2)から第2姿勢(図1,図6)へ姿勢変位させ、該ロック部材70と回動支持部材50との係止状態が解除されるよう構成されている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例のヘッドレストの作用について説明する。
実施例のヘッドレストHRは、通常の使用状態では、図2、図3、図7および図8に示すように、通常位置において実施に供される。すなわち回動支持部材50は、第1トーションバネ60の付勢力により第2位置に向けて付勢された状態で、ロック部材70に係止されて第1位置に保持され、よってヘッドレスト本体12が通常位置に保持されている。またロック部材70は、第1ワイヤ86、第2ジョイントブロック92および第1ジョイントブロック88および第1ワイヤ86を介して、受圧機構100における受圧板102に連結されている。
当該車両に対する追突事故が発生してシートSに着座している乗員がシートバックS1へ押付けられると、受圧機構100における当接部材104が受圧板102に当接して該受圧板102が変形し、第1ジョイントブロック88および第2ジョイントブロック92で連結された第2ワイヤ90および第1ワイヤ86が、該受圧板102の変形に伴って引張られる。これにより、第2トーションバネ78により第1姿勢に付勢されているロック部材70が、該第2トーションバネ78の付勢力に抗して第2姿勢へ姿勢変位するので、回動支持部材50との係止状態が解除される。
ロック部材70との係止状態が解除された回動支持部材50は、図6に示すように、第1トーションバネ60の付勢力により、第1位置から第2位置に向けて第1軸部材46を中心として一気に回動するようになる。回動支持部材50の回動に伴い、該回動支持部材50とヘッドレストコア30とを枢支する第2軸部材48が、第1軸部材46を中心として該第1軸部材46の略垂直下方から略水平前方へ円弧状に移動し、ヘッドレスト本体12の上部分の移動軌跡が規定される。また、回動支持部材50の回動に伴って、ヘッドレストコア30の下側部分に設けた各本体支持部34Aが、各支持ステー14の中間支持部14Bに沿って上方へ移動し、ヘッドレスト本体12の下部分の移動軌跡が規定される。すなわち、回動支持部材50の第1位置から第2位置への回動による第2軸部材48の移動と、支持ステー14に対する本体支持部34Aの移動とにより、ヘッドレスト本体12は前傾姿勢をとりながら緊急位置に向けて上方へ移動するようになる。
回動支持部材50が第2位置に臨むと、図1に示すように、該回動支持部材50の第1当接面56が固定支持部材16のフランジ部26に当接し、該回動支持部材50の姿勢変位が規制される。また、回動支持部材50が第2位置へ臨むと同時に、ヘッドレストコア30に形成されている各縦リブ40が、該回動支持部材50の第2当接面58へ当接する。更に、各ロックプレート82,82が、対応の支持ステー14,14に形成された最上位置の第2係止凹部20(20A)に係止される。従ってヘッドレスト本体12は、緊急位置に停止すると同時に通常位置への逆戻りが不能に係止保持され、該緊急位置に停止保持された状態で乗員の頭部を適切に拘束する。
実施例のヘッドレストHRは、ヘッドレスト本体12が緊急位置に姿勢変位した際には、図1に示すように、該ヘッドレスト本体12と回動支持部材50とが各縦リブ40および第2当接面58により所要面積で面接触していると共に、該回動支持部材50とヘッドレスト支持体10の固定支持部材16とが第1当接面56およびフランジ部26により所要面積で面接触している。従って、第1軸部材46および第2軸部材48には、乗員の頭部の衝突による衝撃力が殆ど作用しない構造となっており、衝撃力による第1軸部材46および第2軸部材48の破損が防止される。
また、実施例のヘッドレストHRは、回動支持部材50がモノブロック体状の単一成形部材であるから、衝撃力により負荷がかかった際に応力が局部的に集中することがなく、応力を適切に分散させることができる。更に、ヘッドレストコア30の下側部分に設けた本体支持部34A,34Aが、対応の支持ステー14,14の中間支持部14B,14Bに接触している。従って、ヘッドレスト本体12に対して、前方、斜め前方向および斜め上方から乗員の頭部が衝突した場合には、該衝突による衝撃力が、回動支持部材50を介してヘッドレスト支持体10に適切に伝達される。一方、ヘッドレスト本体12に対して、斜め下方から乗員の頭部が衝突した場合には、該衝突による衝撃力が、本体支持部34A,34Aを介してヘッドレスト支持体10に適切に伝達される。
なお、シートSに着座している各乗員毎に体格や着座姿勢が異なり、乗員の頭部とヘッドレストHRとの間隔にばらつきが生じるため、追突事故が発生した時点から頭部がヘッドレスト本体12に衝突するまでに要する時間にもばらつきが発生する。すなわち、ヘッドレストHRが緊急位置まで移動した後に頭部がヘッドレスト本体12に衝突する場合もあり、また該ヘッドレスト本体12が緊急位置まで姿勢変位する途中で頭部が該ヘッドレスト本体12に衝突する場合もあり得る。従って、例えば図6に示す位置までヘッドレスト本体12が姿勢変位した時点(ロックプレート82,82が、下から2番目の第2係止凹部20に整合した時点)で頭部が該ヘッドレスト本体12に衝突した場合には、各ロックプレート82が下から2番目の第2係止凹部20に係止されるため、ヘッドレスト本体12は図6の位置で係止保持されたもとで乗員の頭部を受止めるようになる。すなわち、実施例のヘッドレストHRは、ヘッドレスト本体12が通常位置から緊急位置に姿勢変位する途中で頭部が衝突しても、その衝撃力を受止めて該頭部を適切に拘束し得る。
なお、乗員の頭部は、ヘッドレスト本体12に衝突した反動で、一旦前方へ移動する場合が多い。従ってヘッドレスト本体12は、頭部が該ヘッドレスト本体12から離間した際に、第1トーションバネ60の付勢力により緊急位置まで姿勢変位し、ロックプレート82が最上位置の第2係止凹部20(20A)に係止されることで緊急位置に停止保持される。すなわち、実施例のヘッドレストHRは、通常位置から緊急位置へ姿勢変位する途中で頭部を拘束した後、該緊急位置へ移動することで再び頭部を拘束し得る。
緊急位置まで姿勢変位したヘッドレスト本体12を元の通常位置まで戻す場合は、前述した各ロックプレート82を指で押してスライドさせ、各ロックプレート82と各第2係止凹部20との係止状態を解除させながら、該ヘッドレスト本体12を通常位置の方向へ押すだけでよい。このようにヘッドレスト本体12を押戻すと、回動支持部材50は、第1トーションバネ60の付勢力に抗して第1位置の方向へ回動し、第1位置に臨むに際してロック部材70を第2姿勢に姿勢変位させ、第1位置に臨むと第1姿勢に復帰した該ロック部材70の鈎部76で係止保持される。従ってヘッドレスト本体12は、回動支持部材50が再び第1位置に係止保持されることで、通常位置に保持される。
従って、実施例のヘッドレストHRによれば、次のような作用効果を奏する。先ず、ヘッドレスト本体12の通常位置から緊急位置への姿勢変位が、ヘッドレスト支持体10に対する回動支持部材50の第1位置から第2位置への回動と、該回動支持部材50の回動に伴う該ヘッドレスト本体12の本体支持部34Aの支持ステー14に沿ったスライド移動とによってなされる構造のため、構成部材点数が少なくなってシンプルな構成となり、ヘッドレスト本体12の小型化および軽量化を図り得ると共に、コストダウンも図り得る。特に、姿勢変位するヘッドレスト本体12を支持ステー14,14でガイドしながら支持する構成のため、該ヘッドレスト本体12の支持構造が簡素化されて軽量化を図り得ると共に、構成部品点数が少なくなってコストアップを抑え得る。そして、回動支持部材50の回動によりヘッドレスト本体12が全体的に姿勢変位するので、ヘッドレストHRを前後に分割するよう構成する必要がなく、該ヘッドレストHRの外部意匠面に見切り線が形成されないのでデザイン性の向上を図り得る。また、ヘッドレスト本体12が分割しないので、ヘッドレスト本体12の内部に異物が侵入せず、回動支持部材50の回動不良が発生するおそれがない。従って、異物の侵入を防止する部材を追加装備する必要がないので、コストアップが抑えられる。
一方、ヘッドレスト本体12が緊急位置に姿勢変位した際には、該ヘッドレスト本体12とヘッドレスト支持体10との夫々が回動支持部材50に対して面接触するようになるので、乗員の頭部の衝突による衝撃力を該ヘッドレスト支持体10で受止めることができる。そして、回動支持部材50がモノブロック形状を呈しているので、ヘッドレスト本体12に対して斜め前方や斜め上方から頭部が衝突した場合でも、衝突による衝撃力が、該回動支持部材50を介してヘッドレスト支持体10で受止められる。また、ヘッドレスト本体12に対して斜め下方から乗員の頭部が衝突した場合でも、該衝突による衝撃力が、ヘッドレストコア30に設けた本体支持部34Aを介してヘッドレスト本体12で受止められる。更に、各支持ステー14,14の中間支持部14Bが、前方へ傾斜した状態で延出しているので、ヘッドレスト本体12は、緊急位置に移動する過程で全体的に前方へ移動し、後方へ移動する頭部の移動量が少ない時点で該頭部を拘束し得る。更にまた、中間支持部14Bが前方へ傾斜した状態で延出していることで、頭部の衝突による該支持ステー14,14の変形が起こり難くなる。一方、ヘッドレスト本体12が通常位置から緊急位置へ姿勢変位した際には、各支持ステー14に設けた第2係止凹部20にロックプレート82が係止されるようになるため、乗員の頭部の衝突に伴って該ヘッドレスト本体12が通常位置の方向へ移動することを防止し得る。
(変更例)
実施例のヘッドレストHRでは、図1から理解できるように、回動支持部材50を固定支持部材16に枢支させる第1軸部材46と、該回動支持部材50をヘッドレスト本体12に枢支させる第2軸部材48との軸間距離を変更することで、緊急位置に臨んだヘッドレスト本体12の前傾姿勢を調整することが可能である。例えば、第1軸部材46と第2軸部材48との軸間距離を大きく設定すれば、ヘッドレスト本体12における上部分の前方への変位量が大きくなるため、緊急位置に姿勢変位したヘッドレストHRの前傾姿勢が大きくなる。
また、実施例のヘッドレストHRでは、図1から理解できるように、各支持ステー14における中間支持部14Bの傾斜角度を変更しても、緊急位置に臨んだヘッドレスト本体12の前傾状態を調整することが可能である。例えば、中間支持部14Bの前方への傾斜角度を大きく設定した場合は、ヘッドレスト本体12における下部分の前方への変位量が大きくなるため、緊急位置に姿勢変位したヘッドレストHRの前傾姿勢が小さくなる。逆に、中間支持部14Bの前方への傾斜角度を小さく設定した場合(垂直に近い場合)は、ヘッドレスト本体12における下部分の前方への変位量が小さくなるため、緊急位置に姿勢変位したヘッドレスト本体12の前傾姿勢が大きくなる。
前述した実施例では、ヘッドレスト支持体10の前側に回動支持部材50を枢支すると共に、ヘッドレスト本体12におけるヘッドレストコア30の前部半体31に該回動支持部材50を枢支させた形態を例示したが、該回動支持部材50の配設形態はこれに限定されない。例えば、ヘッドレスト支持体10の後側に回動支持部材50を枢支すると共に、ヘッドレスト本体12におけるヘッドレストコア30の後部半体32に該回動支持部材50を枢支させた形態としてもよい。なお、後者のような回動支持部材50の配設形態の場合は、ヘッドレストHRの通常位置に対応した回動支持部材50の第1位置は、ヘッドレスト支持体10から略水平後方へ延出した姿勢とされ、ヘッドレストHRの緊急位置に対応した該回動支持部材50の第2位置は、該ヘッドレスト支持体10から略垂直上方へ延出した姿勢とされる。
前述した実施例では、回動手段としてダブルトーションバネ60を例示したが、該回動手段はトーションバネに限定されず、回動支持部材50を第1位置から第2位置へ瞬時に回動させ得るものであれば、例えば圧縮コイルバネや板バネ、モータ等であってもよい。
前述した実施例では、ヘッドレスト本体12を移動可能に支持するガイド部を、支持ステー14,14の一部(中間支持部14B)とした場合を例示したが、該ガイド部は該支持ステー14と別体として構成してもよい。例えば、図5において、ヘッドレスト支持体10を構成する固定支持部材16の下側中央(両支持ステー14,14の間)に、下方へ延出するガイド部を設け、ヘッドレストコア30の底壁部分に、該ガイド部に摺接する本体支持部34Aを形成しても、前述した実施例と同様の作用効果が得られる。
前述した実施例では、ヘッドレスト本体12におけるヘッドレストコア30の前部半体31の底壁部分に設けた本体支持部34Aを、該前部半体31に一体的に形成した形態を例示したが、該本体支持部34Aは、該前部半体31と別体に形成して該前部半体31に組付けるように構成してもよい。
前述した実施例では、両支持ステー14,14に第2係止凹部20を形成した場合を例示したが、該第2係止凹部20は左右の何れか一方の支持ステー14にのみ設けてもよい。また、支持ステー14に対する第2係止凹部20の形成個数は、実施例で示した4個に限定されるものではなく、3個以下または5個以上であってもよい。なお、最上の第2係止凹部20(20A)を1個だけ設けるようにして、ヘッドレスト本体12が緊急位置に姿勢変位した際にのみロックプレート82が係止するようにしてもよい。
前述した実施例では、追突検知手段として、受圧板102および当接部材104からなる受圧機構100を例示したが、該追突検知手段は該受圧機構100に限定されるものではなく、現在実用化または提案されている様々な形態が実施可能である。例えば追突検知手段として、プッシュ式スイッチまたはリミットスイッチ等の各種スイッチや、ショックセンサまたは圧力センサ等の各種センサ等が実施可能である。また、前述した実施例では、係止解除手段として、シートバックS1に設けた第2ワイヤ90と機械的に連結される第1ワイヤ86を例示したが、該係止解除手段もワイヤに限定されるものではなく、鎖や紐等であってもよい。更には、追突検知手段および係止保持手段70が電気的に作動する形態である場合は、係止解除手段は電気的に連結される電気コード等であってもよい。
前述した追突検知手段は、ヘッドレスト本体12内に配設される形態であってもよい。このように追突検知手段がヘッドレスト本体12内に配設される場合は、係止解除手段86も該ヘッドレスト本体12内に配設される。
本発明に係るヘッドレストは、車両に設置したシートのシートバックに配設され、追突事故の発生時に通常位置から緊急位置へ姿勢変位可能な可動式のヘッドレストであって、種々タイプの車両に設置されたシートのシートバックに好適に実施可能である。
実施例のヘッドレストが緊急位置に姿勢変位した状態を示した縦断側面図である。 実施例のヘッドレストが通常位置に保持されている状態を示した縦断側面図である。 実施例のヘッドレストが通常位置に保持されている状態を示した縦断正面図である。 ヘッドレストを構成するヘッドレスト支持体、回動支持部材、ロック部材を分解した状態で示した斜視図である。 ヘッドレスト支持体にヘッドレストコアを組付ける状態を示した斜視図である。 ヘッドレスト本体が、通常位置と緊急位置との途中で係止保持された状態を示した縦断側面図である。 実施例のヘッドレストがシートのシートバックに装着された状態を示した縦断側面図である。 実施例のヘッドレストがシートのシートバックに装着された状態で示した縦断正面図である。
符号の説明
10 ヘッドレスト支持体,12 ヘッドレスト本体,14 支持ステー
14B 中間支持部(ガイド部),20(20A) 第2係止凹部(係止凹部)
30 ヘッドレストコア,34 挿通孔,34A 本体支持部,50 回動支持部材
56 第1当接面,58 第2当接面,60 第1トーションバネ(回動手段)
70 ロック部材(係止保持手段),82 ロックプレート(係止部材)
86 第1ワイヤ(係止解除手段),S シート
S1 シートバック

Claims (6)

  1. 車両に設置したシートのシートバックに配設され、通常位置から緊急位置へ姿勢変位可能な可動式のヘッドレストであって、
    前記シートバックに支持される支持ステーがガイド部となるヘッドレスト支持体と、
    前記支持ステーのガイド部が挿通する挿通孔が、前記シートバックに対向する下側部分に設けられたヘッドレスト本体と、
    前記ヘッドレスト本体の内側に臨む前記ヘッドレスト支持体に一端部が枢支されると共に該ヘッドレスト本体に他端部が枢支され、前記通常位置に対応した第1位置および前記緊急位置に対応した第2位置の間で回動可能な回動支持部材と、
    前記回動支持部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて回動させる回動手段と、
    前記回動支持部材を前記第1位置において係脱可能に係止保持し、前記回動手段による該回動支持部材の回動を規制する係止保持手段と、
    前記回動支持部材に対する前記係止保持手段の係止を解除して、前記回動手段による前記回動支持部材の回動を許容する係止解除手段とを備え
    前記ヘッドレスト本体は、前記挿通孔の開口縁が、前記回動支持部材の第1位置から第2位置への回動に伴い前記ガイド部に沿って移動すると共に、該ガイド部に支持されて前記ヘッドレスト本体の下側部分が後方へ移動するのを規制する本体支持部として構成され、
    前記回動支持部材の第1位置から第2位置への回動に伴う前記本体支持部の前記ガイド部との摺動により、前記ヘッドレスト本体の下側部分の移動軌跡を規定するよう構成された
    ことを特徴とするヘッドレスト。
  2. 前記ヘッドレスト本体は、中空状に形成され、
    前記ヘッドレスト本体の内側に、前記回動支持部材、回動手段および係止保持手段が配設された請求項1記載のヘッドレスト。
  3. 前記回動支持部材は、前記第2位置において、前記ヘッドレスト支持体の前側に前方から当接する第1当接面と、前記ヘッドレスト本体の内側に後方から当接する第2当接面とを有する請求項1または2記載のヘッドレスト。
  4. 前記ガイド部は、上方に向かうに従い前方に傾斜する請求項1〜3の何れか一項に記載のヘッドレスト。
  5. 前記ガイド部には、係止凹部が設けられ、前記ヘッドレスト本体には、前記回動支持部材が前記第2位置に回動した際に前記係止凹部に係止する係止部材が設けられる請求項1〜4の何れか一項に記載のヘッドレスト。
  6. 前記ガイド部には、本体支持部の移動方向に離間して複数の係止凹部が配設され、
    前記ヘッドレスト本体の下側部分には、該ヘットレスト本体の通常位置から緊急位置方向への移動時には前記係止凹部を通過し、ヘッドレスト本体の緊急位置から通常位置方向への移動時には前記係止凹部に係止して該ヘッドレスト本体の通常位置への移動を規制する係止部材が配設された請求項1〜5の何れか一項に記載のヘッドレスト。
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