JP5188860B2 - 被膜形成用樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、溶剤溶解性、透明性に優れるとともに、基板への密着性が改善され、またポリマー膜の加工性に優れたポリエステルに関するものである。
ビスフェノールAを代表とする二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分から得られるポリエステルは、ポリアリレートとして知られ、非晶性が高く透明で、かつ耐熱性に優れることから、近年さまざまな用途に用いられている。
ポリアリレート製品の多くは、押出成形や射出成形のように溶融状態で加工された成形品である。フィルムや薄膜などを成形するためにポリアリレート樹脂を溶剤に溶解させるには、使用する溶剤として塩化メチレンやクロロホルムといった塩素系溶媒などに限られていた。しかし、これら溶媒は、近年では環境への影響から使用が制限されており、環境負荷の比較的少ないトルエンやシクロヘキサノンなど非塩素系汎用溶剤に対する溶解性が求められていた。
さらに、この溶液をコーティングした被膜は、基材塗布後の被膜が乾燥後に基材から剥離するなど、密着性に問題があった。
また、近年、基材上に形成されたポリマー膜に対する形状加工性が要求されてきている。これは、基材上に凹凸形状を形成したり、ポリマー被膜を基材加工のためのエッチングマスクとして適用したりすることが目的である。
例えば、被膜のパターン形状を形成するために、エッチングしたい部分が空いているパターンをもったエッチングマスクをポリマー被膜上に形成し、アルカリ溶液などの現像液に浸漬して、マスクのない部分のポリマー被膜を分解する手法などが挙げられる。
また、別の手法として、特に電子用途を中心に、精細なパターンが求められる場合には、パターン描画は光線や電子ビームなどの露光を用いて得られることが多い。露光源としては、一般には可視領域から紫外領域の波長が用いられており、最近では近赤外領域から青色領域の波長の光線や、電子ビームも盛んに利用されている。
パターン形成の方法として、露光マスクを使用し、面光源から露光マスクを通してパターン形成することが一般的である。それに対して、例えば、特許文献1では、露光マスクを使用せずにポリアリレート樹脂に電子線ビームを照射して直接パターン形成しており、レーザや電子ビームを用いた直接描画をおこなうことにより、工程の簡略化を試みている。
フォトレジストは、露光部分をアルカリ性の現像液で取り除くポジ型と、露光部を残して未露光部を取り除くネガ型に大別される。すなわち、いずれのタイプも、露光によって誘起された除去スピードの違いを利用してパターニングされる。
フォトレジストの主成分であるベースポリマーは、必要に応じて、ポリマー膜中に予め、レーザ照射部のポリマー膜分解性を促進させるための光酸発生剤、増感剤や光熱変換物質、その他、適宜界面活性剤、現像促進剤、溶解阻止剤などの添加剤を含有させることがあるが、ポジ型であれネガ型であれ、本質的にアルカリ性である現像液で除去されやすい特性が求められている。
例えば、フォトレジストとして特定構造のポリカーボネートを適用して、光酸発生剤を混合したものとして、非特許文献1が知られているが、ガラス転移温度が100℃以下と低く、耐熱性が十分ではなく、ガラス転移温度の高い樹脂が望まれていた。
特開2003−268097号公報 山岡 亜夫 編集 「フォトポリマーテクノロジー」、日刊工業新聞社 、昭和63年12月30日、 P77〜81
本発明は、耐熱性、透明性、溶剤溶解性を有し、さらに、基材に対する優れた密着性および膜加工に適したアルカリ分解性を有するポリエステル樹脂、およびそのコート液を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、主鎖構造中に特定構造を含有するポリエステル樹脂が、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
[1](A)二価フェノール、(B)芳香族ジカルボン酸、および(C)脂肪族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂であって、前記(A)二価フェノールが下記式(3)、(4)または(7)の化合物を含み、(B)/{(B)+(C)}のモル比率が0.1以上0.9以下であって、酸価が100mol/t以上であることを特徴とするポリエステル樹脂。
[2]前記(B)芳香族ジカルボン酸が、フタル酸であることを特徴とする[1]に記載のポリエステル樹脂。
[3][1]または[2]に記載のポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂被膜。
[4][1]または[2]に記載のポリエステル樹脂を用いたコート液。
本発明によれば、耐熱性に優れたポリエステル樹脂が得られ、このポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解したコート液からは、基材に対する優れた密着性を有しつつ、膜加工に適したアルカリ分解性を有するポリエステル樹脂被膜を提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、(A)二価フェノール、(B)芳香族ジカルボン酸、および(C)脂肪族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂であって、(A)二価フェノールが、下記式(3)、(4)または(7)の化合物であることを特徴とするポリエステル樹脂である。
この中でも、工業的に入手しやすくアルカリ分解性に優れている観点から、下記式(3)、(4)で示される構造を有することが好ましい。
(B)芳香族ジカルボン酸として該当する化合物を例示すると、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。この中でも、工業的に入手しやすく重合性に優れている観点から、テレフタル酸あるいはイソフタル酸が特に望ましい。
(C)脂肪族ジカルボン酸は、直鎖構造、分岐構造あるいは環構造いずれの構造にも限定されず、該当する化合物を例示すると、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸などが挙げられる。この中でも、工業的に入手しやすく溶解性に優れている観点から、アジピン酸、セバシン酸あるいはドデカン二酸が望ましい。
本発明では、(B)芳香族ジカルボン酸と(C)脂肪族ジカルボン酸を混合して用いることができるが、混合する場合はモル比率として(B)/{(B)+(C)}の割合は0.1以上0.9以下であり、さらに望ましくは0.4以上0.8以下である。0.1未満である場合は、耐熱性が不十分であり、0.9を超える場合は、溶解性が不足する場合がある。
本発明のポリエステル樹脂の分子量は、特に限定されないが、1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒に用いた25℃における1g/dl溶液のインヘレント粘度は0.10〜1.00であることが好ましく、0.25〜0.90が特に好ましい。インヘレント粘度が0.10未満であるとポリマーの溶解性が低下し、一方1.00を超えると溶液塗布のハンドリング性が低下する傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂の酸価は、100mol/t以上であることが必要である。100mol/t未満であると、密着性が不十分となる場合がある。
本発明のポリエステル樹脂は公知の方法によって合成できるが、ここでは代表的な製造方法である溶融重合法を詳細に説明する。
ここで説明する溶融重合法は、二価フェノールを無水酢酸によってアセチル化し、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸と反応させたのち、脱酢酸による溶融重合をおこなう方法である。
重合時に使用する二価フェノール総量の、ジカルボン酸総量に対するモル比は、特に限定されないが、(二価フェノール総量)/(ジカルボン酸総量)=80/100〜100/100とすることが好ましい。二価フェノール総量の比が80/100未満であると、二価フェノールのアセチル化反応が十分進行しないため、重合速度が遅くなり、ポリマーの重合度が上がりにくくなる。また、逆に二価フェノール総量の比が100/100を超えると、フリーの酢酸成分が多くなるため、脱酢酸反応が不十分となり、ポリマー中に酢酸分が残存しやすくなる。
本発明において、使用する無水酢酸の添加量は、二価フェノールのヒドロキシル基に対し、0.8〜1.2倍モルとすることが好ましい。0.8倍モル未満であると、アセチル化が不十分となり、ポリマーの重合度が上がりにくくなる。逆に、1.2倍モルを超えると、必要以上に無水酢酸を添加することによるコストアップの他、脱酢酸が十分に進行せず、ポリマー中に酢酸成分が残存しやすくなる。
本発明の方法を実施するに際しては、まず、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸と無水酢酸を反応缶へ仕込み、無水酢酸によりフェノール性水酸基をアセチル化する。具体例には、二価フェノール、無水酢酸、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸とを反応缶に仕込み、100℃〜250℃、好ましくは120℃〜180℃の温度で、5分〜8時間、好ましくは30分〜5時間の間、常圧あるいは加圧下でアセチル化を行う。
次に、徐々に昇温して脱酢酸重合反応をおこなう。このとき、250℃以上の温度、減圧度5hPa以下で、30分以上保持する必要がある。温度は250℃〜400℃が好ましく、さらに好ましくは、280℃〜350℃である。また、減圧度は3hPa以下が好ましい。温度が250℃未満であると、脱酢酸反応が不十分となるばかりでなく、全体の反応時間が長くなり、ポリマー色調が悪化する。また、減圧度が5hPa以上であったり、保持時間が30分未満であると、脱酢酸反応を十分に行えず、ポリマー中の酢酸発生量が高くなることがある。
本発明のポリエステル樹脂の製造において、脱酢酸反応は通常無触媒で進行するが、必要に応じて、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト等の金属の化合物のほか、スルホサリチル酸、o−スルホ安息香酸無水物等の有機スルホン酸化合物を用いることができる。そして、触媒の添加量は、酸成分1モルに対して1×10−5〜1×10−2モル、好ましく5×10−5〜5×10−3モルとするのが適当である。
なお、必要に応じて、滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有させることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、有機溶剤へ溶解性させることができるため、その溶液をコート液として使用することができる。有機溶剤としては特に限定されないが、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒に代表されるハロゲン系溶媒の他に、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの非ハロゲン系溶媒が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂を溶解したコート液は、優れた金属密着性を有するので、金属基板用コート液として好適である。
コーティングする際のポリマー溶液濃度や溶液粘度は特に限定されない。得ようとする膜の厚みやコーティング方法により適宜選択されるが、塗工性を考慮した場合、3〜45質量%が望ましく、10〜35質量%がさらに好ましい。溶液粘度は0.01〜50Pa・sが好ましく、0.1〜25Pa・sの範囲がさらに好ましい。
コーティング方法は特に限定されないが、ワイヤーバーコーター塗り、フィルムアプリケーター塗り、はけ塗りやスプレー塗りといった方法の他に、グラビアロールコーティング法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法、リップコーティング、エアナイフコーティング法、カーテンフローコーティング法、浸漬コーティング法を用いることもできる。
コーティング膜の厚み調整方法は溶液濃度やコーティング方法により異なるが、例えばアプリケーターを用いた場合ではアプリケーターの隙間幅を、ワイヤーバーコーターの場合ではバーコーターに巻きつけられた針金直径を選択することによっても調整できる。
乾燥方法は特に限定されないが、効率よく溶媒を除去するためには加熱乾燥することが好ましい。乾燥温度や乾燥時間はコーティングするポリエステル樹脂の物性や金属基板の組合わせにより適宜選択されるが、経済性を考慮した場合、乾燥温度は40℃〜300℃が好ましく、60℃〜200℃がさらに好ましい。乾燥時間は1秒〜30分が好ましく、3秒〜15分がさらに好ましい。なお必要に応じて室温で自然乾燥しても構わない。
金属基板上の乾燥後のコーティング膜の厚みは、その用途によって適宜選択されるものであるが0.1〜50μmが好ましく、0.5〜25μmがさらに好ましい。
本発明のコート液から得られるポリエステル樹脂被膜は、アルミニウム、鉄、ステンレスや銅などの金属基材との密着性に優れ、金属材料の腐食防止膜として用いることができる。また被膜にパターン加工して金属基板などのエッチングマスクとして用いたり、コンデンサやプリント基板などの絶縁膜、印刷版等に使用することも可能である。
次に、本発明を実施例、比較例によって具体的に説明する。
本発明における各種評価は以下の方法で行った。
(1)溶液粘度
溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、樹脂濃度1g/dlの溶液を調製し、温度25℃でインヘレント粘度ηの測定を行った。
(2)酸価
試験管に樹脂0.15gを精秤し、ベンジルアルコール5mlに加熱溶解した。クロロホルム10mlと前記の樹脂のベンジルアルコール溶液とを混合した後、フェノールレッドを指示薬として加え、撹拌しながら0.1N−KOHベンジルアルコール溶液で中和滴定を行なってカルボキシル価を求めた。
(3)溶媒溶解性
5gのポリマーを95gのNMPが入ったフラスコに入れ、25℃に保ちながら攪拌し、2時間後の状態を目視観察した。完全に溶解しているものを○、溶解せずにポリマーが残留したものを×とした。
(4)密着性
ポリエステル樹脂10質量部、NMPを90質量部加え、25℃室温で攪拌溶解することにより、ポリマー濃度10質量%のポリマー溶液を得た。次に、このポリマー溶液を基材にコーティングした。基材は表面を予めアセトンで脱脂した上で、フィルム製膜機(安田精機社製542−AB型)にセットし、ベーカー式アプリケーターで溶液を基材表面に塗布した。基材は電解銅箔(福田金属社製)のマット面を用いた。塗布後、室温にて10分間風乾し、90℃で3分間の予備乾燥を行った。その後、200℃で10分間の本乾燥を行い、基材上に厚さが約4μmの透明な乾燥被膜を形成させた。
このときに、基材からポリエステル被膜が剥離したものを密着性×、剥離しなかったものを密着性○と評価した。
(5)アルカリ分解性
ポリエステル樹脂0.5gをクロロホルム15gに溶解して3質量%溶液を作成した。この溶液に、ポリマーのエステル量に対してモノエタノールアミンが当量となる量を添加した後に、10分間室温で攪拌した。この溶液をメタノールに添加して、沈殿したポリマーを回収し、80℃で乾燥した。モノエタノールアミンで処理したポリエステル樹脂のインヘレント粘度ηを測定した。
アルカリ分解度として1−(η−η)/ηを計算し、アルカリ分解度の大きいものほどポリマー膜の加工性に優れていると判断し、0.65以上であれば合格とした。
実施例1
エステル化反応装置に、二価フェノール成分として(4)式に示す構造の化合物(以下PHQと表記する)324.1質量部、アジピン酸73.1質量部およびイソフタル酸43質量部(モル比=PHQ/ADA/IPA=100/50/50)と無水酢酸224.6質量部(PHQのヒドロキシル基に対して1.1倍モル)とを仕込み、窒素雰囲気下で、常圧、140℃で3時間撹拌混合しながら反応させた。その後、280℃まで4時間で昇温し、1時間保持後、さらに310℃まで1.5時間かけて昇温した。その後、120分かけて1hPa以下まで減圧して、最終的に、310℃、0.5hPaの条件を2時間保持して溶融重合した。その結果を表1に示す。
実施例2
PHQ324.2質量部、セバシン酸101.2質量部およびイソフタル酸43質量部(モル比=PHQ/SBA/IPA=100/50/50)と無水酢酸224.6質量部とした以外は実施例1と同様に合成した。その結果を表1に示す。
実施例3
(3)式に示す構造の化合物318.3質量部(以下PPと表記する)、アジピン酸73.1質量部およびイソフタル酸43質量部(モル比=PP/ADA/IPA=100/50/50)と無水酢酸224.6質量部とした以外は実施例1と同様に合成した。その結果を表1に示す。
実施例4
PP318.3質量部、セバシン酸101.1質量部およびテレフタル酸43質量部(モル比=PP/SBA/TPA=100/50/50)と無水酢酸224.6質量部とした以外は実施例1と同様に合成した。その結果を表1に示す。
実施例5
(7)式に示す構造の化合物(以下PPQと表記する)310.3質量部、セバシン酸101.1質量部およびイソフタル酸83.1質量部(モル比=PPQ/SBA/IPA=100/50/50)と無水酢酸224.6質量部とした以外は実施例1と同様に合成した。その結果を表1に示す。
実施例6
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分としてPPQ20.5重量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.15質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム8.0質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(BTBAC)2.8質量部、ハイドロサルファイトナトリウム(SHS)0.10質量部を仕込み、水620質量部に溶解した(水相)。
これとは別に、塩化メチレン300質量部に、イソフタル酸クロライド9.5質量部と、セバシン酸クロライド(SBCと表記する)4.8質量部を溶解した(有機相)。この有機相を、すでに攪拌している水相中に強攪拌下で添加し、15℃で4時間、界面重合法で重合を行った。この後攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、新たに塩化メチレン200質量部、純水1000重量部と酢酸を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。
この有機相を純水で5回洗浄した後に、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させ、分離・乾燥後、ポリエステル樹脂を得た。その結果を表1に示す。
比較例1
エステル化反応装置にビスフェノールA(以下BAと表記する)228.3質量部とIPA86質量部(モル比=BA/IPA/TPA=100/100/0)と無水酢酸224.6質量部(BAのヒドロキシル基に対して1.1倍モル)とを仕込み、窒素雰囲気下で、常圧、140℃で3時間撹拌混合しながら反応させた。その後、280℃まで4時間で昇温し、1時間保持後、さらに310℃まで1.5時間かけて昇温した。その後、120分かけて1hPa以下まで減圧して、最終的に、310℃、0.5hPaの条件を2時間保持して溶融重合した。その結果を表1に示す。
比較例2
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン20.6質量部(以下APと表記する)、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.11質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム8.6質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(BTBAC)0.30質量部、ハイドロサルファイトナトリウム(SHS)0.10質量部を仕込み、水620質量部に溶解した(水相)。
これとは別に、塩化メチレン300質量部に、テレフタル酸クロライド(TPCと表記する)7.3質量部と、イソフタル酸クロライド(IPCと表記する)7.3質量部を溶解した(有機相)。この有機相を、すでに攪拌している水相中に強攪拌下で添加し、15℃で4時間、界面重合法で重合を行った。この後攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、新たに塩化メチレン200質量部、純水1000重量部と酢酸を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。
この有機相を純水で5回洗浄した後に、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させ、分離・乾燥後、ポリエステル樹脂を得た。その結果を表1に示す。
表1に示した結果より明らかなように、実施例1〜4のポリアリレート樹脂は、アルカリ分解性および基板に対する密着性ともに優れていることが分かる。
これに対して、比較例1のポリエステル樹脂はNMPに溶解せず加工性に劣っているものであった。比較例2のポリエステル樹脂は、溶解性はあったもののインヘレント粘度が高いために溶液ハンドリング性が悪く、また密着性およびアルカリ分解性が満足できるものではなかった。




Claims (4)

  1. (A)二価フェノール、(B)芳香族ジカルボン酸、および(C)脂肪族ジカルボン酸を含むポリエステル樹脂であって、前記(A)二価フェノールが下記式(3)、(4)または(7)の化合物を含み、(B)/{(B)+(C)}のモル比率が0.1以上0.9以下であって、酸価が100mol/t以上であることを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 前記(B)芳香族ジカルボン酸が、フタル酸であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 請求項1または2に記載のポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂被膜。
  4. 請求項1または2に記載のポリエステル樹脂を用いたコート液。
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