JP6193574B2 - ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム - Google Patents
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(1)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを50モル%以上含む二価フェノール成分と、芳香族ジカルボン酸成分からなり、式(I)および式(II)を満たすポリアリレート樹脂(一般式(A)で示される構造を含むジカルボン酸成分と、二価フェノール成分からなるポリアリレート樹脂を除く。)。
0.9≦ηB/ηA (II)
[ηAは、溶媒をテトラクロロエタン、濃度を1g/dL、測定温度を25℃とした場合のインヘレント粘度、ηBは、溶媒を、酢酸ナトリウムを0.6g/L含む{テトラクロロエタン/フェノール=4/6(質量比)混合溶媒}、濃度を1g/dL、測定温度を25℃とした場合のインヘレント粘度]
(2)酸価が7当量/トン以下である(1)記載のポリアリレート樹脂。
(3)(1)または(2)に記載のポリアリレート樹脂を製膜してなるフィルム。
(4)二価カルボン酸ハライドを含有する有機相と、二価フェノールおよびアルカリを含有する水相を混合してポリアリレート樹脂を得る製造方法において、水相中のアルカリ/フェノール末端の当量比を1.5以上として混合することを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のポリアリレート樹脂の製造方法。
本発明のポリアリレート樹脂は二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分から構成される。
0.3≦ηA≦1.5 (I)
0.9≦ηB/ηA (II)
(1)ηA
ポリアリレート樹脂を、1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、濃度が1g/dLの試料溶液を作製した。続いて、ウベローデ型粘度計を用い、25℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下速度を測定し、以下の式を用いてηAを求めた。
ηA=ln[(試料溶液の落下速度)/(溶媒のみの落下速度)]/樹脂濃度(g/dL)
ポリアリレート樹脂を、酢酸ナトリウムを0.6g/L含む{テトラクロロエタン/フェノール=4/6(質量比)の混合溶媒}に溶解し、濃度が1g/dLの試料溶液を作製した。続いて、ウベローデ型粘度計を用い、25℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下速度を測定し、以下の式を用いてηBを求めた。
ηB=ln[(試料溶液の落下速度)/(溶媒のみの落下速度)]/樹脂濃度(g/dL)
ポリアリレート樹脂0.3gを塩化メチレン20mLに溶解し、指示薬としてフェノールレッドを加え、0.1N水酸化カリウム−ベンジルアルコール/無水エタノール=7/3(v/v)溶液で滴定し、酸価を求めた。
ポリアリレート樹脂10mgをサンプルとして、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。実用上、220℃以上が好ましい。
得られたフィルムを用いて、ASTM D1003に準拠し、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH2000で測定した。実用上、80%以上が好ましい。
得られたフィルムを、温度85℃、湿度85%で48時間静置した。湿熱処理前後のフィルムについて、JIS K7127に準拠し、株式会社インテスコ社製ModeL2020で破断伸度を測定し、保持率((処理後/処理前)×100)を求めた。実用上、50%以上が好ましい。
パドル型二枚羽の攪拌装置を備えた2Lの反応容器中に、二価フェノール成分としてBisTMC69.8質量部、末端封止剤としてPTBP 0.7質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)32.7質量部、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド〔TBBAC〕の50質量%水溶液を1.0質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム0.3質量部を仕込み、水1040質量部に溶解した(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン910質量部に、テレフタル酸クロライド(TPC)23.0質量部と、イソフタル酸クロライド(IPC)23.0質量部を溶解した(有機相)(BisTMC:TPC:IPC:PTBP:TBBAC:NaOH=99.0:50.0:50.0:2.0:0.68:360(モル比))。水相と有機相の合計量は、1Lであった。水相をあらかじめ400rpmで攪拌しておき、攪拌数を維持しながら有機相を水相中に添加し、15℃で2時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、塩化メチレン500質量部、純水2000質量部と酢酸2質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過し、乾燥し、ポリアリレート樹脂を得た。
得られたポリアリレート樹脂を、クロロホルムに15〜20質量%の濃度になるように溶解させ、これをPETフィルム上に株式会社 安田精機製作所製 No.542−ABオートマチックフィルムアプリケーターを用いてバーコーターで塗布した。減圧下、150℃で、24時間乾燥し、100μmの厚みになるようにフィルムを作製した。
表1に示すように、ポリアリレート樹脂の製造条件を変更する以外は、実施例1と同様にポリアリレート樹脂を重合し、それらからフィルムを作製した。
実施例8のポリアリレート樹脂は、酸価が本発明における好ましい範囲よりも高かったため、引張伸度保持率がやや低かった。
比較例3のポリアリレート樹脂のηAが0.3未満であったため、得られたフィルムの引張伸度が低かった。
比較例4のポリアリレート樹脂のηAが1.5を超えていたため、ポリアリレート樹脂のクロロホルム溶液の粘度が高すぎて、均一なフィルムを作製することができなかった。
比較例5のポリアリレート樹脂は、撹拌速度が不十分だったため、(ηB/ηA)が0.9未満であった。そのため、得られたフィルムの引張伸度保持率が低かった。
比較例6は、引用文献1の実施例1を追試したものである。しかしながら、アルカリ/フェノール末端の当量比が1.5未満の水相を用いて重合したため、(ηB/ηA)が0.9未満であった。そのため、得られたフィルムの引張伸度保持率が低かった。
比較例7は、引用文献2の実施例3を追試したものである。しかしながら、アルカリ/フェノール末端の当量比が1.5未満の水相を用いて重合したため、(ηB/ηA)が0.9未満であった。そのため、得られたフィルムの引張伸度保持率が低かった。
Claims (4)
- 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを50モル%以上含む二価フェノール成分と、芳香族ジカルボン酸成分からなり、式(I)および式(II)を満たすポリアリレート樹脂(一般式(A)で示される構造を含むジカルボン酸成分と、二価フェノール成分からなるポリアリレート樹脂を除く。)。
0.9≦ηB/ηA (II)
[ηAは、溶媒をテトラクロロエタン、濃度を1g/dL、測定温度を25℃とした場合のインヘレント粘度、ηBは、溶媒を、酢酸ナトリウムを0.6g/L含む{テトラクロロエタン/フェノール=4/6(質量比)混合溶媒}、濃度を1g/dL、測定温度を25℃とした場合のインヘレント粘度] - 酸価が7当量/トン以下である請求項1記載のポリアリレート樹脂。
- 請求項1または2に記載のポリアリレート樹脂を製膜してなるフィルム。
- 二価カルボン酸ハライドを含有する有機相と、二価フェノールおよびアルカリを含有する水相を混合してポリアリレート樹脂を得る製造方法において、水相中のアルカリ/フェノール末端の当量比を1.5以上として混合することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のポリアリレート樹脂の製造方法。
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JP2012015357 | 2012-01-27 | ||
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