以下、実施形態に係るリテーナ嵌合状態検査用装置について説明する。本リテーナ嵌合状態検査用装置は、コネクタのハウジング本体部に嵌合されるリテーナの嵌合状態を検査するための装置である。
<1.コネクタについて>
まず、説明の便宜上、本リテーナ嵌合状態検査用装置の検査対象となるコネクタについて説明する。図1はコネクタ100の一例を示す斜視図である。
本実施形態に係るリテーナ嵌合状態検査用装置の検査対象となるコネクタ100は、自動車のワイヤーハーネス等に組込まれるコネクタであり、複数の端子付き電線が接続される。このコネクタ100は、ハウジング本体部102とリテーナ110とを有している。
ハウジング本体部102は、樹脂等により略直方体形状に形成されている。このハウジング本体部102には、端子Tを挿入可能な端子収容部104と端子Tの挿入方向Pに沿った一側面103で開口するリテーナ嵌合穴部106とが形成されている。
端子収容部104は、ハウジング本体部102の基端面で開口し、その基端部102aから先端部102bに向けて延在する略直方体空間を有する孔形状に形成されている。つまり、端子Tは、前記開口を通じて、ハウジング本体部102の基端部102aから先端部102bに向かう方向(端子挿入方向P)に挿入され、端子収容部104内に配設される。通常、本コネクタ100には複数の端子付き電線が接続されるため、ここでは、端子収容部104がハウジング本体部102に複数形成されている例で説明する。
リテーナ嵌合穴部106は、一側面103に略直行する方向に沿って、かつ、各端子収容部104が有する空間の一部を共有する空間を有する穴形状に形成されている。このリテーナ嵌合穴部106は、リテーナ110全体を収容可能な大きさに形成されている。
リテーナ110は、樹脂等により、複数の端子収容部104に挿入された各端子Tに抜止状に係止可能なようにリテーナ嵌合穴部106に対して嵌合可能に形成されている。より具体的には、リテーナ110は、先端側部分が各端子Tに形成されている凹凸部分に係止可能に形成されている。また、リテーナ110の後端部は、リテーナ110を、開口を通じてリテーナ嵌合穴部106に挿入した状態で、ハウジング本体部102の一側面103と略平行に配設可能な平面形状に形成されている。そして、リテーナ110は、完全嵌合状態では、後端面がハウジング本体部102の一側面103と同一面上或いはそれよりリテーナ嵌合穴部106内側に配設される。また、リテーナ110は、半嵌合状態では、一側面103から一部分(以下、突出部分111)が突出した状態となる。この半嵌合状態には、例えば、複数の端子収容部104に挿入される端子Tのうちいずれかが完全に挿入されていない状態で端子Tと干渉してリテーナ110を押込めない場合、作業者によるリテーナ110の押込み不足の場合等が挙げられる。
また、このコネクタ100は、リテーナ嵌合穴部106より先端部102b側の部分に、ハウジング本体部102の一側面からリテーナ110が突出する向きに突起する突起部109を有している。ここでは、この突起部109を有するコネクタ100として、ハウジング本体部102にメスコネクタとの接続用のガイド枠体108が取付けられたオスコネクタを例に説明する。つまり、このコネクタ100は、オスコネクタにガイド枠体108が取付けられた構成である。より具体的には、このガイド枠体108は、略直方体空間を有する枠形状であり、ハウジング本体部102の先端部102b側の一部に、その先端面から突出する端子Tを覆うように外嵌めされている。つまり、ここで、この突起部109は、ガイド枠体108のうち、一側面103よりリテーナ110突出側に突起した部分を指している。
そして、このコネクタ100のうち、ハウジング本体部102の基端部102aをコネクタ100の基端部100a、その反対側の端部、つまり、ガイド枠体108の先端部をコネクタ100の先端部100bとする。
もっとも、突起部109を有するコネクタ100は、リテーナ嵌合穴部106より先端部102b側の部分に、ハウジング本体部102の一側面103から突起する構成であればよく、上記構成に限られるものではない。
<2.リテーナ嵌合状態検査用装置の構成>
次に、リテーナ嵌合状態検査用装置について詳細に説明する。図2はリテーナ嵌合状態検査用装置10の外観斜視図、図3は図2のIII−III線断面図、図4はセット位置におけるリテーナ嵌合状態検査用装置10の概略平面図、図5は検査位置におけるリテーナ嵌合状態検査用装置10の概略平面図、図6はリテーナ当接時のリテーナ嵌合状態検査用装置10の概略平面図である。
本リテーナ嵌合状態検査用装置10は、ホルダー部20と、ストッパー部30と、本体部40と、スライダー部60と、スライダー部押動部材と、位置規制用付勢部材74とを備えている。
ホルダー部20は、コネクタ100を一定位置及び一定姿勢で保持可能に構成されている。このホルダー部20は、樹脂等により形成され、コネクタ保持凹部22とスライダー収容凹部26とを有している。
コネクタ保持凹部22は、ホルダー部20の一主面で開口し、コネクタ100を収容可能な空間を有する凹形状に形成されている。より具体的には、コネクタ保持凹部22は、コネクタ100を、そのリテーナ110突出方向及び端子挿入方向Pに略直交する方向に沿って前記開口を通じて挿入可能で、かつ、当該姿勢でコネクタ100を保持可能に形成されている。コネクタ保持凹部22の大きさは、コネクタ100全体を収容可能な程度の(ここではコネクタ100より僅かに大きい)大きさに設定されている。つまり、ここでは、コネクタ保持凹部22は、端子挿入方向P後方側より前方側の方が幅広に形成されている。また、コネクタ保持凹部22は、挿入されたコネクタ100の先端部100bを露出可能なように、一側方で外方に開放されている。
また、ホルダー部20には、コネクタ保持凹部22に保持されたコネクタ100の端子収容部104に挿入されている端子付き電線のうち、その開口から延出している電線部分を配設し、かつ、コネクタ保持凹部22の外方に延出可能なスリット部24が形成されている。ここでは、スリット部24は、コネクタ保持凹部22と同じ向きに開口する略U字形状に形成されている。そして、コネクタ100をコネクタ保持凹部22に挿入すると、コネクタ100から延出する端子付き電線の電線部分は、スリット部24を通じてホルダー部20の外方に延出される。また、このスリット部24の間隔は、コネクタ保持凹部22に保持されるコネクタ100のハウジング本体部102の基端部102aの幅寸法より幅狭に設定されている。このため、コネクタ保持凹部22内に挿入されたコネクタ100は、端子挿入方向P後方に抜止め状に係止される。
スライダー収容凹部26は、コネクタ保持凹部22内に開口し、後述するスライダー本体部62をコネクタ保持凹部22に保持されたコネクタ100の端子挿入方向Pに沿って移動可能に収容可能な空間を有する凹形状に形成されている。より具体的には、スライダー収容凹部26は、コネクタ保持凹部22の壁面のうち、コネクタ保持凹部22に保持されたコネクタ100のリテーナ110と対向する壁面で開口するように形成されている。また、スライダー収容凹部26は、コネクタ保持凹部22と同様に一側方で外方に開放されている。そして、この開放された部分を通じて後述のスライダーシャフト66が配設される。このスライダー収容凹部26とスライダー本体部62との関係については後で詳述する。
本体部40は、ホルダー部20に保持されるコネクタ100の端子挿入方向Pに沿って、ホルダー部20に対して近接した検査位置と離間したセット位置との間で相対移動可能に構成されている。ここでは、本体部40がホルダー部20に対して移動可能に構成されている。
本体部40は、樹脂等により略直方体形状に形成されている。そして、この本体部40は、その一端面で開口し、ホルダー部20の一部を収容可能な空間を有する凹形状に形成された検査凹部42を有している。ここでは、検査凹部42は、その開口方向とホルダー部20のコネクタ保持凹部22に保持されるコネクタ100の端子挿入方向Pとが略一致する姿勢で、ホルダー部20のコネクタ保持凹部22のうちコネクタ100の先端部100bを保持している側の部分を収容可能である。
そして、ホルダー部20に対する本体部40の位置について、近接して検査凹部42内にホルダー部20のコネクタ保持凹部22の一部を収容した状態の位置を検査位置(図5、図6参照)、離間してコネクタ保持凹部22全体が検査凹部42から抜け出ている状態の位置をセット位置という。より具体的には、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、コネクタ保持凹部22に保持されるコネクタ100の先端部100bと本体部40の一端面とが離間する(ここでは僅かに離間する)ように設定されている(図4参照)。つまり、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、コネクタ100をコネクタ保持凹部22内に挿入可能である。
また、本体部40には、後述するスライダーシャフト66を挿通状に配設可能なシャフト挿通孔部46、スライダーシャフト66の他端側部分を配設可能なシャフト配設凹部48、スライダーシャフト66の他端部をシャフト配設凹部48内から本体部40の外方に露出可能な露出孔部48aが形成されている。このシャフト配設凹部48は、略直方体空間を有する凹形状に形成されている。また、シャフト挿通孔部46は、検査凹部42内とシャフト配設凹部48内とに開口し、略円柱空間を有する貫通孔形状に形成されている。また、露出孔部48aは、シャフト配設凹部48内と本体部40の外方に開口し、略円柱空間を有する貫通孔形状に形成されている。そして、シャフト挿通孔部46と露出孔部48aとは略同軸となる位置に形成されている。シャフト挿通孔部46とシャフト配設凹部48と露出孔部48aとスライダーシャフト66との関係については後で詳述する。
また、本リテーナ嵌合状態検査用装置10は、本体部40をホルダー部20に対して相対的に離間する向きに付勢可能な離間付勢部材28を有している。ここでは、離間付勢部材28は、コイルバネであり、ホルダー部20に形成されたばね受け凹部29と、本体部40のうち当該ばね受け凹部29に対向する部分に形成されたばね受け凹部49とに各端部が収容され、圧縮状態で配設されている。また、離間付勢部材28の内側には長尺棒状のガイド部材が挿通され、離間付勢部材28の伸縮動作をガイドすると共に、本体部40のホルダー部20に対する移動をガイドしている。この離間付勢部材28は、本体部40に対してホルダー部20に近接する向きに移動操作力を加えない状態で、本体部40がホルダー部20に対してセット位置に維持される。
また、リテーナ嵌合状態検査用装置10は、ホルダー部20と本体部40とを、ホルダー部20に保持されるコネクタ100の端子挿入方向Pに沿って相対移動可能に支持する基台部80と、本体部40をホルダー部20に対して相対移動操作可能な操作部82とを有しているとよい。ここでは、ホルダー部20が基台部80に対して固定され、本体部40が基台部80に対して移動可能に支持されている。そして、本体部40の他端側部分には、所定のリンクを介して操作部82が連結されており、操作部82の操作により本体部40がホルダー部20に対して検査位置とセット位置との間で移動可能に構成されている。図2、図3では、操作部82を2点鎖線で示している。
スライダー部60は、スライダー本体部62とスライダーシャフト66とを有している。
スライダー本体部62は、ホルダー部20に保持されるコネクタ100の半嵌合状態のリテーナ110の突出部分111の側部に当接可能なリテーナ当接部64aを有している。より具体的には、スライダー本体部62は、金属等の導体により略L字形状に形成されており、略直方体形状に形成されたスライダー基部64の一側面63の一端部からその略直交方向に向けてリテーナ当接部64aが突出した形状である。そして、リテーナ当接部64aは、リテーナ110の突出部分111の端子挿入方向P前方側の側部に当接可能である。このリテーナ当接部64aは、コネクタ100の突起部109の一側面103に対する高さと略同一かそれより大きい(ここでは僅かに大きい)突出寸法に形成されている。
もっとも、スライダー本体部62は、上記形状に限られず、リテーナ110の突出部分111の側部に当接可能に形成されていればよい。例えば、スライダー本体部は、スライダー基部とリテーナ当接部とが、リテーナ110の突出方向に略直線状に連なって全体として略直方体形状に形成されていてもよい。
また、スライダー本体部62は、ホルダー部20に対して、リテーナ当接部64aが突出部分111に当接可能な当接位置とそれより本体部40側の当接しない非当接位置との間で端子挿入方向Pに沿って相対移動可能に配設されている。より具体的には、スライダー本体部62は、スライダー基部64の一端部がホルダー部20に保持されるコネクタ100の端子挿入方向P後方側を向くと共に、リテーナ当接部64aの一部或いは全体がコネクタ保持凹部22内に突出する姿勢で、スライダー収容凹部26内に収容される。また、ここでは、上記当接位置と非当接位置との間だけでなく、スライダー収容凹部26内で当接位置より本体部40と離間する側にも移動可能である。上記当接位置と非当接位置とは、リテーナ当接部64aがコネクタ100の突起部109とリテーナ嵌合穴部106との間に配設される位置であり、それぞれ、リテーナ当接部64aがリテーナ110の突出部分111の側部に当接する位置とそれより本体部40側の位置である。
また、スライダー本体部62は、ホルダー部20に配設されているスライダーガイド部27にガイドされて移動する。このスライダーガイド部27は、略円柱形状に形成され、スライダー収容凹部26の本体部40側に向かう壁面からその内側に突出すると共に、ホルダー部20に保持されるコネクタ100の端子挿入方向Pに沿って延在するように配設されている。また、スライダー本体部62には、その一端部から他端部に向かう方向に沿って、スライダーガイド部27を挿通可能な(ここではスライダーガイド部27の断面積より僅かに大きい)大きさの略円柱空間を有するガイド孔部67が形成されている。つまり、スライダー本体部62は、ガイド孔部67内にスライダーガイド部27を挿通した状態で、スライダー収容凹部26内をコネクタ100の端子挿入方向Pに沿って移動可能である。
また、本リテーナ嵌合状態検査用装置10は、スライダー本体部62をホルダー部20に保持されているコネクタ100のハウジング本体部102の一側面103に向けて付勢可能な押圧付勢部材23を備えている。より具体的には、押圧付勢部材23は、スライダー基部64の一側面63の反対側の面を押圧して、リテーナ当接部64aの先端部を、ハウジング本体部102の一側面103に当接させる。ここでは、押圧付勢部材23は、ボールプランジャであり、スライダー収容凹部26のうちコネクタ保持凹部22に向かう壁部分に取付けられている。もっとも、押圧付勢部材23は、ボールプランジャに限られず、スライダー本体部62をハウジング本体部102の一側面103に向けて付勢可能であればよい。
ストッパー部30は、スライダー本体部62に当接した状態で、端子挿入方向Pにおいて、リテーナ当接部64aがリテーナ110の突出部分111に対して一定位置に配設される位置で、スライダー本体部62のホルダー部20に対する本体部40側への相対移動を規制可能に構成されている。より具体的には、ストッパー部30は、リテーナ当接部64aが非当接位置に位置する状態で、スライダー基部64の他端部に当接して、その当接した位置から本体部40側へのスライダー本体部62のホルダー部20に対する相対移動を規制する。
このストッパー部30は、スライダー本体部62に当接可能な態様でホルダー部20に固定されている。より具体的には、ストッパー部30は、スライダー基部64の他端部に当接可能なように、スライダー収容凹部26内に突出した形状である。ここでは、ストッパー部30は、コネクタ100をコネクタ保持凹部22に挿入する方向に並ぶように2つのボルトをホルダー部20に螺合して、スライダー収容凹部26内に突出させた構成である。もっとも、ストッパー部30は、上記構成に限られず、例えば、ホルダー部20と一体成型されるものであってもよい。
スライダーシャフト66は、金属等の導体により長尺の略円柱形状に形成されている。このスライダーシャフト66の一端部は、上記スライダー本体部62に取付けられており、ここでは、螺合されている。より具体的には、スライダーシャフト66は、ホルダー部20の保持されるコネクタ100の端子挿入方向P(スライダー本体部62の移動方向)に沿って延びるようにスライダー本体部62に取付けられている。つまり、スライダーシャフト66は、スライダー収容凹部26内から本体部40側に延出している。そして、このスライダーシャフト66の他端側部分は、シャフト挿通孔部46内を挿通してシャフト配設凹部48内に配設されている。また、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態では、スライダーシャフト66の他端部は、露出孔部48aを通じて本体部40の外方に露出するように配設される(図3、図5、図6参照)。
また、スライダーシャフト66の中途部には、後述する位置規制用付勢部材74を、ワッシャを介して位置規制可能なシャフト突部68が形成されている。このシャフト突部68と位置規制用付勢部材74との関係は後で詳述する。
また、本リテーナ嵌合状態検査用装置10は、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に相対移動する際に、スライダー本体部62を、上記非当接位置から当接位置に向けて(本体部40側からホルダー部20側に向けて)押動可能なスライダー部押動部材を備えている。そして、ここでは、スライダー部押動部材は、検査用付勢部材70である。
検査用付勢部材70は、少なくとも本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態で、スライダー本体部62を、非当接位置から当接位置に向けて付勢可能に配設されている(図5、図6参照)。より具体的には、検査用付勢部材70は、コイルバネであり、圧縮状態または自然長の状態で、スライダーシャフト66の一端側部分に外嵌め状に配設されている。ここでは、一端部がスライダー基部64の他端部に当接可能であると共に他端部がバネ受け部44に当接可能に配設されている。このバネ受け部44は、シャフト配設凹部48内のシャフト挿通孔部46の端部位置に配設されている。つまり、検査用付勢部材70は、その他端側の部分がシャフト挿通孔部46内に配設されている。そして、検査用付勢部材70は、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に移動される際、スライダー本体部62を、バネ受け部44(本体部40)に対して離間する向きに付勢して押動する。つまり、スライダー本体部62は、ホルダー部20に対して非当接位置から当接位置に向けて押動される。上記バネ受け部44の形状、スライダーシャフト66との関係については、後で詳述する。
もっとも、スライダー部押動部材は、検査用付勢部材70に限られず、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に相対移動する際に、スライダー本体部62を非当接位置から当接位置に向けて押動可能であればよい。例えば、スライダー部押動部材は、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に相対移動する際に、本体部40に係止可能な突部をスライダーシャフトに設け、この突部が本体部40に係止した位置からスライダーシャフトが本体部40に押動されることによりスライダー本体部62を押動可能な構成であってもよい。
また、ホルダー部20は、少なくとも、リテーナ110が完全嵌合状態であると共に本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態で、スライダー本体部62に当接可能なスライダー当接部25を有している。ここでは、スライダー当接部25は、金属等の導体により略直方体形状に形成されており、その一主面がスライダー基部64の一端面に対向する姿勢で、スライダー収容凹部26内に前記一主面を露出するように配設されている。つまり、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態で、スライダー本体部62が検査用付勢部材70により本体部40側からホルダー部20側に向かって付勢されて、スライダー本体部62とスライダー当接部25とが当接した状態に維持される(図5参照)。
位置規制用付勢部材74は、少なくとも、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、スライダー本体部62をストッパー部30に当接させるように付勢する。より具体的には、位置規制用付勢部材74は、コイルバネであり、圧縮状態または自然長の状態で、スライダーシャフト66の他端側部分に外嵌め状に配設されている。ここでは、両端部がそれぞれスライダーシャフト66に挿通されているワッシャに当接している。そして、一端部側のワッシャがバネ受け部44またはシャフト突部68に当接可能であると共に、他端部側のワッシャがスライダーシャフト66の他端部に螺合されたロックナット69に当接する。また、位置規制用付勢部材74は、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、検査用付勢部材70より付勢力が強くなるように設定されている。
そして、本体部40がホルダー部20に対してセット位置に移動される際、スライダー本体部62がストッパー部30に当接して、スライダー本体部62とスライダーシャフト66とは本体部40に対してホルダー部20側に相対移動する。この移動途中に、位置規制用付勢部材74は、その一端部が当接しているワッシャがバネ受け部44に当接した位置から移動に伴って圧縮され、スライダー本体部62をストッパー部30に向けて付勢して当接した状態に維持する。つまり、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態では、スライダー本体部62がホルダー部20に対してストッパー部30に当接する位置に維持され、コネクタ保持凹部22に保持されるコネクタ100のリテーナ110(リテーナ嵌合穴部106)に対してリテーナ当接部64aが一定位置に配設される(図4参照)。
また、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態では、位置規制用付勢部材74は、その一端部が当接しているワッシャがシャフト突部68に当接して、スライダー本体部62に対して付勢力を加えない状態に保たれる。
また、この位置規制用付勢部材74は、付勢力を調節可能に配設されている。ここでは、上記スライダーシャフト66の他端部に螺合されているロックナット69の締め付け度合いを調節して付勢力を調節可能である。つまり、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、ロックナット69を締付けることにより位置規制用付勢部材74を圧縮して付勢力を大きくでき、逆に、ロックナット69を緩めることにより位置規制用付勢部材74を伸張させて付勢力を小さくすることができる。そして、このロックナット69は、露出孔部48aを通じて外方に露出可能であるため、締め付け、緩め作業を行うことができる。
また、上記本体部40は、スライダー当接検出部45とコネクタ検出部47とを有している。
スライダー当接検出部45は、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態でスライダー当接部25に当接可能であり、スライダー当接部25に当接した状態で導通可能である。ここでは、スライダー当接検出部45は、金属等の導体で形成された接触部45aを有し、この接触部45aが基部45bに対して押し込み可能に構成されている。そして、この接触部45aが基部45bに対して押し込まれると接触部45aと基部45bの図示省略の端子部分とが導通する。
そして、スライダー当接検出部45は、接触部45aがスライダー当接部25の一主面に当接可能で、接触部45aの押し込み方向が本体部40のホルダー部20に対する移動方向と略一致する姿勢で配設されている。つまり、スライダー当接検出部45は、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態では、接触部45aがスライダー当接部25に非接触の状態となり、非導通状態に保たれる(図4参照)。また、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に移動される際、移動途中の位置で接触部45aがスライダー当接部25に当接して、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態で接触部45aが基部45bに対して押し込まれた状態となり、導通状態に保たれる(図5参照)。
もっとも、スライダー当接検出部45は、上記構成に限られず、例えば、単に長尺棒状の導体で、一端部がスライダー当接部25に当接可能に本体部40に配設されるものでもよい。
また、コネクタ検出部47は、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態でホルダー部20に保持されるコネクタ100に当接可能であり、コネクタ100に当接した状態で導通可能である。ここでは、コネクタ検出部47は、押圧部47aを基部47bに対して押圧操作可能であり、押圧部47aが押圧された状態で基部47bに設けられた二つの端子間が導通するように構成されている。
そして、コネクタ検出部47は、押圧部47aがコネクタ100の先端部100b(ここではガイド枠体108の先端部)に当接可能なように検査凹部42内に露出し、押圧部47aの押圧方向が本体部40のホルダー部20に対する移動方向と略一致する姿勢で配設されている。つまり、コネクタ検出部47は、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態(図4参照)またはホルダー部20にコネクタ100が保持されていない状態で検査位置に移動された状態では、押圧部47aが押圧されない状態となり、非導通状態に保たれる。また、ホルダー部20にコネクタ100が保持された状態で本体部40がホルダー部20に対して検査位置に移動された状態では、押圧部47aがコネクタ100の先端部100bに押圧操作されて、導通状態に保たれる(図5、図6参照)。
もっとも、コネクタ検出部47は、上記構成に限られず、非接触式センサ等を採用してもよい。
また、上記スライダー当接検出部45とスライダー当接部25とスライダー部60とを含む導通経路と、コネクタ検出部47を含む導通経路とが電気的に直列接続されている。以下、前記電気的に直列接続された導通経路を検査経路92として説明する。より具体的には、コネクタ検出部47の一方の端子部分とバネ受け部44とが電気的に接続されると共に、コネクタ検出部47の他方の端子部分とスライダー当接検出部45の端子部分とが電気的に接続されている(図10参照)。
上記バネ受け部44は、スライダーシャフト66と電気的に接続可能に構成されている。より具体的には、バネ受け部44は、金属等の導体により略U字状の接触スリット部44aを有する板形状に形成されている。そして、このバネ受け部44は、接触スリット部44aの間にスライダーシャフト66が配設されるように、シャフト挿通孔部46のホルダー部20と反対側の端部に配設されている。また、スライダーシャフト66は、その長手方向一部、少なくとも上記バネ受け部44の接触スリット部44aの間を移動する部分のうち、接触スリット部44aの対向する2片の内側面と対向する両側部分が、当該2片の内側面と面接触可能なように面取りされた摺接面66aを有している。ここでは、バネ受け部44は、接触スリット部44aがコネクタ挿入方向後方に向けて開口するように配設される。そして、スライダーシャフト66は、その摺接面66aがコネクタ挿入方向及び端子挿入方向Pに略平行となるように配設される。
そして、スライダーシャフト66は、摺接面66aと接触スリット部44aの対向する2片の内側面とが電気的に接続された状態で、接触スリット部44aに対して摺動する。
つまり、コネクタ100がコネクタ保持凹部22に挿入保持され、本体部40がホルダー部20に対して検査位置にある状態で、コネクタ検出部47が導通すると共に、スライダー当接検出部45がスライダー当接部25に当接して導通する。さらに、コネクタ保持凹部22に挿入保持されたコネクタ100のリテーナ110が完全嵌合状態であれば、スライダー本体部62とスライダー当接部25とが当接する。上記条件下において、検査経路92は導通状態となる(図10参照)。また、コネクタ100がコネクタ保持凹部22に挿入されていない状態、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態、または、コネクタ100のリテーナ110が半嵌合状態の場合には、検査経路92は非導通状態となる。
また、リテーナ嵌合状態検査用装置10は、検査経路92の導通の有無に基づいてリテーナ110の嵌合状態の良否を判定可能な嵌合状態判定部90を備えている(図10参照)。より具体的には、嵌合状態判定部90は、検査経路92に対して直列に接続されており、検査経路92が導通状態でリテーナ110の嵌合状態を良好と判定し、検査経路92が非導通状態で不良と判定する。嵌合状態判定部90の構成としては、例えば、電源と電球、ブザーまたは良否を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示装置等が挙げられる。
また、本体部40は、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、ホルダー部20に保持されているコネクタ100の複数の端子収容部104に挿入されている各端子Tに当接可能に配設され、各端子Tに当接した状態で導通可能な複数の端子接触部材96を有しているとよい。そして、リテーナ嵌合状態検査用装置10は、上記複数の端子接触部材96の導通の有無に基づいて、各端子収容部104に端子Tが挿入されているか否かを判定可能な端子挿入判定部98を備えているとよい(図4参照)。これにより、リテーナ110の嵌合状態の検査と、コネクタ100に端子Tが挿入されているか否かの検査を、一の装置で同時に行うことができ、コネクタ100の検査を効率的に行うことができる。
<3.リテーナ嵌合状態検査用装置の動作>
次に、リテーナ嵌合状態検査用装置10の動作について説明する。図7はセット位置におけるリテーナ嵌合状態検査用装置10の動作関係図、図8は移動途中のリテーナ嵌合状態検査用装置10の動作関係図、図9は検査位置におけるリテーナ嵌合状態検査用装置10の動作関係図、図10は検査経路92の模式図、図11はリテーナ110半嵌合状態の検査位置におけるリテーナ嵌合状態検査用装置10の動作関係図、図12は図11におけるリテーナ110とスライダー本体部62との関係図である。
まず、作業者は、操作部82を操作して本体部40をホルダー部20に対してセット位置に移動させる。本体部40を移動させていくと、位置規制用付勢部材74の一方側のワッシャとバネ受け部44とが当接し、その位置から位置規制用付勢部材74によりスライダー本体部62がストッパー部30側に付勢される。さらに本体部40を移動させていくと、スライダー本体部62がストッパー部30に当接し(図8参照)、位置規制用付勢部材74の付勢力により当接した状態で維持される。
本体部40がホルダー部20に対してセット位置に移動された状態で、作業者は、コネクタ100をホルダー部20にセットする(図7参照)。つまり、コネクタ保持凹部22の開口を通じて、コネクタ100の端子挿入方向Pが本体部40の移動方向に沿う姿勢で、コネクタ100をコネクタ保持凹部22内に挿入する。コネクタ100がコネクタ保持凹部22内に挿入保持された状態で、リテーナ当接部64aは、リテーナ嵌合穴部106と突起部109との間の非当接位置に位置する(図4参照)。また、この状態で、コネクタ100の端子収容部104内に挿入されている端子付き電線の電線部分がスリット部24の間から延出している。
この後、作業者は、操作部82を操作して本体部40をホルダー部20に対して検査位置に移動させる。本体部40を移動させていくと、位置規制用付勢部材74の一方側のワッシャがシャフト突部68と当接(図8参照)すると共にバネ受け部44から離間し、その位置から検査用付勢部材70によりスライダー本体部62がスライダー当接部25側に付勢される。さらに本体部40を移動させていくと、スライダー当接検出部45がスライダー当接部25に当接する。また、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に移動された状態で、スライダー当接検出部45が導通状態になると共に、コネクタ検出部47がコネクタ100の先端部100bに押圧操作されて導通状態になる(図9、図11参照)。
ここで、リテーナ110が完全嵌合状態で、スライダー本体部62はスライダー当接部25に当接し、検査用付勢部材70の付勢力により当接した状態で維持される。スライダー本体部62がスライダー当接部25に当接した状態で、スライダー当接検出部45とバネ受け部44との間が導通して、検査経路92は導通状態となり、嵌合状態判定部90によりリテーナ嵌合状態を良好と判定される(図9、図10参照)。
また、リテーナ110が半嵌合状態で、スライダー本体部62は、リテーナ当接部64aがリテーナ110の突出部分111に当接し、検査用付勢部材70の付勢力により当接した状態で維持される(図12参照)。この状態で、スライダー本体部62は、スライダー当接部25に当接しないため(図11参照)、スライダー当接検出部45とバネ受け部44との間が絶縁され、検査経路92は非導通状態となり、嵌合状態判定部90によりリテーナ嵌合状態を不良と判定される。
また、コネクタ100をコネクタ保持凹部22に挿入保持しない状態で、本体部40がホルダー部20に対して検査位置に移動された場合、押圧部47aが押圧されずにコネクタ検出部47は非導通状態に維持される。このため、検査経路92は非導通状態となり、嵌合状態判定部90により不良と判定される。
判定終了後、作業者は、再び本体部40をホルダー部20に対してセット位置に移動させ、コネクタ保持凹部22からコネクタ100を取り出す。そして、良好と判定された場合は、コネクタ100をワイヤーハーネスの組立作業等に供するとよい。また、不良と判定された場合は、リテーナ110を完全嵌合状態になるようリテーナ嵌合穴部106内に押し込み、再び検査に供してもよいし、そのままワイヤーハーネスの組立作業等に供してもよい。そして、作業者は、次の検査対象となるコネクタ100の検査作業に進むとよい。
本実施形態に係るリテーナ嵌合状態検査用装置10の検査対象として、突起部109を有するコネクタ100を例に説明してきたが、本装置は、突起部109を有しないコネクタにも適用することができる。
上記のように構成されたリテーナ嵌合状態検査用装置10によると、本体部40がホルダー部20に対してセット位置にある状態で、スライダー本体部62が位置規制用付勢部材74によりストッパー部30側に付勢されストッパー部30に当接した位置に維持される。そして、スライダー本体部62は、ホルダー部20に固定されたストッパー部30に当接する位置に維持されることにより、ホルダー部20に対して一定位置に配設されるため、ホルダー部20に一定位置及び一定姿勢で保持されるコネクタ100に対して一定位置に位置決めされる。よって、リテーナ110に対するスライダー部60の位置を精度良く決定することができる。これにより、ハウジング本体部102の一側面103の先端部102b側からリテーナ110突出方向に向かって突起する突起部109が設けられているコネクタ100を扱う場合でも、リテーナ110の嵌合状態を検査することができる。つまり、ここでは、スライダー本体部62を、リテーナ当接部64aがリテーナ嵌合穴部106と突起部109との間に配設されるように位置決めして、検査を行うことができる。
また、スライダー本体部62を本体部40側からホルダー部20側に向かって付勢するため、リテーナ110の突出部分111とリテーナ当接部64aとの当接時の衝撃を和らげ、リテーナ110の破損、損傷の発生を抑制することができる。
また、位置規制用付勢部材74が付勢力を調節可能に配設されているため、異物混入によるスライダー本体部62の移動性等を考慮して付勢力を設定できる。つまり、付勢力を強く設定すると、本体部40がホルダー部20に対してセット位置に移動する際、スライダー収容凹部26とスライダー本体部62との間に僅かな異物が混入していても、スライダー本体部62は、それを乗り越えて移動し、より確実にストッパー部30に当接する位置に配設される。これにより、異物混入によるスライダー本体部62の移動停止を抑制してリテーナ110の嵌合状態の誤判定を抑制できる。また、各作業者に応じて本体部40のホルダー部20に対する移動操作力を設定することができる。
また、検査経路92の導通の有無に基づいて嵌合状態判定部90によりリテーナ110の嵌合状態の良否を判定するため、作業者は容易に検査を行うことができる。また、スライダー当接検出部45とスライダー当接部25とスライダー部60を含む導通経路と、コネクタ検出部47を含む導通経路とが電気的に直列接続されている。つまり、スライダー本体部62がスライダー当接部25に当接して、スライダー当接検出部45とスライダー当接部25とスライダー部60を含む導通経路が導通したとしても、コネクタ100がセットされていなければコネクタ検出部47を含む導通経路が導通せず、検査経路92は非導通状態に保たれる。このため、コネクタ100が保持されていない場合には、嵌合状態判定部90が良好であると判定することはない。これにより、ホルダー部20にコネクタ100がセットされていない場合の嵌合状態判定部90による誤判定を防止することができる。また、スライダー当接検出部45とコネクタ検出部47とが本体部40に設けられているため、スライダー当接検出部45及びコネクタ検出部47に接続される電線の取り回しをコンパクトにすることができる。
また、押圧付勢部材23がスライダー本体部62をホルダー部20に保持されているコネクタ100のハウジング本体部102の一側面に向けて付勢している。これにより、リテーナ当接部64aがハウジング本体部102の一側面103に押付けられて、リテーナ110の突出部分111の突出量が小さい場合であっても突出部分111に当接できるため、より確実にリテーナ110の半嵌合状態を検出することができる。
また、本体部40及びホルダー部20に対して外力を加えない状態で、離間付勢部材28により本体部40がホルダー部20に対して検査位置に配設される。このため、相対近接移動操作しなければ、本体部40はホルダー部20に対してセット位置に維持され、容易にコネクタ100をホルダー部20にセットすることができる。
{変形例}
次に、変形例に係るリテーナ嵌合状態検査用装置について説明する。図13は変形例に係るリテーナ嵌合状態検査用装置200の概略平面図である。なお、変形例の説明において、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
変形例に係るリテーナ嵌合状態検査用装置200では、位置規制用付勢部材274がホルダー部220に配設され、この位置規制用付勢部材274によりスライダー部260のスライダー本体部262が付勢されている。
ホルダー部220には、位置規制用付勢部材274を配設可能で、スライダー収容凹部26内に開口する凹形状のバネ配設凹部221が形成されている。ホルダー部220のその他の構成は、リテーナ嵌合状態検査用装置10のホルダー部20と同様である。
また、スライダー本体部262は、スライダー収容凹部26に配設された状態で、バネ配設凹部221内に配設されるバネ受け部265を有している。より具体的には、バネ受け部265は、スライダー基部64の他端側部からリテーナ当接部64aと反対側に突出するように形成されている。なお、スライダー本体部262のその他の構成は、リテーナ嵌合状態検査用装置10のスライダー本体部62と同様である。
なお、スライダーシャフト266は、実施例に係るリテーナ嵌合状態検査用装置10のスライダーシャフト66から位置規制用付勢部材74が外嵌めされる部分及びシャフト突部68が省略された構成である。また、これに伴い、ロックナット69、ワッシャも省略されている。
位置規制用付勢部材274は、付勢方向がスライダー本体部262の移動方向(コネクタ100の端子挿入方向P)と略一致する姿勢で配設される。ここでは、位置規制用付勢部材274は、コイルバネであり、その一端部がバネ配設凹部221の本体部40側に向く壁面に当接すると共に、他端部がスライダー本体部262のバネ受け部265に当接する姿勢で配設されている。
この位置規制用付勢部材274は、少なくとも、本体部40がホルダー部220に対してセット位置にある状態で、検査用付勢部材70より付勢力が強くなるように設定されている。つまり、本体部40がホルダー部220に対してセット位置にある状態で、スライダー本体部262が位置規制用付勢部材274により付勢されてストッパー部30に当接した状態に維持される。また、位置規制用付勢部材274は、少なくとも本体部40がホルダー部220に対して検査位置にある状態で、検査用付勢部材70より付勢力が弱くなるように設定されている。つまり、ホルダー部220にセットされたコネクタ100のリテーナ110が完全嵌合状態で、かつ、本体部40がホルダー部220に対して検査位置にある状態で、スライダー本体部262が検査用付勢部材70により付勢されてスライダー当接部25に当接した状態に維持される。
上記のように構成された変形例に係るリテーナ嵌合状態検査用装置200によると、実施形態に係るリテーナ嵌合状態検査用装置10と同様の効果を得ることができる。