JP5187213B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図6および図7に示すように構成されている。図6に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図7参照)が回転自在に挟持されている。
図6中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図6の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図7は、図6のB−B線に沿う断面図である。図7に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図7においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図6の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図7の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止すべく、油膜を介したとクラクション力により非接触で行われる(以下、油膜によって形成されるパワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の界面をトラクション面と称する)。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
また、前記トラクション面では、動力伝達に際して極めて高い面圧が作用しており、当該トラクション面における発熱量が大きなものとなっている。したがって、前記トラクションオイルは、トラクション面の冷却にも用いられている。
そして、トラクション面に潤滑油を供給する構造としては、例えば、図8に示すように、上側のヨーク23Aを支持する球面ポスト64に、前記入力側ディスク2の内側面2aおよび出力側ディスク3の内側面3aそれぞれに向けて潤滑油を噴出する入力側給油ノズル(ノズル孔)64a,出力側給油ノズル(ノズル孔)64bを有する潤滑ポスト64cを設けたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
なお、潤滑ポスト64cには、入出力側ディスク2,3の内側面2a,3aに潤滑油を噴出する2つの給油ノズル64a,64bの他に、2つのパワーローラ11,11の周面11a,11aにそれぞれ潤滑油を噴出する2つの給油ノズル(図示略)が設けられている。
また、球面ポスト64および潤滑ポスト64cは、固定部材52を介してケーシング50の内面に固定される。また、固定部材52に対して球面ポスト64と、当該球面ポスト64の先端側(下端側)に配置された潤滑ポスト64cとは、これらを貫通して固定部材52のネジ孔に螺合するボルト64eにより固定部材52に締結されている。なお、ボルト64eには、ケーシング50に設けられた油路64dから入力側給油ノズル64a、出力側給油ノズル64b等の給油ノズルに至る油路が形成され、これら給油ノズル64a,64bにケーシング50側から潤滑油が供給される。
また、潤滑ポスト64cには、トラニオン15の揺動範囲を規制するストッパ64fが取り付けられるとともに、当該ストッパ64を球面ポスト64の先端側に押し付ける皿バネ64gが取り付けられている。
また、入力側ディスク2の矢印αおよび出力側ディスク3の矢印βは、揺動するパワーローラ11とこれら入出力側ディスク2,3とが油膜を介して接触する範囲を示している。
また、別の例としては、入力側ディスク2および出力側ディスク3の入力軸1側となる内周縁部分に潤滑油を溜めてガイドする部材を設け、当該部材を介して入出力側ディスク2,3の内周縁部分から外周側に向けて潤滑油を供給するようにしたものも知られている(例えば、特許文献3,4参照)。なお、入力側ディスク2および出力側ディスク3との間に配置されるパワーローラの数は、2つに限られるものではなく、3つ配置されたものも知られている。
特開平11−210855号公報 特開2004−308868号公報 特開平11−280876号公報 特開2005−265128号公報
しかしながら、前記特許文献1,2においては、入力側ディスクおよび出力側ディスクへ潤滑油を供給する給油ノズルが一箇所だけに設けられているので、入力側ディスクおよび出力側ディスクにおいて効率的に冷却される部分、すなわち、給油ノズルから噴出した潤滑油が直接的に当たる部分が、それぞれ1箇所となり、冷却効果が局所的なものとなってしまい、入出力側ディスクを効率的に冷却できず、例えば、入出力側ディスク2,3の冷却に必要な潤滑油量が多くなってしまう可能性がある。この場合に、潤滑油の供給量を多くすることで、潤滑油を供給するポンプの運転に伴なう動力損失の増大を招く虞がある。また、供給される潤滑油量が大きくなると、潤滑油による撹拌抵抗が大きくなってしまう虞がある。また、冷却が不足している場合には、トラクション面が高温となってしまうことでトラクション面における限界トラクション係数を悪化させてしまう虞がある。
前記特許文献3,4では、入出力側ディスクの内周縁側に設けられた部材で、潤滑油が溜められた状態となることで、入出力側ディスクの内側面の略全周に渡って潤滑油が供給され、潤滑油の冷却が局所的になるのを防止できるが、入出力側ディスクの内周縁部分に入出力部材や入力軸と別体に例えばケーシングに支持される新たな部材を配置するため、構造が煩雑になり、組立作業が難しくなったり、コストが増大したりする虞がある。
また、入力側ディスクと出力側ディスクとの間に、例えば、2つのパワーローラが配置される場合に、入力側ディスクおよび出力側ディスクでは、それぞれパワーローラが油膜を介して接触する2箇所の部分で発熱することになり、上述のように入出力側ディスクの1箇所だけが主に冷却される状態では、冷却が非効率的なるが、全体的に分散した状態の潤滑油で冷却される場合も必ずしも効率的と言えない可能性がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、潤滑油により入出力側ディスクを効率良く冷却することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記パワーローラと前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの間の界面であるトラクション面に形成される油膜を介したトラクション力により、前記入力側ディスクから前記パワーローラを介して出力側ディスクに動力が伝達されるトロイダル型無段変速機において、
前記パワーローラは、前記入力側ディスクおよび出力側ディスクの周方向に沿って互いに間隔をあけて複数並んで配置され、
前記周方向に沿って並んだ前記パワーローラ同士の間となる箇所で、かつ、当該パワーローラの数と同数となる全ての箇所に、それぞれ前記入力側ディスクの内側面に油を供給する入力側給油ノズルおよび出力側ディスクの内側面に油を供給する出力側給油ノズルが設けられ、
前記入力側供給ノズルおよび前記出力側供給ノズルが、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの口元を冷却するものであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、パワーローラの数と同数となるパワーローラ同士の間となる箇所の全てに、入力側ディスクに油を供給する入力側給油ノズルと、出力側ディスクに油を供給する出力側給油ノズルとを設けているので、回転する入出力側ディスクにおいて、パワーローラと油膜を介して高い面圧で接触することにより、発熱して高温となった部分がパワーローラ同士の間に至ると、給油ノズルから供給される油(潤滑油:トラクション油)により必ず冷却されて、ふたたび別のパワーローラに接触することになる。
すなわち、入出力側ディスクの複数のパワーローラと接触して高温となった複数の部分をそれぞれ直ぐに潤滑油で冷却することが可能となることにより、潤滑油による入出力側ディスクの冷却を効率的に行うことができる。
したがって、入出力側ディスクとパワーローラとのトラクション面およびトラクションオイル(潤滑油)の温度を比較的低温に保つことが可能となり、限界トラクション係数の悪化を防止し、限界トラクション係数の向上を図ることができる。
なお、一般的にトロイダル型無段変速機において、入力側ディスクおよび出力側ディスクに配置されるパワーローラは2個であるが、3個配置されるものも知られている。そして、これらパワーローラは、入力側ディスクと出力側ディスクとの間にこれらディスクの周方向に互いに間隔をあけて並んで配置されるので、これら周方向に沿ったパワーローラの間となる箇所の数は、パワーローラと同数となり、パワーローラが2個ならこれらパワーローラの間となる箇所も2個となる。また、パワーローラが3個ならこれらパワーローラの間となる箇所も3個となる。
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記入力側給油ノズルに油を送り出す入力側油路と、前記出力側給油ノズルに油を送り出す出力側油路とがそれぞれ独立して別に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、出力側給油ノズルに油を供給するための入力側油路と、出力側給油ノズルに油を供給するための出力側油路が別系統とされるので、出力側給油ノズルに供給される油量と、入力側給油ノズルに供給される油量を異なるものとしたり、出力側給油ノズルに供給される油量と、入力側給油ノズルに供給される油量とを別々に制御して変更したりすることが可能となる。
請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項2に記載の発明において、前記入力側油路から前記入力側給油ノズルに供給される油量と、前記出力側油路から前記出力側給油ノズルに供給される油量とを運転条件に応じて制御することで、運転条件に応じて一方の油量を他方の油量より多くしたり、少なくしたりする制御を行う油量制御手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、油量制御手段により、前記入力側給油ノズルから噴出する油量(流量)と、前記出力側給油ノズルから噴出する油量(流量)とを運転条件に応じて変更することで、一方の油量を他方の油量より多くしたり少なくしたりすることが可能となる。
例えば、運転条件として増速時(変速比が小さい状態、パワーローラが入力側ディスクの内周側と、出力側ディスクの外周側に接した状態)には、出力側ディスクに供給される油量を入力側ディスクに供給される油量より多くし、減速時(変速比が大きい状態、パワーローラが入力側ディスクの外周側と、出力側ディスクの内周側に接した状態)には、入力側ディスクに供給される油量を出力側ディスクに供給される油量より多くすることが好ましく、これにより効率的に入出力側ディスクを冷却することができる。
また、入力側ディスクおよび出力側ディスクのうちのトラクション部から次のトラクション部に到達するまでに要する時間が短い方のディスクの口元(内周側の端部)の流量を多くすることが好ましい。これにより、熱容量の少ない口元を冷却することで、高い運転トラクション係数を用いることが可能となる。
なお、油量制御手段は、例えば、入力側油路と出力側油路とのそれぞれに油量を調整する弁を設け、当該弁を制御することで、入力側油路と出力側油路との油の流量をそれぞれ変更するものとしてもよいし、油を入力側油路と出力側油路とに振り分け可能な弁を設け、出力側油路より入力側油路に多くの油量を振り分けたり、入力側油路より出力側油路に多くの油量を振り分けたりするようにしてもよい。また、それぞれ入力側油路と出力側油路とで別々のポンプにより油を供給可能とすることでそれぞれの油量を別々に制御可能としてもよい。
請求項4に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記出力側給油ノズルの内径より前記入力側給油ノズルの内径が大きくなっていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、出力側給油ノズルと入力側給油ノズルとに同じ条件で必要量の油が供給されると、入力側ディスクへの油の供給量が出力側ディスクへの油の供給量より多くなり、出力側ディスクより入力側ディスクの方がより冷却されることになる。したがって、トロイダル型無段変速機を例えば車両に用いた場合に、発進時および低速運転時(減速側)に、高い運転トラクション係数を用いることが可能となる。
請求項5に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記入力側給油ノズルの内径より前記出力側給油ノズルの内径が大きくなっていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、出力側給油ノズルと入力側給油ノズルとに同じ条件で必要量の油が供給されると、出力側ディスクへの油の供給量が入力側ディスクへの油の供給量より多くなり、入力側ディスクより出力側ディスクの方がより冷却されることになる。したがって、トロイダル型無段変速機を例えば車両に用いた場合に、高速運転時(増速側)に、高い運転トラクション係数を用いることが可能となる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、入力側ディスクおよび出力側ディスクを潤滑油により効率的に冷却することが可能となる。すなわち、入出力側ディスクの各パワーローラと油膜を介して接触した複数の部分の全てを接触直後に必ず冷却する構造とすることができ、これにより入出力側ディスクを効率的かつ確実に冷却することが可能となる。
そして、入出力側ディスクを確実に冷却することで、トラクション面およびトラクションオイルとしての潤滑油の温度を低く保つことにより、限界トラクション係数の悪化を防止して、当該限界トラクション係数の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速を示す要部断面図である。 前記トロイダル型無段変速機の効果を説明するための図面である。 本発明の第2実施形態のトロイダル型無段変速を示す要部断面図である。 本発明の第3実施形態のトロイダル型無段変速を示す要部断面図である。 本発明の第4実施形態のトロイダル型無段変速を示す要部断面図である。 従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図6のA−A線に沿う断面図である。 従来のハーフトロイダル型無段変速機の入力側給油ノズルおよび出力側給油ノズルを示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、入出力側ディスクに潤滑油(油)を噴出(供給)する給油ノズルの配置位置の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6〜図8と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は本発明の第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。
図1に示すように、この例のトロイダル型無段変速機においては、上側のヨーク23Aを揺動自在に支持する上側の球面ポスト64の先端側(下側)および下側のヨーク23Bを揺動自在に支持する下側の球面ポスト68の先端側(上側)にそれぞれ潤滑ポスト64c、68cが形成されている。
そして、上側の潤滑ポスト64cには、入力側ディスク2の内側面2aに向けて潤滑油を噴出する入力側給油ノズル64aと、出力側ディスク3の内側面3aに向けて潤滑油を噴出する出力側給油ノズル64bとが設けられている。
また、下側の潤滑ポスト68cには、入力側ディスク2の内側面2aに向けて潤滑油を噴出する入力側給油ノズル68aと、出力側ディスク3の内側面3aに向けて潤滑油を噴出する出力側給油ノズル68bとが設けられている。
この例では、球面ポスト64,68と潤滑ポスト64c,68cとが一体に形成され、一体の球面ポスト64,68および潤滑ポスト64c,68c内に入力側給油ノズル(ノズル孔)64a,68aおよび出力側給油ノズル(ノズル孔)64b,68bと連通する油路64h、68hが形成されている。
すなわち、上側の球面ポスト64および潤滑ポスト64cにおいては、一つの油路64hから入力側給油ノズル64aと出力側給油ノズル64bとの両方に潤滑油が供給されるようになっている。また、下側の球面ポスト68および潤滑ポスト68cにおいては、一つの油路68hから入力側給油ノズル68aと出力側給油ノズル68bとの両方に潤滑油が供給されるようになっている。
また、これら一体とされた球面ポスト64,68および潤滑ポスト64c,68cは、例えば、固定部材等を介してケーシング50の内面に取り付けられて固定される。そして、ケーシング50側から油路64h,68hに潤滑油が供給される。
なお、球面ポスト64,68と潤滑ポスト64c,68cと別体として、従来と同様の油路を有するボルトにより締結する構造としてもよい。
そして、内側面2a,3a同士を対向させている入力側ディスク2と出力側ディスク3とを入力軸1の一方の端部側から見た場合に、図2に示すように円状に見える入力側ディスク2と出力側ディスク3との間の左右にそれぞれパワーローラ11,11が配置された状態となり、これらパワーローラ11,11と入出力側ディスク2,3とが油膜を介して接触することになり、この接触部分(楕円状に接触する接触楕円)がトラクション部Tとなる。そして、左右のパワーローラ11,11の間で入力軸1より上側に上側の潤滑ポスト64cが配置され、入力軸1より下側に下側の潤滑ポスト68cが配置される。
なお、2つのパワーローラ11,11は、入力側ディスク2および出力側ディスク3の周方向に沿って互いに間隔をあけて並んで配置された状態となる。この場合に2つのパワーローラ11,11の周方向に沿った間は、上側と下側との2箇所となる。
したがって、上側の潤滑ポスト64cは、入力軸1より上側で入力側ディスク2と出力側ディスク3との間に配置されるとともに、図1において、図と直交する方向の手前側と奥側とにそれぞれ配置される2つのパワーローラ11,11の周方向に沿った上側の間となる箇所に配置される。すなわち、図2(b)において、左右のトラクション部T,Tの間の上側の白抜きの矢印部分(冷却)に潤滑ポスト64cが配置される。
また、下側の潤滑ポスト68cは、入力軸1より下側で入力側ディスク2と出力側ディスク3との間に配置されるとともに、図1において、図と直交する方向の手前側と奥側とにそれぞれ配置される2つのパワーローラ11,11の周方向に沿った下側の間となる箇所に配置される。すなわち、図2(b)において、左右のトラクション部T,Tの間の下側の白抜きの矢印部分(冷却)に潤滑ポスト68cが配置される。
したがって、2つの潤滑ポスト64c,68cにそれぞれ形成された入力側給油ノズル64a,68aと、出力側給油ノズル64b,68bとは、周方向に沿って並んだパワーローラ11,11同士の間となり、かつ、当該パワーローラ11,11の数と同数となる全ての箇所に配置されていることになる。
また、入力側給油ノズル64a,68aと、出力側給油ノズル64b,68bとから噴出する潤滑油の入力側ディスク2および出力側ディスク3に当たる位置は、入力側ディスク2および出力側ディスク3のパワーローラ11,11が油膜を介して接触するトラクション部T(接触楕円)より内周側となる。なお、入力側ディスク2および出力側ディスク3とパワーローラ11,11との接触楕円の位置は、変速比によって変化するので、ここでは、前記接触楕円の位置が最も内周側となった際の、当該接触楕円の内周側に潤滑油が当たるように入力側給油ノズル64a,68aの位置および向きと、出力側給油ノズル64b,68bの位置および向きとが設定されている。
すなわち、入出力側ディスク2,3とパワーローラ11,11とが油膜を介して接触する部分が最も内周側となった際の前記接触部分の入出力側ディスク2,3の径方向に沿った位置もしくは当該径方向に沿った位置よりさらに内周側となる位置に潤滑油を噴出するように、入力側給油ノズル64a,68aと、出力側給油ノズル64b,68bとが設けられている。なお、周方向に沿った位置は、上述のように2つのパワーローラ11の間となる。
そして、入出力側ディスク2,3の回転により、これら入出力側ディスク2,3の内側面の内周側に付いた潤滑油は、遠心力により外周側に移動する。そこで、パワーローラ11との最も内周側の接触部分より内周側に潤滑油を噴出すると、パワーローラ11が入力側ディスク2もしくは出力側ディスク3の最も内周側に接触した状態でもパワーローラ11と入出力側ディスク2,3とのトラクション部Tに十分な潤滑油を供給することができる。
そして、図2(a)に示すように、従来、一箇所に設けられた入力側給油ノズル64aと、出力側給油ノズル64bとにより、入出力側ディスク2,3の2つのパワーローラ11,11のうちの一方のパワーローラ11と接触するトラクション部Tを通過した部分が、当該入出力側ディスク2,3の回転により周方向に沿ってパワーローラ11,11同士の間となる位置に来た際に冷却され、ふたたび、他方のパワーローラ11と接触するトラクション部Tに移動する。しかし、他方のパワーローラ11と接触するトラクション部Tを通過した部分が周方向に沿って2つのパワーローラ11,11の間の位置に移動しても冷却されない。すなわち、従来は入力側給油ノズル64aと、出力側給油ノズル64bとが一箇所にしか設けられていないので、入出力側ディスク2,3の他方のパワーローラ11とのトラクション部Tを通過した部分を冷却できない。そして、他方のパワーローラ11とのトラクション部Tを通過した部分は、冷却されることなく今度は一方のパワーローラ11と接触することになる。これにより、従来は入出力側ディスク2,3の冷却が効率的に行われないことになる。
それに対してこの例のトロイダル型無段変速機においては、周方向に沿った2つのパワーローラ11,11の間の位置となる2箇所にそれぞれ入力側給油ノズル64a,68aと、出力側給油ノズル64b,68bとが設けられているので、図2(b)に示すように、入出力側ディスク2,3の2つのパワーローラ11と接触する2つのトラクション部Tをそれぞれ通過した部分は、それぞれ直ぐにパワーローラ11同士の間となる部分で必ず潤滑油により冷却される。すなわち、入出力側ディスク2,3のパワーローラ11に接触して高温になった部分が、冷却されることなく、ふたたびパワーローラ11と接触して発熱するようなことがなく、入出力側ディスク2,3のパワーローラ11と接触して高温となった部分は、必ず次にパワーローラ11と接触する前に冷却されることになる。
したがって、入出力側ディスク2,3が効率的に冷却されることになる。
これにより、入出力側ディスク2,3とパワーローラ11,11とのトラクション部の温度を比較的低温に保持することが可能となり、トラクション面における限界トラクション係数の向上を図ることができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。
なお、第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機は、第1の実施の形態に対して入力側給油ノズル64a,68aおよび出力側給油ノズル64b,68bに潤滑油を供給する油路の構造と、それに基づく油量の制御を変更したものであり、それ以外の部分については、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
第1の実施の形態では、一つの油路64h,68hから入力側給油ノズル64a,68aと、出力側給油ノズル64b,68bとの両方に潤滑油を供給していたのに対して、図3に示すように、第2の実施の形態においては、球面ポスト64,68および潤滑ポスト64c,68cに、入力側給油ノズル64a,68aに連通する入力側油路64i,68iと、出力側給油ノズル64b,68bに連通する出力側油路64j,68jとがそれぞれ別々に設けられている。
そして、これら入力側油路64i,68iおよび出力側油路64j,68jには、例えポンプから潤滑油が供給されることになるが、ポンプからこれら入力側油路64i,68iおよび出力側油路64j,68jには、入力側油路64i,68iおよび出力側油路64j,68jに供給される油量を調整する図示しない弁が設けられている。
弁は、入力側油路64i,68iおよび出力側油路64j,68jに供給される潤滑油の流量を調整するものであり、入力側油路64i,68iに供給される潤滑油の流量より出力側油路64j,68jに供給される潤滑油の流量を多くしたり、逆に少なくしたりする制御を可能としている。
そして、トロイダル型無段変速機には、前記弁を制御して、上述のように入力側油路64i,68iに供給される潤滑油の流量より出力側油路64j,68jに供給される潤滑油の流量を多くしたり、逆に少なくしたりする流量制御装置(油量制御手段)を備えている。
流量制御装置は、図示しないトロイダル型無段変速機の制御装置に接続されるか、当該制御装置の一部となっており、当該制御装置から運転条件に関する信号が入力されるようになっている。
ここでは、運転条件として変速比に関する情報が制御装置から流量制御装置に入力されるようになっている。そして、流量制御装置においては、運転条件として増速時(変速比が小さい状態、パワーローラが入力側ディスクの内周側と、出力側ディスクの外周側に接した状態)には、入力側油路64i,68iに供給される潤滑油の流量より出力側油路64j,68jに供給される潤滑油の流量を多くし、減速時(変速比が大きい状態、パワーローラが入力側ディスクの外周側と、出力側ディスクの内周側に接した状態)には、出力側油路64j,68jに供給される潤滑油の流量より入力側油路64i,68iに供給される潤滑油の流量を多くする。
したがって、例えば高速運転中等の増速時には、入力側給油ノズル64a,68aから入力側ディスク2に噴出される潤滑油の油量より、出力側給油ノズル64b,68bから出力側ディスク3に噴出される潤滑湯の油量の方が多くなる。
また、例えば発進時や低速運転中等の減速時には、出力側給油ノズル64b,68bから出力側ディスク3に噴出される潤滑油の油量より、入力側給油ノズル64a,68aから入力側ディスク2に噴出される潤滑湯の油量の方が多くなる。
これにより入出力側ディスク2,3を運転条件に応じて効率的に冷却することが可能となる。
図4は、本発明の第3の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。
なお、第3の実施の形態のトロイダル型無段変速機は、第1の実施の形態に対して入力側給油ノズル(ノズル孔)64a,68aおよび出力側給油ノズル(ノズル孔)64b,68bの内径を異なる構造としたものであり、それ以外の部分については、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
図4に示すように、第3の実施の形態においては、出力側給油ノズル64b,68bの内径より、入力側給油ノズル64a,68aの内径の方が大きくなっている。これにより、第3の実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、常時、出力側給油ノズル64b,68bから出力側ディスク3に噴出される潤滑油の油量より、入力側給油ノズル64a,68aから入力側ディスク2に噴出される潤滑湯の油量の方が多くなる。
これにより、この例のトロイダル型無段変速機においては、発進時や低速運転時で変速比が減速側となっている状態において、効率的に入出力側ディスクが冷却されることになり、高い運転トラクション係数を用いることが可能となる。すなわち、減速時に限界トラクション係数が向上することになる。したがって、このようなトロイダル型無段変速機は、例えば、乗用車より重く、発進時に大きな力を必要とするトラックやバスといった商用車で好適に用いることができる。
図5は、本発明の第4の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。
なお、第4の実施の形態のトロイダル型無段変速機は、第1の実施の形態に対して入力側給油ノズル(ノズル孔)64a,68aの内径と出力側給油ノズル(ノズル孔)64b,68bの内径とを異なる構造としたものであり、それ以外の部分については、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。
図5に示すように、第4の実施の形態においては、入力側給油ノズル64a,68aの内径より、出力側給油ノズル64b,68bの内径の方が大きくなっている。これにより、第4の実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、常時、入力側給油ノズル64a,68aから入力側ディスク2に噴出される潤滑油の油量より、出力側給油ノズル64b,68bから出力側ディスク3に噴出される潤滑湯の油量の方が多くなる。
これにより、この例のトロイダル型無段変速機においては、高速運転時で変速比が増速側となっている状態において、効率的に入出力側ディスクが冷却されることになり、高い運転トラクション係数を用いることが可能となる。すなわち、増速時に限界トラクション係数が向上することになる。したがって、このようなトロイダル型無段変速機は、例えば、トラックやバスといった商用車より高速運転を行う可能性が高い乗用車で好適に用いることができる。
なお、上述の第3および第4の実施の形態で示すように入力側給油ノズルと出力側給油ノズルとの内径を異なる状態として、さらに、第2の実施の形態のように、油路を入力側油路と出力側油路とにわけて、各給油ノズルへの潤滑油の供給量を制御するようにしてもよい。この場合に通常時は、油量を制御せずに、例えば、入力側給油ノズルの内径を大きくした場合に高速運転時にだけ入力側給油ノズルの油量を減少させるとともに出力側給油ノズルの油量を増加させるように制御するようにしてもよく、例えば、出力側給油ノズルの内径を大きくした場合に発進時にだけ出力側供給のノズルの油量を減少させるとともに入力側給油ノズルの油量を増加するようにしてもよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機の他、トラニオンが無いフルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
64a 入力側給油ノズル
64b 出力側給油ノズル
64i 入力側油路
64j 出力側油路
68a 入力側給油ノズル
68b 出力側給油ノズル
68i 入力側油路
68j 出力側油路

Claims (5)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記パワーローラと前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの間の界面であるトラクション面に形成される油膜を介したトラクション力により、前記入力側ディスクから前記パワーローラを介して出力側ディスクに動力が伝達されるトロイダル型無段変速機において、
    前記パワーローラは、前記入力側ディスクおよび出力側ディスクの周方向に沿って互いに間隔をあけて複数並んで配置され、
    前記周方向に沿って並んだ前記パワーローラ同士の間となる箇所で、かつ、当該パワーローラの数と同数となる全ての箇所に、それぞれ前記入力側ディスクの内側面に油を供給する入力側給油ノズルおよび出力側ディスクの内側面に油を供給する出力側給油ノズルが設けられ、
    前記入力側供給ノズルおよび前記出力側供給ノズルが、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの口元を冷却するものであることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記入力側給油ノズルに油を送り出す入力側油路と、前記出力側給油ノズルに油を送り出す出力側油路とがそれぞれ独立して別に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記入力側油路から前記入力側給油ノズルに供給される油量と、前記出力側油路から前記出力側給油ノズルに供給される油量とを運転条件に応じて制御することで、運転条件に応じて一方の油量を他方の油量より多くしたり、少なくしたりする制御を行う油量制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記出力側給油ノズルの内径より前記入力側給油ノズルの内径が大きくなっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記入力側給油ノズルの内径より前記出力側給油ノズルの内径が大きくなっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速機。
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