JP5131539B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP5131539B2
JP5131539B2 JP2008125656A JP2008125656A JP5131539B2 JP 5131539 B2 JP5131539 B2 JP 5131539B2 JP 2008125656 A JP2008125656 A JP 2008125656A JP 2008125656 A JP2008125656 A JP 2008125656A JP 5131539 B2 JP5131539 B2 JP 5131539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traction
oil
trunnion
power roller
oil passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008125656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009275745A (ja
Inventor
保雄 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2008125656A priority Critical patent/JP5131539B2/ja
Publication of JP2009275745A publication Critical patent/JP2009275745A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5131539B2 publication Critical patent/JP5131539B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図7および図8に示すように構成されている。図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図7の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1bとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図8は、図7のA−A線に沿う断面図である。同図に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸(傾転軸)14,14を中心として揺動(傾転)する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図8においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、ニードル軸受69を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図8の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Aは、球面ポスト68及びこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図8で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面(大端面)とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(転動体)26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28と、内輪としてパワーローラ11とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図8の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図8の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11及びこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
このようなトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4との動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる(以下、油膜によって形成されるパワーローラ11と入出力側ディスク2,4との間の界面をトラクションドライブ面と称する。)。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4との間に形成されるトラクショドライブ面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
トラクションドライブ面(接触点)への給油は、図9に示すように、ケース上部に設けたポスト64から回転する入出力側ディスクおよびパワーローラ11の上側中央部のみにトラクション油を当て、遠心力によって供給されている場合が多い。このため、下から上方向に向かってトラクションドライブを行う側ではトラクション方向とは逆となり、トラクション面入口からの供給は、遠心力によって攪拌されたトラクション油、上部から落ちてきたトラクション油、さらには反対側のトラクションドライブ後の古いトラクション油によって供給することになる。したがって、上からのみの遠心力供給方法では、攪拌されているトラクション油に含まれているコンタミネーション(ゴミ)等がトラクション面に入り易く、トラクション面の圧痕、剥離の原因にもなり、また左右の供給量にも差が生じ易く、さらにディスクの回転数によっても供給量のバラツキが生じてしまう恐れがある。
また、変速時にはパワーローラ11を支持するトラニオン15が油圧ピストンによって上下移動して、トラニオン15が傾転することでトラクション面の位置(接触点)は、入出力側ディスク2,4の内側面(凹面)2a,4a上を左右に移動してしまい、入出力側ディスク2,4へのトラクション油の当て方によっては同様に接触点への給油量がバラツク恐れもある。給油量のバラツキは、トラクションドライブが不安定(伝達効率の低下)になるばかりではなく、特に給油不足においては、発熱、トラクション面が焼き付く恐れがある。
そこで、トラクションドライブ面(接触点)への給油を、ポストからでなく、トラニオンに設けられた孔からトラクションドライブ面に向けて直接給油するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、トラニオンが変速比の変化につれてパワーローラとともに旋回するので、トラニオンの潤滑孔から注出されたトラクション油をパワーローラと入出力側デスクの接触点へ効率よく給油できる。
特開昭62−283256号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、トラニオンに形成されたトラクション油噴出用の孔は、パワーローラの回転方向を考慮していないため、トラクションドライブ終了側へトラクション油は積極的に供給されない。したがって、パワーローラの冷却、洗浄作用が不十分であり、この結果、トラクション面の圧痕、剥離の原因となるコンタミネーション(ゴミ)の進入を十分に防止できないという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、トラクションドライブ面にトラクション油を安定給油できるとともに、トラクションドライブにより発熱したディスクおよびパワーローラを冷却、洗浄できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として傾転するトラニオンと、このトラニオンに回転自在に支持された状態で、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとのトラクションドライブ面に、トラクション油を供給するトラクション油路が設けられており、
さらに、前記トラニオンに取り付けられたブロックまたは長尺な油路形成板に、前記パワーローラの回転方向側にあるトラクションドライブ入口側に向けて開口する入口側トラクション油噴出口と、前記パワーローラの回転方向逆方向側にあるトラクションドライブ出口側に向けて開口する出口側トラクション油噴出口とが形成されており、
これら両トラクション油噴出口に、前記トラクション油路が連結され
これら両トラクション油噴出口からトラクション油が直接トラクションドライブ面に当てられることを特徴とする。
本発明によれば、トラニオンに形成された入口側と出口側の2つのトラクション油噴出口がトラクションドライブ面に向いているので、トラニオンの傾転時においてもトラクションドライブ面に安定した油供給が可能となり、また、トラクション油が直接接触部に当たることで、トラクションドライブ時に形成される油膜は常に新鮮であり、さらに、入力側ディスク、出力側ディスクとパワーローラ面のわずかな隙間に入らなかったトラクション油は跳ね返り、浮遊しているコンタミネーション進入を防止できる。また、出口側トラクション油噴出口からトラクションドライブ終了側へトラクション油が給油されるので、発熱した入力側ディスク、出力側ディスクおよびパワーローラの冷却および洗浄ができ、トラクション面の圧痕、剥離の原因となるコンタミネーション(ゴミ)の進入を防止できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明はトロイダル型無段変速機におけるトラクション油の給油の形態に特徴があり、その他の構成は従来技術と同様であるため、共通部部分についてはその説明を簡略化もしくは省略する。また、共通部分については、本願発明と直接かかわる部分には、同一符号を付すが、その他の共通部分については、図の煩雑化を防止するため符合は省略する。
(第1の実施の形態)
図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示すものである。これらの図に示すように、トラニオン15には、トラクション油路200が形成されている。このトラクション油路200は、従来から形成されているパワーローラおよび傾転軸受への給油油路を分岐して形成されたものである。
また、トラニオン15には、入口側トラクション油噴出口201と、出口側トラクション油噴出口202とがそれぞれ形成されている。
入口側トラクション油噴出口201は、パワーローラ11の回転方向側にあるトラクションドライブ入口側に向けて開口するものであり、この入口側トラクション油噴出口201には、トラクション油路200から分岐した分岐油路200aが連結されている。
また、出口側トラクション油噴出口202は、パワーローラ11の回転方向逆方向側にあるトラクションドライブ出口側に向けて開口するものであり、この出口側トラクション油噴出口202には、前記トラクション油路200から分岐した分岐油路200bが連結されている。
前記入口側トラクション油噴出口201と、出口側トラクション油噴出口202とはブロック203にそれぞれ離間して形成されており、このブロック203には前記分岐油路200a,200bもそれぞれ形成されている。したがって、このブロック203をトラニオン15の側面に取り付け、分岐油路200a,200bの交差部をトラクション油路200に連結することによって、トラニオン15に、入口側トラクション油噴出口201と、出口側トラクション油噴出口202とを容易に設けることができる。
また、前記ブロック203は、トラニオン15の正面の上下にそれぞれ取り付けられており、上下のそれぞれの位置で、トラクションドライブ面に、入口側トラクション油噴出口201および出口側トラクション油噴出口202からトラクション油を噴出できるようになっている。
なお、本実施の形態では、変位軸23の後端部はトラニオン15から突出していない構造になっている。
上記のようなトロイダル型無段変速機では、トラニオン15に形成された入口側と出口側の2つのトラクション油噴出口201,202がトラクションドライブ面に向いているので、トラニオン15の傾転時においてもトラクションドライブ面に安定した油供給が可能となる。
また、トラクション油が直接接触部に当たることで、トラクションドライブ時に形成される油膜は常に新鮮であり、さらに、入力側ディスク2、出力側ディスク4とパワーローラ面のわずかな隙間に入らなかったトラクション油は跳ね返り、浮遊しているコンタミネーション進入を防止できる。
また、出口側トラクション油噴出口202からトラクションドライブ終了側へトラクション油が給油されるので、発熱した入力側ディスク2、出力側ディスクディスク4およびパワーローラ11の冷却および洗浄作用を与えることができ、トラクション面の圧痕、剥離の原因となるコンタミネーション(ゴミ)の進入を防止できる。
(第2の実施の形態)
図3および図4は本発明の第2の実施の形態を示すものである。これらの図において、第1の実施の形態と異なる点は、トラニオン15の正面側に上下に長尺な油路形成板205を形成した点である。
油路形成板205の上下両端部は、それぞれトラニオン15の正面部の上下両端部にそれぞれ固定されおり、この状態において油路形成板205はパワーローラ11の近傍に該パワーローラ11と所定の隙間をもって配置されている。
油路形成板205の内部には、2本の油路206,206が上下に延在し、かつ平行離間して形成されており、これら油路206,206の下端部が前記トラクション油路200に連結されている。一方の油路206の上端部には入口側トラクション油噴出口207が形成されており、下端部には出口側トラクション油噴出口208が形成されている。また、他方の油路206の上端部には出口側トラクション油噴出口208が形成されており、下端部には入口側トラクション油噴出口207が形成されている。
また、左右に隣り合うトラクション油噴出口207,208は上下に方向において同じ位置に形成されている。
入口側トラクション油噴出口207は、パワーローラ11の回転方向側にあるトラクションドライブ入口側に向けて開口しており、出口側トラクション油噴出口208は、パワーローラ11の回転方向逆方向側にあるトラクションドライブ出口側に向けて開口している。
なお、本実施の形態では、変位軸23の後端部および前端部がそれぞれ、トラニオン15およびパワーローラ11から突出していない構造になっている。
上記のようなトロイダル型無段変速機では、トラニオン15に形成された入口側と出口側の2つのトラクション油噴出口207,208がトラクションドライブ面に向いているので、トラニオン15の傾転時においてもトラクションドライブ面に安定した油供給が可能となる。
また、トラクション油が直接接触部に当たることで、トラクションドライブ時に形成される油膜は常に新鮮であり、さらに、入力側ディスク2、出力側ディスク4とパワーローラ面のわずかな隙間に入らなかったトラクション油は跳ね返り、浮遊しているコンタミネーション進入を防止できる。
また、出口側トラクション油噴出口208からトラクションドライブ終了側へトラクション油が給油されるので、発熱した入力側ディスク2、出力側ディスク4およびパワーローラ11の冷却および洗浄作用を与えることができ、トラクション面の圧痕、剥離の原因となるコンタミネーション(ゴミ)の進入を防止できる。
さらに、2つのトラクション油噴出口207,208が上下に長尺な油路形成板205に形成されているので、これらトラクション油噴出口207,208の形成位置を上下方向の所望の位置に設定することができ、より効果的にトラクションドライブ面にトラクション油を給油することができる。
(第3の実施の形態)
図5および図6は本発明の第3の実施の形態を示すものである。これらの図において、第1の実施の形態と異なる点は、パワーローラおよび傾転軸受への給油油路と別経路での油路からトラクションドライブ面にトラクション油を給油するようにした点である。
すなわち、トラニオン15には、以下のようにしてトラクション油路が形成されている。
まず、トラニオン15の背面部には、上下に延在する油路210,210が左右に離間して平行に形成されている。
一方の油路210の上端部には斜め上方に延びる油路211が連結されており、この油路211の先端部には、トラニオン15の正面側に向けて延びる油路212が連結されている。この油路212の先端部には斜め下方に延びる油路213が連結されており、この油路213の先端部には、入口側トラクション油噴出口214が形成されている。
また、前記油路210の下端部には斜め下方に延びる油路215が連結されており、この油路215の先端部には、トラニオン15の正面側に向けて延びる油路216が連結されている。この油路216の先端部には斜め上方に延びる油路217が連結されており、この油路217の先端部には、出口側トラクション油噴出口218が形成されている。
また、油路216の途中は、油路220に連結されており、この油路220からトラクション油が給油されるようになっている。
他方の油路210の上端部には斜め上方に延びる油路211が連結されており、この油路211の先端部には、トラニオン15の正面側に向けて延びる油路212が連結されている。この油路212の先端部には斜め下方に延びる油路213が連結されており、この油路213の先端部には、出口側トラクション油噴出口218が形成されている。
また、前記油路210の下端部には斜め下方に延びる油路215が連結されており、この油路215の先端部には、トラニオン15の正面側に向けて延びる油路216が連結されている。この油路216の途中には、駆動ロッドに形成された油路が連結されている。また油路216の先端部には斜め上方に延びる油路217が連結されており、この油路217の先端部には、入口側トラクション油噴出口214が形成されている。
また、前記2本の油路210,210はその下端部で油路221によって連結されている。
なお、図5においては、トラクション油路(油路210、211、212、213,215,216、217)等は左側部分のみ記載し、右側部分は省略してある。
上記のようなトロイダル型無段変速機では、トラニオンに形成された入口側と出口側の2つのトラクション油噴出口214,218がトラクションドライブ面に向いているのでトラニオンの傾転時においてもトラクションドライブ面に安定した油供給が可能となる。
また、トラクション油が直接接触部に当たることで、トラクションドライブ時に形成される油膜は常に新鮮であり、さらに、入力側ディスク2、出力側ディスク4とパワーローラ面のわずかな隙間に入らなかったトラクション油は跳ね返り、浮遊しているコンタミネーション進入を防止できる。
また、出口側トラクション油噴出口218からトラクションドライブ終了側へトラクション油が給油されるので、発熱した入力側ディスク2、出力側ディスク4およびパワーローラ11の冷却および洗浄作用を与えることができ、トラクション面の圧痕、剥離の原因となるコンタミネーション(ゴミ)の進入を防止できる。
さらに、パワーローラ11および傾転軸受への給油油路と別経路での油路からトラクションドライブ面にトラクション油を給油するようにしたので、より安定的にトラクション油を給油することができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 図1においてパワーローラを正面から見た正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 図3においてパワーローラを正面から見た正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 図5においてパワーローラを正面から見た正面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。 図8における要部の拡大図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
200 トラクション油路
201,207,214 入口側トラクション油噴出口
202,208,218 出口側トラクション油噴出口
205 油路形成板

Claims (1)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として傾転するトラニオンと、このトラニオンに回転自在に支持された状態で、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとのトラクションドライブ面に、トラクション油を供給するトラクション油路が設けられており、
    さらに、前記トラニオンに取り付けられたブロックまたは長尺な油路形成板に、前記パワーローラの回転方向側にあるトラクションドライブ入口側に向けて開口する入口側トラクション油噴出口と、前記パワーローラの回転方向逆方向側にあるトラクションドライブ出口側に向けて開口する出口側トラクション油噴出口とが形成されており、
    これら両トラクション油噴出口に、前記トラクション油路が連結され
    これら両トラクション油噴出口からトラクション油が直接トラクションドライブ面に当てられることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP2008125656A 2008-05-13 2008-05-13 トロイダル型無段変速機 Active JP5131539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125656A JP5131539B2 (ja) 2008-05-13 2008-05-13 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125656A JP5131539B2 (ja) 2008-05-13 2008-05-13 トロイダル型無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009275745A JP2009275745A (ja) 2009-11-26
JP5131539B2 true JP5131539B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=41441375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008125656A Active JP5131539B2 (ja) 2008-05-13 2008-05-13 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5131539B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5772026B2 (ja) * 2011-02-07 2015-09-02 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP5838735B2 (ja) * 2011-11-06 2016-01-06 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP6709021B2 (ja) 2015-03-09 2020-06-10 川崎重工業株式会社 トロイダル無段変速機および駆動機構一体型発電装置
WO2017096480A1 (en) * 2015-12-10 2017-06-15 Transmission Cvtcorp Inc. Roller cooling arrangement for toroidal cvt
JP7316135B2 (ja) 2019-07-22 2023-07-27 川崎重工業株式会社 トロイダル無段変速機及び航空機用駆動機構一体型発電装置
JP7269123B2 (ja) * 2019-07-22 2023-05-08 川崎重工業株式会社 トロイダル無段変速機及び航空機用駆動機構一体型発電装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3627621B2 (ja) * 2000-05-19 2005-03-09 日産自動車株式会社 トロイダル型無段変速機
JP2002106667A (ja) * 2000-10-04 2002-04-10 Honda Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JP2004052929A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Toyota Central Res & Dev Lab Inc トロイダル型無段変速機
JP2004232677A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Honda Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
DE102004009409A1 (de) * 2004-02-24 2006-01-26 Daimlerchrysler Ag Stufenlos verstellbarer Variator für ein Toroidgetriebe eines Kraftfahrzeuges

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009275745A (ja) 2009-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007321931A (ja) トロイダル型無段変速機
JP5131539B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5077834B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5772026B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4836047B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008032084A (ja) トロイダル型無段変速機
JP6427989B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5278569B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2010025280A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4968522B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4587120B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4984138B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5039653B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5796308B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5057210B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4900710B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4797386B2 (ja) トロイダル型無段変速機
WO2015118949A1 (ja) トロイダル型無段変速機のトラニオン
JP2007146871A (ja) トロイダル型無段変速機
JP5082498B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5141669B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007107625A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2012167774A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4872878B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4513008B2 (ja) 無段変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5131539

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150