JP2012167774A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラニオンの壁面から噴射する潤滑油をトラクション面へ向けて正確に飛び出させることができる冷却効果に優れた潤滑油供給構造を備えるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】このトロイダル型無段変速機は、パワーローラと対向するトラニオン15(20)の壁面20aに形成され、ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成すパワーローラのトラクション面へ向けて潤滑油を噴射するための潤滑油噴射口90と、トラニオン15(20)の壁面20aに形成される油溜まり110を乗り越えるように潤滑油噴射口90をトラクション面へ向けて延出させるためのノズル91とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図6および図7に示すように構成されている。図6に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図7参照)が回転自在に挟持されている。
図6中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図6の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図7は、図6のA−A線に沿う断面図である。図7に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図7においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、パワーローラ11を支持する支持板部16の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸(軸部)23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、ラジアルニードル軸受99を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図6の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図7の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の変速比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる(以下、油膜によって形成されるパワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の界面をトラクション面と称し、本明細書中では、便宜上、パワーローラ11の周面11aをトラクション面と称することがある)。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
従来、パワーローラ11のトラクション面に対する潤滑油の供給は、例えば特許文献1等に開示されるように、トラニオン15に形成され且つパワーローラ11のトラクション面へと延びる油路を通じて行なわれている。具体的には、例えば特許文献1では、トラニオン15の壁部内部に油路を設け、該油路を通じて流れる潤滑油をトラニオンの壁面で開口する噴射口からトラクション面に対して直接に噴射するようにしている。
特開2007−154952号公報
しかしながら、このようにトラニオン15の壁面で開口する油路の噴射口から潤滑油を噴射する場合には、図8に示すようにパワーローラ11の軸受部等から流れる潤滑油100が矢印で示すようにトラニオン15の壁面15aに流れ込んで壁面15aに油溜まり(油膜)110が形成され、それにより、油路102が油溜り110に埋没した状態となる場合がある。そのような場合、油路102から噴射口104を通じて噴射される油は、油膜110が抵抗となって真っ直ぐに飛び出さず、トラクション面に当たらなくなってしまう。また、噴射口104から噴射される潤滑油が油膜110を形成する熱い油によって温められてしまい、冷却効果が損なわれるといった事態も生じ得る。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、トラニオンの壁面から噴射する潤滑油をトラクション面へ向けて正確に飛び出させることができる冷却効果に優れた潤滑油供給構造を備えるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転し、かつ、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、前記パワーローラと対向する前記トラニオンの壁面に形成され、前記ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラのトラクション面へ向けて潤滑油を噴射するための潤滑油噴射口と、前記トラニオンの壁面に形成される油溜まりを乗り越えるように前記潤滑油噴射口をトラクション面へ向けて延出させるための噴射口延出手段とを備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明においては、トラニオンの壁面に形成される油溜まりを乗り越えるように潤滑油噴射口をトラクション面へ向けて延出させるための噴射口延出手段が設けられているため、トラニオンの壁面に形成される油溜まり(油膜)に噴射口(油路)を埋没させずに済み、油路から噴射口を通じて噴射される油を油膜抵抗に晒すことなくトラクション面へ向けて正確に飛び出させることができる。また、噴射口から噴射される潤滑油が油膜を形成する熱い油によって温められることもないため、冷却効果が損なわれることもない(冷却効果に優れる)。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記噴射口延出手段が前記潤滑油噴射口に設けられる管状体から成ることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明においては、管状体によって簡単且つ効果的に噴射口延出手段を実現できる。なお、管状体としては、例えばノズルやパイプなどを挙げることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記潤滑油噴射口が形成される前記トラニオンの壁面は、該壁面に流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口から逃がして油溜まりの形成を抑制するための傾斜面を有することを特徴とする。
この請求項3に記載の発明においては、トラニオンの壁面に形成される傾斜面により、壁面に流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口から逃がして油溜まりの形成を抑制することができるため、油溜まりの厚さを小さくでき、油溜まりの油が噴射口延出手段を乗り越えて噴射口内に侵入することを防止できる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、トラニオンの壁面に形成される油溜まりを乗り越えるように潤滑油噴射口をトラクション面へ向けて延出させるための噴射口延出手段が設けられているため、トラニオンの壁面から噴射する潤滑油をトラクション面へ向けて正確に飛び出させることができるとともに、高い冷却効果を維持できる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のトラニオン部分の平面図、(b)は(a)のA−A方向矢視図(側面図)である。 (a)は図1のトラニオンに形成される潤滑油噴射口付近の要部拡大断面図、(b)は潤滑油噴射口が形成されるトラニオンの端面に油が流れ込んでいる状態を示す要部拡大断面図である。 (a)はトラニオンに形成される潤滑油噴射口付近の第1の変形例に係る要部拡大断面図、(b)は潤滑油噴射口が形成されるトラニオンの端面に油が流れ込んでいる状態を示す要部拡大断面図である。 (a)はトラニオンに形成される潤滑油噴射口付近の第2の変形例に係る平面図、(b)はトラニオンに形成される潤滑油噴射口付近の第3の変形例に係る平面図である。 (a)はトラニオンに形成される潤滑油噴射口付近の第4の変形例に係る側面図、(b)はトラニオンに形成される潤滑油噴射口付近の第5の変形例に係る側面図である。 従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図6のA−A線に沿う断面図である。 潤滑油噴射口が形成される従来のトラニオンの端面に油が流れ込んでいる状態を示す要部拡大断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の特徴は、トラクション面に対する潤滑油の供給構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6ないし図8と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図示のように、本実施形態のトロイダル型無段変速機は、パワーローラ11と対向するトラニオン15の壁面、具体的には折れ曲がり壁部20の内面(壁面)20aに、ディスク2,3との間で油膜を介した動力伝達を成すパワーローラ11のトラクション面11aへ向けて潤滑油を噴射するための潤滑油噴射口90が適宜箇所に複数形成されている。これらの潤滑油噴射口90には、駆動ロッド29に設けられる油供給路から折れ曲がり壁部20へと延びる油路93が連通している。
また、本実施形態では、トラニオン15の壁面20aに形成される油溜まり110を乗り越えるように(特に、図2の(b)参照)潤滑油噴射口90をトラクション面11aへ向けて延出させるための噴射口延出手段としてノズル(またはパイプを含む任意の管状体)91が設けられている。このノズル91は、潤滑油噴射口90に嵌入されており、想定し得る油溜まり110の厚さよりも長く(好ましくは、壁面20aから5mm程度)延出している。
したがって、上記構成によれば、トラニオン15の壁面20aに形成される油溜まり110を乗り越えるように潤滑油噴射口90をトラクション面11aへ向けて延出させるためのノズル(噴射口延出手段)91が設けられているため、トラニオン15の壁面20aに形成される油溜まり(油膜)110に噴射口90(油路93)を埋没させずに済み、油路93から噴射口90を通じて噴射される油を油膜抵抗に晒すことなくトラクション面11aへ向けて正確に飛び出させることができる。また、噴射口90から噴射される潤滑油が油膜110を形成する熱い油によって温められることもないため、冷却効果が損なわれることもない(冷却効果に優れる)。
図3は第1の変形例を示している。図示のように、本変形例では、噴射口延出手段としてネジ付きのノズルを備える。すなわち、本変形例のノズル92は、外周に雄ネジ92aが形成されており、この雄ネジ92aを噴射口90の内面に形成される雌ネジ94に螺合させることにより噴射口90に対して着脱自在に取り付けられる。また、ノズル92の開口形状は六角形を成している。このような構成によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、既存の噴射口90に対して噴射口延出手段を適用できるため、有益である。
図4の(a)は第2の変形例を示している。図示のように、本変形例において、潤滑油噴射口90が形成されるトラニオン15の壁面20aは、該壁面20aに流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口90から逃がして油溜まり110の形成を抑制するための傾斜面97を有する。具体的に、本変形例の傾斜面97は、壁面20aをトラクション面11aへ向けて凸状に傾斜させることにより形成される。このように傾斜面97を設けると、壁面20aに流れ込む潤滑油100を潤滑油噴射口90から逃がして油溜まり110の形成を抑制することができるため、油溜まり110の厚さを小さくでき、油溜まり110の油が噴射口延出手段としてのノズル91を乗り越えて噴射口90内に侵入することを防止できる。
図4の(b)は第3の変形例を示している。図示のように、本変形例においても、潤滑油噴射口90が形成されるトラニオン15の壁面20aに、該壁面20aに流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口90から逃がして油溜まり110の形成を抑制するための傾斜面97Aが設けられる。具体的に、本変形例の傾斜面97Aは、壁面20aをトラクション面11aに対して凹状に傾斜させることにより形成される。このような構成でも第2の変形例と同様の作用効果が得られる。
図5の(a)は第4の変形例を示している。図示のように、本変形例においても、潤滑油噴射口90が形成されるトラニオン15の壁面20aに、該壁面20aに流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口90から逃がして油溜まり110の形成を抑制するための傾斜面97Bが設けられる。具体的に、本変形例の傾斜面97Bは、パワーローラ11を収容するためのポケットPの開口が広がるように壁面20aを傾斜させることにより形成される。このような構成でも第2の変形例と同様の作用効果が得られる。
図5の(b)は第5の変形例を示している。図示のように、本変形例においても、潤滑油噴射口90が形成されるトラニオン15の壁面20aに、該壁面20aに流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口90から逃がして油溜まり110の形成を抑制するための傾斜面97Cが設けられる。具体的に、本変形例の傾斜面97Cは、パワーローラ11を収容するためのポケットPの開口が狭まるように壁面20aを傾斜させることにより形成される。このような構成でも第2の変形例と同様の作用効果が得られる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
11a トラクション面
14 枢軸
15 トラニオン
20 折れ曲がり壁部(トラニオン)
20a 壁面
90 潤滑油噴射口
91 ノズル(噴射口延出手段;管状体)
110 油溜まり
97,97A,97B,97C 傾斜面

Claims (3)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転し、かつ、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、
    前記パワーローラと対向する前記トラニオンの壁面に形成され、前記ディスクとの間で油膜を介した動力伝達を成す前記パワーローラのトラクション面へ向けて潤滑油を噴射するための潤滑油噴射口と、
    前記トラニオンの壁面に形成される油溜まりを乗り越えるように前記潤滑油噴射口をトラクション面へ向けて延出させるための噴射口延出手段と、
    を備えることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記噴射口延出手段が前記潤滑油噴射口に設けられる管状体から成ることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記潤滑油噴射口が形成される前記トラニオンの壁面は、該壁面に流れ込む潤滑油を潤滑油噴射口から逃がして油溜まりの形成を抑制するための傾斜面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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