JP2007146871A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007146871A JP2007146871A JP2005337959A JP2005337959A JP2007146871A JP 2007146871 A JP2007146871 A JP 2007146871A JP 2005337959 A JP2005337959 A JP 2005337959A JP 2005337959 A JP2005337959 A JP 2005337959A JP 2007146871 A JP2007146871 A JP 2007146871A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power roller
- continuously variable
- trunnion
- variable transmission
- outer ring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/04—Features relating to lubrication or cooling or heating
- F16H57/042—Guidance of lubricant
- F16H57/0421—Guidance of lubricant on or within the casing, e.g. shields or baffles for collecting lubricant, tubes, pipes, grooves, channels or the like
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/04—Features relating to lubrication or cooling or heating
- F16H57/048—Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
- F16H57/0487—Friction gearings
- F16H57/049—Friction gearings of the toroid type
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Friction Gearing (AREA)
- General Details Of Gearings (AREA)
Abstract
【課題】簡単且つ効果的な方法でディスクへの油の飛散を防止して、グロススリップを有効に抑制できるとともに、攪拌ロスが低く伝達効率が高いトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】本トロイダル型無段変速機では、パワーローラ11とディスクとの間に油膜を形成するための油がディスクに向けて飛散することを防止する飛散防止カバー100が設けられる。飛散防止カバー100は、トラニオン15の側面や、外輪またはパワーローラ11に設けられる。この飛散防止カバー100を設けることにより、例えばパワーローラ11の軸受部分24で発熱した高温の油がディスク(特に、トラクション面以外のディスクの表面部位)へ飛散することを簡単且つ効果的に防止できる。したがって、ディスク表面が高温になることを抑制でき、そのため、グロススリップが生じる可能性が小さくなる。また、ディスクを冷却する油量も少なくて済むため、攪拌ロスも低減する。
【選択図】図1
【解決手段】本トロイダル型無段変速機では、パワーローラ11とディスクとの間に油膜を形成するための油がディスクに向けて飛散することを防止する飛散防止カバー100が設けられる。飛散防止カバー100は、トラニオン15の側面や、外輪またはパワーローラ11に設けられる。この飛散防止カバー100を設けることにより、例えばパワーローラ11の軸受部分24で発熱した高温の油がディスク(特に、トラクション面以外のディスクの表面部位)へ飛散することを簡単且つ効果的に防止できる。したがって、ディスク表面が高温になることを抑制でき、そのため、グロススリップが生じる可能性が小さくなる。また、ディスクを冷却する油量も少なくて済むため、攪拌ロスも低減する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図6および図7に示すように構成されている。図6に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図7参照)が回転自在に挟持されている。
図6中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図6の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図6のA−A線に沿う断面図である図7に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1のキャビティ221および第2のキャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト54,68に支持された状態で、その一端部が第1のキャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2のキャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1のキャビティ221のみについて説明する。
図7に示すように、ケーシング50の内側において、第1のキャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図7においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図7の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図7の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる(以下、油膜によって形成されるパワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間の界面をトラクション面と称し、本明細書中では、便宜上、パワーローラ11の周面11aをトラクション面と称することがある。)。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスクとの間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
また、このような油膜を介したディスク2,3とパワーローラ11との間の動力伝達では、ディスク2,3とパワーローラ11との接触部やパワーローラ11のベアリング部(例えば、スラスト玉軸受24等)で滑りが生じるため、熱が発生する。この熱は、周囲の部品の温度を上昇させトラクション係数を低下させる。これにより、パワーローラ11とディスク2,3との間で動力伝達ができなくなることがあるため、油温には十分に注意する必要がある。
更に、前述したように、パワーローラ11は、側方が大きく開放されたトラニオン15の凹状のポケット部P内に収容されている(特に図8を参照)ため、例えばパワーローラ11のベアリング部で発熱した高温の油は、パワーローラ11の高速回転に起因する遠心力により、例えば図9に示されるように保持器27の間からディスク2,3(トラクション面以外の部位)に向けて飛び散る(油の飛散方向が図中に矢印で示されている)。その上、ディスク2,3とパワーローラ11との接触による発熱もあることから、ディスク2,3の温度は非常に高温となる。そのため、トラクション油の性質が変わるとともに、トラクション係数が更に低下し、グロススリップが発生し易くなる。したがって、従来から、このような問題を解決するべく様々な試みがなされている(例えば、特許文献1ないし特許文献3参照)。
こうした問題は、冷却用の潤滑油の流量を増やして、ディスク2,3やパワーローラ11の温度を下げることで解決できるが、潤滑油量を増やしてしまうと、攪拌ロスが増加し、伝達効率が低下してしまう。従来技術(特許文献1ないし特許文献3等)にも、この観点からの問題を解決する幾つかの手段が提案されているが、更に簡単で且つ効果的な解決策が求められている。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、簡単且つ効果的な方法でディスクへの油の飛散を防止して、グロススリップを有効に抑制できるとともに、攪拌ロスが低く伝達効率が高いトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、入力軸に結合され且つ該入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して前記入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、前記油膜を形成するための油が前記ディスクに向けて飛散することを防止する飛散防止カバーを備えていることを特徴とする。
上記構成においては、前記ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動し且つ前記パワーローラを支持するトラニオンを更に備え、このトラニオンの側面に前記飛散防止カバーが設けられていることが好ましい。この場合、前記飛散防止カバーが前記トラニオンに一体形成されていても良い。
また、上記構成においては、前記ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動し且つ前記パワーローラを支持するトラニオンと、前記パワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ且つ前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを更に備え、前記軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体とから成り、前記パワーローラには、前記軸受の少なくとも一部を収容するように凹部が形成され、この凹部の周壁によって前記飛散防止カバーが形成されていることが好ましい。この場合、前記凹部の内径が前記外輪の外径よりも大きく設定されていることが好ましく、また、その場合において、前記飛散防止カバーを形成する前記凹部の周壁は、前記外輪の少なくとも一部を外側から覆っていることが更に好ましい。
また、上記構成においては、前記ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動し且つ前記パワーローラを支持するトラニオンと、前記パワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ且つ前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを更に備え、前記軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体とから成り、前記外輪には、前記軸受の少なくとも一部を収容するように凹部が形成され、この凹部の周壁によって前記飛散防止カバーが形成されていることが好ましい。この場合、前記飛散防止カバーを形成する前記凹部の周壁は、前記内輪に達していても良い。また、前記トラニオンに対して前記パワーローラを回転可能に支持するための支軸を更に備え、この支軸と前記外輪とが一体となっていても良い。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、パワーローラとディスクとの間で油膜を形成するための油がディスクに向けて飛散することを防止する飛散防止カバーが設けられているので、例えばパワーローラの軸受部分で発熱した高温の油がディスク(特に、トラクション面以外のディスクの表面部位)へ飛散することを簡単且つ効果的に防止できる。したがって、ディスク表面が高温になることを抑制でき、そのため、グロススリップが生じる可能性が小さくなる。また、ディスクを冷却する油量も少なくて済むため、攪拌ロスも低減する。
また、特に高動力伝達時においては、発生する熱が非常に大きく、トラクション係数が低下してしまうため、背景技術の段落で説明したように、ディスクに過押付力(油圧ローディング)を与えることがあるが、この時、パワーローラに負荷されるアキシャル荷重が増加し、パワーローラの損失ロスが大きくなってしまう。また、パワーローラのスラスト玉軸受の玉の軌道面での面圧も大きくなるため、負荷できるトルクを絞る必要がでてくる。しかしながら、本発明のように飛散防止カバーを設けると、ディスクに高温の油が飛散しないため、トラクション係数が低下せず、また、安全を見込んだ過押し付けも必要なくなるため、パワーローラの損失ロスが低減し、伝達効率も増加する。また、トルクを絞る必要もないため、車等のエンジン性能を最大限に発揮することができる。
また、発熱量が非常に大きい高動力伝達時では、ディスク材料の組織も変化する。そのため、耐久性が低下しないように潤滑油量を増加する必要があった。前述したように、流量の増加は、攪拌ロスの増加を招き、伝達効率を低下させてしまうが、本発明のように飛散防止カバーを設けることで、潤滑油量を低減でき、攪拌ロスを低減できる。
また、トラクションドライブにより動力を伝達させるためには、トルクに応じた軸力(押付力)を与える必要があるが、トラニオン、ディスク、パワーローラに力が加わるため、変形が発生する。これにより、ディスクとパワーローラの接触位置がズレて、パワーローラと入力側ディスクと出力側ディスクの回転半径の幾何学的関係にズレが生じ変速比がずれる(いわゆるトルクシフト)。飛散防止カバーをトラニオンに設けることで、トラニオンの変形を低減でき、トルク入力時の変速比のズレを低減できるという効果もある。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、ディスクに対する油の飛散を防止する構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6〜図9と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態では、パワーローラ11とディスク2,3との間で油膜を形成するための油がディスク2,3に向けて飛散することを防止する飛散防止カバー100が、トラニオン15の両側面に設けられている。この飛散防止カバー100がトラニオン15の支持板部16と一体に形成しても、あるいは別体として設けるようにしてもよい。なお、飛散防止カバー100は、図2に示すように、スラスト玉軸受24の内輪を形成するパワーローラ11と保持器27との間から遠心力により油が飛散する部位よりもパワーローラ11側まで食い込んで延びていることが好ましい。
このように、飛散防止カバー100が設けられていれば、パワーローラ11のスラスト玉軸受24で発熱した高温の油が保持器27の間からディスク2,3(特に、トラクション面以外のディスク2,3の表面部位)へ飛散することを簡単且つ効果的に防止できる(図2の矢印に示されるように、油が飛散防止カバー100に突き当たって、それ以上の飛散が防止される)。したがって、ディスク2,3の表面が高温になることを抑制でき、そのため、グロススリップが生じる可能性が小さくなる。また、ディスク2,3を冷却する油量も少なくて済むため、攪拌ロスも低減する。
また、特に高動力伝達時においては、発生する熱が非常に大きく、トラクション係数が低下してしまうため、ディスク2,3に過押付力(油圧ローディング)を与えることがあるが、この時、パワーローラ11に負荷されるアキシャル荷重が増加し、パワーローラ11の損失ロスが大きくなってしまう。また、パワーローラ11のスラスト玉軸受24の玉26の軌道面での面圧も大きくなるため、負荷できるトルクを絞る必要がでてくる。しかしながら、本実施形態のように飛散防止カバー100を設けると、ディスク2,3に高温の油が飛散しないため、トラクション係数が低下せず、また、安全を見込んだ過押し付けも必要なくなるため、パワーローラ11の損失ロスが低減し、伝達効率も増加する。また、トルクを絞る必要もないため、車等のエンジン性能を最大限に発揮することができる。
また、発熱量が非常に大きい高動力伝達時では、ディスク2,3の材料の組織も変化する。そのため、耐久性が低下しないように潤滑油量を増加する必要があるが、流量の増加は、攪拌ロスの増加を招き、伝達効率を低下させてしまう。本実施形態のように飛散防止カバー100を設ければ、そうした問題が解消され、潤滑油量を低減でき、攪拌ロスを低減できる。
また、飛散防止カバー100をトラニオン15に設けると、トラニオン15の変形を低減でき、トルクシフトを低減できるという効果もある。
図3および図4は本発明の第2の実施形態を示している。図3に示すように、本実施形態において、外輪28には、スラスト玉軸受24の少なくとも一部を収容するように凹部200が形成され、この凹部200の周壁200aによって飛散防止カバー120が形成されている。この場合、飛散防止カバー120を形成する凹部200の周壁200aは、図4に示すようにパワーローラ(内輪)11へと達している。すなわち、外輪28の凹部200は、保持器27の間から遠心力により油が飛散する部位よりもパワーローラ(内輪)11側までかかっている。また、飛散防止カバー120には、その対向する一対の部位に、切り欠き122,122が設けられており、この切り欠き122,122から油の飛散を許容できるようになっている。なお、本実施形態において、外輪28は、トラニオン15に対してパワーローラ11を回転可能に支持する支軸としての変位軸23と一体になっている。
したがって、このような構成によっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図5は本発明の第3の実施形態を示している。図示のように、本実施形態において、パワーローラ11には、スラスト玉軸受24の少なくとも一部を収容するように凹部220が形成され、この凹部220の周壁によって飛散防止カバー140が形成されている。この場合、凹部220の内径は、外輪28の外径よりも大きく設定されており、また、飛散防止カバー140を形成する凹部220の周壁は、外輪28の少なくとも一部を外側から覆っている。すなわち、凹部220の周壁は、外輪28の全体をその全周にわたって覆っていても良く、また、外輪28の一部または全体をその全周の一部にわたって覆っていても良い。このような構成によっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
14 枢軸
15 トラニオン
23 変位軸(支軸)
24 スラスト玉軸受(軸受)
26 玉(転動体)
28 外輪
100,120,140 飛散防止カバー
200,220 凹部
200a 周壁
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
14 枢軸
15 トラニオン
23 変位軸(支軸)
24 スラスト玉軸受(軸受)
26 玉(転動体)
28 外輪
100,120,140 飛散防止カバー
200,220 凹部
200a 周壁
Claims (9)
- 入力軸に結合され且つ該入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して前記入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクとを備え、前記パワーローラと前記ディスクとの間の動力伝達が油膜を介して行なわれるトロイダル型無段変速機において、
前記油膜を形成するための油が前記ディスクに向けて飛散することを防止する飛散防止カバーを備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動し且つ前記パワーローラを支持するトラニオンを更に備え、このトラニオンの側面に前記飛散防止カバーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記飛散防止カバーが前記トラニオンに一体形成されていることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動し且つ前記パワーローラを支持するトラニオンと、前記パワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ且つ前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを更に備え、前記軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体とから成り、
前記パワーローラには、前記軸受の少なくとも一部を収容するように凹部が形成され、この凹部の周壁によって前記飛散防止カバーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。 - 前記凹部の内径が前記外輪の外径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記飛散防止カバーを形成する前記凹部の周壁は、前記外輪の少なくとも一部を外側から覆っていることを特徴とする請求項5に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動し且つ前記パワーローラを支持するトラニオンと、前記パワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ且つ前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを更に備え、前記軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体とから成り、
前記外輪には、前記軸受の少なくとも一部を収容するように凹部が形成され、この凹部の周壁によって前記飛散防止カバーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。 - 前記飛散防止カバーを形成する前記凹部の周壁は、前記内輪に達していることを特徴とする請求項7に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記トラニオンに対して前記パワーローラを回転可能に支持するための支軸を更に備え、この支軸と前記外輪とが一体となっていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のトロイダル型無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005337959A JP2007146871A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005337959A JP2007146871A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007146871A true JP2007146871A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38208522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005337959A Withdrawn JP2007146871A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007146871A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009036339A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機 |
JP2013100872A (ja) * | 2011-11-09 | 2013-05-23 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機 |
-
2005
- 2005-11-24 JP JP2005337959A patent/JP2007146871A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009036339A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機 |
JP2013100872A (ja) * | 2011-11-09 | 2013-05-23 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007146871A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5803188B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5120666B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5772026B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4706920B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2008032084A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4587120B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4923989B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4894178B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5673022B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5838735B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4984138B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP6729105B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2007240004A (ja) | トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット | |
JP2005121045A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4626883B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP6183163B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2010151151A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2012163159A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP5516859B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2007146873A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2011058521A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2006207698A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2006132677A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2007107628A (ja) | トロイダル型無段変速機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090203 |