JP5182206B2 - ニッケル粉およびその製造方法 - Google Patents
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通常、積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極が交互に積層した構造の素子本体と、この素子本体の両端部に形成される一対の外部電極端子とから構成されている。また、その素子本体は、誘電体層となるセラミック誘電体グリーンシート上に内部電極材料である金属粉をペースト化した導電性ペーストを印刷し、この誘電体層と内部電極層を多層積層して加熱圧着したものを、還元雰囲気中、高温で焼成して作製されている。
工程(E)において中和に用いるアルカリ溶液は、特に限定されるものではないが、回収した水酸化ニッケルに不純物が混入しないように、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。また、中和の条件および方法は公知の技術が適用できるが、中和時のpHとしては、7.5〜12.5とすることが好ましい。
還元時の焼結防止剤となるマグネシウムを0.04g/L含んだニッケル濃度60g/Lの塩化ニッケル水溶液と、24質量%の水酸化ナトリウム水溶液をpH=8.3となるように調整しながら連続的に添加することで水酸化ニッケルの沈殿を生成させた。その後、ろ過と30分の純水レパルプを3回繰り返して水分含有率30質量%の水酸化ニッケルろ過ケーキを得た。さらに、このろ過ケーキを送風乾燥機により大気中160℃で48時間乾燥して、水酸化ニッケル乾燥物を得た。得られた乾燥物に水分含水率30質量%となるように純水を加えた後、水酸化ニッケル100gに対して、先に加えた水との合計で0.0005mol/Lの硫酸1Lとなるように濃度調整した硫酸を加え、30分間撹拌した。撹拌後、ろ過、水洗し、同様に乾燥して水酸化ニッケル粉を得た。
実施例1と同様にして得た還元ニッケル粉200gを洗浄液として用いた12gの酢酸(ニッケルに対して6質量%)を含む酢酸水溶液800mL中に分散させ、50℃で30分間攪拌洗浄した。洗浄後のニッケル粉は、吸引ろ過後に純水で洗浄し、120℃で真空乾燥してニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下、洗浄による比表面積の増加は見られなかった。洗浄後に前記ろ過により固液分離した洗浄液をICP発光分光分析法によるニッケル濃度の分析を行ったところ、6.68g/Lであった。この洗浄液を水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調整し、洗浄により溶出したニッケルを水酸化ニッケルとして沈殿させた。24時間静置させた後に水酸化ニッケルを回収するとともに上澄み液を採取し、ICP発光分光分析法によりニッケル濃度を分析したところ、0.01g/L以下であった。
前記洗浄液を1.2gの酢酸(ニッケルに対して12質量%)を含む酢酸水溶液100mLとした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下、洗浄による比表面積の増加は見られなかった。
実施例1と同様にして得た還元ニッケル粉末20gを洗浄液として用いた3.8gの酢酸(ニッケルに対して19質量%)を含む酢酸水溶液80mL中中に分散させ、50℃で30分間攪拌洗浄した。洗浄後のニッケル粉を吸引ろ過した後、80mLの純水中に分散させ、30分間撹拌洗浄した。再度、吸引ろ過した後、120℃で真空乾燥してニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であり、洗浄前後における比表面積の増加量は0.07m2/g、比表面積の増加率は1.4%であった。
前記洗浄液を7.2gの酢酸(ニッケルに対して36質量%)を含む酢酸水溶液80mLとした以外は実施例4と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量はは100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であり、洗浄前後における比表面積の増加量は0.27m2/g、比表面積の増加率は5.5%であった。
前記洗浄液を9.6gの酢酸(ニッケルに対して48質量%)を含む酢酸水溶液80mLとした以外は実施例4と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であり、洗浄前後における比表面積の増加量は1.54m2/g、比表面積の増加率は31%であった。
前記洗浄液として純水を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は480質量ppm、マグネシウム含有量は420質量ppmであり、洗浄前後における比表面積の増加量は0.56m2/g、比表面積の増加率は11%であった。
前記洗浄液を0.49gの硫酸(ニッケルに対して4.9質量%)を含む硫酸水溶液100mLとした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は120質量ppmであり、洗浄前後における比表面積の増加量は0.98m2/g、比表面積の増加率は20%であった。
前記洗浄液を0.37gの塩酸(ニッケルに対して3.7質量%)を含む塩酸水溶液100mLとした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は270質量ppm、マグネシウム含有量は120質量ppmであり、洗浄前後における比表面積の増加量は0.72m2/g、比表面積の増加率は15%であった。
前記洗浄液を0.8gのクエン酸(ニッケルに対して8.0質量%)を含むクエン酸水溶液100mLとした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であり、洗浄前後における比表面積の増加量は0.17m2/g、比表面積の増加率は3.1%であった。一方、実施例2と同様に処理して分析した洗浄液のニッケル濃度は1.87g/Lであり、静置させた後の上澄み液のニッケル濃度は、1.67g/Lであった。
Claims (7)
- マグネシウムをニッケルに対して0.003〜1質量%添加した塩化ニッケル水溶液をアルカリ水溶液で中和して水酸化ニッケルの沈殿を生成させる工程(A)と、該水酸化ニッケルを空気中で熱処理して酸化ニッケルを生成させる工程(B)と、該酸化ニッケルを還元ガス雰囲気中で還元してニッケル粉とする工程(C)と、還元後のニッケル粉を洗浄する工程(D)を備えたニッケル粉の製造方法であって、前記洗浄する工程(D)において、ニッケル粉に対して5〜40質量%の酢酸を含み、酢酸濃度が5〜50g/Lの洗浄液を用いて洗浄することを特徴とするニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(D)において、洗浄液を30〜60℃に加熱することを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(C)において、前記還元ガスが含水素ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(C)において、還元を300〜450℃で行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(D)において、洗浄によるニッケル粉の比表面積の増加率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(D)においてニッケル粉を洗浄した後の液中に溶出したニッケルを中和により水酸化ニッケルとして回収する工程(E)を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法によって得られるニッケル粉であって、塩素含有量が20〜100質量ppm、マグネシウム含有量が40〜100質量ppmであることを特徴とするニッケル粉。
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