JP5369864B2 - ニッケル粉およびその製造方法 - Google Patents
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通常、積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極が交互に積層した構造の素子本体と、この素子本体の両端部に形成される一対の外部電極端子とから構成されている。また、その素子本体は、誘電体層となるセラミック誘電体グリーンシート上に内部電極材料である金属粉をペースト化した導電性ペーストを印刷し、この誘電体層と内部電極層を多層積層して加熱圧着したものを、還元雰囲気中、高温で焼成して作製されている。
例えば、アルカリ土類金属を0.002〜1質量%含む水酸化ニッケル粉を焙焼して酸化ニッケル粉とし、得られた酸化ニッケル粉を還元するニッケル粉の製造方法において、水酸化ニッケル1gに対して0.02〜0.4リットル/分の空気を流すとともに250〜500℃の温度で焙焼して水酸化ニッケル粉を酸化ニッケル粉とし、さらに得られた酸化ニッケル粉を酸化ニッケル粉1gに対して0.01〜0.2リットル/分の水素を流すとともに300〜500℃の温度で還元してニッケル粉を得る方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
さらに、前記工程(D)において、洗浄によるニッケル粉の比表面積の増加率を15%以下とすることができる。
工程(A)は、塩化ニッケル水溶液をアルカリ水溶液で中和して水酸化ニッケルを生成する工程である。工程(A)においては、水溶液の濃度、中和条件等は公知の技術が適用できる。この時、均一な特性の水酸化ニッケルを得るために、十分に攪拌されている反応槽内に、前混合水溶液とアルカリ水溶液をダブルジェット方式で添加して反応させることが好ましく、pHを一定に保ちながら行うと、沈殿生成速度を一定に保つことができるため、さらに好ましい。
水酸化ニッケル粉に対する硫酸あるいは硫酸塩水溶液の量は、特に限定されるものではなく、残留塩素が十分に低減できる量とすればよいが、水酸化ニッケル粉を良好に分散させるためには、水酸化ニッケル/処理液の混合比を100g/L程度とすることが好ましい。また、洗浄時間は特に限定されるものではなく、洗浄条件により残留塩素が十分に低減される洗浄時間とすればよい。
前記硫酸あるいは硫酸塩水溶液での洗浄は、あらかじめ硫酸あるいは硫酸塩濃度を調整した水溶液を準備し、これに撹拌しながら乾燥した水酸化ニッケルの粉末を加えることで行えるが、含水したままのケーキ状のものを使用する方が、均一な処理を行いやすく洗浄の効率が良くなるばかりか、工程の短縮にもなるために好ましい。ケーキ状の水酸化ニッケルを洗浄する場合には、水酸化ニッケルのろ過ケーキに少量の水を加えてスラリー状にした後、添加後に所定の濃度となるように調整した硫酸あるいは硫酸塩水溶液を攪拌しながら一度に添加することが、均一な処理のために好ましい。
水洗後のニッケル粉の乾燥には、通常の乾燥方法を用いることができるが、酸化を防止して比表面積の増大を抑制するために真空中で乾燥することが好ましい。
マグネシウムを0.04g/L含んだニッケル濃度60g/Lの塩化ニッケル水溶液と、24 質量%の水酸化ナトリウム水溶液をpHが8.3となるように調整しながら反応槽に連続的に添加することで水酸化ニッケルを生成させた。生成した水酸化ニッケルをろ過し、水洗、乾燥し、乾燥物を得た。得られた乾燥物に30質量%の純水を加えた後、水酸化ニッケル100gに対して、先に加えた水との合計で0.0005mol/Lの硫酸1Lとなるように濃度調整した硫酸を加え、30分間撹拌した。撹拌後、ろ過し、水洗、乾燥して水酸化ニッケル粉を得た。
洗浄時間を1時間とした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。なお、ニッケル粉の洗浄開始時のpHは2.1であり、洗浄終了時のpHは5.9であった。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は0.27m2/g、比表面積の増加率は5.5%であった。
洗浄液に含まれる酒石酸の量を3.0g(ニッケルに対して15質量%)とし、洗浄時間を30分とした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。なお、ニッケル粉の洗浄開始時のpHは1.5であり、洗浄終了時のpHは2.6であった。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は025m2/g、比表面積の増加率は5.1%であった。
洗浄液に含まれる酒石酸の量を5.0g(ニッケルに対して25質量%)としたこと、洗浄時間を30分としたこと以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。なお、ニッケル粉の洗浄開始時のpHは1.4であり、洗浄終了時のpHは2.2であった。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は0.24m2/g、比表面積の増加率は4.9%であった。
洗浄液に含まれる酒石酸の量を7.0g(ニッケルに対して35質量%)としたこと、洗浄時間を30分としたこと以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。なお、ニッケル粉の洗浄開始時のpHは1.2であり、洗浄終了時のpHは2.1であった。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は100質量ppm以下であった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は0.36m2/g、比表面積の増加率は7.4%であった。
還元後に洗浄を行わなかった以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。得られたニッケル粉の塩素含有量は1100質量ppm、マグネシウム含有量は570質量ppmであった。
洗浄時間を2時間とした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。なお、ニッケル粉の洗浄開始時のpHは2.1であり、洗浄終了時のpHは6.2であった。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は280質量ppmであった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は1.21m2/g、比表面積の増加率は25%であった。
洗浄液として純水を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。得られたニッケル粉の塩素含有量は490質量ppm、マグネシウム含有量は460質量ppmであった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は0.58m2/g、比表面積の増加率は12%であった。
洗浄に用いたニッケル粉を10gとしたこと、洗浄液として0.49gの硫酸(ニッケルに対して4.9質量%)を含む硫酸水溶液100mLを用いたこと以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。得られたニッケル粉の塩素含有量は100質量ppm以下、マグネシウム含有量は120質量ppmであった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は0.98m2/g、比表面積の増加率は20%であった。
洗浄に用いたニッケル粉を10gとしたこと、洗浄液として0.37gの塩酸(ニッケルに対して3.7質量%)を含む塩酸溶液100mLを用いたこと以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得るとともに評価した。得られたニッケル粉の塩素含有量は270質量ppm、マグネシウム含有量は120質量ppmであった。また、洗浄前後における比表面積の増加量は、0.72m2/g、比表面積の増加率は15%であった。
Claims (7)
- マグネシウムをニッケルに対して0.003〜1質量%添加した塩化ニッケル水溶液をアルカリ水溶液で中和して水酸化ニッケルの沈殿を生成させる工程(A)と、該水酸化ニッケルを空気中で熱処理して酸化ニッケルを生成させる工程(B)と、該酸化ニッケルを還元ガス雰囲気中で還元してニッケル粉とする工程(C)と、還元後のニッケル粉を有機酸水溶液で洗浄する工程(D)を備えたニッケル粉の製造方法であって、前記工程(D)において、有機酸水溶液としてニッケル粉に対して5〜50質量%の酒石酸を含む水溶液を用い、洗浄時のpHを6.1以下とすることを特徴とするニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(D)において、洗浄液を30〜80℃に加熱することを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(C)において、還元ガスが含水素ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(C)において、還元を300〜450℃で行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(D)において、洗浄によるニッケル粉の比表面積の増加率が15%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
- 前記工程(D)における洗浄より排出された廃液に、カルシウムもしくは水溶性カルシウム化合物を添加して酒石酸を分離除去することを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法によって得られるニッケル粉であって、塩素含有量が100質量ppm以下、マグネシウム含有量が40〜100質量ppmであることを特徴とするニッケル粉。
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