JP5180788B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセラミック層を積層してなる基板本体の内側に中空部およびその底面などに単一の導体層を有し、且つ基板本体の表面などにメッキ膜が表面に被覆された外部導体層を有すると共に、上記中空部を外部から密閉してなる配線基板およびその製造方法に関する。
複数のセラミック層を積層した多層セラミック基板を製造するに際し、厚みのあるグリーンシートを使用した場合、該グリーンシートに含まれる樹脂バインダの樹脂成分が脱脂工程で十分に抜けきらず、かかるグリーンシートを含む複数のグリーンシートの積層体を焼成する工程において、剥離(デラミネーション)や割れ(破裂)に至る場合がある。
前記のような剥離や割れを防ぐため、複数の内部電極(導体層)が形成されるグリーンシートの切断線上に、貫通孔を形成して、脱脂工程でガス抜きの作用を成させしめるセラミック積層品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数のセラミック層と、これらの間に配置すべきベタ状で且つ広い面積の導体層とを積層してなるセラミック基板も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−183112号公報 (第1〜4頁、図1〜3) 特開2003−298462号公報 (図12,14)
ところで、前記特許文献1に記載されたセラミック積層品のように、脱脂工程におけるガス抜き用の貫通孔を製品となる配線基板の表面などに形成すると、前記特許文献2に記載されたセラミック基板のように、該セラミック基板の中空部に形成した内部導体層の表面に金属メッキ膜を被覆した際に、メッキ時に用いた洗浄液などの残渣が中空部に残留してしまう場合がある。そして、該残滓によって配線基板における中空部内の上記内部導体層が経時変化に伴って、酸化などにより腐食(変色)することで、該内部導体層などの電気的特性が低下するおそれがあった。
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、複数のセラミック層を積層してなる基板本体の中空部に腐食(変色)などが生じない内部導体層を有し、且つ該基板本体の表面などに露出して形成された外部導体層の表面にメッキ膜を確実に被覆した配線基板およびその製造方法を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、脱脂時において中空部からのガス抜き用に形成され且つ基板本体の表面などに開口する貫通孔を閉塞し、中空部内に設けた内部導体層を外部から密閉する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、複数のセラミック層を積層してなり、平面視が矩形の表面、裏面、およびこれらの間に位置する4つの外壁面を有する基板本体と、該基板本体の内部に形成され、且つ上記複数のセラミック層のうち、少なくとも最上層と最下層のセラミック層を除いた少なくとも1層からなる中層のセラミック層の内側に形成された中空部と、該中空部の床面および天井面を形成する上層側および下層側のセラミック層の表面および裏面の少なくとも一方に平面形状に形成された単一の導体層と、上記中空部の天井面、床面、または内壁面と、上記基板本体の表面、裏面、または外壁面との間を貫通し、且つ上記導体層のない領域に開口する貫通孔と、を備えた配線基板であって、上記貫通孔は、充填材により閉塞されており上記単一の導体層の表面には、メッキ膜が被覆されておらず、上記基板本体の表面および裏面に露出して形成される外部導体層の表面には、メッキ膜が被覆されている、ことを特徴とする。
これによれば、前記基板本体の内側に形成された中空部の天井面、床面、あるいは内壁面と、該基板本体の表面、裏面、あるいは外壁面との間を貫通する貫通孔が充填材により閉塞されているため、前記基板本体の表面などに露出して形成した外部導体層にメッキ膜を被覆しても、中空部内に位置する単一の導体層には、メッキ液や洗浄液の残滓が付着していない。このため、上記単一の導体層が経時的変化に伴って腐食(変色)し、該導体層やこれに導通する電気回路の電気的特性が低下する事態を確実に防止できる。しかも、前記貫通孔によって、単一の前記導体層が形成されるセラミック層やこれに隣接するセラミック層となる各グリーンシートなどに含まれていた樹脂バインダを脱脂時に、前記貫通孔を通じて、容易且つ十分に外部に放出させている。そのため、上記単一の導体層とこれに隣接するセラミック層との境界、あるいは該セラミック層同士の境界に、破裂による変形や、剥離などが形成されておらず、形状および寸法精度に優れた配線基板とすることも可能となる。
加えて、前記配線基板は、前記中空部内に表面にメッキが被覆されていない単一の導体層と、前記基板本体の表面および裏面に露出して形成され且つ表面にメッキ膜が被覆された外部導体層とを有しているそのため、前記単一の導体層は、メッキ処理を施された際にメッキ液の残滓による腐食(変色)を低減できると共に、別の導体(例えば、回路基板)との接続信頼性を確保できるので、電気的特性が安定した配線基板とすることが可能となる
尚、前記外部導体層には、パッドのような表面端子や裏面端子のほか、所定パターンの配線層も含まれる
尚、前記セラミックには、アルミナなどを主成分とする高温焼成セラミックや、あるいはセラミック以外にガラス成分を含有するガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックが含まれる。
また、前記中空部は、少なくとも最上層と最下層のセラミック層を除いた1層または複数層の中層のセラミック層の内側に形成され、底面、内壁面(円周面を含む)、および天井面を有している。最下層のセラミック層の真上に更に下層側のセラミック層が形成され、かかるセラミック層の表面が上記床面となる形態も含まれる
更に、前記単一の導体層は、中空部の床面や天井面を形成する前記セラミック層の表面や裏面において、例えば、平面視でベタ状などにして形成された単一の導体層であり、平面視で中空部の床面積の50%以上を占める
また、前記単一の導体層は、セラミック層が前記高温焼成セラミックの場合には、WまたはMoあるいはWまたはMo合金などが用いられ、前記低温焼成セラミックの場合には、AgまたはCuなどが用いられる
更に、前記充填材は、前記セラミック層を構成するセラミックの焼成温度以下のセラミック、熱または光で硬化する樹脂、あるいは焼成された導体からなる。
加えて、前記貫通孔は、1つの中空部に対し、1個または複数個が形成される
更に、本発明には、前記貫通孔の平面視または側面視における断面積は、前記中空部の平面視または側面視における断面積よりも小さい、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記中空部は、平面視および側面視において前記貫通孔よりも大きくなるため、閉塞前の該貫通孔を通じて、前記中空部を囲むセラミック層となるグリーンシートなどに含まれていた樹脂バインダを、脱脂時に十分に外部に放出させている。そのため、中空部内に残留した樹脂成分の膨張による変形(通所フクレ)や、前記単一の導体層とセラミック層との剥離(デラミネーション)、あるいは隣接するセラミック層間の剥離のない配線基板となる。しかも、貫通孔が基板本体の表面と中空部の天井面との間に形成された形態では、該中空部の天井面が床面側に垂れ下がる変形を抑制することも可能となる。
尚、前記貫通孔の内径は、0.06〜0.5mmが推奨される。更に、複数の貫通孔の総断面積は、前記中空部の平面視または側面視における断面積の0.5〜3%が推奨される。
また、本発明には、前記単一の導体層の平面視における面積は、前記中空部の床面または天井面の平面視における面積よりも小さい、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記単一の導体層の外側または周囲に、前記中空部の床面または天井面を形成するセラミック層の表面または裏面が露出しているため、該セラミック層とこれに隣接するセラミック層との境界における剥離を皆無にした配線基板となる。
更に、本発明には、前記中空部は、前記中層のセラミック層に形成された仕切り壁によって、複数個に分割され、それぞれが平面視で六角形を呈し、且つ全体がハニカムコア状に配列されている、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、中空部が複数の六角形からなり、且つこれらがハニカムコア状に配列されているため、前記各セラミック層となる複数のグリーンシートを積層し且つ圧着した際にその圧力に十分に対抗できている。しかも、個々の中空部の天井面などに貫通孔が形成されているため、製造時の圧着・脱脂・焼成工程において、樹脂バインダが各中空部から貫通孔を通じて十分抜き出され、且つ各中空部の天井面が凹まず、前記変形や剥離が生じないと共に、前記貫通孔の閉塞によって、中空部内における前記単一の導体層の表面が腐食(変色)しない配線基板となる。
また、本発明には、前記中空部は、前記中層のセラミック層に形成された仕切り壁によって、互いに平行な平面視で複数の長方形に分割されているか、あるいは、それぞれが平面視で複数の円形に分割されている、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、中空部が互いに平行な複数の長方形に分割されているか、複数の円形に分割されているため、前記圧着時の圧力に十分に対抗できている。しかも、個々の中空部の天井面などに貫通孔が形成されていると共に、単一の導体層が個々の中空部の床面などに形成され、且つ仕切り壁の内部には進入しないため、前記有機バインダの樹脂抜きが確実に行われている。そのため、前記変形や剥離のなく、且つ各中空部の天井面が凹んでいないと共に、前記貫通孔の閉塞によって、中空部内における前記単一の導体層の表面が腐食(変色)しない配線基板となる。
更に、本発明には、前記中空部は、前記中層のセラミック層に形成された仕切り壁によって、上層側と下層側との複数個に分割されている、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記基板本体の内側で且つ上層側と下層側とに複数個の中空部が形成され、各中空部の天井面や床面に前記単一の導体層の表面が腐食(変色)せずに形成された配線基板となる。
また、本発明には、前記複数の中空部は、前記仕切り壁を貫通する通気孔を介して、互いに連通している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、製造時の圧着・脱脂・焼成工程において、樹脂バインダが各中空部から通気孔および貫通孔を通じて十分抜き出され、且つ各中空部の天井面が凹まず、前記変形や剥離が生じないと共に、前記貫通孔の閉塞によって、中空部内における前記単一の導体層の表面が腐食(変色)していない配線基板となる。
更に、本発明には、前記最上層の表面と前記中空部の天井面との間を貫通する貫通孔は、平面視で該中空部における何れかの内壁面側近傍の天井面に開口している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、貫通孔が、平面視で前記中空部の内壁面側に近接した天井面に開口しているため、前記圧着時や焼成時に中空部の天井面が凹むような変形が確実に阻止され、形状・寸法精度に優れると共に、中空部内における前記単一の導体層の表面が腐食(変色)していない配線基板となる。
尚、前記「何れかの内壁面側近傍」とは、平面視が六角形の中空部では、何れかの壁面に近接した天井面の位置を、平面視が円形の中空部では、その円周面の一部に近接した天井面の位置を、平面視が長方形の中空部では、例えば、その長手方向の一端または両端付近で且つ何れかの側面に近接する天井面の位置を指す。
加えて、本発明には、前記最上層の表面と前記中空部の内壁面との間を貫通する貫通孔は、側面視でほぼL字形を呈している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、最上層のセラミック層となるグリーンシートには、厚み方向に貫通し且つ平面視で中空部の外側の位置に貫通孔を設け、上記グリーンシートの下側に隣接するグリーンシートには、上記貫通孔の下側の開口部と中空部の内壁面との間に切り欠きを設け、両グリーンシートを積層・圧着・焼成することで、側面視でほぼL字形の貫通孔が、基板本体の表面と中空部の内壁面との間を貫通する。そのため、該中空部の天井面がほとんど変形しない配線基板となる。
一方、本発明による第1の配線基板の製造方法(請求項10)は、追って最上層、最下層、およびこれらに挟まれる1層以上の中層のセラミック層となるグリーンシートの少なくとも1つに、厚み方向に沿った貫通孔、および平面方向に沿った切り欠き部の少なくとも1つを形成する工程と、少なくとも追って最上層および最下層を除く中層のセラミック層となる一層以上のグリーンシートに透孔を形成する工程と、追って最下層またはその上方に積層される下層側のセラミック層となるグリーンシートの表面、および追って最上層またはその下方に積層される上層側のセラミック層となるグリーンシートの裏面の少なくとも一方に、平面形状で且つ単一の導体層を形成する工程と、少なくとも、上記貫通孔または切り欠き部が形成されたグリーンシート、上記透孔が形成された1層以上のグリーンシート、および上記単一の導体層が形成されたグリーンシートを厚み方向に沿って積層して、内部に中空部を有する未焼成の積層体を形成する積層工程と、該未焼成の積層体を焼成するか、あるいは脱脂し更に焼成する工程と、該焼成により得られた複数のセラミック層を積層してなる基板本体の表面と中空部の天井面との間あるいは基板本体の裏面と中空部の床面との間を貫通する前記貫通孔、基板本体の外壁面と中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部により形成された貫通孔、および、基板本体の表面と中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部を含む側面視がほぼL字形の貫通孔の少なくとも1つに充填材を充填して、かかる貫通孔を閉塞する工程と、該貫通孔を閉塞する工程の後において、上記基板本体の表面および裏面に露出して形成された外部導体層の表面に、メッキ膜を被覆する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記未焼成の積層体において、最上層および最下層のグリーンシートを除いた中層のグリーンシートに設けた前記透孔からなる中空部が内側に形成され、且つ前記焼成あるいは脱脂工程において、該中空部の天井面、床面、または内壁面と、上記積層体の表面、裏面、または外壁面との間を貫通する貫通孔を通じて、中空部を囲む各グリーンシートの樹脂バインダを確実に外部へ放出できる。しかも、前記メッキ膜を被覆する工程では、前記基板本体の表面および裏面に露出して形成された外部導体層は、その表面にメッキ膜が確実に被覆されるため、マザーボードなどとの接続信頼性が高められる。一方、前記中空部内に形成された単一の導体層は、前記焼成後の基板本体における貫通孔が充填材により閉塞されることで、外部から密閉され、当該メッキ工程でのメッキ液や洗浄液が接触しないため、該メッキに伴うメッキ液の残渣による腐食(変色)を回避することができる。従って、形状・寸法精度に優れ且つ中空部内に上記腐食(変色)による電気的特性の劣化が少ない単一の導体層を有する配線基板を確実に提供することが可能となる。
尚、前記充填材は、前記セラミック層を構成するセラミックの焼成温度以下のセラミックペーストを焼成したセラミック、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を加熱あるいは光照射した樹脂、あるいは導電性ペーストを焼成した導体である。
また、本発明による第2の配線基板の製造方法(請求項11)は、追って最上層、最下層、およびこれらに挟まれる1層以上の中層のセラミック層となるグリーンシートに、厚み方向に沿った貫通孔、および平面方向に沿った切り欠き部の少なくとも1つを形成する工程と、追って最上層、最下層、および追って仕切り壁となる中層のセラミック層を除く、中層のセラミック層となる少なくとも一層以上のグリーンシートに透孔を形成する工程と、追って最下層またはその上方に積層される下層側のセラミック層となるグリーンシートの表面、追って最上層またはその下方に積層される上層側のセラミック層となるグリーンシートの裏面、および追って仕切り壁である中層のセラミック層となるグリーンシートの表面と裏面との少なくとも1つに、平面形状で且つ単一の導体層を形成する工程と、少なくとも、上記貫通孔または切り欠き部が形成されたグリーンシート、上記透孔が形成された1層以上のグリーンシート、および上記単一の導体層が形成されたグリーンシートを厚み方向に沿って積層して、内部に上下方向に沿って複数の中空部を有する未焼成の積層体を形成する積層工程と、該未焼成の積層体を焼成するか、あるいは脱脂し更に焼成する工程と、該焼成により得られた複数のセラミック層を積層してなる基板本体の表面と上層側の中空部の天井面との間あるいは基板本体の裏面と下層側の中空部の床面との間を貫通する前記貫通孔、基板本体の外壁面と何れか1つの中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部により形成された貫通孔、および、基板本体の表面と上層側の中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部を含む側面視がほぼL字形の貫通孔の少なくとも1つに充填材を充填して、かかる貫通孔を閉塞する工程と、該貫通孔を閉塞する工程の後において、上記基板本体の表面および裏面に露出して形成された外部導体層の表面に、メッキ膜を被覆する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記未焼成の積層体において、仕切り壁となる中層のグリーンシートの上・下層に積層された中層の各グリーンシートごと設けた前記透孔からなる上下複数の中空部が内側に形成され、且つ前記焼成あるいは脱脂工程において、中空部ごとの天井面、床面、または内壁面と、上記積層体の表面、裏面、または外壁面との間を貫通する貫通孔を通じて、各中空部を囲む各グリーンシートの樹脂バインダを確実に外部へ放出できる。しかも、前記メッキ膜を被覆する工程では、前記基板本体の表面および裏面に露出して形成された外部導体層は、その表面にメッキ膜が確実に被覆されるため、マザーボードなどとの接続信頼性が高められる。一方、中空部ごとに形成された単一の導体層は、前記焼成後の基板本体における貫通孔が充填材により閉塞されることで、外部から密閉されるので、上記メッキ工程における該メッキに伴う残渣による当該導体層の表面の腐食(変色)を回避することができる。従って、形状・寸法精度に優れ且つ中空部内に上記腐食(変色)による電気的特性の劣化が少ない単一の導体層を有する配線基板を確実に提供することが可能となる。
更に、本発明には、前記透孔を形成する工程と前記積層工程との間に、前記一層または複数層のグリーンシートの透孔に、昇華性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂からなる仮充填材を充填する工程を有する、配線基板の製造方法(請求項12)も含まれる。
これによれば、中層となる一層または複数層のグリーンシートの透孔に、昇華性あるいは熱可塑性樹脂などからなる充填材が充填されため、積層工程時の圧着を受けても、上記透孔により形成される中空部の天井面が凹むような変形を確実に阻止できる。その結果、所定の形状を有する中空部が形成されるので、前記樹脂抜きが十分に行われ、且つ前記破裂や変形などを抑制することが可能となる。
尚、前記昇華性樹脂には、例えば、テオブロミンが挙げられ、前記熱可塑性樹脂には、例えば、エチルセルロース、ブチラール樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
また、本発明には、追って前記仕切り壁となる少なくとも1層の中層のグリーンシートには、平面視で隣接する複数の中空部を連通する通気孔、あるいは上層側および下層側の中空部を連通する通気孔が形成される、配線基板の製造方法(請求項13)も含まれる。
これによれば、前記積層体の内側に形成された複数の中空部が、これを分割する仕切り壁を貫通する通気孔を介して互いに連通している。そのため、前記焼成あるいは脱脂工程において、積層体内の如何なる位置に形成された中空部であっても、バインダ樹脂を通気孔および貫通孔を通じて外部に確実に放出できる。
、前記メッキ膜は、例えば、Niメッキ層およびAuメッキ層、Niメッキ層およびAgメッキ層の2層、あるいはNiメッキ層、Auメッキ層、およびAgメッキ層の3層からなる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の配線基板K1を示す垂直断面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った水平断面図である。
配線基板K1は、図1,図2に示すように、複数のセラミック層s1〜s6を積層してなり、平面視が長方形(矩形)の表面3、裏面4、およびこれらの間に位置する4つの外壁面5a,5bを有する基板本体2と、該基板本体2の内部に形成された中空部6と、該中空部6の床面8を形成するセラミック層s5の表面に形成された単一の導体層10と、上記中空部6の天井面7と基板本体2の表面3との間を貫通する2個(複数)の貫通孔h1と、該貫通孔h1を閉塞する充填材j1とを備えている。
前記セラミック層s1〜s6は、例えば、アルミナを主成分としている。
また、前記中空部6は、図1に示すように、最上層のセラミック層s1と、最下層およびその表面上に積層されたセラミック層s5,s6を除く3つの中層のセラミック層s2〜s4の内側に平面視が長方形(矩形)を呈して形成されている。因みに、セラミック層s1〜s6の厚みは、それぞれ約30〜300μmであり、中空部5の平面視における寸法は、約20×約30mmである。
更に、前記貫通孔h1は、最上層のセラミック層s1の表・裏面を貫通し、且つ図2に示すように、中空部6における一対の長い内壁面9に近接する(近傍)天井面7に下端が開口する位置に形成されている。各貫通孔h1の内径dは、0.06〜0.5mmであり、該貫通孔h1の平面視における断面積daは、中空部6の平面視における面積sa、例えば、天井面7や床面8の面積よりも小さい。そして、2個の貫通孔h1の平面視における総断面積は、中空部6の平面視における面積の0.5〜3%の範囲にある。
また、前記充填材j1は、セラミック層s1〜s6の焼成温度と同じか、これ以下の焼成温度である高温焼成セラミック、または低温焼成セラミック、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂、更には導電性ペーストを加熱・硬化させた導電材からなる。
加えて、前記導体層10は、W、Mo、Ag、またはCuからなり、中空部6の床面8を形成する前記セラミック層s5の表面において、平面視がほぼ長方形で且つベタ状(平面形状)に形成された単一の導体層であり、その表面にはメッキ膜が被覆されていない。該導体層10の平面視おける面積vaは、中空部6の平面視おける面積saよりも小さい。そのため、図2に示すように、該導体層10の周囲には、セラミック層s5の表面が露出している。
図1に示すように、最上層のセラミック層s1の表面3の外壁面5a側には、複数(4個)の表面端子(外部導体層)12が形成され、最下層およびその表面上に積層されたセラミック層s5,s6間には、所定のパターンを有する配線層11が形成されると共に、基板本体2の裏面4には、複数の裏面端子(外部導体層)13が形成されている。上記表面端子12、配線層11、および裏面端子13は、何れもWまたはMoなどからなり、セラミック層s1〜s6の何れかを貫通するビア導体14〜16を介して、互いに導通可能とされている。
また、図1中の矢印の上方に示す表面端子12で例示するように、表面・裏面端子12,13の表面には、所要厚みのNiメッキ層およびAuメッキ層、またはNiメッキ層およびAgメッキ層の2層、あるいはNiメッキ層、Auメッキ層、およびAgメッキ層の3層からなるメッキ膜fmがそれぞれ被覆されている。
以上のような配線基板K1によれば、基板本体2の内側に形成された中空部6の天井面7と、該基板本体2の表面3との間を貫通する貫通孔h1が充填材j1により閉塞されているため、基板本体2の表・裏面3,4に露出して形成した表面・裏面端子(外部導体層)12,13にメッキ膜fmが被覆されていても、中空部6内に位置する単一の導体層10には、メッキ液や洗浄液の残滓が付着していない。従って、上記導体層10が経時的な変化に伴って腐食(変色)などし、該導体層10やこれに導通する電気回路の電気的特性が低下する事態を確実に防止できる。
しかも、前記貫通孔h1によって、単一の前記導体層10が形成されるセラミック層s5やこれに隣接するセラミック層s4,s6となる各グリーンシートなどに含まれていた樹脂バインダを脱脂時に、前記貫通孔h1を通じて、容易且つ十分に外部に放出させている。従って、上記導体層10とこれに隣接するセラミック層s5との境界、あるいは該セラミック層s4〜s6の境界に、前記破裂による変形や、剥離などが形成されておらず、形状および寸法精度に優れた配線基板K1とすることも可能となる。
図3は、前記配線基板K1の応用形態の配線基板K2を示す垂直断面である。
配線基板K2は、図2に示すように、前記同様の基板本体2、中空部6、単一の導体層10、配線層11、表・裏面端子12,13、ビア導体14〜16、貫通孔h1、および充填材j1を備えている。更に、中空部6の天井面7を形成するセラミック層s2の裏面にも単一の導体層17を有し、該導体層17は、ビア導体19を介して、基板本体2の表面3に形成した複数の表面端子(外部導体層)18と導通している。しかも、中空部6の底面8と基板本体2の裏面4との間にも、複数の貫通孔h2が形成され、これには前記同様の充填材j2が充填されている。
尚、貫通孔h1,h2は、中空部6の床面8や天井面7のうち、単一の導体層10,17がない領域に開口している。また、配線層11は、貫通孔h2の付近がないパターンを有している。更に、充填材j1,j2は、後述する製造時の充填工程における条件によって、中空部6側の端面が図3中で示すように凹むか、あるいは前記図1中のように凸形となる。
以上のような配線基板K2によっても、前記配線基板K1と同様に、基板本体2の表・裏面3,4に露出して形成した表面・裏面端子12,13には、メッキ膜fmが被覆され、中空部6内に位置する単一の導体層10,17には、メッキ液や洗浄液の残滓が付着していないので、該導体層10,17の経時的な腐食(変色)などを防止できる。しかも、貫通孔h1,h2により、製造時の脱脂工程で、樹脂バインダが十二分に外部に放出されているため、形状および寸法精度に優れた配線基板K2とすることも可能となる。
図4は、異なる形態の配線基板K3を示す垂直断面である。
配線基板K3は、図4に示すように、前記配線基板K1と同様の基板本体2、中空部6、単一の導体層10、配線層11、表・裏面端子12,13、およびビア導体14〜16を備えている。該配線基板K3が前記配線基板K1と相違するのは、前記貫通孔h1に替えて、基板本体2の表面3で且つ平面視で中空部6が位置していない位置と、該中空部6の内壁面9の上端部との間を貫通する側面視がほぼL字形の貫通孔h3を複数有していることである。
このため、最上層のセラミック層s1には、垂直の貫通孔が形成され、且つ第2層のセラミック層s2には、中空部6に一端が開口し、他端が上記貫通孔の下端に連通する切り欠き部が形成されている。該貫通孔h3ごとの最上層のセラミック層s1側の垂直部には、前記同様の充填材j3が充填されている。
以上のような配線基板K3によっても、前記配線基板K1と同様に、基板本体2の表・裏面3,4に露出して形成した表面・裏面端子12,13には、メッキ膜fmが被覆され、中空部6内に位置する単一の導体層10には、メッキ液や洗浄液の残滓が付着していないので、該導体層10の経時的な腐食(変色)などを防止できる。しかも、側面視がほぼL字形の貫通孔h3は、基板本体2の表面3で且つ平面視で中空部6のない位置に開口しているため、製造時の積層に続く圧着工程で中空部6の天井面7が垂れ下がって変形する事態を確実に防止でき、且つ脱脂工程で樹脂バインダが十分に放出されているため、形状および寸法精度に優れた配線基板K3とすることも可能となる。
図5は、前記配線基板K3の応用形態の配線基板K4を示す垂直断面である。
配線基板K4は、図5に示すように、前記同様の基板本体2、中空部6、単一の導体層10、配線層11、表・裏面端子12,13、ビア導体14〜16、貫通孔h3、および充填材j3を備えている。更に、中空部6の天井面7を形成するセラミック層s2の裏面にも単一の導体層17を有し、該導体層17は、ビア導体19を介して、基板本体2の表面3に形成した複数の表面端子(外部導体層)18と導通している。
以上のような配線基板K4によっても、前記配線基板K3と同様な効果を奏することができる。
図6は、更に異なる形態の配線基板K5を示す垂直断面である。
配線基板K5は、図6に示すように、前記同様の基板本体2、中空部6、単一の導体層10、配線層11、表・裏面端子12,13、およびビア導体14〜16を備えている。該配線基板K5が前記配線基板K1〜K4と相違するのは、前記貫通孔h1〜h3に替えて、中空部6の底面8の上方に隣接する中層のセラミック層s4に、中空部6の内壁面9の下端部と基板本体2の外壁面5aとの間を水平に貫通する複数の貫通孔h4が形成され、これらには前記同様の充填材j4が充填されている。尚、図6中の破線で示すように、中空部6の天井面7を形成するセラミック層s2の裏面にも単一の導体層17を形成し、該導体層17と基板本体2の表面3に形成した複数の表面端子(外部導体層)18とを、ビア導体19を介して導通させても良い。かかる形態の場合、更に、前記貫通孔h1,h3を前記同様の位置に形成しても良い。
以上のような配線基板K4によっても、前記配線基板K1〜3と同様な効果を奏することができる。
ここで、前記配線基板K1を得るための本発明による第1の製造方法について、説明する。
予め、アルミナ粉末、所要の有機バインダ、および溶剤などを、所要量ずつ瓶量・混合してセラミックスラリを製作し、これをドクターブレード法によって、シート状を呈する6層(複数)のグリーンシートに成形した。
次に、図7に示すように、追って最上層のセラミック層s1となるグリーンシートg1における所定の位置ごとに、打ち抜き加工を施し、複数の貫通孔h1を形成した。また、追って最下層およびその表面上に積層されたセラミック層s5,s6を除く3つの中層のセラミック層s2〜s4となるグリーンシートg2〜g4に対し、平面視が長方形の透孔Sa〜Scを、パンチングによって形成した。更に、前記セラミック層s1〜s6となる6層のグリーンシートg1〜g6における所定の位置ごとに、打ち抜き加工を施して、それぞれビアホールvhを形成した。
次いで、図7に示すように、前記ビアホールvhごとに、W粉末を含む導電性ペーストを充填し、未焼成のビア導体vpを個別に形成した。また、最上層のグリーンシートg1、最下層およびその表面上に積層されるグリーンシートg5,g6の表面および裏面の少なくとも一方に、前記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷などして、未焼成の導体層10、配線層11、表・裏面端子12,13を形成した。尚、上記導電性ペーストには、Mo粉末などを含むものを用いても良い。
更に、図8に示すように、最上層のグリーンシートg1を除く、5層のグリーンシートg2〜g6を厚み方向に沿って積層して、箱形状で未焼成の積層体を形成した。かかる積層体の内側には、中層のグリーンシートg2〜g4ごとに形成された前記透孔Sa〜Scが垂直方向に沿って連通した4つの内壁面9と、それらの底面側にグリーンシートg5の表面である床面8と、該床面8に周辺を囲まれた前記導体層10と、が形成されていた。
次いで、図8に示すように、前記積層体における4つの内壁面9と床面8とに囲まれた凹部の内側に、例えば、前記グリーンシートに含まれる有機バインダと同じブチラール樹脂からなり、予め所定の形状とされていた昇華性樹脂(仮充填剤)kJを、充填した。
次に、図9に示すように、昇華性樹脂kJが充填された前記積層体の上方に、複数の前記貫通孔h1が形成された最上層のグリーンシートg1を積層した後、これらをその厚み方向に沿って圧着した。
その結果、図9に示すように、グリーンシートg1〜g6を積層してなり、表面3、裏面4、および外壁面5a(5b)を有する未焼成の基板本体2と、該基板本体2の内部で且つ中層のグリーンシートg2〜g4を貫通する中空部6とを有する積層体GS1が形成された。該中空部6の床面8には、未焼成で単一の導体層10が位置し、上記中空部6の天井面7と基板本体2の表面3との間を複数の貫通孔h1が貫通していた。
前記圧着工程において、中空部6には、これとほぼ相似形の昇華性樹脂kjを充填していたので、該中空部8の天井面7の中央付近が下向きに凹む変形を確実に阻止できた。
更に、前記中空部6、導体層10、および複数の貫通孔h1などを有する未焼成の基板本体2を有する積層体GS1を、図示しない焼成炉に挿入した後、約250〜260℃に加熱して脱脂した。その際、図9中で一点鎖線の矢印で示すように、中空部6に充填されていた前記昇華性樹脂kjが気体(ガス)となって、内径daである複数の貫通孔h1から基板本体2の外部に十分に放出できた。引き続いて、グリーンシートg1〜g5に含まれていた前記有機バインダの樹脂成分の殆んどあるいは大半も、中空部6を経て、複数の貫通孔h1から十分に抜き出すことができた。尚、最上層と最下層のグリーンシートg1,g6に含まれていた前記有機バインダの樹脂成分は、基板本体2の表面3から直に、あるいは、基板本体2の外側面から抜き出された。
その結果、図10に示すように、前記樹脂kjが消失した中空部6を内側に有する未焼成の積層体GS1が得られた。
次いで、脱脂した前記積層体GS1を、更に加熱し、所定の温度域で焼成した。かかる焼成工程でも、前記中空部6の天井面7の中央付近が下向きに凹む変形は、生じなかった。
その結果、図11に示すように、前記グリーンシートg1〜g6が焼成され、且つ互いに一体に積層されたセラミック層s1〜s6となり、前記中空部6、および複数の貫通孔h1を有し、焼成された導体層10、配線層11、表・裏面端子12,13、およびビア導体14〜16を有する配線基板K1xを製造することができた。
更に、最上層のセラミック層s1を貫通する複数の貫通孔h1に対し、図11に示すように、スキージSkなどを用いて、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミック粉末を含むペースト状の充填材j1を個別に充填した。更に、該充填材j1を配線基板K1xと共に、所定の温度で焼成した。その結果、各貫通孔h1は、焼成された充填材j1によって閉塞された。
尚、前記貫通孔h1に対し、熱硬化性樹脂ないし光硬化性樹脂を充填し、これらを加熱あるいは光照射したり、金属粉末を含む導電性ペーストを充填して、これを焼成することで、前記貫通孔h1を閉塞しても良い。また、前記充填の方法は、ディスペンサを用いる塗布、またはインクジェット印刷により行っても良い。
そして、焼成された充填材j1を含む配線基板K1xを、図示しないNiメッキ槽およびAuあるいはAgメッキ槽に順次浸漬し、それぞれの電解メッキを施した。その結果、焼成されていた前記表・裏面端子12,13に、Niメッキ層およびAuメッキ層、またはNiメッキ層およびAgメッキ層の2層、あるいはNiメッキ層、Auメッキ層、およびAgメッキ層の3層からなるメッキ膜fmがそれぞれ所定の厚みで被覆された。その際、中空部6は、貫通孔h1が前記充填材j1によって閉塞され、外部から密閉されていたので、前記導体層10の表面は、メッキされていない状態が維持された。
以上のような各工程を経た結果、前記図1に示した配線基板K1が製造できた。
また、前記配線基板K3を製造するには、前記同様の各工程を行うほか、図12に示すように、最上層のセラミック層s1となる前記グリーンシートg1に垂直の貫通孔h3xを形成し、第2層のセラミック層s2となる前記グリーンシートg2において、前記透孔Saに一端が開口し且つ他端が貫通孔h3xの下端に連通する平面方向に沿った切り欠き部h3yを形成しておき、前記同様に積層することで側面視がほぼL字形である複数の貫通孔h3が形成された。次いで、前期同様に圧着、脱脂・焼成することで、図12に示す積層体K3xが得られた。
更に、図12に示すように、貫通孔h3に対し、基板本体2の表面3側から前期同様の充填剤j3を充填し、再度焼成した後、前記同様のメッキ工程を施すことによって、前記図4に示した配線基板K3を得ることができた。
一方、前記配線基板K5を製造するには、図13に示すように、前記同様のグリーンシートg1〜g6を用意し、前記同様にビアホールvh、透孔Sa〜Scを形成すると共に、中層のグリーンシートg4の下層側には、透孔Scと外側面との間を平面方向に沿って水平に貫通する切り欠きh4xを形成した。尚、前記切り欠きh3yや上記切り欠きh4xは、棒状の型を押し込んで形成しても良い。
次いで、図14に示すように、前記同様に中空部6に昇華性樹脂kjを充填し且つグリーンシートg1〜g6を積層して、中空部6の内壁面9の下端部と基板本体2の外壁面5aとの間を水平に貫通する複数の貫通孔h4を含む未焼成の積層体GS5を形成した。更に、該積層体GS5を前記同様の温度に加熱して、樹脂kjをガスとして放出し、更に脱脂した。その結果、図15に示すように、上記樹脂kjが消失した中空部6を内側に有する未焼成の積層体GS5が得られた。
次に、図16に示すように、複数の貫通孔h4に対し、前期同様に充填材j4を充填して閉塞した後、前記同様の再焼成、およびメッキ工程を施した。その結果、前記図6に示した配線基板K3を得ることができた。
以上のような配線基板K1,K3,K5を得るための第1の製造方法によれば、前記未焼成の積層体GS1,GS3,GS5において、中層のグリーンシートg2〜g4に設けた前記透孔Sa〜Scからなる中空部6が内側に形成され、且つ前記焼成あるいは脱脂工程において、該中空部6の天井面7または内壁面9と、基板本体2の表面3または外壁面5aとの間を貫通する貫通孔h1,h3,h4を通じて、中空部6を囲む各グリーンシートg1〜g5の樹脂バインダを確実に外部へ放出できた。しかも、前記中空部6内に形成された単一の導体層10は、焼成後の基板本体2における貫通孔h1,h3,h4が充填材j1,j3,j4により閉塞されることで、外部から密閉され、追って施されるメッキ工程でのメッキ液や洗浄液に接触しないため、該メッキ液などの残滓による表面の腐食(変色)を生じなくなる。従って、形状・寸法精度に優れ、且つ中空部6内に電気的特性が安定した単一の導体層10を有する配線基板K1,K3,K5を確実に提供することが可能となる。
尚、前記配線基板K2,K4も、前記同様の方法により製造することができた。
図17は、別なる形態の配線基板K6を示す垂直断面図、図18は、図17中のY−Y線の矢視に沿った水平断面図である。
配線基板K6も、図17,図18に示すように、前記同様の基板本体2a、配線層11、裏面端子13、およびビア導体14,15を有しており、前記配線基板K1などと相違するのは、複数の中空部6aおよび同数の導体層10aを有することである。該中空部6aは、図18に示すように、前記同様の中層のセラミック層s2〜s4に直線状に形成された複数の仕切り壁9aによって、互いに平行に且つ隣接して複数個に分割され、それぞれが平面視で細長い長方形を呈している。各中空部6aにおける何れかの内壁面9近傍の天井面7と基板本体2aの表面3との間には、前記同様の貫通孔h1が形成され、該貫通孔h1には前記同様の充填材j1が充填されている。また、各中空部6aにおける何れかの内壁面9の下端部と基板本体2aの外壁面5a,5bとの間には、前記同様の貫通孔h4が形成され、該貫通孔h4には前記同様の充填材j4が充填されている。
尚、前記導体層10aは、中空部6aごとの床面8の周辺部を除いた床面8のほぼ全体に形成されるほか、中空部6aごとの床面8全体に形成しても良い。また、隣接する中空部6a,6a間の仕切り壁9aには、該中空部6a,6a間を連通する通気孔hyが形成されている。
図19は、更に別なる形態の配線基板K7を示す図18と同様な水平断面図である。配線基板K7も、図19に示すように、前記同様の基板本体2bなどを有しており、前記配線基板K1などと相違するのは、複数の中空部6bおよび同数の導体層10bを平面視で格子状に有することである。該中空部6bは、図19に示すように、前記同様の中層のセラミック層sn(s2〜s4)に異形状に形成された複数の仕切り壁9cによって、互いに離間して複数個に分割され、それぞれが平面視で円形を呈している。各中空部6bの円周面(内壁面)9bの近傍の天井面には、前記同様の1つの貫通孔h1が形成され、該貫通孔h1には前記同様の充填材j1が充填されている。また、中空部6bごとの内壁面9bの下端部と基板本体2bの外壁面5a,5bとの間には、前記同様の貫通孔h4が形成され、該貫通孔h4には前記同様の充填材j4が充填されている。
尚、前記導体層10bは、中空部6bごとの床面のほぼ全体に形成されるほか、中空部6bごとの床面全体に形成しても良い。また、隣接する中空部6b,6b間の仕切り壁9cには、該中空部6b,6b間を連通する通気孔hyが、平面視で格子枠形状にして形成されている。
図20は、更に別異なる形態の配線基板K8を示す図18と同様な水平断面図である。配線基板K8も、図20に示すように、前記同様の基板本体2cなどを有しており、前記配線基板K1などと相違するのは、複数の中空部6cを有することである。該中空部6cは、図20に示すように、前記同様の中層のセラミック層sn(s2〜s4)に形成された複数のジグザグ状の仕切り壁9eにより、縦横に隣接して複数個に分割され、それぞれが平面視で六角形を呈し且つ全体がハニカムコア状に配列されている。各中空部6cには、前記同様の1つずつの貫通孔h1が何れかの内壁面9d近傍の天井面7に形成され、該貫通孔h1には前記同様の充填材j1が充填されている。また、各中空部6cにおける何れかの内壁面9dの下端部と基板本体2cの外壁面5a,5bとの間には、前記同様の貫通孔h4が形成され、該貫通孔h4には前記同様の充填材j4が充填されている。
尚、前記導体層10は、中空部15ごとの床面の周辺部を除いたほぼ全体、あるいは中空部15ごとの床面全体に形成される。また、隣接する中空部6c,6c間の仕切り壁9eには、該中空部6c,6c間を連通する通気孔hyが形成されている。
以上のような複数の中空部6a,6b,6cおよび導体層10a,10b,10cを有する配線基板K6〜K8によれば、中層のセラミック層sn(s2〜s4)の内側に仕切り壁9a,9c,9eによって、複数の中空部6a,6b,6cがそれぞれ形成され、各中空部6a,6b,6cごとに前記貫通孔h1,h4が形成されている。このため、次述する製造方法における複数のグリーンシートg1〜g6の圧着時に、前記樹脂(仮充填材)kjを用いることなく、有機バインダの脱脂を確実に行うことが可能である。更に、単一の導体層10a,10b,10cは、仕切り壁9a,9c,9eの内部に進入していないため、セラミック層s5,s6同士間の剥離を確実防止できる。しかも、各中空部6a,6b,6cが貫通孔h1,h4が充填材j1,j4により閉塞されることで、導体層10a,10b,10cは、外部から密閉されているため、メッキ液や洗浄液などの付着による腐食(変色)など表面にが生じていない。従って、前記変形および剥離がなく、形状および寸法精度に優れると共に、導体層10a,10b,10cなどの電気的特性が安定した配線基板K6〜K8となっている。
以下において、前記配線基板K6を得るための第1の製造方法を説明する。
予め、前記同様して6層のグリーンシートを用意する。図21で例示するように、最上層のグリーンシートg1における所定の位置ごとに、打ち抜き加工を施し、複数の貫通孔h1を形成した。また、追って3つの中層のセラミック層s2〜s4となるグリーンシートg2〜g4に対し、平面視が細長い長方形の透孔Saa〜Scaを、パンチングによって3個ずつ平行に形成した。更に、グリーンシートg4の裏面側に前記同様の切り欠きh4xを複数個形成した。加えて、前記セラミック層s5,s6となるグリーンシート(g5,g6)における所定の位置ごとに、打ち抜き加工を施して、それぞれビアホールvhを形成した。
次に、前記同様に、前記ビアホールvhごとに導電性ペーストを充填し、未焼成のビア導体vpを個別に形成した。また、最上層のグリーンシートg1、最下層およびその表面上に積層されるグリーンシート(g5,g6)の表面および裏面の少なくとも一方に、前記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷し、未焼成の導体層10a、配線層11、裏面端子13を形成した。
次いで、前記グリーンシートg1〜g6を積層・圧着し、得られた未焼成の積層体を脱脂および焼成して、図22に示すように、内側に複数の中空部6aを有する基板本体2axからなる焼成済みの積層体K6xを得た。
更に、図22に示すように、基板本体2axの表面3と複数の中空部6aごとの天井面7との間を貫通する複数の貫通孔h1、および基板本体2axの外壁面5aと中空部6aごとの内壁面9の下端部との間を貫通する複数の貫通孔h4に対し、スキージSkを用いて前記同様の充填材j1,j4を充填した。
複数の貫通孔h1,h4が充填材j1,j4により閉塞された積層体K6xを再度焼成した後、これに対し前記同様のメッキ工程を施すことで、前記図17,図18に示した配線基板K6が得られた。
尚、前記配線基板K7,K8も、上述した方法と同様な方法により製造できた。
以上のような配線基板K6の製造方法によれば、前記配線基板K1,K3,K5の製造方法と同様な効果を奏することができ、しかも、前記昇華性樹脂(仮充填材)kjを充填し、これをガス化して放出する工程を省略することができる。
図23は、更に別個の形態である配線基板K9を示す垂直断面図である。
配線基板K9は、図23に示すように、前記同様な複数のセラミック層s1〜s8からなり、表面3、裏面4、および外壁面5a(5b)を有する基板本体2d、中層のセラミック層s2,s3とセラミック層s5,s6との内側に形成された上層側の中空部6dおよび下層側の中空部6eと、該中空部6eの床面8および中空部6dの天井面7に形成された単一の導体層10,17と、前記同様の配線層11、表・裏面端子12,13,18、ビア導体14〜16,19とを備えている。
上記2層の中空部6d,6eは、中層のセラミック層s4により形成される仕切り壁9fによって上下に分割されている。
基板本体2dの表面3と上層側の中空部6dの天井面7との間には、内壁面9近傍の位置に前記同様な複数の貫通孔h1が貫通し、該貫通孔h1には、それぞれ充填材j1が充填されている。また、基板本体2dの外壁面5aと下層側の中空部6eの内壁面9との間には、床面8付近に前記同様な複数の貫通孔h4が貫通し、該貫通孔h4には、それぞれ充填材j4が充填されている。
更に、前記仕切り壁9fには、中空部6d,6e間を貫通する複数の通気孔hyが内壁面9の近傍に形成されている。尚、表・裏面端子12,13,18の表面には、前記同様のメッキ膜fmが被覆されている。
以上のような配線基板K9によっても、前記配線基板K1〜K5と同様な効果を奏することができる共に、電気的特性が相違する導体層10,17を離隔した中空部6d,6eに分離して配置することもできる。
以下に、上記配線基板K9を得るための第2の製造方法について説明する。
予め、前記同様にして8層のグリーンシートg1〜g8を製作した。
次いで、図24に示すように、最上層のグリーンシートg1における所定の位置ごとに、打ち抜き加工を施し、複数の貫通孔h1を形成した。また、追って2層ずつの中層のセラミック層s2,s3、s5,s6となるグリーンシートg2,g3、g5,s6に対し、平面視が長方形の透孔Sa〜Sdを、パンチングによって形成した。また、追って中層のセラミック層s4となるグリーンシートg4における所定の位置に、複数の通気孔hyを形成した。更に、グリーンシートg6の裏面側に前記同様の切り欠きh4xを複数個形成した。加えて、前記セラミック層s1〜s8となるグリーンシートg1〜g8における所定の位置ごとに、打ち抜き加工を施して、それぞれビアホールvhを形成した。
次に、図24に示すように、前記同様にして、前記ビアホールvhごとに導電性ペーストを充填し、未焼成のビア導体vpを個別に形成した。また、最上層のグリーンシートg1と、最下層およびその表面上に積層されるグリーンシートg7,g8との表面および裏面の少なくとも一方に、前記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷し、未焼成の導体層10,17、配線層11、表面端子12,18、裏面端子13を形成した。
次いで、前記グリーンシートg2〜g4、g5〜g8を積層し、得られた2組の箱形状の積層体ごとにおける凹部内に、前記昇華性樹脂(仮充填材)kjを充填した後、これらを含むグリーンシートg1〜g8を積層・圧着した。
得られた未焼成の積層体を脱脂および焼成して、内側に上下の中空部6d,6eを有する基板本体2dからなる焼成済みの積層体を得た。
更に、該基板本体2dの表面3と複数の中空部6dの天井面7との間を貫通する複数の貫通孔h1、および基板本体2dの外壁面5aと中空部6eの内壁面9の下端部との間を貫通する複数の貫通孔h4に対し、前記同様にして充填材j1,j4を充填した。
そして、複数の貫通孔h1,h4が充填材j1,j4により閉塞された積層体を再度焼成した後、これに対し前記同様のメッキ工程を施すことで、前記図23に示した配線基板K9が得られた。
以上のような配線基板K9を得るための第2の製造方法によれば、基板本体2dの内側に上下2層の中空部6d,6eを有し、これらが外部から閉塞され、且つ該中空部6d,6e内に形成された単一の導体層10,17をメッキ処理によるメッキ膜が被覆されていない状態で密封できた。しかも、脱脂が十分に行われ、形状・寸法精度が高く、表面端子12,18や裏面端子13の表面にメッキ膜fmが被覆された配線基板K9を確実に製造することができた。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記セラミック層は、ガラスーセラミック(例えばアルミナ)などの低温焼成セラミックからなるものとし、前記単一の導体層などの導体をAgまたはCuからなるものとしても良い。この形態では、前記充填材には、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂が適用される。
また、前記中空部は、1層のセラミック層の内側にのみ形成しても良い。
更に、前記中空部の床面は、最下層のセラミック層の表面とし、かかる表面に前記単一の導体層を形成した形態としても良い。
また、前記平面視が複数の長方形を呈する中空部は、該中空部の長方形ごとの長手方向が、平面視で長方形を呈する基板本体の長辺に沿って形成しても良い。
また、基板本体の内側で上下に3個以上の中空部を有する形態の配線基板としても良い。
加えて、前記基板本体は、平面視で正方形ないしほぼ正方形を呈する形態としても良い。
本発明による一形態の配線基板を示す垂直断面図。 図1中のX−X線の矢視に沿った水平断面図。 上記配線基板の応用形態の配線基板を示す垂直断面図。 異なる形態の配線基板を示す垂直断面図。 上記配線基板の応用形態の配線基板を示す垂直断面図。 更に異なる形態の配線基板を示す垂直断面図。 図1,2に示す配線基板を得るための第1の製造方法の一工程を示す概略断面図。 図7に続く工程を示す概略断面図。 図8に続く工程を示す概略断面図。 図9に続く工程を示す概略断面図。 図10に続く工程を示す概略断面図。 図3に示す配線基板を得るための第1の製造方法の一工程を示す概略断面図。 図6に示す配線基板を得るための第1の製造方法の一工程を示す概略断面図。 図13に続く工程を示す概略断面図。 図14に続く工程を示す概略断面図。 図15に続く工程を示す概略断面図。 別の形態の配線基板を示す垂直断面図。 図17中のY−Y線の矢視に沿った水平断面図。 更に別の形態の配線基板を示す水平断面図。 別異なる形態の配線基板を示す水平断面図。 図17,18に示す配線基板を得るための第1の製造方法の一工程を示す概略断面図。 図21に続く工程を示す概略断面図。 別個の形態の配線基板を示す垂直断面図。 図23に示す配線基板を得るための第2の製造方法の工程を示す概略断面図。
符号の説明
K1〜K9………………………配線基板
2,2a〜2d…………………基板本体
3…………………………………表面
4…………………………………裏面
5a,5b………………………外壁面
6,6a〜6e…………………中空部
7…………………………………天井面
8…………………………………床面
9,9b,9d…………………内壁面
9a,9c,9e,9f………仕切り壁
10,10a〜10c,17…単一導体層
12,18………………………表面端子(外部導体層)
13………………………………裏面端子(外部導体層)
s1〜s8………………………セラミック層
g1〜g8………………………グリーンシート
h1〜h4………………………貫通孔
hy………………………………通気孔
j1〜j4………………………充填材
kj………………………………樹脂(仮充填材)
fm………………………………メッキ膜
h3y,h4x…………………切り欠き部
Sa〜Sd,Saa〜Sca…透孔
da………………………………貫通孔の断面積
sa………………………………中空部の断面積/面積
va………………………………単一の導体層の面積
GS1,GS5…………………未焼成の積層体

Claims (13)

  1. 複数のセラミック層を積層してなり、平面視が矩形の表面、裏面、およびこれらの間に位置する4つの外壁面を有する基板本体と、
    上記基板本体の内部に形成され、且つ上記複数のセラミック層のうち、少なくとも最上層と最下層のセラミック層を除いた少なくとも1層からなる中層のセラミック層の内側に形成された中空部と、
    上記中空部の床面および天井面を形成する上層側および下層側のセラミック層の表面および裏面の少なくとも一方に平面形状に形成された単一の導体層と、
    上記中空部の天井面、床面、または内壁面と、上記基板本体の表面、裏面、または外壁面との間を貫通し、且つ上記導体層のない領域に開口する貫通孔と、を備えた配線基板であって、
    上記貫通孔は、該貫通孔に充填材を充填することにより閉塞されており
    上記単一の導体層の表面には、メッキ膜が被覆されておらず、上記基板本体の表面および裏面に露出して形成される外部導体層の表面には、メッキ膜が被覆されている
    ことを特徴とする配線基板。
  2. 前記貫通孔の平面視または側面視における断面積は、前記中空部の平面視または側面視における断面積よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記単一の導体層の平面視における面積は、前記中空部の床面または天井面の平面視における面積よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記中空部は、前記中層のセラミック層に形成された仕切り壁によって、複数個に分割され、それぞれが平面視で六角形を呈し、且つ全体がハニカムコア状に配列されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配線基板。
  5. 前記中空部は、前記中層のセラミック層に形成された仕切り壁によって、互いに平行な平面視で複数の長方形に分割されているか、あるいは、それぞれが平面視で複数の円形に分割されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  6. 前記中空部は、前記中層のセラミック層に形成された仕切り壁によって、上層側と下層側との複数個に分割されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  7. 前記複数の中空部は、前記仕切り壁を貫通する通気孔を介して、互いに連通している、
    ことを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  8. 前記最上層の表面と前記中空部の天井面との間を貫通する貫通孔は、平面視で該中空部における何れかの内壁面側近傍の天井面に開口している、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  9. 前記最上層の表面と前記中空部の内壁面との間を貫通する貫通孔は、側面視でほぼL字形を呈している、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  10. 追って最上層、最下層、およびこれらに挟まれる1層以上の中層のセラミック層となるグリーンシートの少なくとも1つに、厚み方向に沿った貫通孔、および平面方向に沿った切り欠き部の少なくとも1つを形成する工程と、
    少なくとも追って最上層および最下層を除く中層のセラミック層となる一層以上のグリーンシートに透孔を形成する工程と、
    追って最下層またはその上方に積層される下層側のセラミック層となるグリーンシートの表面、および追って最上層またはその下方に積層される上層側のセラミック層となるグリーンシートの裏面の少なくとも一方に、平面形状で且つ単一の導体層を形成する工程と、
    少なくとも、上記貫通孔または切り欠き部が形成されたグリーンシート、上記透孔が形成された1層以上のグリーンシート、および上記単一の導体層が形成されたグリーンシートを厚み方向に沿って積層して、内部に中空部を有する未焼成の積層体を形成する積層工程と、
    上記未焼成の積層体を焼成するか、あるいは脱脂し更に焼成する工程と、
    上記焼成により得られた複数のセラミック層を積層してなる基板本体の表面と中空部の天井面との間あるいは基板本体の裏面と中空部の床面との間を貫通する前記貫通孔、基板本体の外壁面と中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部により形成された貫通孔、および、基板本体の表面と中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部を含む側面視がほぼL字形の貫通孔の少なくとも1つに充填材を充填して、かかる貫通孔を閉塞する工程と、
    上記貫通孔を閉塞する工程の後において、上記基板本体の表面および裏面に露出して形成された外部導体層の表面に、メッキ膜を被覆する工程と、を含む、
    ことを特徴とする配線基板の製造方法。
  11. 追って最上層、最下層、およびこれらに挟まれる1層以上の中層のセラミック層となるグリーンシートに、厚み方向に沿った貫通孔、および平面方向に沿った切り欠き部の少なくとも1つを形成する工程と、
    追って最上層、最下層、および追って仕切り壁となる中層のセラミック層を除く、中層のセラミック層となる少なくとも一層以上のグリーンシートに透孔を形成する工程と、
    追って最下層またはその上方に積層される下層側のセラミック層となるグリーンシートの表面、追って最上層またはその下方に積層される上層側のセラミック層となるグリーンシートの裏面、および追って仕切り壁である中層のセラミック層となるグリーンシートの表面と裏面との少なくとも1つに、平面形状で且つ単一の導体層を形成する工程と、
    少なくとも、上記貫通孔または切り欠き部が形成されたグリーンシート、上記透孔が形成された1層以上のグリーンシート、および上記単一の導体層が形成されたグリーンシートを厚み方向に沿って積層して、内部に上下方向に沿って複数の中空部を有する未焼成の積層体を形成する積層工程と、
    上記未焼成の積層体を焼成するか、あるいは脱脂し更に焼成する工程と、
    上記焼成により得られた複数のセラミック層を積層してなる基板本体の表面と上層側の中空部の天井面との間あるいは基板本体の裏面と下層側の中空部の床面との間を貫通する前記貫通孔、基板本体の外壁面と何れか1つの中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部により形成された貫通孔、および、基板本体の表面と上層側の中空部の内壁面との間を貫通し且つ前記切り欠き部を含む側面視がほぼL字形の貫通孔の少なくとも1つに充填材を充填して、かかる貫通孔を閉塞する工程と、
    上記貫通孔を閉塞する工程の後において、上記基板本体の表面および裏面に露出して形成された外部導体層の表面に、メッキ膜を被覆する工程と、を含む、
    ことを特徴とする配線基板の製造方法。
  12. 前記透孔を形成する工程と前記積層工程との間に、前記一層または複数層のグリーンシートの透孔に、昇華性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂からなる仮充填材を充填する工程を有する、
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の配線基板の製造方法。
  13. 追って前記仕切り壁となる少なくとも1層の中層のグリーンシートには、平面視で隣接する複数の中空部を連通する通気孔、あるいは上層側および下層側の中空部を連通する通気孔が形成される、
    ことを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
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