JP6442136B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
更に、上記ショートを防ぐため、前記つば部を設けることなく、前記貫通孔に穴埋めされる棒状の導電ペーストと前記ランドとを、両者の内・外周面の間においてのみ接続することも可能である。しかし、かかる接続構造にした場合、前記導電ペーストとランドとの接触面積が小さくなると共に、両者間における接着強度が不足して、電気的な接続不良を招く場合がある、という問題があった。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、単数の絶縁層からなるか、あるいは複数の絶縁層を積層してなり、一対の表面を有する基板本体と、該基板本体において、少なくとも1つの絶縁層における少なくとも一方の表面に形成された導体層と、該導体層を表面に有する上記絶縁層を貫通し、且つ該導体層をも連続して貫通する貫通導体と、を備えた配線基板であって、上記導体層の上面には、上記貫通導体の端部側から該貫通導体の径方向に沿って拡がるフランジ部が形成され、上記貫通導体の端部は、前記フランジ部の上面よりも上方に突出しており、該フランジ部の少なくとも外縁側における導電率は、上記貫通導体の導電率よりも低い、ことを特徴とする。
更に、前記貫通導体の端部が前記フランジ部の上面よりも上方に突出しているので、該貫通導体の端部と、前記基板本体の表面上に実装すべき電子部品の電極とを直に接触させるか、あるいは、両者の間に挟まれたロウ材の薄い膜を介して、上記電子部品のロウ付けによる実装が行える。その結果、比較的少量のロウ材により、上記電子部品の電極と、貫通導体の端部との間における電気的導通を確実且つ容易に取ることが可能となる。
しかも、前記フランジ部が貫通導体と一体であることにより、該貫通導体が貫通している前記導体層と貫通導体との接触面積が比較的大きくなるので、該導体層と貫通導体との密着強度および電気的接続を容易に確保することも可能となる。
従って、例えば、基板本体の表面に電子部品を高密度で実装できる配線基板や、あるいは、Siウェハにおける同一面状に形成された多数の電子部品の検査を正確に行うための検査用配線基板に好適な配線基板を提供することが可能となる。
また、前記基板本体における一対の表面とは、相対的な名称であり、例えば、1つの絶縁層において互いに対向する表面および裏面を指称するものである。
更に、前記導体層は、例えば、Cuからなり、基板本体の表面上に追って実装する電子部品(例えば、ICチップ)の電極とロウ付けにより接合され、あるいは電子部品の電極と接触するプローブが接合される表面端子、または、当該基板本体を搭載するマザーボード(例えば、プリント基板)の電極と電気的に接続するための導体ピンがロウ付けされる裏面(表面)端子、あるいは上記マザーボードの電極とロウ付けされる裏面端子などが例示される。
また、前記フランジ部は、平面視において、前記貫通導体を中心部とするほぼ円形状、あるいは非円形状の任意な形状(変形多角形など)を呈する。
更に、前記フランジ部の厚みは、約数μm〜10μmである。
加えて、前記フランジ部の少なくとも外縁側の導電率と前記貫通導体の導電率とは、少なくとも前者が後者よりも10mS/cm低い。あるいは、少なくとも前者と後者との電気伝導率の差は、少なくとも10mS/cmである。
これによれば、前記導電率の低さに加えて、前記フランジ部の少なくとも外縁側に含まれている樹脂の吸水率が前記絶縁層の吸水率よりも小さいので、該フランジ部から水分を介したマイグレーションも防ぐか抑制することが可能となる。従って、隣接する導体層間におけるショートを一層確実に抑制し得る。
尚、前記フランジ部の外縁側を構成する前記樹脂の吸水率と前記絶縁層の吸水率とを比較すると、少なくとも前者が後者の約5〜50%である。これに合致する組み合わせとしては、前記絶縁層がポリイミドからなり、前記フランジ部の外縁側に含まれる樹脂がエポキシ系樹脂からなる組み合わせが挙げられる。
これによれば、前記導体層が前記基板本体における一方あるいは双方の表面に形成された表面導体層または裏面導体層(表面導体層)であるため、例えば、基板本体の表面に電子部品を高密度で実装できる配線基板としたり、あるいは、搭載されるべきプリント基板などのマザーボードの表面に形成された多数の電極との間において、正確な電気的導通が取れる配線基板とすることが可能となる。
これによれば、前記フランジ部は、前記導体層の上面における前記貫通導体の周囲側のみを被覆しており、且つ該導体層の上面における上記周囲側を含む周辺側を被覆していない。その結果、前記貫通導体の端部に加えて、導体層の上面における周辺側との間においても、実装すべき電子部品の電極との間で更にロウ付けすることで、一層確実な電気的導通を確保することが可能となる。
また、前記導電性ペーストは、例えば、Ag粒子(約90wt%、平均粒径数μm(5μm未満))、エポキシ樹脂(約10wt%)、および溶剤などからなる。
更に、前記絶縁層と導体層とは、例えば、ポリイミド樹脂製のシートの片面に銅箔を予め貼り付けた導体付き絶縁層を用い、該Cu箔に対し、フォトリソグラフィ技術を施すことで、平面視で所要パターンを呈する前記導体層が成形される。
加えて、前記フランジ部は、主に液状のエポキシ樹脂と溶剤とからなり、前記マスクを除去した直後に、該マスクの通し孔に隣接していた位置から(表面)導体層の上面において貫通孔のほぼ径方向に沿って流れ出た樹脂系の組成物であり、硬化処理(約100〜200℃に加熱する所謂キュア処理)することにより、平面視でほぼ円形状あるいは非円形状(例えば、花弁形状、アメーバ状など)になって硬化する。
これによれば、前記マスクに開設される通し孔の内径と前記導体層の上面に開口する前記貫通孔の内径と同じである場合、貫通導体には、その直径とほぼ同じ外径の端部を形成できる。一方、上記通し孔の内径が上貫通孔の内径よりも大きい場合、貫通導体には、その直径よりも太径の端部を形成できる。その結果、例えば、貫通導体の端部を主体に実装する電子部品の電極との導通を取ったり、あるいは、貫通導体の端部と導体層の上面における周辺側との双方によって、実装する電子部品の電極との導通を取ることを、容易に設設計することが可能となる。
これによれば、前記導体層の上面における周囲側を含む周辺側は、前記フランジ部に被覆されていないので、該導体層の周辺側をも含めて、実装すべき出新部品との導通を取ったり、あるいは厚み方向で隣接する絶縁層に形成された別の貫通導体との導通を取る場合にも、容易に対応することが可能となる。
図1は、本発明による一形態の配線基板1aの要部を示す垂直断面図、図2は、図1の平面図である。
配線基板1aは、図1,図2に示すように、ポリイミドからなる単層の絶縁層rからなり、表面3および裏面(表面)4を有する基板本体2と、該基板本体2の表面3に比較的高密度で形成された複数の表面導体層(導体層)10と、上記基板本体2の表面3と裏面4との間を貫通し、且つ上記表面導体層10をも連続して貫通する貫通孔5に形成された貫通導体6とを備えている。前記貫通導体6の上端側には、表面導体層10の上面に沿って貫通導体6の径方向に拡がるフランジ部8が該貫通導体6と一体に接続されている。該フランジ部8の厚みは、約数μm〜10μmである。かかるフランジ部8の上面よりも上方(外側)には、約数10μm(例えば、20〜30μm)程度の高さで突出する貫通導体6の端部7が立設されている。
尚、前記貫通孔5は、パンチングによる打ち抜き加工により軸方向が直線状の円筒形を呈するが、例えば、前記基板本体2の表面3側からレーザを照射するレーザ加工により形成した場合には、表面3から裏面4に向かって徐々に直径が小さくなるテーパを有するほぼ円錐形状となり、前記貫通導体6も該形状と相似形になる。
また、前記基板本体2の裏面4には、各貫通導体6の下端部と個別に接続する裏面端子12が形成されている。
前記貫通導体6は、主にAgからなり、表面導体層10および裏面端子12は、Cuからなる。一方、前記フランジ部8は、主にエポキシ系樹脂からなるが、前記貫通導体6の周囲に近付くに連れて、Ag粉末の含有量が傾斜状に増加する複合材の組成を有している。
そのため、少なくとも、前記フランジ部8の外縁9側の導電率は、貫通導体6の導電率よりも約10mS/cm(比で約30〜50%)程度低くなっている。また、前記フランジ部8を構成するエポキシ樹脂の吸水率は、前記絶縁層rを形成するポリイミドの吸水率よりも約10%程度小さい。
(1)フランジ部8の外縁9側に含まれる樹脂の組成を、EDS(エネルギー分散型X線分光法)分析、あるいはFT−IR(フーリエ変換赤外分光法)分析の何れかで特定する。
(2)上記(1)により特定された樹脂と同じ材料であって、吸水率を測定するのに十分なサイズを有するサンプルを準備し、IPC−TM−650 2.6.2の規格に準じた以下の(a)〜(c)の手順によって吸水率を測定する。
(a)乾燥時のサンプルの重量W1を測定する。
(b)水に浸した後の上記サンプルの重量W2を測定する。
(c)吸水率(%)を「(W1−W2)/W1×100」の式により算出する。
また、前記絶縁層rや後述する絶縁層r1の吸水率も上記方法によって測定した。
しかも、前記フランジ部8が貫通導体6と一体であり、該貫通導体6が貫通している前記表面導体層10との接触面積が比較的大きいので、該表面導体層10と貫通導体6との密着強度および電気的な接続を容易に確保することもできる。従って、基板本体2の表面3上に電子部品14を高密度で実装することができる。
配線基板1bは、図3に示すように、前記絶縁層rのみからなる基板本体2と、該基板本体2の表面3および裏面4に個別に形成した前記同様の表面導体層10および裏面導体層(表面導体層、導体層)11と、上記絶縁層r、表面導体層10、および裏面導体層11を連続して貫通する貫通孔5内に形成された貫通導体6とを備えている。表面導体層10の上面、および裏面導体層11の下面(上面)には、上記貫通導体6から径方向に沿って拡がるフランジ部8がほぼ上下対称に形成されている。尚、貫通導体6は、裏面4側にも端部7が突出している。
前記フランジ部8は、図3に示すように、その外縁9側の外領域8bと、貫通導体6の周囲側の内領域8aとからなる。このうち、外縁9側の外領域8bは、主にエポキシ樹脂からなるため、その導電率は、貫通導体6の導電率よりも低い。一方、上記内領域8aは、外領域8bよりも比較的Ag粉末を多く含んでいる。
以上のような配線基板1bによれば、前記配線基板1aと同様な効果を奏すると共に、比較的少量のロウ材13を介して導体ピン16を接合でき、該配線基板1bを搭載すべきマザーボードとの電気的接続も容易且つ確実に取ることが可能となる。
尚、前記配線基板1a,1bにおける絶縁層rは、例えば、アルミナを主成分とするセラミックからなるものとしても良い。但し、前記フランジ部に含まれる樹脂の吸水率は、上記セラミックの吸水率よりも小さいことが望ましい。
配線基板20は、図4に示すように、ポリイミドからなる前記同様の絶縁層r1,r2を積層した上層側の樹脂絶縁部2aと、例えば、アルミナを主成分とするセラミックの絶縁層c1〜c3を積層した下層側のセラミック絶縁部2bとを積層してなり、表面23および裏面(表面)24を有する基板本体22を備えている。
図4,図5に示すように、上層側の樹脂絶縁部2aは、表面23に複数の表面導体層10が比較的接近して形成され、該表面導体層10および絶縁層r1を貫通する貫通導体6の上端側には、上記導体層10の上面における貫通導体6の径方向に沿って拡がる前記同様のフランジ部8と、該フランジ部8の上面よりも上方に突出する前記同様の端部7とが形成されている。
尚、絶縁層r2を貫通する貫通導体6の上端には、フランジ部8の上面から上方に突出する前記端部7がなく、絶縁層r1を貫通する貫通導体6の下端とほぼ直に接続している。上記端部7がないのは、後述する製造方法の積層および圧着工程で、上下の貫通導体6同士の当接により、圧縮されたことによる。また、図5中の符号wは、接着剤層を示す。
図4,図5に示すように、基板本体22の表面23に位置する複数の貫通導体6の端部7ごとの上方には、前記同様のロウ材13を介して、追って複数のプローブピン29の基フランジ28が個別に接合される。該プローブピン29は、図示しないSiウェハの表面に形成された多数の電子部品の電気的特性を検査するために用いられる。
即ち、前記配線基板20は、電子部品の検査用配線基板であり、基板本体22の表面23側に複数のプローブピン29を高密度で配設するためのものである。
更に、前記同様にして、前記導体層10,19と貫通導体6との密着強度および電気的な接続を容易に確保することもできる。従って、検査すべき多数の電子部品の電気的特性を正確に測定できる配線基板20となっている。
予め、図6(A)に示すように、ポリイミドからなる絶縁層rの表面3に銅箔からなる導体層10aを積層した導体付き絶縁層Z1を準備した。
次に、図6(A)中の矢印で示すように、導体付き絶縁層Z1の導体層10a側から、所定の位置ごとレーザLを照射した。尚、該レーザLには、UVレーザを用いた。その結果、図6(B)に示すように、導体層10aと絶縁層rの裏面4との間に、上端の開口径が約40μmであり、内面に僅かなテーパを有する貫通孔5が所定位置ごとに形成された。
次いで、図7(A)に示すように、上記貫通孔5の開口部を囲み且つ該開口部と同じ内径の通し孔32を有し、且つ厚みが数10μmのスクリーンマスク(マスク)30を、上記貫通孔5と通し孔32とが同心となるように、前記導体付き絶縁層Z1の導体層10a上に載置した。かかる状態で、図7(B)に示すように、上記通し孔32と貫通孔5とに対し、Ag粉末とエポキシ樹脂とを含む導電性ペースト34を充填した。該導電性ペースト34は、貫通孔5内を埋めた貫通部36と、通し孔32内の上端部37とからなる。
引き続いて、図8(A)に示すように、前記マスク30を前記導体層10aの上から除去した。かかる除去とほぼ同時に、図8(B)中の矢印で示すように、前記導電性ペースト34に含まれていた液状のエポキシ樹脂が、導体層10aの上面を前記貫通孔5の径方向に沿って、該貫通孔5の周縁からその外周側に向かって流れ出た。その結果、上記樹脂を主成分とし、且つ平面視がほぼ円形状を呈するフランジ部38が前記導電性ペースト34の上端側と一体に形成された。
また、前記絶縁層rの裏面4における貫通導体6の下端面が露出する位置ごとにも、スクリーンマスクを介して、前記同様の導電性ベーストを所定パターンで形成して、未硬化状態である複数の裏面端子12(図示せず)を形成した。
その結果、図9(A)に示すように、前記貫通部36は、主にAgからなる貫通導体6となり、その上端である端部7が下記のフランジ部8の上面よりも上方に突出しており、該端部7の周囲には、導体層10aの上面における貫通導体6の径方向に沿って拡がって硬化したエポキシ樹脂を主成分とする厚みが約数μm〜10μmのフランジ部8が形成された。
尚、上記フランジ部8のうち、貫通導体6の周囲側である内領域(8a)には、Ag粉末が若干残留していた。また、前記絶縁層rの裏面4には、図示しない複数の裏面端子12が硬化されていても良い。
そして、前記導体層10aを形成する銅箔に対し、その上面への感光性樹脂の被覆、該樹脂に対する紫外線のパターン照射、および現像(腐蝕)液の接触、および上記樹脂の剥離などからなるフォトリソグラフィ技術を用いたパターニングを施した。
最後に、外部に露出する前記貫通導体6の端部7、表面導体層10、および裏面端子12の表面に対し、電解メッキを施して、Niメッキ膜およびAuメッキ膜を順次被覆した。これによって、前記図1,図2で示した前記配線基板1aを得ることができた。
尚、前記貫通孔5は、パンチングによる打ち抜き加工、エッチング加工、あるいは炭酸ガスレーザやエキシマレーザなどの照射によって形成しても良い。
また、前記導体付き絶縁層Z1は、前記絶縁層rの表・裏面3,4の双方に銅箔からなる導体層10a,10bを予め形成した導体付き絶縁層Z2としても良い。
図10(A)に示すように、予め、前記絶縁層rの表・裏面3,4の双方に銅箔からなる導体層10a,10bを予め形成した導体付き絶縁層Z2を準備する工程と、該絶縁層Z2を打ち抜き加工して前記貫通孔5を形成する工程と、該貫通孔5の中間位置まで図示しない塞ぎ棒を導体層10b側の開口部から挿入し且つ導体層10aの開口部側に前記マスク30を配置した状態で、前記導電性ペースト34を充填する工程と、該ペースト34を硬化処理することにより貫通導体6aを形成する工程とを順次行った。そして、前記絶縁層Z2を上下逆にすることで、図10(A)に示す状態とした。
次に、図10(B)に示すように、前記貫通孔5の導体層10b側の開口部からも、前記導電性ペースト34を充填する工程と、該導電性ペースト34などを硬化処理することにより通導体36を形成する工程とを順次行った。更に、前記同様のメッキ工程を行った。その結果、前記図3で示した前記配線基板1bを得ることができた。
以上のような配線基板1bの製造方法によっても、前記配線基板1aの製造方法と同様な効果を奏することができた。
予め、図11(A)に示すように、前記同様に準備した導体付き絶縁層Z1の導体層10a側からレーザ加工による貫通孔5を形成した後、該貫通孔5の開口部を囲み且つ貫通孔5の導体層10a側の内径よりも大きな内径の通し孔33を有するスクリーンマスク31を、通し孔33と貫通孔5とが同心状となるようにして、導体層10aの上面に載置した。
かかる状態で、図11(B)に示すように、上記貫通孔5および通し孔33内に、前記同様の導電性ペースト34aを充填した。
次いで、図12(A)に示すように、上記マスク31を除去した。その結果、充填された導電性ペースト34aにおける貫通部36の上端には、平面視で貫通孔5の前記内径よりも大径である端部37aが形成された。
そして、図12(B)に示すように、導電性ペースト34aおよびフランジ部38を硬化処理して、それぞれ前記同様の貫通導体6およびフランジ部8とした後、前記同様にして導体層10aを所定パターンの表面導体層10に形成した。
前記マスク31を用いた配線基板の製造方法によれば、図12(B)に示すように、前記端部7に比べて大径の端部7aを有する貫通導体6と、前記同様のフランジ部8とを含むと共に、前期同様の効果を奏する配線基板が得られた。
更に、上記方法により得られた配線基板では、大径の端部7aの上方に前記導体ピン16またはプローブピン29を容易且つ強固に接合することも可能となる。
予め、絶縁層r1,r2の表面3ごとに導体層10aを形成した2枚の導体付き絶縁層Z1を準備する工程と、該絶縁層Z1ごとの導体層10a側からレーザ加工による貫通孔5を形成する工程と、該貫通孔5内および前記マスク30の通し孔32内ごとに前記同様の導電性ペースト34を充填する工程、上記マスク30を除去し且つ前記同様のフランジ部8を形成する工程と、該フランジ部8および上記ペースト34を硬化処理する工程と、導体層10aごとに対してフォトリソグラフィ技術を施して、複数の表面導体層10または層間導体層19を形成する工程を順次行った。尚、上記絶縁層r1,r2の裏面4側には、予め、それぞれ接着剤層wが形成してあった。
その結果、図13に示すように、絶縁層r1,r2と、これらの表面3ごとに形成された複数の前記導体層10,19とを有し、かかる導体層10,19および絶縁層r1または絶縁層r2を連続して貫通する貫通導体6と、上記導体層10,19ごとの上面における貫通導体6の周囲側のみを被覆するフランジ部8とを有する2つの単位基板k1,k2が得られた。
次いで、上記3枚のグリーンシートを所定順に積層し且つ圧着した後、該グリーンシートの積層体を焼成することによって、各グリーンシートが焼成されたセラミックの絶縁層c1〜c3と、これらと同時に焼成された配線層25、直線状または僅かなテーパを有する円錐形状のビア導体26、裏面端子27とを有するセラミック絶縁部2bを形成した。
その結果、図14に示すように、前記単位基板k1,k2の絶縁層r1,r2からなる前記樹脂絶縁層2aとセラミック絶縁部2bとから構成された基板本体22と、絶縁層r1,r2を貫通する上下2本の貫通導体6と、セラミックの絶縁層c1〜c3を厚み方向に沿って貫通する直線状のビア導体26などとを備えた配線基板20が得られた。尚、前記絶縁層r2側の貫通導体6の端部7は、前記圧着時において、厚み方向に沿って圧縮されていた。
上記配線基板20では、その基板本体22の表面23において隣接する表面導体層10同士間や、貫通導体6同士間におけるマイグレーションは、上記導体層10ごとの上面における貫通導体6の周囲側のみを被覆するフランジ部8により、なくすか抑制されていた。更に、絶縁層r1,r2間において隣接する層間導体層19同士間や、これらを貫通する貫通導体6同士間でのマイグレーションも、上記導体層19ごとの上面における貫通導体6の周囲側のみを被覆するフランジ部8により、なくすか抑制されていた。
従って、基板本体22の表面23の上方に突出する貫通導体6ごとの端部7の上に前記プローブピン29を接合して立設することで、Siウェハに形成された多数の電子部品ごとの電気的特性を正確に測定できる検査用配線基板20を、確実に提供できることが可能となった。
尚、上記貫通導体6ごとの端部7の上に前記導体ピン16を立設しても良い。
例えば、前記絶縁層rは、ポリイミド以外の樹脂、あるいは各種のセラミックからなるものであっても良い。
また、前記導電性ペースト34は、金属成分として、Ag粒子を含むものに限らず、Cu粒子を含むものや、Ag粒子とCu粒子の双方を含むなど他の導電性ペーストを用いても良い。
更に、前記基板本体は、3層以上の前記絶縁層rを積層した形態や、1層,2層,あるいは4層以上のセラミックの絶縁層cを積層した形態としても良い。
また、前記表面導体層10や層間導体層19を所定のパターンに形成する工程は、前記絶縁層Z1,Z2を準備した工程の直後、あるいは貫通孔5を形成する工程の直後において行っても良い。
更に、前記マスクには、薄い金属板のメタルマスク、樹脂フィルム、あるいはセラミックグリーンシートなどを用いても良い。
加えて、前記配線基板1a,1b,20などの製造方法は、多数個取りの形態によって行うことも可能である。
2,22……………基板本体
3,23……………表面
4,24……………裏面(表面)
5……………………貫通孔
6……………………貫通導体
7,7a……………貫通導体の端部
8……………………フランジ部
9……………………フランジ部の外縁
10,11…………表面/裏面導体層(導体層)
10a,10b……導体層
19…………………層間導体層(導体層)
30,31…………スクリーンマスク(マスク)
32,33…………通し孔
34,34a………導電性ペースト
r,r1,r2……絶縁層
c1〜c3…………絶縁層
Z1,Z2…………導体付き絶縁層
Claims (7)
- 単数の絶縁層からなるか、あるいは複数の絶縁層を積層してなり、一対の表面を有する基板本体と、
上記基板本体において、少なくとも1つの絶縁層における少なくとも一方の表面に形成された導体層と、
上記導体層を表面に有する上記絶縁層を貫通し、且つ該導体層をも連続して貫通する貫通導体と、を備えた配線基板であって、
上記導体層の上面には、上記貫通導体の端部側から該貫通導体の径方向に沿って拡がるフランジ部が形成され、上記貫通導体の端部は、前記フランジ部の上面よりも上方に突出しており、
上記フランジ部の少なくとも外縁側における導電率は、上記貫通導体の導電率よりも低く、
上記貫通導体は、上記絶縁層及び上記導体層を貫通する最大開口径が40μm以上50μm以下の貫通孔に充填されており、上記フランジ部は外縁側から上記貫通導体側に近づくに連れて金属粒子の含有量が傾斜状に増加して形成されている
ことを特徴とする配線基板。 - 前記フランジ部の少なくとも外縁側は、樹脂を含んでいると共に、該フランジ部の外縁側を構成する上記樹脂の吸水率は、前記絶縁層の吸水率よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 - 前記フランジ部が上面に形成された前記導体層は、前記基板本体における少なくとも一方の表面に形成された表面導体層である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。 - 前記フランジ部は、前記導体層の上面における前記貫通導体の周囲側のみを被覆している、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配線基板。 - 単数の絶縁層からなるか、あるいは複数の絶縁層を積層してなり、一対の表面を有する基板本体と、
上記基板本体において、少なくとも1つの絶縁層における少なくとも一方の表面に形成された導体層と、
上記導体層を表面に有する上記絶縁層を貫通し、且つ該導体層をも連続して貫通する貫通導体と、を備えた配線基板の製造方法であって、
上記絶縁層における少なくとも一方の表面に導体層を形成した導体付き絶縁層を準備する工程と、
上記絶縁層および上記導体層を連続して貫通する最大開口径が40μm以上50μm以下の貫通孔を形成する工程と、
上記貫通孔の開口部を囲む通し孔を有するマスクを上記導体層の上面に載置した状態で、上記貫通孔および通し孔に液状の樹脂を含む導電性ペーストを充填する工程と、
上記マスクを除去すると共に、上記貫通孔および通し孔に充填された導電性ペーストに含まれる液状の樹脂を、上記貫通孔の周縁から上記導体層の上面に沿って該貫通孔の外周側に流れ出させることで、上記樹脂を含むフランジ部を形成する工程と、
上記導電性ペーストおよびフランジ部を硬化処理する工程と、を含み、
上記導電性ペーストから形成された貫通導体の端部は、上記フランジ部の上面よりも上方に突出するように形成され、
上記フランジ部は外縁側から上記貫通導体側に近づくに連れて金属粒子の含有量が傾斜状に増加するように形成されている
ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記マスクに開設される通し孔の内径は、前記導体層の上面に開口する前記貫通孔の内径と同じか、該貫通孔の内径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。 - 前記フランジ部は、前記導体層の上面における前記貫通導体の周囲側のみを被覆している、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の配線基板の製造方法。
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