JP2012099591A - 電子部品検査用配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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孝俊 東條
Satoshi Hirano
聡 平野
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善明 長屋
Ryota Fukui
良太 福井
Muneyuki Iwata
宗之 岩田
Shinji Suzumura
真司 鈴村
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Abstract

【課題】複数の樹脂絶縁層間に形成された配線層の位置が所定の位置に精度良く配設された樹脂絶縁部を含む電子部品検査用配線基板、および該配線基板を確実に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】厚み方向に沿って積層された複数の樹脂絶縁層z1〜z4と、該樹脂絶縁層z1〜z4の間に配置した配線層6〜8とを有する樹脂絶縁部RZを含む電子部品検査用配線基板1であって、樹脂絶縁層z1〜z4は、熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層4と、該第1樹脂層4の両面に配設され且つ熱可塑性樹脂からなる一対の第2樹脂層5とから構成され、該樹脂絶縁層z1〜z4には、第1樹脂層4と一対の第2樹脂層5とを貫通し且つ一端部のみが上記配線層6〜8と接続されている非通電ビア導体dv1、あるいは、一端部のみが配線層6,7と接続され且つ該配線層6,7に隣接する一方の第2樹脂層5を貫通し、他端部が第1樹脂層4内で留まっている非通電ビア導体dv2が形成されている、電子部品検査用配線基板1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Siウェハなどに多数が形成された半導体素子などの電子部品の特性を検査するための電子部品検査用配線基板およびその製造方法に関する。
半導体素子などの電子部品の特性を検査するため、複数の樹脂絶縁層、これらの間に形成した配線層、および該配線層間を接続し且つ上記絶縁層を貫通するビア導体を含む多層樹脂基板と、該多層樹脂基板の裏面側に積層され、複数のセラミック層、およびこれらを厚み方向に沿って貫通するビア導体を含む多層セラミック基板と、を積層したIC検査装置用基板が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
上記IC検査装置用基板における樹脂絶縁部の主面に設けた複数のパッド上には、IC側の端子に接触する導電性金属からなるプローブが取り付けられる。
ところで、前記IC検査装置用基板のように、複数の樹脂絶縁層および配線層を積層した多層樹脂基板を、複数のセラミック基板を積層して焼成した多層セラミック基板の主面上に圧着して積層する際、当該多層樹脂基板を加熱しつつ圧着している。そのため、上記樹脂絶縁層が熱可塑性樹脂からなる場合、加熱による粘度の低下に伴って移動するため、該熱可塑性樹脂の表面に形成された個々の配線層が当初の形状から変形したり、該配線層の位置が当初の位置からずれ、引いては断線に至る場合もあった。その結果、配線層の変形や断線によって、電子部品の正確な検査を保証し難くなるおそれがあった。
特開2009−76873号公報(第1〜20頁、図1〜16)
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、複数の樹脂絶縁層間に形成された配線層の位置が所定の位置に精度良く配設された樹脂絶縁部を含む電子部品検査用配線基板、および該配線基板を確実に製造できる製造方法を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、配線層が表面に形成される樹脂絶縁層が製造時の加熱・圧着工程において、厚み方向と直交する平面方向に沿って変形しにくくなるように、通常のビア導体のほかに、一端部でのみ配線層に接続され且つ電流が流れない非通電ビア導体を厚み方向沿って配置する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の電子部品検査用配線基板(請求項1)は、厚み方向に沿って積層された複数の樹脂絶縁層と、該樹脂絶縁層の間に配置した配線層とを有する樹脂絶縁部を含む電子部品検査用配線基板であって、上記樹脂絶縁層は、熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層と、該第1樹脂層の両面に配設され且つ熱可塑性樹脂からなる一対の第2樹脂層とから構成され、上記樹脂絶縁層には、上記第1樹脂層と一対の第2樹脂層とを貫通し且つ一端部のみが上記配線層と接続されている非通電ビア導体、あるいは、一端部のみが上記配線層と接続され且つ該配線層に隣接する一方の第2樹脂層を貫通し、他端部が上記第1樹脂層内で留まっている非通電ビア導体が形成されている、ことを特徴とする。
これによれば、製造時の加熱・圧着により各樹脂絶縁層の熱可塑性樹脂からなる第2樹脂層が加熱され、粘度の低下により変形しようとしても、一方の第2樹脂層を貫通し、且つ第1樹脂層の一部または全部を連続して貫通する前記非通電ビア導体が、厚み方向と直交する平面方向(以下、単に平面方向と言う)に沿った移動を抑制ないし低減している。しかも、前記非通電ビア導体は、その一端で配線層に接続しているため、非通電ビア導体と配線層との双方によって、第2樹脂層の平面方向に沿った移動を一層抑制ないし低減している。そのため、各樹脂絶縁層の第2樹脂層の表面に形成されている配線層も、不用意に大きく変形したり、断線していない。従って、電子部品の正確な検査が保証し得る電子部品検査用配線基板となっている。
尚、前記熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とは、例えば、何れもポリイミド系樹脂からなる。
また、前記非通電ビア導体は、CuやCu合金、あるいはAgやAg合金からなり、一端で配線層に接続されているが、他端は、配線層もしくは他のビア導体とは接続されていない。
更に、前記非通電ビア導体は、含有する熱硬化性のバインダ樹脂によって硬化されている。
また、前記樹脂絶縁部の各樹脂絶縁層には、前記非通電ビア導体とは別の位置に、通常の通電されるビア導体が貫通し、該ビア導体の両端は、配線層もしくは他のビア導体に接続されている。
加えて、樹脂絶縁部の表面(主面)には、複数のパッド(外部接続端子)が形成され、該パッドの上面には、検査すべきICなどの端子に接触する導電性金属からなるプローブピンが追って取り付けられる。
また、本発明には、前記非通電ビア導体と配線層との接続は、該非通電ビア導体の一端面または該一端面の一部と配線層における一方の表面との面接触によるか、あるいは、上記ビア導体の一端部が配線層に設けた透孔内に進入した構造によるものである、電子部品検査用配線基板(請求項2)も含まれる。
これによれば、非通電ビア導体の一端と配線層との接続が、前者の端面と後者の表面との面接触による場合は、前記と同様であるが、非通電ビア導体の一端が配線層に設けた透孔内に進入する形態、いわゆる雄雌嵌合の場合には、更に配線層に対する非通電ビア導体自体の剪断応力が加味される。従って、かかる剪断応力が作用する形態では、前記非通電ビア導体が最も厚み方向と直交する平面方向に沿った熱応力を一層抑制ないし低減したものとなっている。
尚、非通電ビア導体と配線層とは、前者に含まれる熱硬化性のバインダ樹脂によって一体的に接続されている。また、前記雄雌構造は、凹部の透孔に凸部である非通電ビア導体の一端部が進入して嵌合している構造を指す。
更に、本発明には、前記配線層は、該配線層の上下に積層された前記樹脂絶縁層ごとの一部または全部を貫通する上下一対の非通電ビア導体と、一対の表面で個別に接続している、電子部品検査用配線基板(請求項3)も含まれる。
これによれば、同じ配線層の両面に、同軸心あるいは軸心が偏倚して上下一対の非通電ビア導体が接続されるので、該一対の非通電ビア導体により、第2樹脂層の表面に形成された配線層の不用意な変形や断線を一層確実に阻止したものにとなる。
尚、前記配線層には、信号配線層や電源配線層のほか、接地導体層も含まれる。
一方、本発明による電子部品検査用配線基板の製造方法(請求項4)は、熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層と、該第1樹脂層の両面に位置し且つ熱可塑性樹脂からなる一対の第2樹脂層と、何れ一方の第2樹脂層の外側面に貼り付けた導体箔とから構成される樹脂絶縁層において、一対の第2樹脂層および第1樹脂層を厚み方向に沿って貫通するビアホール、一方の第2樹脂層を貫通し且つ第1樹脂層の一部に厚み方向に沿って進入するビアホール、あるいは、導体箔と該導体箔に隣接する一方の第2樹脂層とを貫通し且つ第1樹脂層の一部に厚み方向に沿って進入するビアホール、を形成する工程と、上記導体箔の外側面に感光性樹脂フィルムを被覆し、該樹脂フィルムに露光および現像を施すことで、上記樹脂フィルムにエッチング用の開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、上記開口部の底面に露出する導体箔をエッチングして除去し、且つ上記レジストパターンを除去することで、所定パターンに倣った配線層を形成する工程と、上記ビアホールに金属粉末および熱硬化性バインダ樹脂を含む導電性ペーストを充填して、一端部のみが上記配線層と接続した非通電ビア導体を形成する工程と、上記配線層、非通電ビア導体、第1樹脂層および一対の第2樹脂層を有する複数の樹脂絶縁層を厚み方向に積層して、加熱および圧着することにより、複数の樹脂絶縁層と、これらの間に配置された配線層と、何れかの樹脂絶縁層の全部または一部を貫通し、且つ上記配線層と一端部のみで接続する非通電ビア導体とを含む樹脂絶縁部を形成する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、加熱・圧着工程において、各樹脂絶縁層の熱可塑性樹脂からなる第2樹脂層が加熱され、粘度の低下により変形しようとしても、一方の第2樹脂層を貫通し、且つ第1樹脂層の一部または全部を連続して貫通する前記非通電ビア導体が、その一端で更に配線層に接続している。そのため、前記第2樹脂層の厚み方向と直交する平面方向に沿った変形を抑制ないし低減できる。従って、各樹脂絶縁層の第2樹脂層の表面に形成されている配線層は、不用意に変形したり、断線していないので、電子部品の正確な検査が保証し得る電子部品検査用配線基板を確実に提供することができる。
尚、前記導体箔は、例えば、銅箔あるいはAg箔である。
また、前記ビアホールは、例えば、レーザ加工によって形成される。
また、本発明には、前記積層、加熱、および圧着工程は、前記樹脂絶縁部における一対の主面のうち、検査側主面と反対側の主面に、複数のセラミック層または複数の樹脂層を積層してなり、且つ少なくとも厚み方向に沿ったビア導体を含むベース側基板部を併せて積層、加熱、および圧着するものである、電子部品検査用配線基板の製造方法(請求項5)も含まれる。
これによれば、短絡に起因する不用意な前記変形や断線が皆無の配線層を含む樹脂絶縁部と、少なくとも厚み方向に沿ったビア導体を含むベース側基板部とを、積層、加熱、熱圧着して、正確な検査が可能な電子部品検査用配線基板を確実に製造することができる。
尚、ベース側基板部は、前記検査用配線基板をプリント基板などに搭載するための接続部として用いられ、複数のセラミック層あるいは複数の樹脂層を積層し、これらの厚み方向に沿って貫通する複数のビア導体を有し、所定の設計仕様として予め設定されたものが、製造工数的且つ製造コスト的な観点から推奨される。
第1および第2の電子部品検査用配線基板の要部を示す断面図。 上記電子部品検査用配線基板の一製造工程を示す概略断面図。 図2に続く製造工程を示す概略断面図。 図3に続く製造工程を示す概略断面図。 図4に続く製造工程を示す概略断面図。 図5に続く製造工程を示す概略断面図。 図6に続く製造工程を示す概略断面図。 図7に続く製造工程を示す概略断面図。 上記とは異なる形態の非通電ビア導体の製造工程を示す概略断面図。 上記各工程によって得られた複数の樹脂絶縁層を示す断面図。 複数の上記樹脂絶縁層を積層して得られた樹脂絶縁部を示す断面図。 本発明に用いるベース側基板部を示す断面図。 上記樹脂絶縁部とベース側基板部とを積層、加熱、および圧着して得られた前記配線基板を示す断面図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の電子部品検査用配線基板(プローブカード用基板)1を示す断面図である。
電子部品検査用配線基板(以下、単に配線基板と言う)1は、図1に示すように、厚み方向に沿って積層された複数の樹脂絶縁層z1〜z4、および該樹脂絶縁層z1〜z4の間に配置した配線層6〜8を有する樹脂絶縁部RZと、該樹脂絶縁部RZの裏面(主面)2a側に積層された複数のセラミック層s1〜s4、およびこれらを厚み方向に沿って貫通するビア導体14,15を含むベース側基板部BPとから構成されている。
尚、上記配線層6〜8は、厚さが約3〜12μmのCuからなり、上記セラミック層s1〜s4は、例えば、主にアルミナあるいはガラス−セラミックからなる。
樹脂絶縁層z1〜z4は、ポリイミド系の熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層4と、該第1樹脂層4の両面に配設され、ポリイミド系の熱可塑性樹脂からなる上下一対の第2樹脂層5とから構成されている。尚、第1樹脂層4の厚みは、約15μmであり、第2樹脂層5の厚みは、約5μmである。
図1に示すように、前記配線層6〜8は、樹脂絶縁層z1〜z3を貫通するビア導体Vを介して電気的に導通可能とされ、最上層の樹脂絶縁層z1の表面(主面)2には、該樹脂絶縁層z1を貫通するビア導体Vに接続されたパッド12が複数形成されている。各パッド12の上面には、追って導電性金属からなるプローブピン13が立設される。従って、前記配線層6〜8は、ビア導体Vおよびパッド12を介して、プローブピン13とも電気的に接続される。尚、上記ビア導体Vの直径は、約50μmである。
また、最下層の樹脂絶縁層z4とベース側基板BPにおける最上層のセラミック層s1との間には、上記樹脂絶縁層z4を貫通するビア導体Vの下端に接続し、且つ前記ビア導体14の上端とも接続するビアカバー9が配置されている。
更に、ベース側基板部BPのセラミック層s1〜s4を貫通するビア導体14,15間にもビアカバー10が配置され、且つ下層側のビア導体15は、最下層のセラミック層s4の裏面(主面)3に設けた外部接続端子11と接続されている。
従って、外部接続端子11とパッド12とは、ビア導体14,15、ビアカバー9,10、ビア導体V、および配線層6〜8を介して導通可能とされている。
尚、上記外部接続端子11、パッド12、ビア導体V,14,15、ビアカバー9,10は、Cuあるいは主にCuからなる。
図1に示すように、樹脂絶縁部RZの樹脂絶縁層z1〜z4には、第1樹脂層4とその両面に位置する一対の第2樹脂層5とを貫通し、パッド12やビアカバー9とは分離し、且つ一端のみが配線層6〜8の何れか1つと接続し且つ他端は該配線層6〜8などに接続されていない非通電ビア導体dv1が、前記ビア導体V,V間に形成されている。
また、樹脂絶縁部RZの樹脂絶縁層z1,z2には、それらの下層側の第2樹脂層5を貫通し、且つ第1樹脂層4の途中にまで連続して貫通する軸方向が短い非通電ビア導体dv2が、前記ビア導体V,Vなどの間に形成されている。該非通電ビア導体dv2も、一端のみで配線層6,7の何れか一方と接続し、且つ他端は該配線層6〜8などに接続されていない。
尚、上記非通電ビア導体dv1,dv2は、主にCuからなる。また、非通電ビア導体dv2は、樹脂絶縁層z3,z4に前記同様の形態で形成しても良い。
図1に示すように、前記非通電ビア導体dv1,dv2は、樹脂絶縁部RZの樹脂絶縁層z1〜z4を構成する一対あるいは一方の第2樹脂層5を必ず貫通しており、予め含有している熱硬化性のバインダ樹脂によって硬化処理されている。
また、前記非通電ビア導体dv2は、その一端面と、隣接する樹脂絶縁層znに形成された配線層6,7の一方の表面と面接触して形成しているか、あるいは、後述するように、一端のみが配線層6,7に設けた透孔19内に挿入する形態の非通電ビア導体dv3として形成しても良い。
換言すると、配線層6,7は、図1に示すように、それらの両面に非通電ビア導体dv1,dv2が同軸心で接続されている。尚、該非通電ビア導体dv1,dv2は、配線層6,7を挟んで互いに軸心がずれていても良い。
以上のような配線基板1によれば、製造時の加熱・圧着により各樹脂絶縁層z1〜z4の熱可塑性樹脂からなる第2樹脂層5が加熱され、粘度の低下により変形しようとしても、一方または一対の第2樹脂層5を貫通し、且つ第1樹脂層4の一部または全部を連続して貫通する前記非通電ビア導体dv1,dv2が、厚み方向と直交する平面方向に沿った変形を抑制ないし低減している。しかも、非通電ビア導体dv1,dv2は、その一端のみで配線層6〜8に接続しているため、該配線層6〜8が接着している第2樹脂層5の上記変形を一層抑制できる。
そのため、各樹脂絶縁層z1〜z4の第2樹脂層5の表面に形成されている配線層6〜8は、不用意に大きく変形したり、断線していない。従って、前記配線基板1によれば、電子部品の正確な検査を保証し得る。
以下において、前記配線基板1の製造方法について説明する。
予め、図2に示すように、ポリイミド系の熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層4と、該第1樹脂層4の両面に配設され、上記とは別種類のポリイミド系の熱可塑性樹脂からなる上下一対の第2樹脂層5と、上層側の第2樹脂層5の外側面に貼り付けた銅箔(導体箔)16とから構成された市販の樹脂絶縁層znを用意した。尚、該樹脂絶縁層znには、例えば、宇部日東化成(株)製の銅箔付き複合樹脂シートの型番SE0310,SE0510,SE1310,あるいはSE1410を用いた。
次に、図2中の矢印で示すように、銅箔16のない第2樹脂層5側の表面から、所定の位置にレーザLを厚み方向に沿って照射した。この際、照射すべき位置ごとのレーザLの照射条件を変更した。その結果、図3に示すように、樹脂絶縁層znの厚み方向に沿って、第1樹脂層4と一対の第2樹脂層5とを貫通し且つ銅箔16の内側面に突き当たる貫通孔h1と、一方の第2樹脂層5と第1樹脂層4の厚み方向の一部にまで進入する貫通孔h2とが所要数ずつ形成された。
次いで、図4に示すように、銅箔16の外側面に感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)17を被覆し、該フィルム17に対し、その外側から樹脂絶縁層znの厚み方向に沿って、紫外線UVを所定パターンで露光した後、上記フィルム17に対して現像液を接触させた。その結果、図5に示すように、上記紫外線UVに露光されていた部分が除去されて、エッチング用の開口部となり、該開口部を含む所定パターンのレジストパターン18が形成された。
更に、レジストパターン18の開口部の底面に露出する銅箔16に対し、エッチング液を浸漬するエッチングを施した。その結果、図6に示すように、レジストパターン18の直下に、該パターン18と相似形のパターンを有するCu製の配線層6〜8が形成された。
次に、図7に示すように、前記配線層6〜8の上に位置するレジストパターン18を所定のエッチング液により剥離した。
次いで、前記樹脂絶縁層znの貫通孔h1,h2における配線層6〜8のない第2樹脂層5側の開口から、Cu粉末、熱硬化性のバインダ樹脂、および溶剤などを含む導電性ペースト(図示せず)を個別に充填した。
その結果、図8に示すように、第1樹脂層4と一対の第2樹脂層5とを貫通し、且つ配線層6〜8の何れか1つの表面にだけ一端面が面接触した非通電ビア導体dv1と、第1樹脂層4と一対の第2樹脂層5とを貫通し、且つ配線層6〜8の表面に両端面が面接触したビア導体Vと、一方の第2樹脂層5と第1樹脂層4の一部とを貫通し、且つ配線層6,7の何れか1つの表面にだけ一端面が面接触した非通電ビア導体dv2とが形成できた。
尚、図9の左側に示すように、前記樹脂絶縁層znにおいて、銅箔16側からレーザLを前記同様に照射して、該銅箔16、これに隣接する第2樹脂層5、および第1樹脂層4の一部までに貫通する貫通孔h3を形成し、前記同様の感光性樹脂フィルム17の被覆、露光、現像、レジストパターン18の除去を行って、図9の中央に示すように、配線層6,7の中央付近に貫通孔h3を貫通させた後、該貫通孔h3に前期同様の導電性ペーストを充填しても良い。その結果、図9の右側に示すように、配線層6,7に設けた透孔19に一端だけが進入し且つ他端が第1樹脂層4内に留まった非通電ビア導体dv3が得られた。
上記非通電ビア導体dv3は、一端面が配線層6,7の表面と面接触する形態の前記非通電ビア導体dv2に比べて、一端が配線層6,7の透孔19に進入しているため、貫通している第2樹脂層5の平面方向に沿った移動による剪断力に対し、高い抵抗力を発揮し得る。
以上の各工程を4層の樹脂絶縁層z1〜z4に対して、個別に施した。
その結果、図10に示すように、第1樹脂層4と一対の第2樹脂層5とを貫通し且つ配線層6〜8と接続したビア導体Vと、第1樹脂層4と一対の第2樹脂層5とを貫通し且つ配線層6〜8の何れかと一端部でのみ接続した非通電ビア導体dv1と、一方の第2樹脂層5やおよび第1樹脂層4の一部まで貫通した非通電ビア導体dv2(dv3)と、表面にビア導体Vと接続したパッド12あるいは配線層6〜8が形成された樹脂絶縁層z1〜z4が得られた。
次いで、上記樹脂絶縁層z1〜z4を積層し、300℃以上に加熱しつつ圧着した。その結果、図11に示すように、樹脂絶縁層z1〜z4が一体に積層され、且つ配線層6,7に一端部のみが接続された非通電ビア導体dv2(dv3)が新たに形成されると共に、パッド12および配線層6〜8が樹脂絶縁層z1〜z3を貫通するビア導体Vを介して導通可能とされた樹脂絶縁部RZが得られた。
尚、前記加熱を伴う圧着時において、熱可塑性樹脂からなる第2樹脂層5が加熱され、粘度の低下により変形しようとしたが、前記非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)が、第2樹脂層5の厚み方向と直交する平面方向に沿った移動を抑制ないし低減した。しかも、非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)は、一端部のみで配線層6〜8に接続していたので、該配線層6〜8自体の変形や断線を皆無にし得た。
一方、別に図示しない複数のグリーンシートを用意し、これらを貫通する複数のビアホールを形成し、該ビアホールにWあるいはMoなどの高融点金属粉末を含む導電性ペーストを充填して未焼成のビア導体14,15を形成した。上記グリーンシートの表面または裏面に上記同様の導電性ペーストを印刷形成して未焼成のビアカバー9,10あるいは外部接続端子11を形成した後、これらのグリーンシートを積層および圧着した後、所定の温度で焼成した。
その結果、図12に示すように、複数セラミック層s1〜s4が積層され、これらを貫通し且つ相互に導通可能とされたビア導体14,15、ビアカバー9,10、および外部端子11を有するベース側基板部BPが形成された。
更に、非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)、およびビア導体Vと、パッド12あるいは配線層6〜8とが形成された樹脂絶縁層z1〜z4の裏面2a側に、ベース側基板部BPを積層し、加熱し且つ圧着した。かかる際における加熱温度は、300℃以上であり、且つ圧着時の圧力は、約200N/cm2であった。この際、ビア導体V、および非通電ビア導体dv2,(dv3)が含んでいたバインダ樹脂は、硬化処理された。
その結果、図13に示すように、ベース側基板部BPの上に、前記樹脂絶縁層z1〜z4を有する樹脂絶縁部RZを積層した前記配線基板1が形成された。この際、前記加熱によって、樹脂絶縁層z1〜z4の各第2樹脂層5が可塑化したが、前記ビア導体Vに加え、更に非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)が樹脂絶縁層z1〜z4を貫通していため、第2樹脂層5の平面方向に沿った移動を抑制ないし低減できた。更に、非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)は、少なくとも一端面だけが配線層6〜8と熱硬化性のバインダ樹脂を介して接着しているため、上記第2樹脂層5の移動を一層抑制できた。
尚、前記樹脂絶縁層z1〜z4は、同時に前記ベース側基板部BPと積層し、加熱および圧着して、前記配線基板1を製造するようにしても良い。
以上のような配線基板1の製造方法によれば、積層、加熱、および圧着工程により各樹脂絶縁層z1〜z4の熱可塑性樹脂からなる第2樹脂層5が加熱され、粘度の低下により変形しようとしても、一方または一対の第2樹脂層5を貫通し、且つ第1樹脂層4の一部または全部を連続して貫通する前記非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)が、厚み方向と直交する平面方向に沿った移動を抑制ないし低減していた。しかも、非通電ビア導体dv1,dv2(dv3)は、その一端部のみが非通電配線層6〜8に面接触しているため、該配線層6〜8が接着している第2樹脂層5の移動を一層抑制できた。
そのため、各樹脂絶縁層z1〜z4の第2樹脂層5の表面に形成されている配線層6〜8も、不用意に変形したり、断線していなかった。従って、電子部品の正確な検査を保証できる前記配線基板1を確実に提供できた。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記樹脂絶縁層は、熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層と、その両面に配設され且つ熱可塑性樹脂からなる一対の第2樹脂層とから構成されていれば、それらの樹脂の種類は、特に限定されるものではない。
また、前記樹脂絶縁部を構成する樹脂絶縁層は、少なくとも2層以上を積層したものであれば良い。
更に、前記ビア導体Vと、非通電ビア導体dv1〜dv3とは、互いに異なる種類の金属粉末を含む導電性ペーストにより形成しても良い。
また、前記樹脂絶縁層znの外側面に貼り付ける導体箔は、前記銅箔に限らず、Ag箔やAl箔などにしても良い。
更に、前記ベース側基板部は、厚み方向に積層した複数の熱硬化性樹脂層と、これらの間や表・裏面に形成したビアカバーや外部接続端子と、上記樹脂層を貫通し且つ上記ビアカバー間などを接続するビア導体としても良い。この場合、ビアカバー、外部接続端子、およびビア導体は、主にCuあるいはAgを主成分とする金属とされる。
また、前記ベース側基板部を構成するセラミック層や樹脂層は、少なくとも2層以上を積層したものであれば良い。
更に、前記ベース側基板部の厚みは、前記樹脂絶縁部の厚みよりも大でも良い。
本発明は、例えば、Siウェハなどに多数が形成された半導体素子などの電子部品の特性を正確に検査し、かかる電子部品の信頼性を確実に保証することが可能となる。
1,1a,1b……電子部品検査用配線基板
2,2a……………表/裏面(主面)
4……………………第1樹脂層
5……………………第2樹脂層
6〜8………………配線層
14,15…………ビア導体
16…………………銅箔(導体箔)
17…………………感光性樹脂フィルム
18…………………レジストパターン
19…………………透孔ビア導体
z1〜z4,zn…樹脂絶縁層
dp…………………非通電配線層
dv1〜dv3……非通電ビア導体
V……………………ビア導体
RZ…………………樹脂絶縁部
BP…………………ベース側基板部
s1〜s4…………セラミック層

Claims (5)

  1. 厚み方向に沿って積層された複数の樹脂絶縁層と、該樹脂絶縁層の間に配置した配線層とを有する樹脂絶縁部を含む電子部品検査用配線基板であって、
    上記樹脂絶縁層は、熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層と、該第1樹脂層の両面に配設され且つ熱可塑性樹脂からなる一対の第2樹脂層とから構成され、
    上記樹脂絶縁層には、上記第1樹脂層と一対の第2樹脂層とを貫通し且つ一端部のみが上記配線層と接続されている非通電ビア導体、あるいは、一端部のみが上記配線層と接続され且つ該配線層に隣接する一方の第2樹脂層を貫通し、他端部が上記第1樹脂層内で留まっている非通電ビア導体が形成されている、
    ことを特徴とする電子部品検査用配線基板。
  2. 前記非通電ビア導体と配線層との接続は、該非通電ビア導体の一端面または該一端面の一部と配線層における一方の表面との面接触によるか、あるいは、上記ビア導体の一端部が配線層に設けた透孔内に進入した構造によるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品検査用配線基板。
  3. 前記配線層は、該配線層の上下に積層された前記樹脂絶縁層ごとの一部または全部を貫通する上下一対の非通電ビア導体と、一対の表面で個別に接続している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品検査用配線基板。
  4. 熱硬化性樹脂からなる第1樹脂層と、該第1樹脂層の両面に位置し且つ熱可塑性樹脂からなる一対の第2樹脂層と、何れ一方の第2樹脂層の外側面に貼り付けた導体箔とから構成される樹脂絶縁層において、一対の第2樹脂層および第1樹脂層を厚み方向に沿って貫通するビアホール、一方の第2樹脂層を貫通し且つ第1樹脂層の一部に厚み方向に沿って進入するビアホール、あるいは、導体箔と該導体箔に隣接する一方の第2樹脂層とを貫通し且つ第1樹脂層の一部に厚み方向に沿って進入するビアホール、を形成する工程と、
    上記導体箔の外側面に感光性樹脂フィルムを被覆し、該樹脂フィルムに露光および現像を施すことで、上記樹脂フィルムにエッチング用の開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、
    上記開口部の底面に露出する導体箔をエッチングして除去し、且つ上記レジストパターンを除去することで、所定パターンに倣った配線層を形成する工程と、
    上記ビアホールに金属粉末および熱硬化性バインダ樹脂を含む導電性ペーストを充填して、一端部のみが上記配線層と接続した非通電ビア導体を形成する工程と、
    上記配線層、非通電ビア導体、第1樹脂層および一対の第2樹脂層を有する複数の樹脂絶縁層を厚み方向に積層して、加熱および圧着することにより、複数の樹脂絶縁層と、これらの間に配置された配線層と、何れかの樹脂絶縁層の全部または一部を貫通し、且つ上記配線層と一端部のみで接続する非通電ビア導体とを含む樹脂絶縁部を形成する工程と、を含む、
    ことを特徴とする電子部品検査用配線基板の製造方法。
  5. 前記積層、加熱、および圧着工程は、前記樹脂絶縁部における一対の主面のうち、検査側主面と反対側の主面に、複数のセラミック層または複数の樹脂層を積層してなり、且つ少なくとも厚み方向に沿ったビア導体を含むベース側基板部を併せて積層、加熱、および圧着するものである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の電子部品検査用配線基板の製造方法。
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