JP5180496B2 - アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5180496B2
JP5180496B2 JP2007065882A JP2007065882A JP5180496B2 JP 5180496 B2 JP5180496 B2 JP 5180496B2 JP 2007065882 A JP2007065882 A JP 2007065882A JP 2007065882 A JP2007065882 A JP 2007065882A JP 5180496 B2 JP5180496 B2 JP 5180496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forging
aluminum alloy
less
mass
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007065882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008223108A (ja
Inventor
佳也 稲垣
学 中井
篤実 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2007065882A priority Critical patent/JP5180496B2/ja
Priority to KR1020097019029A priority patent/KR101148421B1/ko
Priority to US12/527,083 priority patent/US8372220B2/en
Priority to PCT/JP2008/054601 priority patent/WO2008114680A1/ja
Priority to DE112008000587T priority patent/DE112008000587T5/de
Publication of JP2008223108A publication Critical patent/JP2008223108A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5180496B2 publication Critical patent/JP5180496B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21CMANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
    • B21C23/00Extruding metal; Impact extrusion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J1/00Preparing metal stock or similar ancillary operations prior, during or post forging, e.g. heating or cooling
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J5/00Methods for forging, hammering, or pressing; Special equipment or accessories therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D1/00Treatment of fused masses in the ladle or the supply runners before casting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/06Alloys based on aluminium with magnesium as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/06Alloys based on aluminium with magnesium as the next major constituent
    • C22C21/08Alloys based on aluminium with magnesium as the next major constituent with silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/05Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys of the Al-Si-Mg type, i.e. containing silicon and magnesium in approximately equal proportions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Extrusion Of Metal (AREA)

Description

本発明は、自動車等の輸送機の構造材または構造部品、特に足回り部品に使用されるアルミニウム合金鍛造材およびその製造方法に関するものである。
従来から、排気ガス等による地球環境問題に対して、自動車等の輸送機の車体の軽量化による燃費の向上が追求されている。このため、特に、自動車等の輸送機の構造材または構造部品、特に、アッパーアーム、ロアーアーム等の足回り部品には、AAまたはJISの規格で言う6000系アルミニウム合金(Al−Mg−Si系)等からなるアルミニウム合金鍛造材が使用されている。6000系アルミニウム合金鍛造材は、高強度であると共に高靭性で、耐食性にも比較的優れている。また、6000系アルミニウム合金自体も、合金元素が少なく、スクラップを再び6000系アルミニウム合金溶解原料として再利用しやすい点で、リサイクル性にも優れている。
また、6000系アルミニウム合金鍛造材は、アルミニウム合金鋳造材を均質化熱処理後、メカニカル鍛造、油圧鍛造などの熱間鍛造(型鍛造)を行い、その後、溶体化および焼入処理と高温時効処理との所謂調質処理が施されて製造される。なお、鍛造用の素材には、前記鋳造材の他に、鋳造材を一旦押出した押出材が用いられることもある。
そして、アルミニウム合金鍛造材の強度、靭性を向上させるために、鍛造材のミクロ組織を改善することが種々行われている。
例えば、特許文献1、2では、6000系アルミニウム合金鋳造材の晶析出物(晶出物または析出物)の平均粒径を8μm以下と小さくし、かつ、デンドライト二次アーム間隔(DAS)を40μm以下と細かくして、アルミニウム合金鍛造材をより高強度化することが提案されている。
また、特許文献3〜5では、6000系アルミニウム合金鍛造材の結晶粒内または粒界の晶析出物の平均粒径、または、平均間隔等を制御することで、アルミニウム合金鍛造材をより高強度で高靭性化することが提案されている。これらの制御は、粒界腐食または応力腐食割れ等に対しても高耐食性化できる。そして、これらの晶析出物の制御に合わせて、Mn、Zr、Cr等の結晶粒微細化効果を有する遷移元素を添加して、結晶粒を微細化または亜結晶粒化させ、破壊靭性または疲労特性を向上させることも提案されている。
しかし、6000系アルミニウム合金鍛造材には、鍛造工程および溶体化処理工程において、加工組織が再結晶して粗大結晶粒が発生する傾向がある。これら粗大結晶粒が発生した場合、ミクロ組織を制御しても、高強度化または高靭性化が果たせず、また、耐食性も低下する。しかも、これらの文献では、鍛造における加工温度が450℃未満と比較的低く、このような低温の熱間鍛造では、目標としている結晶粒を微細化または亜結晶化させることが実際には困難であった。
一方、特許文献6〜10では、加工組織が再結晶化した粗大結晶粒の発生を抑制するため、Mn、Zr、Cr等の結晶粒微細化効果を有する遷移元素を追加した上で、450〜570℃の比較的高温の温度で熱間鍛造を開始することが提案されている。
特開平07−145440号公報 特開平06−256880号公報 特許第3684313号公報 特開2001−107168号公報 特開2002−294382号公報 特開平05−247574号公報 特開2002−348630号公報 特開2004−43907号公報 特開2004−292937号公報 特開2004−292892号公報
近年、自動車の車体のより一層の軽量化のために、車体の構造材または構造部品、特に、自動車用足回り部品のより一層の薄肉化が求められ、部品等を構成するアルミニウム鍛造材においても、薄肉化に対応した高強度化、高靭性化および高耐食性が求められている。しかしながら、従来のアルミニウム合金鍛造材では、部品等の薄肉化に対応した強度、靭性および耐食性の向上がなされているとはいえなかった。
本発明は、このような課題を解決すべく創案されたもので、その目的は、自動車用足回り部品等の薄肉化に対応した、高い強度、靭性および耐食性を有するアルミニウム合金鍛造材およびその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に係るアルミニウム合金鍛造材は、Mg:0.6〜1.0質量%、Si:0.8〜1.4質量%、Mn:0.4〜1.0質量%、Fe:0.05〜0.35質量%、Zn:0.1質量%以下、Cu:0.2質量%以下、Cr:0.35質量%以下、Zr:0.25質量%以下、Ti:0.01〜0.1質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるとともに、水素ガス濃度が0.25ml/100gAl以下のアルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金鍛造材であって、前記アルミニウム合金鍛造材において、最大長さ0.1μm以上のMgSiの面積率が0.15%以下、アルミニウム合金の再結晶率が20%以下、アルミニウム合金の分散粒子のV/r(V:分散粒子の面積率[%]、r:分散粒子の平均半径[nm])で定義されるサイズ分布指標値が0.20以上であることを特徴とする。
前記構成によれば、所定の化学成分組成、水素ガス濃度、MgSiの面積率、再結晶率および分散粒子のサイズ分布指標値を有することにより、アルミニウム合金鍛造材の強度、靭性および耐食性が向上する。
請求項2に係るアルミニウム合金鍛造材の製造方法は、請求項1に記載された成分組成のアルミニウム合金を溶解して溶湯とする溶解工程と、前記溶湯に脱ガス処理を施して、水素ガス濃度を0.25ml/100gAl以下にする脱ガス工程と、脱ガス処理された前記溶湯を鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、前記鋳塊に、平均昇温速度20℃/hrを超え1000℃/hr以下で保持温度510〜570℃まで昇温し、前記保持温度で2hr以上保持した後冷却し、その冷却の際の平均冷却速度が前記保持温度から少なくとも350℃までを110℃/hr以上で行う均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、均質化熱処理された前記鋳塊を鍛造素材とし、前記鍛造素材に、開始温度460〜560℃、終了温度365℃以上の熱間鍛造を施す鍛造工程と、前記鍛造工程の後に、溶体化処理、焼入および高温時効処理からなるT6またはT7の調質処理を施す調質工程とを含むことを特徴とする。
前記手順によれば、所定の化学成分組成のアルミニウム合金から、所定の脱ガス処理条件、均質化熱処理条件および熱間鍛造条件でアルミニウム合金鍛造材を製造することにより、製造されたアルミニウム合金鍛造材のMgSiの面積率、再結晶率および分散粒子のサイズ分布指標値が所定の範囲内となる。
請求項3に係るアルミニウム合金鍛造材の製造方法は、請求項1に記載された成分組成のアルミニウム合金を溶解して溶湯とする溶解工程と、前記溶湯に脱ガス処理を施して、水素ガス濃度を0.25ml/100gAl以下にする脱ガス工程と、脱ガス処理された前記溶湯を鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、前記鋳塊に、平均昇温速度20℃/hrを超え1000℃/hr以下で保持温度510〜570℃まで昇温し、前記保持温度で2hr以上保持した後冷却し、その冷却の際の平均冷却速度が前記保持温度から少なくとも350℃までを110℃/hr以上で行う均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、均質化熱処理された前記鋳塊に、終了温度365℃以上の熱間押出を施して押出材とする押出工程と、前記押出材を鍛造素材とし、前記鍛造素材に、開始温度460〜560℃、終了温度365℃以上の熱間鍛造を施す鍛造工程と、前記鍛造工程の後に、溶体化処理、焼入および高温時効処理からなるT6またはT7の調質処理を施す調質工程とを含むことを特徴とする。
前記手順によれば、押出工程を含み、鍛造素材として押出材を使用することにより、製造されたアルミニウム合金鍛造材の伸び、靭性がさらに向上する。
本発明に係るアルミニウム合金鍛造材は、自動車用足回り部品等の薄肉化に対応した、高いい強度、靭性および耐食性を有する。
本発明に係るアルミニウム合金鍛造材の製造方法によれば、高い強度、靭性および耐食性を有するアルミニウム合金鍛造材を製造できる。
<アルミニウム合金鍛造材>
本発明に係るアルミニウム合金鍛造材ついて、詳細に説明する。
アルミニウム合金鍛造材は、自動車用足回り部品、例えば、アッパーアーム、ロアアームなどの足回り部品として使用されるため、高強度、高靱性、および、耐応力腐食割れ性等の高い耐食性(耐久性)を保証する必要がある。
このため、アルミニウム合金鍛造材は、所定の含有量のMg、Si、Mn、Fe、Zn、Cu、Cr、Zr、Tiを含み、残部Alおよび不可避的不純物からなるとともに、所定量の水素ガス濃度であるアルミニウム合金から構成される。なお、本発明の諸特性を阻害しない範囲で、他の元素を適宜含むことは許容される。また、溶解原料スクラップなどから必然的に混入される不可避的不純物も、本発明の特性を阻害しない範囲で許容される。
以下に、アルミニウム合金の各元素の含有量、および、水素ガス濃度の数値範囲、および、その臨界的意義について説明する。
(Mg:0.6〜1.0質量%)
Mgは高温時効処理により、Siとともにβ”相ならびにβ’相として結晶粒内に析出し、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際に高い強度(耐力)を付与するために必須の元素である。Mgの含有量が0.6質量%未満であると、高温時効処理時の時効硬化量が低下する。一方、Mgの含有量が1.0質量%を超えると、強度(耐力)が高くなりすぎ、鍛造性を阻害する。また、溶体化処理後の焼き入れ途中に粗大なMgSiや単体Siが多量に析出しやすく、却って、強度、靱性、耐食性などを低下させる。したがって、Mgの含有量は0.6〜1.0質量%の範囲とする。
(Si:0.8〜1.4質量%)
SiもMgとともに、高温時効処理によりβ”相ならびにβ’相として結晶粒内に析出し、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際に高い強度(耐力)を付与するために必須の元素である。Siの含有量が0.8質量%未満であると、高温時効処理時の時効硬化量が低下する。一方、Siの含有量が1.4質量%を超えると、強度(耐力)が高くなりすぎ、鍛造性を阻害する。また、溶体化処理後の焼き入れ途中に粗大なMgSiや単体Siが多量に析出しやすく、却って、強度、靱性、耐食性などを低下させる。したがって、Siの含有量は1.0〜1.3質量%の範囲とする。
(Mn:0.4〜1.0質量%、Cr:0.35質量%以下)
Mn、Crは、主として均質化熱処理の昇温中およびその保持中に、Mn、Cr、Si、Alおよび一部Feなどが、その含有量に応じて選択的に結合した金属間化合物(分散粒子)を生成する。これら分散粒子は、Al−(Mn、Cr)−Si化合物、Al−(Mn、Fe)−Si化合物、Al−(Mn、Cr、Fe)−Si化合物、代表的にはMnSiAl12、(MnFe)SiAl12、(MnCr)SiAl12、(MnCrFe)SiAl12などに例示される。
Mn、Crによる、これらの分散粒子は、製造条件にもよるが、微細で高密度、均一に分散して、結晶粒界の移動を妨げる効果があるため、再結晶の抑制、再結晶後の結晶粒粗大化を防止し結晶粒を微細化させる効果が高い。また、特に、Mnは、マトリックスへの固溶量が大きいため、強度の増大も見込める。
Mnの含有量が0.4質量%未満であると、これらの効果が期待できず、結晶粒が粗大化して、強度、靱性および耐食性が低下する。一方、Mnの含有量が1.0質量%を超える、および/または、Crの含有量が0.35質量%を超えると、溶解、鋳造時に粗大な金属間化合物や晶出物を生成しやすく、破壊の起点となり、靱性、疲労特性を低下させる原因となる。このため、Mn、Crはともに含有させるとともに、Mn:0.4〜1.0質量%、Cr:0.35質量%以下の範囲で含有させる。
(Fe:0.05〜0.35質量%)
Feは、Mn、Crとともに、分散粒子を生成し、再結晶後の粒界移動を妨げ、結晶粒の粗大化を防止するとともに、結晶粒を微細化させる効果がある。これら分散粒子は、Al−(Mn、Fe)−Si化合物、Al−(Mn、Cr、Fe)−Si化合物、代表的には(MnFe)SiAl12、(MnCrFe)SiAl12などに例示される。Feの含有量が0.05質量%未満であると、これらの効果が期待できず、結晶粒が粗大化して、強度、靭性および耐食性が低下する。一方、Feの含有量が0.35質量%を超えると、Al−Fe系の粗大な晶出物を生成する。これらの晶出物は、破壊靱性、疲労特性などを劣化させる。したがって、Feの含有量は0.05〜0.35質量%の範囲とする。
(Zn:0.1質量%以下)
Znの含有量が0.1質量%を超えると、アルミニウム合金鍛造材の組織の応力腐食割れや粒界腐食の感受性を著しく高め、アルミニウム合金鍛造材の耐食性(耐久性)を低下させる。したがって、Zn含有量は0.1質量%以下とする。
(Cu:0.2質量%以下)
Cuは、固溶強化にて強度の向上に寄与する他、高温時効処理に際して、アルミニウム鍛造材の時効硬化を著しく促進する効果も有する。但し、Cuの含有量が0.2質量%を超えると、アルミニウム合金鍛造材の組織の応力腐食割れや粒界腐食の感受性を著しく高め、アルミニウム合金鍛造材の耐食性(耐久性)を低下させる。したがって、Cu含有量は0.2質量%以下とする。
(Zr:0.25質量%以下)
Zrは、Mn、Cr、Feと同様に分散粒子を形成し、再結晶抑制ならびに結晶粒微細化をもたらす。分散粒子は、代表的にはZrAlなどに例示される。Zr系の分散粒子は、Mn系、Cr系、Fe系の分散粒子に比べて微細にかつ高密度に形成されるため、再結晶抑制ならび結晶粒微細化の効果は高い。
しかしながら、Zrの添加は、鋳造の条件によっては、却って鋳塊の結晶粒微細化を阻害する要因となる。特にZrは、Ti−Zrの化合物を生成して、TiあるいはTi、Bの鋳塊結晶粒微細化効果を阻害し、鋳塊の結晶粒を粗大化させる要因となる。鋳塊の粗大な結晶粒は、例えば、鍛造時の加工度が低い製品部位では、ほぼそのままのサイズ、形状で残存することとなり、粒界に沿った破壊等が生じ易くなり、靱性、疲労特性、さらには耐食性の低下をもたらす。
Zr添加によるTi、Bの鋳塊結晶粒微細化効果を阻害する度合は、Zrを含有する鋳塊結晶粒微細化剤が溶湯中に投入されてから鋳造が開始されるまでの時間に大きな影響を受け、長時間化に伴って、微細化効果は小さくなり、鋳塊の結晶粒は粗大化する。本発明では、鋳造が開始される直前に鋳塊結晶粒微細化剤が投入される設備であっても、Zrの過剰な含有は溶解、鋳造時に粗大な金属間化合物や晶出物を生成しやすく、破壊の起点となり、靱性、疲労特性、さらには耐食性を低下させる原因となる。このため、Zr含有量は0.25質量%以下とする。
(Ti:0.01〜0.1質量%)
Tiは、鋳塊の結晶粒を微細化し、鍛造材組織を微細な亜結晶粒とする効果がある。Tiの含有量が0.01質量%未満であると、この効果が発揮されない。しかし、Tiの含有量が0.1質量%を超えると、粗大な晶析出物を形成し、加工性を低下させる。したがって、Tiの含有量は0.01〜0.1質量%の範囲とする。
(不可避的不純物)
不可避的不純物としては、以下に記載する元素がある。
V、Hfなどは、不可避的不純物として混入しやすく、微量な量であれば、結晶粒の微細化効果が期待される。但し、含有量が大きくなると、粗大な金属間化合物を形成し、靱性、疲労特性を低下させるので、V、Hfの含有量は、合計で0.2質量%未満とする。
また、Bも不可避的不純物であるが、Tiと同様、鋳塊の結晶粒を微細化し、押出や鍛造時の加工性を向上させる効果もある。しかし、300ppmを超えて含有されると、やはり粗大な晶析出物を形成し、加工性を低下させる。したがって、Bの含有量は300ppm以下の含有まで許容する。
(水素ガス濃度:0.25ml/100gAl以下)
水素ガスは、アルミニウム合金の溶解の際に不純物として混入しやすく、特に、鍛造材の加工度が小さくなる場合、水素に起因する気泡が鍛造加工等で圧着せず、破壊の起点となり易く、靱性、疲労特性を著しく低下させる。特に、高強度化したアルミニウム鍛造材を自動車用足回り部品等に使用する際には、この水素による影響が大きい。したがって、Al100g当たりの水素ガス濃度は0.25ml以下とする。
また、アルミニウム合金鍛造材は、所定範囲のMgSi面積率、再結晶率、分散粒子のサイズ分布指標値を有する必要がある。以下に、その数値範囲、および、臨界的意義について説明する。
(MgSiの面積率:0.15%以下)
アルミニウム合金鍛造材は、最大長さ0.1μm以上のMgSiの面積率が0.15%以下である必要がある。面積率が0.15%を超えると、アルミニウム合金鍛造材の強度、靭性および耐食性の全てを向上させることが難しくなる。ここで、面積率(%)は、アルミニウム合金鍛造材の断面において、SEM観察視野面積に対するMgSiの占める面積を割合(%)で表したものである。そして、最大長さ0.1μm以上のMgSiの面積率の制御は、後記するアルミニウム合金鍛造材の製造工程における均質化熱処理、具体的には、保持温度までの平均昇温速度、保持温度、および、保持温度から少なくとも350℃までの平均冷却速度を制御することによって達成される。
(再結晶率:20%以下)
アルミニウム合金鍛造材は、アルミニウム合金の再結晶率が20%以下である必要がある。再結晶率が20%を超えると、アルミニウム鍛造材の強度、靭性および耐食性の全てを向上させることが難しくなる。ここで、再結晶率(%)は、アルミニウム合金鍛造材の断面での再結晶領域の占める面積を割合(%)で表したもので、アルミニウム合金鍛造材の金属組織状態を示す図1において、白色で観察される領域が再結晶領域1である。そして、再結晶率の制御は、アルミニウム合金鍛造材の製造工程における均質化熱処理、鍛造条件を制御することによって達成される。具体的には、均質化熱処理の保持温度までの平均昇温速度、保持温度を制御する。また、鍛造工程における開始温度、終了温度を制御する。
(分散粒子のサイズ分布指標値:0.20以上)
アルミニウム合金鍛造材は、アルミニウム合金の分散粒子のV/r(Vは分散粒子の面積率[%]、rは分散粒子の平均半径[nm])で定義されるサイズ分布指標値が0.20以上である必要がある。サイズ分布指標値が0.20未満であると、アルミニウム鍛造材の強度、靭性および耐食性の全てを向上させることが難しくなる。ここで、分散粒子とは、前記したように、Al−(Mn、Fe)−Si化合物、Al−(Mn、Cr)−Si化合物、Al−(Mn、Cr、Fe)−化合物、Al−Zr化合物等で、例えば、MnSiAl12、(MnFe)SiAl12、(MnCr)SiAl12、(MnCrFe)SiAl12、ZrAlに代表される。また、アルミニウム合金鍛造材のTEM写真である図2において、黒色粒状に観察されるものが分散粒子2である。さらに、分散粒子の面積率(%)は、TEM観察視野の合計面積に対する分散粒子の占める合計面積を割合(%)で表したものである。
そして、サイズ分布指標値の制御は、アルミニウム合金鍛造材の製造工程における均質化熱処理、鍛造条件を制御することによって達成される。具体的には、均質化熱処理の保持温度までの平均昇温速度、保持温度を制御する。また、鍛造工程における開始温度、終了温度を制御する。
<アルミニウム合金鍛造材の製造方法>
次に、本発明に係るアルミニウム合金鍛造材の製造方法について、詳細に説明する。
アルミニウム合金鍛造材の製造方法は、溶解工程と、脱ガス工程と、鋳造工程と、均質化熱処理工程と、鍛造工程と、調質工程とを含むものである。この製造工程自体は、常法の製造工程であるが、本発明に係るアルミニウム合金鍛造材を、軽量化形状した自動車用足回り部品等に使用して、高強度化、高靱性化および高耐食性化を達成するためには、以下に説明する各製造工程における、特定条件での製造が必要となる。
(溶解工程)
溶解工程は、化学成分の含有量を所定範囲に限定した前記アルミニウム合金を溶解する工程である。
(脱ガス工程)
脱ガス工程は、溶解工程で溶解された前記アルミニウム合金溶湯から水素ガスを除去(脱ガス処理)し、アルミニウム合金100g中の水素ガス濃度を0.25ml以下に制御する工程である。そして、水素ガスの除去は、溶湯の成分調整、介在物の除去のための保持炉において行い、溶湯をフラクシング、塩素精錬、または、インライン精錬することによって行われるが、脱水素ガス装置にスニフまたはポーラスプラグ(特開2002−146447号公報参照)を用いて、溶湯にアルゴン等の不活性ガスを吹き込むことによって水素ガスを除去することが好ましい。
ここで、水素ガス濃度の確認は、後記する鋳造工程で製造された鋳塊、または、鍛造工程で製造された鍛造材の水素ガス濃度を測定することによって行われる。そして、鋳塊の水素ガス濃度は、例えば、均質化熱処理前の鋳塊からサンプルを切り出し、アルコールとアセトンで超音波洗浄を行ったものを、例えば、不活性ガス気流融解熱伝導度法(LIS A06−1993)により測定することによって求めることができる。また、鍛造材の水素ガス濃度は、例えば、鍛造材からサンプルを切り出し、NaOH溶液に浸漬後、硝酸で表面の酸化皮膜を除去し、アルコールとアセトンで超音波洗浄を行ったものを、例えば、真空加熱抽出容量法(LIS A06−1993)により測定することによって求めることができる。
(鋳造工程)
鋳造工程は、化学成分を所定の範囲内に溶解調整し、脱ガス処理された前記アルミニウム合金溶湯を鋳造して鋳塊とする工程である。そして、鋳造方法は、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)、ホットトップ鋳造法等の通常の溶解鋳造法を適宜選択する。
但し、前記アルミニウム合金溶湯を鋳造する際に、平均冷却速度は100℃/s以上とし、鋳塊のデンドライト二次アーム間隔(DAS)を20μm以下に狭くすることが望ましい。鋳造の際の平均冷却速度が100℃/s未満であると、アルミニウム合金鍛造材に粗大なAl−Fe−Si晶出物が残存し、これらが破壊の起点となるため、特に靱性、疲労特性が低下しやすい。
(均質化熱処理)
均質化熱処理工程は、前記鋳塊に所定の均質化熱処理を施す工程である。そして、平均昇温速度20℃/hrを超え1000℃/hr以下で保持温度510〜570℃まで昇温し、前記保持温度で2hr以上保持した後冷却し、その冷却の際の平均冷却速度が前記保持温度から少なくとも350℃までを110℃/hr以上で行う均質化熱処理を施す必要がある。このような均質化熱処理を施すことによって、アルミニウム合金鍛造材の断面でのMgSiの面積率、再結晶率、分散粒子のサイズ分布指標値を所定の範囲内にすることが可能となる。なお、冷却は、後記する鍛造工程の開始温度まで冷却、または、開始温度より低温(例えば、室温)まで冷却する。
均質化熱処理時の平均昇温速度が20℃/hr以下であると、MgSiの粗大化が促進され、その後の溶体化処理において、工業的な溶体化処理条件(温度、時間)では、溶体化処理が不十分となって、アルミニウム合金鍛造材の断面でのMgSiの面積率が0.15%を超える。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。
また、平均昇温速度が1000℃/hrを超えると、MgSiの再固溶は促進されやすいものの、分散粒子は粗大かつ粗に形成され、分散粒子のサイズ分布指標値(V/r)が0.20未満となり、高密度微細分散による再結晶の抑制、結晶粒微細化を阻害する。そして、後記する鍛造工程(熱間鍛造)の終了温度が365℃以上であっても、鍛造終了時点、または、その後の溶体化処理時に再結晶ならびに粒成長が生じる。そのため、アルミニウム合金鍛造材の断面での再結晶率を20%以下とすることが出来ず、アルミニウム合金鍛造材の強度の低下をもたらす。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。
均質化熱処理時の保持温度が510℃未満であると、均質化熱処理温度が低過ぎ、MgSiの再固溶が不足して、アルミニウム合金鍛造材に粗大なMgSiが残存し、アルミニウム合金鍛造材の断面でのMgSiの面積率が0.15%を超える。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。
また、保持温度が570℃を越えると、MgSiの再固溶は促進されやすいものの、分散粒子は粗大化し、また数も減少するため、分散粒子のサイズ分布指標値(V/r)が0.20未満となり、高密度微細分散による再結晶の抑制、結晶粒微細化が阻害される。そして、熱間鍛造の終了温度が365℃以上であっても、鍛造終了時点、または、その後の溶体化処理時に再結晶ならびに粒成長が生じる。そのため、アルミニウム合金鍛造材の断面での再結晶率を20%以下とすることが出来ず、アルミニウム合金鍛造材の強度の低下をもたらす。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。
一方、保持温度510〜570℃での保持時間が2hr未満では、保持時間が不足し、MgSiの再固溶が不足して、アルミニウム鍛造材に粗大なMgSiが残存し、アルミニウム鍛造材の断面でのMgSiの面積率が0.15%を超える。この結果、アルミニウム鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。
保持温度510〜570℃から350℃までの平均冷却速度が110℃/hr未満であると、MgSiの粗大化が促進され、その後の溶体化処理において、工業的な溶体化処理条件(温度、時間)では、溶体化処理が不十分となって、アルミニウム合金鍛造材の断面でのMgSiの面積率が0.15%を超える。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。
(鍛造工程)
鍛造工程は、均質化熱処理された前記鋳塊を鍛造素材として使用し、熱間鍛造開始温度まで冷却された鍛造素材に、または、熱間鍛造開始温度より低温(例えば室温)まで冷却後、再加熱された鍛造素材に、メカニカルプレスによる鍛造や油圧プレスによる鍛造等により、所定の熱間鍛造を行う工程である。なお、熱間鍛造は、自動車用足回り部品等の最終製品形状(ニアネットシェイプ)に鍛造加工してもよい。
熱間鍛造の条件は、開始温度460〜560℃、および、終了温度は365℃以上で行う必要がある。このような条件の熱間鍛造を施すことによって、アルミニウム合金鍛造材の断面での再結晶率、および、分散粒子のサイズ分布指標値を所定の範囲内とすることが可能となる。また、熱間鍛造は、開始温度および終了温度がこれらの温度以上であれば、連続して複数回の鍛造(たとえば粗鍛造、中間鍛造、仕上げ鍛造等)を行ってもよい。この場合、最初の鍛造の開始温度が熱間鍛造開始温度、また、最終の鍛造の終了温度が熱間鍛造終了温度に対応する。また、鍛造終了後、再加熱し、再度熱間鍛造を行ってもよい。
熱間鍛造の際の開始温度が460℃未満、および/または、終了温度が365℃未満であると、鍛造終了時点、または、その後の溶体化処理時に再結晶ならびに粒成長が生じるため、アルミニウム合金鍛造材の断面での再結晶率を20%以下、分散粒子のサイズ分布指標値を0.20以上とすることが出来ない。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。また、開始温度が560℃を超えると、加工性が低下して、鍛造加工時に割れ等が発生する。
(調質工程)
調質工程は、前記鍛造工程の後に、溶体化処理、焼入および高温時効処理からなるT6またはT7の調質処理を施す工程である。このような調質処理を施すことにより、アルミニウム合金鍛造材は、自動車用足回り部品等として必要な強度、耐食性および靭性を有することとなる。なお、T6は、溶体化処理および焼入後、最大強さを得る高温時効処理を行う調質処理である。また、T7は、溶体化処理および焼入後、最大強さを得る高温時効処理条件を超えて過剰時効処理(過時効処理)を行う調質処理である。
なお、溶体化処理および焼入後の高温時効処理の違いにおいて、T7調質材では、過時効処理であるため、粒界上に析出するβ相の割合が高くなる。このβ相は腐食環境下で溶出しにくく、T6調質材に比べ粒界腐食感受性を低くし、耐応力腐食割れ性を高める。したがって、アルミニウム合金鍛造材をT7調質材とすることで、耐力は若干低くなるものの、他の調質処理に比して、耐食性はより高くなる。
溶体化処理は、530〜570℃の温度範囲に20分〜20時間保持することが好ましい。この溶体化処理温度が低過ぎるか、あるいは時間が短過ぎると、溶体化が不足して、MgSiの固溶が不十分となり、強度が低下しやすい。また、溶体化処理温度が高過ぎるか、あるいは時間が長過ぎると、局所的な溶融、結晶粒の粗大化が生じやすい。なお、溶体化処理温度まで加熱する場合には、分散粒子の粗大化を防止し、その効果を保証するために、平均昇温速度を100℃/hr以上と速くすることが好ましい。
前記溶体化処理後の焼入処理は、水中、温湯中への冷却により行なうことが好ましい。この際の平均冷却速度は、100℃/s以上を確保することが好ましい。この焼入処理時の平均冷却速度が低くなると、粒界上にMgSi、単体Si等が析出し、高温時効処理後のアルミニウム合金鍛造材において、粒界破壊が生じやすくなり、靱性、疲労特性が低下しやすい。また、冷却途中に、粒内にも、安定相となるMgSi、単体Si等が形成され、高温時効処理時に析出するβ”相、β’相の析出量が減るため、アルミニウム合金鍛造材の強度が低下しやすい。
ただ、一方で、平均冷却速度が高くなると、焼入歪み量が大きくなり、焼入後に、矯正工程が新たに必要となったり、矯正工程の工数が増す問題も新たに生じる。また残留応力も高くなり、製品の寸法、形状精度が低下する問題も新たに生じる。この点、アルミニウム合金鍛造材の製造工程を短縮し、低コスト化するためには、焼入歪みが緩和される40〜70℃の温湯焼入が好ましい。ここで、温湯焼入温度が40℃未満では焼入歪みが大きくなり、70℃を超えると平均冷却速度が低くなりすぎ、アルミニウム合金鍛造材の靱性、疲労特性、強度が低くなりやすい。
溶体化処理および焼入後の高温時効処理は、160〜200℃の温度範囲と、20分〜20時間の保持時間の範囲から、アルミニウム合金鍛造材が前記T6、T7の調質処理材となる条件を適宜選択する。
なお、前記した、均質化熱処理、溶体化処理には空気炉、誘導加熱炉、硝石炉などが適宜用いられる。また、高温時効処理には空気炉、誘導加熱炉、オイルバスなどが適宜用いられる。
本発明に係るアルミニウム合金鍛造材の製造方法は、前記調質処理の前後に、自動車用足回り部品等として必要な、機械加工や表面処理などが適宜施されてもよい。
本発明に係るアルミニウム合金鍛造材の他の製造方法について説明する。
アルミニウム合金鍛造材の製造方法は、溶解工程と、脱ガス工程と、鋳造工程と、均質化熱処理工程と、押出工程と、鍛造工程と、調質工程とを含むものである。溶解工程、脱ガス工程、鋳造工程、均質化熱処理工程、鍛造工程、調質工程については、前記の製造方法と同様であるので、説明を省略する。なお、鍛造工程において、鍛造素材は押出材を使用する。また、押出材を鍛造素材とする場合は、押出時に、晶出物が微細となるため、鋳造工程における平均冷却速度は1℃/s以上であればよい。以下、押出工程について、説明する。
(押出工程)
押出工程は、均質化熱処理され、熱間押出開始温度(好ましくは460℃以上)まで冷却された鋳塊に、または、熱間押出開始温度より低温(例えば室温)まで冷却後、再加熱された鋳塊に、プレスによる押出等により、所定の押出を行う工程である。
熱間押出の条件は、終了温度は365℃以上で行う必要があり、このような条件の熱間押出を施すことによって、熱間鍛造と同様に、押出材の断面での再結晶率を所定の範囲内とすることが可能となる。熱間押出の際の終了温度が365℃未満であると、押出終了時点に再結晶ならびに粒成長が生じるため、その後の熱間鍛造時に再結晶が生じやすくなり、最終製品(アルミニウム合金鍛造材)の断面での再結晶率を20%以下とすることが出来ない。この結果、アルミニウム合金鍛造材を自動車用足回り部品等として使用した際、その強度、耐食性および靱性の全てを向上させることが難しくなる。また、疲労特性の向上も難しくなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で適当に変更を加えて実施することも可能である。
表1に示す合金番号1〜15の化学成分組成のアルミニウム合金を溶解、脱ガス処理、鋳造して直径φ85mm鋳塊(鋳塊番号A〜Z)を、半連続鋳造法(鋳造の際の平均冷却速度150℃/s)により鋳造した。一方、合金番号16の化学成分組成のアルミニウム合金を溶解、脱ガス処理、鋳造して直径φ400mm鋳塊(鋳塊番号Z1)を半連続鋳造法(鋳造の際の平均冷却速度2℃/s)により鋳造した。また、表1に示すアルミニウム合金(合金番号1〜16)は、不可避的不純物としてV、Hf、Bを含有し、その含有量は、V、Hfは合計で0.2質量%未満、Bは300ppm以下であった。さらに、鋳塊(鋳塊番号A〜Z)の水素ガス濃度は、不活性ガス気流融解熱伝導度法(LIS A06−1993)により測定し、表1に示すとおりであった。
次に、前記鋳塊(鋳塊番号A〜Z)の外表面を厚さ5mm面削して、長さ200mmに切断後、表2に示す各条件(表2の昇温速度、冷却速度は、平均昇温速度、平均冷却速度である)で、均質化熱処理、メカニカルプレスを用いた熱間鍛造を行い、板状試料(実施例1〜14、比較例1〜12)を製造した。また、前記鋳塊(鋳塊番号Z1)の外表面を厚さ5mm面削して、長さ600mmに切断後、表2に示す各条件で、均質化熱処理、押出プレスでφ75mmに押し出し、その後、メカニカルプレスを用いた、熱間鍛造を行い、前記と同様に板状試料(実施例15、比較例13)を製造した。
なお、熱間鍛造は、各鋳塊または各押出材を室温から約1hrで鍛造開始温度+20℃まで昇温し、直ちに出炉し、鍛造開始温度を確認した後、半径方向に鍛造し板状の試料とした。鍛造は、途中再加熱無しに連続して3回行い、3回目で厚さ16mmの板状試料とした。鍛造終了後、直ちに試料温度(鍛造終了温度)を測定し、その後、試料を室温まで放冷却した。
次に、板状試料(実施例1〜15、比較例1〜13)に以下のT6調質処理を施した。なお、比較例7については鍛造割れが発生したため、T6調質処理を施さなかった。
(T6調質処理条件)
溶体化処理は、板状試料を室温から555℃まで約1hrで昇温し3hr保持後、40℃の温湯中に焼入を行った。焼入後は温湯中でそのまま10分間浸漬し、その後、直ちに高温時効処理を行った。高温時効処理条件は180℃で5hrとした。
また、実施例1〜15、比較例1〜13の板状試料(T6処理済)について、以下の測定方法により、MgSiの面積率、アルミニウム合金の再結晶率、アルミニウム合金の分散粒子のサイズ分布指標値(表2ではV/rと記載)を測定した。その結果を表2に示す。なお、比較例7については鍛造割れが発生したため、面積率、再結晶率、サイズ分布指標値を測定しなかった。
(MgSiの面積率)
板状試料の5ケ所よりサンプルを採取し、断面(2方向:鍛流線方向、鍛流線に対して直角方向)を鏡面状態まで研磨した後、5ケ所×2断面の計10断面のMgSiを、SEM(走査型電子顕微鏡、×500倍)を用いて観察し、画像解析より最大長さ0.1μm以上のMgSiの面積率を算出し、10断面の平均値を算出した。なお、面積率は、観察視野面積に対するMgSiの占める面積を割合(%)で表したものである。
(再結晶率)
板状試料の5ケ所よりサンプルを採取し、断面(2方向:鍛流線方向、鍛流線に対して直角方向)を鏡面状態まで研磨した後、化学エッチング(苛性ソーダ)で組織を現出した。5ケ所×2断面の計10断面を光学顕微鏡で観察し、画像処理により再結晶率を算出し、10断面の平均値を算出した。再結晶率は、試料断面での再結晶領域1の占める面積を割合(%)で表したものである(図1参照)。
(分散粒子のサイズ分布指標値V/r(V:面積率%、平均半径nm))
板状試料の5ケ所よりサンプルを採取し、TEM(透過型電子顕微鏡、×20000倍)を用いて、分散粒子2の観察を行った(図2参照)。分散粒子の面積率(V)および平均半径(r)は、5枚の写真をデジタル処理して算出した。面積率(V)は、写真合計面積に占める分散粒子の合計面積の割合(%)とした。また、分散粒子毎に同一面積の円の半径(nm)を算出し、これら半径の平均値を平均半径(r)とした。分散粒子のサイズ分布指標値V/r(%/nm)は、これらVおよびrの値を用いて算出した。なお、TEM観察に用いた試料の厚みはほぼ2000Åと一定である。
次に、実施例1〜15、比較例1〜13の板状試料(T6調質処理済)について、以下の評価方法により、強度、耐食性、靭性について評価した。その結果を表3に示す。なお、比較例7については鍛造割れが発生したため、評価を行わなかった。
(強度:耐力)
板状試料より12本の試験片(引張試験片の長手方向が、鍛流線に対し直角方向)を採取し、引張試験を行った。試験形状はJIS−Z−2201に、試験方法はJIS−Z−2241の定めるところにより実施した。引張強さ、0.2%耐力、伸びの12本の平均値を板状試料の特性値とした。0.2%耐力(表3では耐力と記載)が350MPa以上のものを、強度が優れていると評価した。
(耐食性:耐SCC性)
板状試料より12個の試験片(Cリング)を採取し耐SCC性試験を行った。試験形状および試験方法は、JIS−H−8711(応力腐食割れ試験―第5部:Cリング試験片の作製と試験)の定めるところにより実施した。付加応力:250MPa、試験期間:90日で、割れが生じないものを耐SCC性「○」で耐食性に優れている、割れが生じたものを耐SCC性「×」で耐食性に劣っていると評価した。
(靭性:衝撃値)
板状試料より12本の試験片(衝撃試験片の長手方向が、鍛流線に対し直角方向)を採取し、シャルピー衝撃試験を行った。試験形状はJIS−Z−2202に、試験方法はJIS−Z−2242の定めるところにより実施した。衝撃値の12本の平均値を板状試料の特性値とした。衝撃値が15J/cm以上のものを、靭性において優れていると評価した。
表3の結果から明らかな通り、本発明の特許請求の範囲を満足する実施例1〜15は、強度(耐力)、耐食性(耐SCC性)、靭性(衝撃値)において優れていることが確認された。
これに対し、本発明の特許請求の範囲外の製造条件で製造された比較例1〜7、13は、本発明の特許請求の範囲内の組成のアルミニウム合金を用いても、金属組織(MgSiの面積率、再結晶率、分散粒子のサイズ分布指標値)が本発明の特許請求の範囲を満足しない。この結果、強度(耐力)、耐食性(耐SCC性)、靱性(衝撃値)のいずれかが、実施例に比して著しく劣ることが確認された。なお、比較例7は熱間鍛造の際に鍛造割れが発生した。
また、本発明の特許請求の範囲外の組成のアルミニウム合金を用いた比較例8〜12は、本発明の特許請求の範囲内の製造条件内で製造されているものの、金属組織(MgSiの面積率、再結晶率、分散粒子のサイズ分布指標値)が本発明の特許請求の範囲を満足しない。この結果、強度(耐力)、耐食性(耐SCC性)、靱性(衝撃値)のいずれかが、実施例に比して著しく劣ることが確認された。
本発明に係るアルミニウム合金鍛造材の金属組織状態を示す断面写真である。 本発明に係るアルミニウム合金鍛造材のTEM写真である。
符号の説明
1 再結晶領域
2 分散粒子

Claims (3)

  1. Mg:0.6〜1.0質量%、Si:0.8〜1.4質量%、Mn:0.4〜1.0質量%、Fe:0.05〜0.35質量%、Zn:0.1質量%以下、Cu:0.2質量%以下、Cr:0.35質量%以下、Zr:0.25質量%以下、Ti:0.01〜0.1質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるとともに、水素ガス濃度が0.25ml/100gAl以下のアルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金鍛造材であって、
    前記アルミニウム合金鍛造材において、最大長さ0.1μm以上のMgSiの面積率が0.15%以下、アルミニウム合金の再結晶率が20%以下、アルミニウム合金の分散粒子のV/r(V:分散粒子の面積率[%]、r:分散粒子の平均半径[nm])で定義されるサイズ分布指標値が0.20以上であることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材。
  2. 請求項1に記載のアルミニウム合金鍛造材を製造する製造方法であって、
    請求項1に記載された成分組成のアルミニウム合金を溶解して溶湯とする溶解工程と、
    前記溶湯に脱ガス処理を施して、水素ガス濃度を0.25ml/100gAl以下にする脱ガス工程と、
    脱ガス処理された前記溶湯を鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、
    前記鋳塊に、平均昇温速度20℃/hrを超え1000℃/hr以下で保持温度510〜570℃まで昇温し、前記保持温度で2hr以上保持した後冷却し、その冷却の際の平均冷却速度が前記保持温度から少なくとも350℃までを110℃/hr以上で行う均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、
    均質化熱処理された前記鋳塊を鍛造素材とし、前記鍛造素材に、開始温度460〜560℃、終了温度365℃以上の熱間鍛造を施す鍛造工程と、
    前記鍛造工程の後に、溶体化処理、焼入および高温時効処理からなるT6またはT7の調質処理を施す調質工程とを含むことを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  3. 請求項1に記載のアルミニウム合金鍛造材を製造する製造方法であって、
    請求項1に記載された成分組成のアルミニウム合金を溶解して溶湯とする溶解工程と、
    前記溶湯に脱ガス処理を施して、水素ガス濃度を0.25ml/100gAl以下にする脱ガス工程と、
    脱ガス処理された前記溶湯を鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、
    前記鋳塊に、平均昇温速度20℃/hrを超え1000℃/hr以下で保持温度510〜570℃まで昇温し、前記保持温度で2hr以上保持した後冷却し、その冷却の際の平均冷却速度が前記保持温度から少なくとも350℃までを110℃/hr以上で行う均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、
    均質化熱処理された前記鋳塊に、終了温度365℃以上の熱間押出を施して押出材とする押出工程と、
    前記押出材を鍛造素材とし、前記鍛造素材に、開始温度460〜560℃、終了温度365℃以上の熱間鍛造を施す鍛造工程と、
    前記鍛造工程の後に、溶体化処理、焼入および高温時効処理からなるT6またはT7の調質処理を施す調質工程とを含むことを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
JP2007065882A 2007-03-14 2007-03-14 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5180496B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007065882A JP5180496B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
KR1020097019029A KR101148421B1 (ko) 2007-03-14 2008-03-13 알루미늄 합금 단조재 및 그 제조방법
US12/527,083 US8372220B2 (en) 2007-03-14 2008-03-13 Aluminum alloy forgings and process for production thereof
PCT/JP2008/054601 WO2008114680A1 (ja) 2007-03-14 2008-03-13 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
DE112008000587T DE112008000587T5 (de) 2007-03-14 2008-03-13 Schmiedestücke aus einer Aluminiumlegierung und Verfahren zu deren Herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007065882A JP5180496B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008223108A JP2008223108A (ja) 2008-09-25
JP5180496B2 true JP5180496B2 (ja) 2013-04-10

Family

ID=39765788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007065882A Expired - Fee Related JP5180496B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8372220B2 (ja)
JP (1) JP5180496B2 (ja)
KR (1) KR101148421B1 (ja)
DE (1) DE112008000587T5 (ja)
WO (1) WO2008114680A1 (ja)

Families Citing this family (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101567094B1 (ko) 2009-12-04 2015-11-09 현대자동차주식회사 주조 단조용 알루미늄 합금, 현가장치용 주조 단조품 및 이를 제조하는 방법
JP5416624B2 (ja) 2010-03-15 2014-02-12 株式会社神戸製鋼所 自動車足回り部品およびその製造方法
JP5610582B2 (ja) 2010-03-18 2014-10-22 株式会社神戸製鋼所 高圧水素ガス貯蔵容器用アルミニウム合金材
JP5431233B2 (ja) * 2010-03-31 2014-03-05 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5723192B2 (ja) * 2010-03-31 2015-05-27 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
US9163304B2 (en) * 2010-04-20 2015-10-20 Alcoa Inc. High strength forged aluminum alloy products
KR101156318B1 (ko) * 2010-08-24 2012-06-13 주식회사 센트랄 컨트롤 암의 제조장치 및 방법
US9469892B2 (en) * 2010-10-11 2016-10-18 Engineered Performance Materials Company, Llc Hot thermo-mechanical processing of heat-treatable aluminum alloys
JP6091046B2 (ja) * 2010-11-10 2017-03-08 株式会社トープラ アルミ合金ボルトの製造方法及びアルミ合金ボルト
JP5863626B2 (ja) 2012-02-02 2016-02-16 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5872443B2 (ja) * 2012-03-30 2016-03-01 株式会社神戸製鋼所 自動車用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5698695B2 (ja) * 2012-03-30 2015-04-08 株式会社神戸製鋼所 自動車用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
KR102154132B1 (ko) 2012-04-25 2020-09-10 노르스크 히드로 아에스아 특성이 향상된 Al-Mg-Si 알루미늄 합금
CN103834836B (zh) * 2012-11-23 2016-03-02 深圳市欣茂鑫精密五金制品有限公司 一种压铸锻造铝合金及其生产方法
CN103014449A (zh) * 2012-12-03 2013-04-03 滁州迪蒙德模具制造有限公司 高强度铝合金发泡模铸件的加工工艺
TWI507532B (zh) * 2013-03-14 2015-11-11 Superalloyindustrial Co Ltd High strength aluminum magnesium silicon alloy and its manufacturing process
JP5837026B2 (ja) 2013-03-29 2015-12-24 株式会社神戸製鋼所 自動車用アルミニウム合金鍛造材及びその製造方法
DE102013018744A1 (de) * 2013-11-08 2014-08-14 Daimler Ag Verfahren zur Herstellung eines Bauteils für ein Kraftfahrzeug
KR101511544B1 (ko) * 2013-11-15 2015-04-13 현대자동차주식회사 열간단조용 알루미늄 합금을 이용한 단조품의 제조방법
US20170073802A1 (en) * 2014-03-27 2017-03-16 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Forged aluminum alloy material and method for producing same
EP3018226A1 (en) * 2014-11-05 2016-05-11 Constellium Valais SA (AG, Ltd) Ultra high strength products forged from 6xxx aluminium alloys having excellent corrosion resistance
CN105397000A (zh) * 2015-12-02 2016-03-16 贵州安大航空锻造有限责任公司 钛合金板形锻件的轧制方法
CN105562573B (zh) * 2015-12-29 2017-08-08 西北工业大学 置氢tc4钛合金锻造工艺参数的优化方法
SI24911A (sl) 2016-03-04 2016-07-29 Impol 2000, d.d. Visokotrdna aluminijeva zlitina Al-Mg-Si in njen postopek izdelave
EP3464659B2 (en) * 2016-06-01 2023-07-12 Aleris Aluminum Duffel BVBA 6xxx-series aluminium alloy forging stock material and method of manufacting thereof
JP7316937B2 (ja) * 2017-03-08 2023-07-28 ナノアル エルエルシー 高性能3000系アルミニウム合金
US20190037721A1 (en) * 2017-07-27 2019-01-31 Apple Inc. Anodized aluminum alloys having alloying elements to eliminate filiform corrosion
CN109706351A (zh) * 2017-10-26 2019-05-03 遵义市吉祥富康门窗有限公司 一种铝合金及其制备方法
WO2019089736A1 (en) * 2017-10-31 2019-05-09 Arconic Inc. Improved aluminum alloys, and methods for producing the same
AT522376B1 (de) * 2019-04-05 2022-03-15 Hammerer Aluminium Ind Extrusion Gmbh Stranggussbolzen aus einer Aluminiumbasislegierung, extrudiertes Profil und Verfahren zur Herstellung desselben
JP7459496B2 (ja) 2019-12-13 2024-04-02 株式会社レゾナック アルミニウム合金鍛造材の製造方法
CN113122743B (zh) * 2021-04-23 2022-06-24 东北大学 一种Al-V-B中间合金及其制备方法和应用
CN114000018A (zh) * 2021-10-13 2022-02-01 马鞍山市新马精密铝业股份有限公司 一种汽车保险杠用6系铝合金型材及制备方法
CN114277290A (zh) * 2021-12-28 2022-04-05 烟台南山学院 一种铝合金材料和铝合金空心管及其制备方法
WO2023158747A1 (en) * 2022-02-17 2023-08-24 Pyrotek, Inc. Method and apparatus for improving aluminum degassing efficiency
CN115233055B (zh) * 2022-07-25 2023-09-22 安徽工业大学 一种便于回收再利用的铝挤压型材及其制备方法
CN115283593B (zh) * 2022-08-18 2024-06-25 重庆新钰立金属科技有限公司 一种发电机油箱框铝锻件的成型方法
CN115386769A (zh) * 2022-08-30 2022-11-25 河南通达电缆股份有限公司 轻量化新能源汽车用铝合金排及其制备方法
CN115505804A (zh) * 2022-09-28 2022-12-23 深圳华晔美合金科技有限公司 一种镁铝合金材料以及制备方法
CN115572869A (zh) * 2022-10-25 2023-01-06 山东南山铝业股份有限公司 一种新能源汽车电池箱用抗裂性能铝合金及其制备方法
CN115717206B (zh) * 2022-10-28 2024-02-13 北京科技大学 一种高强高耐蚀Al-Mg-Si合金及其制备方法
CN115572871B (zh) * 2022-10-31 2023-09-15 山东骏程金属科技有限公司 商用铝合金锻造车轮及其制备方法
CN115874091A (zh) * 2022-11-28 2023-03-31 台山市金桥铝型材厂有限公司 一种高强高长期热稳定性的Al-Mg-Si铝合金及其制备方法与应用

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3642542A (en) * 1970-02-25 1972-02-15 Olin Corp A process for preparing aluminum base alloys
JPH0696756B2 (ja) * 1990-04-18 1994-11-30 日本軽金属株式会社 加工用Al―Cu系アルミニウム合金鋳塊の熱処理法およびこれを用いた押出材の製造法
JPH05247574A (ja) 1992-02-26 1993-09-24 Kobe Steel Ltd 鍛造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鍛造材の製造方法
JP2730423B2 (ja) * 1992-08-19 1998-03-25 日本軽金属株式会社 加工性に優れた過共晶Al−Si合金及び製造方法
JPH06256880A (ja) 1993-03-08 1994-09-13 Honda Motor Co Ltd 鍛造用アルミニウム合金鋳造部材
JPH07145440A (ja) 1993-11-22 1995-06-06 Mitsubishi Alum Co Ltd アルミニウム合金鍛造素材
JP3324444B2 (ja) * 1997-05-14 2002-09-17 日本軽金属株式会社 曲げ加工性に優れたアルミニウム押出し形材の製造方法
JP3684313B2 (ja) * 1998-08-25 2005-08-17 株式会社神戸製鋼所 自動車のサスペンション部品用高強度高靱性アルミニウム合金鍛造材
JP3721020B2 (ja) 1999-10-06 2005-11-30 株式会社神戸製鋼所 耐食性に優れた高強度高靱性アルミニウム合金鍛造材
JP2001262265A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Kobe Steel Ltd 高成形性アルミニウム合金板の熱間圧延材
JP2002146447A (ja) 2000-11-01 2002-05-22 Daido Steel Co Ltd 非鉄金属用脱ガス装置
JP2002294382A (ja) 2001-03-29 2002-10-09 Kobe Steel Ltd 耐食性に優れた高強度高靱性アルミニウム合金鍛造材
JP4774630B2 (ja) 2001-05-18 2011-09-14 日産自動車株式会社 アルミニウム鍛造部品の製造方法
JP2003155535A (ja) * 2001-11-16 2003-05-30 Nippon Light Metal Co Ltd 自動車ブラケット用アルミニウム合金押出材およびその製造方法
JP2004084058A (ja) * 2002-06-27 2004-03-18 Kobe Steel Ltd 輸送機構造材用アルミニウム合金鍛造材の製造方法およびアルミニウム合金鍛造材
JP3766357B2 (ja) 2002-07-12 2006-04-12 株式会社神戸製鋼所 強度部材用アルミニウム合金鍛造材および鍛造用素材
JP3761180B2 (ja) 2003-03-27 2006-03-29 株式会社神戸製鋼所 高強度アルミニウム合金鍛造材及びこれを用いた鍛造製品
JP2004292937A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Kobe Steel Ltd 輸送機構造材用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP2005113265A (ja) * 2003-09-18 2005-04-28 Fukuoka Prefecture 延性に優れたアルミニウム合金及びその製造方法
JP4298633B2 (ja) * 2003-11-10 2009-07-22 昭和電工株式会社 成形品の製造方法およびその生産ライン
TW200536946A (en) * 2003-12-11 2005-11-16 Nippon Light Metal Co Method for producing Al-Mg-Si alloy excellent in bake-hardenability and hemmability
EP2003219B1 (en) * 2006-03-31 2014-02-26 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Aluminum alloy forging member and process for producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008114680A1 (ja) 2008-09-25
DE112008000587T5 (de) 2010-01-07
US8372220B2 (en) 2013-02-12
KR20090109590A (ko) 2009-10-20
US20100089503A1 (en) 2010-04-15
KR101148421B1 (ko) 2012-05-25
JP2008223108A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5180496B2 (ja) アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5901738B2 (ja) アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5110938B2 (ja) 自動車足回り部品およびその製造方法
JP5698695B2 (ja) 自動車用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5863626B2 (ja) アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
RU2413025C2 (ru) Продукт из деформируемого алюминиевого сплава серии аа7000 и способ производства упомянутого продукта
JP5723192B2 (ja) アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
EP1709210A1 (en) Aluminum alloy for producing high performance shaped castings
JP7223121B2 (ja) 鍛造チタン合金による高強度のファスナ素材及びその製造方法
JP2004292937A (ja) 輸送機構造材用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP4801386B2 (ja) アルミ合金製塑性加工品、その製造方法、自動車用部品、時効処理炉、およびアルミ合金製塑性加工品の製造システム
JP4498180B2 (ja) Zrを含むAl−Zn−Mg−Cu系アルミニウム合金及びその製造方法
JP2004084058A (ja) 輸送機構造材用アルミニウム合金鍛造材の製造方法およびアルミニウム合金鍛造材
JP3726087B2 (ja) 輸送機構造材用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
JP5275321B2 (ja) アルミ合金製塑性加工品の製造方法
US20170073802A1 (en) Forged aluminum alloy material and method for producing same
JP2009249647A (ja) 高温でのクリープ特性に優れたマグネシウム合金およびその製造方法
JP2006274415A (ja) 高強度構造部材用アルミニウム合金鍛造材
JP4088546B2 (ja) 高温特性に優れたアルミニウム合金鍛造材の製造方法
JP2008062255A (ja) キャビティ発生の少ないAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の超塑性成形方法およびAl−Mg−Si系アルミニウム合金成形板
KR102012952B1 (ko) 알루미늄 합금 및 그 제조방법
KR102434921B1 (ko) 고강도 내식성 알루미늄 합금 및 이를 제조하는 방법
JP6345016B2 (ja) 熱間成形用アルミニウム合金板及びその製造方法
KR101690156B1 (ko) 고강도 및 고연성의 알루미늄 합금 압출재 제조방법
JP2009041113A (ja) 自動車用部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5180496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees