JP7316937B2 - 高性能3000系アルミニウム合金 - Google Patents

高性能3000系アルミニウム合金 Download PDF

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Description

[0001] 本願は、2017年3月8日に出願され、「高性能3000系アルミニウム合金」という名称の米国特許出願第62/468,461号の出願日の利益を主張し、その内容を参照により本明細書に組み込む。本発明は、National Science Foundationにより与えられる連邦給付金第IIP 1549282号による政府支援によりなされた。政府は本発明に特定の権利を有する。
[0002] 本願は、高強度、高延性、高い耐クリープ性、高い熱安定性及び耐久性を有する3000系アルミニウム合金のファミリーに関する。開示される合金は、非限定的に、飲料缶及びエアゾール缶の性能を改善するのに特に有利である。さらに、開示される合金は、例えば、屋根ふき及び板張り材、化学及び食料装置、貯蔵タンク、圧力容器、家電用品、台所用品、板金加工、トラック及びトレーラー部品、自動車部品、並びに熱交換器の性能の改善に有利である。
[0003] 主として飲料を保存するためのアルミニウム缶の製造は、世界中のアルミニウムの唯一最大の使用である。年間生産量は、1年あたり3200億缶という莫大なものであり、41億6000万キログラムのアルミニウムに等しい。さらに、缶に使用されるアルミニウムの75%は再生利用されるので、アルミニウム缶製造は、恐らく世界の最良の再生利用の例である。アルミニウム缶の製造量は莫大なので、効率改善は、倍数的に増加する巨大な効果を伴う;1グラムの重量が缶で節約されると、世界中で1年あたり20万トン超のアルミニウムを節約できる。この重量の利益と共に、エネルギー消費並びに輸送の間のCO排出量が低減される-両方とも環境の持続可能性における主要な測定基準である。さらに、アルミニウム缶が軽いことにより、充填、貯蔵、輸送、及び製品の寿命の最後での廃棄の間に資源の節約を助けることができる。このように、缶の軽量化は、数十年の間、最優先事項であった。
[0004] 飲料包装産業は、できるだけ多く材料を削減し続けながら、缶の性能を維持する方法を常に求めてきた。通常の缶のデザインは2つの部分からなる:缶の本体は、3000系アルミニウム、具体的にはAA3004でできており、缶の蓋及びオープナーは、5000系アルミニウム、具体的にはAA5182でできている。アルミニウム缶の一貫した正確な製造の裏にある成功は、強いけれども成形可能な3000系及び5000系アルミニウムシートに基づいている。缶の本体は缶の質量の約75%であり、より小さい蓋は、残りの25%である。より軽い缶を設計する最も明らかな2つの方法は、(i)より小さい蓋を設計すること、並びに(ii)缶の壁及び蓋の厚さを減少させることである。缶の本体及び蓋を薄くするために、密度、成形性、及び耐食性などの重要な特性を維持しながら、より強い3000系及び5000系合金が必要である。航空宇宙グレードの2000系及び7000系は非常に強いが、その低い成形性は缶製造に適していない。そのため、新たな缶製造材料を開発する通常の手法は、現在利用されている合金を改変すること、すなわち、合金組成及び熱機械的プロセスの変更を現在の3000系及び5000系合金に加えて、他の重要な性質を犠牲にせずにそれらを強化することである。さらに、缶中のアルミニウムの75%は再生利用され、現在、アルミニウムシートを鋳直すことに使用されつつあり、それは缶製造業者に返されて、新たなバッチの缶が製造される。再生利用は、缶製造の経済学において重要な役割を果たしており、そのため現在の3000系及び5000系合金の改変は、低コストの再生利用された缶の使用を維持することを助けるだろう。
[0005] 市販のアルミニウム合金の強度を増大させ、延性を維持するための周知の手段は、低濃度のスカンジウム(Sc)の添加である。強化は、時効処理の間のL1構造AlScナノ析出物(直径約5~10nm)の生成から生じ、それはアルミニウムマトリクスと密着する。これらの析出物の低い体積分率、ナノサイズ、及びマトリックス結合力は、合金が延性及び成形性などの他の性質を維持するのを助ける。しかし、スカンジウムは、非常に高価なので(銀の10倍高価である)、食品及び飲料包装などのコストに敏感な用途でのその使用が阻まれる。
[0006] したがって、密度、成形性、及び耐食性などの重要な特性を維持しながら、より強い3000系アルミニウム合金が必要とされている。より強い材料により、缶の壁はより薄くすることができ、より軽い飲料缶がもたらされる。
[0007] 本明細書に記載される実施形態は、AlZrナノスケール析出物を含む熱処理型アルミニウム-マンガン系(3000系)合金であって、ナノスケール析出物が約20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中にL1構造を有し、ナノスケール析出物の平均数密度が約2021-3以上である合金に関する。それらは、基本的にスカンジウムを含まない一方で(すなわち、スカンジウムが故意的に全く加えられない)、高強度、高延性、高い耐クリープ性、高い熱安定性及び耐久性を示す。いくつかの実施形態において、合金は、400℃もの高い温度で耐熱性且つ耐クリープ性である。いくつかの実施形態において、合金は、再生利用された使用済みアルミニウム缶を利用して製造できる。
[0008]図1Aは、(A)AlMn析出物を示すAl-1.2Mn重量%の明視野2ビーム透過型電子顕微鏡画像である。 [0008]図1Bは、(B)α-Al(Mn,Fe)Si析出物を示すAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%(AA3003)の明視野2ビーム透過型電子顕微鏡画像である。 [0008]図1Cは、(C)Al(Mn,Fe)Si及びL1-AlZrナノ析出物を示すAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(本発明の合金)の明視野2ビーム透過型電子顕微鏡画像である。 [0008]図1Dは、(D)図1Cの一部を高度に拡大した像である。 [0009]図2Aは、(A)文献のAA3003合金(●)、及び2つの合金:Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%(□)、及びAlZrナノ析出物が存在するAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(本発明の合金)(▲)の伸びに対する引張強度である。 [0009]図2Bは、(B)アニール温度(各温度で1時間)に対する、冷間圧延されたAl-1.2Mn重量%(Al-Mn)及びAl-1.2Mn-0.2Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(Al-Mn-ナノ)(本発明の合金)合金の微小硬度である。 [00010]図3は、Al-1.2Mn-1.0Mg-0.1Si重量%(3004)及びAl-1.2Mn-0.4Mg-0.2Si重量%(3005)薄板(厚さ300μm)と比べた、ピーク時効され圧延されたAl-1.2Mn-1.0Mg-0.4Fe-0.3Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(3004-ナノ)(本発明の合金)及びAl-1.2Mn-0.4Mg-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(3005-ナノ)(本発明の合金)の機械的性質である。 [00011]図4は、Al-1.2Mn重量%(Al-Mn)、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%(3003)、及びAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(3003-ナノ)(本発明の合金)合金の400℃での印加応力に対する引張クリープ速度である。 [00012]図5は、軽量、高温構造用途に使用される市販の2000系アルミニウム合金(全てT6-テンパー)と比べた、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(3003-ナノ)(本発明の合金)合金の高温(400℃)での引張強度である。 [00013]図6は、以下の工程:鋳造、熱間圧延、冷間圧延、及び約350℃~約450℃の範囲の温度で約2~約24時間の範囲の期間の熱時効処理により製造された、Al-1.0Mn-1.0Mg-0.15Cu-0.5Fe-0.2Si重量%(AA3004)(例の合金)及びAl-1.0Mn-1.0Mg-0.15Cu-0.5Fe-0.2Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(AA3004-ナノ)(本発明の合金)の破断点伸びに対する引張強度である。
[00014] AA3003アルミニウム合金は、1~1.5のMn、不純物として0.05~0.2のCu、0.7以下のFe及び0.5以下のSiを含み、0.05未満の他の不純物のそれぞれを含む(重量%)3000系の中で最も基本的な合金である。マンガンは、3000系アルミニウム合金中の主な合金元素であり、固溶体中で、又は微細な金属間相として強度を増加させる。最高に許容されたFe及びSiの濃度並びにAlZrナノ析出物の、この基本的な合金の性能に対する効果が調査された。存在するCuの低濃度がAA3003合金の機械的性質に影響しないことが知られていることが留意される。研究される3種の合金、すなわちAl-1.2Mn、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si、及びAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn(重量%)のナノ構造が図1A~1Dに示される。比較的低い数密度を有する典型的なAlMn析出物は、主にAl-1.2Mn合金、図1Aに観察された。六面構造を有するα-Al(Mn,Fe)Si析出物は、主に、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si合金、図1Bに観察されたが、ランダムに分布していない。Fe及びSiの濃度が、まだ標準的なAA3003合金の許容範囲内であることが留意される。言い換えると、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si合金は、American Aluminum(AA)標準に基づいてAA3003と分類される。これら2種のAl-Mn系合金(Fe及びSiあり及びなし)がそれらの析出物構造に明確な違いを有することは非常に興味深く、それは異なる機械的性質をもたらす。2種のナノ析出物の集団、六面α-Al(Mn,Fe)Si及びL1-構造AlZrナノ析出物は、主にAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%合金、図1C及び1Dに観察される。これらの析出物種類の両者からの非常に高い数密度が観察されるが、それは最高の強度並びに高温での耐クリープ性をもたらす。
[00015] 図2Aは、異なる条件に熱処理されたAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%及びAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%の引張試料の工学伸張に対する最大引張強度(UTS)を示す。異なるテンパーを有するAA3003の文献データも比較のためにプロットされている。強度と延性挙動の通常のトレードオフが両合金で観察される。Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn合金は、他のものと比べて強度と延性のより良好な組み合わせを達成する。例えば、8%の伸びで、UTSは、AA3003で約130MPa、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn(AlZrナノ析出物を含むAA3003合金)で約175MPaであり、これは強度の35%増加を表す。
[00016] 図2Bは、AlZrナノ析出物が存在する及び存在しないピーク時効されたAl-Mn試料、すなわち、それぞれAl-1.2Mn重量%及びAl-1.2Mn-0.2Si-0.3Zr-0.1Sn重量%合金の圧延シートのアニール温度の関数としての微小硬度を示す。このプロットは、再結晶温度で、肌理出し(textured)されると、圧延プロセスにより生じた冷間加工された結晶粒が再結晶化し、成長し、粗くなり、それが材料を柔らかくすることを示す。再結晶温度が、Al-Mnでは約350℃、ナノ析出物を含むAl-Mn合金では約460℃であること(110℃の増加)が図2Bから明らかである。これは、ツェナーピニングにより結晶粒界の動きを止めることによりAlZrナノ析出物が再結晶化を抑制することを示唆する。シート圧延プロセスは、典型的には高温で起こり(すなわち熱間圧延により)、そのため動的再結晶が起こり、ひずみ硬化が効果的でないため、この耐再結晶の増大は、高強度AA3003シート及び箔の製造に非常に有益である。新たな合金が460℃まで増加した再結晶温度を示すので、ひずみ硬化は有効になり得て、それにより最終的な圧延シート及び箔に強度を加える。
[00017] 市販のAA3004及びAA3005薄板と比べた、ピーク時効され且つ圧延された、AlZrナノ析出物が加えられたAA3004-ナノ及びAA3005-ナノの機械的性質が図3に示されている。AA3004とAA3005はどちらも追加のマグネシウムを含むが、AA3003は基本的にマグネシウムを含まない。市販のAA3004及びAA3005合金と比べて、AA3004-ナノとAA3005-ナノの両方の強度は増加し、延性は同じ又はより良好である。AA3005では、降伏強度で38%及び引張強度で29%、AA3004では、降伏強度で5%及び引張強度で7%の非常に有意な増加が観察された。AA3005-ナノ合金の結果は、アルミニウム缶本体を薄くする取り組みにとって非常に有望である。
[00018] 図4は、α-Alマトリックス、Al-1.2Mn重量%、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%、及びAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn合金重量%(本発明の合金)の印加応力の関数としての定常状態引張クリープ速度を示す。クリープ温度はアルミニウム合金では非常に高く、400℃、すなわち(ケルビンスケールで)融解温度の72%である。この図は、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Snが、10-7-1超のひずみ速度で、他の2種の合金と比べて劇的に改善された耐クリープ性を有することを示す。限界応力は、それ未満では観察可能なクリープが全く検出されない点だが、それは3種の合金全てに存在する。その値は、Al-1.2Mn重量%では約15MPa、及びAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%とAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%合金の両方では約22MPaである。AlZrナノ析出物が加えられたAl-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si重量%合金の劇的な耐クリープ性の改善は、28MPaの印加応力下で約4桁緩徐化されたひずみ速度に等しい(これは、約400日に対して1時間での同じ歪みの蓄積に相当する)。このように、AlZrナノ析出物の添加により、合金はAA3003合金の熱安定性及び耐久性の強力な改善を示す。
[00019] 図5は、エンジンブロック及びピストンなど、現在高温で利用されている市販の2000系アルミニウム合金と比べた、Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%の非常に高温での(400℃)機械的強度を示す。Al-1.2Mn-0.12Cu-0.7Fe-0.5Si-0.3Zr-0.1Sn重量%本発明の合金の降伏強度と引張強度の両方とも、2000系アルミニウム合金の約2倍である。そのような高温でのこの非常に高い強度は、軽量及び優れた高温性能を要する自動車及び航空宇宙部品の巨大な潜在的用途を呈する。しかしながら、AA3003-ナノのコストは、主にAA3003-ナノが再生利用された飲料缶を利用して製造できるという理由で、2000系アルミニウム合金よりはるかに低い(それぞれ、約0.6ドル/ポンドと約1.0/ポンド)。
[00020] 図6は、以下の工程:鋳造、熱間圧延、冷間圧延、及び約350℃~約450℃の範囲の温度で約2~約24時間の範囲の期間の熱時効処理により製造されたAl-1.0Mn-1.0Mg-0.15Cu-0.5Fe-0.2Si重量%(AA3004)(例の合金)、及びAl-1.0Mn-1.0Mg-0.15Cu-0.5Fe-0.2Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(AA3004-ナノ)(本発明の合金)の破断点伸びに対する引張強度を示す。破断点伸び試料では、AA3004-ナノ合金は、AA3004合金と比べて約20~30MPa高い引張強度を達成する。同じ引張強度では、AA3004-ナノ合金は、約0.02~0.03高い破断点伸びを達成する。これらの改善は、合金中のZr及びSnの存在から、上述の処理工程により生じたAlZrナノ析出物の存在の結果である。
[00021] 表1は、Al-1.0Mn-1.0Mg-0.15Cu-0.5Fe-0.2Si重量%(AA3004)(例の合金1)、Al-1.0Mn-1.0Mg-0.15Cu-0.5Fe-0.2Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(AA3004-ナノ)(本発明の合金1)、Al-0.85Mn-2.0Mg-0.17Cu-0.52Fe-0.24Si重量%(UBC)(例の合金2)、及びAl-0.85Mn-2.0Mg-0.17Cu-0.52Fe-0.24Si-0.3Zr-0.1Sn重量%(UBC-ナノ)(本発明の合金2)の薄板(厚さ0.25mm)の機械的性質を列記する。AA3004は、飲料缶本体用の通常のアルミニウム合金である。AA3004-ナノ合金(本発明の合金1)は、AA3004合金(例の合金1)と比べて、基本的に同じ破断点伸びを維持しながらより高い降伏強度及び引張強度を達成する。UBCは、使用済み飲料缶(UBC)の再融解により製造された合金である。典型的には、UBCの化学組成は、Al-0.85Mn-2.0Mg-0.17Cu-0.52Fe-0.24Si重量%である。Zr及びSnを加えてAlZrナノ析出物を形成した後、UBC-ナノ(本発明の合金2)は、UBC合金(例の合金2)と比べて、基本的に同じ破断点伸びを維持しながら、より高い降伏強度及び引張強度を達成する。再生利用された使用済み飲料缶を利用するため、UBCとUBC-ナノ合金のどちらの材料コストも、飲料缶に利用される通常の3000系アルミニウム合金よりはるかに低い。表1の合金の薄板は、以下の工程:鋳造、熱間圧延、アニーリング、冷間圧延、及び安定化熱処理により製造された。
Figure 0007316937000001
[00022] 一実施形態において、アルミニウム合金は、アルミニウム、マンガン、ジルコニウム、及び接種剤を含み、AlZrを含むナノスケール析出物を含み、ナノスケール析出物は約20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中にL1構造を有し、ナノスケール析出物の平均数密度は約2021-3以上であり、接種剤はスズを含む。
[00023] 一実施形態において、アルミニウム合金は、400℃の温度で少なくとも約40MPaの降伏強度を有する。
[00024] 一実施形態において、アルミニウム合金のクリープ速度は、25MPaの印加応力の下、400℃の温度で、毎秒約10-7未満である。
[00025] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.8~約1.5重量%のマンガン;約0.2~約0.5重量%のジルコニウム;約0.01~約0.2重量%のスズ;及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00026] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.05~約0.7重量%の鉄;約0.05~約0.6重量%のケイ素;約0.8~約1.5重量%のマンガン;約0.2~約0.5重量%のジルコニウム;約0.01~約0.2重量%のスズ;及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00027] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.05~約0.7重量%の鉄;約0.05~約0.6重量%のケイ素;約0.8~約1.5重量%のマンガン;約0.2~約0.5重量%のジルコニウム;約0.01~約0.2重量%のスズ;約0.05~約0.2重量%の銅;及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00028] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.2重量%のケイ素、約1.2重量%のマンガン、約0.3重量%のジルコニウム、約0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00029] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.12重量%の銅、約0.7重量%の鉄、約0.5重量%のケイ素、約1.2重量%のマンガン、約0.3重量%のジルコニウム、約0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00030] 一実施形態において、アルミニウム合金は、アルミニウム、マンガン、マグネシウム、ケイ素、ジルコニウム、及び接種剤を含み、AlZrを含むナノスケール析出物を含み、ナノスケール析出物は、約20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中のL1構造を有し、ナノスケール析出物の平均数密度は約2021-3以上であり、接種剤は、スズ、ストロンチウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、鉛、及びビスマスの1種以上を含む。
[00031] 一実施形態において、アルミニウム合金がハードテンパー(hard-temper)である場合、それは、室温で、少なくとも約330MPaの降伏強度、少なくとも約360MPaの引張強度、及び少なくとも約3%の伸びを有する。
[00032] 一実施形態において、アルミニウム合金がソフトテンパー(soft-temper)である場合、それは、室温で、少なくとも約230MPaの引張強度、及び少なくとも約10%の伸びを有する。
[00033] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.05~約0.7重量%の鉄;約0.05~約0.6重量%のケイ素;約0.05~約3.0重量%のマグネシウム;約0.8~約1.5重量%のマンガン;約0.2~約0.5重量%のジルコニウム;約0.01~約0.2重量%のスズ;及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00034] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.05~約0.2重量%の銅;約0.05~約0.7重量%の鉄;約0.05~約0.6重量%のケイ素;約0.05~約3.0重量%のマグネシウム;約0.8~約1.5重量%のマンガン;約0.2~約0.5重量%のジルコニウム;約0.01~約0.2重量%のスズ;及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00035] 一実施形態において、アルミニウム合金がハードテンパーである場合、合金は、室温で、少なくとも約370MPaの降伏強度、少なくとも約395MPaの引張強度、及び少なくとも約4%の伸びを有する。
[00036] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約10nm以下の平均直径を有する複数のL1析出物を含む。
[00037] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約3nm~約7nmの平均直径を有する複数のL1析出物を含む。
[00038] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.4重量%のマグネシウム、約0.7重量%の鉄、約0.5重量%のケイ素、約1.2重量%のマンガン、約0.3重量%のジルコニウム、約0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00039] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約1.0重量%のマグネシウム、約0.4重量%の鉄、約0.3重量%のケイ素、約1.2重量%のマンガン、約0.3重量%のジルコニウム、約0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00040] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.15重量%の銅、約1.0重量%のマグネシウム、約0.5重量%の鉄、約0.2重量%のケイ素、約1.0重量%のマンガン、約0.3重量%のジルコニウム、約0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00041] 一実施形態において、アルミニウム合金は、約0.17重量%の銅、約2.0重量%のマグネシウム、約0.52重量%の鉄、約0.24重量%のケイ素、約0.85重量%のマンガン、約0.3重量%のジルコニウム、約0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む。
[00042] いくつかの実施形態において、アルミニウム合金の少なくとも70%(いくつかの実施形態において、少なくとも80%、いくつかの実施形態において、少なくとも90%、及びいくつかの実施形態において、少なくとも95%)は、使用済みアルミニウム缶から再生利用される。
[00043] 開示されるアルミニウム合金は基本的にスカンジウムを含まず、それは、スカンジウムが故意に全く加えられていないことを意味すると理解される。アルミニウム合金へのスカンジウムの添加は、機械的性質にとって有利である。例えば、それは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,620,652号に記載されている。しかし、スカンジウムは非常に高価であるため(銀の10倍高価である)、その実際的な用途が厳しく制限されている。
[00044] 約0.3重量%までの濃度のジルコニウムが、結晶粒微細化のためにアルミニウム合金に加えられることがある。微細化された結晶粒構造は、最終生成物の鋳造性、延性、及び加工性を改善するのを助ける。1例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,976,278号に記載されている。本願において、基合金の機械的強度、延性、耐クリープ性、熱安定性及び耐久性を改善する目的で、約0.5重量%未満、好ましくは約0.4重量%未満の濃度のジルコニウムが接種剤元素と共に加えられて、AlZrナノ析出物が形成するが、ナノスケール析出物は約20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中にL1構造を有し、ナノスケール析出物の平均数密度は約2021-3以上である。一般的に、約0.2重量%を超える濃度のジルコニウムが、Zr原子がAlZrナノ析出物を形成する充分な推進力を持つために必要とされる。
[00045] 開示されるアルミニウム合金は接種剤を含むが、接種剤は、スズ、ストロンチウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、インジウム、アンチモン、鉛、及びビスマスの1種以上を含む。接種剤の存在は、AlZrナノ析出物の析出速度を加速させ、そのためこれらの析出物は、熱処理の間の実際的な時間内に形成され得る。言い換えると、有益なAlZrナノ析出物は、接種剤の存在しない場合の数週間又は数か月の熱処理と比べて、接種剤の存在により数時間の熱処理内に形成できる。全接種剤元素の中で、スズは、AlZrナノ析出物の析出速度を加速させる点で最良の性能を発揮するようである。約0.2%未満のスズ濃度が、言及された目的に必要である。この値を超えると、スズはアルミニウム固体マトリックス中にバブル及び/又は液相を形成するが、それは機械的性質には有害である。この挙動は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,453,272号に記載されている。
[00046] 開示されるアルミニウム合金から部品を製造する一方法は、a)合金を約700~900℃の温度で融解すること;b)次いで、合金を、鋳型中に周囲温度で鋳造すること;c)次いで、冷却媒体を使用して、鋳造された鋳塊を冷却すること;及びd)次いで、鋳造された鋳塊を、約350℃~約450℃の温度で約2~約48時間の期間、熱時効させることを含む。一実施形態において、方法は、鋳造された鋳塊を冷間圧延してシート製品を形成することをさらに含む。一実施形態において、方法は、約140℃~約170℃の温度で約1~約5時間の期間のシート製品の最終的な安定化熱処理をさらに含む。いくつかの実施形態において、冷却媒体は、空気でも、水でも、氷でも、ドライアイスでもよい。上述の熱時効工程(350~450℃で2~48時間)は、開示されるアルミニウム合金を含む部品のためのピーク時効であると決定される。開示されるアルミニウム合金から製造された部品がピーク時効される場合、部品のミクロ構造は熱的に安定であり、長時間高温に曝されても変化しない。
[00047] 開示されるアルミニウム合金から部品を製造する別の方法は、a)合金を、約700~900℃の温度で融解すること;b)次いで、合金を、鋳型中に周囲温度で鋳造すること;c)次いで、冷却媒体を使用して、鋳造された鋳塊を冷却すること;及びd)次いで、合金を熱間圧延してシートにすることを含む。一実施形態において、方法は、次いで、シートを、約350℃~約450℃の温度で約2~約48時間の期間、熱時効させることをさらに含む。一実施形態において、方法は、次いで、熱時効工程の後にシートを冷間圧延して、薄板又は箔製品を形成することをさらに含む。一実施形態において、方法は、約140℃~約170℃の温度で約1~約5時間の期間の、薄板又は箔製品の最終的な安定化熱処理をさらに含む。
[00048] 開示されるアルミニウム合金から部品を製造する別な方法は、a)合金を約700~900℃の温度で融解すること;b)次いで、合金を、鋳型中に周囲温度で鋳造すること;c)次いで、冷却媒体を使用して、鋳造された鋳塊を冷却すること;d)次いで、合金を熱間圧延してシートにすること;e)次いで、シートを冷間圧延して、薄板又は箔製品を形成すること;f)次いで、薄板又は箔製品を、約350℃~約450℃の温度で約2~約24時間の期間、熱時効させることを含む。
[00049] 開示される合金のいくつかの用途には、例えば、飲料缶、エアゾール缶、屋根ふき材、板張り材、化学製造装置、食品製造装置、貯蔵タンク、圧力容器、家電用品、台所用品、板金加工、トラック部品、トレーラー部品、自動車部品、及び熱交換器がある。開示されるアルミニウム合金のいくつかの成形加工された形態には、例えば、ワイヤ、シート、プレート、及び箔がある。
[00050] 前記から、本発明の新規な概念の真の趣旨及び範囲から逸脱せずに、多くの改変体及び変形体が実施され得ることが理解されるだろう。示され且つ説明された具体的な実施形態に関して限定は全く意図されず、推測されるべきでないことが理解されるべきである。

Claims (33)

  1. 0.8~1.5重量%のマンガン;
    0.05~3.0重量%のマグネシウム;
    0.05~0.6重量%のケイ素;
    0.2~0.5重量%のジルコニウム;
    0.05~0.7重量%の鉄;
    接種剤としての0.01~0.2重量%のスズ;及び
    残部としてのアルミニウムからなるアルミニウム合金であって、
    前記アルミニウム合金が、AlZrを含むナノスケール析出物を含み、
    前記ナノスケール析出物が20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中にL1構造を有する、アルミニウム合金。
  2. さらに0.05~0.2重量%の銅を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 複数のL1析出物が10nm以下の平均直径を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  4. 複数のL1析出物が3nm~7nmの平均直径を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  5. 前記アルミニウム合金が、室温で、少なくとも330MPaの降伏強度、少なくとも360MPaの引張強度、及び少なくとも3%の伸びを有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  6. 0.7重量%の鉄、1.2重量%のマンガン、0.4重量%のマグネシウム、0.5重量%のケイ素、0.3重量%のジルコニウム、0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムからなる、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  7. 0.4重量%の鉄、1.2重量%のマンガン、1.0重量%のマグネシウム、0.3重量%のケイ素、0.3重量%のジルコニウム、0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムからなる、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  8. 0.15重量%の銅、0.5重量%の鉄、1.0重量%のマンガン、1.0重量%のマグネシウム、0.2重量%のケイ素、0.3重量%のジルコニウム、0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムからなる、請求項2に記載のアルミニウム合金。
  9. 0.17重量%の銅、0.52重量%の鉄、0.85重量%のマンガン、2.0重量%のマグネシウム、0.24重量%のケイ素、0.3重量%のジルコニウム、0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムからなる、請求項2に記載のアルミニウム合金。
  10. 故意的に加えられたスカンジウムを含まない、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  11. 前記合金の少なくとも70%が、リサイクルされたアルミニウム缶からのものである、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  12. 前記合金の少なくとも80%が、リサイクルされたアルミニウム缶からのものである、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  13. 前記合金の少なくとも90%が、リサイクルされたアルミニウム缶からのものである、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  14. 前記合金の少なくとも95%が、リサイクルされたアルミニウム缶からのものである、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  15. 請求項1に記載のアルミニウム合金から部品を製造する方法であって
    a)前記合金を700℃~900℃の温度で融解すること;
    b)前記合金を鋳型中に周囲温度で鋳造すること;
    c)冷却媒体を使用して、前記鋳造された鋳塊を冷却すること;及び
    d)前記鋳造された鋳塊を、350℃~450℃の温度で2時間~48時間の期間、熱時効させること
    を含む方法。
  16. 前記鋳造された鋳塊を冷間圧延して、シート製品を形成することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 140℃~170℃の温度で1~5時間の期間、前記シート製品の安定化熱処理を行うことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1に記載のアルミニウム合金から部品を製造する方法であって
    a)前記合金を700℃~900℃の温度で融解すること;
    b)前記合金を鋳型中に周囲温度で鋳造すること;
    c)冷却媒体を使用して、前記鋳造された鋳塊を冷却すること;及び
    d)前記鋳造された鋳塊を熱間圧延して、シートを形成すること
    を含む方法。
  19. 前記シートを、350℃~450℃の温度で2時間~48時間の期間、熱時効させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記熱時効工程の後、前記シートを冷間圧延して、薄板又は箔製品を形成することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記薄板又は箔製品を、140℃~170℃の温度で1~5時間の期間、熱安定化処理することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. e)前記シートを冷間圧延して、薄板又は箔製品を形成すること;及び
    f)前記薄板又は箔製品を、350℃~450℃の温度で2時間~24時間の期間、熱時効させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  23. 請求項1に記載のアルミニウム合金を含む飲料缶。
  24. 請求項1に記載のアルミニウム合金を含むエアゾール缶。
  25. 請求項1に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム合金部品であって、屋根ふき材、板張り材、化学製造装置、食品製造装置、貯蔵タンク、圧力容器、家電用品、台所用品、トラック部品、トレーラー部品、自動車部品、及び熱交換器からなる群から選択されるアルミニウム合金部品。
  26. ワイヤ、シート、プレート、及び箔からなる群から選択される、請求項1に記載のアルミニウム合金の成形加工された形態。
  27. 0.8~1.5重量%のマンガン;
    0.2~0.5重量%のジルコニウム;
    0.05~0.6重量%のケイ素;
    接種剤としての0.01~0.2重量%のスズ;及び
    残部としてのアルミニウムからなるアルミニウム合金であって、
    前記アルミニウム合金が、AlZrを含むナノスケール析出物を含み、
    前記ナノスケール析出物が20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中にL1構造を有する、アルミニウム合金。
  28. 0.8~1.5重量%のマンガン;
    0.2~0.5重量%のジルコニウム;
    0.05~0.6重量%のケイ素;
    0.05~0.7重量%の鉄;
    0.05~0.2重量%の銅;
    接種剤としての0.01~0.2重量%のスズ;及び
    残部としてのアルミニウムからなるアルミニウム合金であって、
    前記アルミニウム合金が、AlZrを含むナノスケール析出物を含み、
    前記ナノスケール析出物が20nm以下の平均直径を有し、α-Al面心立方構造マトリックス中にL1構造を有する、アルミニウム合金。
  29. 前記合金が、400℃の温度で少なくとも40MPaの降伏強度;及び25MPaの印加応力の下400℃の温度で、毎秒10-7未満のクリープ速度を有する、請求項27又は28に記載のアルミニウム合金。
  30. さらに0.05~0.2重量%の銅を含む、請求項27に記載のアルミニウム合金。
  31. 1.2重量%のマンガン、0.3重量%のジルコニウム、0.2重量%のケイ素、0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムからなる、請求項27に記載のアルミニウム合金。
  32. 1.2重量%のマンガン、0.3重量%のジルコニウム、0.12重量%の銅、0.7重量%の鉄、及び0.5重量%のケイ素、0.1重量%のスズ、及び残部としてのアルミニウムを含む、請求項30に記載のアルミニウム合金。
  33. 前記アルミニウム合金が、室温で、少なくとも230MPaの引張強度、及び少なくとも10%の伸びを有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
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