JP5179999B2 - タイヤ試験機の駆動制御方法及びタイヤ試験機 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤを回転させるタイヤ駆動用電動機と、擬似路面を移動させる擬似路面駆動用電動機とを用いてタイヤ試験を行うタイヤ試験機の駆動制御方法及びタイヤ試験機に関する。
従来より、タイヤを装着したタイヤ軸(スピンドル軸)をタイヤ駆動用電動機で回転させると共に、タイヤが接地する擬似路面を有する駆動ドラムを、タイヤ駆動用電動機とは別の擬似路面用電動機で回転させることができるタイヤ試験機として、特許文献1に示すものがある。
このタイヤ試験機においては、例えば、タイヤを模擬路面に接地した状態で、タイヤの回転数(タイヤの速度)と、駆動ドラムの回転数(駆動ドラムの速度)とを異ならせることによって、タイヤを擬似路面上でスリップさせながら試験を行うことができる(スリップ試験ということがある)。
米国特許6584835号明細書
スリップ試験では、駆動ドラムの速度を一定にした状態でタイヤの速度を増減させ、これによって、擬似路面に対するタイヤの速度を変化させている、即ち、スリップ率を変化させている。
しかしながら、タイヤの速度を駆動ドラムの速度に対して変更したとき、擬似路面側にタイヤ側からの外力がかかり、コントローラで制御されており一定であるはずの擬似路面移動速度が変化する場合がある。一定であるはずの擬似路面移動速度が変化してしまうと、スリップ率が変化してしまい、正確なスリップ率とならない問題がある。
また、変化した擬似路面移動速度が一定に安定するまでタイヤ試験機にアイドルタイムが生じる問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、タイヤの試験を行う場合に、擬似路面の移動速度を安定化した状態でスムーズに試験を行うことができるタイヤ試験機の駆動制御方法及びタイヤ試験機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。即ち、タイヤ軸を介してタイヤを回転させるタイヤ駆動用電動機と、擬似路面を移動させる擬似路面駆動用電動機とを備えたタイヤ試験機を用いて、前記タイヤ駆動用電動機と前記擬似路面駆動用電動機とを駆動させてタイヤ試験を行うタイヤ試験機の駆動制御方法において、前記タイヤ駆動用電動機に制動力あるいは駆動力をかけて前記タイヤを回転させたときに前記擬似路面駆動用電動機に対して当該タイヤ側からの外力として作用するトルクを求め、この外力に相当するトルクを当該擬似路面駆動用電動機の出力トルクに付加する点にある。
前記擬似路面は前記擬似路面駆動用電動機によって駆動する駆動ドラムで移動されるように設けられており、前記擬似路面駆動用電動機に付加するトルクは、式(1)〜式(3)により求めることが好ましい。
Figure 0005179999
本発明の他の技術手段は、タイヤ軸を回転させるタイヤ駆動用電動機と、擬似路面を移動させる擬似路面駆動用電動機と、前記タイヤ駆動用電動機及び擬似路面駆動用電動機を制御するコントローラとを備えたタイヤ試験機であって、前記コントローラは、前記タイヤ駆動用電動機に制動力あるいは駆動力をかけて前記タイヤを回転させた場合に前記擬似路面駆動用電動機に対して当該タイヤ側からの外力として作用するトルクを求める作用トルク算出部と、この作用トルク算出部で算出した前記外力に相当するトルクを当該擬似路面駆動用電動機の出力トルクに付加するトルク付加部とを備えている点にある。
本発明によれば、タイヤの試験を行う場合に、擬似路面の移動速度を安定化した状態でスムーズに試験を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1はタイヤ試験機を示したものである。
図1はタイヤ試験機の全体構成を示したものである。以下の説明において、図1の紙面上下方向を上下方向又は鉛直方向とし、図1の紙面左右方向を左右方向とし、図1の紙面貫通方向を前後方向とする。
図1に示すように、タイヤ試験機1は、擬似路面2を移動させる路面移動機構3とタイヤTを回転自在に保持するタイヤ保持機構4と、タイヤTを擬似路面2に押し付けたりスリップ角やキャンバ角などを付与する移動機構5と、タイヤ保持機構4、路面移動機構3及び移動機構5を制御するコントローラ6とを備えている。
路面移動機構3は、円筒状の駆動ドラム10と、この駆動ドラム10を回転駆動する擬似路面駆動用電動機11とを備えている。駆動ドラム10はタイヤ保持機構4の下方に配置されて、その外周面に擬似路面2が形成されている。駆動ドラム10の回転軸12は第1支持台13に回転自在に支持されている。擬似路面駆動用電動機11は駆動ドラム10の右側(図1の右側)に配置されて第2支持台14に固定されている。擬似路面駆動用電動機11の回転軸8と駆動ドラム10の回転軸12とはドライブシャフト15を介して連結されていて一体回転自在となっている。
タイヤ保持機構4は、路面移動機構3の上方に配置されていて、リム(不図示)を介してタイヤTを保持するタイヤ軸(スピンドル軸)15と、タイヤ軸15を回転自在に支持するハウジング16と、ハウジング16を介してタイヤTの荷重やモーメントを測定する6分力計(ロードセル)17と、タイヤ軸15を回転させるタイヤ駆動用電動機18とを備えている。
ハウジング16及びロードセル17は、昇降自在となっている移動機構5の昇降フレーム19の下部に設けられていて、この昇降フレーム19は第3支持台20に設けられた支持フレーム21に支持されている。タイヤ駆動用電動機18は、第3支持台20の右側に設けられている。
タイヤ軸15(スピンドル軸)とタイヤ駆動用電動機18の回転軸24とはドライブシャフト25とその両端に設けられている自在継手を介して連結されていて一体回転自在となっている。
このタイヤ試験機においては、タイヤ駆動用電動機と擬似路面駆動用電動機との両者を駆動させることによってタイヤ試験を行うことができ、これらの電動機の駆動によって、タイヤを擬似路面上でスリップさせながら試験を行うスリップ試験を行うことができる。 以降、このスリップ試験と、スリップ試験時での駆動制御方法について、コントローラ6の構成も含めて詳しく説明する。
スリップ試験では、まず、タイヤ軸15にタイヤTを装着した後、移動機構5の昇降フレーム19を下降させてタイヤTを擬似路面2に接地させる。そして、タイヤTを擬似路面2に接地させた状態で、擬似路面駆動用電動機11を駆動させて駆動ドラム10を回転させると共に、タイヤ駆動用電動機18を駆動させてタイヤ軸15を回転させることによって、擬似路面2の移動に対してタイヤTをスリップさせる。
詳しくは、スリップ試験では、スリップ前とスリップ後での試験条件(タイヤTの空気圧、擬似路面2に対してタイヤTにかける負荷荷重、擬似路面移動速度など)を、それぞれ同じ条件(値)とする。
その上で、スリップ試験では、後述するように、擬似路面2の移動に対するタイヤTのスリップ率Srを設定し、その後に設定したスリップ率SrでタイヤTをスリップさせながら、タイヤTのキャンバ角、スリップ角を変えたときのタイヤTにかかる負荷をロードセル17にて測定したり、スリップ率Srを逐次変化させたときのタイヤTのトレッド等の状態を観測する。
スリップ試験の中には、スリップ率Srの設定や変更を行うスリップ運転(スリップ率運転ということがある)があり、このスリップ率運転では、始めに、所定荷重でタイヤTをドラムに押し付けた状態(タイヤTを擬似路面2に接地させた状態)で、タイヤ軸15をトルク零の状態で回転させる。即ち、スリップ率運転では、まず、タイヤTを擬似路面2に接地後にタイヤ駆動用電動機18は駆動せず、擬似路面駆動用電動機11のみを駆動させることによって、タイヤTを擬似路面の移動に伴って回る連れ回り状態にする。
この連れ回り状態では、タイヤTは擬似路面の移動によってのみ回転することからタイヤTは擬似路面2に対してスリップしておらず、スリップ率Srはゼロとなる。
次に、スリップ率Srがゼロの状態からタイヤ駆動用電動機18の回転数を変更してタイヤ回転速度を変更(制駆動運転)することによって、タイヤTを擬似路面2上で意図的にスリップをさせる。
ここで、実車試験を行ったときのタイヤTのスリップ状態を考えてみると、通常、路面の速度(路面移動速度)は一定に対して制駆動運転することによりタイヤTの回転速度が速くなったり遅くなったりすることで、タイヤTは路面に対してスリップする。
しかしながら、タイヤ試験におけるスリップ率運転においては、タイヤTをスリップさせるためにタイヤ回転速度を変更すると、変更時にタイヤ側からの力が擬似路面2を介して擬似路面駆動用電動機11に加わり、この外力によって擬似路面駆動用電動機11の回転数が変動し、タイヤ回転速度の変更に伴って擬似路面移動速度が変動する可能性がある。即ち、タイヤTがスリップ状態の時に、コントローラで制御されており一定であるべき筈の擬似路面移動速度が変動してしまう。そこで、スリップ時に、タイヤ回転速度の変更に伴って擬似路面移動速度が変動することを抑制するために、本発明では、タイヤ駆動用電動機18に制動力あるいは駆動力をかけてタイヤTを回転させたとき、即ち制駆動運転をさせたときに擬似路面駆動用電動機11に対して外力として作用するトルク(作用トルク)を求める。その上で、タイヤTから擬似路面2へと作用する外力に相当する作用トルクを、擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワードすることによって、タイヤ回転速度の変更時に、擬似路面駆動用電動機11の回転数が変動しないようにしている。
具体的には、タイヤTを回転させたときに擬似路面駆動用電動機11に対してタイヤ側からの外力として作用する作用トルクを、式(1)〜式(2)により求め、式(3)によって作用トルクを補正して、式(3)によって補正した作用トルクを擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード成分として加えることとしている。
Figure 0005179999
なお、Tnは電動機のコントローラ内部の出力トルク計測部によって求められるもので、Trは、一般的に擬似路面2からrタイヤTのホイールセンタまでの距離によって求められるものであるが、タイヤ試験中において擬似路面2からタイヤTのホイールセンタまでの距離を実測することは難しいことから、この実施形態では式(4)によって、タイヤ転がり半径を求めている。Grは、擬似路面用電動機11に接続された減速機の減速比である。この実施形態では、補正係数を1.0としており、Tdm=FFである。
Figure 0005179999
このように、式(1)〜式(3)によって求められた補正後の作用トルクFFを擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード又はフィードバックすることによって、擬似路面移動速度は、タイヤTのスリップ率Srを変更する場合などのタイヤの回転速度が変化しても、ほとんど変動しなくなる。
そこで、擬似路面移動速度がほとんど変動せず、略一定であるときは、スリップ率Srは式(5)に示す如く求めることができる。
Figure 0005179999
したがって、この実施形態では、式(5)で求められるスリップ率Srが、タイヤ試験で用いる目標値(予め設定した値)となるように、タイヤ駆動用電動機18にコントローラ6から回転指令を与えてタイヤ回転速度を増減させると共に、作用トルクFFを擬似路面駆動用電動機11の出力トルクに加えて駆動させている。
なお、タイヤTから擬似路面2へと作用する外力に相当する作用トルクを、擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード成分又はフィードバック成分として付加しているため、擬似路面移動速度は略一定であるが、さらに、非常に微少な擬似路面移動速度の変動も考える場合には、式(6)及び式(7)を用いて、スリップ率Srを補正することも可能である。
即ち、スリップ率Srがゼロのときのタイヤ回転速度ωtzと、現在の擬似路面移動速度(変更時の擬似路面移動速度)ωdと、スリップ率Srがゼロのときの擬似路面移動速度ωdzとから、擬似路面移動速度ωdzの変化に応じたタイヤ回転速度ωtz’を計算し、式(6)によって、タイヤ回転速度の変化に伴う擬似路面移動速度の微少な変動を加味して、設定するためのスリップ率Srを補正することも可能である。
Figure 0005179999
つまり、非常に微少な擬似路面移動速度の変動も考える場合には、作用トルクFFを擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード成分として付加すると共に、式(6)で求められるスリップ率Srが、タイヤ試験で用いる目標値(予め設定した値)となるように、タイヤ駆動用電動機18にコントローラ6から回転指令を与えてタイヤ回転速度を増減させるようにしてもよい。
スリップ率運転を、さらに詳しく見ると、当該スリップ率運転には、図3に示すように、Sweep運転と、Step運転と、固定運転との3種類の運転がある。これらSweep運転、Step運転、固定運転は、上述したように、スリップ率Srを設定する点では共通しているが、ぞれぞれの運転では、所定時間内(1ステップ内)にスリップ率Srを変更する度合いが異なる。
図3(a)に示すように、Sweep運転は、所定時間内(1ステップ内)にスリップ率Srを、1ステップにおいて設定した最終のステップ率(最終ステップ率)になるまで徐々に増減させる運転であり、図3(b)に示すように、Step運転は、所定時間内(1ステップ内)に最終ステップ率になるまでスリップ率Srを段階的に増減すると共に、一旦増減させたステップ率を一定時間保持する運転である。図3(c)に示すように、固定運転は、所定時間内(1ステップ内)に、一挙にステップ率を最終ステップ率にまで増減させて、その後、最終ステップ率を運転の終了となるまで維持する運転である。
また、Sweep運転、Step運転及び固定運転では、さらに、片振運転や両振運転がある。
ここで、タイヤTが擬似路面2に対してスリップしてないスリップ率ゼロを基準として、タイヤ回転速度を増加させたときのスリップ率Srをプラス側、タイヤ回転速度を減少させたときのスリップ率Srをマイナス側とすると、片振運転は、タイヤ回転速度を増加又は減少のどちらか一方に固定してスリップ率Srをプラス側又はマイナス側の一方へと変化させる運転である。両振運転は、タイヤ回転速度の増加及び減少の両方を行うものであって、スリップ率Srをプラス側とマイナス側との両方へと変化させる運転である。
したがって、タイヤTをスリップさせて試験する際には、Sweep運転やStep運転及び固定運転のぞれぞれの試験を行うと共に、Sweep運転やStep運転及び固定運転のそれぞれにおいても片振運転や両振運転にてスリップ率Srを変えながら試験を行っている。
コントローラ6は、回転指令値算出部30と、作用トルク算出部34と、トルク付加部35とを備えている。
回転指令値算出部30は、スリップ率Srが設定した目標値となるようにタイヤ駆動用電動機18に与える回転指令を決定するものである。詳しくは、回転指令値算出部30は、タイヤ試験時に目標のスリップ率Srが与えられると、その目標値となるように、式(4)を用いて変更するタイヤ回転速度ωtを求め、このタイヤ回転速度ωtにするためのタイヤ駆動用電動機18の回転数を決定する。
詳しくは、図2(a)に示すように、回転指令値算出部30は、現在のタイヤ駆動用電動機18の回転数(タイヤ回転速度)と、目標のスリップ率Srにより求めたタイヤ回転速度に基づくタイヤ駆動用電動機18の回転数の目標値との差に制御ゲインを掛けて回転指令値を求める。タイヤ駆動用電動機18は、回転指令値算出部30で算出された回転指令値によって、出力トルク及び回転数(回転指令)が決定されて駆動する。
作用トルク算出部34は、回転指令を与えてタイヤ駆動用電動機18に制動力あるいは駆動力をかけてタイヤを回転させた場合に擬似路面駆動用電動機11に対してタイヤ側からの外力として作用する作用トルクを求めるものである。言い換えれば、作用トルク算出部34は、スリップ率Srを目標値にして当該スリップ率となるようにタイヤ駆動用電動機18を回転させる際での擬似路面駆動用電動機11側に作用する作用トルクを求める。
具体的には、作用トルク算出部34は、所定のスリップ率SrでタイヤTを回転させた際に、式(1)及び式(2)に示す如くタイヤ駆動用電動機18に発生する発生トルクTnを用いて、スリップ時の擬似路面用電動機11側に作用するトルク(作用トルク)Tdmを求める。
トルク付加部35は、作用トルク算出部34で算出した外力に相当する作用トルクを当該擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワードするものであって、式(3)に示す如く、作用トルク算出部34で算出した作用トルクTdmに補正係数をかけ、補正係数により補正した作用トルク(FF)を擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード成分として付加するものである。なお、補正係数は0.95〜1.05の範囲であり、この実施形態では、補正係数を1.0としており、Tdm=FFである。また、補正した作用トルク(FF)は擬似路面駆動用電動機11にフィードバックしてもよい。
詳しくは、図2(b)に示すように、コントローラ6は擬似路面駆動用電動機11を駆動するにあたって、現在の擬似路面駆動用電動機11の回転数と、擬似路面移動速度を一定にするための擬似路面駆動用電動機11の回転数の目標値との差に制御ゲインを掛けて回転指令値を求める。このとき、コントローラ6のトルク付加部35によって、擬似路面駆動用電動機11に対する回転指令値と対応する出力トルクに作用トルク算出部34で算出した補正後の作用トルクFFを加える。即ち、作用トルク算出部34で算出した外力に相当する補正後の作用トルクFFを擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワードして制御を行う。
本発明によれば、タイヤ駆動用電動機18に制動力あるいは駆動力をかけてタイヤTを回転させたとき、即ち制動運転させたときに前記擬似路面駆動用電動機11に対して外力として作用する作用トルクを求め、この外力に相当する作用トルクを擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワードしているため、スリップ率Srを変化させるなどによりタイヤ回転数が変化しても駆動ドラム10の回転数(擬似路面移動速度)はほとんど変化することなく一定にすることができる。言い換えれば、スリップ試験において、スリップ率Srを変更する(タイヤ駆動用電動機18の駆動力を変える)ことに伴って駆動ドラム10の擬似路面2側にタイヤ側からの外力がかかっても、その外力に相当する作用トルクを擬似路面駆動用電動機11に加えているため、擬似路面移動速度の変動を抑制することができる。
また、タイヤ駆動用電動機18側の制動力や駆動力をかけた運転、即ち制駆動運転を終了してタイヤTが制動力や駆動力をかけた運転を行う前の状態にもどる際、タイヤT側(タイヤ駆動用電動機18側)から駆動ドラム10の擬似路面2側に作用していたトルク(外力)が急になくなることになる。この実施形態では、作用トルクFFを付加しているため、タイヤ駆動用電動機18側のトルクTnが零になれば、直ちに擬似路面駆動用電動機11に付加する作用トルクFFが零となる。つまり、タイヤ駆動用電動機18の制駆動運転の終了と同時に、擬似路面駆動用電動機11は、駆動ドラム10の回転数(擬似路面移動速度)を一定にするためだけの制御に切り替わる。その結果、タイヤ駆動用電動機18が制駆動運転を終了しても擬似路面移動速度の変動はほとんどない。
したがって、タイヤ駆動用電動機18が制駆動運転を終了した直後であっても擬似路面移動速度の変動が少ないことから、この状態を維持してタイヤ駆動用電動機18を再び制駆動運転し、新たなスリップ試験を行うといったことが即座にすることができる。即ち、スリップ試験終了後も駆動ドラム10の速度を一定に保持することができるため、次のスリップ試験を直ぐに行うことができる。
[第2実施形態]
この第2実施形態では、タイヤの擬似路面に対する前後力(接線力)を変更しながらISO8855座標系のXw軸方向の力を計測する試験を行う前後力試験について説明する。タイヤ駆動用電動機18と前記擬似路面駆動用電動機11との両方を駆動させて行う試験の中には、第1実施形態で説明したスリップ試験の他に前後力試験というものがある。
前後力試験においても、まず、始めに、所定荷重でタイヤTをドラムに押し付けた状態(タイヤTを擬似路面2に接地させた状態)で、擬似路面の移動によってタイヤを連れ回り状態とする。即ち、タイヤをスリップ率がゼロの状態で回転させる。
そして、スリップ率がゼロの状態であるときの擬似路面に対するタイヤの前後力Fx0をロードセルによって測定する。そして、このタイヤの前後力Fx0と、タイヤの転がり半径THとにより、タイヤの前後力が予め設定した目標値Fxとなるように、式(8)に示すように、タイヤ駆動用電動機18の出力トルクTを計算し、当該出力トルクTにてタイヤ駆動用電動機18を駆動させる。
Figure 0005179999
このように、タイヤ駆動用電動機18を駆動させる際は、作用トルク算出部34は、所定のトルクTでタイヤTを回転させる際に、この駆動用電動機に発生する発生トルクTn(Tn=T)を用いて、タイヤ側から擬似路面用電動機側に作用する作用トルクTdmを求める。トルク付加部35は、作用トルク算出部34で算出した外力に相当する作用トルクを当該擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード成分として付加する。
なお、タイヤがTB(トラック・バス用タイヤ)の場合は、PCタイヤ(乗用車用タイヤ)やLTタイヤ(小型トラック用タイヤ)に比べてタイヤにかける垂直荷重は大であって高荷重条件で試験を行うことがある。このような場合は、式(8)にてタイヤ駆動用電動機18の出力トルクTを計算しても、若干トルク不足となる可能性がある。そのため、タイヤの種類及び負荷荷重(垂直荷重)によっては、前後力試験では式(9)によってタイヤ駆動用電動機18の出力トルクTを補正してもよい。
Figure 0005179999
式(9)に示す補正係数は、実験によってトルク不足を解消する値を求めることができる。
本発明によれば、以上タイヤ駆動用電動機18に制動力あるいは駆動力をかけてタイヤを回転させたときに擬似路面駆動用電動機11に対してタイヤ側からの外力として作用する作用トルクを求め、この外力に相当するトルクを当該擬似路面駆動用電動機11の出力トルクにフィードフォワード成分として付加しているため、タイヤ駆動用電動機18の出力トルクを変化させても駆動ドラム10の回転数(擬似路面移動速度)はほとんど変化することなく一定にすることができる。言い換えれば、前後力試験において、タイヤ駆動用電動機18の出力トルクを変えることに伴って駆動ドラム10の擬似路面2側にタイヤ側からの外力がかかっても、その外力に相当する作用トルクが擬似路面駆動用電動機11に付加されているため、擬似路面移動速度の変動を抑制することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、上記実施形態では、回転ドラムの表面自体が擬似路面であるタイヤ試験機を開示しているが、本発明は回転ドラムと従動ドラムとにフラットベルトを巻き回してフラットベルトの表面を擬似路面とするタイヤ試験機に適用してもよい。 本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1実施形態のタイヤ試験機の全体正面図である。 タイヤ駆動用電動機及び擬似路面用電動機の制御ループを示したもので、(a)はタイヤ駆動用電動機の制御ループ、(b)は擬似路面用電動機の制御ループである。 スリップ率運転の説明図で、(a)はSweep運転、(b)はStep運転、(c)は固定運転を示している。
符号の説明
1 タイヤ試験機
2 擬似路面
3 路面移動機構
4 タイヤ保持機構
5 移動機構
6 コントローラ
10 駆動ドラム
11 擬似路面駆動用電動機
12 回転軸
15 タイヤ軸
16 ハウジング
17 ロードセル
18 タイヤ駆動用電動機
24 回転軸
30 回転指令値算出部
34 作用トルク算出部
35 トルク付加部
T タイヤ
Sr スリップ率

Claims (3)

  1. タイヤ軸を介してタイヤを回転させるタイヤ駆動用電動機と、擬似路面を移動させる擬似路面駆動用電動機とを備えたタイヤ試験機を用いて、前記タイヤ駆動用電動機と前記擬似路面駆動用電動機とを駆動させてタイヤ試験を行うタイヤ試験機の駆動制御方法において、
    前記タイヤ駆動用電動機に制動力あるいは駆動力をかけて前記タイヤを回転させたときに前記擬似路面駆動用電動機に対して当該タイヤ側からの外力として作用するトルクを求め、この外力に相当するトルクを当該擬似路面駆動用電動機の出力トルクに付加することを特徴とするタイヤ試験機の駆動制御方法。
  2. 前記擬似路面は前記擬似路面駆動用電動機によって駆動する駆動ドラムで移動されるように設けられており、前記擬似路面駆動用電動機に付加するトルクは、式(1)〜式(3)により求めることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ試験機の駆動制御方法。
    Figure 0005179999
  3. タイヤ軸を回転させるタイヤ駆動用電動機と、擬似路面を移動させる擬似路面駆動用電動機と、前記タイヤ駆動用電動機及び擬似路面駆動用電動機を制御するコントローラとを備えたタイヤ試験機であって、
    前記コントローラは、前記タイヤ駆動用電動機に制動力あるいは駆動力をかけて前記タイヤを回転させた場合に前記擬似路面駆動用電動機に対して当該タイヤ側からの外力として作用するトルクを求める作用トルク算出部と、この作用トルク算出部で算出した前記外力に相当するトルクを当該擬似路面駆動用電動機の出力トルクに付加するトルク付加部とを備えていることを特徴とするタイヤ試験機。
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