JP2008045871A - 車両走行試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行試験中の車両の駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制し、その走行試験の試験結果をより正確なものとする。
【解決手段】走行試験中、自動車1の車輪2が載せられるローラ3に対し、実路での走行抵抗に対応する対応する値である走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用させられる。また、走行試験中には、車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchが求められ、その摩擦係数μchとローラ3に対する車輪2のスリップ率に基づき算出される実路での摩擦係数μjとが等しくなるよう、上記走行抵抗Nが補正される。これにより、補正後の走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に対し作用させたときに自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗が実路での自動車1の走行抵抗に近づけられる。このため、走行試験中に自動車1が発生する駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両走行試験装置に関するものである。
従来より、自動車等の車両における走行性能、燃費性能、及び排気特性等を評価する際には、車両が実路を走行するときの走行状態を擬似的に作り出す車両走行試験装置が用いられている。
この車両走行試験装置は、車両の車輪が載せられる外周面を有するとともに同車輪の回転に伴い回転させられる円柱状のローラと、車両に繋がれるとともに同車両をローラ側に引っ張ってローラ上からの車両の移動を規制するチェーンとを備えている。そして、こうした車両走行試験装置では、ローラの回転から求められるローラ上での車両の車速に基づき実路での車両の走行抵抗を算出し、当該走行抵抗に相当するトルクをローラに対し作用させる。従って、車両走行試験装置におけるローラ上の車両を所定の走行パターンで走行させると、その走行パターンで実路を走行したときの走行抵抗の変化に対応して、ローラに対し当該走行抵抗に相当するものとして作用するトルクが変化する。
ここで、車両の走行試験、例えば車両の燃費性能を評価するための走行試験は、以下のように行われる。まず、車両走行試験装置のローラ上に車両が載せられ、チェーンにより同車両のローラ上からの移動が規制される。その状態で、車両が燃費性能を評価するための走行パターン、例えばいわゆる10−15モード等の走行パターンで走行させられる。一方、車両走行試験装置のローラに対しては、車両を上記10−15モード等で走行させたときの走行抵抗に相当するトルクが作用させられる。そして、上記10−15モードでの車両の走行中における燃料消費量が測定され、その測定値に基づき車両の燃費性能の評価が行われる。
ところで、車両における実路走行時の走行抵抗は車速が増加するほど大きくなるが、このときの走行抵抗の大きさは、車速だけでなく車輪と路面との間の摩擦係数からも影響を受ける。このため、特許文献1では、ローラに対し実路での走行抵抗に対応したトルクを作用させるべく当該走行抵抗を算出する際、車速だけでなく車輪と路面との間の摩擦係数も加味して上記走行抵抗を算出することで、その算出される走行抵抗がより正確なものとなるようにしている。
より詳しくは、実路での車両走行中における車輪の路面に対するスリップ率と、それら車輪及び路面間の摩擦係数μjとの関係をマップまたはモデル式によって規定しておき、車両走行試験装置のローラ上での車輪のスリップ率を求め、そのスリップ率に基づき上記マップまたはモデル式を用いて摩擦係数μjを算出する。更に、こうして算出された摩擦係数μjを加味して実路での走行抵抗を算出し、その算出された走行抵抗に相当するトルクがローラに対し作用させられる。
特開2004−20401公報
上述したように、ローラに対し実路での走行抵抗に対応したトルクを作用させるべく当該走行抵抗を算出する際、車速だけでなく車輪と路面との間の摩擦係数μjも加味して上記走行抵抗を算出することで、その算出される走行抵抗がより正確にはなる。しかしながら、車両走行試験装置での車両の走行試験では、車両の駆動力が実路走行時とは異なる値になり、その分だけ試験結果が不正確になることが確認された。
このように走行試験中の車両の駆動力が実路走行時と異なる値になるのは、車両における車輪の接地状態が車両走行試験装置(ローラ)上と実路上とで異なっており、それに起因して車両がローラ側から受ける走行抵抗が実路での車両の走行抵抗と異なる値になることが原因として考えられる。
また、走行試験中の車両の駆動力が実路走行時と異なる値になる別の原因として、車両のローラ上からの移動を規制すべく、その車両がチェーンによりローラ側に引っ張られていることもあげられる。このように車両がチェーンによりローラ側に引っ張られると、ローラに働く車輪からの荷重が実路での路面に働く車輪からの荷重よりも大となり、ローラに対し走行抵抗相当分のトルクを作用させたときに、上記荷重の増大分だけ車両がローラ側から受ける走行抵抗が実路走行時の値よりも大となる。このため、10−15モード等の走行パターンで行われる車両走行試験での車両の駆動力が実路走行時よりも大となる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、走行試験中の車両の駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制し、その走行試験の試験結果をより正確なものとすることのできる車両走行試験装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車両の車輪が載せられて同車輪の回転に伴い回転させられるローラと、そのローラの回転から求められる車速に基づき実路での車両の走行抵抗を算出する走行抵抗算出手段と、前記ローラに対し前記走行抵抗に相当するトルクを作用させる走行抵抗付与手段とを備え、前記ローラに対する前記車輪のスリップ率に基づき実路での前記車輪と路面との間の摩擦係数μjを算出し、同摩擦係数μjを前記走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗に反映させる車両走行試験装置において、前記ローラ上での前記車輪と当該ローラとの間の摩擦係数μchを算出し、そのローラ上での摩擦係数μchが前記実路での摩擦係数μjと等しくなるよう、前記走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗を補正する補正手段を備えた。
上記構成によれば、走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗が補正手段により補正されると、その補正の分だけローラに対し作用するトルクの大きさが変化し、これによりローラに対する車輪のスリップ率も変化する。そして、この変化したスリップ率に基づき実路での車輪と路面との間の摩擦係数μjが算出される。
ここで、補正手段は、ローラ上での車輪と当該ローラとの間の摩擦係数μchを算出し、その摩擦係数μchが上記実路での摩擦係数μjと等しくなるよう、走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗を補正する。このように走行抵抗が補正されると、上述したようにローラに対する車輪のスリップ率が変化する。従って、上記補正手段による走行抵抗の補正では、ローラに対する車輪のスリップ率に基づき求められる摩擦係数μjが、実路での路面に対する車輪のスリップ率に基づき求めた場合の摩擦係数μjと等しくなるよう、ローラに対する車輪のスリップ率を調整していることになる。更に、このことは、車輪の接地状態がローラ上と実路上とで異なる条件のもとで、上記補正後の走行抵抗に相当するトルクをローラに対し作用させたときに車両がローラ側から受ける走行抵抗を、実路での車両の走行抵抗に近づけていることを意味する。
以上のように、車輪とローラとの間の摩擦係数μchを求め、その摩擦係数μchがローラに対する車輪のスリップ率に基づき算出される摩擦係数μjと等しくなるよう、走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗を補正することにより、車両がローラ側から受ける走行抵抗を実路での車両の走行抵抗に近づけることができる。このため、車輪の接地状態がローラ上と実路上とで異なることに起因して、車両がローラ側から受ける走行抵抗が実路での車両の走行抵抗と異なるものとなり、走行試験中の車両の駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制できる。更に、その車両の駆動力が実路走行時と異なることに伴い、車両走行試験の試験結果が不正確になることも抑制できる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記車輪から前記ローラに伝達される駆動力を検出する駆動力センサと、前記ローラに働く前記車輪からの荷重を検出する荷重センサとを更に備え、前記補正手段は、前記駆動力センサによって検出された駆動力をFvとし、前記荷重センサによって検出された荷重をFzとすると、前記ローラ上での摩擦係数μchを式「μch=Fv/Fz」を用いて算出するようにした。
上記構成によれば、車両走行試験中において、駆動力センサによって車両が発生する駆動力Fvが実測されるとともに、荷重センサによってローラに働く車輪からの荷重Fzが実測される。そして、それら駆動力Fv及び荷重Fzに基づき車輪とローラとの間の摩擦係数μchが算出される。このため、気温、湿度、ローラ外周面の曲率、及びローラへの車輪による荷重を含む各種の試験環境による影響も含めて、上記摩擦係数μchを正確に算出することができる。従って、その摩擦係数μchとローラに対する車輪のスリップ率に基づき求められる摩擦係数μjとが等しくなるよう、走行抵抗算出手段により算出された走行抵抗を補正することで、その補正後の走行抵抗に相当するトルクをローラに対し作用させたとき、車両がローラ側から受ける走行抵抗を一層好適に実路での車両の走行抵抗に合わせることができる。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記補正手段は、前記車輪の回転速度と前記ローラの回転速度とに基づき前記ローラに対する前記車輪のスリップ率を算出し、そのスリップ率の変化に対する前記ローラ上での摩擦係数μchの変化特性を規定したマップと計算式とのいずれか一方を用いて、前記スリップ率に基づき前記ローラ上での摩擦係数μchを算出するようにした。
上記構成によれば、車両走行試験中において、車輪の回転速度とローラの回転速度とに基づきローラに対する車輪のスリップ率が算出され、そのスリップ率に基づきマップまたは計算式を用いてローラ上での車輪と当該ローラとの間の摩擦係数μchが算出される。このように車輪とローラとの間の摩擦係数μchを算出することができるため、その算出された摩擦係数μchとローラに対する車輪のスリップ率に基づき求められる摩擦係数μjとが等しくなるよう、走行抵抗算出手段により算出された走行抵抗を補正することができる。そして、その補正後の走行抵抗に相当するトルクをローラに対し作用させることで、車両がローラ側から受ける走行抵抗を実路での車両の走行抵抗に合わせることができる。
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記ローラに働く前記車輪からの荷重を検出する荷重センサと、前記車両に一端が固定されるとともに他端が前記車両の周囲に固定されることで前記車両の前記ローラ上からの移動を規制する拘束具と、前記車両に対する前記拘束具の引張力を調整する調整装置とを更に備えた。
上記構成によれば、拘束具によって車両のローラ上からの移動を規制するとき、荷重センサによって検出されるローラに働く車輪からの荷重をモニタしながら車両に対する拘束具の引張力を調整することにより、当該引張力を上記荷重に影響を与えることのない値に調整することができる。従って、車両に対する拘束具の引張力がローラに対する車輪による荷重に影響を及ぼし、ローラに対し走行抵抗相当分のトルクを作用させたときに車両のローラ側から受ける走行抵抗が上記影響分だけ変化することはない。また、こうした車両のローラ側から受ける走行抵抗の変化に伴い、車両走行試験の試験結果が不正確になることはない。
請求項5記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記車両に一端が固定されるとともに他端が前記車両の周囲に固定されることで前記車両の前記ローラ上からの移動を規制する拘束具と、前記車両に対する前記拘束具の引張力を検出する引張力センサと、前記車両に対する前記拘束具の引張力を調整する調整装置とを更に備えた。
上記構成によれば、拘束具によって車両のローラ上からの移動を規制するとき、引張力センサによって検出される引張力をモニタしながら、同引張力を調整することにより、当該引張力をローラに働く車輪からの荷重に影響を与えることのない値に調整することができる。従って、車両に対する拘束具の引張力が上記荷重に影響を及ぼし、ローラに対し走行抵抗相当分のトルクを作用させたときに車両のローラ側からの走行抵抗が上記影響分だけ変化することはない。また、こうした車両のローラ側からの走行抵抗の変化に伴い、車両走行試験中の車両の駆動力が実路走行時と異なるものとなることはない。
以下、本発明を、自動車の走行性能、燃費性能、及び排気特性等を評価する際の走行試験に用いられる車両走行試験装置に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示されるように、車両走行試験装置は、自動車1の車輪2が載せられる外周面を有するとともに同車輪2の回転に伴い回転させられるローラ3と、自動車1のローラ3上からの移動を規制するチェーン4と、そのチェーン4の引張力を調整する調整装置5とを備えている。そして、上記ローラ3には自動車1の走行抵抗に相当するトルクを作用させるための負荷モータ6が接続されている。また、ローラ3上の自動車1には上記チェーン4の一端が繋がれ、同チェーン4の他端は自動車1の上方に設けられた上記調整装置5に繋がれている。
車両走行試験装置には、上記各種走行試験に際して自動車1が実路を走行するときの走行状態を擬似的に作り出すべく、同装置の駆動制御を行う電子制御装置7が設けられている。
この電子制御装置7には、ローラ3に対する車輪2による荷重を検出する荷重センサ8からの検出信号、車輪2の回転速度を検出する車輪速度センサ9からの検出信号、車輪2からローラ3に伝達される駆動力を検出する駆動力センサ10からの検出信号、ローラ3の回転速度を検出するローラ速度センサ11からの検出信号が入力される。
そして、電子制御装置7は、ローラ3の回転速度から求められる同ローラ3上での自動車の車速Vに基づき、その車速Vを出したときの実路での自動車の走行抵抗Nを算出し、当該走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用するよう負荷モータ6を駆動する。従って、ローラ3上の自動車1を所定の走行パターンで走行させると、その走行パターンで実路を走行したときの走行抵抗Nの変化に対応して、ローラ3に対し当該走行抵抗Nに相当するものとして作用するトルクが変化する。
次に、自動車1の走行試験の具体的な実行手順について、自動車1の燃費性能を評価するための走行試験を例に説明する。
この走行試験を実行するに当たっては、まず自動車1が車両走行試験装置のローラ3上に自動車1の車輪2が載せられ、チェーン4の一端を自動車1に繋ぐとともに同チェーン4の他端を調整装置5に繋ぐ。この状態で、荷重センサ8によって検出されるローラ3に対する車輪2による荷重Fzをモニタしながら、調整装置5によるチェーン4の引張力を調整することにより、当該引張力を上記荷重Fzに影響を与えることのない値に調整しつつ、チェーン4による自動車1のローラ3上からの移動の規制が行われる。
続いて、自動車1を燃費性能を評価するための走行パターン、例えばいわゆる10−15モード等の走行パターンで走行させる。このとき、自動車1に対しては上記走行パターンで実路を走行したときの走行抵抗Nに等しい走行抵抗が働くよう、ローラ3に対し走行抵抗Nに相当するトルクが作用させられる。そして、上記10−15モードでの自動車1の走行中における燃料消費量が測定されその測定値に基づき自動車1の燃費性能の評価が行われる。
ここで、自動車1における実路走行時の走行抵抗の大きさは、車速Vだけでなく車輪2と路面との間の摩擦係数から影響を受ける。このことを考慮し、[背景技術]の欄に記載したように、自動車1の走行試験中にローラ3に対し実路での走行抵抗に対応したトルクを作用させるべく当該走行抵抗Nを算出する際、車速Vだけでなく車輪と路面との間の摩擦係数も加味して上記走行抵抗Nを算出することが考えられる。
この場合、実路での自動車1の走行中における車輪2の路面に対するスリップ率と、それら車輪2及び路面間の摩擦係数μjとの関係をマップまたはモデル式によって規定しておく。こうして規定されたスリップ率と摩擦係数μjとの関係は、例えば図2に示されるような関係となる。そして、車両走行試験装置のローラ3上での車輪2のスリップ率を求め、そのスリップ率に基づき上記マップまたはモデル式を用いて摩擦係数μjを算出し、その摩擦係数μjを加味して上記走行抵抗Nを算出することとなる。
このように実路での車輪2と路面との間の摩擦係数μjを加味して走行抵抗Nを算出することで、算出される走行抵抗Nを実路での自動車1の走行抵抗としてより正確なものとすることができる。しかしながら、自動車1の走行試験において、摩擦係数μjを加味して走行抵抗Nを算出し、その走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に対し作用させたとしても、自動車1の発生する駆動力が実路走行時とは異なる値になり、その分だけ走行試験の試験結果が不正確になる。なお、走行試験中の自動車1の駆動力が実路走行時と異なる値になるのは、車輪2の接地状態が車両走行試験装置(ローラ3)上と実路上とで異なっており、それに起因して自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗が実路での自動車1の走行抵抗と異なることが原因として考えられる。
ここで、車輪2の接地状態が車両走行試験装置上と実路上とで異なるという状況の生じる具体的な理由、及び、それによって走行試験中の自動車1の駆動力が実路走行時と異なる値になる理由について、以下の[1]及び[2]に示す。
[1]自動車1の車輪2が載せられるローラ3の表面が実路の路面よりも滑らかである。これにより、走行試験中に求められる車輪2のローラ3に対するスリップ率が実路に比べて大となり、そのスリップ率に基づき求められる摩擦係数μjが、実路での路面に対する車輪2のスリップ率に基づき求めた場合の摩擦係数μjからずれた値になる。このため、ローラ3に対する車輪2のスリップ率に基づき求められた摩擦係数μjを加味して走行抵抗Nを算出し、同走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に作用させたとき、自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗が実路での自動車1の走行抵抗と異なる値になる。その結果、走行試験中の自動車1の駆動力が実路走行時と異なる値になり、例えば燃費性能を評価するための10−15モード等の走行パターンでの走行試験では自動車1の駆動力が実路走行時よりも大となる。
[2]ローラ3の外周面における車輪2と接触する部分が同車輪2側に膨らむ円弧状となっている。これにより、車輪2とローラ3との接触部分では同ローラ3の外周面が車輪2側にめり込み、それら車輪2とローラ3との接触面積が実路での車輪2と路面との接触面積よりも拡大する。このため、走行試験中に求められる車輪2のローラ3に対するスリップ率が実路と異なる値になり、そのスリップ率に基づき求められる摩擦係数μjが、実路での路面に対する車輪2のスリップ率に基づき求めた場合の摩擦係数μjからずれた値になる。このため、ローラ3に対する車輪2のスリップ率に基づき求められた摩擦係数μjを加味して走行抵抗Nを算出し、同走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に作用させたとき、自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗が実路での自動車1の走行抵抗と異なる値になる。その結果、走行試験中の自動車1の駆動力が実路走行時と異なる値になり、例えば燃費性能を評価するための10−15モード等の走行パターンでの走行試験では自動車1の駆動力が実路走行時よりも大となる。
上述した[1]及び[2]に示されるように、車両走行試験装置での走行試験中に自動車1の駆動力が実路走行時と異なるのは、ローラ3の表面の滑らかさや円弧形状に起因して、ローラ3に対する車輪2のスリップ率が実路での路面に対する車輪2のスリップ率と異なるためである。図3は、ローラ3上と実路とでの車輪2のスリップ率の違いを、自動車1における各種の走行条件毎に示したグラフである。同図から明らかなように、車輪2のスリップ率においては、自動車1の走行条件がいずれの場合であっても、実路での値に比べてローラ3上での値の方が大となる。こうした車輪2のスリップ率における実路での値とローラ3上での値との違いが、自動車1の駆動力における実路走行時の値と車両走行試験装置での走行試験中の値との違いとして表れる。
また、上述した[1]及び[2]に示される理由とは別に、自動車1のローラ3上からの移動を規制するためのチェーン4のローラ3側への引っ張りが強すぎる場合には、そのことも走行試験中の自動車1の駆動力が実路走行時と異なる値になる原因となる。
この場合、ローラ3に働く車輪2からの荷重Fzが、実路での路面に働く車輪2からの荷重よりも大となり、その分だけ走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に作用させたときに自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗が実路走行時の値よりも大となる。図4は、この場合におけるローラ3上と実路とでの車輪2による荷重Fz(平均値)の違いを、自動車1における各種の走行条件毎に示したグラフである。同図から明らかなように、荷重Fzにおいては、自動車の走行条件がいずれの場合であっても、実路での値に比べてローラ3上での値の方が大となる。なお、自動車1の発生する駆動力に関しては、上述した理由により、図5の如くローラ3への車輪2からの荷重Fzが大となるほど大となってゆく。このため、上記の場合については、燃費性能を評価するための10−15モード等の走行パターンでの走行試験中などにおいて、自動車1の駆動力が実路での値に比べて大となる。
ただし、この実施形態では、チェーン4によって自動車1のローラ3上からの移動を規制するとき、荷重センサ8によって検出されるローラ3に働く車輪2からの荷重Fzをモニタしながら、自動車1に対するチェーン4の引張力を調整装置5によって調整することが可能である。そして、走行試験を実行するに当たって、自動車1に対するチェーン4の引張力を上記荷重Fzに影響を与えることのない値に調整されるため、上述したように走行試験中における自動車1の駆動力が実路での値に比べて大となることは抑制される。
また、この実施形態では、上述した[1]及び[2]の理由により走行試験中の自動車1の駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制すべく、走行抵抗Nを以下のように算出するようにしている。すなわち、車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchを算出し、そのローラ3上での実際の摩擦係数μchと上記実路での摩擦係数μjとが等しくなるよう車速Vに基づき算出される走行抵抗Nを補正することにより、上記摩擦係数μjを加味した走行抵抗Nの算出を行う。
この場合、走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に対し作用させたとき、上記補正の分だけ当該ローラ3に作用するトルクの大きさが変化し、ローラ3に対する車輪2のスリップ率も変化する。そして、このスリップ率に基づきマップまたはモデル式を用いて実路での摩擦係数μjが算出される。従って、上述した走行抵抗Nの補正では、ローラ3に対する車輪2のスリップ率に基づき求められる摩擦係数μjが、実路での路面に対する車輪2のスリップ率に基づき求めた場合の摩擦係数μjと等しくなるよう、ローラ3に対する車輪2のスリップ率を調整していることになる。更に、このことは、車輪2の接地状態がローラ3上と実路上とで異なる条件のもとで、上記補正後の走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に対し作用させたときに自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗を、実路での自動車1の走行抵抗に近づけていることを意味する。
以上のように、車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchを求め、その摩擦係数μchがローラ3に対する車輪2のスリップ率に基づき算出される摩擦係数μjと等しくなるよう、算出される走行抵抗Nを補正することにより、自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗を実路での自動車1の走行抵抗に近づけることができる。このため、車輪2の接地状態がローラ3上と実路上とで異なることに起因して、自動車1がローラ3側から受ける走行抵抗が実路での車両の走行抵抗と異なるものとなり、走行試験中に自動車1が発生する駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制できる。更に、その自動車1の発生する駆動力が実路走行時と異なることに伴い、走行試験の試験結果が不正確になることも抑制できる。
次に、自動車1の走行試験中にローラ3に対し走行抵抗Nに相当するトルクを作用させる際に電子制御装置7で行われる処理の概要について、図6の制御ブロック図を参照して説明する。
同図において、走行抵抗制御部21は、車速V及び補正値Hを入力し、自動車1の実路走行時の走行抵抗に対応する値として走行抵抗Nを算出する。そして、その走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用するよう負荷モータ6を駆動する。上記走行抵抗Nの算出は、次の式「N=f(V)+H …(1)」を用いて算出される。
なお、式(1)において、走行抵抗ベース値f(V)は、所定の走行条件のもとでの自動車1の理論上の走行抵抗を表す値であり、ローラ速度センサ11によって検出されるローラ3上での自動車の車速Vに基づき算出される。また、補正値Hは、車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchを、実路での車輪2と路面との間の摩擦係数μjに近づけるための走行抵抗の補正に用いられる値であり、摩擦係数演算部22、S−μj特性出力部23、比較器24、及びμコントローラ25の機能を通じて算出される。従って、式(1)によって算出された走行抵抗Nは、補正項Hによって補正された値ということになる。
ここで、上記摩擦係数演算部22、S−μj特性出力部23、比較器24、及びμコントローラ25の機能を列記する。
摩擦係数演算部22は、荷重センサ8によって検出される荷重Fz及び駆動力センサ10によって検出される駆動力Fvを入力し、車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchを、次の式「μch=Fv/Fz …(2)」を用いて算出する。
S−μj特性出力部23は、車輪速度センサ9によって検出される車輪2のスリップがないと仮定したときの理論上の自動車1の車速rω、及び、ローラ速度センサ11によって検出されるローラ3上での自動車の車速Vを入力する。そして、ローラ3に対する車輪2のスリップ率Sを、次の式「S=(rω−V)/V …(3)」を用いて算出する。更に、そのスリップ率Sに基づき、実路での自動車1の走行中における車輪2の路面に対するスリップ率と、それら車輪2及び路面間の摩擦係数μjとの関係を規定したマップまたはモデル式を用いて、実路での摩擦係数μjを算出する。
比較器24は、摩擦係数演算部22からの摩擦係数μchに対応した信号、及びS−μj特性出力部23からの摩擦係数μjに対応した信号を入力し、それらの偏差(「μch−μj」)に対応した信号をμコントローラ25に出力する。
μコントローラ25は、比較器24からの上記偏差(「μch−μj」)に対応した信号に基づき、その偏差に基づく比例積分演算を通じて補正値Hを算出し、同補正値Hに対応した信号を走行抵抗制御部21に出力する。
ここで、μコントローラ25による偏差(「μch−μj」)に基づく補正値Hの算出について、更に詳しく説明する。
こうした摩擦係数μchと摩擦係数μjとの偏差(「μch−μj」)に基づく補正値Hの算出は、次の式「H=K1・(μch−μj)+K2・∫(μch−μj)dt …(4)」を用いて行われる。
この式(4)において、「K1・(μch−μj)」という項は比例項であって、摩擦係数μjと摩擦係数μchとを一致させるべく両者の偏差に基づき増減する値である。なお、この比例項「K1・(μch−μj)」における係数K1は、摩擦係数μjと摩擦係数μchとの偏差「μch−μj」というパラメータを、走行抵抗というパラメータへと変換するためのものである。そして、摩擦係数μjと摩擦係数μchとの偏差「μch−μj」に基づく比例項「K1・(μch−μj)」の増減を通じて、補正値Hによる補正後の走行抵抗Nも変化し、その走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用する。これにより、スリップ率Sに基づき求められる摩擦係数μjと、駆動力Fv及び荷重Fzに基づき求められる摩擦係数μchとが近づくよう、当該スリップ率Sが変化させられる。
また、式(4)において、「K2・∫(μch−μj)dt」という項は積分項であって、上記比例項「K1・(μch−μj)」だけでは除去しきれない摩擦係数μchと摩擦係数μjとの残留偏差をなくすべく、それら摩擦係数μjと摩擦係数μchとの偏差「μch−μj」を累積して得られる値である。この積分項「K2・∫(μch−μj)dt」は、摩擦係数μjと摩擦係数μchとの偏差を、その積分項の算出毎に当該偏差の前回値に加算し、その加算後の値に係数K2を乗算することによって算出される。そして、摩擦係数μjと摩擦係数μchとの偏差「μch−μj」の累積に基づく積分項積分項「K2・∫(μch−μj)dt」の増減を通じて、補正項Hによる補正後の走行抵抗Nも変化し、その走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用する。これにより、スリップ率Sに基づき求められる摩擦係数μjと、駆動力Fv及び荷重Fzに基づき求められる摩擦係数μchと間に存在する残留偏差、言い換えれば比例項「K1・(μch−μj)」だけでは除去しきれない残留偏差をなくすよう、当該スリップ率Sが変化させられる。
次に、自動車1の走行試験中にローラ3に対し実路走行時の走行抵抗に対応するトルクを作用させる手順について、図7のフローチャートを参照して詳しく説明する。
自動車1の走行試験中においては、上記式(1)を用いて算出される走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用させられる。式(1)から分かるように、このようにして算出された走行抵抗Nは、補正値Hによって補正された値になる。
式(1)で用いられる走行抵抗ベース値f(V)は、ステップS101において、ローラ速度センサ11によって検出されたローラ3上での自動車1の車速Vに基づき算出される。このように算出された走行抵抗ベース値f(V)においては、上記車速Vが大となるほど大きい値になる。
また、式(1)で用いられる補正値Hの算出は、ステップS102〜S105の各種処理を通じて行われる。
この一連の処理では、まず上記式(2)を用いた車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchの算出が行われる(S102)。続いて、上記式(3)を用いたローラ3に対する車輪2のスリップ率Sの算出(S103)が行われた後、そのスリップ率Sに基づくマップまたはモデル式を用いての実路での摩擦係数μjの算出(S104)が行われる。更に、上述した摩擦係数μch及び摩擦係数μjに基づく上記式(4)を用いた補正値Hの算出(S105)が行われる。
以上のように走行抵抗ベース値f(V)及び補正値Hが算出されると、それらに基づき上記式(1)を用いて走行抵抗Nが算出される(S106)。そして、同走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用するよう負荷モータ6が駆動される(S107)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)車両走行試験装置での走行試験中においては、車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchと、ローラ3に対する車輪2のスリップ率に基づき算出される摩擦係数μjとが等しくなるよう、補正値Hによる走行抵抗Nの補正が行われる。この補正により、補正後の走行抵抗Nに相当するトルクがローラ3に対し作用したときにおける自動車1のローラ3側から受ける走行抵抗が、実路での自動車1の走行抵抗に近づけられる。これにより、走行試験中に自動車1が発生する駆動力が実路走行時と異なる値になることを抑制できる。更に、その自動車1の発生する駆動力が実路走行時と異なることに伴い、走行試験の試験結果が不正確になることも抑制できる。
(2)車輪2とローラ3との間の実際の摩擦係数μchは、車両走行試験装置での走行試験中において、駆動力センサ10によって実測された自動車1の発生する駆動力Fvと、荷重センサ8によって実測されたローラ3に働く車輪2からの荷重Fzとに基づき、上記式(2)を用いて算出される。このため、気温、湿度、ローラ3の外周面の曲率、及びローラ3への車輪2による荷重Fzを含む各種の試験環境による影響も含めて、上記摩擦係数μchを正確に算出することができる。従って、その摩擦係数μchとローラ3に対する車輪2のスリップ率Sに基づき求められる摩擦係数μjとが等しくなるよう、補正値Hによる走行抵抗Nの補正を行うことで、同走行抵抗Nに相当するトルクをローラ3に対し作用させたときの自動車1のローラ3側からの走行抵抗を、より好適に実路での自動車1の走行抵抗に近づけることができる。
(3)車両走行試験装置での走行試験の開始前であって、チェーン4によって自動車1のローラ3上からの移動を規制するとき、荷重センサ8によって検出されるローラ3に働く車輪2からの荷重Fzをモニタしながら、自動車1に対するチェーン4の引張力を調整装置5によって調整することが可能である。このため、自動車1に対するチェーン4の引張力を上記荷重Fzに影響を与えることのない値に調整することができる。従って、自動車1に対するチェーン4の引張力がローラ3に対する車輪2による荷重Fzに影響を及ぼし、ローラ3に対し走行抵抗N相当分のトルクを作用させたときに自動車1のローラ3側から受ける走行抵抗が上記影響分だけ変化することはない。また、その走行抵抗の変化に伴い走行試験の試験結果が不正確になることもない。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・調整装置5を電子制御装置7により駆動制御されるようにし、調整装置5によるチェーン4の引張力の調整を走行試験の開始時に自動的に行うようにしてもよい。
・荷重センサ8に代えて、チェーン4の引張力を検出する引張力センサを設けてもよい。この場合、チェーン4によって自動車1のローラ3上からの移動を規制するとき、引張力センサによって検出される引張力をモニタしながら、自動車1に対するチェーン4の引張力を調整することにより、当該引張力をローラ3に働く車輪2からの荷重に影響を与えることのない値に調整することができる。従って、上記(3)と同等の効果が得られるようになる。
・図8に示されるように、チェーン4の引張力を調整するための調整装置5をローラ3上の自動車1よりも下方に設け、そのチェーン4の途中に同チェーン4の引張力を検出する引張力センサ12を設けてもよい。この場合も上記(3)と同等の効果が得られる。なお、この場合に引張力センサ12に代えて上記実施形態の荷重センサ8を用いることも可能である。
・車両走行試験装置としてローラ3を油圧により回転可能に支持するタイプのものを採用した場合には、ローラ3を支持するための油圧を検出する油圧センサを設け、その油圧センサからの検出信号に基づきローラ3に働く車輪2からの荷重Fzを求めるようにしてもよい。
・ローラ3上からの自動車1の移動を規制する拘束具としてチェーン4を例示したが、これに代えてワイヤ等の拘束具を用いてもよい。
・車輪2とローラ3との間の摩擦係数μchを実測される駆動力Fv及び荷重Fzに基づき算出したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ローラ3に対する車輪2のスリップ率Sと車輪2とローラ3との間の摩擦係数μchとの間には図9に示される関係があるが、このスリップ率Sの変化に対する摩擦係数μchの変化特性をマップまたはモデル式に規定しておき、同スリップ率Sを実測して当該マップまたはモデル式を用いて摩擦係数μchを算出するようにしてもよい。この場合も上記(1)と同等の効果が得られる。
・上記実施形態では、補正値Hを比例項「K1・(μch−μj)」及び微分項「K2・∫(μch−μj)dt」を用いて算出し、その補正値H分の補正を走行抵抗Nに加えることで、その走行抵抗Nを実路での自動車1の走行抵抗に近づける制御として、いわゆるPI制御を行うようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、補正値Hを比例項「K1・(μch−μj)」のみを用いて算出し、その補正値H分の補正を走行抵抗Nに加えることで、その走行抵抗Nを実路での自動車1の走行抵抗に近づける制御として、いわゆるP制御を行うようにしてもよい。
・チェーン4の引張力を調整する調整装置5を必ずしも設ける必要はなく、この調整装置5を省略して車両走行試験装置の簡略化を図ってもよい。
・荷重Fzに関しては自動車1の重量から求められる固定値を用いてもよい。
本実施形態の車両走行試験装置全体を示す略図。 実路での車輪のスリップ率の変化に対する摩擦係数の推移を示すグラフ。 ローラ上と実路とでの車輪のスリップ率の違いを、自動車における各種の走行条件毎に示したグラフ。 ローラ上と実路とでの車輪からの荷重の違いを、自動車における各種の走行条件毎に示したグラフ。 車輪からローラに伝達される駆動力が一定となるよう自動車の駆動力を発生させる条件のもと、車輪のスリップ率及びローラへの車輪による荷重が変化したときに自動車が発生する駆動力の推移を示したグラフ。 自動車の走行試験中にローラに対し実路走行時の走行抵抗に対応するトルクを作用させる際に、電子制御装置を通じて行われる処理の概要を示す制御ブロック図。 自動車の走行試験中にローラに対し実路走行時の走行抵抗に対応するトルクを作用させる手順を示すフローチャート。 自動車のローラ上からの移動規制の他の例を示す略図。 ローラ上での車輪のスリップ率の変化に対する摩擦係数の推移を示すグラフ。
符号の説明
1…自動車、2…車輪、3…ローラ、4…チェーン(拘束具)、5…調整装置、6…負荷モータ(走行抵抗付与手段)、7…電子制御装置(走行抵抗算出手段、走行抵抗付与手段、補正手段)、8…荷重センサ、9…車輪速度センサ、10…駆動力センサ、11…ローラ速度センサ、12…引張力センサ、21…走行抵抗制御部、22…摩擦係数演算部、23…S−μj特性出力部、24…比較器、25…μコントローラ。

Claims (5)

  1. 車両の車輪が載せられて同車輪の回転に伴い回転させられるローラと、そのローラの回転から求められる車速に基づき実路での車両の走行抵抗を算出する走行抵抗算出手段と、前記ローラに対し前記走行抵抗に相当するトルクを作用させる走行抵抗付与手段とを備え、前記ローラに対する前記車輪のスリップ率に基づき実路での前記車輪と路面との間の摩擦係数μjを算出し、同摩擦係数μjを前記走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗に反映させる車両走行試験装置において、
    前記ローラ上での前記車輪と当該ローラとの間の摩擦係数μchを算出し、そのローラ上での摩擦係数μchが前記実路での摩擦係数μjと等しくなるよう、前記走行抵抗算出手段によって算出される走行抵抗を補正する補正手段を備える
    ことを特徴とする車両走行試験装置。
  2. 請求項1記載の車両走行試験装置において、
    前記車輪から前記ローラに伝達される駆動力を検出する駆動力センサと、
    前記ローラに働く前記車輪からの荷重を検出する荷重センサとを更に備え、
    前記補正手段は、前記駆動力センサによって検出された駆動力をFvとし、前記荷重センサによって検出された荷重をFzとすると、前記ローラ上での摩擦係数μchを式「μch=Fv/Fz」を用いて算出する
    ことを特徴とする車両走行試験装置。
  3. 請求項1記載の車両走行試験装置において、
    前記補正手段は、前記車輪の回転速度と前記ローラの回転速度とに基づき前記ローラに対する前記車輪のスリップ率を算出し、そのスリップ率の変化に対する前記ローラ上での摩擦係数μchの変化特性を規定したマップと計算式とのいずれか一方を用いて、前記スリップ率に基づき前記ローラ上での摩擦係数μchを算出する
    ことを特徴とする車両走行試験装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両走行試験装置において、
    前記ローラに働く前記車輪からの荷重を検出する荷重センサと、
    前記車両に一端が固定されるとともに他端が前記車両の周囲に固定されることで前記車両の前記ローラ上からの移動を規制する拘束具と、
    前記車両に対する前記拘束具の引張力を調整する調整装置と、
    を更に備えることを特徴とする車両走行試験装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両走行試験装置において、
    前記車両に一端が固定されるとともに他端が前記車両の周囲に固定されることで前記車両の前記ローラ上からの移動を規制する拘束具と、
    前記車両に対する前記拘束具の引張力を検出する引張力センサと、
    前記車両に対する前記拘束具の引張力を調整する調整装置と、
    を更に備えることを特徴とする車両走行試験装置。
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