JP6468651B2 - タイヤ性能値の推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一の試験機で得られたタイヤの性能値から他の試験機で得られるタイヤの性能値を推定する方法に関する。
タイヤでは、性能評価のため、種々の性能値が測定されている。このタイヤの性能値は、試験機を用いて測定されている。複数のタイヤの性能値を効率的に得るために、複数の試験機を用いて、この性能値が測定されている。しかしながら、複数の試験機間には機差がある。このため、タイヤの性能値には、試験機の機差によるバラツキが含まれる。
例えば、特開昭61−116637公報には、タイヤの転がり抵抗を測定する試験機が開示されている。この試験機で測定された転がり抵抗から転がり抵抗係数を算出できる。同一のタイヤの転がり抵抗係数であっても、試験機によって、得られる転がり抵抗係数にバラツキを生じる。このため、同一形式の試験機であっても、一の試験機で得られた転がり抵抗係数と、他の試験機で得られた転がり抵抗係数とを、単純に比較することはできない。
JIS−D4234には、2台の試験機で得られた転がり抵抗係数のアライメント方法が記載されている。この方法では、2本のマスタータイヤが準備される。2本のマスタータイヤの転がり抵抗係数が、2台の試験機で測定される。この2本のマスタータイヤの転がり抵抗係数から、2台の試験機の転がり抵抗係数の相関関係が求められる。この転がり抵抗係数の相関関係に基づいて、一の試験機での転がり抵抗係数と、他の試験機での転がり抵抗係数ととが比較可能にされている。
特開昭61−116637公報
このJIS−D4234でも、一応の機差の調整は可能である。しかしながら、タイヤの開発や性能評価において、更に高精度に転がり抵抗係数の評価を可能にすることが求められている。ここでは転がり抵抗係数を例としたが、摩擦抵抗係数やコーナリング係数等の性能値でも、同様に、更に高精度に、その性能値の評価を可能にすることが求められている。
本発明の目的は、一の試験機で得られたタイヤの性能値から、他の試験機での性能値を高精度に推定する方法の提供にある。
本発明に係る、一の試験機で得られたタイヤの性能値から他の試験機でのタイヤの性能値を推定する方法は、
一の試験機で、試験タイヤに試験荷重が負荷されて、試験タイヤに発生する測定力が得られる測定力取得工程と、
この一の試験機での測定力と他の試験機での測定力との相関関係が求められており、この相関関係から、測定力取得工程で得られる測定力を他の試験機で試験タイヤに発生する推定測定力に換算する推定測定力取得工程と、
この推定測定力が試験荷重で除されて試験タイヤの性能値が得られる試験タイヤの性能値取得工程とを備えている。
好ましくは、上記一の試験機での測定力と他の試験機での測定力との相関関係が、
一の試験機で、複数のマスタータイヤに試験荷重が負荷されて、複数のマスタータイヤに発生する測定力が得られており、
他の試験機で、複数のマスタータイヤに試験荷重が負荷されて、複数のマスタータイヤに発生する測定力が得られており、
この一の試験機で得られた複数のマスタータイヤの測定力と他の試験機で得られた複数のマスタータイヤの測定力とから求められている。
好ましくは、この方法では、上記複数のマスタータイヤは、測定力が異なる5本以上のマスタータイヤである。
好ましくは、この方法は、タイヤの転がり抵抗係数の推定方法である。上記測定力は、転がり抵抗である。上記性能値は、転がり抵抗係数である。
好ましくは、この方法は、タイヤの摩擦係数の推定方法である。上記測定力は、摩擦力である。上記性能値は、摩擦係数である。
好ましくは、この方法は、タイヤのコーナリング係数の推定方法である。上記測定力は、コーナリングパワーである。上記性能値は、コーナリング係数である。
本発明に係る推定方法では、測定力が試験荷重で除された性能値に代えて、その測定力で相関関係が決定されている。この相関関係では、性能値の相関関係より、高精度に強い相関が得られる。この推定方法では、この相関関係を用いることで、一の試験機で得られたタイヤの性能値から、他の試験機での性能値を高精度に推定しうる。
図1は、本発明のタイヤの性能値の推定方法に用いるドラム式試験機が示された概念図である。 図2は、一の試験機で得られた転がり抵抗と他の試験機で得られた転がり抵抗との相関関係が示されたグラフである。 図3は、転がり抵抗係数の実測値と図2の相関関係から得られた転がり抵抗係数の推定値と関係が示されたグラフである。 図4は、一の試験機で得られた転がり抵抗係数と他の試験機で得られた転がり抵抗係数との相関関係が示されたグラフである。 図5は、転がり抵抗係数の実測値と図4の相関関係から得られた転がり抵抗係数の推定値と関係が示されたグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明に係る試験機の例として、ドラム式試験機2が示されている。図1には、この試験機2と共に試験タイヤTが示されている。この試験機2は、タイヤ支持部4及びドラム支持部6を備えている。図示されないが、試験機2は、計測制御装置を備えている。ここでは、図1の矢印Xが前後方向前向きであり、矢印Yの向きが左右方向左向きであり、矢印Zが上下方向上向きとして、説明がされる。
タイヤ支持部4は、負荷装置8、スピンドル部10及びリム12を備えている。図示されないが、このタイヤ支持部4は、操舵角付与機構及びキャンバー角付与機構等を備えている。
負荷装置8は、スピンドル部10を上下方向に移動しうる。この上下方向の移動は、例えば、油圧、電動モータによりされる。負荷装置8は、スピンドル部10に下向きの試験荷重を負荷しうる。負荷装置8は、この試験荷重の大きさを制御可能にされている。スピンドル部10は、スピンドル14を備えている。スピンドル14の先端には、リム12が着脱可能に取り付けられている。このリム12には、タイヤTが装着される。
図示されないが、スピンドル部10は、駆動モータ及びロードセルを備えている。駆動モータは、スピンドル14を左右方向を回転軸にして回転可能にしている。駆動モータは、スピンドル14を正転向きと逆転向きとのいずれにも回転可能にしている。ロードセルは、前後方向の力、左右方向の力及び上下方向の力を測定可能にしている。ロードセルは、スピンドル14を介して、タイヤTが受ける荷重方向(上下方向)の力Fzと、軸方向(左右方向)の力Fyと、周方向(前後方向)の力Fxとを測定可能にしている。この力Fz、Fy及びFxの単位は、(N)である。
ドラム支持部6は、ドラム16及びドラムスピンドル18を備えている。図示されないが、ドラム支持部6は、ドラム駆動モータを備えている。ドラム16は、円筒形状を備えている。ドラム16の軸線は、左右方向である。このドラム16の外周面は、路面20を形成している。タイヤTは、この路面20を走行する。
ドラムスピンドル18の先端には、ドラム16が取り付けられている。このドラム16の軸線は、ドラムスピンドル18の軸線に一致している。ドラム駆動モータは、ドラムスピンドル18を回転可能にしている。このドラムスピンドルは、その軸線を回転軸にして回転可能にされている。ドラム駆動モータは、ドラム16及びドラムスピンドル18を正転向きと逆転向きとのいずれにも回転可能にしている。
計測制御装置は、タイヤ支持部4及びドラム支持部6を制御する。計測制御装置は、タイヤ支持部4のタイヤTの回転速度、操舵角、キャンバー角及び上下方向の負荷荷重等を制御する。また、計測制御装置は、ドラム支持部6のドラムの回転速度等を制御する。計測制御装置は、予めプログラムされた手順で、これらの負荷荷重、回転速度等の試験条件を制御する。計測制御装置は、前後方向の力や左右方向の力等必要なパラメータを計測する。この測定されたパラメータから、転がり抵抗や転がり抵抗係数等の値が計測される。
本発明に係る、一の試験機で得られたタイヤの性能値から他の試験機でのタイヤの性能値を推定する方法の例が説明される。ここでは、本発明の一の試験機として試験機2を例に説明がされる。本発明の他の試験機も、この試験機2と同様の試験機を例に説明がされる。更に、タイヤの性能値として転がり抵抗係数を、例に説明がされる。
このタイヤの転がり抵抗係数の推定方法は、準備工程と、測定力取得工程としての転がり抵抗取得工程と、推定測定力取得工程としての推定転がり抵抗取得工程と、性能値取得工程としての転がり抵抗係数取得工程とを備えている。
準備工程では、タイヤTが準備されている。このタイヤTは、リム12に装着されている。このタイヤTは空気が充填されている。このタイヤTの内圧は、所定の内圧にされている。例えば、この内圧は、210kPaにされている。このタイヤTは、試験機2が設置された試験室と同じ温度環境下に、所定の時間以上放置される。例えば、タイヤTは、その温度環境下に3時間以上放置される。試験機2の計測制御装置に、負荷荷重である試験荷重やドラム16の回転速度等の試験条件が設定される。所定の時間以上放置されたタイヤTが、リム12を介してスピンドル14の先端に取り付けられる。
転がり抵抗取得工程では、負荷装置8がタイヤTをドラム16の路面20に接地させる。負荷装置8は、上下方向下向きに試験荷重Fzを負荷する。タイヤTは、路面20に試験荷重Fzで押し付けられる。この試験荷重Fzは、例えばタイヤTの最大負荷能力の80%の荷重である。ドラム駆動モータは、ドラム16を一方の正転向きに回転させる。
ドラム16は、所定の回転速度で正転向きに回転させられる。この回転速度は、路面20での回転速度を表す。この回転速度は、例えば80km/hである。この回転速度で、所定の時間慣らし走行がされる。この慣らし走行終了後に、この試験荷重Fzと回転速度が保持される。この試験荷重Fzと回転速度とが保持された状態で、転がり抵抗の算出に必要なパラメータが測定される。
回転速度を保持した状態で、負荷装置8は、試験荷重をスキムテスト荷重に変更する。このスキムテスト荷重は、タイヤT単体のエネルギー損失が実質的にゼロのレベルに到達する荷重を意味する。スキムテスト荷重と回転速度が保持された状態で、寄生損失抵抗の計測に必要なパラメータが測定される。
その後、ドラム駆動モータは、ドラム16の回転を停止する。ドラム駆動モータは、ドラム16を他方の逆転向きに回転させる。
ドラム16は、所定の回転速度で逆転向きに回転させられる。この回転速度は、例えば80km/hである。この回転速度で、所定の時間慣らし走行がされる。この慣らし走行終了後に、この試験荷重Fzと回転速度とが保持された状態で、転がり抵抗の算出に必要なパラメータが測定される。
回転速度を保持した状態で、負荷装置8は、試験荷重をスキムテスト荷重に変更する。スキムテスト荷重と回転速度とが保持された状態で、寄生損失抵抗の計測に必要なパラメータが測定される。その後、ドラム駆動モータは、ドラム16の回転を停止する。負荷装置8は、タイヤTを路面20から離す。
得られたパラメータから、寄生損失抵抗が算出される。この寄生損失抵抗は、正転向きの回転と逆転向きに回転との絶対値の平均値として算出される。スキムテスト荷重と回転速度とが保持された状態での、タイヤ軸力(スピンドル14に前後方向(X軸方向)に作用する力)をFtpとし、走行中のタイヤTの回転中心と路面20との距離をrLpとし、ドラム16の半径をRとする。このとき、寄生損失FpLは、以下の式(1)で算出される。ここで、寄生損失FpL及びタイヤ軸力Ftpの単位は(N)であり、距離をrLp及び半径Rの単位は(m)である。
pL=Ftp・(1+(rLp/R)) (1)
得られたパラメータと寄生損失抵抗FpLとから転がり抵抗が算出される。この転がり抵抗は、正転向きの回転と逆転向きに回転との絶対値の平均値として算出される。試験荷重Fzと回転速度とが保持された状態での、タイヤ軸力(スピンドル14に前後方向(X軸方向)に作用する力)をFとし、走行中のタイヤTの回転中心と路面20との距離をrとし、ドラム16の半径をRとする。このとき、転がり抵抗Frは、以下の式(2)で算出される。ここで、転がり抵抗Fr及びタイヤ軸力Fの単位は(N)であり、距離rの単位は(m)である。
Fr=F・(1+(r/R))−FpL (2)
推定転がり抵抗取得工程では、このドラム式試験機2での転がり抵抗Frと他の試験機での転がり抵抗Frとの相関関係が準備されている。この相関関係については、後述する。この相関関係に基づいて、タイヤTの転がり抵抗Frから、他の試験機で測定されたときの、推定転がり抵抗Fre(単位は(N))が推定される。
転がり抵抗係数取得工程では、以下の式(3)で転がり抵抗係数Crが算出される。この様にして、推定転がり抵抗Freが、試験機2で得られた試験荷重Fz(単位は(kN))で除されて、転がり抵抗係数Crが算出される。
Cr = Fre/Fz (3)
この方法では、この転がり抵抗係数Crが、他の試験機で測定された、タイヤTの転がり抵抗係数Crと推定される。
ここで、推定転がり抵抗取得工程で用いる相関関数の一例が説明される。この相関関係は、試験機2での転がり抵抗Frと他の試験機での転がり抵抗Frとの相関関係である。
この決定方法は、一の試験機としての試験機2、図示されない他の試験機及び複数のマスタータイヤが準備される。例えば、複数のマスタータイヤとして、転がり抵抗が異なるタイヤaからタイヤeまでの5本のマスタータイヤが準備される。
この5本のマスタータイヤそれぞれの転がり抵抗が、試験機2で測定される。この転がり抵抗の測定方法は、前述の、タイヤTの転がり抵抗係数の推定方法における、準備工程から転がり抵抗取得工程までと同様の方法である。
この5本のマスタータイヤそれぞれの転がり抵抗が、他の試験機で測定される。この他の試験機としては、例えば、試験機2と同型の試験機が用いられる。この転がり抵抗の測定方法も、前述の、タイヤの転がり抵抗係数の推定方法における、準備工程から転がり抵抗取得工程までと同様の方法である。
図2には、この様にして得られた、ドラム式試験機2での転がり抵抗Frと他の試験機での転がり抵抗Frとの関係が示されている。図2の横軸のMachineBのRR(N)は、試験機2で得られた転がり抵抗を示している。縦軸のMachineAのRR(N)は、他の試験機で得られた転がり抵抗Frを示している。このMachineBのRR(N)をxとして、MachineAのRR(N)をyとして、相関関係を1次関数で近似すると、以下の式(4)で示される。
y = 0.8062・x +2.9129 (4)
この式(4)は、試験機2での転がり抵抗と他の試験機での転がり抵抗との相関関係を表している。この式(4)は、試験機2での転がり抵抗を他の試験機での転がり抵抗に換算する相関関数である。この様にして、この試験機2での転がり抵抗Frと他の試験機での転がり抵抗Frとの相関関係が求められている。
前述の推定転がり抵抗取得工程では、この試験機2での転がり抵抗Frをxとして、式(4)に基づいて、他の試験機での転がり抵抗Freのyが推定される。転がり抵抗係数取得工程では、式(3)に基づいて、他の試験機での転がり抵抗Freが、試験機2で得られた試験荷重Fzで除されて、転がり抵抗係数Crが算出される。
この転がり抵抗係数Crは、試験荷重Fzで除されて得られている。この転がり抵抗Frは、タイヤ軸力F及びタイヤ軸力Ftpから算出されている。このタイヤ軸力FやFtpの大きさは、試験荷重Fzに比べて非常に小さい。この推定方法では、この試験荷重Fzで除される前の転がり抵抗Frで、試験機2での値と他の試験機での値との相関関係が求められている。この転がり抵抗Frの相関関係を求めているので、転がり抵抗係数Crの相関関係を直接に求める場合に比べて、精度の高い相関関係が得られる。これにより、試験機2で、他の試験機での転がり抵抗係数Crを高精度に推定できる。
この推定方法では、転がり抵抗Frと寄生損失抵抗FpLとは、正転向きの回転と逆転向きに回転との平均値を用いて算出されたが、簡略されてもよい。転がり抵抗Frと寄生損失抵抗FpLとは、いずれか一方向きの回転を用いて算出されてもよい。
この推定方法では、転がり抵抗Frは、寄生損失抵抗FpLを考慮して求められた。その転がり抵抗Frに基づいて、相関関係が求められた。この相関関係に代えて、寄生損失抵抗FpLを無視した転がり抵抗Frの相関関係が用いられてもよい。寄生損失抵抗FpLを無視した場合にも、従来の様に直に転がり抵抗係数Crの相関関係から転がり抵抗係数Crを推定する方法より、転がり抵抗Frの相関関係から転がり抵抗係数Crを推定する方法は、高精度に、転がり抵抗係数Crを推定できる。
この推定方法では、この転がり抵抗Frは、タイヤTの前後方向力を基に求められている。この転がり抵抗係数Crを推定するときに、転がり抵抗Frの相関関係に代えて、試験機2で測定される前後方向力の相関関係が用いられてもよい。本発明の測定力には、試験機2で測定される力を意味する。この推定方法の測定力には、転がり抵抗Frのみならず、前後方向力等も含まれる。
この推定方法では、スピンドル14で測定する反力を基に、転がり抵抗係数Crが算出された。この推定方法は、所謂フォース法を例に、転がり抵抗係数Crが算出された。本発明に係る推定方法は、このフォース法を用いるものに限られない。この方法は、所謂トルク法、パワー法、惰行法等を用いる場合にも、その推定精度を向上しうる。
更には、試験機2と他の試験機とで異なる方法が用いられる場合にも、その推定精度を向上しうる。例えば、試験機2でトルク法が用いられ、他の試験機でフォース法が用いられてもよい。試験機2でパワー法が用いられ、他の試験機でフォース法が用いられてもよい。試験機2でトルク法が用いられ、他の試験機でパワー法が用いられてもよい。
また、転がり抵抗Frが異なる雰囲気温度で求められて、この転がり抵抗Frが温度補正がされて求められてもよい。転がり抵抗Frが異なるドラム径で求められて、この転がり抵抗Frがドラム径補正がされて求められてもよい。この温度補正やドラム径補正は、例えば、JIS−D4234の規定に準拠してされうる。
この方法では、転がり抵抗Frの相関関係に基づいて、転がり抵抗係数Crが推定された。本発明に係る推定方法は、転がり抵抗係数Crに限られない。試験条件として負荷される試験荷重Fzで除されて求められる性能値において、その推定精度を向上しうる。
例えば、ドラム試験機2での摩擦力と他の試験機での摩擦力との相関関係(相関関数)が求められる。この相関関係に基づいて、試験機2で得られたタイヤTの摩擦力から、他の試験機でのタイヤTの摩擦力が推定される。この推定された摩擦力が試験荷重で除されて、他の試験機での摩擦係数が推定されてもよい。
この摩擦力は、タイヤTの前後方向力から測定される。この前後方向力は、試験荷重に比べて非常に小さい。この方法では、試験荷重で除される前の摩擦力で相関関係が決定されている。この推定方法は、試験機2で、他の試験機での摩擦係数を高精度に推定できる。この摩擦係数を推定するときに、摩擦力の相関関係に代えて、試験機で測定される前後方向力の相関関係が用いられてもよい。
他の例では、ドラム試験機2でのコーナリングフォースと他の試験機でのコーナリングフォースとの相関関係が求められる。この相関関係に基づいて、試験機2で得られたタイヤTのコーナリングフォースから、他の試験機でのタイヤTのコーナリングフォースが推定される。この推定されたコーナリングフォースからコーナリングパワーが算出される。このコーナリングパワーが試験荷重で除されて、他の試験機でコーナリング係数が推定されてもよい。
このコーナリングフォースは、タイヤTの軸方向力(試験機2の左右方向力)から測定される。この軸方向力は、試験荷重に比べて非常に小さい。この方法では、試験荷重で除される前のコーナリングフォースで相関関係が決定されている。この推定方法は、試験機2で、他の試験機でのコーナリング係数を高精度に推定できる。このコーナリング係数を推定するときに、コーナリングフォースの相関関係に代えて、試験機で測定される左右方向力の相関関係が用いられてもよい。
更に他の例では、ドラム試験機2でのコーナリングパワーと他の試験機でのコーナリングパワーとの相関関係が求められる。スリップ角1°のコーナリングフォースが、コーナリングパワーに相当する。この方法では、この試験機2で、スリップ角1°が付されて、コーナリングフォースが測定される。この様にして得られたコーナリングパワーの相関関係に基づいて、試験機2で得られたタイヤTのコーナリングパワーから、他の試験機でのタイヤTのコーナリングパワーが推定される。この推定されたコーナリングパワーが試験荷重で除されて、他の試験機でコーナリング係数が推定される。
前述の相関関係の求める方法では、複数のマスタータイヤとして5本のマスタータイヤを用いたが、2本以上のマスタータイヤであればよい。2本以上のマスタータイヤを用いれば、一の試験機と他の試験機との相関関係を決定しうる。このマスタータイヤの本数が多いほど、高精度の相関関係が得られうる。この観点から、マスタータイヤの本数は、好ましくは5本以上である。一方で、マスタータイヤの本数が多すぎると、相関関係を求めるための工数がかかり過ぎる。この観点から、マスタータイヤの本数は、好ましくは10本以下である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[試験1]
図1に示されたドラム式試験機2台と、マスタータイヤ5本とが準備された。2台のドラム式試験機は、試験機A及びBである。5本のマスタータイヤは、マスタータイヤa、b、c、d及びeである。
試験機Aで、マスタータイヤaからeの転がり抵抗RR(N)及び転がり抵抗係数RRC(N/kN)が得られた。同様にして、試験機Bで、マスタータイヤaからeの転がり抵抗RR(N)及び転がり抵抗係数RRC(N/kN)が得られた。その測定結果が、表1に示されている。この表1に示される様に、マスタータイヤaからeの抵抗RR(N)及び転がり抵抗係数RRC(N/kN)は、試験機Aと試験機Bとの機差を含んでいる。
Figure 0006468651
前述の図2は、試験機Aでの転がり抵抗RR(N)と試験機Bでの転がり抵抗RR(N)との関係を示している。横軸のMachineBは試験機Bを、縦軸のMachineAは試験機Aを示している。この相関関係は、前述の式(4)で近似されている。この式(4)は、試験機Aでの転がり抵抗RR(N)と試験機Bでの転がり抵抗RR(N)との相関関数である。このときの決定係数Rは、0.9997であった。この式(4)は、試験機Aでの転がり抵抗RR(N)と試験機Bでの転がり抵抗RR(N)との高い相関関係を示している。
試験機Bで得られた転がり抵抗RR(N)から、前述の式(4)に基づいて、試験機Aでの推定転がり抵抗RR(N)を算出した。更に、式(3)に示される様に、この推定転がり抵抗RR(N)が試験荷重Fzで除されて、転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値が算出された。
図3は、この様にして算出された転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値と、試験機Aの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値との関係を示している。この転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値は、実際に試験機Aで計測されたパラメータから算出された値である。転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値は、試験機Aで得られた転がり抵抗RR(N)から算出された転がり抵抗係数RRC(N/kN)の値を表している。
図3において、転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値をxとし、転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値をyとして、相関関係を1次関数で近似すると、以下の式(5)で示される。この相関関数の決定係数Rは0.9981であった。
y = 0.9891・x +0.126 (5)
この結果は、試験機Bでの転がり抵抗RR(N)から試験機Aでの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値が高精度に得られることを表している。
[比較試験]
従来の推定方法に準じて比較試験を実施した。図4は、試験機Aの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値と、試験機Bの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値との関係を示している。試験機Bの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値をxとし、試験機Aの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値をyとして、相関関係を1次関数で近似すると、以下の式(6)で示される。このときの決定係数Rは、0.969であった。
y = 0.8306・x +0.4336 (6)
更に、この式(6)を用いて、試験機Bの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値から、試験機Aでの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値が求められた。式(6)のxが試験機Bの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値であり、yが試験機Aでの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値である。
図5は、試験機Aの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値と、試験機Bの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値から求められた試験機Aでの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値との関係を示している。縦軸が試験機Aの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値である。横軸が式(6)で求められた試験機Aでの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値である。
この図5において、試験機Aでの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の推定値をxとし、試験機Aの転がり抵抗係数RRC(N/kN)の実測値をyとして、相関関係を1次近似すると、以下の式(7)で示される。このときの決定係数Rは、0.969であった。
y = 1.022・x −0.1214 (7)
この比較試験でも、この式(7)は、転がり抵抗係数RRCの高い相関関係を示している。しかしながら、試験1と比較試験とを対比すると、試験1の方が、高精度に、試験機Aでの転がり抵抗係数RRCが推定できている。この結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤの性能値の推定方法は、転がり抵抗係数を測定するものに限られるものではい。試験条件として負荷される試験荷重で除されて求められる係数等の性能値の推定において、広く適用されうる。
2・・・試験機
4・・・タイヤ支持部
6・・・ドラム支持部
8・・・負荷装置
10・・・スピンドル部
12・・・リム
14・・・スピンドル
16・・・ドラム
18・・・ドラムスピンドル
20・・・路面

Claims (6)

  1. 一の試験機で、試験タイヤに試験荷重が負荷されて、試験タイヤに発生する測定力が得られる測定力取得工程と、
    この一の試験機での測定力と他の試験機での測定力との相関関係が求められており、この相関関係から、測定力取得工程で得られる測定力を他の試験機で試験タイヤに発生する推定測定力に換算する推定測定力取得工程と、
    この推定測定力が試験荷重で除されて試験タイヤの性能値が得られる試験タイヤの性能値取得工程とを備えている、
    一の試験機で得られたタイヤの性能値から他の試験機でのタイヤの性能値を推定する方法。
  2. 上記一の試験機での測定力と他の試験機での測定力との相関関係が、
    一の試験機で、複数のマスタータイヤに試験荷重が負荷されて、複数のマスタータイヤに発生する測定力が得られており、
    他の試験機で、複数のマスタータイヤに試験荷重が負荷されて、複数のマスタータイヤに発生する測定力が得られており、
    この一の試験機で得られた複数のマスタータイヤの測定力と他の試験機で得られた複数のマスタータイヤの測定力とから求められている請求項1に記載の推定方法。
  3. 上記複数のマスタータイヤが、測定力が異なる5本以上のマスタータイヤである請求項2に記載のタイヤの性能値の推定方法。
  4. 上記測定力が転がり抵抗であり、
    上記性能値が転がり抵抗係数である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの転がり抵抗係数の推定方法。
  5. 上記測定力が摩擦力であり、
    上記性能値が摩擦係数である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの摩擦係数の推定方法。
  6. 上記測定力がコーナリングフォースであり、
    上記性能値がコーナリング係数である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤのコーナリング係数の推定方法。
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