JP7390968B2 - タイヤの剛性測定方法 - Google Patents

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本発明は、タイヤの剛性測定方法に関する。
空気入りタイヤのサイド部における剛性を正確に測定するための剛性測定装置が特許文献1に提案されている。特許文献1に記載の剛性測定装置は、タイヤが取り付けられるタイヤ支持軸と、タイヤ支持軸に取り付けられたタイヤを外側から拘束するクランプ手段とを備える。クランプ手段は、タイヤ周方向に等間隔で配置されてタイヤのトレッド面をタイヤ径方向に拘束する複数のセンタークランプと、センタークランプのタイヤ幅方向両側に配置されてタイヤのショルダー部をタイヤ幅方向に拘束するショルダークランプとを備える。そして、タイヤ支持軸に取り付けられたタイヤに対して、複数のセンタークランプによりトレッド面をタイヤ径方向に拘束するとともにショルダークランプによりショルダー部をタイヤ幅方向に拘束し、その状態でタイヤ支持軸とクランプ手段とを相対変位させてタイヤを変形させてタイヤの剛性を測定する。
この剛性測定装置であると、センタークランプとショルダークランプによりトレッド部を完全に拘束した状態に近い条件にてタイヤの剛性を測定できる。そのため、トレッド部の剛性の影響をほとんど受けることなく、サイド部の剛性を評価することができる。
特開2017-075837号公報
上記剛性測定装置を用いてタイヤ剛性を測定する場合、荷重やトルクなどの負荷と変位量との関係を表す負荷-変位線図から剛性値を算出する。詳細には、タイヤ支持軸とクランプ手段とを変位量ゼロを基準として正方向及び負方向に相対変位させ、それにより得られる負荷-変位線図において、図9に示すように、正方向への変位時の折り返し点P1と負方向への変位時の折り返し点P2とを直線L1で結び、その傾きを剛性値として算出する。すなわち、折り返し点P1と折り返し点P2との間の変位量をD0、その間の負荷の大きさをF0として、剛性値=F0/D0にて算出される。
しかしながら、変位量の絶対値が減少する区間S2,S4(即ち、折り返し点P1,P2から変位量ゼロまで戻る区間)においてヒステリシスの影響を受けるため、上記の測定方法では、ヒステリシスの影響を含む剛性値が算出されてしまい、精度の高い剛性値が算出されるとはいえない。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、ヒステリシスの影響を受けずに精度のよい剛性値を求めることができるタイヤの剛性測定方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るタイヤの剛性測定方法は、タイヤ支持軸に取り付けられたタイヤに対して、タイヤ周方向に等間隔で配置された複数のセンタークランプと前記センタークランプのタイヤ幅方向両側に配置されたショルダークランプとを備えるクランプ手段により、トレッド面をタイヤ径方向に拘束するとともにショルダー部をタイヤ幅方向に拘束する工程と、前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段とを相対変位させて前記タイヤを変形させてタイヤの剛性を測定する工程と、を含み、前記剛性を測定する工程において、前記相対変位の変位量の絶対値が増加する区間及び減少する区間のうち増加する区間の測定値を用いてタイヤの剛性値を算出するものである。
本発明の実施形態に係るタイヤの剛性測定方法においては、前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段とを変位量ゼロを基準として正方向及び負方向に相対変位させてもよい。
本発明の実施形態に係るタイヤの剛性測定方法においては、前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段との相対変位を複数サイクル実施し、複数サイクルにおける変位量の絶対値が増加する区間の測定値を用いて前記剛性値を算出してもよい。
本発明の実施形態に係るタイヤの剛性測定方法においては、前記剛性値を算出するための測定値を得る前記相対変位を行う前に、前記剛性値の算出に用いない相対変位を1サイクル以上実施してもよい。
本発明の実施形態に係るタイヤの剛性測定方法においては、前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段との前記相対変位を、設定変位量による折り返し制御で行ってもよい。その場合、前記設定変位量をリム径の大きいタイヤほど小さい値に設定してもよい。
本発明の実施形態によれば、タイヤのサイド部の剛性を測定する際に、ヒステリシスの影響を受けずに精度のよい剛性値を求めることができる。
タイヤの剛性測定装置の側面図 拘束状態におけるタイヤの正面模式図 拘束状態におけるタイヤの側面模式図 偏心剛性の測定を説明するための模式図 横剛性の測定を説明するための模式図 面内ねじり剛性の測定を説明するための模式図 面外ねじり剛性の測定を説明するための模式図 実施形態に係る負荷-変位線図から剛性値を算出する方法を説明するためのグラフ 比較例に係る負荷-変位線図から剛性値を算出する方法を説明するためのグラフ
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は一実施形態に係るタイヤの剛性測定装置10の側面図であり、装置10の一部を切断して示している。剛性測定装置10の基本構成は上記特許文献1に記載のものと同じであり、タイヤ支持部12とタイヤ拘束部14とを備える。
タイヤ支持部12は、先端にタイヤTが取り付けられるタイヤ支持軸16を備える。タイヤTは、ホイールWを介してタイヤ支持軸16に取り付けられる。
タイヤ支持軸16には剛性測定手段としてのロードセル18が設けられている。ロードセル18は、3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の力、及び3軸(X軸、Y軸、Z軸)回りのトルクを測定することができる6分力計である。この例では、タイヤ軸方向をY軸、Y軸に直交する横方向(水平方向)をX軸(図2参照)、Y軸に直交する縦方向(上下方向)をZ軸とする。
タイヤ支持軸16には、面内ねじり用モータ20が設けられており、面内ねじり用モータ20によりタイヤ支持軸16を回転駆動してタイヤTに回転方向の変位を与えるように構成されている。タイヤ支持軸16は、その後端が軸受部22に回転可能に支持されている。
軸受部22は、横変位用モータ24を介して支持部側フレーム26の上部に取り付けられており、横変位用モータ24の駆動によって軸受部22がY軸方向に移動することにより、タイヤ支持軸16がY軸方向に移動可能に構成されている。
支持部側フレーム26には面外ねじり用モータ28が設けられており、面外ねじり用モータ28の駆動によって支持部側フレーム26がX軸方向に移動し、これによりタイヤ支持軸16をZ軸回りに回転可能に構成されている。
タイヤ拘束部14は、タイヤ支持軸16に取り付けられたタイヤTを外側から拘束するクランプ手段30を備える。クランプ手段30は、センタークランプ32とショルダークランプ34とを備える。
センタークランプ32は、図2に示されるようにタイヤ周方向に等間隔で複数配置されて、タイヤ支持軸16に取り付けられたタイヤTのトレッド面をタイヤ径方向に拘束する。センタークランプ32は、タイヤTのトレッド面に当接する内周側の当接面が、トレッド面の曲率に応じた曲率を有する湾曲面状をなしている。
センタークランプ32は、タイヤTの外周を取り込む円環状ケース36から内向きに突出するロッド38の先端に取り付けられ、駆動用モータ40によってタイヤ径方向の内側及び外側に移動し、これによりタイヤTのトレッド面に対する拘束と解放とを切り替え可能に構成されている。
円環状ケース36の下部には、偏心変位用モータ42が設けられており、偏心変位用モータ42により円環状ケース36をX軸方向に移動させることにより、タイヤTを拘束したクランプ手段30をX軸方向に移動可能に構成されている。
ショルダークランプ34は、各センタークランプ32のタイヤ幅方向両側にそれぞれ配置され、図3に示すようにトレッド面が拘束されたタイヤTのショルダー部をタイヤ幅方向に拘束する。ここで、ショルダー部とは、トレッドとサイドウォールとの間の部分であり、トレッド面からタイヤ径方向内側に傾斜して設けられている。
ショルダークランプ34は、センタークランプ32の上記当接面に沿う円弧板状をなし、駆動用モータ44によって当該当接面上をタイヤ幅方向に移動可能に構成されている。ショルダークランプ34のタイヤ幅方向内側端は、センタークランプ32の上記当接面に対して傾斜した傾斜面に形成されており、当該傾斜面によりタイヤTのショルダー部を押圧する。
符号46は、センタークランプ32の背面に設けられたセンタークランプ用ロードセルであり、センタークランプ32に加えられるタイヤ径方向の荷重を計測する。
符号48は、ショルダークランプ34のタイヤ幅方向外方に設けられたショルダークランプ用ロードセルであり、ショルダークランプ34に加えられるタイヤ幅方向の荷重を計測する。
次に、上記剛性測定装置10を用いたタイヤの剛性測定方法について説明する。該剛性測定方法は、
(1)タイヤ支持軸16にタイヤTを取り付ける工程と、
(2)タイヤ支持軸16に取り付けられたタイヤTをクランプ手段30により拘束する工程と、
(3)タイヤTを拘束した状態でタイヤ支持軸16とクランプ手段30を相対変位させてタイヤTを変形させてタイヤTの剛性を測定する工程と、を含む。
詳細には、まず、工程(1)において、タイヤ支持軸16の先端にホイールWを介してタイヤTを取り付ける。これにより、タイヤTは、そのビード部がホイールWのリムに対して固定される。
次いで、工程(2)において、図1に示すように、タイヤTの周りにタイヤ拘束部14のクランプ手段30を配置させる。このとき、両側のショルダークランプ34の間隔はタイヤTの幅よりも広くなっている。
その後、クランプ手段30をタイヤ径方向内側に移動させることによって、複数のセンタークランプ32によりタイヤTのトレッド面をタイヤ径方向に拘束する。その際、トレッド面からの反力、即ちセンタークランプ用ロードセル46で計測された荷重が所定値となるまでセンタークランプ32をタイヤ径方向内側に向かって移動させる。
次いで、両側のショルダークランプ34の間隔を狭めるようにショルダークランプ34をタイヤ幅方向内側に移動させることによって、両側のショルダー部をショルダークランプ34によりタイヤ幅方向に拘束する。その際、ショルダー部からの反力、即ちショルダークランプ用ロードセル48で計測された荷重が所定値となるまでショルダークランプ34をタイヤ幅方向内側に向かって移動させる。
その後、工程(3)において、クランプ手段30によりタイヤTの外周側を拘束した状態で、タイヤ支持軸16とクランプ手段30とを相対変位させることでタイヤTを変形させて、タイヤ剛性を測定する。
具体的には、面内ねじり用モータ20、横変位用モータ24、面外ねじり用モータ28又は偏心変位用モータ42によって、タイヤ支持軸16又はクランプ手段30を移動させることにより、タイヤ支持軸16側に固定されたタイヤTのビード部と、クランプ手段30により拘束されたトレッド面及びショルダー部とが相対変位して、タイヤTが変形する。
タイヤ剛性としては、偏心剛性と、横剛性と、面内ねじり剛性と、面外ねじり剛性が挙げられる。
偏心剛性は、図4において矢印で示すタイヤ径方向の剛性である。偏心変位用モータ42の駆動によりクランプ手段30をX軸方向(タイヤ前後方向)に移動させ、このときのタイヤTのX軸方向の変位量(mm)と、ロードセル18によって計測されたタイヤTに作用するX軸方向の力(N)によって、偏心剛性(N/mm)を求めることができる。
横剛性は、図5において矢印で示すタイヤ幅方向の剛性である。横変位用モータ24の駆動によりタイヤ支持軸16をY軸方向(タイヤ幅方向)に移動させ、このときのタイヤTのY軸方向の変位量(mm)と、ロードセル18によって計測されたタイヤTに作用するY軸方向の力(N)によって、横剛性(N/mm)を求めることができる。
面内ねじり剛性は、図6において矢印で示すタイヤ回転方向のねじり剛性である。面内ねじり用モータ20の駆動によってタイヤ支持軸16を回転させ、このときのタイヤTのY軸回りのねじれ角(°)と、ロードセル18によって計測されたタイヤTに作用するY軸回りのトルク(Nm)によって、面内ねじり剛性(Nm/°)を求めることができる。
面外ねじり剛性は、図7において矢印で示すタイヤ回転軸に直交する軸回りのねじり剛性である。面外ねじり用モータ28の駆動によって支持部側フレーム26をX軸方向(タイヤ前後方向)に移動させて、タイヤ支持軸16をZ軸回り(鉛直軸回り)に回転させる。このときのタイヤTのZ軸回りのねじれ角(°)と、ロードセル18によって計測されたタイヤTに作用するZ軸回りのトルク(Nm)によって、面外ねじり剛性(Nm/°)を求めることができる。
工程(3)におけるタイヤ支持軸16とクランプ手段30との相対変位は、タイヤ支持軸16とクランプ手段30とを変位量ゼロを基準として正方向及び負方向のいずれか一方向のみとしてもよいが、この例では、正方向及び負方向に相対変位させることにより行う。すなわち、この例では、未変位状態でのタイヤ支持軸16とクランプ手段30との相対的位置を原点(変位量=0)として、タイヤ支持軸16又はクランプ手段30を一方向に移動させることで正方向に相対変位させ、当該一方向とは逆向きに移動させることで負方向に相対変位させる。
かかる相対変位の制御は、設定負荷量による折り返し制御としてもよいが、この例では設定変位量による折り返し制御で行う。
ここで、設定負荷量による折り返し制御とは、タイヤTに作用する荷重(力)やトルクなどの負荷について予め所定の負荷量(設定負荷量)を定めておき、タイヤ支持軸16とクランプ手段30を正方向及び負方向に相対変位させるときに、この設定負荷量に到達するまで相対変位させ、設定負荷量に到達した時点で相対変位の方向が折り返されるように制御することをいう。
斯かる設定負荷量による折り返し制御では、ヒステリシスの関係上、設定負荷量によって剛性値が変化することがある。これは設定負荷量の変化に対して測定される最大変位量の変化が比例関係でないためである。また、剛性の高いタイヤにおいて測定時の最大変位量が少なすぎると、十分な精度を保証できないおそれがある。そのため、各タイヤについて設定負荷量を複数水準設定して試験を実施することがあり、異種のタイヤ間での評価が必ずしも容易とはいえない。そこで、試験実施の水準設定を削減して異種のタイヤ間での評価を容易にするために、常に十分な変位量が確保し、測定精度を高めることができる、設定変位量による折り返し制御で試験を行うことが好ましい。
設定変位量による折り返し制御とは、タイヤ支持軸16とクランプ手段30との相対変位の大きさについて予め所定の変位量(絶対値としての変位の大きさ)を定めておき(この所定の変位量を「設定変位量」という。)、タイヤ支持軸16とクランプ手段30を正方向及び負方向に相対変位させるときに、この設定変位量に到達するまで相対変位させ、設定変位量に到達した時点で相対変位の方向が折り返されるように制御することをいう。すなわち、この場合、変位量の絶対値が増加する区間から減少する区間への折り返しが、タイヤTに作用する負荷量に基づくのではなく、予め設定した変位量に基づいてなされる。そのため、測定精度を保証するための十分な変位量を確保することができ、異種のタイヤ間での評価精度が向上する。
設定変位量は、測定するタイヤ剛性の種類に応じて設定することができる。その際、各タイヤ剛性についての設定変位量は、タイヤの大きさによらず一定の値としてもよいが、リム径の大きいタイヤほど小さい値に設定することが好ましい。リム径の大きいタイヤは少ない変位で力が発生し、適正な力やトルクなどの負荷が得られるためである。また、剛性測定装置には負荷荷重範囲や負荷トルク範囲などのスペックがあるため、リム径の大きいタイヤほど設定変位量を小さい値とすることにより、上記スペック内でタイヤサイズに応じた適切な負荷がかかるように設定変位量を定めることができる。
より詳細には、タイヤのリム径を、例えば16インチ以下の第1リム径と、17インチ以上18インチ以下の第2リム径と、19インチ以上の第3リム径のように、複数のグループに分け、第1リム径のタイヤに対する設定変位量をa、第2リム径のタイヤに対する設定変位量をb、第3リム径のタイヤに対する設定変位量をcとして、リム径の大きいグループほど設定変位量の値が小さくなるように(a>b>c)、各グループに対する設定変位量を定めてもよい。
上記のように相対変位させながらロードセル18によってタイヤTに作用する荷重やトルクなどの負荷を測定することにより、変位量と負荷との関係を示す負荷-変位線図が得られる。図8は負荷-変位線図の一例として、偏心剛性の計測結果を示す変位-荷重曲線を示した図である。
本実施形態では、負荷-変位線図において、変位量の絶対値が増加する区間及び減少する区間のうち増加する区間の測定値を用いてタイヤの剛性値を算出する。
詳細には、図8に示すように、負荷-変位線図は、変位量=0から正方向に変位量が増加して折り返し点P1に到達し、そこで折り返してから変位量が減少し、変位量=0を通過した後、負方向に変位量の絶対値が増加して折り返し点P2に到達し、そこで折り返してから変位量の絶対値が減少して変位量=0に戻る。
ここで、変位量=0から折り返し点P1に到達するまでの、正側での変位量の絶対値が増加する区間をS1とし、折り返し点P1から変位量=0に戻るまでの、正側での変位量の絶対値が減少する区間をS2とする。また、変位量=0から折り返し点P2に到達するまでの、負側での変位量の絶対値が増加する区間をS3とし、折り返し点P2から変位量=0に戻るまでの、負側での変位量の絶対値が減少する区間をS4とする。
本実施形態では、これら区間S1~S4のうち、変位量の絶対値が増加する区間S1及びS3のみの測定値を用いてタイヤの剛性値を算出する。変位量の絶対値が減少する区間S2及びS4ではヒステリシスの影響を受け、図8に示すように変位量の絶対値が増加する区間S1及びS3とは傾きが一致しない。本実施形態では、このようなヒステリシスの影響を受ける区間S2及びS4の測定値を用いることなく、上記区間S1及びS3のみの測定値を用いることにより、ヒステリシスの影響を受けずに精度の高い剛性値を算出することができる。
剛性値の算出方法は、特に限定されず、例えば、これら区間S1,S3の回帰直線を求めてその傾きから算出してもよく、あるいはまた、区間S1,S3における始点と終点を結ぶ直線の傾きから算出してもよい。好ましくは回帰直線の傾きから算出することであり、区間S1での回帰直線の傾きと区間S3での回帰直線の傾きをそれぞれ求めて両者を平均することにより、正負両側への変位の総合的な剛性値を算出することができる。
剛性値の算出に用いる上記相対変位のデータは1サイクル分のみとしてもよいが、好ましくは複数サイクル分のデータを用いて平均することである。すなわち、上記工程(3)においては、タイヤ支持軸16とクランプ手段30との正方向及び負方向への相対変位を複数サイクル実施し、複数サイクルにおける変位量の絶対値が増加する区間S1及びS3の測定値を用いて剛性値を算出することが好ましい。これにより測定バラツキを低減することができる。ここで、剛性値の算出に用いるサイクル数(即ち、サイクルの回数)としては、2~4サイクルであることが好ましく、より好ましくは3サイクルである。
詳細には、例えば、複数サイクルのそれぞれについて、区間S1での回帰直線の傾きと区間S3での回帰直線の傾きを求め両者を平均して各サイクルでの剛性値を算出し、得られた各サイクルの剛性値からそれらの平均値を算出することにより、複数サイクルのデータを用いた剛性値を算出することができる。
一実施形態において、上記工程(3)においては、剛性値を算出するための測定値を得る上記相対変位を行う前に、剛性値の算出に用いない正方向及び負方向への相対変位を1サイクル以上実施することが好ましい。工程(2)においてタイヤTをクランプ手段30により拘束した後、工程(3)においてタイヤ支持軸16とクランプ手段30とを相対変位させる際、未変位の初期状態から相対変位させる1サイクル目の変位-負荷線図は、ヒステリシスの影響により、2サイクル目以降の変位-負荷線図とは大きく異なる場合がある。そこで、剛性値の算出に利用しない相対変位を事前に1サイクル以上行うことが好ましい。これにより、変位-負荷線図をある程度一定化させてから測定を実施することができるため、更に精度よく剛性値を算出することができる。ここで、剛性値の算出に利用しない相対変位のサイクル数は、1サイクル以上であれば特に限定されないが、例えば1サイクル又は2サイクルでもよい。
好ましい実施形態において、剛性値の算出に用いる上記相対変位のデータは、2サイクル目から4サイクル目までの3サイクル分のデータを用いることである。
10…剛性測定装置、16…タイヤ支持軸、30…クランプ手段、32…センタークランプ、34…ショルダークランプ、T…タイヤ

Claims (6)

  1. タイヤ支持軸に取り付けられたタイヤに対して、タイヤ周方向に等間隔で配置された複数のセンタークランプと前記センタークランプのタイヤ幅方向両側に配置されたショルダークランプとを備えるクランプ手段により、トレッド面をタイヤ径方向に拘束するとともにショルダー部をタイヤ幅方向に拘束する工程と、
    前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段とを相対変位させて前記タイヤを変形させてタイヤの剛性を測定する工程と、を含み、
    前記剛性を測定する工程において、前記相対変位の変位量の絶対値が増加する区間及び減少する区間のうち増加する区間の測定値を用いてタイヤの剛性値を算出する、タイヤの剛性測定方法。
  2. 前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段とを変位量ゼロを基準として正方向及び負方向に相対変位させる、請求項1に記載のタイヤの剛性測定方法。
  3. 前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段との相対変位を複数サイクル実施し、複数サイクルにおける変位量の絶対値が増加する区間の測定値を用いて前記剛性値を算出する、請求項1又は2に記載のタイヤの剛性測定方法。
  4. 前記剛性値を算出するための測定値を得る前記相対変位を行う前に、前記剛性値の算出に用いない相対変位を1サイクル以上実施する、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤの剛性測定方法。
  5. 前記タイヤ支持軸と前記クランプ手段との前記相対変位を、設定変位量による折り返し制御で行う、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤの剛性測定方法。
  6. 前記設定変位量をリム径の大きいタイヤほど小さい値に設定する、請求項5に記載のタイヤの剛性測定方法。
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