JP2017026468A - タイヤの接地特性の測定方法 - Google Patents

タイヤの接地特性の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤの接地特性の効率的な測定が可能となる接地特性の測定方法の提供。【解決手段】この測定方法は、駆動ドラム6とタイヤ50の回転角を検出するタイヤエンコーダ24とタイヤ応力を測定する3分力センサ20とを備えた試験装置2を用いて実施する方法であり、タイヤ50を駆動ドラム6に当接した状態で回転させつつ、上記3分力センサ20により、タイヤ50の応力を回転角度と対応させて測定する接地特性取得ステップと、この接地特性取得ステップにおいて、必要に応じて、回転中のタイヤ50の位相を変化させる位相変化ステップとを含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、走行中のタイヤの接地特性を測定する方法に関する。
路面上を走行しているタイヤの接地特性の測定は、タイヤの種々の性能を評価する上で重要である。このようなタイヤの接地特性の測定方法の一例が、特開2011−203207号公報に開示されている。
この測定方法では、3分力センサが設置されたドラム試験装置が用いられている。この測定方法では、接地特性の測定対象となるタイヤを、ドラムの回転軸方向に変位させながら、タイヤ及びドラムを回転させて、接地圧及び剪断応力を同時に測定する。3分力センサがタイヤの接地範囲に多数回接触するように、タイヤは多数回転させられる。
図6及び図7に示されるように、通常、タイヤ50の周方向における3分力センサ20との接触位置P1(図6)と、その後、ドラム6が1回転して3分力センサ20がタイヤ50の接地部に戻ってきたときのタイヤ周方向の接触位置P2(図7)とは、タイヤ50周上の異なる位置である。このとき、タイヤ50は複数回転している。その後、また上記位置P1が3分力センサに一致する(図6)。従って、設定された測定範囲内に測定点を効果的に分布させるには、タイヤ50は多数回の転動によって、その3分力センサ20の位置を多数回通過させる必要がある。タイヤ50の周方向接地長は150mm近い。タイヤ50の位相に換算して15°近い範囲内で多くの測定点が分布する必要がある。
しかしながら、タイヤの径、荷重、内圧及び回転速度と、ドラムの径との組み合わせによっては、タイヤを多数回転動させても、3分力センサと接触し得ない周方向位置(位相)又は周方向範囲(位相幅)が生じる。具体例としては、動荷重半径が300mmである状態のタイヤと半径が1000mmのドラムとの場合、理論的には、タイヤトレッド面の3分力センサとの接触は、タイヤの中心角120°ごとに限られる。上記動荷重半径とは、タイヤに荷重を負荷した状態で回転させたときに、タイヤの1回転当たりに進んだ距離を2πで除したものをいう。また、測定可能なタイヤの位相間隔(測定点同士の周方向ピッチ)は、前述したタイヤの径、荷重、内圧、回転速度等と、ドラムの径との組み合わせで決まるため、任意に(例えば1°間隔等に)設定することはできない。
特開2005−265748公報には、タイヤの接地応力の測定方法の一例が開示されている。この測定方法では、平板状の固定路面を有する接地部測定装置が用いられる。この測定方法では、タイヤは固定路面上を転動しながら移動させられる。この測定方法では、まず、タイヤトレッド面上の測定したい位置を指定する。ついで、予備走行によって得たデータに基づいて、上記指定位置が3分力センサに接触するように、タイヤの転動スタート位置が調整され、決定される。異なる位置を測定するためには、タイヤを一旦スタート位置に戻して位置調整をする必要がある。この方法では、複数位置の測定を連続して行うことができず、多大な工数を要する。
特開2011−203207公報 特開2005−265748公報
特開2014−021012号公報に開示された測定方法では、タイヤトレッド面上の測定点を任意に設定することができない。特開2005−265748公報に開示された測定方法では、複数位置の測定を連続して行うことができない。
本発明の目的は、タイヤ表面の測定点を、タイヤの転動中に任意に変更することが可能な接地特性の測定方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの接地特性の測定方法は、
円筒形の駆動ドラムを備えた試験装置を用いて、タイヤの接地特性を測定する方法であって、
上記試験装置が、タイヤの回転角度を検出する回転角検出器と、ドラムの路面に設置された、タイヤ応力を測定しうる測定器とを備えており、
タイヤを駆動ドラムに当接した状態で回転させつつ、上記測定器により、タイヤの応力を回転角度と対応させて測定する接地特性取得ステップと、
この接地特性取得ステップにおいて、必要に応じて、回転中のタイヤの位相を変化させる位相変化ステップとを含んでいる。
好ましくは、上記位相変化ステップにおける上記位相を変化させる前提条件が、接地特性取得ステップにおいて、タイヤの同一位相の位置を複数回測定したことであり、この同一位相が、下式、
360°× 上記測定器の周方向長 ÷ タイヤの周長 ÷ 2 × 0.7
によって得られる値以下であると定義される。
好ましくは、上記位相変化ステップにおいて、タイヤの位相を変化させるために、タイヤの動荷重半径を必要時間変化させる。
好ましくは、上記位相変化ステップにおいて、タイヤの動荷重半径を変化させるために、タイヤに負荷されるドラム向けの荷重、タイヤの速度、タイヤの内圧、タイヤのキャンバー角、及び、タイヤとドラムとの回転数比のうち、少なくとも一項目を変化させる。
好ましくは、上記位相変化ステップにおける、上記荷重、上記タイヤ速度、上記タイヤ内圧、上記キャンバー角、及び、上記回転数比のうち、少なくとも一項目を変化させたときの、タイヤの動荷重半径の変化を測定する動荷重半径変化の予備測定ステップを含んでいる。
本発明によれば、タイヤ表面の測定点を、タイヤの転動中に任意に変更することが可能である。従って、タイヤに任意に設定した測定範囲内の応力分布を得ることも容易となり、タイヤの接地特性の効率的な測定が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの接地特性の測定方法に用いられる試験装置を概略的に示す一部断面正面図である。 図2は、図1の試験装置における駆動ドラムの路面に対するタイヤの接地面の一例を示す斜視図である。 図3は、タイヤのトレッド面に設定された測定範囲を示す斜視図である。 図4は、タイヤの同一位相の範囲を説明するためのタイヤ及びドラムの正面図である。 図5は、ドラム路面を転動するタイヤの位相が変化させられた後の接地状況の一例を示す正面図である。 図6は、ドラム路面を転動するタイヤの位相が変化させられる前の接地状況を示す正面図である。 図7は、ドラム路面を転動するタイヤの位相が変化させられた後の接地状況の他の例を示す正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
[試験装置]
図1には、本実施形態に係るタイヤの接地特性の測定方法の実行に用いられるインサイドドラム式の試験装置2が示されている。インサイドドラム式に限定されず、アウトサイドドラム式の試験装置も採用されうる。この試験装置2は、タイヤ50を回転可能に支持するタイヤ支持装置4、及び、タイヤ50を回転駆動しうる駆動ドラム(以下、単にドラムという)6を備えている。ドラム6は、ドラム支持装置8に回転可能に支持されている。ドラム支持装置8は、ドラム6を回転させるための回転駆動装置(ドラム駆動装置)10を備えている。ドラム駆動装置10は回転速度の制御が可能である。ドラム6は有底円筒状を呈している。
タイヤ支持装置4に支持されたタイヤ50は、ドラム6の開口18側から、ドラム6の内部に挿入されている。ドラム6の中心軸及びタイヤ50の中心軸は、ともに水平方向に延びている。タイヤ支持装置4は、ドラム6に対してその中心軸方向に離間接近可能にされている。タイヤ支持装置4は、タイヤ50を回転駆動するための回転駆動装置(タイヤ駆動装置)12を備えている。タイヤ駆動装置12は回転速度の制御が可能である。このタイヤ駆動装置12により、タイヤ50は、ドラム6に依らなくても回転しうる。タイヤ支持装置4は、タイヤ50を自由回転状態にしたり、その回転を加速、減速、停止したりする制動機能をも有している。前述の各回転駆動装置10、12は、いずれも、回転速度制御手段を備えている。
タイヤ支持装置4は昇降装置14を備えている。この昇降装置14により、タイヤ50が上下動させられる。この昇降装置14により、タイヤ50はドラム6の路面16に離間接近させられる。昇降装置14は、タイヤ50を、路面16に任意荷重で押圧させうる。この昇降装置14は、タイヤ50に負荷される荷重を制御する荷重制御手段を備えている。タイヤ50が回転自在(フリー転動)の状態で路面16に押圧され、ドラム6が回転すれば、タイヤ50は従動回転する。ドラム6が回転自在の状態で、タイヤ50が路面16に押圧されて回転駆動されると、ドラム6も従動回転する。
タイヤ支持装置4は、支持したタイヤ50の中心軸の方向を、ドラム6の中心軸に対して、任意角度傾斜させたり、平行にしたりすることのできる軸線角度制御手段を備えている。この軸線角度制御手段により、タイヤ50には、任意のキャンバー角及びスリップ角を設定することができる。
上記路面16の少なくとも一箇所に、タイヤ応力測定器としての3分力センサ20が埋設されている。3分力センサ20は、その検出部がタイヤ50の表面に接するように配設されている。3分力センサの測定対象の理解容易のために、タイヤ軸方向(幅方向)をX軸方向、タイヤ周方向をY軸方向、タイヤ半径方向をZ軸方向としておく。3分力センサ20により、タイヤ50のトレッド面上の一つの位置における、タイヤ軸方向の剪断応力τx、タイヤ周方向の剪断応力τy、及び、タイヤ半径方向の垂直応力(接地面圧)σが、同時に測定されうる。
ドラム支持装置8のドラム支持軸8aには、ドラム回転角検出器としてのロータリーエンコーダ(以下、ドラムエンコーダという)22が設置されている。タイヤ支持装置4のタイヤ支持軸4aには、タイヤ回転角検出器としてのロータリーエンコーダ(以下、タイヤエンコーダという)24が設置されている。
この試験装置2には、上記3分力センサ20による測定データ、及び、上記両エンコーダ22、24による検出データを処理するための処理装置26が備えられている。処理装置26は、CPU、メモリ等を含み、図示しない操作パネル等にも接続されている。操作パネルから入力されたプログラムにより、処理装置26から各駆動装置、測定器等に動作指示がなされうる。
この試験装置2を用いて、タイヤ50の接地特性が測定される。タイヤ50の接地特性を取得する動作として、後述するように、「動荷重半径変化の予備測定ステップ」、「測定ステップ」及び「位相変更ステップ」がその順で実施される。ここでは、以下に、「測定ステップ」から説明される。
[測定ステップ]
測定ステップでは、設定された測定条件に従い、タイヤ50が上記試験装置2に取り付けられて走行させられる。そして、走行中に、ドラム6に接地したタイヤ50のトレッド面の3応力が測定される。同時に、処理装置26では、この3応力の測定値と、タイヤ50回転角とが対応付けられている。上記測定条件とは、タイヤ50に負荷されるドラム6向けの荷重、タイヤ50の走行速度、タイヤ50の内圧、タイヤ50のキャンバー角、タイヤ50のスリップ角、及び、タイヤ50とドラム6との回転数の比等である。
この測定ステップの狙いは、図2に示される、ドラム6の路面16に対するタイヤ50の接地面LA内を網羅的に測定することである。図3に示されるように、タイヤトレッド面上に、接地面LAをカバーする所定の測定範囲MAを設定し、実際の測定点をこの測定範囲MA内にほぼ均等に分布させる。この測定範囲MAの中心角度α及び周方向位置は特定されている。この目的のためには、タイヤトレッド面上の3分力センサ20と接触する点(上記測定点)を成り行きに任せることはできない。
そこで、所定の測定条件下でタイヤ50を転動させて応力測定を行った際に、タイヤの同一位相が繰り返して検知された場合、後述する位相変更ステップで、タイヤ位相が少量だけ且つ短時間だけ変更される。この位相とは、ある位置を基準とした回転角度とも言える。そして、すぐにタイヤ50のもとの測定条件に戻される。これが、後述する位相変更ステップである。位相が変更された後、測定が再開される。必要に応じて、この位相の変更と測定とが繰り返される。こうすることにより、効率的に任意のタイヤ位相に対する測定が可能となる。
以下に、測定ステップが詳細に説明される。まず、所定内圧のタイヤ50が、ドラム6の内周の路面16に対して位置調整される。まず、タイヤ50の幅内のある位置に3分力センサ20が位置するように調整される。これが、軸方向位置調整である。例えば、タイヤの幅のほぼ中央に3分力センサ20が位置するように調整される。タイヤ50には、路面16に対する所定の荷重が負荷される。さらに、タイヤ50には、所定のキャンバー角及び/又はスリップ角が設定される。
タイヤ50及びドラム6が所定の回転数で回転駆動される。タイヤ50の走行速度は、30km/hから200km/hが好ましい。この走行速度が高いほど、後述する位相変更ステップにおいて、動荷重半径の必要変更時間Tは短くなる。そして、この走行速度が200km/hを超えると、動荷重半径の必要変更時間Tが短くなり過ぎて、制御が難しくなるおそれがある。一方、走行速度が30km/hを下回ると、動荷重半径の変更に時間がかかり過ぎるおそれがある。タイヤ50及びドラム6の回転に伴い、ドラムエンコーダ22により、ある時点を基準として、ドラム6の回転角度が検出されている。また、タイヤエンコーダ24により、基準時点から、タイヤ50の回転角度が検出されている。処理装置26には、前述の応力τx、τy、σが、タイヤ50の回転角度と対応されて取得されている。すなわち、測定された応力には、周方向の番地が付けられている。
タイヤ50が所定回数回転させられて測定が終了すると、自動的に、タイヤ50がドラム6に対して軸方向に移動(横移動)させられる。横移動距離は、タイヤ幅を所定数で除して得られる等間隔に定めてもよい。横移動ごとに、自動的に上記測定が実行される。測定範囲MAの中心角度α及び周方向位置は特定されているので、自動的に、横移動後の測定点は、移動前の測定点と同一の周方向位置とされる。横移動と測定とが自動的に繰り返される。軸方向における複数の位置で得られた測定データは、それぞれ、当該軸方向位置で得られた測定データとして特定される。このようにして、応力測定は、タイヤ50の幅方向についても網羅され、上記測定範囲MA内にほぼ均等に分布して実行される。
[位相変更ステップ]
上記測定ステップにおいて測定が継続される過程で、タイヤ50の同一位相の測定が繰り返して検知された場合、位相の変更を行う。繰り返して検知されたとは、本実施形態では、同一位相の測定が2から3回検知されたことをいう。タイヤ50の同一位相の測定が2から3回検知されるとは、前述した動荷重半径300mmのタイヤと半径1000mmのドラムとの例を適用すると、タイヤの中心角0°、120°、240°それぞれの位置の測定が2から3回繰り返されることを意味する。このようなタイヤでは、接地面内の測定を網羅することができないからである。
現実のタイヤでは、完全同一の位相の検知が繰り返して検知されることは希であろう。ここでは、この同一の位相は、処理装置26において、下記の(1)式によって得られる値以下であると定義されている。
360°× SL ÷ TL ÷ 2 × 70% (1)
ここで、
SL:3分力センサ20の周方向長、
TL:タイヤの周長
また、(1)式中の「360°× SL÷ TL」は、図4で示される3分力センサ20のドラム周方向の長さSLに対応するタイヤ中心角θである。タイヤ周上の同一の測定点同士がなすタイヤ中心角が、上記(1)式以下である場合、これら測定点は同一位相とみなされる。具体的には、図6において、最初に3分力センサ20に接触した接触位置P1の角度位置と、再度この接触位置P1が3分力センサ20に接触したときの角度位置との差が、上記(1)式以下である場合、これら測定点は同一位相とみなされる。
位相変更は、タイヤ50の動荷重半径をパルス的に変更することによって行う。短時間の位相変更によって位相をズラした直後に、動荷重半径をもとの測定条件下の状態に戻して測定を再開する。動荷重半径を増加した場合には、測定点は、タイヤ走行方向を見て後方にズレる。動荷重半径を減少した場合には、測定点は、増加前より、タイヤ走行方向を見て増加前より前方にズレる。動荷重半径が変更されている時間が長いほど、位相のズレ量が大きくなる。
両エンコーダ22、24により、測定点のタイヤ周上の位置は把握されている。処理装置26では、この位置から所望の位相幅だけ変更されるように、動荷重半径を変更する時間が決定される。この所望の変更位相幅(ズラしたい位相)は、すなわち測定したい位相間隔であり、例えば1°である。
動荷重半径を変更する時間Tの決定は以下のようになされる。ズラしたい位相Aと、動荷重半径を変更する時間Tとの関係は、下記の(2)式によって表される。所望の位相幅を変更するのに必要な時間は、(2)式によって求められる。
T = π÷180°×DLc×DLm÷(DLc−DLm)÷Vc×A (2)
ここで、
T:動荷重半径の必要変更時間(秒)
DLc:変更後の動荷重半径(mm)
DLm:変更前(測定条件下)の動荷重半径(mm)
Vc:位相をズラすために動荷重半径を変化させたときの走行速度(mm/秒)
A:ズラしたい位相(°)
上記(2)式の導き方は以下の通りである。動荷重半径を変更したことにより、タイヤ50の一回転でズレる位相B°は、下記の(3)式によって求まる。
B =(2πDLc − 2πDLm)÷ 2πDLm × 360° (3)
ズラしたい位相Aに対応する、動荷重半径変更後のタイヤの必要回転数Cは、下記の(4)式によって求まる。
C = A ÷ B (4)
また、動荷重半径の必要変更時間Tは、下記の(5)式で表される。
T = 2πDLc × C ÷ Vc (5)
ここで、(5)式中の「2πDLc × C」は、動荷重半径の変更後の走行距離である。この(5)式に、上記(4)式及び(3)式を代入することにより、上記(2)式が得られる。
ズラしたい位相Aについて、この(2)式によって得られた必要時間Tだけ、自動的に、動荷重半径の変更指示のパルス入力が行われる。この処理により、所望の位相のずれが生じる。上記必要時間T経過後、自動的にもとの測定条件下の動荷重半径に戻される。これで、図5に示されるように、3分力センサ20との接触位置P1(図6)は、タイヤ50の複数回転後には、3分力センサには一致せず、異なる位置P2が3分力センサに接触する。この異なる位置P2は、当初の接触位置P1から所望の位相(例えば1°)だけズレている。換言すれば、前回の接触位置P1(図6)は、今回は、前回の3分力センサの位置から所望の位相だけズレている(図5)。このように、所望の位相間隔を置いた測定が実行される。図5には、理解容易のために、位相のズレが1°以上に描かれている。上記処理の後、再度同一位相が繰り返して検知された場合、動荷重半径の変更指示のパルス入力と測定の再開とが繰り返される。もちろん、この位相変更ステップは、タイヤの軸方向に移動して繰り返される測定においても、必要に応じて実施される。
以下に、タイヤ50の動荷重半径を変化させる方法が説明される。動荷重半径を変化させるために、タイヤ50に負荷されるドラム6向けの荷重、タイヤ50の速度、タイヤ50の内圧、タイヤ50のキャンバー角、及び、タイヤ50とドラム6との回転数比、という複数の要素のうち、少なくとも一要素が変化させられる。例えば、タイヤ内圧の上昇、タイヤ走行速度の上昇及びキャンバー角の増大は、いずれも動荷重半径の増加を招く。一方、タイヤ荷重の増大は、動荷重半径の減少を招く。また、タイヤ回転数/ドラム回転数の比の増大は、動荷重半径の減少を招き、この比の縮小は、動荷重半径の増加を招く。
[動荷重半径変化の予備測定ステップ]
上記位相変化ステップにおいて、動荷重半径の適切な変更時間を選択するために、予め、前述の各要素(タイヤの速度、荷重、内圧、キャンバー角、タイヤとドラムとの回転数比)の変化と動荷重半径の変化との関係を定量的に把握しておく必要がある。この目的のため、上記測定ステップに先立ち、動荷重半径変化の予備測定が実行される。この動荷重半径変化の予備測定ステップにおいては、上記複数の要素のそれぞれについて、その値を複数段階に変更しつつ動荷重半径との関係が把握される。
具体的には、処理装置26において、予備測定によって得られた基礎データに基づき、動荷重半径を目的変数とし、前述の各要素を説明変数として、各説明変数の係数を最適化する重回帰分析が行われる。この分析によって得られた重回帰式により、試験装置2の許容範囲内で、動荷重半径の変更のために任意の要素が選択される。
以上説明された「動荷重半径変化の予備測定ステップ」、「測定ステップ」及び「位相変更ステップ」を通して実施された測定が、処理装置26において、所望の測定範囲MA内を網羅しているか否かが確認される。未測定点が存在すれば、「測定ステップ」及び「位相変更ステップ」が再開される。未測定点が確認されなければ、測定が終了する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
実施例1として、空気入りタイヤが準備された。このタイヤのサイズは、225/55R17であった。上記試験装置2を用いてこのタイヤの接地特性が測定された。このタイヤの測定条件下での動荷重半径は336mmであった。試験装置2のドラム6の内径(路面の直径)は5mであった。接地面形成に必要なタイヤの位相、すなわち、測定範囲MAの周方向角度範囲αは15°とした。測定しようとする位相間隔を1°に設定した。
このタイヤの測定条件は以下の通りであった。
内圧:250kPa
走行時の負荷荷重:4.12kN
キャンバー角:0°
走行速度:80km/h
以上の条件下で測定を実施すると、ドラム6を1回転する毎に158.6°の位相のズレが生じる。このため、0°から15°までの測定範囲のタイヤ位相については、84回転毎に4種類の同一位相を検知してしまう。すなわち、測定し得ないタイヤ位相が存在する。そこで、測定中にタイヤの位相変更が実施された。
このタイヤの位相変更入力は以下の通りであった。
負荷荷重:(4.12kNから)4.00kNに変更
変更入力の時間:0.7秒
変更入力の頻度:ドラム1回転中に85回
位相変更で採用した動荷重半径の重回帰式は下記の(6)式であった。
DR = −0.9993W + 0.023V + 338.27711 (6)
ここで、
DR:動荷重半径(mm)
W:負荷荷重(kN)
V:タイヤの走行速度(km/h)
[実施例2]
実施例2として、空気入りタイヤが準備された。このタイヤについても、測定中にタイヤの位相変更が実施された。この実施例2のタイヤの測定条件及び位相変更入力内容は表1に示されるとおりである。
このタイヤの位相変更入力は以下の通りであった。
走行速度:(80km/hから)82km/hに変更
変更入力の時間:1.9秒
上記表1に記載された以外の構成及び条件は、実施例1のタイヤと同じであった。
[比較例1]
比較例1として、空気入りタイヤが準備された。表1に示されるように、このタイヤの測定においては、タイヤの位相変更は実施されなかった。その他の構成及び条件は、実施例1のタイヤと同じであった。
Figure 2017026468
[接地特性の測定の評価]
実施例1、2及び比較例1の各タイヤについての、接地特性測定の結果が表1に示されている。測定に要した時間は各例とも240秒であり、ドラムの回転回数は340回転であった。実施例1及び実施例2の各タイヤについては、中心角15°の測定範囲を1度間隔で測定することができた。測定できた位相は、表1に○印で示されている。一方、比較例1のタイヤについては、表1から明らかなように、中心角15°の測定範囲内で測定し得ない位相が多く存在した。測定できなかった位相は、表1に−−印で示されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤの接地特性測定方法は、種々のタイヤの接地特性の評価等に適用可能である。
2・・・試験装置
4・・・タイヤ支持装置
4a・・・タイヤ支持軸
6・・・ドラム
8・・・ドラム支持装置
8a・・・ドラム支持軸
10・・・ドラム駆動装置
12・・・タイヤ駆動装置
14・・・昇降装置
16・・・路面
18・・・開口
20・・・3分力センサ
22・・・ドラムエンコーダ
24・・・タイヤエンコーダ
26・・・処理装置
50・・・タイヤ
LA・・・接地面
MA・・・測定範囲

Claims (5)

  1. 円筒形の駆動ドラムを備えた試験装置を用いて、タイヤの接地特性を測定する方法であって、
    上記試験装置が、タイヤの回転角度を検出する回転角検出器と、ドラムの路面に設置された、タイヤ応力を測定しうる測定器とを備えており、
    タイヤを駆動ドラムに当接した状態で回転させつつ、上記測定器により、タイヤの応力を回転角度と対応させて測定する接地特性取得ステップと、
    この接地特性取得ステップにおいて、必要に応じて、回転中のタイヤの位相を変化させる位相変化ステップとを含むタイヤの接地特性の測定方法。
  2. 上記位相変化ステップにおける上記位相を変化させる前提条件が、接地特性取得ステップにおいて、タイヤの同一位相の位置を複数回測定したことであり、この同一位相が、下式、
    360°× 上記測定器の周方向長 ÷ タイヤの周長 ÷ 2 × 0.7
    によって得られる値以下であると定義される、請求項1に記載の接地特性の測定方法。
  3. 上記位相変化ステップにおいて、タイヤの位相を変化させるために、タイヤの動荷重半径を必要時間変化させる、請求項1又は2に記載の接地特性の測定方法。
  4. 上記位相変化ステップにおいて、タイヤの動荷重半径を変化させるために、タイヤに負荷されるドラム向けの荷重、タイヤの速度、タイヤの内圧、タイヤのキャンバー角、及び、タイヤとドラムとの回転数比のうち、少なくとも一項目を変化させる、請求項3に記載の接地特性の測定方法。
  5. 上記位相変化ステップにおける、上記荷重、上記タイヤ速度、上記タイヤ内圧、上記キャンバー角、及び、上記回転数比のうち、少なくとも一項目を変化させたときの、タイヤの動荷重半径の変化を測定する動荷重半径変化の予備測定ステップを含んでいる、請求項4に記載の接地特性の測定方法。
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