JP6470590B2 - タイヤの氷上性能評価方法 - Google Patents

タイヤの氷上性能評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6470590B2
JP6470590B2 JP2015033966A JP2015033966A JP6470590B2 JP 6470590 B2 JP6470590 B2 JP 6470590B2 JP 2015033966 A JP2015033966 A JP 2015033966A JP 2015033966 A JP2015033966 A JP 2015033966A JP 6470590 B2 JP6470590 B2 JP 6470590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
road surface
drum
ice
evaluation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015033966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016156681A (ja
Inventor
景子 師岡
景子 師岡
藤田 浩司
浩司 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2015033966A priority Critical patent/JP6470590B2/ja
Publication of JP2016156681A publication Critical patent/JP2016156681A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6470590B2 publication Critical patent/JP6470590B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、タイヤの氷上性能を高精度で評価しうるタイヤの氷上性能評価方法に関する。
例えば、下記の特許文献1には、内周面を氷路面としたドラムを用いたタイヤの氷上性能の評価方法が開示されている。この評価方法では、氷路面上を走行するタイヤの反力に基づいて、タイヤの氷上での走行特性が評価されている。この方法では、タイヤが氷路面の同一位置を走行することによる氷路面上の轍の形成及び氷路面の大量融解を防止するために、タイヤは、氷路面上の異なる位置に移動させられて反力が計測される。
タイヤの接地面には、走行中に、氷路面が融解した水分が付着する。タイヤの反力が複数回計測される場合、タイヤの接地面に付着する水分量は、計測初期と計測終期とで大きく異なる。タイヤの接地面に付着する水分量の変化により、タイヤの接地面と氷路面との間の接触状態も計測初期と計測終期とで大きく異なり、ひいては、タイヤ反力を複数回計測しても、安定した結果を得ることができないという問題があった。
特開2013−108882号公報 特開2007−78667号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、タイヤの接地面に付着した水分を補助路面上で除去する水切りステップを設けることを基本として、氷路面上のタイヤに作用する力をほぼ同じ条件で測定することで、タイヤに作用する力を安定させ、ひいてはタイヤの氷上性能を高精度で評価することができる評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤの氷上性能を評価するための方法であって、前記タイヤを氷路面である評価路面上で走行させ、走行中の前記タイヤに作用する力を計測する計測ステップ、及び、前記評価路面とは異なる位置に設けられ、かつ、前記評価路面を走行した後の前記タイヤの接地面に付着した水分を除去可能な補助路面上で前記タイヤを走行させる水切りステップを含み、前記計測ステップと前記水切りステップとを交互に繰り返すことを特徴とする。
本発明に係るタイヤの氷上性能評価方法は、前記計測ステップでは、前記タイヤが、回転可能な第1ドラム部の内周面に設けられた前記評価路面上を走行し、前記水切りステップでは、前記タイヤは、回転可能な第2ドラム部の内周面に設けられた前記補助路面上を走行するのが望ましい。
本発明に係るタイヤの氷上性能評価方法は、前記補助路面が、アスファルト路面を含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの氷上性能評価方法は、前記補助路面が、氷路面を含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの氷上性能評価方法は、前記水切りステップにおいて、前記ドラムを10km/h以上の周速度で走行させるのが望ましい。
本発明に係るタイヤの氷上性能評価方法は、前記水切りステップにおいて、前記タイヤを10秒以上走行させるのが望ましい。
本発明のタイヤの氷上性能評価方法は、氷路面である評価路面上でタイヤを走行させる計測ステップと、補助路面上でタイヤを走行させる水切りステップとが交互に繰り返される。評価路面は、走行中のタイヤに作用する力を計測する路面である。補助路面は、評価路面とは異なる位置に設けられ、かつ、その上をタイヤが走行することにより、評価路面を走行した後のタイヤの接地面に付着した水分を除去することができる。このような水切りステップを設けることにより、計測ステップを開始する際、タイヤの接地面は、水が付着していないか又はほぼ一定の付着量とされるため、ほぼ同じ条件でタイヤに作用する力を複数回計測することができる。従って、本発明のタイヤの氷上性能評価方法では、複数回の計測結果が安定したものとなり、ひいては、高精度で氷上性能を評価することができる。
本発明のタイヤの氷上性能の評価方法を実施するための氷上試験装置の側面図である。 図1の斜視図である。 測定装置の側面図である。 (a)は、計測ステップ、(b)及び(c)は、水切りステップを示す側面図である。 (a)は、実施例の性能評価方法によるタイヤの摩擦係数−スリップ速度を表すグラフ、(b)は、従来例の性能評価方法によるタイヤの摩擦係数−スリップ速度を表すグラフである。 他の実施形態の氷上試験装置の側面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1及び図2には、本発明のタイヤの氷上性能の評価方法に使用される氷上試験装置(以下、単に「装置」ということがある。)1が示される。本実施形態のタイヤの氷上性能評価方法(以下、単に「評価方法」)ということがある。)では、乗用車用、自動二輪車用及びSUV(Sports Utility Viechle)などと称される多目的自動車に使用される四輪駆動用等の種々のタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)Tが評価され得る。タイヤTの接地面Taには、路面と接地面Taとの間の水を除去するための溝や、氷路面においてエッジ効果を発揮させるためのサイピング等が設けられる。
装置1は、例えば、室内で使用することができる。このため、室内の温度又は装置1の温度を制御することにより、外気温度に左右されることなく、精度の良い氷上評価結果を得ることができる。
装置1は、タイヤTがドラム2の内周面2Gに沿って走行するインサイドドラム式であって、例えば、周方向に回転可能なドラム2、ドラム2を回転駆動させる第1駆動手段3、タイヤTを回転駆動させる第2駆動手段4、及び、第2駆動手段4を保持する保持手段5を含んで構成されている。
ドラム2は、例えば、円周方向に環状にのびる周方向部6a、その一方側の第1側面部6b、及び、その他方側の第2側面部6cを含むドラム本体6と、周方向部6aの内周面に環状に連続して形成された走行路面7とを含んで構成されている。
本実施形態のドラム2は、ドラム軸方向一方側(本図では左側)の第1ドラム部6Aと、第1ドラム部6Aよりもドラム軸方向他方側(本図では右側)の第2ドラム部6Bとに区分される。即ち、第1ドラム部6Aは、周方向部6aのドラム軸方向一方側部分と第2側面部6cとで形成されている。第2ドラム部6Bは、周方向部6aのドラム軸方向他方側部分と第1側面部6bとで形成されている。第1ドラム部6A及び第2ドラム部6Bは、ドラム周方向に連続している。
ドラム本体6の第2側面部6cは、タイヤTを出し入れするための開口Oが設けられている。
本実施形態の走行路面7は、断面視、ドラム回転軸2cと平行な面で形成されている。走行路面7は、第1ドラム部6Aの内周面に設けられた評価路面8と、第2ドラム部6Bの内周面に設けられた補助路面9とを含んでいる。
評価路面8は、氷で形成された氷路面である。氷の厚さは、例えば、20〜50mm程度が望ましい。本実施形態の評価路面8は、ドラム2の周方向部6a上に直接氷が設けられているが、氷の接着強度を大きくするため、例えば、周方向部6aに敷き詰めたアスファルト上に氷を設けた氷路面でも良い。
補助路面9は、タイヤTに付着した水分を除去可能な材料で形成されている。補助路面9は、本実施形態では、氷で形成された氷路面である。氷の厚さは、評価路面8と同様に、例えば、20〜50mm程度が望ましい。なお、補助路面9は、例えば、アスファルトで形成されたアスファルト路面、コンクリートで形成されたコンクリート路面、金属材料で形成された金属路面など種々の材料を用いることができる。アスファルト路面としては、例えば、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせた材料で形成されるのが望ましい。
ドラム2には、例えば、走行路面7に水を供給するための散水手段と、散水された水を氷結させる氷結手段とが設けられるのが望ましい(図示省略)。散水手段は、散水ノズルと、走行路面7の水深、即ち、氷の厚さを調節する水量調節器とを含んでいる。散水手段及び氷結手段は、周知構造のものが採用される。
第1駆動手段3は、例えば、ドラム側基台10の上に設けられており、ドラム2に固定された第1回転軸11、第1回転軸11を回転自在に支承する軸受12、及び、第1回転軸11を回転させる電動機13を含んでいる。また、第1駆動手段3は、この電動機13の回転速度、ひいてはドラム2の周速度を制御する、例えばインバータなどのドラム速度制御手段(図示省略)を含んでいる。
第2駆動手段4は、例えば、タイヤTが装着されているリム(図示省略)を片持ち状に支持する第2回転軸14と、第2回転軸14を回転自在に支承する第2軸受15と、第2回転軸14を回転させる電動機16とを含んでいる。本実施形態の第2駆動手段4は、電動機16の回転速度、ひいてはタイヤTの周速度を自在にコントロールしうる、例えばインバータなどのタイヤ速度制御手段(図示省略)を含んでいる。
保持手段5は、例えば、基台18と、基台18上でドラム回転軸2cに沿ってスライド移動可能に移動する移動台19と、移動台19に取付けられかつ端部に第2軸受15が固着される支持アーム20とを含んでいる。移動台19の移動に伴い、タイヤTは、ドラム回転軸2cに沿って移動される。
支持アーム20は、例えば、移動台19に設けられたシリンダ21によって、昇降自在に移動し得る。従って、支持アーム20の昇降移動に伴い、タイヤTは上下方向に移動される。
保持手段5は、例えば、シリンダ21の押圧力を制御することにより、ドラム2に対するタイヤTの荷重を制御する周知構造の荷重制御装置(図示省略)を含むのが望ましい。
図3は、タイヤTに作用する力を測定するための測定装置23の側面図である。図3に示されるように、本実施形態の測定装置23は、支持アーム20に取付けられた第2軸受15の外周面15aに設けられる。測定装置23は、例えば、円環状の固定具26によって保持され、かつ第2軸受15の外周面15aと接している。このような測定装置23は、第2回転軸14に作用する上下力、前後力を含む力を測定可能である。これら測定されたデータは、例えば、演算処理装置25に入力されて、摩擦係数μやスリップ率等が算出される。このような測定装置23として、例えば、ロードセル等が好適に採用される。
次に、装置1を用いたタイヤTの氷上性能の評価方法が説明される。図1及び図2に示されるように、本実施形態の評価方法は、準備ステップと、計測ステップと、水切りステップと、評価ステップとを含んでいる。計測ステップ及び水切りステップは、交互に複数回繰り返される。
準備ステップでは、評価路面8及び補助路面9を形成とするとともに評価用のタイヤTを準備する。本実施形態の準備ステップは、先ず、第2駆動手段4の第2回転軸14にリム組されたタイヤTが取り付けられる。このとき、タイヤTはドラム2の外側で保持されている。次に、例えば、散水装置によって、ドラム本体6の内周面に水を供給するとともに、第1駆動手段3の電動機13を駆動させて、ドラム2を回転駆動し、内周面上の水を遠心力を利用して予め定められた略均等の深さにする。次に、氷結手段にて水を凍結させる。その後、ドラム2を回転状態に保持して、例えば、切削バイトを用いて氷盤表面を薄く削り取ることにより、ドラム2と同心の平滑な評価路面8及び補助路面9を形成する。なお、補助路面9をアスファルト路面とする場合、予め第2ドラム部6Bの内周面に形成されているのが望ましい。
次に、計測ステップが行われる。計測ステップでは、タイヤTを評価路面8上で走行させ、タイヤTに作用する力を計測する。本実施形態の計測ステップは、例えば、第2駆動手段4の電動機16を駆動してタイヤTを回転駆動させるとともに、移動台19をドラム2側に移動させる。次に、シリンダ21により支持アーム20を降下させ、図4(a)に示されるように、タイヤTを氷路面である評価路面8に接地して走行させる。
タイヤTは、例えば、正規荷重負荷状態で走行させるのが望ましい。前記「正規荷重負荷状態」とは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填されたタイヤTに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させた状態である。「正規リム」とは、タイヤTが基いている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤT毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim"、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"である。「正規内圧」とは、前記各規格がタイヤT毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤTが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。「正規荷重」とは、前記各規格がタイヤT毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
次に、測定装置23によって、第2回転軸14に作用する上下力及び前後力が、予め定められたタイヤT又はドラム2の周速度において、測定される。タイヤT又はドラム2の周速度は、特に限定されるものではなく、例えば、20〜100km/hの範囲から設定される。このとき、タイヤTの周速度とドラム2の周速度とを異ならせて、タイヤTに作用する力が測定される。タイヤTの周速度がドラム2の周速度よりも大きい場合は、駆動状態を再現している。タイヤTの周速度がドラム2の周速度よりも小さい場合では、制動状態を再現している。
計測ステップでは、タイヤTに作用する力の測定時間や測定回数が、限定されているものではない。計測ステップは、例えば、タイヤT及びドラム2の周速度をともに30km/hで開始し、以降、タイヤT又はドラム2の周速度を1秒間に1km/hの減速度で直線的(時間に対して定比例)に変化させ、1回毎に10秒間測定する。このような計測ステップでは、周速度の低下に基づいて異なる前後力を発生させることができるため、高精度に制動時又は駆動時の氷上性能を評価することができる。
計測ステップの他の実施形態では、タイヤT及びドラム2の何れか一方のみを回転駆動させてタイヤTをドラム2に接地させた後、他方を回転駆動させ、その後、タイヤTに作用する力が計測されても良い。また、さらに他の実施形態の計測ステップでは、両電動機13、16を停止して、タイヤTをドラム2に接地させてから、タイヤT及びドラム2を共に回転駆動させ、その後、タイヤTに作用する力が計測されても良い。このように計測ステップでは、タイヤT又はドラム2を種々の態様で、駆動させてタイヤTに作用する力を計測することができる。
このような計測ステップが行われると、タイヤTと評価路面8との間に大きな摩擦力が作用するため、氷路面が融解し、タイヤTの接地面Taには、水分が付着する。
次に、水切りステップが行われる。水切りステップは、タイヤTを補助路面9上に走行させて、タイヤTの接地面Taに付着した水分を除去する。本実施形態では、水切りステップは、支持アーム20を上昇させて評価路面8とタイヤTとを離間させ、その後、移動台19をさらに第1側面部6b側に移動させる。このとき、ドラム2は、引き続き回転している。次に、支持アーム20(図1参照)を降下させ、図4(b)に示されるように、タイヤTをアスファルト路面である補助路面9上に接地させる。これにより、評価路面8を走行した後のタイヤTの接地面Taに付着した水分を補助路面9上に移動させることができ、タイヤTの接地面Ta上から水分を除去することができる。また、ドラム2が回転しているため、タイヤTの全周の水分を除去することができる。さらに、本実施形態の補助路面9は、表面に水膜のない氷路面であるため、多くの水分が補助路面9上に確保される。
本実施形態の水切りステップでは、第2駆動手段4の電動機16を停止させて、タイヤTをドラム2に対して従動させている。これにより、タイヤTに作用する制動力及び駆動力が小さくなる。このため、例えば、補助路面9上のサイピングは、開状態が確保されるので、サイピング内の水分も効果的に除去される。
水切りステップにおいて、上述の作用を効果的に発揮させるため、ドラム2の周速度は、好ましくは10km/h以上、より好ましくは20km/h以上である。ドラム2の周速度の上限については、特に限定されるものではないが、例えば、実車走行速度に近似する100km/h以下が望ましい。
同様の観点より、水切りステップでのタイヤTの走行時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは1分以上であり、また好ましくは10分以下である。
水切りステップの他の実施形態では、タイヤTは、ドラム2の回転と逆方向かつドラム2の周速度と同じ周速度で走行される。これにより、タイヤTに作用する駆動力及び制動力を小さくできるため、タイヤTを従動させた場合と同様の水切り効果が得られる。
次に、上述の計測ステップと水切りステップとが、予め定められた回数まで繰り返される。即ち、2回目以降の計測ステップは、水切りステップを経て行われる。このため、全ての計測ステップを開始する際、タイヤTの接地面Taは、水が付着していないか又はほぼ一定の付着量とされるので、ほぼ同じ条件でタイヤTに作用する力を複数回計測することができる。従って、本発明のタイヤの氷上性能評価方法では、複数回の計測結果が安定したものとなり、ひいては高精度で氷上性能を評価することができる。各測定ステップにおいて、タイヤの温度、水分量をほぼ同一の状態とするために、各水切りステップにおける最大走行時間h1と最小走行時間h2との比(h1/h2)は、1.2倍以下であるのが好ましい。
本実施形態の(n+1)回目の水切りステップでは、n回目の水切りステップと同じ位置にタイヤTが配される。本実施形態では、氷路面の温度が−5℃以下で維持されるので、計測ステップで付着したタイヤの水が、補助路面9上ですぐに氷結する。これにより、各測定ステップにおいて、タイヤの温度、水分量をほぼ同一の状態とすることができる。このような観点より、装置1が設けられる部屋は、室温が−5℃よりも低い温度に設定されるのが望ましい。なお、室温が−1℃以上の場合は、補助路面9をアスファルト路面やコンクリート路面等の氷路面以外の路面とするのが望ましい。
図4(c)は、(n+1)回目の水切りステップのタイヤTの配置の他の実施形態を示す図である。この実施形態では、(n+1)回目の水切りステップのタイヤTは、n回目の水切りステップでのタイヤTと異なる補助路面9の位置で走行されている。これにより、(n+1)回目の水切りステップのタイヤTは、n回目の水切りステップで水分が付着した路面位置を避けて走行するため、確実に、(n+1)回目の計測ステップで付着した水分を除去することができる。このような観点より、水切りステップでは、直前の水切りステップでタイヤTが走行した路面位置と接触することなくタイヤTを走行させても良い。このため、補助路面9の幅は、評価されるタイヤTの接地面Taの幅の2倍以上が望ましい。
次に、評価ステップが行われる。評価ステップでは、タイヤTに作用する力に基づいてタイヤTの氷上性能が評価される。本実施形態では、複数回の計測ステップにて測定された安定した前後力及び上下力から求められた摩擦係数μに基づいて、タイヤTの氷上性能が評価される。本実施形態では、前後力及び上下力が精度良く求められるため、摩擦係数μに基いて、高精度で氷上性能を評価することができる。
本実施形態のタイヤTの氷上性能評価方法について、1台のインサイドドラムを用いた態様が説明されたが、このような態様に限定されるものではない。例えば、評価路面8及び補助路面9をそれぞれ異なるドラム2の内周面に設けて、2台のインサイドドラムを用いた態様でも良い。
図6は、他の実施形態の装置1の側面図である。図6に示されるように、他の実施形態では、ドラム本体6は、ドラム半径方向の内方にのびる仕切部6dをさらに有している。仕切部6dは、周方向部6aのドラム軸方向の中央部分に設けられ、ドラム2の周上に亘って走行路面7よりも高い位置までのびている。これにより、評価路面8上の水分が第1ドラム部6A内に確保されて、補助路面9への浸入が抑制される。ドラム本体6は、第1側面部6bと仕切部6dと周方向部6aのタイヤ軸方向他方側部分とで形成される第2ドラム部6Bと、第2側面部6cと仕切部6dと周方向部6aのタイヤ軸方向一方側部分とで形成される第1ドラム部6Aとに区分される。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施することができる。
図1に示される氷上試験装置を用い、計測ステップにおいて、試供タイヤに作用する前後力と上下力とが下記仕様に基いて計測され、摩擦係数とスリップ速度との関係が図5(a)、(b)に示された。試供タイヤの構造、タイヤサイズ及びトレッドパターンは、同一である。
主な共通仕様は下記の通りである。
計測ステップ:4回
水切りステップでのタイヤの走行時間:300秒
氷路面の温度:−5℃
補助路面:アスファルト路面
ドラム周速度:(計測ステップ時:30km/h、水切りステップ時:60km/h)
タイヤ周速度:(計測ステップ時:30km/hから1秒間に1km/hの減速度で10秒間直線的に(時間に対して定比例)変化、水切りステップ時:第2駆動手段の電動機停止)
スリップ速度は、ドラム速度−タイヤ速度で求められる。
図5(a)は、水切りステップを含む方法で計測された摩擦係数とスリップ速度との関係を示すグラフである。図5(b)は、水切りステップを含まない方法で計測された摩擦係数とスリップ速度との関係を示すグラフである。両グラフとも、縦軸に摩擦係数、横軸にスリップ速度が示される。また、図中のアルファベットは、aから順に、計測ステップの順序を示している。これらの図に示されるように、水切りステップのない場合は、水切りステップのある場合に比して、計測ステップを繰り返す毎に、摩擦係数が低下するため、精度良く摩擦係数を測定できないことが理解できる。
水切りステップにおいて、ドラムの周速度を10km/h、タイヤの走行時間を10秒とした条件で摩擦係数とスリップ速度とを求めたが、この場合でも、各計測ステップでの摩擦係数の差が小さく、精度良く摩擦係数を測定できることが実証された。
8 評価路面
9 補助路面
T タイヤ
Ta 接地面

Claims (6)

  1. ドラムを用いてタイヤの氷上性能を評価するための方法であって、
    前記タイヤを前記ドラムの内周面に設けられた氷路面である評価路面上で走行させ、走行中の前記タイヤに作用する力を計測する計測ステップ、及び、
    前記評価路面とは異なる位置に設けられ、かつ、前記評価路面を走行した後の前記タイヤの接地面に付着した水分を除去可能な前記ドラムの内周面に設けられた補助路面上で前記タイヤを走行させる水切りステップを含み、
    前記計測ステップと前記水切りステップとを交互に繰り返すことを特徴とするタイヤの氷上性能評価方法。
  2. 前記ドラムは、ドラム軸方向一方側の第1ドラム部と、前記第1ドラム部よりもドラム軸方向他方側の第2ドラム部とに区分され、
    前記計測ステップでは、前記タイヤは、回転可能な前記第1ドラム部の内周面に設けられた前記評価路面上を走行し、
    前記水切りステップでは、前記タイヤは、回転可能な前記第2ドラム部の内周面に設けられた前記補助路面上を走行する請求項1記載のタイヤの氷上性能評価方法。
  3. 前記補助路面は、アスファルト路面を含む請求項1又は2に記載のタイヤの氷上性能評価方法。
  4. 前記補助路面は、氷路面を含む請求項1又は2に記載のタイヤの氷上性能評価方法。
  5. 前記水切りステップにおいて、前記ドラムを10km/h以上の周速度で走行させる請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの氷上性能評価方法。
  6. 前記水切りステップにおいて、前記タイヤを10秒以上走行させる請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤの氷上性能評価方法。
JP2015033966A 2015-02-24 2015-02-24 タイヤの氷上性能評価方法 Active JP6470590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015033966A JP6470590B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 タイヤの氷上性能評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015033966A JP6470590B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 タイヤの氷上性能評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016156681A JP2016156681A (ja) 2016-09-01
JP6470590B2 true JP6470590B2 (ja) 2019-02-13

Family

ID=56825637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015033966A Active JP6470590B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 タイヤの氷上性能評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6470590B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56105829U (ja) * 1979-12-13 1981-08-18
JP2007078667A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの氷上試験装置および氷上性能評価方法
JP5480872B2 (ja) * 2011-11-22 2014-04-23 住友ゴム工業株式会社 タイヤの氷上制動性能の評価方法
JP2013221885A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Bridgestone Corp タイヤの氷上試験方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016156681A (ja) 2016-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102036358B1 (ko) 타이어의 벤치 테스트 장치 및 이것을 이용한 타이어 성능 시험 방법
JP4914133B2 (ja) タイヤの雪上性能測定装置
JP5542104B2 (ja) タイヤの耐摩耗性能を評価する方法
JP5532957B2 (ja) 摩擦試験装置及び摩擦試験方法
WO2011118667A1 (ja) タイヤの接地特性の測定方法及び測定装置
JP5462723B2 (ja) タイヤの氷上制動性能の評価方法
JP5889605B2 (ja) ゴム摩耗試験方法
JP6470590B2 (ja) タイヤの氷上性能評価方法
JP6506647B2 (ja) タイヤの接地特性の測定方法
JP2016057233A (ja) タイヤのハイドロプレーニング性能評価方法
JP3997647B2 (ja) 摩耗試験装置
JP5677111B2 (ja) タイヤの氷上発進・加速性能評価方法
JP2004053482A (ja) タイヤの摩耗試験方法
JP6922270B2 (ja) タイヤの性能評価方法
JP5848550B2 (ja) タイヤのマッド性能評価方法
JP2019113406A (ja) ゴム部材の耐偏摩耗性能の評価方法及びこれを用いたタイヤ製造方法
JP2018031738A (ja) スパイクタイヤ評価方法
JP6042844B2 (ja) タイヤの接地特性の測定方法及び測定装置
JP7397280B2 (ja) タイヤ用ゴムの摩耗特性試験方法および摩耗特性試験機
JP6270503B2 (ja) タイヤ試験用ドラムの雪路の形成方法
JP3798517B2 (ja) タイヤ試験機
JP6491572B2 (ja) タイヤの氷上性能の評価方法
JP7167543B2 (ja) タイヤの氷上制動性能評価方法
JP2007279062A (ja) 摩耗試験装置
JP2016218017A (ja) ゴム材料の耐摩耗性能評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6470590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250