JP5480872B2 - タイヤの氷上制動性能の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明はタイヤの氷上制動性能の評価方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、氷上における車両の制動に伴うタイヤの状況を模擬してタイヤの氷上制動性能を評価する方法に関する。
従来、実車による氷上走行時のタイヤの制動性能を評価するための試験が行われている。この氷上制動性能の評価試験は、試験装置を用いた台上試験として実施されることが多い。この試験には、例えば、内周面に氷盤が形成された駆動ドラムを備えた試験装置が用いられる。供試タイヤは、試験装置の支持装置に回転可能に支持される。駆動ドラム及び供試タイヤは、それぞれが別々に回転駆動可能にされている。試験においては、供試タイヤが、所定速度で回転させられている駆動ドラムの上記氷盤の面に所定の試験荷重によって押圧される。これにより、供試タイヤの氷盤への接地部に対して制動が作用する。
供試タイヤは、氷盤の面に例えば5秒間押圧される。この5秒間の間に、氷盤から供試タイヤに作用する前後力(タイヤに対する前後方向の水平反力)及び荷重(垂直方向の反力)が測定される。次いで、供試タイヤは、氷盤の面から離間させられて例えば30秒間保持される。この供試タイヤの氷盤の面への押圧及び離間保持が、例えば40サイクル連続して繰り返される。同時に上記反力の測定も繰り返される。31サイクル目から40サイクル目までの測定データが評価に用いられる。上記前後力を荷重で除したものが摩擦係数である。
このような試験においては、供試タイヤが氷盤の面に対して多数回押圧されるため、氷盤が融解して水分量が増加する。その結果、供試タイヤの外周面の温度が上昇する。また、氷盤の面に、供試タイヤの轍が形成される。一方、実際の氷結路面では、車両の走行によって水の量が増加したり轍が形成されることは希である。上記試験方法によれば、試験装置における氷盤上の多量の水や轍により、実際の氷結路面における制動性能とは大幅に異なる結果が得られる可能性がある。故に、上記試験方法は実車走行における評価を再現したものとはならない。
かかる問題を解消することを目的として、例えば、特開2007−078667公報には、他の試験方法が提案されている。この試験方法は、供試タイヤが押圧される氷盤の面に対して、冷却気体を噴射するものである。この公報に開示された試験装置では、駆動ドラムに近接して冷却気体噴射装置が設置されている。この冷却気体噴射装置は、氷盤上の供試タイヤが接地した付近に冷却気体を噴射する。この冷却気体噴射により、発生した水が吹き飛ばされ、氷盤の面が冷却される。供試タイヤの接地面から水を除去することにより、バラツキの少ないデータが得られる。
しかし、氷盤の面は、水の除去とともに冷却されるため、常時乾燥した状態となる。その結果、この試験方法による結果は、実車走行による測定値よりも大きい値となる。また、氷盤面における轍の形成を回避することも難しい。その結果、供試タイヤの外周面と氷盤面との設置状態が変化する。
特開2007−078667公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、氷上の水分量、タイヤの温度等について、実車の氷上制動時の状態の再現性が向上したタイヤの氷上制動性能の評価方法を提供することを目的としている。
本発明に係るタイヤの氷上制動性能の評価方法は、
駆動ドラムの氷結された内周面に供試タイヤの外周面を押圧した状態で、駆動ドラムと供試タイヤとを相対的に回転させる回転駆動ステップと、
この回転駆動ステップ中に、上記内周面から供試タイヤに加わる反力を測定する測定ステップと、
上記駆動ドラムの内周面から供試タイヤを離間させる離間ステップと、
駆動ドラムの内周面から離間している供試タイヤを、駆動ドラムの軸方向に横移動させる横移動ステップと、
測定された反力から摩擦係数を算出する演算ステップとを含んでおり、
上記回転駆動ステップと、測定ステップと、離間ステップと、横移動ステップとが、順次複数サイクル繰り返され、少なくとも一部のサイクルにおいて測定された反力に基づき、供試タイヤと内周面との間の摩擦係数を得る。
かかる評価方法によれば、供試タイヤが氷結面から離間したときに軸方向(幅方向)に移動する。従って、次に供試タイヤが接地する氷結面の部位は、離間直前に接地していた氷結面の部位とは一致しない。その結果、氷結面上において、水の大量発生や轍の形成が防止され、タイヤの温度上昇が抑制される。なお、駆動ドラムと供試タイヤとの相対的な回転とは、一方が回転し、他方が停止している場合をも含んでいる。
好ましくは、上記回転駆動ステップにおいて、一定の回転速度で回転している駆動ドラムの内周面に、回転不能にされた供試タイヤを押圧する。
好ましくは、上記横移動ステップにおいて、供試タイヤが5mm以上20mm以下の範囲内の距離を横移動させられる。
好ましくは、上記回転駆動ステップにおいて、駆動ドラムから供試タイヤに作用する垂直反力が、試験荷重として規定された値に達してから、2秒以上10秒以下の間、当該試験荷重の押圧を維持する。
好ましくは、上記演算ステップにおいて、回転駆動ステップと離間ステップと横移動ステップとのサイクルの、開始から40サイクルまでに測定された供試タイヤの摩擦係数から摩擦係数指数を求め、この摩擦係数指数を、同一仕様の供試タイヤの実車氷上走行試験で得られた減速度指数と対比して評価する。
本発明に係るタイヤの氷上制動性能の評価方法によれば、実車の氷上制動時の状態の再現性が向上し、より効果的な氷上制動性能の評価が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの氷上制動性能の評価方法の実行に用いられる試験装置の一例を概略的に示す一部断面正面図である。 図2は、図1の試験装置に装着された供試タイヤの横移動を説明する一部断面正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本実施形態に係る評価方法の実行に用いられる試験装置1が示されている。試験装置1は氷点下の低温環境下におかれる。この試験装置1は、供試タイヤ50(以下、単にタイヤともいう)が装着される試験用の図示しないリム、このリムを先端に保持したタイヤ支持装置3、及び、供試タイヤ50を回転駆動しうる駆動ドラム4を備えている。駆動ドラム4は、ドラム支持装置5に回転可能に支持されている。ドラム支持装置5は、駆動ドラム4を回転させるための、電動モータ等を含む駆動装置6を備えている。駆動装置6は回転速度の制御が可能である。
駆動ドラム4は有底円筒状を呈している。駆動ドラム4の底板7に、ドラム支持装置5の回転軸8が連結されている。回転軸8は、軸受9に支持され、駆動装置6の出力軸に連結されている。リムに装着された供試タイヤ50は、駆動ドラム4の開口10側から、駆動ドラム4の内部に挿入されている。駆動ドラム4の内周面には、一定厚さの氷層(以下、氷盤という)51が形成されている。氷盤51の表面(内周面)は、駆動ドラム4の内周面と同軸状にされている。駆動ドラム4の開口10側の周縁に沿って、円輪状の鍔部15が形成されている。氷盤51は、氷点下雰囲気下で形成される。氷盤51の表面は切削バイトで平滑に削られる。その後、駆動ドラムが回転させられ、プレーンタイヤなどが氷盤51の表面に押圧され、制動力及び駆動力が加えられる。これにより、氷盤51の表面が磨かれる。
リムは、タイヤ支持装置3の回転軸11に支持される。タイヤ支持装置3は、この回転軸11を回転駆動するための、電動モータ等を含む駆動装置12を備えている。駆動装置12は回転速度の制御が可能である。この駆動装置12により、供試タイヤ50は、駆動ドラム4に依らなくても回転しうる。タイヤ支持装置3は、回転軸11を自由回転状態にしたり、回転軸11の回転を減速したり、停止する制動機能をも有している。タイヤ支持装置3及びドラム支持装置5はともに試験架台1aに設置されている。
タイヤ支持装置3は昇降装置13を備えている。この昇降装置13により、供試タイヤ50を装着したリムが上下動させられる。この昇降装置13により、供試タイヤ50は駆動ドラム4の氷盤51の表面に離間接近させられる。昇降装置13は、供試タイヤ50を、氷盤51の表面に任意荷重で押圧させうる。供試タイヤ50が回転自在の状態で氷盤51の表面に押圧され、駆動ドラム4が回転すれば、供試タイヤ50は回転する。
回転軸11が支持される部分にはロードセル14が取り付けられている。ロードセル14は、駆動ドラム4から供試タイヤ50に対し、垂直(駆動ドラムの半径方向)に加わる反力(荷重ともいう)Fz、及び、駆動ドラム4及び供試タイヤ50の接線方向の反力(前後力ともいう)Fxを測定しうる方向に取り付けられている。このロードセル14として、6分力ロードセルが用いられてもよい。
タイヤ支持装置3は、図示しない駆動装置により、試験架台1a上を、駆動ドラム4の回転軸方向(幅方向)に水平移動可能にされている。この水平移動の機構により、供試タイヤ50は、駆動ドラム4の内側において、駆動ドラム4の軸方向に水平移動(横移動)させられる(図2)。
上記試験装置1を用いた台上試験について、以下に説明がなされる。供試タイヤ50として、トレッドパターンの異なる複数種類のタイヤが用意される。供試タイヤ50は、試験用のリムに装着された上で、試験装置1の支持装置3に取り付けられる。タイヤ50は、所定の内圧(試験内圧)となるように、内部に空気が充填される。このタイヤ50は、タイヤ支持装置3により、回転不能に拘束されている。駆動ドラム4は、所定の試験回転速度で回転している。この状態で、供試タイヤ50は、駆動ドラム4の氷盤51に押圧される。押圧荷重は、後述する接地荷重相当の試験荷重Fzである。押圧時間は、後述する所定の試験荷重負荷時間である。供試タイヤ50が氷盤51に押圧されている間(試験荷重負荷時間)に、上記荷重Fz及び前後力Fxが連続して測定される。この荷重及び前後力Fxから、供試タイヤ50と氷盤51との間の摩擦係数が算出される。
前述のように、本実施形態では、回転不能に拘束されたタイヤ50が、回転している駆動ドラム4に押圧される。しかし、本発明ではかかる手順には限定されない。例えば、駆動ドラムが回転不能に拘束され、押圧されるタイヤ50が回転していてもよい。この場合でも、タイヤの制動に伴う反力が負荷されるからである。
図2には、供試タイヤ50の横移動が示されている。上記試験荷重負荷時間が経過したら、供試タイヤ50は、昇降装置13によって上昇させされ、氷盤51の表面から離間させられる(図2(a))。次の押圧まで、供試タイヤ50は、後述する所定の離間時間の間、氷盤51の表面から離間した状態にある。この離間時間帯に、供試タイヤ50は、駆動ドラム4の内側において、駆動ドラム4の軸方向に、後述する所定距離水平移動させられる(図2(b))。なお、図2では、理解容易のために、横移動距離が大きく画かれているが、実際はもっと短距離の移動となる。供試タイヤ50は、水平移動後、前述の要領で再度氷盤51に押圧される(図2(c))。そして、上記押圧、測定、離間及び水平移動のサイクルが繰り返される。次のサイクルにおいては、供試タイヤ50の氷盤51表面への接地部位は、直前のサイクルにおける接地部位とは一致しない。従って、轍の形成や氷の大量融解が防止される。上記の手順によれば、試験のサイクルごとに氷盤51の表面を調整する必要がない。供試タイヤ50を氷盤51から離間させずに横移動させると、横力(タイヤの軸方向の反力)が発生し、前後力を正確に測定することが難しくなる。
各サイクルにおいて測定された摩擦係数が実車の氷上走行における制動性能と対比されることにより、供試タイヤの制動性能が評価される。上記摩擦係数は、下式のとおり、前後力Fxを荷重Fzで除することにより得られる。
摩擦係数μ = Fx / Fz
上記前後力Fx及び荷重Fzは、上記試験荷重負荷時間に連続して測定され、上記摩擦係数は、上記試験荷重負荷時間に連続して算出される。1サイクル間の摩擦係数μは平均化される。そして、各サイクルにおける第一平均摩擦係数が算出される。試験が所定の複数サイクル繰り返された場合、連続する複数サイクルの第一平均摩擦係数μが、当該サイクル数で除することにより平均化される。その結果、第二平均摩擦係数μが得られる。
複数種類の供試タイヤ50の各第二平均摩擦係数は、以下の要領で指数化される。複数種類のうちの一のタイヤを基準タイヤとする。この基準タイヤの第二平均摩擦係数μを基準値とする。この基準値を指数100で表す。他のタイヤの第二平均摩擦係数μの上記基準値に対する比を、100倍したものを指数とする。この指数が、実車氷上走行における制動性能との対比において評価される。すなわち、この台上試験の、実車氷上走行時の制動の再現性が評価される。後述するように、評価基準となる実車氷上走行による制動性能は、供試タイヤ50ごとに指数化される。
上記台上試験における評価基準を得るために、実車による氷上走行試験が行われる。この氷上走行試験は、実車ロック制動試験と呼ばれるものである。この実車制動試験の一例を以下に説明する。供試タイヤ50として、トレッドパターンの異なる複数種類(上記台上試験用の供試タイヤと同一種類)のタイヤが用意される。この試験は、テストコースの平滑な氷結路面上で実施される。この試験は、大気温度−5℃以上−3℃以下、氷結路面温度−5℃以上−3℃以下の環境下で実施される。供試タイヤ50が装着された試験車両が、29km/h以上31km/h以下の範囲の速度で上記氷結路面に進入する。試験車両が、この速度で走行している最中に制動を開始してから、完全に停止する(0km/h)までの時間が測定される。
上記制動は、試験車両がABS(Anti-lock Brake System)を備えた車両の場合は、このABSを無効とした上で走行する。ドライバーは、ブレーキペダルを強く踏み込み、試験車両が完全停止するまで、ブレーキペダルの踏力を調整せずに踏み続ける。氷結路面上におけるこの試験モードでは、タイヤは、制動開始直後から完全に回転が止まる、いわゆるロック状態となる。このロック状態は、試験車両が完全停止するまで維持される。
前述した29km/h以上31km/h以下の範囲内の進入速度である初速度と、上記測定された時間とから、減速度(km/h)が求められる。この減速度が、前述した供試タイヤの第二平均摩擦係数を評価する基準となる。上記複数種類の供試タイヤ50のうち、上記台上試験において基準タイヤとされたものと同一トレッドパターンのタイヤが基準タイヤとして選定される。この基準タイヤの減速度を基準値(基準減速度)とする。この基準減速度を指数100で表す。他のタイヤの減速度の上記基準減速度に対する比を、100倍したものを各供試タイヤ50の減速度指数とする。これらが台上試験の評価基準値である。対応する種類のタイヤの、台上試験結果の摩擦係数指数と、実車走行試験結果の減速度指数とが対比評価される。具体的には、各タイヤについて、台上試験結果の摩擦係数指数と実車走行試験結果の減速度指数との相関係数が算出される。この相関係数は、二つの変量x、yのn組のデータからxとyとの相関係数を求める公知の下記算式を用いて算出される。
Figure 0005480872
以下に、台上の走行試験の条件が説明される。供試タイヤ50の試験内圧は、規格(JATMA、ETRTO等)に規定された範囲内の圧力とされる。駆動ドラム4の回転速度は29km/h以上31km/h以下である。供試タイヤ50の回転速度は0km/hである。供試タイヤ50の、氷盤51への押圧荷重Fzは、規格(JATMA、ETRTO等)に規定された範囲内の荷重とされる。供試タイヤ50の氷盤51への押圧時間(試験荷重負荷時間)は、ロードセル14による荷重の測定値が、所定の試験荷重Fzに達してから2秒以上10秒以下である。2秒未満では、荷重の変動が大きく、摩擦係数にバラツキが生じ、10秒を超えると、氷の融解が多くなって氷盤51を損傷するおそれがあるからである。この時間、上記試験荷重Fzが維持される。
次に、供試タイヤ50が氷盤51から離間させられる離間時間は30秒以上60秒以下である。30秒未満では、発生した水が再度氷結せず、60秒を超えると、供試タイヤ50に付着した水が凍結して実際の走行状態とは異なってしまうおそれがあるからである。この離間時間の間に供試タイヤ50が横移動させられる距離は、一方に向いて5mm以上20mm以下の範囲である。5mm未満では、氷盤50に轍を生じるおそれがあり、20mmを超えると、直前の路面と異なる摩擦係数の路面を使用することとなるおそれがあるからである。試験室の室温は、−10℃以上0℃未満である。氷盤51の温度は−10℃以上0℃未満である。試験は、供試タイヤ50の氷盤51への押圧から、供試タイヤ50の横移動完了までのサイクルを、5サイクル以上50サイクル以下、実施する。
以上の台上試験により、実車の氷上制動時の状態を再現しながら、タイヤの氷上制動性能を評価することができる。これは、以下の実施例により明らかである。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
実施例1として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表1に示される。供試タイヤとして、タイヤサイズが195/65R15で、トレッドパターンの異なる11種類(パターン1からパターン11)のタイヤが用意された。いずれの供試タイヤも、ホイールが15×6.5Jである。試験内圧は200kPaである。試験荷重は4.24kNである。試験室の室温は−5℃である。駆動ドラム4の回転速度は30km/hであり、供試タイヤの回転速度は0km/h(回転不能に拘束された状態)である。上記荷重負荷時間は5秒であり、離間時間は30秒である。サイクルごとの横移動距離は10mmである。試験(測定)は、各タイヤについて40サイクル繰り返された。このうちの採用されたデータ(第一平均摩擦係数)は、第1回目から第5回目のものである。基準タイヤとして、パターン1のタイヤが選定された。測定結果から、基準タイヤの第二平均摩擦係数を100とした指数で、各タイヤの制動性能を表示した。
[実施例2]
実施例2として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表1に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。40サイクルのうちの採用されたデータが第1回目から第40回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実施例3]
実施例3として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表1に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。40サイクルのうちの採用されたデータが第31回目から第40回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実施例4]
実施例4として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表1に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。40サイクルのうちの採用されたデータが第6回目から第10回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実施例5]
実施例5として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表2に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。横移動距離が5mmであること、及び、40サイクルのうちの採用されたデータが第1回目から第5回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実施例6]
実施例6として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表2に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。横移動距離が20mmであること、及び、40サイクルのうちの採用されたデータが第1回目から第5回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[比較例1]
比較例1として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表2に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。横移動は行われなかった。すなわち、横移動距離は0mmである。また、40サイクルのうちの採用されたデータが第31回目から第40回目のものである。横移動及び採用データ以外は、実施例1と同一の条件で試験が実行された。
[比較例2]
比較例2として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表2に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。横移動距離が3mmであること、及び、40サイクルのうちの採用されたデータが第1回目から第5回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[比較例3]
比較例3として、以上説明された試験装置1を用いた試験方法によるタイヤの氷上制動性能評価試験の条件及び結果が表2に示される。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。横移動距離が22mmであること、及び、40サイクルのうちの採用されたデータが第1回目から第5回目のものであること以外、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実車走行試験]
評価基準を得るための実車走行試験として、大気温度−5℃以上−3℃以下、氷結路面温度−5℃以上−3℃以下の環境下で実車ロック制動試験が行われた。供試タイヤとしては、実施例1におけると同じ11種類のタイヤが用いられた。基準タイヤとして、実施例1と同じパターン1のタイヤが選定された。この試験に用いられた試験用車両は、FR駆動、2000ccの国産車である。試験車両が上記氷結路面上で、29km/h以上31km/h以下の範囲の速度から制動を開始し、完全に停止する(0km/h)までの時間が測定された。この試験は、各タイヤについて同一条件で5回繰り返された。この測定結果から各タイヤの平均減速度が求められた。第1回目から第5回目の全てのデータが採用され、減速度指数が求められた。
[評価]
表1には、実施例1から4、及び、実車ロック制動試験の試験結果が示されている。表2には、実施例5及び6、並びに、比較例1から3の試験結果が示されている。いずれも、パターン1のタイヤが基準タイヤとして選定されている。いずれの例においても、指数が大きいほど、制動性能は良好である。評価基準となる実車ロック制動試験でも、指数が大きいほど、制動性能は良好である。実施例1から6、及び、比較例1から3の各指数について、実車ロック制動試験の同一タイヤの減速度指数との相関係数が求められた。この相関係数が大きいほど、実車の氷上走行における制動の再現性が高く、好ましい。実施例1から6は、全てこの相関係数が0.90以上であり、実車の氷上走行における制動の再現性が高く、好ましい。比較例1から3は、全て相関係数が約0.85以下であり、実車の氷上走行における制動の再現性が低い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
Figure 0005480872
Figure 0005480872
本発明に係るタイヤの氷上制動性能の評価方法は、あらゆるタイヤの氷上での制動性能の評価に適用されうる。
1・・・試験装置
3・・・タイヤ支持装置
4・・・駆動ドラム
5・・・ドラム支持装置
6・・・(ドラム用の)駆動装置
7・・・(ドラムの)底板
8・・・(ドラム用の)回転軸
9・・・(ドラム用の)軸受
10・・・(ドラムの)開口
11・・・(リム用の)回転軸
12・・・(リム用の)駆動装置
13・・・昇降装置
14・・・ロードセル
15・・・鍔部
50・・・供試タイヤ
51・・・氷盤

Claims (5)

  1. 駆動ドラムの氷結された内周面に供試タイヤの外周面を押圧した状態で、駆動ドラムと供試タイヤとを相対的に回転させる回転駆動ステップと、
    この回転駆動ステップ中に、上記内周面から供試タイヤに加わる反力を測定する測定ステップと、
    上記駆動ドラムの内周面から供試タイヤを離間させる離間ステップと、
    駆動ドラムの内周面から離間している供試タイヤを、駆動ドラムの軸方向に横移動させる横移動ステップと、
    測定された反力から摩擦係数を算出する演算ステップとを含んでおり、
    上記回転駆動ステップと、測定ステップと、離間ステップと、横移動ステップとが、順次複数サイクル繰り返され、少なくとも一部のサイクルにおいて測定された反力に基づき、供試タイヤと内周面との間の摩擦係数を得るタイヤの氷上制動性能評価方法。
  2. 上記回転駆動ステップにおいて、一定の回転速度で回転している駆動ドラムの内周面に、回転不能にされた供試タイヤを押圧する請求項1に記載のタイヤの氷上制動性能評価方法。
  3. 上記横移動ステップにおいて、供試タイヤが5mm以上20mm以下の範囲内の距離を横移動させられる請求項1又は2に記載のタイヤの氷上制動性能評価方法。
  4. 上記回転駆動ステップにおいて、駆動ドラムから供試タイヤに作用する垂直反力が、試験荷重として規定された値に達してから、2秒以上10秒以下の間、当該試験荷重の押圧を維持する請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの氷上制動性能評価方法。
  5. 上記演算ステップにおいて、回転駆動ステップと離間ステップと横移動ステップとのサイクルの、開始から40サイクルまでに測定された供試タイヤの摩擦係数から摩擦係数指数を求め、この摩擦係数指数を、同一仕様の供試タイヤの実車氷上走行試験で得られた減速度指数と対比して評価する、請求項1から4のいずれかに記載のタイヤの氷上制動性能評価方法。
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