JP4844207B2 - タイヤのコーナリング動特性評価方法および装置 - Google Patents

タイヤのコーナリング動特性評価方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤのコーナリング動特性評価方法および装置に関し、特に、タイヤにスリップ角入力を与えた際の、タイヤに発生するコーナリングフォースの過渡的な応答特性を定量的に評価する方法および装置に関する。
今日、自動車の運動性能の高性能化に対応して、装着タイヤに求められる操縦性能も高性能化が要求されている。このような、タイヤが車両に装着された際のタイヤの操縦性能には、自動車の早い操舵時の応答特性に関係する特性である、タイヤのコーナリング動特性が大きく寄与している。タイヤのコーナリング動特性は、タイヤを早く操舵した場合の、荷重・スリップ角・キャンバ角・スリップ率などのタイヤへの入力に対する、タイヤ横力やコーナリングフォース、セルフアライニングトルクなどの周波数応答特性で表される特性である。昨今、高性能なタイヤの開発の要求にともない、タイヤ固有のコーナリング動特性を、定量的に精度良く評価することができる方法や装置が求められている。
高性能なタイヤには、例えば、車両が低速で走行中にタイヤを早く操舵した場合や、車両が高速で走行中にタイヤを早く操舵した場合、また、車両が低速で走行中にタイヤを緩やかに操舵した場合や、車両が高速で走行中にタイヤを緩やかに操舵した場合など、あらゆる車両走行中のあらゆる操舵状態全体で、所望の操縦安定性が得られることが要求される。高性能なタイヤを開発するに際しては、このような、あらゆる車両走行条件中のあらゆる操舵状態全体における、タイヤ固有のコーナリング動特性を定量的に精度良く評価することが求められる。
従来、このようなコーナリング動特性の評価は、例えば、ドラム式やフラットベルト式のタイヤ接地面を有する、公知の室内コーナリング試験機を用いて行なわれていた。このようなコーナリング試験機を用いて行うコーナリング動特性の評価としては、例えば、一定の転動速度で、接地面上でタイヤを転動させて、異なる複数のスリップ角入力をタイヤに与えて、この転動速度でのコーナリングフォースの周波数応答特性を求め、この転動速度でのコーナリングフォースの周波数応答特性から、タイヤ固有のコーナリング動特性を評価していた。
また、例えば、実際の路面(実路)上に自動車を走行させて操舵入力を与えて、操舵入力に伴うタイヤのスリップ角の時系列データと、タイヤのコーナリングフォース(横力)の時系列データとを取得し、スリップ角入力に対するコーナリングフォースの周波数応答特性を求め、このコーナリングフォースの周波数応答特性を用いてタイヤのコーナリングパワーを算出する方法が、下記特許文献1に記載されている。
特開2004−276632号公報
上述の室内コーナリング試験機を用いて一定速度でタイヤを転動させて、この転動速度でのコーナリングフォースの周波数応答特性から、タイヤ固有のコーナリング動特性を評価する方法では、試験機固有の機械的条件に応じて、タイヤに入力可能な操舵(すなわちスリップ角)の周波数範囲が定まっているため、この一定速度と限られた周波数範囲で再現される走行状態の範囲についてのみしか、コーナリングフォースの周波数応答特性が得られなかった。また、実際の路面(実路)上に自動車を走行させて操舵入力を与えて、スリップ角入力に対するコーナリングフォースの周波数応答特性を求める方法では、自動車を運転する運転者自身が操舵入力を与えるため、所望の周波数で正確にスリップ角を入力することは困難であり、入力できるスリップ角の周波数範囲にも限界があった。また、正確な走行速度を常に保つこと自体も難しかった。この場合も、あらゆる車両走行条件中のあらゆる操舵状態全体を正確に再現して、各場合のコーナリング動特性を定量的に評価することは難しかった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、あらゆる車両走行条件中のあらゆる操舵状態全体についての、タイヤ固有のコーナリング動特性を定量的に精度良く評価することが可能な、タイヤのコーナリング動特性評価方法および装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、タイヤのコーナリング動特性評価方法であって、接地面にタイヤを接地させて前記タイヤを所定の転動速度で転動させた状態で、前記タイヤに周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得る測定ステップと、前記測定ステップで入力した前記スリップ角の時系列データと、前記測定ステップで得た前記出力信号の時系列データとを用いて、前記スリップ角の周波数と前記タイヤの転動速度とで表される距離周波数に対する、前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求めて、求めた前記動特性周波数情報を出力する分析ステップと、を有し、前記測定ステップでは、前記タイヤの前記所定の転動速度V(m/s)と、前記スリップ角入力の複数の前記周波数f(rad/s)と、で表される複数の入力距離周波数PF(rad/m)について、少なくとも前記入力距離周波数の最低値PFが下記式(1)を満たし、かつ、少なくとも前記入力距離周波数の最大値PFが下記式(2)を満たすよう、前記所定の転動速度および前記スリップ角の複数の前記周波数とが設定された状態で、前記複数のコーナリング動特性出力信号を得ることを特徴とするタイヤのコーナリング動特性評価方法を提供する。
PF≦0.03(rad/m) (1)
10.0(rad/m)≦PF (2)
本発明は、前記測定ステップに先がけて、前記タイヤに与える前記複数のスリップ角入力の周波数が、全て一定の周波数範囲内に設定された状態で、前記入力距離周波数の範囲が上記式(1)および上記式(2)を満たすよう、前記タイヤの前記転動速度を複数設定する設定ステップを有し、
前記測定ステップでは、前記設定するステップで設定した複数の前記転動速度それぞれで前記タイヤを転動させて、各転動速度それぞれ毎に、前記複数の周波数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得、前記分析ステップでは、前記測定ステップで得られた、各転動速度それぞれにおける前記スリップ角の時系列データと前記出力信号の時系列データとを用いて、各転動速度それぞれにおける前記距離周波数に対応する前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求め、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することで、上記式(1)および上記式(2)を満たす前記入力距離周波数範囲にわたって表された動特性周波数情報を求めることが好ましい。
また、前記設定ステップで前記タイヤの前記転動速度を複数設定する際、各転動速度における前記距離周波数の範囲それぞれの少なくとも一部が、少なくとも異なる1つの転動速度における前記距離周波数の範囲と重複するよう、前記転動速度を複数設定することが好ましい。
なお、前記分析ステップにおいて各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合する際、各転動速度それぞれの前記コーナリング動特性の前記動特性周波数情報のゲイン値が、前記距離周波数の重複範囲において略一致するように、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することが好ましい。
また、前記分析ステップにおいて各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合する際、距離周波数が0(rad/m)である場合における前記コーナリング動特性情報に基づいて、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することが好ましい。
さらに、前記分析ステップで求めた前記動特性周波数情報に基づいて、前記距離周波数に対する前記コーナリング動特性の応答を1次遅れ系として表した伝達関数のパラメータを同定する、パラメータ同定ステップを有することが好ましい。
前記コーナリング動特性出力信号は、前記スリップ角入力に対応した前記タイヤのコーナリングフォースを表す信号であり、前記パラメータ同定ステップでは、前記距離周波数に対する前記コーナリングフォースの応答を1次遅れ系として表した下記式(3)に示す伝達関数G(s)を用い、前記分析ステップで求めた前記動特性周波数情報に基づいて、前記伝達関数のパラメータを同定することが好ましい。
Figure 0004844207

s:ラプラス演算子
CF:コーナリングフォース(N)
β:スリップ角(rad)
V:タイヤの転動速度(m/s)
K:タイヤの等価横剛性(N/m)
CP:コーナリングフォースの応答(N/rad)
さらに、前記コーナリング動特性の評価値として、前記コーナリング動特性の過渡応答特性を表す前記伝達関数の時定数を求めることが好ましい。
本発明は、また、タイヤのコーナリング動特性評価装置であって、接地面にタイヤを接地させて前記タイヤを所定の転動速度で転動させた状態で、前記タイヤに周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得る測定手段と、前記測定手段で入力した前記スリップ角の時系列データと、前記測定手段で得た前記出力信号の時系列データとを用いて、前記スリップ角の周波数と前記タイヤの転動速度とで表される距離周波数に対する、前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求めて出力する分析手段と、を有し、前記測定手段は、前記タイヤの前記所定の転動速度V(m/s)と、前記スリップ角入力の複数の前記周波数f(rad/s)と、で表される複数の入力距離周波数PF(rad/m)について、少なくとも前記入力距離周波数の最低値PFが上記式(1)を満たし、かつ、少なくとも前記入力距離周波数の最大値PFが上記式(2)を満たすよう、前記所定の転動速度および前記スリップ角の複数の前記周波数とが設定された状態で、前記複数のコーナリング動特性出力信号を得ることを特徴とするタイヤのコーナリング動特性評価装置も、併せて提供する。
本発明のタイヤのコーナリング動特性評価方法および装置によれば、タイヤに入力するスリップ角の周波数とタイヤの転動速度とで表される、比較的広い範囲の距離周波数において、タイヤ固有のコーナリング動特性を定量的に精度良く評価することができる。これにより、様々な車両走行条件中の様々な操舵状態全体についての、タイヤ固有のコーナリング動特性を定量的に精度良く評価することができる。
以下、タイヤのコーナリング動特性評価方法および装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤのコーナリング動特性評価の一例である、コーナリングフォース特性評価装置10(装置10)について説明する概略構成図である。図1は、装置10を用い。測定対象タイヤであるタイヤ12について、コーナリングフォースの過渡応答特性を定量的に評価する場合について示している。装置10は、コーナリング試験機14と測定・評価ユニット16とを有して構成されている。なお、測定・評価ユニット16には、ディスプレイ18が接続されている。
コーナリング試験機14は、タイヤ軸22に回転可能に軸支したタイヤ12を、ベルト20の表面である代用路面24に接地させ、ベルト20を回転駆動させることで、タイヤ12にベルト20の代用路面24上を走行(転動)させる、公知のフラットベルト型室内試験機である。本実施形態のコーナリング試験機14では、代用路面24上を走行中のタイヤ12に対して、周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリングフォースを計測する。本実施形態では、特に、比較的小さいスリップ角範囲でスリップ角を入力し、測定対象タイヤ12の、特に、スリップ角が比較的小さい、いわゆるステアリング中立付近における、コーナリングフォースの過渡応答特性を定量的に表す評価値を算出する。
ベルト20は、ローラ対28に掛けまわされている。このローラ対28は、図示しないモータを有して構成された駆動ユニット26と接続されており、この駆動ユニット26のモータによってローラ対28が回転して、ベルト20の代用路面24が移動する構成となっている。駆動ユニット26は、測定・評価ユニット16の、後述する測定手段40と接続されている。
タイヤ軸22は、タイヤ軸支持部材32に設けられている。タイヤ軸支持部材32は、スリップ角調整手段であるスリップ角調整アクチュエータ29(以降、スリップ角調整手段29とする)によって、図1中のZ軸周りに回転駆動される構成となっている。図1中のZ軸は、タイヤ12の回転中心軸(すなわちタイヤ軸22の中心)に垂直な、タイヤ12の赤道面上の直線である。タイヤ軸支持部材32が図1中Z軸周りに回転駆動されることで、転動中のタイヤ12のスリップ角(タイヤ12の転動方向すなわち代用路面24の移動方向と、タイヤ12の赤道面とのなす角)が変動される。スリップ角調整手段29は、測定・評価ユニット16の、後述する測定手段40と接続されている。
タイヤ軸支持部材32には、また、タイヤ軸22にかかる力を計測可能なセンサ34が設けられている。センサ34は、タイヤ軸22にかかるタイヤ赤道面に垂直な方向の力(図1中Y軸方向の力)、すなわちタイヤ横力を計測する。コーナリング試験機14では、比較的小さいスリップ角範囲でスリップ角を入力するので、タイヤ12に発生する横力は、タイヤ12に発生するコーナリングフォース(代用路面24の移動方向に垂直な方向の力)とほぼ等しくなる。以降、センサ34で計測されたタイヤ12に発生する横力を、タイヤ12に発生するコーナリングフォースと等価なものとして扱う。なお、センサ34は、圧電素子を用いたものや、歪みゲージを用いたもの等、タイヤ軸22にかかる、少なくともコーナリングフォースを計測できる装置であればよく、特に限定されない。なお、タイヤ軸支持部材32は、図示しない荷重負荷手段と接続されており、タイヤ12の転動中、この荷重負荷手段から所定の荷重が印加されることで、タイヤ軸22に支持されたタイヤ12が、所定の接地荷重で、ドラム20の代用路面24と接地される。センサ34は、測定・評価ユニット16の、後述する測定手段40と接続されている。
測定・評価ユニット16は、測定手段40と評価手段50とを有して構成されている。図2は、測定・評価ユニット16について説明する概略構成図である。測定・評価ユニット16は、測定手段40と、評価手段50と、CPU17と、メモリ19とを有する。測定・評価ユニット16は、メモリ19に記憶されたプログラムをCPU17が実行することで、測定手段40および評価手段50に示される各部が機能するコンピュータである。
測定手段40は、条件設定部42、動作制御部44、およびデータ取得部46を有して構成されている。評価手段50は、データ処理部52、データ統合部54、パラメータ同定部56、および評価値算出部58を有して構成されている。
測定手段40の条件設定部42は、代用路面24上を走行中のタイヤ12に順次与える、異なる複数のスリップ角入力の周波数や、タイヤ12の転動速度の条件を設定する部位である。
停止しているタイヤに微小なスリップ角をつけ、このタイヤをゆっくりと直進させた場合、タイヤに発生する横力(すなわちコーナリングフォース)は、図3に示すグラフのように変化することが一般的に知られている。すなわち、タイヤにスリップ角を与えて路面を転動させた場合、このタイヤに発生するコーナリングフォースは、転動距離に応じてコーナリングフォース出力が応答し、やがて定常値CFになるような一時遅れ系のモデルで表される。すなわち、所定の転動速度で転動するタイヤに周期的に変化するスリップ角を入力した場合、タイヤに入力するスリップ角の時間周波数f(Hz=cycle/s=2πrad/s)とタイヤの転動速度v(m/s)とで表される距離周波数PF=f/v(cycle/m=2πrad/m)に対する、タイヤに発生するコーナリングフォースの応答も、1次遅れ系として表せる。測定手段40は、コーナリング試験機14の各部の動作を制御することで、所定の転動速度で転動するタイヤ12に周期的に変化するスリップ角を入力し、このような一次遅れ系で表すことができる(近似することができる)コーナリングフォースの出力信号を取得する。
条件設定部42は、コーナリングフォースの出力信号取得時の、タイヤ12の転動速度およびタイヤ12に入力するスリップ角の周波数を設定する部位である。条件設定部42では、入力する上記距離周波数PFの範囲が、少なくとも入力距離周波数の最低値PFが下記式(1)を満たし、かつ、少なくとも入力距離周波数の最大値PFが下記式(2)を満たすよう、タイヤ12の転動速度およびスリップ角の複数の周波数とを設定する。下記式(1)および下記式(2)を満たすように、入力距離周波数範囲を設定するのは、例えば、車両が低速で走行中にタイヤを早く操舵した場合、および車両が高速で走行中にタイヤを早く操舵した場合、加えて、車両が低速で走行中にタイヤを緩やかに操舵した場合、および車両が高速で走行中にタイヤを緩やかに操舵した場合など、一般的な車両走行中のあらゆる操舵状態でのコーナリングフォースの出力を再現できる、車両走行中のあらゆる操舵状態でのコーナリングフォースの応答特性の情報を得るためである。
PF≦0.03(rad/m) (1)
10.0(rad/m)≦PF (2)
ここで、スリップ角入力の周波数は、スリップ角調整手段29によって制御されるが、スリップ角調整手段29のアクチュエータの能力にともない、入力可能な周波数には限界がある。そこで、条件設定部42では、タイヤに与える複数のスリップ角入力の周波数範囲を、スリップ角調整手段29によって比較的精度良く制御できる周波数範囲(例えば0.1Hz〜5.0Hz)に設定した状態で、入力距離周波数PFの範囲が上記式(1)および上記式(2)を満たすよう、タイヤ12の転動速度を複数設定する。この際、各転動速度における距離周波数PFの範囲それぞれの少なくとも一部が、少なくとも異なる1つの転動速度における距離周波数の範囲と重複するよう、複数のタイヤ12の転動速度を設定することが好ましい。例えば、入力するスリップ角の周波数範囲が、例えば0.1Hz〜4.8Hzである場合、タイヤ12の転動速度を例えば10km/hと、100km/hと、2つ設定しておく。この場合、距離周波数の0.2rad/m〜1.0rad/mの範囲が、転動速度が10km/hの場合と100km/hの場合とで、それぞれ重複することになる。
動作制御部44は、条件設定部42で設定された、タイヤ12の転動速度およびスリップ角の複数の周波数とに基づき、コーナリング試験機14の各部の動作を制御する部位である。動作制御部44は、駆動ユニット26およびスリップ角調整手段29と接続されている。動作制御部44は、条件設定部42で設定された転動速度でタイヤ12が転動するよう、駆動ユニット26の動作(モータの回転速度など)を制御する。また、条件設定部42で設定された複数のスリップ角周波数で、タイヤ12のスリップ角が変化するよう、スリップ角調整手段29の動作も制御する。具体的には、条件設定部42で設定された第1の転動速度(例えば10km/h)でタイヤ12を転動させた状態で、タイヤ12に複数のスリップ角周波数を順次入力し、その後、第2の転動速度(例えば100km/h)でタイヤ12を転動させた状態で、タイヤ12に複数のスリップ角周波数を順次入力する、といった動作を、コーナリング試験機44に繰り返させる。なお、入力するスリップ角の時系列のデータは、評価手段50のデータ処理部52にも順次送られる。
データ取得部46は、設定した転動速度でタイヤ12を転動させた状態で、タイヤ12に周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えた際の、このスリップ角入力に対応したコーナリングフォースの時系列の出力信号を得る部位である。データ取得部46は、センサ34と接続されており、センサ34から出力される、タイヤに発生するコーナリングフォースの出力信号を時系列に取得する。取得したコーナリングフォースの時系列の出力信号は、評価手段50のデータ処理部52に送られる。図4(a)および(b)は、それぞれ、タイヤ12に入力する複数のスリップ角入力データ、およびデータ取得部46が取得するコーナリングフォース出力の時系列データの一例である。装置10では、タイヤ12に、このような複数の異なる周波数のスリップ角を順次入力し、各入力周波数それぞれでの、コーナリングフォース出力の時系列データを取得する。なお、本発明では、取得する出力信号は、コーナリングフォースの出力信号であることに限らず、例えばタイヤのセルフアライニングトルクの出力信号を取得してもよい。
評価手段50のデータ処理部52は、入力するスリップ角の時系列データと、コーナリングフォースの出力信号の時系列データとを用いて周波数分析を行ない、距離周波数に対する、前記コーナリングフォースの周波数応答の情報を求める部位である。データ処理部52では、例えば公知のFFT(Fast Fourier Transformation)法等を用いて、所定の周波数分解能(距離周波数分解能)で、例えば図5(a)および(b)にボード線図で示すような、入力スリップ角情報と出力コーナリングフォース情報との振幅比(ゲイン)や、位相角(位相遅れ)の情報を求める。データ処理部52では、ます、第1の転動速度(例えば10km/h)でタイヤ12を転動させた状態における、入力するスリップ角の時系列データと、コーナリングフォースの出力信号の時系列データとを用いて周波数分析を行ない、第1の転動速度(例えば10km/h)でタイヤ12を転動させた状態における、距離周波数に対する、コーナリングフォースの周波数応答の情報(図5(a))を求める。そして、次に、第2の転動速度(例えば100km/h)でタイヤ12を転動させた状態における、入力するスリップ角の時系列データと、コーナリングフォースの出力信号の時系列データとを用いて周波数分析を行ない、第2の転動速度(例えば100km/h)でタイヤ12を転動させた状態における、距離周波数に対する、コーナリングフォースの周波数応答の情報を求める(図5(b))、といった動作を繰り返す。各転動速度それぞれの周波数応答の情報は、メモリ19に順次記憶される。なお、取得する出力信号として、例えばタイヤのセルフアライニングトルクの出力信号を取得した場合、コーナリングフォースの場合と同様に、セルフアライニングトルクの周波数応答の情報を求めればよい。なお、本発明において、コーナリングフォースの周波数応答の情報を求める手法はFFTに限定されない。例えば、公知のサインカーブフィッティング法を用いて、出力コーナリングフォース情報の振幅比(ゲイン)や、位相角(位相遅れ)の情報を求めてもよい。
評価手段50のデータ統合部54は、各転動速度それぞれのコーナリングフォースの周波数応答の振幅比(ゲイン)が、距離周波数の重複範囲において略一致するように、各転動速度それぞれのコーナリングフォースの周波数応答の情報を統合する。統合部54では、メモリ19に予め記憶されている、距離周波数が0(rad/m)におけるコーナリングフォースの周波数応答の情報、特に上記の振幅比(ゲイン)の情報それぞれに基づいて、各転動速度それぞれのコーナリングフォースの周波数応答の情報を統合することで、上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数応答の情報(振幅比(ゲイン)や、位相角(位相遅れ)の情報)を導出する。
上述したように、スリップ角調整手段29の能力にともない、入力可能なスリップ角の周波数には限界があり、条件設定部42では、入力距離周波数PFの範囲が上記式(1)および上記式(2)を満たすよう、各転動速度における距離周波数PFの範囲それぞれの少なくとも一部が、少なくとも異なる1つの転動速度における距離周波数の範囲と重複するよう、複数のタイヤ12の転動速度を設定した。例えば、入力するスリップ角の周波数範囲が、例えば0.1Hz〜4.76Hzである場合、タイヤ12の転動速度を例えば10km/hとした場合には、入力距離周波数PFの範囲は0.226rad/m〜10.769rad/mとなる。そして、タイヤ12の転動速度を例えば100km/hとした場合には、入力距離周波数PFの範囲は0.023rad/m〜1.077rad/mとなる。データ統合部54では、このような異なる転動速度で得られた、異なる距離周波数範囲のコーナリングフォースの周波数応答の情報を統合し、上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数応答の情報を導出する。
異なる転動速度それぞれで得られた周波数応答の情報であっても、同一の距離周波数においては、コーナリングフォースの周波数応答の情報(振幅比(ゲイン)や位相角(位相遅れ))は、転動速度に応じてタイヤの特性などが変わらなければ、理想的には同一であるはずである。しかし、転動速度が異なればタイヤの温度が異なってタイヤ表面の物性が異なることなどに起因して、振幅比(ゲイン)や位相角(位相遅れ)は、転動速度に応じて異なってくる。統合部54では、距離周波数が0(rad/m)におけるコーナリングフォースの情報、特にコーナリングフォースの振幅比(ゲイン)の情報に基づいて、各転動速度それぞれにおいて取得されたコーナリングフォースの周波数応答の情報を統合する。
図6は、データ統合部54で用いる情報について説明する図であり、入力するスリップ角を例えば1°に、荷重を4200Nに固定した状態における、タイヤ12の転動速度に対する、タイヤ12に発生するコーナリングフォース(CF)、およびセルフアライニングトルク(SAT)の大きを表す散布図である。図6のグラフで示されているように、転動速度が10km/hの場合に比べて、転動速度が100km/hの場合の方が、タイヤ12に発生するコーナリングフォース、およびセルフアライニングトルクの大きさは大きくなっている。図6に示す各速度におけるコーナリングフォースの大きさは、図5(a)および(b)に示す、各速度におけるコーナリングフォースの振幅比(ゲイン)の周波数特性の、周波数が0Hzである際のゲイン(定常ゲイン)に相当する。同様に、図6に示す各速度におけるセルフアライニングトルクの大きさは、各速度における、セルフアライニングトルクの振幅比(ゲイン)の周波数特性(上述のコーナリングフォースと同様の振幅特性)の、周波数が0Hzである際のゲイン(定常ゲイン)に相当する。このような、同一周波数(0Hz)での、転動速度の変化に基くゲインの変動は、転動速度が異なればタイヤの温度が異なってタイヤ表面の物性が異なることなどに起因して生じたものである。
図6に示すこのような定常ゲインの情報は、装置10によって予め取得されて、測定・評価ユニット16のメモリ19に予め記憶されていればよい。例えば、設定した各転動速度でタイヤ12を転動させた状態で、タイヤ12にスリップ角の変動を入力するに先がけて、一定のスリップ角のままタイヤ12を転動させ、取得したタイヤ12に発生するコーナリングフォースの大きさを記憶しておけばよい。データ統合部54では、このような、各転動速度における定常ゲインの比を表すゲイン変動率を導出する。そして、このゲイン変動率の値を用いて、各転動速度それぞれにおいて取得された、特にコーナリングフォースの振幅比(ゲイン)の周波数応答の情報を統合する。例えば、転動速度100km/hの場合の定常ゲインR(図6参照)に対する、転動速度10km/hの場合の定常ゲインS(図6参照)の比率である、ゲイン変動率S/Rを求める。そして、このゲイン変動率S/Rを、図5(b)に示す、転動速度100km/hにおけるコーナリングフォースの周波数応答の情報にそれぞれ乗算する。そして、転動速度が10km/hの場合における、コーナリングフォースの振幅比(ゲイン)の周波数特性と、このゲイン変動率S/Rを乗算した後の、転動速度が100km/hの場合における周波数特性と、を同一の軸(距離周波数の軸)に統合して表す。
図7(a)は、図5(a)および(b)に示す、各転動速度それぞれにおけるコーナリングフォースの周波数応答の情報を、同一の距離周波数軸に表したグラフである。各転動速度におけるコーナリングフォースの周波数応答の情報それぞれを、単に同一の距離周波数軸に表したのみでは、距離周波数の重複範囲において、測定した際の転動速度の違いに応じたずれ(図7(a)に示すΔ)が生じている。図7(b)は、統合部54において上記ゲイン変動率の値を用いて統合した後の、(転動速度が100km/hの場合における周波数特性にゲイン変動率を乗算してから統合した後の)コーナリングフォースの周波数特性である。図7(b)に示す場合では、重複周波数部分のゲインは、各転動速度の違いによらず、それぞれがほぼ一致している。このように、周波数が0Hzである際のゲイン(定常ゲイン)に基いて統合することで、各転動速度それぞれにおいて取得された周波数特性の情報を、いずれも1つの線形系におけるデータとして取り扱うことができる。統合部54で導出された、上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数応答の情報(図7(b))は、パラメータ同定部56に送られる。
また、上述のように、取得する出力信号として、例えばタイヤのセルフアライニングトルクの出力信号を取得した場合も、同様に、各転動速度それぞれにおけるセルフアライニングトルクの周波数応答の情報も、同一の距離周波数軸に表すことができる。図8(a)は、各転動速度それぞれにおけるセルフアライニングトルクの周波数応答の情報を、同一の距離周波数軸に表したグラフである。図8(b)は、コーナリングフォースの場合と同様、セルフアライニングトルクの定常ゲイン値を用いて表したゲイン変動率の値を用いて統合した後の、(転動速度が100km/hの場合における周波数特性にゲイン変動率を乗算してから統合した後の)セルフアライニングトルクの周波数特性である。図8(b)に示す場合も、重複周波数部分のゲインは、各転動速度の違いによらず、それぞれがほぼ一致している。
パラメータ同定部56では、統合部54で導出された、上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、図7(b)に示すようなコーナリングフォースの周波数応答の情報に基づいて、入力距離周波数PFに対するコーナリングフォースの応答を1次遅れ系として表した伝達関数のパラメータを同定する。詳しくは、入力距離周波数PFに対するコーナリングフォースの応答を1次遅れ系として表した下記式(3)に示す伝達関数で、入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数応答の情報をフィッティングする(図8参照)ことで、下記式(3)に示す伝達関数のパラメータ(K、CP)を求める。このようなフィッティングは、例えば最小二乗法など公知の手法を用いて行なえばよい。Kは、タイヤの特性値である等価横剛性に対応し、CPは、一次遅れ要素を表す伝達関数(式(3)で表す伝達関数)のゲイン定数(CFゲイン)であり、本実施形態のようにスリップ角が微小な範囲では、コーナリングパワーに対応しているといえる値である。このように同定されたパラメータK、CPは、評価値算出部58に送られる。
Figure 0004844207

s:ラプラス演算子
CF:コーナリングフォース(N)
β:スリップ角(rad)
V:タイヤの転動速度(m/s)
K:タイヤの等価横剛性(N/m)
CP:コーナリングフォースの応答(N/rad)
評価値算出部58は、パラメータ同定部56から送られたパラメータである、KおよびCPを用い、コーナリングフォースの周波数応答の評価値として、上記伝達関数(式(3)で表す伝達関数)の時定数T(=CP/K)を求める。この時定数は、周知のように、上記伝達関数で表された一次遅れ要素の時間応答における、応答波形のふるまいの過渡期における立ち上がり時間に影響を与え、定常値に至る時間の遅れを決定づけている。時定数T(=CP/K)は、コーナリングフォースの過渡応答特性を定量的に表しているといえる。本発明では、タイヤのコーナリング動特性として、タイヤのセルフアライニングトルクの周波数特性を求めてもよく、この場合、上述のセルフアライニングトルクの周波数応答の情報を用い、セルフアライニングトルクの過渡応答特性を定量的に表す時定数を導出すればよい。
ディスプレイ18は、評価値算出部58で求められた、コーナリングフォースの過渡応答特性を定量的に表す時定数T(=CP/K)を表示出力する。なお、ディスプレイ18は、この他、この測定・評価ユニット16において導出される、図4(a)(b)にボード線図で示すような、入力スリップ角情報と出力コーナリングフォース情報との振幅比(ゲイン)や位相角(位相遅れ)の情報、図7に示す上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数応答の情報、図8に示すフィッティング結果の情報、パラメータKおよびCPなど、各種情報も表示出力することができる。
図9は、このような装置10において実施される、本発明のタイヤのコーナリング動特性評価方法の一例である、コーナリングフォース特性評価方法のフローチャート図である。まず条件設定部42が、コーナリングフォースの出力信号取得時の、タイヤ12の転動速度およびタイヤ12に入力するスリップ角の周波数を設定する(ステップS102)。上述したように、条件設定部42では、タイヤに与える複数のスリップ角入力の周波数範囲を、スリップ角調整手段29によって比較的精度良く制御できる周波数範囲(例えば0.1Hz〜5.0Hz)に設定した状態で、入力距離周波数PFの範囲が上記式(1)および上記式(2)を満たすよう、例えば10km/hと、100km/hと、2つのタイヤ12の転動速度を設定する。
そして、動作制御部44が、駆動ユニット26の動作(モータの回転速度など)を制御して、条件設定部42で設定された第1転動速度(例えば10km/h)でタイヤ12を転動させる(ステップS104)。そして、この第1転動速度で転動している状態で、動作制御部44が、スリップ角調整手段29の動作を制御して、条件設定部42で設定された複数のスリップ角周波数をタイヤ12に入力する(ステップS106)。そして、データ取得部46が、設定した転動速度でタイヤ12を転動させた状態で、タイヤ12に周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えた際に、センサ34から出力される、タイヤに発生するコーナリングフォースの出力信号を時系列に取得する(ステップS108)。
そして、評価手段50のデータ処理部52が、入力するスリップ角の時系列データと、コーナリングフォースの出力信号の時系列データとを用いて、この第1転動速度における、距離周波数に対するコーナリングフォースの周波数応答の特性(振幅比(ゲイン)や、位相角(位相遅れ)の周波数特性)を求めて、メモリ19に記憶する(ステップS110)。
第1転動速度における、距離周波数に対するコーナリングフォースの周波数応答の特性をメモリ19に記憶すると、条件設定部42で設定した全ての転動速度について、コーナリングフォースの周波数応答の特性が導出・メモリされたか否かが判定される(ステップS112)。第1転動速度についてのコーナリングフォースの周波数応答の特性がメモリされた時点では、ステップS112の判定は否定され(Noとなり)、タイヤ12の設定転動速度が、条件設定部42で設定されたその他の転動速度(この場合、第2転動速度、例えば100km/h)に変更される(ステップS114)。そして、この第2転動速度(例えば100km/h)でタイヤ12を転動させ(ステップS104)、その後、ステップS106〜S112の処理が繰り返され、この第2転動速度における、距離周波数に対するコーナリングフォースの周波数応答の特性(振幅比(ゲイン)や位相角(位相遅れ)の周波数特性)が、メモリ19に記憶される。
第2転動速度における、距離周波数に対するコーナリングフォースの周波数応答の特性(振幅比(ゲイン)や位相角(位相遅れ)の周波数特性)が、メモリ19に記憶されると、ステップS112の判定はOK(Yes)となり、統合部54が、距離周波数が0(rad/m)におけるコーナリングフォースの振幅比(ゲイン)に基づいて、各転動速度それぞれにおいて取得されたコーナリングフォースの周波数応答の特性を統合する(ステップS116)。これにより、上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数特性(図7参照)が導出される。
次に、パラメータ同定部56が、統合部54で導出された、上記式(1)および上記式(2)を満たす入力距離周波数PFの範囲にわたって表された、コーナリングフォースの周波数応答特性に基づいて、入力距離周波数PFに対するコーナリングフォースの応答を1次遅れ系として表した伝達関数のパラメータを同定する(ステップS118)。そして、評価値算出部58が、パラメータ同定部56から送られたパラメータである、KおよびCPを用い、コーナリングフォースの周波数応答の評価値として、上記伝達関数(式(3)で表す伝達関数)の時定数T(=CP/K)を求める(ステップS120)。そして、ディスプレイ18に、評価値算出部58で求められた、コーナリングフォースの過渡応答特性を定量的に表す時定数T(=CP/K)が表示出力される(ステップS122)。本発明のタイヤのコーナリング動特性評価方法の一例である、コーナリングフォース特性評価方法は、このように実施される。
このような、タイヤのコーナリング動特性評価方法および装置によれば、タイヤに入力するスリップ角の周波数とタイヤの転動速度とで表される、比較的広い範囲の距離周波数において、タイヤ固有のコーナリング動特性を定量的に精度良く評価することができる。なお、タイヤ軸支持部材32の図示しない荷重負荷手段からタイヤにかける荷重を種々変更して、様々な荷重条件におけるコーナリング動特性をそれぞれ評価してもよい。本発明は、このように、様々な車両走行条件中の様々な操舵状態全体についての、タイヤ固有のコーナリング動特性を定量的に精度良く評価することができる。
本発明のコーナリングフォース特性評価方法では、タイヤにスリップ角を入力することに限らず、例えば、荷重、キャンバ角、スリップ率などを、異なる複数の周波数で入力してもよい。
以上、本発明のタイヤのコーナリング動特性評価方法および本発明のタイヤのコーナリング動特性評価装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のタイヤのコーナリング動特性評価装置の一例である、コーナリングフォース特性評価装置について説明する概略構成図である。 図1に示すコーナリングフォース特性評価装置の、測定・評価ユニットについて説明する概略構成図である。 停止しているタイヤに微小なスリップ角をつけ、このタイヤをゆっくりと直進させた場合の、タイヤに発生する横力の変化を示すグラフである。 (a)および(b)は、図1に示すコーナリングフォース特性評価装置おける、タイヤに入力する複数のスリップ角入力データ、およびデータ取得部が取得するコーナリングフォース出力の時系列データの一例である。 (a)および(b)は、図1に示すコーナリングフォース特性評価装置における、入力スリップ角情報と出力コーナリングフォース情報との振幅比(ゲイン)や、位相角(位相遅れ)の情報を表すボード線図の一例である。 図1に示すコーナリングフォース特性評価装置のデータ統合部で用いる情報について説明する図であり、入力するスリップ角を固定した状態における、タイヤの転動速度に対するコーナリングフォースおよびセルフアライニングトルクの大きを表す散布図である。 (a)および(b)は、図1に示すコーナリングフォース特性評価装置で取得された、各転動速度におけるコーナリングフォースの周波数応答の情報それぞれを、同一の距離周波数軸に表したグラフであり、(a)は、各転動速度におけるコーナリングフォースの情報を、単に同一の距離周波数軸に表したグラフであり、(b)は、各転動速度におけるコーナリングフォースの情報を、ゲイン変動率の値を用いて統合したグラフである。 (a)および(b)は、図1に示すコーナリングフォース特性評価装置で取得された、各転動速度におけるセルフアライニングトルクの周波数応答の情報それぞれを、同一の距離周波数軸に表したグラフであり、(a)は、各転動速度におけるセルフアライニングトルクの情報を、単に同一の距離周波数軸に表したグラフであり、(b)は、各転動速度におけるセルフアライニングトルクの情報を、ゲイン変動率の値を用いて統合したグラフである。 本発明のタイヤのコーナリング動特性評価方法の一例である、コーナリングフォース特性評価方法のフローチャート図である。
符号の説明
10 コーナリングフォース特性評価装置
12 タイヤ
14 コーナリング試験機
16 測定・評価ユニット
17 CPU
18 ディスプレイ
19 メモリ
20 ベルト
22 タイヤ軸
24 代用路面
26 駆動ユニット
28 ローラ対
29 スリップ角調整アクチュエータ
32 タイヤ軸支持部材
34 センサ
40 測定手段
42 条件設定部
44 動作制御部
46 データ取得部
50 評価手段
52 データ処理部
54 データ統合部
56 パラメータ同定部
58 評価値算出部

Claims (16)

  1. タイヤのコーナリング動特性評価方法であって、
    接地面にタイヤを接地させて前記タイヤを所定の転動速度で転動させた状態で、前記タイヤに周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得る測定ステップと、
    前記測定ステップで入力した前記スリップ角の時系列データと、前記測定ステップで得た前記出力信号の時系列データとを用いて、前記スリップ角の周波数と前記タイヤの転動速度とで表される距離周波数に対する、前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求めて、求めた前記動特性周波数情報を出力する分析ステップと、を有し、
    前記測定ステップでは、前記タイヤの前記所定の転動速度V(m/s)と、前記スリップ角入力の複数の前記周波数f(rad/s)と、で表される複数の入力距離周波数PF(rad/m)について、少なくとも前記入力距離周波数の最低値PFが下記式(1)を満たし、かつ、少なくとも前記入力距離周波数の最大値PFが下記式(2)を満たすよう、前記所定の転動速度および前記スリップ角の複数の前記周波数とが設定された状態で、前記複数のコーナリング動特性出力信号を得ることを特徴とするタイヤのコーナリング動特性評価方法。
    PF≦0.03(rad/m) ・・・(1)
    10.0(rad/m)≦PF ・・・(2)
  2. 前記測定ステップに先がけて、前記タイヤに与える前記複数のスリップ角入力の周波数が、全て一定の周波数範囲内に設定された状態で、前記入力距離周波数の範囲が下記式(1)および下記式(2)を満たすよう、前記タイヤの前記転動速度を複数設定する設定ステップを有し、
    前記測定ステップでは、前記設定するステップで設定した複数の前記転動速度それぞれで前記タイヤを転動させて、各転動速度それぞれ毎に、前記複数の周波数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得、
    前記分析ステップでは、前記測定ステップで得られた、各転動速度それぞれにおける前記スリップ角の時系列データと前記出力信号の時系列データとを用いて、各転動速度それぞれにおける前記距離周波数に対応する前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求め、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することで、下記式(1)および下記式(2)を満たす前記入力距離周波数範囲にわたって表された動特性周波数情報を求めることを特徴とする請求項1記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
    PF≦0.03(rad/m) ・・・(1)
    10.0(rad/m)≦PF ・・・(2)
  3. 前記設定ステップで前記タイヤの前記転動速度を複数設定する際、各転動速度における前記距離周波数の範囲それぞれの少なくとも一部が、少なくとも異なる1つの転動速度における前記距離周波数の範囲と重複するよう、前記転動速度を複数設定することを特徴とする請求項2記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
  4. 前記分析ステップにおいて各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合する際、各転動速度それぞれの前記コーナリング動特性の前記動特性周波数情報のゲイン値が、前記距離周波数の重複範囲において略一致するように、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することを特徴とする請求項2または3記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
  5. 前記分析ステップにおいて各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合する際、距離周波数が0(rad/m)である場合における前記コーナリング動特性情報に基づいて、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することを特徴とする請求項4記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
  6. さらに、前記分析ステップで求めた前記動特性周波数情報に基づいて、前記距離周波数に対する前記コーナリング動特性の応答を1次遅れ系として表した伝達関数のパラメータを同定する、パラメータ同定ステップを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
  7. 前記コーナリング動特性出力信号は、前記スリップ角入力に対応した前記タイヤのコーナリングフォースを表す信号であり、
    前記パラメータ同定ステップでは、前記距離周波数に対する前記コーナリングフォースの応答を1次遅れ系として表した下記式(3)に示す伝達関数G(s)を用い、
    前記分析ステップで求めた前記動特性周波数情報に基づいて、前記伝達関数のパラメータを同定することを特徴とする請求項6記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
    Figure 0004844207

    s:ラプラス演算子
    CF:コーナリングフォース(N)
    β:スリップ角(rad)
    V:タイヤの転動速度(m/s)
    K:タイヤの等価横剛性(N/m)
    CP:コーナリングフォースの応答(N/rad)
  8. さらに、前記コーナリング動特性の評価値として、前記コーナリング動特性の過渡応答特性を表す前記伝達関数の時定数を求めることを特徴とする請求項6または7記載のタイヤのコーナリング動特性評価方法。
  9. タイヤのコーナリング動特性評価装置であって、
    接地面にタイヤを接地させて前記タイヤを所定の転動速度で転動させた状態で、前記タイヤに周波数の異なる複数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得る測定手段と、
    前記測定ステップで入力した前記スリップ角の時系列データと、前記測定ステップで得た前記出力信号の時系列データとを用いて、前記スリップ角の周波数と前記タイヤの転動速度とで表される距離周波数に対する、前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求めて、求めた前記動特性周波数情報を出力する分析手段と、を有し、
    前記測定手段は、前記タイヤの前記所定の転動速度V(m/s)と、前記スリップ角入力の複数の前記周波数f(rad/s)と、で表される複数の入力距離周波数PF(rad/m)について、少なくとも前記入力距離周波数の最低値PFが下記式(1)を満たし、かつ、少なくとも前記入力距離周波数の最大値PFが下記式(2)を満たすよう、前記所定の転動速度および前記スリップ角の複数の前記周波数とが設定された状態で、前記複数のコーナリング動特性出力信号を得ることを特徴とするタイヤのコーナリング動特性評価装置。
    PF≦0.03(rad/m) ・・・(1)
    10.0(rad/m)≦PF ・・・(2)
  10. 前記タイヤに与える前記複数のスリップ角入力の周波数が、全て一定の周波数範囲内に設定された状態で、前記入力距離周波数の範囲が下記式(1)および下記式(2)を満たすよう、前記タイヤの前記転動速度を複数設定する設定部を有し、
    前記測定手段は、前記設定部が設定した複数の前記転動速度それぞれで前記タイヤを転動させて、各転動速度それぞれ毎に、前記複数の周波数のスリップ角入力を順次与えて、このスリップ角入力に対応した複数のコーナリング動特性出力信号を得、
    前記分析手段は、
    前記測定手段で得られた、各転動速度それぞれにおける前記スリップ角の時系列データと前記出力信号の時系列データとを用いて、各転動速度それぞれにおける前記距離周波数に対応する前記コーナリング動特性の動特性周波数情報を求める分析部と、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することで、下記式(1)および下記式(2)を満たす前記入力距離周波数範囲にわたって表された動特性周波数情報を求める統合部と、を有して構成されていることを特徴とする請求項9記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
    PF≦0.03(rad/m) ・・・(1)
    10.0(rad/m)≦PF ・・・(2)
  11. 前記設定部は、各転動速度における前記距離周波数の範囲それぞれの少なくとも一部が、少なくとも異なる1つの転動速度における前記距離周波数の範囲と重複するよう、前記転動速度を複数設定することを特徴とする請求項10記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
  12. 前記統合部において各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合する際、各転動速度それぞれの前記コーナリング動特性の前記動特性周波数情報のゲイン値が、前記距離周波数の重複範囲において略一致するように、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することを特徴とする請求項10または11記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
  13. 前記統合部において各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合する際、距離周波数が0(rad/m)である場合における前記コーナリング動特性情報に基づいて、各転動速度それぞれの前記動特性周波数情報を統合することを特徴とする請求項12記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
  14. 前記分析手段は、さらに、前記分析ステップで求めた前記動特性周波数情報に基づいて、前記距離周波数に対する前記コーナリング動特性の応答を1次遅れ系として表した伝達関数のパラメータを同定する、パラメータ同定ステップを有することを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
  15. 前記測定手段が得る前記コーナリング動特性出力信号は、前記スリップ角入力に対応した前記タイヤのコーナリングフォースを表す信号であり、
    前記周波数分析手段の前記パラメータ同定部は、前記距離周波数に対する前記コーナリングフォースの応答を1次遅れ系として表した下記式(3)に示す伝達関数G(s)を用い、
    前記分析部で求めた前記動特性周波数情報に基づいて、前記伝達関数のパラメータを同定することを特徴とする請求項14記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
    Figure 0004844207

    s:ラプラス演算子
    CF:コーナリングフォース(N)
    β:スリップ角(rad)
    V:タイヤの転動速度(m/s)
    K:タイヤの等価横剛性(N/m)
    CP:コーナリングフォースの応答(N/rad)
  16. 前記分析手段は、さらに、前記コーナリング動特性の評価値として、前記コーナリング動特性の過渡応答特性を表す前記伝達関数の時定数を求めることを特徴とする請求項14または15記載のタイヤのコーナリング動特性評価装置。
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