JP2017150897A - コーナリング性能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実車走行に近い温度分布をタイヤに付与し、テスト効率を高めながらコーナリング性能の評価を高精度で行う。【解決手段】 繰り返して実施されるスリップ角付き転動工程K1と、その間に断続的に実施されるフリー転動工程K2と、評価工程K3とを含む。スリップ角付き転動工程K1は、タイヤを転動する際にスリップ角を段階的に付与するスリップ角付与ステップS1と、各スリップ角におけるコーナリングフォースを測定する測定ステップS2とを有する。フリー転動工程K2は、タイヤをスリップ角が0度の状態にて転動させる。評価工程K3は、各スリップ角付き転動工程K1において測定されたコーナリングフォースとそのときのスリップ角とに基づいてコーナリング性能を評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動ドラムを用いたタイヤのコーナリング性能評価方法に関する。
タイヤのコーナリング性能を評価する方法として、実車走行によりタイヤに発生する最大横Gを測定し比較する実車試験方法と、ドラム試験機を用いてタイヤに発生するコーナリングフォースCFを測定し比較する台上試験方法とが知られている。
このうち台上試験方法では、駆動ドラム上でタイヤを転動させる際に、スリップ角SAを変化させ、そのスリップ角SAに対応するコーナリングフォースCFを測定する。図8にSA−CF曲線を例示するように、コーナリングフォースCFは、スリップ角SAの増加とともに大きくなるが、スリップ角SAがある程度大きくなると、トレッド面と路面との滑りが大きくなってコーナリングフォースCFが低下するという特性を有する。そして、限界走行が強いられるレース用などのタイヤでは、このコーナリングフォースCFの最大値CFmax がコーナリング性能の評価に重要となる。
しかしコーナリングフォースCFは、タイヤ内部温度に影響し、タイヤ内部温度が低い走行初期では、コーナリングフォースCFの最大値CFmax も低い。また最大値CFmax は、タイヤ内部温度とともに高くなるが、走行距離がある程度大きくなり、タイヤ内部温度が安定するにつれて最大値CFmax も一定値に収束する。
従って、コーナリングフォースCFの最大値CFmax は、タイヤ内部温度を考慮する必要がある。
そこで従来においては、コーナリングフォースCFの測定に先駆けて、
(1)タイヤ内部温度が所定温度に上昇するまで、タイヤを駆動ドラム上で走行させる方法(以下、方法Aという。);及び、
(2)オーブン等によりタイヤを外側から加熱する方法(以下、方法Bという。);が提案されている。
しかし方法Aでは、温度上昇に多くの時間が必要となり、効率が悪い。また方法Bでは、タイヤの温度分布が実車走行の場合と相違するため、コーナリングフォースCFの最大値CFmax に基づくコーナリング性能の評価の精度が悪くなる。
なお下記の特許文献1には、駆動ドラムの路面部分にヒータなどの温度制御手段を設けることが提案されている。しかし前記温度制御手段は、タイヤが使用される国の環境温度や路面温度に合わせて台上試験を行うために設けられたに過ぎない。また前記温度制御手段を、タイヤの温度上昇のために用いたとしても、前記方法Bと同様、タイヤの温度分布が実車走行の場合と相違するため、コーナリング性能の評価精度を高めることは難しい。
特開2008−82709号公報
そこで本発明は、タイヤ内部温度の上昇を早めながら、実車走行に近い温度分布をタイヤに付与でき、テスト効率を高めながら、コーナリング性能の評価を高精度で行いうるコーナリング性能評価方法を提供することを課題としている。
本発明は、タイヤのコーナリング性能を評価する方法であって、
繰り返して実施されるスリップ角付き転動工程と、各前記スリップ角付き走行工程間に断続的に実施されるフリー転動工程と、コーナリング性能の評価工程とを含み、
各前記スリップ角付き転動工程は、
駆動ドラムを用いてタイヤを所定荷重かつ所定速度で転動させるとともに、この転動に際してスリップ角SAを段階的に付与するスリップ角付与ステップと、
前記スリップ角付与ステップ中に、少なくとも各スリップ角SAにおいてタイヤに発生するコーナリングフォースCFを測定する測定ステップとを有し、
各前記フリー転動工程は、前記駆動ドラムを用いてタイヤをスリップ角SAが0度の状態にて所定荷重かつ所定速度で転動させるとともに、
前記評価工程は、各前記スリップ角付き転動工程において測定されたコーナリングフォースCFとそのときのスリップ角SAとに基づいてコーナリング性能を評価することを特徴としている。
本発明に係る前記コーナリング性能評価方法では、各前記スリップ角付き転動工程において付与されるスリップ角SAの最大値SAmaxは、スリップ角付き転動工程毎に設定されることが好ましい。
本発明に係る前記コーナリング性能評価方法では、前記評価工程は、各前記スリップ角付き転動工程において測定されたコーナリングフォースCFとそのときのスリップ角SAとをプロットしてなるSA−CF曲線からコーナリング性能を評価することが好ましい。
本発明に係る前記コーナリング性能評価方法では、各前記測定ステップは、タイヤ内部温度Tの測定を含むとともに、
前記評価工程は、各前記SA−CF曲線から得られるコーナリングフォースCFの最大値CFmax と、前記タイヤ内部温度TとをプロットしてなるCFmax−T曲線からタイヤ性能を評価する温度特性評価を含むことが好ましい。
本発明に係る前記コーナリング性能評価方法では、前記タイヤが装着されるホイールリムは、その表面が熱放射率0.01以下の皮膜で覆われることが好ましい。
本発明は叙上の如く、スリップ角付き転動工程と、フリー転動工程とを交互に繰り返して行う。前記スリップ角付き転動工程では、タイヤの転動に際してスリップ角SAが付与される。従って、転動時のタイヤ変形に伴う内部発熱以外に、スリップ角SAによる摩擦熱によって、トレッド部をトレッド面側から加熱する。
このトレッド面側からの加熱は、温度分布を実車走行の場合と相違させるが、前記フリー転動工程が、これを解決する。即ち、フリー転動工程では、タイヤ変形に伴う内部発熱は生じるが、スリップ角が0度であるため、摩擦熱の新たな発生を抑え、先のスリップ角付き転動工程で生じたトレッド面側の熱をトレッド内部に移行させる。そのため、トレッド面側とタイヤ内部との過度の温度差を減じることができ、実車走行に近い温度分布でタイヤ内部温度を迅速に上昇させうる。
また各スリップ角付き転動工程が、スリップ角SAを段階的に付与するスリップ角付与ステップと、各スリップ角SAにおけるコーナリングフォースCFを測定する測定ステップとを具える理由は以下の通りである。スリップ角付き転動工程において、コーナリングフォースCFが最大値CFmax を超えると、トレッド面の摩耗が過大となってトレッド面の表面性を損ね、コーナリングフォースCFの測定に悪影響を与える。しかし、スリップ角付き転動工程が測定ステップを具えることで、コーナリングフォースCFが上昇から下降に変化する時、即ち最大値CFmax となる時を掌握することが可能となる。従って、最大値CFmax の後、速やかにスリップ角の付与を停止させることができ、摩耗によるトレッド面の表面性の低下を抑えることが可能となる。
またスリップ角付き転動工程を繰り返すことで、温度上昇に伴う最大値CFmax の変化を掌握できる。そのため、最大値CFmax が一定値に収束するのを確認することができ、スリップ角付き転動工程の繰り返しの回数を制限して、テスト効率をさらに高めることが可能になる。
本発明のコーナリング性能評価方法を説明するフローチャートである。 コーナリング性能評価方法を実施するためのドラム試験機の一例を概念的に示す側面図である。 (A)、(B)は、スリップ角付与ステップを説明する概念図である。 SA−CF曲線の一例を示すグラフである。 各スリップ角付き転動工程において得られた複数のSA−CF曲線を重ね合わせたグラフである。 CFmax−T曲線の一例を示すグラフである。 表1におけるタイヤ内部温度とトレッド面温度の温度上昇変化を示すグラフである。 従来の問題点を説明するためのSA−CF曲線のグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図2に示すように、コーナリング性能評価方法を実施するドラム試験機1は、駆動ドラム2と、この駆動ドラム2を水平方向の軸心j1周りで回転可能に支持するドラム支持手段3と、タイヤTAを支持するタイヤ支持手段4とを具える。
前記駆動ドラム2は、本例では、所謂インサイドドラムであって、内周面を路面2sとした円筒状のドラム本体2Aと、このドラム本体2Aの一側面を閉じる側壁体2Bとを具え、他側面側にはタイヤTAを出し入れするための開口5が配される。本例では、前記路面2sは、アスファルトのレプリカ路面として形成される。
前記ドラム支持手段3は、前記側壁体2Bに一端部が固定される支持軸3Aと、この支持軸3Aを回転自在に支持する支持台3Bとを具える。支持軸3Aの他端部には、前記駆動ドラム2を軸心j1周りで回転駆動するモータMを含む駆動手段6が接続される。
前記タイヤ支持手段4は、本例では、基台10と、この基台10上にドラム軸方向にスライド移動可能に支持される支持台11と、該支持台11に例えばシリンダ12を介して上下動自在に取り付く昇降台13と、該昇降台13に旋回台14を介して連結される水平なタイヤ支持軸15とを含む。
本例の旋回台14は、前記タイヤ支持軸15を枢支する側壁部14Aと、その上端から折れ曲がり前記タイヤTAの上方にのびる上壁部14Bとを有する。また旋回台14は、前記昇降台13に取り付く旋回軸16Aを含む旋回手段16を介して垂直な軸心J2回りで旋回可能に支持される。なお前記軸心J2は、タイヤ赤道面とタイヤ軸心J3とが交わるタイヤ中心点Pを通る。
このタイヤ支持手段4は、前記シリンダ12によって昇降台13を上下動させることにより、タイヤ支持軸15に回転自在に保持するタイヤTAを、路面2sに対して所定荷重で押し付けうるとともに、その時の荷重量を調整することができる。
またタイヤ支持手段4は、前記旋回手段16によって旋回台14を軸心J2回りで旋回させることにより、前記タイヤTAにスリップ角SAを自在に付与することができる。なおタイヤ支持軸15には、例えば6分力計などの周知の測定器17が取り付き、タイヤTAに発生するコーナリングフォースCFを含む種々な力(例えば前後力、横力、荷重など)を測定可能としている。なおドラム試験機1としては、これに限定されることなく種々のものが採用しうる。
次に、コーナリング性能評価方法を説明する。この評価方法は、図1に示すように、繰り返して実施されるスリップ角付き転動工程K1と、各前記スリップ角付き転動工程K1、K1間に断続的に実施されるフリー転動工程K2と、コーナリング性能の評価工程K3とを含む。言い換えると、前記評価方法では、スリップ角付き転動工程K1とフリー転動工程K2とが、断続的かつ交互に複数回(n回)繰り返されるとともに、その結果に基づいてコーナリング性能の評価工程K3が行われる。
前記スリップ角付き転動工程K1は、スリップ角付与ステップS1と、測定ステップS2とを有する。
スリップ角付与ステップS1では、前記駆動ドラム2を用いてタイヤTAを所定荷重かつ所定速度で転動させるとともに、この転動に際してスリップ角SAを段階的に付与する。具体的には、本例では、図3(A)に示すように、前記駆動ドラム2の路面2sに、タイヤTAのトレッド面を所定荷重で押圧した状態で、前記駆動ドラム2を所定速度で回転させる。これにより、タイヤTAを所定荷重かつ所定速度で転動させる。またスリップ角付与ステップS1では、図3(B)に示すように、前記転動に際して、スリップ角SAを、例えば0°→1°→2°...と段階的に付与する。
前記スリップ角SAは、タイヤ進行方向に対して一方側(例えば右側)に段階的に付与し、しかる後、同角度を他方側(例えば左側)に段階的に付与するのが好ましい。これにより、タイヤの左右不均一に伴うコーナリングフォースCFの差異を補正しうる。しかし、タイヤ進行方向に対して一方側のみにスリップ角SAを付与することもできる。
測定ステップS2では、前記スリップ角付与ステップS1中に、各スリップ角SAにおいてタイヤTAに発生するコーナリングフォースCFを測定する。コーナリングフォースCFは、前記測定器17によって検出される横力、及びその時のスリップ角SAから求めることができる。
図4に、任意のスリップ角付き転動工程K1において測定されたコーナリングフォースCFとそのときのスリップ角SAとをプロットしてなるSA−CF曲線の一例を示す。同図から解るように、コーナリングフォースCFは、スリップ角SAの増加とともに大きくなるが、スリップ角SAがある程度大きくなるとコーナリングフォースCFが減じるという特性を有する。そして、コーナリングフォースCFが最大値CFmax を超えると、トレッド面の摩耗が過大となってトレッド面の表面性を損ね、コーナリングフォースCFの測定に悪影響を与える。
従って、摩耗によるトレッド面の表面性の低下を抑えるためには、コーナリングフォースCFが最大値CFmax となった後、速やかにスリップ角SAの付与を停止させることが好ましい。そのために、本例では、各スリップ角付き転動工程K1において付与されるスリップ角SAの最大値SAmaxを、スリップ角付き転動工程K1毎に設定し、これにより、最大値CFmax の近くでスリップ角SAの付与を停止させている。なお各スリップ角付き転動工程K1が測定ステップS2を具えることで、コーナリングフォースCFが最大値CFmax となる時を掌握することが可能となる。
なおスリップ角付与ステップS1においてスリップ角SAをタイヤ進行方向の両側に付与する場合には、コーナリングフォースCFは、その平均値が採用される。
次に、フリー転動工程K2では、前記駆動ドラム2を用いてタイヤTAをスリップ角SAが0度の状態にて所定荷重かつ所定速度で転動させる。具体的には、前記駆動ドラム2の路面2s(内周面)に、タイヤTAのトレッド面を所定荷重で押圧した状態で、前記駆動ドラム2を所定速度で回転させる。これにより、タイヤTAを所定荷重かつ所定速度で転動させうる。このとき、タイヤTAのスリップ角SAは0°である。
フリー転動工程K2が、スリップ角付き転動工程K1とは「断続的」に実施されるとは、スリップ角付き転動工程K1からフリー転動工程K2への移行の際、及びフリー転動工程K2からスリップ角付き転動工程K1への移行の際、タイヤTAが駆動ドラム2から一旦離間することを意味する。これにより、タイヤの内部歪みを除去でき、コーナリングフォースCFをゼロ点補正しうる。
特に規定されないが、スリップ角付与ステップS1において付与されるスリップ角SAの間隔は、1度以下が好ましい。また一回のスリップ角付き転動工程K1における工程時間t1は、10〜20秒の範囲、フリー転動工程K2における工程時間t2は、30〜60秒の範囲が好ましい。スリップ角付き転動工程K1及びフリー転動工程K2の繰り返し回数nは、前記工程時間t1、t2にもよるが、15〜20回程度である。
次に、評価工程K3では、各スリップ角付き転動工程K1において測定されたコーナリングフォースCFとそのときのスリップ角SAとに基づいて、コーナリング性能を評価する。本例では、各スリップ角付き転動工程K1から得たSA−CF曲線に基づいてコーナリング性能を評価する。
前述の如く、コーナリングフォースCFには温度依存性があり、本発明の評価方法では、スリップ角付き転動工程K1と、フリー転動工程K2とを交互に繰り返して行うことで、タイヤ内部温度Tを、最終到達温度T0まで実車走行に近い温度分布で迅速に上昇させることができる。
そのメカニズムを以下に説明する。まずスリップ角付き転動工程K1では、転動時のタイヤ変形に伴う内部発熱以外に、スリップ角SAによる摩擦熱によって、トレッド部をトレッド面側から加熱する。このトレッド面側からの加熱は、温度分布を実車走行の場合と相違させてしまうが、フリー転動工程K2が、これを解決する。即ち、フリー転動工程K2では、タイヤ変形に伴う内部発熱は生じるが、スリップ角が0度であるため、摩擦熱の新たな発生が抑えられ、先のスリップ角付き転動工程K1で生じたトレッド面側の熱をトレッド内部に移行させうる。そしてこれを繰り返すことにより、トレッド面側とタイヤ内部との過度の温度差を減じ、タイヤ内部温度Tを、最終到達温度T0まで実車走行に近い温度分布で迅速に上昇させることが可能となる。
図5には、それぞれのスリップ角付き転動工程K1において得られた複数のSA−CF曲線が示される。なお、K1は、1回目のスリップ角付き転動工程K1において得られたSA−CF曲線、K1は、n回目のスリップ角付き転動工程K1において得られたSA−CF曲線を示す。スリップ角付き転動工程K1の繰り返し回数が増えるに従い、タイヤ内部温度Tが上昇し、コーナリングフォースCFの最大値CFmax は増加する。しかし最終到達温度T0に近づくにつれて、増加の割合は漸減し、前記最大値CFmax は一定値に収束している。そしてこの最大値CFmax の収束値CFmax0により、限界走行が強いられるレース用などのタイヤにおけるコーナリング性能を評価することができる。
なお各スリップ角付き転動工程K1が測定ステップS2を具えるため、温度上昇に伴う最大値CFmax の変化を、SA−CF曲線を用いることなく掌握できる。即ち、SA−CF曲線自体を用いなくても、測定データによって収束値CFmax0を予想でき、コーナリング性能を評価することは可能である。
また前記評価方法では、各測定ステップS2にて、タイヤ内部温度Tを測定させることも好ましい。この場合、図6に示すように、各SA−CF曲線から得られるコーナリングフォースCFの最大値CFmax と、タイヤ内部温度TとをプロットしてなるCFmax−T曲線からタイヤ性能を評価する温度特性評価を前記評価工程K3に含ませることが好ましい。このCFmax−T曲線では、タイヤ内部温度Tが最終到達温度T0に到達し、最大値CFmax が一定値に収束するのが確認できる。比較のために、同図には、実車走行におけるタイヤ内部温度Tの変化と最大横Gとの関係を示している。同図から、本発明の評価方法におけるタイヤ内部温度Tに対するコーナリングフォースCFの最大値CFmax の変化が、実車走行におけるタイヤ内部温度Tに対する最大横Gの変化と近似しており、実車走行に即して、コーナリング性能を評価しうるのが確認できる。
なおタイヤ内部温度Tは、タイヤ内面に貼り付けたサーミスタによって測定することができる。
また前記評価方法においては、タイヤTAが装着されるホイールリムは、その表面が熱放射率0.01以下の皮膜で覆われることが好ましい。その理由は、以下の通りである。実車走行では、エンジン熱やブレーキ熱等の影響により、タイヤ内部温度Tの最終到達温度T0が、台上試験の場合に比して高くなる傾向がある。そこで前記皮膜を形成し、タイヤTAの熱がホイールリムを介して逃げるのを抑制することで、最終到達温度T0を実車走行の場合に近づけることができ、コーナリング性能の評価の精度向上に貢献することができる。
熱放射率0.01以下の皮膜として、セラミック配合の遮熱塗料を挙げることができる。また皮膜は、タイヤ装着後のホイールリムにおける露出面の全面積90%以上を覆うことが好ましい。
なお駆動ドラム2として、外周面を路面としたアウトサイドドラムを採用することもできる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図2に示すドラム試験機1を用い、かつ表1の仕様に基づいて空気入りタイヤ(タイヤサイズ185/55R14)のコーナリング性能を評価した。
共通仕様は以下の通りである。
荷重:2.0kN
タイヤ内圧:160kPa
転動速度:150km/h
スリップ角SAの付与間隔:1度
一回のスリップ角付き転動工程K1の工程時間t1:12秒
一回のフリー転動工程K2の工程時間t2:30秒
Figure 2017150897
図7に示すように、実施例1〜3は、実車走行に近い温度分布でタイヤ内部温度を最終到達温度T0まで上昇させることができるのが確認できる。そのため、コーナリング性能を実車走行に近い精度で評価することが可能となる。なお実施例3では、低熱放射の皮膜を有するため、最終到達温度T0を実車走行の最終到達温度T0にさらに近づけることが可能になる。
2 駆動ドラム
K1 スリップ角付き転動工程転動工程
K2 フリー転動工程
K3a 温度特性評価
K3 評価工程
S1 スリップ角付与ステップ
S2 測定ステップ

Claims (5)

  1. タイヤのコーナリング性能を評価する方法であって、
    繰り返して実施されるスリップ角付き転動工程と、各前記スリップ角付き走行工程間に断続的に実施されるフリー転動工程と、コーナリング性能の評価工程とを含み、
    各前記スリップ角付き転動工程は、
    駆動ドラムを用いてタイヤを所定荷重かつ所定速度で転動させるとともに、この転動に際してスリップ角SAを段階的に付与するスリップ角付与ステップと、
    前記スリップ角付与ステップ中に、少なくとも各スリップ角SAにおいてタイヤに発生するコーナリングフォースCFを測定する測定ステップとを有し、
    各前記フリー転動工程は、前記駆動ドラムを用いてタイヤをスリップ角SAが0度の状態にて所定荷重かつ所定速度で転動させるとともに、
    前記評価工程は、各前記スリップ角付き転動工程において測定されたコーナリングフォースCFとそのときのスリップ角SAとに基づいてコーナリング性能を評価することを特徴とするコーナリング性能評価方法。
  2. 各前記スリップ角付き転動工程において付与されるスリップ角SAの最大値SAmaxは、スリップ角付き転動工程毎に設定されることを特徴とする請求項1記載のコーナリング性能評価方法。
  3. 前記評価工程は、各前記スリップ角付き転動工程において測定されたコーナリングフォースCFとそのときのスリップ角SAとをプロットしてなるSA−CF曲線からコーナリング性能を評価することを特徴とする請求項1又は2記載のコーナリング性能評価方法。
  4. 各前記測定ステップは、タイヤ内部温度Tの測定を含むとともに、
    前記評価工程は、各前記SA−CF曲線から得られるコーナリングフォースCFの最大値CFmax と、前記タイヤ内部温度TとをプロットしてなるCFmax−T曲線からタイヤ性能を評価する温度特性評価を含むことを特徴とする請求項3記載のコーナリング性能評価方法。
  5. 前記タイヤが装着されるホイールリムは、その表面が熱放射率0.01以下の皮膜で覆われることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のコーナリング性能評価方法。
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