JP6558857B2 - 転がり抵抗測定方法および装置 - Google Patents

転がり抵抗測定方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6558857B2
JP6558857B2 JP2016076608A JP2016076608A JP6558857B2 JP 6558857 B2 JP6558857 B2 JP 6558857B2 JP 2016076608 A JP2016076608 A JP 2016076608A JP 2016076608 A JP2016076608 A JP 2016076608A JP 6558857 B2 JP6558857 B2 JP 6558857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
tire
rolling resistance
measurement
drum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016076608A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017187393A (ja
Inventor
千帆 佐藤
千帆 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2016076608A priority Critical patent/JP6558857B2/ja
Publication of JP2017187393A publication Critical patent/JP2017187393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6558857B2 publication Critical patent/JP6558857B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

この発明は、温度上昇中における各温度での転がり抵抗を測定する転がり抵抗測定方法および装置に関する。
従来の転がり抵抗測定方法および装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開2014−002079号公報
このものは、測定タイヤをドラムに所定荷重で押付ける油圧シリンダと、前記ドラムを回転させることで測定タイヤをドラム上で高速走行させるモータと、前記タイヤの転がり抵抗の基礎量(タイヤの回転軸に作用する垂直方向の力)を検出する多分力検出器とを備え、前記検出した力を基にタイヤの転がり抵抗を測定するものである。そして、前述のような転がり抵抗は、前記タイヤが乗用車用である場合には、JIS D 4234:2009 において、25℃の温度環境下においてタイヤに試験荷重を負荷しながら時速80kmで慣らし運転を30分間行うとともに、該慣らし運転が終了した時点において検出器により前記基礎量を検出することで測定すると、具体的に規定されている。このように JISの規定では、30分の慣らし運転終了時の安定した定常状態(タイヤ温度はある温度に収斂)での転がり抵抗を測定しているため、1個のタイヤに対して1つの転がり抵抗値しか存在しないのである。
しかしながら、熱帯地方、寒帯地方において走行する場合や走行開始直後のように、前述した定常状態での温度と異なる温度でのタイヤの転がり抵抗に関しては、経験的なもの、即ち低温の温度環境では転がり抵抗が高くなり、高温の温度環境では転がり抵抗が低くなる傾向があるといったことしか知られていなかった。このため、本発明者は、前述のような異なる温度環境でのタイヤの転がり抵抗を具体的に測定し、その転がり抵抗値を勘案しながらタイヤの設計を行えばタイヤ性能をより向上させることができると考え、鋭意研究を行った。
この発明は、異なる温度でのタイヤの転がり抵抗を測定することができる転がり抵抗測定方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、所定の温度環境下においてトレッド踏面Uに凹みが形成された測定タイヤTをドラムに所定荷重を負荷しながら押付ける工程と、前記ドラムの回転により高速走行することで徐々に温度が上昇している前記測定タイヤTの凹み底壁における温度を放射温度計により繰返し計測するとともに、前記測定タイヤTの転がり抵抗の基礎量を基礎量検出手段により検出する工程とを備え、前記計測した温度と検出した基礎量を基に各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を測定するようにした転がり抵抗測定方法により、達成することができる。
第2に、所定の温度環境下においてトレッド踏面Uに凹みが形成された測定タイヤTをドラムに所定荷重を負荷しながら押付ける押付け手段と、前記ドラムを回転させることで測定タイヤTを高速走行させ、該測定タイヤTの温度を徐々に上昇させる回転手段と、温度が徐々に上昇している測定タイヤTの凹み底壁における温度を繰返し計測する放射温度計と、前記測定タイヤの転がり抵抗の基礎量を検出する基礎量検出手段とを備え、前記計測した温度と検出した基礎量を基に各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を測定するようにした転がり抵抗測定装置により、達成することができる。
この発明においては、トレッド踏面Uに凹みが形成された測定タイヤTを所定の温度環境下においてドラムに押付け走行させることで、該測定タイヤTの温度を徐々に上昇させながら、前記凹み底壁における温度を放射温度計によって繰り返し計測するとともに、測定タイヤTの転がり抵抗の基礎量を基礎量検出手段によって検出するようにしたので、温度上昇中の各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を簡単に測定することができ、この結果、各温度での転がり抵抗値を勘案しながらタイヤの設計を行うようにすれば、タイヤ性能を容易に向上させることができる。そして、このような効果は、請求項8に記載の装置を用いれば容易に達成することができる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、特に転がり抵抗値が大である低温の温度環境でのタイヤの性能向上に有効である。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、測定タイヤの適正な温度を計測することができる。また、請求項4に記載のように構成すれば、周囲温度の影響を減少させることができ、測定タイヤの適正な温度を計測することができる。さらに、請求項5に記載のように構成すれば、測定タイヤ温度の計測精度を容易に向上させることができる。また、請求項6に記載のように構成すれば、走行時における外気の流れの影響を低減させながら、測定タイヤの温度計測を容易とすることができる。さらに、請求項7に記載のように構成すれば、温度が変化する広溝から温度の測定箇所を離隔させることができ、測定タイヤの温度の計測精度を向上させることができる。
この発明の実施形態1を示す概略正面断面図である。 測定タイヤの右半分を示す平面図である。 図2のI−I矢視断面図である。 図2のII−II矢視断面図である。 転がり抵抗と穴底壁の温度との関係を示すグラフである。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11は測定タイヤT、例えば、乗用車用あるいはバス・トラック用空気入りタイヤの転がり抵抗を測定する際に使用する測定棟であり、この測定棟11内で該測定棟11の床面12上には平坦な基台13が設置されている。14は基台13上に設置された支持台であり、この支持台14の上端部には円筒状を呈するドラム15が左右方向に延びる水平な軸線回りに回転可能に支持されている。前記ドラム15は支持台14に取り付けられた回転手段としての駆動モータ16に連結されており、この駆動モータ16が作動して該駆動モータ16からドラム15に回転駆動力が付与されると、前記ドラム15は自身の軸線回りに所定の周速度で回転する。17は支持台14より前方の基台13上に敷設された前後方向に延びる複数のガイドレールであり、これらのガイドレール17にはスライド台18が摺動可能に係合し、これにより、該スライド台18はガイドレール17にガイドされながら該ガイドレール17の延在方向、ここでは前後方向に移動することができる。
21は前記測定棟11内に設置された温度調節手段であり、この温度調節手段21は測定棟11内の気温、ドラム15の温度、その他基台13、スライド台18等の温度が所定の温度となるよう制御することで、前記測定タイヤTの周囲の温度が所定の温度環境下に保持されるよう調節する。この実施形態においては、前記温度調節手段21によって測定棟11内の気温、ドラム15の温度等の温度環境を常温( JISでは25℃)より低温の一定温度に保持しているが、この発明においては、前述した JISで規定されている25℃に保持したり、常温より高温の一定温度に保持するようにしてもよい。22はドラム15より前方において前記スライド台18の上面に立設された上下方向に延びる支持枠であり、この支持枠22の上端部には所定のリム(試験リム)Rに装着されるとともに、試験空気圧が充填された前記測定タイヤTが回転可能に支持されている。ここで、前記測定タイヤTも前述の温度環境と同様に、ドラム15に押付けられる前に、図示していない冷凍庫等の冷却手段により冷却され常温より低温(前記温度環境と同一温度)となっている。なお、温度環境が前述のように25℃あるいは常温より高温であるときには、測定タイヤTも前記温度と同一の温度とすることが好ましい。そして、前記測定タイヤTの回転軸とドラム15の軸線とは同一高さに位置している。
25は前記基台13より前方の床面12にブラケット26を介して固定された前後方向に延びる押付け手段としての流体シリンダであり、この流体シリンダ25のピストンロッド27の先端(後端)は前記スライド台18に連結されている。この結果、前記流体シリンダ25が作動してピストンロッド27が突出すると、スライド台18はガイドレール17にガイドされながら測定タイヤTのトレッド踏面Uがドラム15の外周に当接するまで後方に移動し、これにより、該測定タイヤTは所定荷重(試験荷重)が負荷されながらドラム15に押し付けられる。ここで、前述の試験荷重、試験リム、試験空気圧とは、いずれもJIS D 4234:2009 において規定されている荷重、リム、空気圧のことである。そして、前述のように測定タイヤTのトレッド踏面Uがドラム15の外周に押付けられているとき、駆動モータ16の作動によりドラム15が回転すると、該測定タイヤTはドラム15から回転駆動力を受けてドラム15の軸線と平行な回転軸回りに回転し、高速で(例えば、 JISの規定と同一の時速80km)で走行する。
このとき、測定タイヤTのゴムはドラム15と接触する接地域がドラム15の外周に沿って繰り返し変形するため、エネルギーロスにより発熱してその温度が回転開始時の低温から経過時間にほぼ正比例して徐々に上昇する。ここで、測定タイヤTの転がり抵抗に関してはゴム変形がかなり大きく寄与しているため、ゴムの量が多く、しかも、接地時に大きく変形するトレッドQの温度を計測すればよい。また、トレッドQの温度計測箇所としては、トレッド踏面(外表面)U、トレッドQの内部、および、トレッドQの内表面(測定タイヤT内の気体)があるが、トレッド踏面Uは周囲の気温(温度環境)の影響を強く受け、また、トレッドQの内面は測定タイヤT内にこもる熱により高温となった気体の影響を強く受けるため、不適当であり、トレッドQの内部が温度計測箇所として最も適切である。
このため、この実施形態では、測定タイヤTのトレッド踏面Uに形成された凹みの底壁(トレッドQの内部に相当)、具体的には中心軸が半径方向に延び円柱状を呈する独立した穴30の底壁31の温度を計測することで、トレッドQの内部の温度を計測している。このように凹みを中心軸が半径方向に延びる円柱状の穴30から構成することが好ましい。その理由は、測定タイヤTの走行時における外気の流れによる影響が強力に低減されて温度計測の精度が向上するとともに、計測面積が広くなることで温度計測が容易となるからである。また、前記凹みを、温度の計測対象である底壁の面積を広くするために、トレッド踏面Uに形成されるとともに周方向に連続して延び、最も広幅である主溝32から構成、あるいは、トレッド踏面Uに形成されるとともに幅方向に延び、空気量の流れの影響が小さな横溝33から構成することもできる。
そして、これら主溝32、横溝33の底壁から立ち上がった遮断壁に囲まれている空間を主溝32、横溝33内に形成、例えば図4に示すような、横溝33の底壁から半径方向外側に突出した複数の突出壁34間に位置する空間34aを該横溝33内に形成し、該空間34aの底壁の温度を計測するようにした場合には、空気流の影響がかなり低減されるため、問題なく用いることができる。このように主溝32、横溝33の底壁を温度計測に用いるようにすれば、前述のような穴30を特別に形成する必要がなくなるため、タイヤの製造作業が容易となる。また、この発明においては、前記穴は四角柱状、楕円柱状等であってもよい。さらに、前述のように温度を計測する底壁は、湾曲したものより平坦なものが、計測精度を向上させる観点から、好ましい。
35は支持枠22より前方のスライド台18に立設された上下方向に延びる支持ポストであり、この支持ポスト35の上端部には測定タイヤTに形成された穴30の底壁31の温度を非接触で計測する放射温度計としてのサーモビジョン(サーモグラフィー)36が固定され、このサーモビジョン36は、高速回転することで温度が徐々に上昇している測定タイヤTのトレッド踏面Uに形成された穴30の底壁31における温度を繰り返し計測し、この計測結果を測定棟11内に設置された制御部37に出力する。ここで、前記サーモビジョン36によりトレッド踏面Uを連続的に撮像するとともに、その撮像画像から穴30を測定タイヤTの1回転毎に繰り返しピックアップして底壁31の温度を断続的に計測するようにしてもよく、あるいは、測定タイヤTの回転により穴30がサーモビジョン36の視野に入る度にサーモビジョン36によってトレッド踏面Uを繰り返し撮像し、その撮像画像から底壁31の温度を断続的に計測するようにしてもよい。また、この発明においては、前述のように25℃の温度環境下、あるいは、常温より高温における温度環境下において、温度上昇中における測定タイヤTの凹み底壁における温度を繰り返し計測するようにしてもよい。さらに、前記サーモビジョン36により突出壁34間に位置する空間34aの底壁における温度も同様に計測し、その計測結果を制御部37に出力する。
39は前記駆動モータ16に取り付けられた基礎量検出手段としてのトルク検出器であり、このトルク検出器39は測定タイヤTの転がり抵抗の基礎量、ここではドラム15を駆動するトルクを次々と検出し、その検出結果を前記制御部37に出力する。そして、トルク検出器39から検出結果(トルク)が制御部37に出力されると、該制御部37は前記検出結果をドラム15の半径で除する演算を行い、前述のように温度が徐々に上昇している測定タイヤTの転がり抵抗を次々と求める。このとき、上昇中の測定タイヤTの温度は前述のようにサーモビジョン36によって次々に計測されているので、サーモビジョン36が計測した温度とトルク検出器39が検出した転がり抵抗の基礎量とを基にすれば、上昇中の各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を容易に測定することができる。なお、前述の基礎量検出手段として、測定タイヤTの回転軸に作用する垂直方向の力を検出する分力計、または、測定タイヤTの回転の減速度を検出する回転検出器、あるいは、ドラム駆動モータで消費されるパワーを検出するパワー検出器を用いるようにしてもよい。
このようにトレッド踏面Uに凹みとしての穴30、空間34aが形成された測定タイヤTを所定の温度環境下においてドラム15に押付け走行させることで、該測定タイヤTの温度を徐々に上昇させながら前記凹み(穴30、空間34a)の底壁31における温度を放射温度計(サーモビジョン36)によって検出するとともに、測定タイヤTの転がり抵抗の基礎量を基礎量検出手段(トルク検出器39)により検出するようにしたので、温度上昇中の各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を簡単に測定することができ、この結果、各温度での転がり抵抗値を勘案しながらタイヤの設計を行うようにすれば、タイヤ性能を容易に向上させることができる。なお、前述した転がり抵抗の値を試験荷重の値で除算することで、転がり抵抗係数RRCを求めることができ、このようにRRCを求めれば、種類、使用状態の異なるタイヤ間での比較評価を容易に行うことができる。
そして、この実施形態のように、測定タイヤTをドラム15に押し付ける前に冷却して常温より低温とするとともに、前記所定の温度環境を常温より低温とした状態から転がり抵抗の測定を開始した理由は、ドラム15と接触している測定タイヤTの接地域における変形量は測定タイヤTに負荷されている荷重とベルト層Bの剛性により決定されたほぼ一定量であるが、計測時における測定タイヤTの温度が常温より低温であると、該測定タイヤTのゴムの硬度が常温時より高くなって繰り返しの変形により生じるエネルギーロスが大きくなり、この結果、特に、低温では転がり抵抗値が大となるが、この状態において測定タイヤTの温度と転がり抵抗の関係を究明することができれば、タイヤ性能の向上に大きく寄与することができ有効だからである。
ここで、前述した凹みとしての穴30は、タイヤ赤道S近傍のトレッドセンター部Cではなく、測定タイヤTのトレッド端E近傍に位置するショルダー部Hに配置することが好ましい。その理由は、タイヤ赤道S近傍のトレッドセンターCよりショルダー部Hの方がゴム量が多く、しかも、ショルダー部Hはベルト層Bの幅方向外端に生じる発熱の影響を受けるため、測定タイヤTの適正な温度を計測することができるからである。そして、前記穴30は、トレッド踏面Uに形成された広幅の溝、例えば、主溝32、横溝33から離隔した位置に配置し、これにより、溝内を空気が流れることで温度が変化する広溝から温度の計測箇所(凹み)を離隔させ、測定タイヤTの温度の計測精度を向上させることが好ましい。
また、前記トレッド踏面Uから底壁31までの穴30の深さDは、トレッド踏面Uからベルト層Bの半径方向外側面までの半径方向距離をLとしたとき、前記半径方向距離Lの0.20〜0.80倍の範囲内とすることが好ましい。その理由は、後述する試験例2の結果から明らかなように、深さDが半径方向距離Lの0.20倍未満の場合には、トレッドQとドラム15との間で熱が移動して底壁31の温度がドラム15の温度に近付き、一方、0.80倍を超える場合には、トレッドQと測定タイヤT内の気体との間で熱が移動して底壁31の温度が気体の温度に近付くが、前述の範囲内であれば、周囲温度(ドラム15および測定タイヤT内の気体)の影響を減少させることができ、測定タイヤTの適正な温度を計測することができるからである。さらに、この実施形態では、前記穴30をトレッドQの踏面に複数、ここでは幅方向に離して3個形成するとともに、これら穴30の深さDを互いに異なる値としている。このようにすれば、これら複数の穴30の底壁31における計測温度の平均を求めることで、測定タイヤTの温度の計測精度を容易に向上させることができる。なお、前記穴は測定タイヤTの周方向に離して複数形成してもよい。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
今、測定棟11内の気温、ドラム15の温度は温度調節手段21によって常温より低温の所定の温度環境に保持されているとする。次に、冷却手段により冷却され常温より低温(通常、前記測定棟11内の気温と同一であるが、異なる温度でもよい)となった測定タイヤTをドラム15の前方まで搬送した後、試験リムであるリムRに装着するとともに、該測定タイヤTの内部に試験空気圧の気体を充填する。次に、流体シリンダ25を作動してピストンロッド27を突出することで、測定タイヤT、スライド台18を一体的にドラム15に向かって該測定タイヤTがドラム15に当接するまで後方に移動する。そして、測定タイヤTがドラム15に所定荷重(試験荷重)が負荷された状態で押し付けられると、測定タイヤTの移動を停止する。
次に、駆動モータ16を作動してドラム15を所定の周速度で回転させると、該ドラム15の回転駆動力が該ドラム15に押し付けられている測定タイヤTに伝達され、これにより、測定タイヤTは該ドラム15上を転動しながら高速で(例えば、80kmで)走行する。なお、この発明においては、駆動モータ16によりドラム15を低速回転させた後、測定タイヤTをドラム15に押付けて高速走行ではなく低速で走行させ、その後、ドラム15を所定の周速度で回転させることにより、測定タイヤTをドラム15によって高速走行させるようにしてもよい。そして、測定タイヤTが高速走行するようになると、接地時のエネルギーロスにより測定タイヤTの温度が徐々に上昇するが、このとき、サーモビジョン36により測定タイヤTのトレッド踏面Uに形成された穴30、空間34aの底壁31における温度を繰り返し計測し、その計測結果を制御部37に出力する。このとき、トルク検出器39は測定タイヤTの転がり抵抗の基礎量であるドラム15の駆動トルクを次々に検出し、その検出結果を制御部37に出力する。このようにトルク検出器39から制御部37に検出結果が出力されると、該制御部37は前記検出結果を基に演算を行い、温度が徐々に上昇している測定タイヤTの転がり抵抗を次々に求める。
このように測定タイヤTの上昇中の温度はサーモビジョン36によって次々に計測され、一方、測定タイヤTの転がり抵抗はトルク検出器39が検出した転がり抵抗の基礎量(トルク)を基に求めることができるので、変化した温度の範囲内におけるいずれの温度での転がり抵抗も容易に測定することができる。このようにして測定された各温度での転がり抵抗値をタイヤの設計に生かせば、高性能のタイヤを容易に得ることができる。なお、前述のような測定タイヤでの転がり抵抗測定の前段階で、ダミータイヤを用いて前述と同一条件下で測定を行うことなく慣らし運転を行い、装置全体を安定状態として計測精度、測定精度を向上させるようにしてもよい。また、前述の実施形態では測定棟11内で温度および転がり抵抗の基礎量を検出するようにしたが、自動車に装着した測定タイヤの温度および転がり抵抗の基礎量を、該自動車に設置された放射温度計、基礎量検出手段により検出するようにしてもよい。
次に、試験例1について説明する。この試験に当たっては、10℃の温度環境下において、サイズが195/65R15で 0℃まで冷却された測定タイヤを6J×15の試験リムに装着し 200kPaの試験空気圧を充填した後、該測定タイヤを4.82kNの試験荷重を負荷しながらドラム外周に押し付けた。その後、ドラムを回転させて測定タイヤを時速80kmで走行させるとともに、トルク検出器によりドラムの駆動トルクを検出して制御部に出力する一方、サーモビジョンにより前記測定タイヤのトレッド踏面に形成された直径 5mm、深さ 5mm(前記半径方向距離Lの0.50倍)の穴の底壁温度を30秒毎に30分繰り返し計測してその結果を制御部に出力した。そして、前記制御部において底壁温度の計測時における測定タイヤの転がり抵抗を求めることで、各温度での転がり抵抗を測定した。その結果を図5に示す。この図5から、測定開始から時間が経過して測定タイヤの温度が上昇するに従い、転がり抵抗が温度にほぼ反比例して低下していることが理解される。なお、 0℃近辺での転がり抵抗の値は測定開始直後であるため、装置全体の動きが不安定となり、また、測定開始後のタイヤ回転による急激な温度上昇に起因して、このような値となった可能性がある。
次に、試験例2について説明する。この試験に当たっては、穴の深さDを前記半径方向距離Lで除したD/Lの値が0.15である実施タイヤ1と、D/Lの値が0.18である実施タイヤ2と、D/Lの値が0.20である実施タイヤ3と、D/Lの値が0.50である実施タイヤ4と、D/Lの値が0.80である実施タイヤ5と、D/Lの値が0.82である実施タイヤ6と、D/Lの値が0.98である実施タイヤ7とを準備した。ここで、試験の他の諸元は前記実施例1と同一である。次に、試験例1と同一条件で各タイヤの穴底壁の温度を検出するとともに、実施タイヤ4における穴底壁の温度と他の実施タイヤにおける穴底壁の温度との差(℃)を求めた。その結果を以下の表1に示すが、実施タイヤ1、2、6、7における穴の底壁温度は、前述した理由によって実施タイヤ3〜5における穴底壁温度からある程度ずれている。このようなことから前記深さDは半径方向距離Lの0.20〜0.80倍の範囲内とすることが好ましい。
Figure 0006558857
この発明は、測定タイヤの温度上昇中における各温度での転がり抵抗を測定する産業分野に適用できる。
15…ドラム 30…凹み
31…底壁 32、33…溝
36…放射温度計 39…基礎量検出手段

Claims (8)

  1. 所定の温度環境下においてトレッド踏面Uに凹みが形成された測定タイヤTをドラムに所定荷重を負荷しながら押付ける工程と、前記ドラムの回転により高速走行することで徐々に温度が上昇している前記測定タイヤTの凹み底壁における温度を放射温度計により繰返し計測するとともに、前記測定タイヤTの転がり抵抗の基礎量を基礎量検出手段により検出する工程とを備え、前記計測した温度と検出した基礎量を基に各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を測定するようにしたことを特徴とする転がり抵抗測定方法。
  2. 前記測定タイヤTをドラムに押付ける前に冷却して常温より低温とするとともに、前記所定の温度環境を常温より低温とした請求項1記載の転がり抵抗測定方法。
  3. 前記凹みをショルダー部Hに配置した請求項1または2記載の転がり抵抗測定方法。
  4. 前記凹みの深さDは、トレッド踏面Uからベルト層Bまでの半径方向距離Lの0.20〜0.80倍の範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり抵抗測定方法。
  5. 前記凹みをトレッド踏面Uに複数形成するとともに、これら凹みの深さDを互いに異なる値とした請求項4記載の転がり抵抗測定方法。
  6. 前記凹みは中心軸が半径方向に延びた円柱状の穴である請求項1〜5のいずれか一項に記載の転がり抵抗測定方法。
  7. 前記穴はトレッド踏面Uに形成された広幅の溝から離隔した位置に配置されている請求項6記載の転がり抵抗測定方法。
  8. 所定の温度環境下においてトレッド踏面Uに凹みが形成された測定タイヤTをドラムに所定荷重を負荷しながら押付ける押付け手段と、前記ドラムを回転させることで測定タイヤTを高速走行させ、該測定タイヤTの温度を徐々に上昇させる回転手段と、温度が徐々に上昇している測定タイヤTの凹み底壁における温度を繰返し計測する放射温度計と、前記測定タイヤの転がり抵抗の基礎量を検出する基礎量検出手段とを備え、前記計測した温度と検出した基礎量を基に各温度での測定タイヤTの転がり抵抗を測定するようにしたことを特徴とする転がり抵抗測定装置。
JP2016076608A 2016-04-06 2016-04-06 転がり抵抗測定方法および装置 Active JP6558857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076608A JP6558857B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 転がり抵抗測定方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076608A JP6558857B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 転がり抵抗測定方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017187393A JP2017187393A (ja) 2017-10-12
JP6558857B2 true JP6558857B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=60044864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016076608A Active JP6558857B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 転がり抵抗測定方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6558857B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6682586B2 (ja) * 2018-09-13 2020-04-15 東芝エレベータ株式会社 発熱監視装置
JP7454370B2 (ja) 2019-12-19 2024-03-22 株式会社ブリヂストン 転がり抵抗係数推定方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04331347A (ja) * 1991-05-03 1992-11-19 Horiba Ltd シャシダイナモメータ装置
JP2001208618A (ja) * 2000-01-27 2001-08-03 Bridgestone Corp タイヤの内部温度測定方法及びタイヤの内部温度測定装置
JP4357074B2 (ja) * 2000-03-17 2009-11-04 株式会社ブリヂストン タイヤの摩耗予測方法及びタイヤの摩耗予測装置
JP4826443B2 (ja) * 2006-11-22 2011-11-30 横浜ゴム株式会社 タイヤ室内走行試験機の調整方法
JP6006067B2 (ja) * 2012-09-26 2016-10-12 住友ゴム工業株式会社 タイヤ性能測定装置
US9032789B2 (en) * 2013-04-19 2015-05-19 Snap-On Equipment Srl A Unico Socio Automotive shop service apparatus having a means for determining the rolling resistance coefficient of a tyre
JP6412437B2 (ja) * 2014-05-12 2018-10-24 株式会社神戸製鋼所 タイヤの転がり抵抗予測手法およびタイヤの転がり抵抗予測装置
JP6366137B2 (ja) * 2014-10-03 2018-08-01 住友ゴム工業株式会社 タイヤの転がり抵抗の評価用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017187393A (ja) 2017-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6265411B2 (ja) 車両重量および重心推定システムおよび方法
TWI557402B (zh) Rolling resistance prediction method of tire and rolling resistance prediction device of tire
JP5887224B2 (ja) タイヤの接地特性の測定方法及び測定装置
JP5114997B2 (ja) タイヤ試験装置およびタイヤ試験方法
JP6558857B2 (ja) 転がり抵抗測定方法および装置
CN111433054A (zh) 用于监测车辆行驶期间与轮胎相关的参数的方法和系统
US20150375576A1 (en) Tire Based Method and Device for Measuring Running Surface Strength
CN107860503A (zh) 一种汽车用平板反力式制动检验装置
JP2007003218A (ja) タイヤ特性測定装置及びタイヤ特性測定方法
JP6363920B2 (ja) タイヤのハイドロプレーニング性能評価方法
KR102300983B1 (ko) 타이어의 동부하 반경의 산출 장치 및 산출 방법
JP5462723B2 (ja) タイヤの氷上制動性能の評価方法
JP6673739B2 (ja) タイヤの転がり抵抗の評価装置及び評価方法
JP2006281931A (ja) タイヤの前後力検出方法、及びそれに用いるタイヤの前後力検出装置
JP6468651B2 (ja) タイヤ性能値の推定方法
JP6743533B2 (ja) タイヤの試験方法
JP6288762B2 (ja) タイヤブロックの摩耗の予測方法
US3467160A (en) Tire having sub-tires integral with its sidewalls
JP6922270B2 (ja) タイヤの性能評価方法
JP5794931B2 (ja) タイヤの評価方法
JP2019211316A (ja) タイヤの転がり抵抗の試験方法
JP2023025553A (ja) タイヤの測定装置及びタイヤの測定方法
CN214793023U (zh) 一种用于车胎胎纹深度检测的装置
JP2017056872A (ja) ブレーキパッドの摩擦係数検出装置
JP2017150897A (ja) コーナリング性能評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181220

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190604

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6558857

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250