JP5177715B2 - バルブタイミング調整装置およびその組立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉するバルブタイミングを変更するためのバルブタイミング調整装置、及び、その組立方法に関する。
従来、内燃機関のクランクシャフトと同期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉を行うベーン式のバルブタイミング調整装置が知られている。ベーン式のバルブタイミング調整装置では、ベーン部を有するベーンロータが、ベーンロータを回動可能に収容するハウジング部材と軸方向両端面で摺動する。ベーン部の回転方向の一方側には進角油圧室が形成され、ベーン部の回転方向の他方側には遅角油圧室が形成される。
ここで、ベーンロータとハウジング部材との間の摺動クリアランスが大きいと、この摺動クリアランスを経由して進角油圧室と遅角油圧室との間で圧油が漏れる「内部漏れ」が生じる場合がある。内部漏れが生じると、オイルポンプから供給される圧油が、バルブタイミング調整のために有効に使われなくなる。したがって、オイルポンプのエネルギー効率が低下し、またバルブ開閉タイミングによる位相制御の精度が低下する。
摺動クリアランスには、ベーンロータ外周とハウジング部材内周との間に生ずるラジアルクリアランスと、ベーンロータ端面とハウジング部材端面との間に生ずるスラストクリアランスとがある。ラジアルクリアランスからの漏れに対しては、実施形態の中で示す「シール部材7」および「板ばね8」が従来から使用されている。
一方、スラストクリアランスによる内部漏れを低減する技術として、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、凸状の弾性部を有するシール薄板がベーンロータとギアとの間に介装される。このシール薄板は、弾性部がベーンロータの端面に当接し、さらに、シール薄板の表裏に生じる圧力差を利用してシール薄板がベーンに押し付けられることで、圧油の内部漏れを防いでいる。
特開平11−62524号公報
特許文献1の構成においてシール薄板の弾性部による内部漏れシール機能を発揮させるためには、スラストクリアランスを一定の範囲内に管理する必要がある。スラストクリアランスは、ベーンロータを収容するシューハウジングの収容室の深さとベーンロータの厚さとの差である。したがって、バルブタイミング調整装置の個体毎のばらつきを抑えるため、シューハウジングの開口面加工およびベーンロータの端面加工において、平面度、平行度の確保に加え、寸法精度を確保するための精密加工がさらに必要となる。よって、製造工数が増大する。
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、内部漏れシール性を確保するとともに、スラストクリアランスに関する寸法精度を確保するための製造工数を低減するバルブタイミング調整装置、及び、その組立方法を提供する。
請求項1〜6に記載の発明は、駆動軸から従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉するバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置に係る発明である。
請求項1に記載のバルブタイミング調整装置は、第1ハウジング、ベーンロータ、内設調整ユニット、シールプレートおよび第2ハウジングを備える。
第1ハウジングは、駆動軸または従動軸の一方とともに回転し、収容室が開口する開口面を有するカップ状を呈する。
ベーンロータは、第1ハウジングの内底面に摺動可能に収容室に収容され、駆動軸または従動軸の他方とともに回転する。ベーンロータは、第1ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部を有し、ベーン部の回転方向の一方側に進角油圧室が形成され、ベーン部の回転方向の他方側に遅角油圧室が形成される。また、ベーンロータは、内底面と反対側の端面である基準端面が開口面に対し内底面側に位置する。
内設調整ユニットは、1枚以上の内設調整プレートが積層されて構成され、ベーンロータの基準端面に摺動可能に当接する。
シールプレートは、内設調整ユニットの開口面側の端面に当接する板厚方向に弾性変形可能な弾性凸部を有し、内底面にベーンロータおよび内設調整ユニットを押圧する。
第2ハウジングは、収容室の開口を塞ぐように第1ハウジングに固定される。
ここで、内設調整ユニットは、第1ハウジングの開口面と内設調整ユニットの開口面側の端面との距離であるスラストクリアランスが最小となるように設定される枚数の内設調整プレートから構成される。
これにより、バルブタイミング調整装置の個体毎に、収容室の深さからベーンロータの厚さを差し引いた値に応じて、1枚以上の内設調整プレートから構成される内設調整ユニットをベーンロータの基準端面に当接して設け、スラストクリアランスを調整することができる。
したがって、スラスト方向の寸法ばらつきを抑えるための精密加工が必要でなくなり、製造工数を低減することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
さらに、シールプレートの弾性凸部が内設調整ユニットの端面に当接し、内設調整ユニットがベーンロータの基準端面に当接することで、内部漏れシール性の確保に有利となる。
請求項2に記載の発明によると、シールプレートは、弾性凸部の径方向外側に耳部を有し、当該耳部が第1ハウジングと第2ハウジングとに挟持固定される。
これにより、シールプレートを第1ハウジングに固定する構成と、第2ハウジングを第1ハウジングに固定する構成とを共通にすることができ、製造工数をさらに低減することができる。
請求項3に記載の発明によると、内設調整ユニットは、厚さが1種類の内設調整プレートから構成されるため、部品の種類を少なくすることができ、部品管理が容易となる。
請求項4に記載の発明によると、内設調整ユニットは、厚さの異なる2種類以上の内設調整プレートを組み合わせて構成されるため、スラストクリアランスの微調整に有利である。
請求項5に記載の発明によると、シールプレートは、弾性凸部の自由高さが内設調整プレートの最小厚さ以上である。請求項3に記載の発明を引用する場合は、1種類の厚さが最小厚さに相当する。
シールプレートの弾性凸部の自由高さは、内設調整プレートの厚さ以上である。請求項1において内設調整プレートの枚数はスラストクリアランスを最小とするように設定されるため、スラストクリアランスは内設調整プレートの最小厚さよりも小さい。故に、自由高さはスラストクリアランスより大きい。これにより、スラストクリアランスがばらつきの最大値付近の値となる場合でも、弾性凸部は確実に内設調整ユニットの端面に当接して圧縮される。よって、シールプレートの弾性力により内部漏れシール性を確保することができる。
請求項6に記載の発明によると、シールプレートは、進角油圧室あるいは遅角油圧室のいずれか一方と、シールプレートと第2ハウジングとの間に形成される圧力室とを連通する圧油導入路を有する。
シールプレートが圧油導入路を有することで、圧力室に圧油が導入される。そのため、シールプレートの表裏に生じる圧力差によって、シールプレートが調整ユニット側に押圧され、内部漏れシール性をより向上させることができる。
その結果、オイルポンプのエネルギー効率が向上する。また、ベーンロータの相対回動の位相を高精度に制御でき、所望のバルブタイミングを高精度に得ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置の組立方法に係る発明である。この組立方法は以下の工程を含む。
<1>第1ハウジングの収容室にベーンロータを収容する工程。
<2>バルブタイミング調整装置の個体毎に、ベーンロータの基準端面と第1ハウジングの開口面との距離であるマイナスギャップを測定し、マイナスギャップに応じて内設調整ユニットを構成する内設調整プレートの枚数を設定する工程。
<3>設定された内設調整プレートの枚数に基づいて内設調整ユニットをベーンロータの基準端面に当接させつつ収容室に収容する工程。
<4>シールプレートの弾性凸部を内設調整ユニットの開口面側の端面に当接させる工程。
<5>第2ハウジングを第1ハウジングに固定する工程。
これにより、請求項1〜6に記載のバルブタイミング調整装置を具体的に組み立てることができる。
請求項8〜14に記載の発明は、課題を解決する手段が請求項1〜7に記載の発明と対応する。
すなわち、請求項1〜7に係るバルブタイミング調整装置およびその組立方法では、ベーンロータの基準端面が開口面に対し「内底面側」に位置する。そして、スラストクリアランスを調整するための「内設調整ユニット」が設けられる。
それに対し、請求項8〜14に係るバルブタイミング調整装置およびその組立方法では、ベーンロータの基準端面が開口面に対し「内底面と反対側」に位置する。そして、スラストクリアランスを調整するための「外設調整ユニット」が設けられる。
請求項8〜13に記載の発明は、バルブタイミング調整装置に係る発明である。
請求項8に記載のバルブタイミング調整装置は、第1ハウジング、ベーンロータ、外設調整ユニット、シールプレートおよび第2ハウジングを備える。
第1ハウジングは、駆動軸または従動軸の一方とともに回転し、収容室が開口する開口面を有するカップ状を呈する。
ベーンロータは、第1ハウジングの内底面に摺動可能に収容室に収容され、駆動軸または従動軸の他方とともに回転する。ベーンロータは、第1ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部を有し、ベーン部の回転方向の一方側に進角油圧室が形成され、ベーン部の回転方向の他方側に遅角油圧室が形成される。また、ベーンロータは、内底面と反対側の端面である基準端面が開口面に対し内底面と反対側に位置する。
外設調整ユニットは、1枚以上の外設調整プレートが積層されて構成され、ベーンロータの径方向外側で開口面に当接する。
シールプレートは、ベーンロータの基準端面に摺動可能に当接する板厚方向に弾性変形可能な弾性凸部を有し、内底面にベーンロータを押圧する。
第2ハウジングは、収容室の開口を塞ぐように第1ハウジングおよび外設調整ユニットに固定される。
ここで、外設調整ユニットは、外設調整ユニットのシールプレート側の端面とベーンロータの基準端面との距離であるスラストクリアランスが最小となるように設定される枚数の外設調整プレートから構成される。
これにより、バルブタイミング調整装置の個体毎に、ベーンロータの厚さから収容室の深さを差し引いた値に応じて、1枚以上の外設調整プレートから構成される外設調整ユニットを開口面に当接して設け、スラストクリアランスを調整することができる。
したがって、スラスト方向の寸法ばらつきを抑えるための精密加工が必要でなくなり、製造工数を低減することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
さらに、シールプレートの弾性凸部がベーンロータの基準端面に当接することで、内部漏れシール性の確保に有利となる。
請求項9に記載の発明によると、シールプレートは、弾性凸部の径方向外側に耳部を有し、当該耳部が外設調整ユニットと第2ハウジングとに挟持固定される。
これにより、シールプレートを第1ハウジングおよび外設調整ユニットに固定する構成と、第2ハウジングを第1ハウジングおよび外設調整ユニットに固定する構成とを共通にすることができ、製造工数をさらに低減することができる。
請求項10に記載の発明によると、外設調整ユニットは、厚さが1種類の外設調整プレートから構成されるため、部品の種類を少なくすることができ、部品管理が容易となる。
請求項11に記載の発明によると、外設調整ユニットは、厚さの異なる2種類以上の外設調整プレートを組み合わせて構成されるため、スラストクリアランスの微調整に有利である。
請求項12に記載の発明によると、シールプレートは、弾性凸部の自由高さが外設調整プレートの最小厚さ以上である。請求項10に記載の発明を引用する場合は、1種類の厚さが最小厚さに相当する。
シールプレートの弾性凸部の自由高さは、外設調整プレートの厚さ以上である。請求項8において外設調整プレートの枚数はスラストクリアランスを最小とするように設定されるため、スラストクリアランスは外設調整プレートの最小厚さよりも小さい。故に、自由高さはスラストクリアランスより大きい。これにより、スラストクリアランスがばらつきの最大値付近の値となる場合でも、弾性凸部は確実にベーンロータの基準端面に当接して圧縮される。よって、シールプレートの弾性力により内部漏れシール性を確保することができる。
請求項13に記載の発明については、請求項6に記載の発明と同様である。
請求項14に記載の発明は、請求項8〜13のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置の組立方法に係る発明である。この組立方法は以下の工程を含む。
<1>第1ハウジングの収容室にベーンロータを収容する工程。
<2>バルブタイミング調整装置の個体毎に、ベーンロータの基準端面と第1ハウジングの開口面との距離であるプラスギャップを測定し、プラスギャップに応じて外設調整ユニットを構成する外設調整プレートの枚数を設定する工程。
<3>設定された外設調整プレートの枚数に基づいて外設調整ユニットを開口面に当接させる工程。
<4>シールプレートの弾性凸部をベーンロータの基準端面に当接させる工程。
<5>第2ハウジングを第1ハウジングおよび外設調整ユニットに固定する工程。
これにより、請求項8〜13に記載のバルブタイミング調整装置を具体的に組み立てることができる。
本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置が適用される内燃機関を示す模式図である。 本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置の最遅角位置を示す図1のA−A断面図である。 本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置の最進角位置を示す図3に対応する断面図である。 図3のC−C断面の要部拡大断面図である。 図4のD−D断面の要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置の分解断面図である。 本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置の要部断面図である。 本発明の第1実施形態の内設調整プレートを示す平面図である。 本発明の第1実施形態のシールプレートを示す平面図である。 本発明の第1実施形態のシールプレートの拡大断面図である。 本発明の第2実施形態のバルブタイミング調整装置の要部断面図である。 本発明の第3実施形態のバルブタイミング調整装置の分解断面図である。 本発明の第3実施形態のバルブタイミング調整装置の要部断面図である。 本発明の第3実施形態の外設調整プレートを示す平面図である。 本発明の第3実施形態のシールプレートの拡大断面図である。 本発明の第4実施形態のバルブタイミング調整装置の要部断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。バルブタイミング調整装置99は、図2に示すように、内燃機関96の吸気弁90側に適用され、クランクシャフト97と所定の位相差で吸気弁90を開閉する装置である。
ギア1はカムシャフト2に同軸に設置されている。排気弁ギア91はカムシャフト92に、駆動軸ギア98はクランクシャフト97に、それぞれ同軸に固定されている。カムシャフト2は吸気弁90を開閉し、カムシャフト92は排気弁93を開閉する。チェーン95がギア1、排気弁ギア91および駆動軸ギア98に巻き掛けられて周回することにより、クランクシャフト97の駆動力がギア1および排気弁ギア91に伝達され、これらが同期して回転する。
クランクシャフト97は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸」に相当し、吸気弁90側のカムシャフト2は、特許請求の範囲に記載の「従動軸」に相当する。
まず、図1〜図6を参照して、バルブタイミング調整装置99の概略構成を説明する。
バルブタイミング調整装置99は、「ハウジング部材」としてのギア1およびシューハウジング3に対するベーンロータ9の相対回動位置が変化することによりバルブタイミングを調整する。ここで、「進角させる」とはバルブタイミングを早めることをいい、「遅角させる」とはバルブタイミングを遅らせることをいう。図3および図4における反時計回り方向が「進角方向」であり、時計回り方向が「遅角方向」である。また、対象物の進角方向の側を「進角側」といい、対象物の遅角方向の側を「遅角側」という。
ベーンロータ9がギア1およびシューハウジング3に対して相対回動する「所定角度範囲内」の上下限を「最進角位置」および「最遅角位置」という。図3は、最遅角位置での、ストッパピン70がストッパリング74に嵌合した状態の断面図であり、図4は、最進角位置での、ストッパピン70がストッパリング74から抜け出た状態の断面図である。なお、図1は、図3のB0−B1−B2−B3−B4−O−B5−B6−B7断面に対応する。また、図5、図6は、それぞれ、図3のC−C断面、図4のD−D断面を示す要部拡大断面図である。
次に、バルブタイミング調整装置99の構成を順に説明する。以下の説明では、図1の右側を「後ろ側」、図1の左側を「前側」と表す。
ギア1およびシューハウジング3は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第2ハウジング」および「第1ハウジング」に相当する。
ギア1は、クランクシャフト97から駆動力を伝達されて回動する。ギア1は、中央部に、カムシャフト2が嵌合する軸受穴1aを有する。ギア1は、また、最遅角位置でのストッパピン70の位置に対応する位置に有底のストッパリング穴1b、及び、ねじ14が螺合しうるタップ穴1cを有する。
シューハウジング3は、ギア1に当接する側が開口し、内側に収容室4を形成する有底の蓋状をなす。収容室4は、フロント部3e、シュー部3a、3b、3c、及び、中央壁部3dに囲まれた空間である。シュー部3a、3b、3cは、中央壁部3dを中心として3方向の径外方向に放射状に膨らんで設けられる。
シュー部3a、3b、3cのそれぞれの周方向の間には中央壁部3dが形成される。中央壁部3dの断面は、ベーンロータ9のロータボディ部9dに対応する円弧状をなす。
シュー部3a、3b、3cのそれぞれの内壁面の断面も円弧状をなす。また、シュー部3a、3b、3cのそれぞれの進角側および遅角側の壁は中央壁部3dとつながっている。シュー部3a、3b、3cは、それぞれベーンロータ9のベーン部9a、9b、9cを収容する。ここで、ベーン部9aのみ、ベーン部9b、9cよりも周方向の幅が大きく、最遅角位置でベーン部9aの遅角側の側面がシュー部3aの遅角側の内壁に当接し、最進角位置でベーン部9aの進角側の側面がシュー部3aの進角側の内壁に当接するように形成されている。一方、ベーン部9b、9cの遅角側の側面、進角側の側面は、いずれも最遅角位置、最進角位置でシュー部3b、3cの内壁に当接しない。
フロント部3eは、収容室4の前側に設けられる。フロント部3eの中央には、中央穴3fが貫通している。また、フロント部3eを取り囲み、シュー部3a、3b、3cのそれぞれの周方向の間に3ヶ所のねじ座部3gが設けられる。各ねじ座部3gには、ねじ穴3hが貫通している。
またフロント部3eには、最遅角位置でのストッパピン70の位置に対応して大気開放穴3iが貫通している。
ギア1とシューハウジング3には、図3、図4に破線で示す位置決め穴が互いに対応する位置に設けられる。また、後述するシールプレート50にも、対応する位置に位置決め切り欠き54a、位置決め穴54bが設けられる。
図示しないノックピンにより位置決めしてギア1とシューハウジング3の間にシールプレート50を挟み、3本のねじ14をねじ穴3hに通してタップ穴1cに締め込むことにより、ギア1とシューハウジング3とは同軸に締結される。
ベーンロータ9は、ロータボディ部9dとベーン部9a、9b、9cとからなり、収容室4に収容される。ロータボディ部9dはシューハウジング3の中央壁部3dに対応し、ベーン部9a、9b、9cはシュー部3a、3b、3cに対応する。ベーンロータ9がシューハウジング3に対して相対回動することにより、下記3組の遅角油圧室と進角油圧室とが形成される。
(a)シュー部3aとべーン部9aとロータボディ部9dとに囲まれる空間において、ベーン部9aの進角側の空間は遅角油圧室80を形成し、ベーン部9aの遅角側の空間は進角油圧室83を形成する。
(b)シュー部3bとべーン部9bとロータボディ部9dとに囲まれる空間において、ベーン部9bの進角側の空間は遅角油圧室81を形成し、ベーン部9bの遅角側の空間は進角油圧室84を形成する。
(c)シュー部3cとべーン部9cとロータボディ部9dとに囲まれる空間において、ベーン部9cの進角側の空間は遅角油圧室82を形成し、ベーン部9cの遅角側の空間は進角油圧室85を形成する。
これらの遅角油圧室80、81、82と進角油圧室83、84、85とは、それぞれ、ベーン部9a、9b、9cおよびロータボディ部9dによって区画されている。
ロータボディ部9dの外周部およびベーン部9a、9b、9cの外周部には、それぞれ、シューハウジング3の内壁面に面しラジアルクリアランスからの内部漏れを防止するためのシール部材7が、板ばね8に付勢される状態で設置される。一方、スラストクリアランスからの内部漏れシールに関する構成については後述する。
ベーンロータ9は、中央に貫通穴9eを有する。貫通穴9eの後ろ側のリアインロー部9fと貫通穴9eの前側のフロントインロー部9gとは、同軸精度良く形成される。
リアインロー部9fの内径にはカムシャフト2の先端部2aの外径が嵌合する。また、リアインロー部9fの底面は、平面度、及び、中心軸に対する直角度が精度良く形成される。これにより、カムシャフト2の先端面とリアインロー部9fの底面とが精度良く面接触し、接触面からの油漏れを防止できる。
フロントインロー部9gの内径にはセンターワッシャ5の外径が嵌合する。また、フロントインロー部9gの底面は、平面度、及び、中心軸に対する直角度が精度良く形成される。これにより、センターワッシャ5の端面とフロントインロー部9gの底面とが精度良く面接触し、接触面からの油漏れを防止できる。
カムシャフト2の先端面の中央には、ベーンロータ9の貫通穴9eと連接する油路穴2bが形成される。油路穴2bの側面には導入油路37が連通する。カムシャフト2の外周寄りには、先端面から導入油路28が形成される。また油路穴2bの底部に、センターボルト15が螺合しうるタップ穴2cが形成される。
センターワッシャ5は、ベーンロータ9の反対側にザグリ部が形成され、中央に貫通穴を有している。
センターボルト15は、センターワッシャ5、ベーンロータ9の貫通穴9e、カムシャフト2の油路穴2bを貫通し、タップ穴2cに所定の締付トルクで締め込まれる。このときセンターボルト15の頭部座面がセンターワッシャ5のザグリ底面に当接し、その摩擦により緩みが防止される。これにより、カムシャフト2とベーンロータ9とが同軸に締結される。
次に、スラストクリアランスからの内部漏れシール性に関する構成について説明する。
図7は、軸Zの方向に分解した内部漏れシール性に関する主要部品の構成を示す分解断面図である。
シューハウジング3は、開口面Soの平面度、及び、開口面Soから内底面Sbまでの深さDsの平行度が精度良く形成される。また、ベーンロータ9は、「内底面Sb側の端面Svf」から「開口面So側の端面である基準端面Svr」までの厚さTvの平行度が精度良く形成される。
内設調整ユニット601は、1枚以上の内設調整プレート60から構成される。図7では、1枚の内設調整プレート60を実線で示し、他の1枚の内設調整プレート60を破線で示している。破線で示される内設調整プレートは、無くてもよく、あるいは、2枚以上が積層されてもよいことを意味する。
シールプレート50は、周縁部がシューハウジング3とギア1とに挟持される。
図8を参照して、収容室4の深さDsとベーンロータ9の厚さTvとの関係を説明する。厚さTvは、深さDsよりも小さく設定される。さらに、深さDsから厚さTvを差し引いた値であるマイナスギャップGmは、式1に示すように、内設調整プレート60の厚さtp以上に設定される。
Gm=Ds−Tv≧tp ・・・(式1)
したがって、マイナスギャップGmに対し、最低1枚の内設調整プレート60を設置可能である。図8に示す実施例では、3枚の内設調整プレート60が積層して設置される。最もベーンロータ9側の内設調整プレート60の端面は、ベーンロータ9の基準端面Svrに当接する。基準端面Svrと反対側の内設調整プレート60の端面は、「内設調整ユニット601の端面Sp」を構成する。第1実施形態では、開口面Soと内設調整ユニット601の端面Spとの距離がスラストクリアランスCtとなる。
図9に、内設調整プレート60を図7の左方向から見た平面図を示す。内設調整プレート60は、環状部60dの径方向外側に3つの扇状部60a、60b、60cが形成されている。扇状部60a、60b、60cの外形は、シューハウジング3のシュー部3a、3b、3cの内壁の形状に対応する。環状部60dの外形は、中央壁部3dの内壁の形状に対応する。
環状部60dは、カムシャフト2の先端部2aに嵌合するための嵌合穴62を有している。また、扇状部60a、60b、60cは、後述のシールプレート50の圧油導入路53に対応する位置に、油路63を有している。さらに、扇状部60aは、ストッパピン70の相対回動範囲に対応するストッパピン逃がし穴64を有している。
図8に示す実施形態では、内設調整プレート60の厚さtpはいずれも同一である。つまり、内設調整ユニット601は、厚さが1種類の内設調整プレート60から構成されている。この場合、内設調整プレート60の厚さtpは、「内設調整プレートの最小厚さ」に相当する。
バルブタイミング調整装置99の組立工程において、個体毎に、シューハウジング3およびベーンロータ9の寸法からマイナスギャップGmを測定する。そして、マイナスギャップGmに応じて、内設調整ユニット601の端面Spが開口面Soに対して内底面Sb側に位置し、かつ、スラストクリアランスCtが最小となるように内設調整プレート60の枚数nを設定する。
すなわち、内設調整プレート60の枚数nは、1以上の整数であり、マイナスギャップGmに対して式2を満足するように設定される。
n・tp≦Gm<(n+1)・tp ・・・(式2)
また、スラストクリアランスCtは、式3のように定義される。
Ct=Gm−n・tp ・・・(式3)
式2の各辺からn・tpを引くと、式4のように、スラストクリアランスCtは厚さtpより小さい正の値を取ることが導かれる。
0≦Ct<tp ・・・(式4)
続いて、図10に、シールプレート50を図7の左方向から見た平面図を示し、図11に、シールプレート50の断面図を示す。なお、図3、図4では、ベーン部9a、9b、9cの後ろ側に内設調整プレート60の一部を示し、内設調整プレート60の向こう側にシールプレート50の一部を破線で図示している。
シールプレート50の中央には、カムシャフト2の先端部2aに嵌合するための嵌合穴52が設けられている。また、ギア1およびシューハウジング3の各位置に対応して、ねじ14を通す貫通穴51、回転方向の位置決めをするための位置決め切り欠き54a、位置決め穴54bが設けられている。なお、以下のシールプレート50の説明で「各穴」というときには、位置決め切り欠き54aを含むものとする。これらの各穴を用い、シールプレート50は、シューハウジング3とギア1との間に挟持される。
嵌合穴52の周囲には、ベーン部9a、9b、9cのそれぞれの相対回動範囲に対応する範囲に略扇形で凸状の弾性凸部55a、55b、55cが設けられる。「凸状」とは、図10の手前方向に凸であることを意味する。3箇所の弾性凸部55a、55b、55cを総称して「弾性凸部55」と記す。弾性凸部55は、板厚方向に弾性変形可能である。
シールプレート50の弾性凸部55および各穴を除く部分が基面部59である。基面部59は、特許請求の範囲に記載の「耳部」に相当し、シューハウジング3とギア1とに挟持固定される。
なお、図5、図6では、内設調整プレート60およびシールプレート50の厚さ方向を誇張しており、1枚の内設調整プレート60が内設調整ユニット601を構成する場合を示している。また、図5、図6は、シュー部3a、3b、3cを代表してシュー部3cの断面を示す。
弾性凸部55は、上面部56と斜面部58からなる。上面部56は平面状であり、ベーンロータ9に当接する。また、斜面部58は基面部59と上面部56との高低差を徐変する部分であり、上面部56の周縁に形成される。そして、弾性凸部55、ギア1の端面、及び、カムシャフト2の先端部2a外径に囲まれた空間は、圧力室86を形成する。
また、弾性凸部55aの上面部56には、ストッパピン70の相対回動範囲に対応するストッパピン逃がし穴57が設けられる。
シールプレート50単品状態での基面部59と上面部56との高低差である「自由高さHe」は、内設調整プレート60の厚さtp以上に設定される。また、上記の式4と組み合わせると、式5が導かれる。
Ct<tp≦He ・・・(式5)
組付状態では、シールプレート50の弾性凸部55が圧縮され内設調整ユニット601の端面Spに当接する。このときのたわみδは、式6で表されるように正の値を取る。
δ=He−Ct>0 ・・・(式6)
たわみδがゼロより大きいため、弾性力によるシール性が得られる。
また、シールプレート50は圧油導入路53を有する。図3に示すように、圧油導入路53は、最遅角位置での進角油圧室83、84、85に連通する位置、すなわち各弾性凸部55a、55b、55cの遅角側の端に設けられる。さらに詳細には、図5、図6に示すように、斜面部58と基面部59にまたがって設けられる。このため、最遅角位置から最進角位置までのすべての状態で、進角油圧室83、84、85内の圧油は、圧油導入路53を経由して圧力室86に導入される。
このとき、圧力室86の油圧は、弾性凸部55の反対側である遅角油圧室80、81、82の油圧よりも高いため、弾性凸部55の表裏に圧力差が生じる。また略扇形の弾性凸部55は、周方向にも径方向にも長く、面積が大きいため、圧力室86の油圧が広い面積で作用し、大きな押圧荷重を発生することができる。
なお、圧油導入路53の形状は丸穴に限定されず長穴などであってもよい。また、一つの進角油圧室あたり圧油導入路53を2つ以上設けてもよい。
次にストッパ機構に関する構成を説明する。
ストッパピン70は、ベーン9aのギア1側の端面に設けられる有底のブッシュ穴71に収容される。ブッシュ穴71の底には、最遅角位置でフロント部3eの大気開放穴3iに連通する穴が設けられる。
ギア1のストッパリング穴1bには、ストッパリング74が嵌入されている。ストッパリング74の内径は、開口部より奥が小径となるテーパ状に形成されている。ストッパピン70の先端部外径は、ストッパリング74の内径のテーパ角度とほぼ同角度のテーパ形状に形成されており、ストッパリング74に嵌合可能である。
ブッシュ穴71の底部とストッパピン70の間にはスプリング72が挿着され、ストッパピン70をストッパリング74側に付勢している。
ガイドブッシュ73はブッシュ穴71に嵌入されており、ストッパピン70の軸方向の一部の外径がガイドブッシュ73の軸方向の一部の内径に嵌合して、軸方向の移動が案内される。
ストッパピン70の軸方向の途中には受圧溝部が設けられ、受圧溝とガイドブッシュ73の内径とに囲まれる空間に油圧室23が形成される。また、ガイドブッシュ73の側面には、遅角主油路38から油圧室23に圧油を導入するための連通孔25が設けられる。
ストッパピン70の先端部、ストッパリング74、及び、ストッパリング穴1bの底部に囲まれる空間に油圧室24が形成される。また、進角主油路39から油圧室24に圧油を導入するための連通孔26が設けられる。
以上の構成により、ストッパピン70は、油圧室23もしくは油圧室24に圧油が導入されたとき、いずれもスプリング72の付勢力に抗してブッシュ穴71の底部側、すなわち図1の左方向へ移動し、ストッパリング74から抜け出る。このとき、ブッシュ穴71内の空気は大気開放穴3iから開放される。
図3に示す最遅角位置では、ストッパピン70はストッパリング74に嵌合しているので、ベーンロータ9はギア1と連結され、共に回転する。すなわち、ベーンロータ9とギア1とが相対回動しない状態である。
ストッパピン70がストッパリング74から抜け出ると、ベーンロータ9はギア1と連結を解除され、最遅角位置から最進角位置の角度範囲内で相対回動可能となる。
次に油圧の供給および排出に関する構成を説明する。
ロータボディ部9dのリアインロー部9fの底面には環状油路29が設けられる。環状油路29はカムシャフト2の先端面と当接し、カムシャフト2の内部で導入油路28を経由して遅角主油路38と連通する。また、ロータボディ部9dの内部で環状油路29と遅角分配路30、31、32とが連通する。遅角分配路30は遅角油圧室80と連通し、遅角分配路31は遅角油圧室81と連通し、遅角分配路32は遅角油圧室82と連通する。
なお、環状油路29の代わりに、導入油路28と遅角分配路30、31、32とを個々に連通する油路が設けられてもよい。
ベーンロータ9の貫通穴9eおよびカムシャフト2の油路穴2bは、センターボルト15の軸部の周囲の空間に中央油路36を形成する。中央油路36は、カムシャフト2内部の油路穴2bで導入油路37を経由して進角主油路39と連通する。また、ロータボディ部9dの内部で中央油路36と進角分配路33、34、35とが連通する。進角分配路33は進角油圧室83と連通し、進角分配路34は進角油圧室84と連通し、進角分配路35は進角油圧室85と連通する。
カムシャフト2のジャーナル部42は、図示しないシリンダヘッドに設けられた軸受部41により回転可能に支持されるとともに回転軸方向への移動を規制されている。遅角主油路38、進角主油路39は、軸受部41内部の図示しない通路を経由して、それぞれカムシャフト2内部の導入油路28、油路穴2bに連通する。
切替バルブ49のオイルパン45側の2つのポートには、オイルポンプ46からの圧油を圧送する圧送油路47とオイルパン45へ油を排出する排出油路48とが接続される。また、切替バルブ49のバルブタイミング調整装置99側の2つのポートには、遅角主油路38と進角主油路39とが接続される。
切替バルブ49は、下記(イ)〜(ハ)の3モードを切り替えることができる。
(イ)圧送油路47と遅角主油路38とを連通し、排出油路48と進角主油路39とを連通する逆送モード49a
(ロ)いずれの連通をも遮断する停止モード49b
(ハ)圧送油路47と進角主油路39とを連通し、排出油路48と遅角主油路38とを連通する正送モード49c
以上の構成により、切替バルブ49の切替操作によって、オイルポンプ46からの圧油を遅角油圧室80、81、82および油圧室23へ、または、進角油圧室83、84、85および油圧室24へ選択的に供給すること、または、いずれへの供給も停止することができる。
(作動)
次にバルブタイミング調整装置99の作動を説明する。ここで、進角方向への作動を「進角作動」、遅角方向への作動を「遅角作動」という。
(I)図3に示すように、エンジン始動時ポンプ46からの圧油が遅角油圧室80、81、82、進角油圧室83、84、85のいずれにもまだ導入されていない初期状態では、ベーンロータ9は最遅角位置にある。
ストッパピン70はスプリング72の付勢力によりストッパリング74に嵌合しており、ベーンロータ9はストッパピン70によりギア1と連結されている。
(II)進角作動状態では、切替バルブ49の正送モード49cを選択すると、オイルポンプ46からの圧油は、供給油路47、進角主油路39、導入油路37を経由して中央油路36に圧送され、中央油路36から進角分配路33、34、35を経由して進角油圧室83、84、85に分配される。また、連通孔26を経由して、圧油は油圧室24にも分配される。
油圧室24の油圧が先端部に作用するので、ストッパピン70はスプリング72の付勢力に抗してブッシュ穴71の底部側に押し込まれ、ベーンロータ9とギア1との連結が解除された状態となる。
進角油圧室83、84、85の油圧がそれぞれベーン部9a、9b、9cの遅角側の側面に作用するため、ベーンロータ9は進角方向へ相対回動する。そして、図4に示すように、最大時、最進角位置まで相対回動しうる。
これにより、カムシャフト2のバルブタイミングが早められる。また、遅角油圧室80、81、82の圧油は、環状油路29、導入油路28、遅角主油路38、排出油路48を経由してオイルパン45に排出される。
図5、図6に示すように、ベーンロータ9の相対回動に伴い、ベーン部9a、9b、9cは、図5の状態から図6の状態に移行する。この間、進角油圧室85は相対的に高圧であり、遅角油圧室80、81、82は相対的に低圧である関係が維持される。
このとき、内設調整プレート60の油路63とシールプレート50の圧油導入路53とが対応する位置に設けられているので、進角油圧室83、84、85の圧油は、破線矢印Lで示すように、油路63および圧油導入路53を経由して圧力室86に導入される。
圧力室86の油圧は、弾性凸部55の反対側である遅角油圧室80、81、82の油圧より高いため、弾性凸部55の表裏に圧力差が生じる。その結果、弾性凸部55が内設調整ユニット601に強く押し付けられ、内設調整ユニット601がベーン部9a、9b、9cに強く押し付けられる。図中、矢印Fがこの力を表現している。したがって、進角油圧室83、84、85と遅角油圧室80、81、82との間の内部漏れシール性が確保される。
(III)次に、遅角作動状態では、切替バルブ49の逆送モード49aを選択すると、オイルポンプ46からの圧油は、圧送油路47、遅角主油路38、導入油路28を経由して環状油路29に圧送され、環状油路29から遅角分配路30、31、32を経由して遅角油圧室80、81、82に分配される。また、連通孔25を経由して、圧油は油圧室23にも分配される。
油圧室23の油圧が、受圧溝部の前側の溝側面に作用するので、ストッパピン70はスプリング72の付勢力に抗してブッシュ穴71の底部側に押し込まれ、ストッパリング74から完全に抜け出た状態、すなわち、ベーンロータ9とギア1との連結が解除された状態が維持される。
遅角油圧室80、81、82の油圧がそれぞれベーン部9a、9b、9cの進角側の側面に作用するため、ベーンロータ9は遅角方向へ相対回動する。そして、図3に示すように、最大時、最遅角位置まで相対回動しうる。
これにより、カムシャフト2のバルブタイミングが遅らされる。また、進角油圧室83、84、85の圧油は、中央油路36、導入油路37、進角主油路39、排出油路48を経由してオイルパン45に排出される。
このときも圧力室86には、進角油圧室83、84、85から導入された圧油が維持されている。したがって、進角作動状態と同様、弾性凸部55の表裏に生ずる圧力差によって、弾性凸部55が内設調整ユニット601に強く押し付けられ、内設調整ユニット601がベーン部9a、9b、9cに強く押し付けられる。よって、内部漏れシール性が確保される。
(IV)ベーンロータ9が進角方向あるいは遅角方向へ相対回動している途中で切替バルブ49の停止モード49bが選択されると、遅角油圧室80、81、82および進角油圧室83、84、85の圧油は流入および流出が遮断され、ベーンロータ9は中間の位置に保持され、所望のバルブタイミングを得ることができる。
以上、(I)〜(IV)の過程を通して、シールプレート50の弾性凸部55は、内設調整ユニット601の端面Spと弾性力により当接しており、さらに圧力室86と遅角油圧室80、81、82との圧力差を利用することができるので、進角油圧室83、84、85と遅角油圧室80、81、82との間の内部漏れシール性が確保される。
(効果)
次に、第1実施形態のバルブタイミング調整装置99の効果を説明する。
(1)バルブタイミング調整装置99の個体毎に、収容室4の深さDsからベーンロータの厚さTvを差し引いたマイナスギャップGmの値に応じて、1枚以上の内設調整プレート60からなる内設調整ユニット601を設けて摺動クリアランスを調整する。このとき、内設調整ユニット601の端面Spが開口面Soに対して内底面Sb側に位置し、かつ、スラストクリアランスCtが最小となるように内設調整プレート60の枚数nが決められる。したがって、スラストクリアランスCtは、内設調整プレート60の厚さtpよりも小さくなる。
これにより、スラスト方向の寸法ばらつきを抑えるための精密加工が必要でなくなり、製造工数を低減することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
また、シールプレート50は、基面部59がシューハウジング3とギア1とに挟持固定される。したがって、シールプレート50をシューハウジング3に固定する構成と、ギア1をシューハウジング3に固定する構成とを共通にすることができ、製造工数をさらに低減することができる。
(2)内設調整ユニット601は、厚さが1種類の内設調整プレート60から構成されるため、部品の種類を少なくすることができ、部品の管理が容易となる。
(3)シールプレート50の弾性凸部55の自由高さHeは、内設調整プレート60の厚さtp以上であり、したがってスラストクリアランスCtより大きい。これにより、スラストクリアランスCtがばらつきの最大値付近の値となる場合でも、弾性凸部55は確実に内設調整ユニット601の端面Spに当接して圧縮される。よって、シールプレート50の弾性力により内部漏れシール性を確保することができる。
(4)さらに、シールプレート50が圧油導入路53を有することで、圧力室86に圧油が導入される。そのため、シールプレート50の表裏に生じる圧力差によって、シールプレート50が内設調整ユニット601側に押圧され、内部漏れシール性をより向上させることができる。
その結果、オイルポンプのエネルギー効率が向上する。また、ベーンロータ9の相対回動の位相を高精度に制御でき、所望のバルブタイミングを高精度に得ることができる。
(5)シールプレート50の弾性凸部55は、基面部59と上面部56との境界が斜面部58により徐変されるため、亀裂などの発生を防止し、耐久性が良好となる。
(第2実施形態)
第2実施形態による内設調整ユニット602について図12を参照して説明する。
図12に示すように、内設調整ユニット602は、厚さの異なる2枚以上の内設調整プレート611、612を積層して構成され、ベーンロータ9の基準端面Svrに摺動可能に当接する。第1内設調整プレート611および第2内設調整プレート612は、厚さ以外は、第1実施形態の内設調整プレート60と同様である。
図12に示す実施例では、2枚の第1内設調整プレート611および1枚の第2内設調整プレート612が積層されている。また、第2内設調整プレート612の厚さtp2は、第1内設調整プレート611の厚さtp1よりも薄く設けられている。この場合、第2内設調整プレート612の厚さtp2は、「内設調整プレートの最小厚さtpmin」に相当する。
ここで、内設調整プレートの厚さの種類および枚数nは、内設調整ユニット602の端面Spが開口面Soに対して内底面Sb側に位置し、かつ、スラストクリアランスCtが最小となるように設定される。
例えば、ベーンロータ9の基準端面Svrに第1内設調整プレート611を優先して最大枚数だけ積層させた後、第1内設調整プレート611の端面から開口面Soまでの残りのマイナスギャップが厚さtp2以上であれば、第2内設調整プレート612をさらに積層することで、スラストクリアランスCtを最小とするように微調整することができる。
この場合、第1実施形態の式4は、式7のように書き替えられる。
0≦Ct<tpmin ・・・(式7)
また、シールプレート50の自由高さHeについて、第1実施形態の式5は、式8のように書き替えられる。
Ct<tpmin≦He ・・・(式8)
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1)、(3)について、「内設調整プレートの厚さtp」を「内設調整プレートの最小厚さtpmin」と読み替えて同様の効果を奏する。第1実施形態の効果(2)に対応する効果は以下のように表される。
(2)内設調整ユニット602は、厚さの異なる2種類の内設調整プレート611、612から構成されるため、クリアランスの微調整に有利である。
また、第1実施形態の効果(4)、(5)と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図13〜図16に基づいて説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対し、シューハウジング3の収容室4の深さDsとベーンロータ9の厚さTvとの大小関係が異なる。また、それに対応して、スラストクリアランスCtを調整するための調整ユニットの構成が異なる。具体的には、「内設調整ユニット」に代えて、「外設調整ユニット」が用いられる。
なお、シールプレート50等の上記以外の構成については、第1実施形態と実質的に同一である。実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、軸Zの方向に分解した内部漏れシール性に関する主要部品の構成を示す分解断面図である。
外設調整ユニット606は、1枚以上の外設調整プレート65から構成される。図13では、1枚の外設調整プレート65を実線で示し、他の1枚の外設調整プレート65を破線で示している。破線で示される外設調整プレートは、無くてもよく、あるいは、2枚以上が積層されてもよいことを意味する。
シールプレート50は、周縁部が外設調整ユニット606とギア1とに挟持される。
図14を参照して、収容室4の深さDsとベーンロータ9の厚さTvとの関係を説明する。厚さTvは、深さDsよりも大きく設定される。さらに、厚さTvから深さDsを差し引いた値であるプラスギャップGpは、式9に示すように、外設調整プレート65の厚さtq以上に設定される。
Gp=Tv−Ds≧tq ・・・(式9)
したがって、プラスギャップGpに対し、最低1枚の外設調整プレート65を設置可能である。図14に示す実施例では、2枚の外設調整プレート65が積層して設置される。最も開口面So側の外設調整プレート65の端面は、開口面Soに当接する。開口面Soと反対側の外設調整プレート65の端面は、「外設調整ユニット606の端面Sq」を構成する。第3実施形態では、外設調整ユニット606の端面Sqとベーンロータ9の基準端面Svrとの距離がスラストクリアランスCtとなる。
図15に、外設調整プレート65を図14の左方向から見た平面図を示す。外設調整プレート65の形状は、ほぼシューハウジング3の開口面Soの形状に準じ、収容室4に対応する逃がし穴67が設けられている。また、ギア1、シューハウジング3およびシールプレート50の各位置に対応して、ねじ14を通す貫通穴68、回転方向の位置決めをするための位置決め切り欠き69a、位置決め穴69bが設けられている。
図16に示すように、シールプレート50は、外設調整ユニット606の端面Sqに当接し、外設調整ユニット606とギア1との間に挟持される。
図14に示す実施形態では、外設調整プレート65の厚さtqはいずれも同一である。つまり、外設調整ユニット606は、厚さが1種類の外設調整プレート65から構成されている。この場合、外設調整プレート65の厚さtqは、「外設調整プレートの最小厚さ」に相当する。
バルブタイミング調整装置99の組立工程において、個体毎に、シューハウジング3およびベーンロータ9の寸法からプラスギャップGpを測定する。そして、プラスギャップGpに応じて、外設調整ユニット606の端面Sqがベーンロータ9の基準端面Svrに対して内底面Sbと反対側に位置し、かつ、スラストクリアランスCtが最小となるように外設調整プレート65の枚数nを設定する。
すなわち、外設調整プレート65の枚数nは、1以上の整数であり、プラスギャップGpに対して式10を満足するように設定される。
(n−1)・tq<Gp≦n・tq ・・・(式10)
また、スラストクリアランスCtは、式11のように定義される。
Ct=n・tq−Gp・・・(式11)
式10の各辺からn・tqを引くと、式12aのようになる。
−tq<−Ct≦0 ・・・(式12b)
さらに式12bの各辺を−1倍すると、式12bのように、スラストクリアランスCtは厚さtqより小さい正の値を取ることが導かれる。
0≦Ct<tq ・・・(式12b)
また、シールプレート50の「自由高さHe」との関係では、第1実施形態の式5に対応する式13が導かれる。
Ct<tq≦He ・・・(式13)
組付状態では、シールプレート50の弾性凸部55が圧縮され外設調整ユニット606の端面Sqに当接する。このときのたわみδは、第1実施形態と同じ式6が適用される。
δ=He−Ct>0 ・・・(式6)
たわみδがゼロより大きいため、弾性力によるシール性が得られる。
第3実施形態のバルブタイミング調整装置99の効果(1)〜(3)は、以下のように、第1実施形態の効果(1)〜(3)に対応する。
(1)バルブタイミング調整装置99の個体毎に、ベーンロータの厚さTvから収容室4の深さDsを差し引いたプラスギャップGpの値に応じて、1枚以上の外設調整プレート65からなる外設調整ユニット606を設けて摺動クリアランスを調整する。このとき、外設調整ユニット606の端面Sqがベーンロータ9の基準端面Svrに対して内底面Sbと反対側に位置し、かつ、スラストクリアランスCtが最小となるように外設調整プレート65の枚数nが決められる。したがって、スラストクリアランスCtは、外設調整プレート65の厚さtqよりも小さくなる。
これにより、スラスト方向の寸法ばらつきを抑えるための精密加工が必要でなくなり、製造工数を低減することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
また、シールプレート50は、基面部59が外設調整ユニット606とギア1とに挟持固定される。したがって、シールプレート50をシューハウジング3および外設調整ユニット606に固定する構成と、ギア1をシューハウジング3および外設調整ユニット606に固定する構成とを共通にすることができ、製造工数をさらに低減することができる。
(2)外設調整ユニット606は、厚さが1種類の外設調整プレート65から構成されるため、部品の種類を少なくすることができ、部品の管理が容易となる。
(3)シールプレート50の弾性凸部55の自由高さHeは、外設調整プレート65の厚さtq以上であり、したがってスラストクリアランスCtより大きい。これにより、スラストクリアランスCtがばらつきの最大値付近の値となる場合でも、弾性凸部55は確実に外設調整ユニット606の端面Sqに当接して圧縮される。よって、シールプレート50の弾性力により内部漏れシール性を確保することができる。
その他、第3実施形態は、第1実施形態の効果(4)、(5)と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態による外設調整ユニット607について図17を参照して説明する。
図17に示すように、外設調整ユニット607は、厚さの異なる2枚以上の外設調整プレート661、662を積層して構成され、開口面Soに当接する。第1外設調整プレート661および第2外設調整プレート662は、厚さ以外は、第3実施形態の外設調整プレート65と同様である。
図17に示す実施例では、1枚の第1外設調整プレート661および1枚の第2外設調整プレート662が積層されている。また、第2外設調整プレート662の厚さtq2は、第1外設調整プレート661の厚さtq1よりも薄く設けられている。この場合、第2外設調整プレート662の厚さtq2は、「外設調整プレートの最小厚さtqmin」に相当する。
ここで、外設調整プレートの厚さの種類および枚数nは、外設調整ユニット607の端面Sqがベーンロータ9の基準端面Svrに対して内底面Sbと反対側に位置し、かつ、スラストクリアランスCtが最小となるように設定される。
例えば、開口面Soに第1外設調整プレート661を優先して最大枚数だけ積層させた後、第1外設調整プレート661の端面からベーンロータ9の基準端面Svrまでの残りのプラスギャップが厚さtq2以下であれば、第2外設調整プレート662をさらに積層することで、スラストクリアランスCtを最小とするように微調整することができる。
この場合、第3実施形態の式12bは、式14のように書き替えられる。
0≦Ct<tqmin ・・・(式14)
また、シールプレート50の自由高さHeについて、第3実施形態の式13は、式15のように書き替えられる。
Ct<tqmin≦He ・・・(式15)
第4実施形態では、第3実施形態の効果(1)、(3)について、「外設調整プレートの厚さtq」を「外設調整プレートの最小厚さtqmin」と読み替えて同様の効果を奏する。第3実施形態の効果(2)に対応する効果は以下のように表される。
(2)外設調整ユニット607は、厚さの異なる2種類の外設調整プレート661、662から構成されるため、クリアランスの微調整に有利である。
その他、第1〜第3実施形態の効果(4)、(5)と同様の効果を奏する。
(その他の実施形態)
(ア)バルブタイミング調整装置は、吸気弁90側に限らず、排気弁93側に適用されてもよい。この場合、排気弁93側のカムシャフト92が特許請求の範囲に記載の「従動軸」に相当し、上記実施形態と逆の位相制御が行われる。すなわち、初期状態が最進角位置、最大作動状態が最遅角位置となり、シールプレートの圧油導入路は、遅角油圧室と圧力室とを連通するように設けられる。
(イ)上記実施形態では、シュー部3a、3b、3c、ベーン部9a、9b、9cは、各3ヶ所設けられるが、これに限らず、3ヶ所以外の数であってもよい。
(ウ)上記実施形態では、シールプレート50は、シューハウジング3とギア1とに挟持固定されるが、シールプレートは、ギアと別にシューハウジングに固定されてもよい。
(エ)ギア1は、クランクシャフト97からの駆動力をチェーン95によって伝達されるスプロケット式のものに限らず、タイミングベルトによって伝達されるプーリ式のものであってもよい。
(オ)ベーンロータ9と共に回転する回転軸は、内燃機関96の従動軸であるカムシャフト2、92に限らず、駆動軸であるクランクシャフト97であってもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる形態で実施することができる。
1 ・・・ギア(第2ハウジング)、
2 ・・・カムシャフト(従動軸)、
3 ・・・シューハウジング(第1ハウジング)、
3a、3b、3c ・・・シュー部、
4 ・・・収容室、
9 ・・・ベーンロータ、
9a、9b、9c ・・・ベーン部、
50 ・・・シールプレート、
53 ・・・圧油導入路、
55 ・・・弾性凸部、
59 ・・・基面部(耳部)、
601、602 ・・・内設調整ユニット、
606、607 ・・・外設調整ユニット、
60、611、612・・・内設調整プレート、
65、661、662・・・外設調整プレート、
80、81、82 ・・・遅角油圧室、
83、84、85 ・・・進角油圧室、
86 ・・・圧力室、
90 ・・・吸気弁、
93 ・・・排気弁、
97 ・・・クランクシャフト(駆動軸)、
99 ・・・バルブタイミング調整装置、
Ds ・・・(収容室の)深さ
Tv ・・・(ベーンロータの)厚さ,
Sb ・・・(第1ハウジングの)内底面、
So ・・・(第1ハウジングの)開口面、
Sp ・・・(内設調整ユニットの)端面、
Sq ・・・(外設調整ユニットの)端面、
Svf ・・・(ベーンロータの)内底面側の端面、
Svr ・・・(ベーンロータの)基準端面、
Ct ・・・スラストクリアランス、
Gm ・・・マイナスギャップ、
Gp ・・・プラスギャップ、
tp、tp1、tp2・・・(内設調整プレートの)厚さ、
tq、tq1、tq2・・・(外設調整プレートの)厚さ、
He ・・・(シールプレートの)自由高さ。

Claims (14)

  1. 駆動軸から従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉するバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方とともに回転し、収容室が開口する開口面を有するカップ状の第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングの内底面に摺動可能に前記収容室に収容され、前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前記第1ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部を有し、前記ベーン部の回転方向の一方側に進角油圧室が形成され、前記ベーン部の回転方向の他方側に遅角油圧室が形成され、前記内底面と反対側の端面である基準端面が前記開口面に対し前記内底面側に位置するベーンロータと、
    1枚以上の内設調整プレートが積層されて構成され、前記ベーンロータの前記基準端面に摺動可能に当接する内設調整ユニットと、
    前記内設調整ユニットの前記開口面側の端面に当接する板厚方向に弾性変形可能な弾性凸部を有し、前記内底面に前記ベーンロータおよび前記内設調整ユニットを押圧するシールプレートと、
    前記収容室の開口を塞ぐように前記第1ハウジングに固定される第2ハウジングと、
    を備え、
    前記内設調整ユニットは、前記第1ハウジングの前記開口面と前記内設調整ユニットの前記開口面側の端面との距離であるスラストクリアランスが最小となるように設定される枚数の前記内設調整プレートから構成されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記シールプレートは、前記弾性凸部の径方向外側に耳部を有し、当該耳部が前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとに挟持固定されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記内設調整ユニットは、厚さが1種類の前記内設調整プレートから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記内設調整ユニットは、厚さの異なる2種類以上の前記内設調整プレートを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記シールプレートは、前記弾性凸部の自由高さが前記内設調整プレートの最小厚さ以上であることを特徴とする請求項3または4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記シールプレートは、前記進角油圧室あるいは前記遅角油圧室のいずれか一方と、前記シールプレートと前記第2ハウジングとの間に形成される圧力室とを連通する圧油導入路を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置の組立方法であって、
    前記第1ハウジングの前記収容室に前記ベーンロータを収容する工程と、
    バルブタイミング調整装置の個体毎に、前記ベーンロータの前記基準端面と前記第1ハウジングの前記開口面との距離であるマイナスギャップを測定し、前記マイナスギャップに応じて、前記内設調整ユニットを構成する前記内設調整プレートの枚数を設定する工程と、
    設定された前記内設調整プレートの枚数に基づいて前記内設調整ユニットを前記ベーンロータの前記基準端面に当接させつつ前記収容室に収容する工程と、
    前記シールプレートの前記弾性凸部を前記内設調整ユニットの前記開口面側の端面に当接させる工程と、
    前記第2ハウジングを前記第1ハウジングに固定する工程と、
    を含むことを特徴とするバルブタイミング調整装置の組立方法。
  8. 駆動軸から従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉するバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方とともに回転し、収容室が開口する開口面を有するカップ状の第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングの内底面に摺動可能に前記収容室に収容され、前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前記第1ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部を有し、前記ベーン部の回転方向の一方側に進角油圧室が形成され、前記ベーン部の回転方向の他方側に遅角油圧室が形成され、前記内底面と反対側の端面である基準端面が前記開口面に対し前記内底面と反対側に位置するベーンロータと、
    1枚以上の外設調整プレートが積層されて構成され、前記ベーンロータの径方向外側で前記開口面に当接する外設調整ユニットと、
    前記ベーンロータの前記基準端面に摺動可能に当接する板厚方向に弾性変形可能な弾性凸部を有し、前記内底面に前記ベーンロータを押圧するシールプレートと、
    前記収容室の開口を塞ぐように前記第1ハウジングおよび前記外設調整ユニットに固定される第2ハウジングと、
    を備え、
    前記外設調整ユニットは、前記外設調整ユニットの前記シールプレート側の端面と前記ベーンロータの前記基準端面との距離であるスラストクリアランスが最小となるように設定される枚数の前記外設調整プレートから構成されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  9. 前記シールプレートは、前記弾性凸部の径方向外側に耳部を有し、当該耳部が前記外設調整ユニットと前記第2ハウジングとに挟持固定されることを特徴とする請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記外設調整ユニットは、厚さが1種類の前記外設調整プレートから構成されることを特徴とする請求項8または9に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記外設調整ユニットは、厚さの異なる2種類以上の前記外設調整プレートを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項8または9に記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記シールプレートは、前記弾性凸部の自由高さが前記外設調整プレートの最小厚さ以上であることを特徴とする請求項10または11に記載のバルブタイミング調整装置。
  13. 前記シールプレートは、前記進角油圧室あるいは前記遅角油圧室のいずれか一方と、前記シールプレートと前記第2ハウジングとの間に形成される圧力室とを連通する圧油導入路を有することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  14. 請求項8〜13のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置の組立方法であって、
    前記第1ハウジングの前記収容室に前記ベーンロータを収容する工程と、
    バルブタイミング調整装置の個体毎に、前記ベーンロータの前記基準端面と前記第1ハウジングの前記開口面との距離であるプラスギャップを測定し、前記プラスギャップに応じて、前記外設調整ユニットを構成する前記外設調整プレートの枚数を設定する工程と、
    設定された前記外設調整プレートの枚数に基づいて前記外設調整ユニットを前記開口面に当接させる工程と、
    前記シールプレートの前記弾性凸部を前記ベーンロータの前記基準端面に当接させる工程と、
    前記第2ハウジングを前記第1ハウジングおよび前記外設調整ユニットに固定する工程と、
    を含むことを特徴とするバルブタイミング調整装置の組立方法。
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