JP4168450B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)のバルブタイミング調整装置に関する。
従来、エンジンの駆動軸と従動軸であるカムシャフトとの相対回転により位相差を形成し、この位相差により吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置が知られている。バルブタイミング調整装置は、駆動軸またはカムシャフトのいずれか一方ととともに回転する第一回転部材と、他方とともに回転する第二回転部材とを備えている。第一回転部材と第二回転部材とは、作動油が供給される進角油圧室および遅角油圧室を形成している。進角油圧室または遅角油圧室に供給された作動油により、第一回転部材と第二回転部材とが相対的に回転し、位相差が形成される。
このようなバルブタイミング調整装置の場合、エンジンが停止すると、進角油圧室および遅角油圧室には作動油が供給されない。そのため、進角油圧室および遅角油圧室に供給された作動油は、徐々に外部へ流出する。その結果、エンジンが停止した後、進角油圧室および遅角油圧室は作動油と空気とが混在した状態となる。同様に、作動油を供給するポンプとバルブタイミング調整装置との間の配管においても、作動油と空気とが混在した状態となる。
作動油と空気とが混在した状態のときエンジンが始動されると、ポンプが作動油の供給を開始するとともに、配管中の空気は進角油圧室または遅角油圧室に供給される。このとき、第一回転部材と第二回転部材との相対回転を拘束するストッパ部材が解除されると、カムシャフトのトルクの変動によって作動油とともに存在する空気が圧縮され第二回転部材が移動する。第二回転部材の移動により、第一回転部材と第二回転部材とが衝突し、打音を生じるおそれがある。そこで、特許文献1では、エンジンの始動時に作動油が供給される進角油圧室または遅角油圧室から空気を除去する構成が開示されている。
特開2003−262108号公報
特許文献1に開示されているバルブタイミング調整装置の場合、ロータは遅角側油圧室に接続する連通溝を有している。これにより、遅角側油圧室の作動油とともに存在する空気は、連通溝を通して大気へ放出される。しかしながら、第一回転部材と第二回転部材との間には、円滑な作動を確保するためにわずかな隙間が形成されている。そのため、作動油とともに存在する空気の一部は、連通溝を通して排出されず、第一回転部材と第二回転部材との間に形成される隙間を経由してストッパ部材がはまり込んでいる受圧室へ流入するおそれがある。作動油とともに受圧室へ空気が供給されると、ストッパ部材は受圧室から抜け出し、第一回転部材と第二回転部材との拘束が解除される。その結果、第一回転部材と第二回転部材とは、相対的な回転が許容され、衝突にともなう異音の発生を招くおそれがある。
そこで、本発明の目的は、受圧室へ流入した空気によるストッパ部材の抜けを防止し、エンジン始動時における異音の発生を防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、第一回転部材と第二回転部材とは空気抜き通路を形成している。これにより、進角油圧室または遅角油圧室から第一回転部材と第二回転部材との間の隙間を経由して移動する空気は、空気抜き通路から大気通路へ排出される。そのため、進角油圧室または遅角油圧室の作動油とともに存在する空気は、ストッパ部材がはまり込む受圧室へ流入しない。したがって、エンジン始動時におけるストッパ部材の抜けを防止することができる。また、ストッパ部材の抜けが防止されるため、第一回転部材と第二回転部材との相対的な回転は拘束される。したがって、エンジン始動時における第一回転部材と第二回転部材の衝突にともなう異音の発生を防止することができる。
請求項2または3記載の発明では、第一回転部材または第二回転部材は空気抜き通路を形成する溝部を有している。これにより、第一回転部材と第二回転部材との間には、空気抜き通路が形成される。したがって、部品点数の増大を招くことなく、簡単な構成で空気抜き通路を形成することができる。
請求項4記載の発明では、第二回転部材はベーンの周方向の端部に溝部を有している。これにより、例えばベーンのシール部材と進角油圧室または遅角油圧室との間の距離が小さいときでも、溝部を設置するための部位が確保される。したがって、ベーンの大型化を招くことなく、空気を確実に排出することができる。
請求項5記載の発明では、第二回転部材はベーンの周方向の中間部に溝部を有している。これにより、ベーンの軸方向の端部と第一回転部材との間のシール長は延長される。したがって、ベーンと第一回転部材との間における作動油のシール性を高めることができる。
請求項6または7記載の発明では、第一回転部材または第二回転部材は大気通路を有している。したがって、部品点数の増大を招くことなく、簡単な構成で空気抜き通路を形成することができる。
請求項8記載の発明では、大気通路の断面積S2は空気抜き通路の断面積S1以上である。これにより、作動油とともに存在する空気は空気抜き通路を経由して大気通路へ排出されるとともに、大気通路において排出が阻害されることなく、空気を確実に排出することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置をエンジンの吸気弁に適用した例を図1および図2に示す。本実施形態のバルブタイミング調整装置10は、油圧制御式であり、吸気弁のバルブタイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置10は、第一回転部材としてのハウジング11を備えている。ハウジング11は、図2に示すようにチェーンスプロケット12、ベーンハウジング13およびプレートハウジング14を有している。本実施形態の場合、ベーンハウジング13とプレートハウジング14とは別体で形成されている。なお、ベーンハウジング13とプレートハウジング14とは一体に形成してもよい。チェーンスプロケット12、ベーンハウジング13およびプレートハウジング14は、締結部材であるボルト15により同軸上に固定されている。チェーンスプロケット12は、図示しないチェーンによって図示しないエンジンの駆動軸であるクランクシャフトと接続している。これにより、チェーンスプロケット12は、クランクシャフトから駆動力が伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。
従動軸としてのカムシャフト16は、バルブタイミング調整装置10を介してクランクシャフトから駆動力が伝達される。これにより、カムシャフト16は、図示しない吸気弁を開閉駆動する。カムシャフト16は、チェーンスプロケット12に対し所定の位相差をおいて回転可能である。ハウジング11およびカムシャフト16は、図1に示す断面において時計方向へ回転する。以下、この回転方向を進角方向とする。
バルブタイミング調整装置10は、第二回転部材としてのロータ20を備えている。ロータ20は、ボス部21と、ボス部21の径方向外側に周方向へ複数配置されているベーン22、ベーン23、ベーン24およびベーン25とを有している。ロータ20は、カムシャフト16のロータ20側の端面と接しており、締結部材であるボルト17によりカムシャフト16と一体に固定されている。
ハウジング11のベーンハウジング13は、筒状の周壁131と、周壁131から径方向内側へ突出する複数のシュー132、シュー133、シュー134およびシュー135とを有している。シュー132、シュー133、シュー134およびシュー135は、周壁131から略台形状に突出している。シュー132、シュー133、シュー134およびシュー135の径方向内側の端面は、周壁131と同心の円弧面状に形成されている。シュー132、シュー133、シュー134およびシュー135により、ベーンハウジング13の周方向へ四つ形成される間隙は、略扇形の収容室136、収容室137、収容室138および収容室139を形成する。収容室136、収容室137、収容室138および収容室139には、それぞれベーン22、ベーン23、ベーン24およびベーン25が周方向へ移動可能に収容される。各ベーン22、23、24、25は、各収容室136、137、138、139を進角油圧室31、32、33、34と遅角油圧室41、42、43、44とに仕切っている。図1に示す進角方向または遅角方向を示す矢印は、ハウジング11に対するロータ20の進角方向または遅角方向を示している。
ベーンハウジング13の周壁131とベーン22、23、24、25との間には、それぞれシール部材51、52、53、54が設置されている。シール部材51、52、53、54は、周壁131の内周面に押し付けられている。また、ロータ20のボス部21とシュー132、133、134、135との間には、シール部材55、56、57、58が設置されている。ハウジング11とロータ20とは、周方向へ相対回転可能である。ロータ20は、ベーンハウジング13と比較して軸方向の長さがわずかに小さい。そのため、ロータ20とチェーンスプロケット12との間にはわずかなスラスト隙間が形成される。
図2に示すように、ロータ20は、ベーン22に軸方向に貫く穴部26を有している。穴部26には、ストッパ部材としてのストッパピストン60が収容されている。ストッパピストン60は、略円筒状に形成され、穴部26の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ストッパピストン60は、弾性部材であるスプリング61によりチェーンスプロケット12方向へ押し付けられている。チェーンスプロケット12は、ロータ20と対向する端面12a側に凹部62を有している。凹部62は、チェーンスプロケット12のロータ20と対向する端面12aからロータ20とは反対側へ窪んで形成されている。凹部62には、ブッシュ63が設置されている。ブッシュ63は、例えば圧入などによりチェーンスプロケット12の凹部62に固定されている。ブッシュ63の内周面は、ストッパピストン60の外周面と接触し、ストッパピストン60の移動を案内する。ストッパピストン60は、ブッシュ63が設置されているチェーンスプロケット12の凹部62にはまり込み可能である。
ストッパピストン60とチェーンスプロケット12の凹部62とは受圧室64を形成している。受圧室64には、作動油が供給される。受圧室64に供給される作動油の圧力は、ストッパピストン60が凹部62から抜け出す方向へ働く。ストッパピストン60は、スプリング61の押し付け力、受圧室64の作動油から受ける力、および側壁に形成される受圧室601の作動油から受ける力の均衡によって軸方向へ移動する。ストッパピストン60は、ロータ20が最も遅角位置にあるときスプリング61の押し付け力によって凹部62にはまり込む。ストッパピストン60が凹部62にはまり込むことにより、ハウジング11とロータ20との相対的な回転は拘束される。ハウジング11に対しロータ20が最も遅角位置から進角側へ回転すると、ストッパピストン60と凹部62との回転方向における位置がずれ、ストッパピストン60は凹部62にはまり込むことができない。
プレートハウジング14は接続路141を有している。ハウジング11に対しロータ20が最も遅角位置にあるとき、ロータ20の穴部26は凹部62とは反対側の端部が接続路141と接続する。接続路141は、大気に開放されているため、ロータ20が最も遅角位置にあるとき、ストッパピストン60の背圧、すなわち作動油の油圧によってストッパピストン60をチェーンスプロケット12側へ押し付ける力は発生しない。これにより、ストッパピストン60の軸方向の移動は妨げられない。
図1に示すように、シュー135とベーン22との間に進角油圧室31が形成され、シュー132とベーン23との間に進角油圧室32が形成され、シュー133とベーン24との間に進角油圧室33が形成され、シュー134とベーン25との間に進角油圧室34が形成されている。また、シュー132とベーン22との間に遅角油圧室41が形成され、シュー133とベーン23との間に遅角油圧室42が形成され、シュー134とベーン24との間に遅角油圧室43が形成され、シュー135とベーン25との間に遅角油圧室44が形成されている。進角油圧室31、32、33、34および遅角油圧室41、42、43、44は、それぞれ図示しないオイルポンプおよびドレインに接続している。図示しないオイルポンプは、ドレインから汲み上げられた作動油を図示しない切換弁を介して各油圧室に供給する。また、各油圧室は、図示しない切換弁を介してドレインに接続している。切換弁を切り換えることにより、進角油圧室31、32、33、34または遅角油圧室41、42、43、44の一方にドレインから作動油が供給されるとともに、進角油圧室31、32、33、34または遅角油圧室41、42、43、44の他方からドレインへ作動油が排出される。これにより、油圧バランスによってハウジング11に対するロータ20の相対的な回転位置が変化し、図示しないクランクシャフトとカムシャフト16との位相が変更される。
次に、ロータ20のストッパピストン60の近傍について詳細に説明する。
ロータ20は、ベーン22に溝部65を有している。溝部65は、ベーン22のチェーンスプロケット12側の端面からプレートハウジング14側へ窪んで形成されている。溝部65は、プレートハウジング14と反対側がチェーンスプロケット12により覆われている。これにより、ロータ20のベーン22とチェーンスプロケット12とは、空気抜き通路67を形成している。溝部65は、ベーン22の穴部26よりも遅角油圧室41側に位置している。溝部65は、ロータ20の周方向においてベーン22の中間部に形成されている。そのため、溝部65が形成する空気抜き通路67は、遅角油圧室41と受圧室64との間に位置する。溝部65は、ロータ20の径方向にベーン22の径方向外側の端部から中心側へ伸びて形成されている。溝部65の外周側の端部は、ベーン22の径方向外側の先端に開放している。なお、溝部65の外周側の端部は、ベーン22の径方向の途中で閉塞していてもよい。本実施形態の場合、ベーン22とチェーンスプロケット12との間に形成されるスラスト隙間は、数十μmである。また、進角油圧室31、32、33、34および遅角油圧室41、42、43、44に供給される作動油は、数百kPa程度の油圧を有している。このとき、溝部65によって形成される空気抜き通路67の断面積S1は、数mm2程度である。
溝部65は、径方向内側の端部において大気通路68と接続している。大気通路68は、ロータ20を軸方向に貫いて形成されている。大気通路68は、一方の端部が空気抜き通路67に接続し、他方の端部がロータ20のチェーンスプロケット12と反対側に開口している。ロータ20のチェーンスプロケット12と反対側は大気に開放されている。そのため、大気通路68は大気圧となる。空気抜き通路67の断面積をS1とし、大気通路68の断面積をS2としたとき、S1≦S2に設定されている。これにより、作動油とともに存在する空気は空気抜き通路67を経由して大気通路68へ排出されるとともに、大気通路において排出が阻害されることなく、空気を確実に排出することができる。
次に、空気抜き通路67の作用について説明する。
エンジンが停止しているとき、作動油を供給するオイルポンプも停止している。そのため、進角油圧室31、32、33、34および遅角油圧室41、42、43、44に供給されている作動油は、ハウジング11とロータ20との隙間などを経由してドレインへ流出する。これにより、進角油圧室31、32、33、34、遅角油圧室41、42、43、44およびこれらに接続する配管部には、作動油と空気とが混在した状態となる。また、エンジンを停止するとき、ロータ20は最も遅角側へ移動するとともに、ストッパピストン60は凹部62へはまり込む。これにより、エンジンの始動時には吸気弁のバルブタイミングは最も遅角側へ変位され、始動性の向上が図られる。
エンジンが始動されると、オイルポンプも始動する。オイルポンプは、ドレインから作動油を汲み上げ図示しない切換弁を経由して遅角油圧室41、42、43、44へ作動油を供給する。このとき、上述のように遅角油圧室41、42、43、44およびこれに接続する配管部には作動油だけでなく空気が混在している。遅角油圧室41の作動油とともに存在する空気は、遅角油圧室41への作動油の供給にともなって、ロータ20とチェーンスプロケット12との間に形成されるスラスト隙間を経由して受圧室64に流入するおそれがある。ストッパピストン60は、スプリング61の押し付け力によってチェーンスプロケット12側に押し付けられている。一方、受圧室64へ空気が流入すると、受圧室601に供給される作動油の圧力に加え、空気の圧力によってストッパピストン60は凹部62から抜け出すことがある。エンジンの始動時において、遅角油圧室41、42、43、44に十分な油圧および量の作動油が供給されていない場合、ストッパピストン60が凹部62から抜け出すと、ロータ20とハウジング11との相対的な回転が許容される。その結果、遅角室41、42、43、44へ供給される作動油の圧力の変動、あるいはカムシャフト16に加わるトルクの変動などによって、ロータ20とハウジング11とが衝突し、打音が発生する。
一方、本実施形態の場合、遅角油圧室41と受圧室64との間には空気抜き通路67が設置されている。そのため、ロータ20とチェーンスプロケット12との間のスラスト隙間を経由して遅角油圧室41から受圧室64側へ流れる空気は、空気抜き通路67から大気通路68へ排出される。これにより、空気は大気へ排出され、遅角油圧室41の作動油とともに存在する空気が受圧室64へ流入することは防止される。
以上、説明したように、第1実施形態では、遅角油圧室41の作動油とともに存在する空気は受圧室64へ到達する前に空気抜き通路67から大気通路68を経由して大気へ排出される。そのため、作動油とともに存在する空気が受圧室64へ流入することは防止される。その結果、凹部62からのストッパピストン60の抜けは防止され、エンジンの始動時において作動油の油圧が不十分な場合でも、ロータ20とハウジング11との相対的な回転は拘束される。また、空気抜き通路67はベーン22の溝部65によって形成され、大気通路68はロータ20を貫いて形成されている。そのため、空気を排出するために、別途部材の追加を必要としない。したがって、部品点数の増大を招くことなく、簡単な構成でエンジン始動時におけるロータ20とハウジング11との衝突にともなう異音の発生を防止することができる。
また、第1実施形態では、空気抜き通路67を形成する溝部65はロータ20の周方向においてベーン22の中間部に形成されている。これにより、ベーン22の軸方向の端部とベーンハウジング13との間のシール長は延長される。そのため、遅角油圧室41と空気抜き通路67との間はロータ20の外壁によってシールされる。したがって、遅角油圧室41における作動油のシール性を高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置を図3に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、図3に示すようにロータ20のベーン22は、周方向において遅角油圧室41側の端部に空気抜き通路67を形成する溝部65を有している。これにより、遅角油圧室41の作動油とともに存在する空気は、空気抜き通路67および大気通路68を経由して大気へ排出される。第2実施形態では、ベーン22の周方向における長さが短いときでも、ベーン22に溝部65を設置することができる。また、遅角油圧室41の作動油とともに存在する空気は、ロータ20とチェーンスプロケット12との間のスラスト隙間へ流入する前に空気抜き通路67へ流入する。したがって、遅角油圧室41から受圧室64への空気の流入を防止することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置を図4および図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態では、図4に示すバルブタイミング調整装置は排気弁のバルブタイミングを調整する。排気弁のバルブタイミングを調整する場合、エンジン始動時におけるロータ20の初期位置は最も進角側に位置する。そのため、ロータ20が最も進角側に位置したとき、ストッパピストン60は凹部62にはまり込む。また、エンジン始動時、オイルポンプは進角油圧室31に作動油を供給する。これにより、進角油圧室31の作動油とともに空気が存在すると、その空気が受圧室64へ流入するおそれがある。したがって、第3実施形態では、進角油圧室31と受圧室64との間に空気抜き通路67が位置している。そのため、ベーン22は、穴部26よりも進角油圧室31側に溝部65を有している。空気抜き通路67は、第1実施形態と同様にベーン22を軸方向に貫いている大気通路68に接続している。
第3実施形態では、バルブタイミング調整装置10は排気弁のバルブタイミングの調整に適用される。この場合でも、進角油圧室31の作動油とともに存在する空気は空気抜き通路67および大気通路68を経由して大気に排出される。そのため、凹部62からのストッパピストン60の抜けが防止され、エンジン始動時のロータ20とハウジング11との相対的な回転は拘束が維持される。したがって、エンジンの始動時におけるロータ20とハウジング11の衝突にともなう異音の発生を防止することができる。
また、第3実施形態では、図5に示すように第2実施形態と同様に溝部65はベーン22の進角油圧室31側の端部に形成してもよい。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置を図6および図7に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態では、図6に示すようにチェーンスプロケット12は軸方向に貫く大気通路18を有している。大気通路18は、一方の端部がチェーンスプロケット12のロータ20側の端面に開口し、他方の端部が大気に開放している。バルブタイミング調整装置10を吸気弁のバルブタイミングの調整に適用する場合、ロータ20が最も遅角位置にあるとき、ベーン22に形成されている溝部65はチェーンスプロケット12のロータ20側の端面に開口する大気通路18に接続する。これにより、ロータ20が最も遅角位置にあるとき、空気抜き通路67は大気通路18を接続する。そのため、遅角油圧室41の作動油とともに存在する空気は、空気抜き通路67および大気通路18を経由して大気に排出される。
一方、エンジンが始動状態から運転状態に移行すると、所定の条件のときロータ20は進角側へ回転する。このとき、ロータ20とハウジング11とは相対回転するため、図7に示すようにロータ20のベーン22に形成されている溝部65と、チェーンスプロケット12に形成されている大気通路18とは位置にずれが生じる。これにより、エンジンの運転状態のとき、ロータ20とハウジング11との相対的な回転によって、空気抜き通路67と大気通路18とは接続しない。その結果、ロータ20が進角方向へ回転したとき、作動油は大気通路18を経由してバルブタイミング調整装置10の外部へ排出されない。したがって、第4実施形態では作動時における作動油のシール性が向上する。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるバルブタイミング調整装置を図8に示す。
第5実施形態では、図8に示すようにバルブタイミング調整装置110は、第一回転部材としてのハウジング111を備えている。ハウジング111は、チェーンスプロケット112およびハウジング本体113を有している。ハウジング本体113は、側部114と底部115とが一体のカップ状に形成されている。チェーンスプロケット112とハウジング本体113とは、ボルト116により同軸上に固定されている。
バルブタイミング調整装置110は、第二回転部材としてのロータ120を備えている。ロータ120は、ボス部121と、ボス部121の径方向外側に周方向へ複数配置されているベーン122とを有している。ロータ120は、ボルト117によりカムシャフト118と一体に固定されている。
ロータ120のベーン122は、軸方向に貫く穴部123を有している。穴部123には、ストッパ部材としてのストッパピストン160が収容されている。ハウジング本体113は、底部115のロータ120と対向する端面側に凹部162を有している。凹部162は、底部115のロータ120と対向する端面からロータ120とは反対側へ窪んで形成されている。すなわち、第5実施形態では、ストッパピストン160は、ハウジング本体113の底部115に形成されている凹部162にはまり込む。これにより、ストッパピストン160とハウジング本体113の底部115との間に受圧室164が形成される。
ロータ120は、ベーン122に空気抜き通路167を形成する溝部165を有している。溝部165の位置および形状は、上記の複数の実施形態のいずれかと同様である。また、ベーン122は、軸方向に貫く大気通路168を有している。大気通路168は、一方の端部が空気抜き通路167に接続し、他方の端部が大気に開放されている空間部169に接続している。これにより、作動油とともに存在する空気は、空気抜き通路167および大気通路168を経由して大気に排出される。
第5実施形態では、ストッパピストン160がはまり込む凹部162はハウジング本体113の底部115に形成してもよい。第5実施形態においても、油圧室の作動油とともに存在する空気は大気に排出され、受圧室164に流入しない。そのため、エンジン始動時におけるストッパピストン160の抜けは防止される。したがって、ロータ120とハウジング111との衝突にともなう異音の発生を防止することができる。
以上、説明した複数の実施形態では、空気抜き通路を形成する溝部をロータに形成する例について説明した。しかし、空気抜き通路を形成する溝部は、第一回転部材であるハウジングを構成するチェーンスプロケット、プレートハウジング、またはハウジング本体に形成してもよい。
図2のI−I線で切断した断面図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、カムシャフトの軸を含む平面で切断した断面図である。 本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図1に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図1に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の変形例を示す図であって、図1に対応する断面図である。 本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2に対応する断面図である。 図6のVII−VII線で切断した断面図である。 本発明の第5実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2に対応する断面図である。
符号の説明
10、110 バルブタイミング調整装置、11、111 ハウジング(第一回転部材)、12、112 チェーンスプロケット(第一回転部材)、13 ベーンハウジング(第一回転部材)、14 プレートハウジング(第一回転部材)、16、118 カムシャフト(従動軸)、18、68、168 大気通路、20、120 ロータ(第二回転部材)、22、23、24、25、122 ベーン、31、32、33、34 進角油圧室、41、42、43、44 遅角油圧室、60、160 ストッパピストン(ストッパ部材)、62、162 凹部、64、164 受圧室、65、165 溝部、67、167 空気抜き通路、113 ハウジング本体(第一回転部材)

Claims (8)

  1. 内燃機関の駆動軸から吸気弁または排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設置され、前記吸気弁または前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    一方の面側に受圧室を形成する凹部を有し、前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転する第一回転部材と、
    前記第一回転部材の前記凹部を有する面側と対向して設置され、前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに前記第一回転部材と相対的に回転可能であって、前記第一回転部材との間に進角油圧室および遅角油圧室を形成する第二回転部材と、
    前記第二回転部材に軸方向へ往復移動可能に設置され、前記凹部にはまり込むことにより、前記第一回転部材と前記第二回転部材との相対的な回転を拘束するストッパ部材とを備え、
    前記第一回転部材と前記第二回転部材とは、前記進角油圧室または前記遅角油圧室と前記受圧室との間に、大気に開放されている大気通路と接続される空気抜き通路を形成していることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第一回転部材は、前記第二回転部材との間に前記空気抜き通路を形成する溝部を有することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第二回転部材は、前記第一回転部材との間に前記空気抜き通路を形成する溝部を有することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第二回転部材は前記進角油圧室と前記遅角油圧室とを区画するベーンを有し、前記ベーンは周方向の端部に前記溝部を有することを特徴とする請求項3記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第二回転部材は前記進角油圧室と前記遅角油圧室とを区画するベーンを有し、前記ベーンは周方向の中間部に前記溝部を有することを特徴とする請求項3記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第一回転部材は、前記大気通路を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記第二回転部材は、前記大気通路を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記空気抜き通路の断面積S1は、前記大気通路の断面積をS2とすると、S1≦S2であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
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