JP6128025B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スプールの軸方向の位置精度を向上させることができるバルブタイミング調整装置を提供することである。
バルブカバーは、ボルトによりハウジングと締結されている。ハウジングおよびバルブカバーの一方は、径方向においてバルブカバーの開口部とボルトによる固定箇所との間で軸方向へ突き出している凸部を有している。ハウジングおよびバルブカバーの他方は、凸部に嵌合している凹部を有している。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1に示す。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関200のクランク軸201に対しカム軸202を相対回転させることによって、カム軸202が開閉駆動する図示しない吸気弁のバルブタイミングを調整するものであり、クランク軸201からカム軸202までの駆動力伝達系に設けられている。クランク軸201は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸」であり、カム軸202は、特許請求の範囲に記載の「従動軸」である。
[位相調整機構]
先ず、位相調整機構20について図1〜図3を参照して説明する。位相調整機構20は、フロントカバー21、リアカバー25、タイミングプーリ27、およびベーンロータ32などから構成されている。
フロントカバー21は、カップ状であり、外郭から径方向内側に突き出す複数の突出部22を形成している。各突出部22は、周方向で互いに離間するように配置されている。
リアカバー25は、フロントカバー21の開口端側に設けられており、カム軸202が挿通する通孔26を有している。
フロントカバー21およびリアカバー25は、特許請求の範囲に記載の「ハウジング」を構成し、タイミングプーリ27に掛けられるタイミングベルト203を介してクランク軸201に連結され、クランク軸201と一体に回転可能である。
ベーンロータ32は、進角室23または遅角室24に供給される作動油の圧力を受けることによってフロントカバー21に対し相対回転し、フロントカバー21に対する回転位相を進角側または遅角側に変化させる。
次に、油路切換弁40について図1、図3を参照して説明する。油路切換弁40は、スリーブボルト41およびスプール48などから構成されている。
スリーブボルト41は、ベーンロータ32に対しカム軸202とは反対側から挿入されてカム軸202に締め付けられている。また、スリーブボルト41は、頭部42とねじ部43との間にスリーブ44を形成している。スリーブ44は、ボス33の中央部で軸方向へ延びるように筒状に形成され、供給ポート45、進角ポート46、および遅角ポート47を有している。供給ポート45は、供給油路35に連通している。進角ポート46は、進角油路36に連通している。遅角ポート47は、遅角油路37に連通している。
次に、本実施形態の特徴構成であるバルブカバーアセンブリ60について図1、図3〜図5を参照して説明する。バルブカバーアセンブリ60は、バルブカバー61、ダイヤフラム71、シャフト75、およびブッシング82などから構成されている。
フロントカバー21の筒部とリアカバー25との間にはOリング99が設けられている。Oリング99は、進角室23および遅角室24と外部空間との間を油密に封止している。
以上説明したように、第1実施形態では、バルブタイミング調整装置10は、バルブカバーアセンブリ60を備えている。バルブカバーアセンブリ60は、バルブカバー61、ダイヤフラム71、シャフト75、およびブッシング82を有している。バルブカバー61は、フロントカバー21に固定され、スプール48の軸心55の延長上に開口部67を有する。ダイヤフラム71は、バルブカバー61の開口部67を塞いでいる。シャフト75は、スプール48と同軸上に設けられ、ダイヤフラム71の内周部72を固定し、スプール48を軸方向へ押圧可能である。ブッシング82は、ダイヤフラム71の外周部73をバルブカバー61との間に挟みつつ当該バルブカバー61に固定され、シャフト75とスプール48との同軸度を保ちつつシャフト75を軸方向へ摺動可能に支持している。
このように構成することで、ボルト締結時のバルブカバー61の変形がダイヤフラム71に伝わることを抑制可能である。また、バルブカバー61とフロントカバー21との嵌合によって、バルブカバーアセンブリ60と位相調整機構20とを調芯させることができる。
したがって、空間92と連通している空間91の作動油によるダイヤフラム71への圧力負荷を低減することができる。また、ダイヤフラム71にソレノイド208側への圧力が作用することに起因して当該圧力がソレノイド208の押圧力に対する抵抗となること、を防止可能である。
したがって、空間92の作動油が外部空間に漏れてタイミングプーリ27にかかることを防止可能である。
本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置について図6を参照して説明する。
第2実施形態では、バルブカバー100は、小径筒部65から径方向内側に突き出す環状突起101を形成している。この環状突起101は、スプール48とは反対側へのシャフト75の移動を規制するストッパとして機能する。
このように構成することで、ダイヤフラム71の変形が許容範囲を超えないように、シャフト75のストロークを規制することができる。
本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置について図7を参照して説明する。
第3実施形態では、シャフト110は、一部材から成り、スプール111の突起112が挿入されている有底の挿入穴113を有する。挿入穴113の底面は、突起112に当接している。また、シャフト110は、スプール111とは反対側の端部に環状溝114を有する。環状溝114には、ダイヤフラム115の内周部116が嵌め付けられている。
このようにシャフト110を一部材から構成することもできる。
本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置について図8を参照して説明する。
第4実施形態では、シャフト120は、スプール111側の端部に、径方向外側に突き出すキー121を形成している。そしてブッシング122は、キー121が嵌め入れられている係合溝123を有する。シャフト120は、キー121が係合溝123と係合することよって回り止めされている。キー121および係合溝123は、シャフト120とブッシング122との相対回転を規制する回り止め手段を構成している。
このようにキー121および係合溝123によって回り止め手段を構成することもできる。
本発明の第5実施形態によるバルブタイミング調整装置について図9を参照して説明する。
第5実施形態では、ブッシング130は、シャフト120に対しスプール111側で径方向内側に突き出す環状突起131を形成している。この環状突起131は、シャフト120のスプール111側への移動を規制するストッパとして機能する。
このように構成することで、ダイヤフラム115の変形が許容範囲を超えないように、シャフト120のストロークを規制することができる。
本発明の第6実施形態によるバルブタイミング調整装置を図10に示す。第6実施形態のように、バルブカバー100の環状突起101、および、ブッシング130の環状突起131が両方設けられてもよい。
本発明の他の実施形態では、ブッシングは、圧入に限らず、例えばねじなどによりバルブカバーに固定されてもよい。
本発明の他の実施形態では、第2シャフトは、圧入に限らず、例えばねじなどによりバルブカバーに固定されてもよい。
本発明の他の実施形態では、シャフトとブッシングとの相対回転を規制する回り止め手段が設けられなくてもよい。
本発明の他の実施形態では、タイミングプーリは、ハウジングを構成する部材と同一部材から構成されてもよい。
前述の実施形態では、クランク軸(駆動軸)は、特許請求の範囲に記載の「第1軸」に相当し、また、カム軸(従動軸)は、特許請求の範囲に記載の「第2軸」に相当していた。これに対し、本発明の他の実施形態では、クランク軸(駆動軸)は、特許請求の範囲に記載の「第2軸」に相当し、また、カム軸(従動軸)は、特許請求の範囲に記載の「第1軸」に相当していてもよい。
本発明の他の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、内燃機関の排気弁のバルブタイミングを調整するものであってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
21、25・・・ハウジング
27・・・・・・タイミングプーリ
32・・・・・・ベーンロータ
44・・・・・・スリーブ
48、111・・スプール
55・・・・・・軸心
61、100・・バルブカバー
67・・・・・・開口部
71、115・・ダイヤフラム
72、116・・内周部
73、117・・外周部
75、110、120・・・シャフト
82、122、130・・・ブッシング
Claims (4)
- 内燃機関(200)の駆動軸(201)から従動軸(202)まで駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記従動軸により開閉駆動されるバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(10)であって、
前記駆動軸および前記従動軸の一方を第1軸とし、他方を第2軸とすると、
前記第1軸と一体に回転可能なタイミングプーリ(27)と、
前記タイミングプーリに一体に設けられているハウジング(21、25)と、
前記ハウジング内で前記第2軸の端部に固定され、前記ハウジングの内部空間を進角室(23)と遅角室(24)とに仕切るベーン(34)を形成しているベーンロータ(32)と、
前記ベーンロータの中央部に設けられている筒状部材であり、外部のオイル供給源(206)と連通している供給ポート(45)、前記進角室と連通している進角ポート(46)、および、前記遅角室と連通している遅角ポート(47)を有するスリーブ(44)と、
前記第2軸と同軸上に設けられ、前記スリーブの内側で軸方向へ移動可能であり、軸方向位置に応じて前記供給ポートと前記進角ポートとの連通および遮断を切り換えるとともに前記供給ポートと前記遅角ポートとの連通および遮断を切り換えるスプール(48、111)と、
前記ハウジングに対し前記第2軸とは反対側に設けられ、前記ハウジングに固定され、前記スプールの軸心(55)の延長上に開口部(67)を有するバルブカバー(61、100)と、
前記開口部を塞いでいる環状のダイヤフラム(71、115)と、
前記スプールと同軸上に設けられ、前記ダイヤフラムの内周部(72、116)を固定し、前記スプールを軸方向へ押圧可能なシャフト(75、110、120)と、
前記ダイヤフラムの外周部(73、117)を前記バルブカバーとの間に挟みつつ当該バルブカバーに固定され、前記シャフトと前記スプールとの同軸度を保ちつつ前記シャフトを軸方向へ摺動可能に支持しているブッシング(82、122、130)と、
を備えており、
前記バルブカバーは、ボルト(66)により前記ハウジングと締結され、
前記ハウジングおよび前記バルブカバーの一方は、径方向において前記バルブカバーの前記開口部と前記ボルトによる固定箇所との間で軸方向へ突き出している凸部(38)を有し、
前記ハウジングおよび前記バルブカバーの他方は、前記凸部に嵌合している凹部(62)を有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記シャフトと前記ブッシングとの相対回転を規制する回り止め手段(86、87、121、123)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記ハウジングと前記バルブカバーとの間の空間(92)に連通し且つ外部の潤滑空間(210)に連通可能なドレン油路(93)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記タイミングプーリが露出する外部空間に対して、前記ハウジングと前記バルブカバーとの間の空間を油密に封止するシール部材(98)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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