JP2014040778A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014040778A
JP2014040778A JP2012182256A JP2012182256A JP2014040778A JP 2014040778 A JP2014040778 A JP 2014040778A JP 2012182256 A JP2012182256 A JP 2012182256A JP 2012182256 A JP2012182256 A JP 2012182256A JP 2014040778 A JP2014040778 A JP 2014040778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter portion
control valve
vane rotor
valve
hydraulic control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012182256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5842767B2 (ja
Inventor
Kenji Tada
賢司 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012182256A priority Critical patent/JP5842767B2/ja
Publication of JP2014040778A publication Critical patent/JP2014040778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5842767B2 publication Critical patent/JP5842767B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 油圧漏れを抑制することの可能なバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】 バルブタイミング調整装置は、ベーンロータ30がカムシャフト14に圧入固定される。そのカムシャフト14の軸方向に延びる収容穴100に収容される油圧制御弁40は、小径部43、及びその小径部43よりも外径が大きく形成された大径部44を有する。小径部43は、ベーンロータ30の径内方向に位置する収容穴100の内壁に当接する。大径部44は、ベーンロータ30の径内方向を除く位置で収容穴100の内壁に当接する。これにより、油圧制御弁40の小径部43に設けられたポート103、104から進角油路70または遅角油路74に供給される油圧が、ベーンロータ30の圧入箇所を除く位置の収容穴100の内壁と大径部44の外壁との隙間から漏れることが抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンの吸気弁または排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来より、車両等に設けられたエンジンのクランクシャフトとカムシャフトとの回転位相を変化させることで吸気弁または排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置が知られている。
特許文献1に記載のバルブタイミング調整装置は、カムシャフトの軸方向に延びる収容穴に油圧制御弁が設けられる。油圧制御弁は、車両等に設けられた油圧ポンプから供給されるオイルを、カムシャフトの径方向に通じる孔からバルブタイミング調整装置のハウジング内に設けられた進角室または遅角室に供給する。これにより、特許文献1では、油圧制御弁と進角室とを連通する油路、及び油圧制御弁と遅角室とを連通する油路が短くなるので、油路を流れるオイルの圧力損失が低減される。
特表2005−325841号公報
しかしながら、特許文献1では、カムシャフトにベーンロータを圧入固定した際、カムシャフトの収容穴の内径が縮小すると、以下に述べる(1)、(2)の問題が生じるおそれがある。
(1)縮小した収容穴の内壁と油圧制御弁の外壁とが強固に嵌合すると、収容穴から油圧制御弁を取り外すことが困難になり、油圧制御弁を点検または交換することが困難になる。
(2)カムシャフトの収容穴の内径が小さくなると共に、油圧制御弁を構成するスリーブが変形すると、スリーブの内側を摺動するスプールの動きが悪くなる。
上記(1)、(2)の問題を解消するため、カムシャフトにベーンロータを圧入固定することで縮小した収容穴の内径に対応するよう、油圧制御弁の外径を設定することが考えられる。しかし、そうした場合、以下に述べる(3)の問題が生じるおそれがある。
(3)縮小した収容穴の内径に対応して油圧制御弁の外径を設定すると、ベーンロータの圧入箇所を除く位置の収容穴の内壁と油圧制御弁の外壁との間に隙間が生じる。そのため、油圧制御弁から進角室または遅角室に供給される油圧が、その隙間から漏れるおそれがある。そうすると、油圧ポンプから油圧制御弁に供給される油圧よりも、進角室または遅角室に供給される油圧が小さくなり、バルブタイミング調整装置がクランクシャフトとカムシャフトとの回転位相を切り換える動作が遅くなることが懸念される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、油圧漏れを抑制することの可能なバルブタイミング調整装置を提供することを目的とする。
本発明は、従動軸の収容穴に油圧制御弁を収容するバルブタイミング調整装置において、油圧制御弁はベーンロータの径内方向に位置する収容穴の内壁に当接する小径部と、ベーンロータの径内方向を除く位置で収容穴の内壁に当接する大径部とを有することを特徴とする。
これにより、油圧制御弁の小径部に設けられたポートから進角室または遅角室に供給される油圧が、ベーンロータの圧入箇所を除く位置の収容穴の内壁と油圧制御弁の大径部の外壁との隙間から漏れることが抑制される。そのため、油圧ポンプから油圧制御弁に供給される油圧と、油圧制御弁から進角室または遅角室に供給される油圧とが略同一となる。したがって、バルブタイミング調整装置は、駆動軸と従動軸との回転位相の切り換え動作の応答性を高めることができる。
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 図1のII―II線の断面図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置が用いられる駆動力伝達系統の構成図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部断面図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部断面図である。 本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図5に示す。本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、図3に示すエンジン10の駆動力伝達系統に用いられる。この駆動力伝達系統では、エンジン10の駆動軸としてのクランクシャフト11に固定されるギヤ12と、従動軸としての2本のカムシャフト13,14に固定されるギヤ15,16とにチェーン17が巻き掛けられ、クランクシャフト11からカムシャフト13,14にトルクが伝達される。一方のカムシャフト13は排気弁18を駆動し、他方のカムシャフト14は吸気弁19を駆動する。本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、ギヤ15をチェーン17に、ベーンロータをカムシャフト14に接続し、クランクシャフト11とカムシャフト14とを所定の位相差をおいて回転させることで、吸気弁19の開閉タイミングを調整する。
なお、バルブタイミング調整装置1は、図3において時計回りに回転する。
図1および図2に示すように、バルブタイミング調整装置1は、ハウジング20、ベーンロータ30および油圧制御弁40などを備えている。なお、図2では、カムシャフト14および油圧制御弁40を省略している。
ハウジング20は、フロントプレート21、リアプレート22、筒部23及びシュー24〜27を有し、ボルト4によって接続されている。
フロントプレート21は、円盤状に形成され、軸方向にカムシャフト14を通す前孔29を有する。
リアプレート22は、円盤状に形成され、フロントプレート21に向き合うように設けられる。リアプレート22は、軸方向にベーンロータ30のリアブッシング38を通す後孔28を有する。
筒部23およびシュー24〜27は一体に形成され、フロントプレート21とリアプレート22に挟まれている。筒部23は、外周にギヤ15を有する。シュー24〜27は、筒部23の周方向に所定間隔をあけて設けられ、筒部23から径内方向に延びている。回転方向に隣接するシュー同士の間隙に横断面が略扇状の油圧室が形成されている。
筒部23の外周のギヤ15にチェーン17が巻き掛けられ、ハウジング20はクランクシャフト11と共に回転する。
ベーンロータ30は、ハウジング20に対し相対回転可能に設けられている。ベーンロータ30は、円筒状のロータ31、そのロータ31から軸方向に延びるリアブッシング38、および複数のベーン32〜35を有する。
ロータ31の径外方向の外壁は、ハウジング20のシュー24〜27の径内方向の内壁と液密に摺動する。ロータ31は、中央の軸方向にカムシャフト14に圧入される圧入孔36を有する。ベーンロータ30の圧入孔36をカムシャフト14に圧入すると、圧入孔36の内壁とカムシャフト14の外壁とは、液密かつ相対回転不能に固定される。
リアブッシング38は、ロータ31からリアプレート22の後孔28を通り、ハウジング20の外側に筒状に延びている。リアブッシング38とカムシャフト14との間には、隙間が設けられる。リアブッシング38は、リアプレート22の後孔28に対し相対回転可能である。
複数のベーン32〜35は、ロータ31から径外方向に延び、ハウジング20の油圧室を進角室60〜63および遅角室64〜67に仕切る。進角室60〜63は、進角油路70〜73を通じて油圧が供給され、または排出される。遅角室64〜67は、遅角油路74〜77を通じて油圧が供給され、または排出される。
ベーン32〜35の径外方向の外壁には、シール部材39が設けられる。シール部材39は、進角室60〜63と遅角室64〜67との間の作動油の流れを規制する。ベーンロータ30は、進角室60〜63および遅角室64〜67の油圧に応じてハウジング20に対し相対回転可能である
なお、図2に示す進角、遅角を表す矢印は、ハウジング20に対するベーンロータ30の進角方向、遅角方向を表している。
ベーンロータ30に設けられた孔に、ストッパピストン80が軸方向に往復移動可能に収容されている。一方、リアプレート22に設けられた凹部81には、ストッパピストン80が嵌合可能なリング82が設けられている。ストッパピストン80は、ハウジング20に対してベーンロータ30が最遅角位置にあるとき、スプリング83の付勢力により、リング82の内側に入り込むことが可能である。
ストッパピストン80の周囲には、第1圧力室84および第2圧力室85が設けられている。第1圧力室84および第2圧力室85のいずれか一方は遅角室64〜67に連通し、他方は進角室60〜63に連通している。
第1圧力室84の油圧がストッパピストン80に作用する力と、第2圧力室85の油圧がストッパピストン80に作用する力との和が、スプリング83の付勢力よりも大きくなると、ストッパピストン80はリング82から抜け出す。
油圧制御弁40は、カムシャフト14の軸方向に延びる収容穴100に収容されている。油圧制御弁40は、スリーブ41、スプール50、スプリング57、弁ボディ58および逆止弁59などから構成されている。
図4及び図5に示すように、スリーブ41は、筒状に形成され、収容穴100の内壁にねじ42等によって固定される。スリーブ41は、小径部43、大径部44およびフランジ45を有する。
図4では、大径部44が設けられる範囲をAで示し、小径部43が設けられる範囲をBで示している。小径部43は大径部44よりも外径が小さい。小径部43と大径部44とは、例えば切削加工などで一体に形成される。大径部44の外径と小径部43の外径との差は、カムシャフト14にベーンロータ30を圧入固定した際の収容穴100の内径の縮小量に対応している。そのため、小径部43は、ベーンロータ30の径内方向に位置する収容穴100の内壁に液密に当接する。また、大径部44は、ベーンロータ30の径内方向を除く位置で、収容穴100の内壁に液密に当接する。
なお、図4及び図5では、カムシャフト14にベーンロータ30を圧入固定した状態を模式的に示している。カムシャフト14にベーンロータ30を圧入固定すると、ベーンロータ30の径内方向に位置する収容穴100の内径は、D1からD2に縮小する。そのため、スリーブ41の大径部44の外径は収容穴100の内径D1に対応し、小径部43は収容穴100の内径D2に対応している。
カムシャフト14の軸方向の端面とフランジ45とが当接することで、油圧制御弁40は軸方向に位置決めされる。スリーブ41は、第1ポート401、第2ポート402、第3ポート403、第4ポート404および第5ポート405をフランジ側からこの順に有している。
第1ポート401および第2ポート402は大径部44に設けられ、第3ポート403および第5ポート405は大径部44に設けられる。第5ポート405は、フランジ45と反対側の軸方向の端部に設けられる。
第1ポート401は、カムシャフト14に設けられた孔101を通じて、カムシャフト14を回転可能に支持する支持部材90(図1参照)に設けられた油圧供給油路91に連通している。油圧供給油路91には、図示しない車両のオイルパンからオイルポンプによって汲み上げられたオイルが供給される。
第2ポート402は、カムシャフト14に設けられた孔102を通じて、フロントプレート21の前孔29に大気開放されている。第2ポート402から大気に排出されたオイルは、オイルパンに戻される。
第3ポート403は、カムシャフト14に設けられた孔103を通じて、ベーンロータ30の遅角油路74〜77に連通している。
小径部43に設けられた第4ポート404は、カムシャフト14に設けられた孔104を通じて、ベーンロータ30の進角油路70〜73に連通している。
第5ポート405は、カムシャフト14の収容穴100からカムシャフト14に設けられた孔105を通じて、リアブッシング38とカムシャフト14の隙間から大気開放されている。
スプール50は、スリーブ41の内側に軸方向に往復移動可能に設けられている。スプール50の外径は、スリーブ41の内径と略同じか僅かに小さい。そのため、スプール50の外壁は、スリーブ41の径内方向の内壁に液密に摺接する。スプール50は、第3ポート403を閉塞可能な第1ランド51、および第4ポート404を閉塞可能な第2ランド52を有する。
また、スプール50は、導入孔53、連通溝54および導出孔55を有する。導入孔53は、第1ポート401に連通する。連通溝54は、第2ポート402と第3ポート403とを連通または遮断可能である。導出孔55は、第3ポート403または第4ポート404に連通可能である。
スリーブ41のフランジ45の径内側に設けられたストッパリング56は、スプール50がスリーブ41から抜け出すことを防いでいる。
スリーブ41のストッパリング56と反対側に設けられたスプリング57は、一端がスプール50に係止され、他端がスリーブ41のストッパリング56と反対側の内壁に係止され、スプール50をストッパリング側へ付勢している。
弁ボディ58は、スプール50の内側に固定されている。弁ボディ58は、ストッパリング56と反対側にテーパ状の弁座581を有する。この弁座581に椀形の逆止弁59が着座または離座可能である。逆止弁59は、スプール50の内側に軸方向に往復移動可能に設けられている。逆止弁59は、導入孔53から導出孔55へのオイルの流れを許容し、導出孔55から導入孔53へのオイルの流れを規制する。
図1に示すように、エンジンカバー92に取り付けられたアクチュエータ93は、図示しない電子制御装置(ECU)からの通電によって作動する。アクチュエータ93は、軸方向に往復移動可能なロッド94により、油圧制御弁40の弁ボディ58をスプリング側に押圧可能である。弁ボディ58はスプール50と共にスリーブ41の内側を軸方向に往復移動する。スリーブ41の移動により、油圧供給油路91と各ポート401〜405とが連通または遮断される。これにより、進角室60〜63および遅角室64〜67に供給される油圧が制御される。ECUは、ハウジング20に対するベーンロータ30の回転位相が目標回転位相と一致するようにアクチュエータ93を駆動する。
続いて、バルブタイミング調整装置1の作動を説明する。
<エンジン始動時>
図1及び図2に示すように、エンジン10が停止しているとき、ストッパピストン80がリング82の内側に入り込み、クランクシャフト11に対してカムシャフト14は最遅角位置に位相保持されている。エンジン10の始動直後は、遅角室64〜67、進角室60〜63、第1圧力室84および第2圧力室85に作動油が十分に供給されず、ストッパピストン80はリング82の内側に入り込んだ状態を維持する。そのため、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、カムシャフト14が受けるトルク変動によるハウジング20とベーンロータ30との打音の発生が防がれる。
<エンジン始動後>
エンジン10の始動後、油圧ポンプから各油圧室に作動油が十分に供給されると、第1圧力室84および第2圧力室85の油圧によりストッパピストン80がスプリング83の付勢力に抗してリング82から抜け出し、ハウジング20に対しベーンロータ30は相対回転可能となる。
<進角作動時>
図5に示すように、バルブタイミング調整装置1が進角作動するとき、ECUの指令によりアクチュエータ93は、ロッド94により油圧制御弁40のスプール50をスプリング側へ押し込む。これにより、油圧供給油路91から第1ポート401および導入孔53を通り、スプール50の内側に流入したオイルは、導出孔55から第4ポート404を通り進角油路70〜73に流れ、進角室60〜63に供給される。一方、遅角室64〜67のオイルは、遅角油路74〜77から第3ポート403、連通溝54および第2ポート402を通り、フロントプレート21の前孔29から排出される。これにより、進角室60〜63の油圧がベーン32〜35に作用し、ベーンロータ30は、ハウジング20に対し進角方向に回転する。
このとき、油圧供給油路91から油圧制御弁40の第1ポート401へ供給される油圧をP1とし、進角室60〜63に供給される油圧をP2とすると、P1=P2である。油圧制御弁40のスリーブ41の大径部44および小径部43は、それぞれカムシャフト14の収容穴100の内壁に液密に当接し、圧力損失が低減されているからである。
また、カムシャフト14は、吸気弁19を開弁するとき吸気弁19に設けられたスプリング191(図3参照)から逆回転方向のトルクを受け、吸気弁19を閉弁するときそのスプリング191から回転方向のトルクを受ける。カムシャフト14が受けるそのトルク変動によって、第1ポート401へ供給される油圧P1よりも進角室60〜63の油圧が大きくなることがある。その場合、逆止弁59が弁ボディ58の弁座581に着座し、進角室60〜63から油圧供給油路91へオイルが逆流することが防がれる。
<遅角作動時>
図4に示すように、バルブタイミング調整装置1が遅角作動するとき、ECUの指令によりアクチュエータ93は、ロッド94が油圧制御弁40のスプール50をスプリング側へ押し込む力を解除する。これにより、油圧供給油路91から第1ポート401および導入孔53を通り、スプール50の内側に流入したオイルは、導出孔55から第3ポート403を通り遅角油路74〜77に流れ、遅角室64〜67に供給される。一方、進角室60〜63のオイルは、進角油路70〜73から第4ポート404、第5ポート405、およびカムシャフト14の孔105を通り、リアブッシング38とカムシャフト14の隙間から排出される。これにより、遅角室64〜67の油圧がベーン32〜35に作用し、ベーンロータ30は、ハウジング20に対し遅角方向に回転する。
このとき、遅角室に供給される油圧をP3とすると、P1=P3である。油圧制御弁40のスリーブ41の大径部44および小径部43は、それぞれカムシャフト14の収容穴100の内壁に液密に当接しているからである。
また、カムシャフト14が受けるトルク変動により遅角室64〜67の油圧が第1ポート401へ供給される油圧P1よりも大きくなる場合、逆止弁59が弁ボディ58の弁座581に着座し、遅角室64〜67からオイルが逆流することが防がれる。
さらに、カムシャフト14が受けるトルク変動により遅角室64〜67の油圧は、大気圧よりも小さくなることがある。その場合でも、スリーブ41の大径部44が収容穴100の内壁に液密に当接しているので、大気開放されたフロントプレート21の前孔29から第2ポート402および第3ポート403を通じて遅角油路74〜77に空気が導入されることが防がれる。
<中間保持作動時>
ベーンロータ30が目標位相に到達すると、油圧制御弁40は、遅角室64〜67および進角室60〜63の油圧がオイルパンへ排出されることを規制する。このとき、油圧制御弁40から遅角油路74〜77および進角油路70〜73を通じ、僅かではあるが遅角室64〜67および進角室60〜63へ油圧が供給されている。これにより、ベーンロータ30は目標位相に保持される。
なお、中間保持作動時においても、スリーブ41の大径部44が収容穴100の内壁に液密に当接しているので、フロントプレート21の前孔29から第2ポート402および第3ポート403を通じて遅角油路74〜77に空気が導入されることが防がれる。
<エンジン停止時>
バルブタイミング調整装置1の作動中にエンジン停止が指示されると、上述した遅角作動時と同様の作動により、ハウジング20に対してベーンロータ30は遅角方向に回転し、最遅角位置で停止する。この状態で、油圧ポンプの作動が停止し、第1圧力室84および第2圧力室85の圧力が低下すると、ストッパピストン80はスプリング83の付勢力によりリング82の内側に入り込む。その状態でエンジン10は停止する。
本実施形態は、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、油圧制御弁40の備えるスリーブ41は、小径部43と大径部44を有する。
これにより、油圧制御弁40の小径部43に設けられた第3ポート403から遅角室64〜67に供給される油圧、及び第4ポート404から進角室60〜63に供給される油圧が、ベーンロータ30の圧入箇所を除く位置の収容穴100の内壁とスリーブ41の外壁との隙間から漏れることが抑制される。そのため、油圧ポンプから油圧制御弁40に供給される油圧P1と、油圧制御弁40から進角室60〜63または遅角室64〜67に供給される油圧P2,P3とが略同一となる。したがって、バルブタイミング調整装置1は、駆動軸と従動軸との回転位相の切り換え動作の応答性を高めることができる。
また、カムシャフト14の収容穴100に油圧制御弁40のスリーブ41を挿入するとき、収容穴100の内壁とスリーブ41とが必要以上に強固に嵌合することが防がれる。そのため、油圧制御弁40を点検または交換する際、収容穴100から油圧制御弁40を容易に取り外すことができる。
さらに、カムシャフト14の収容穴100に油圧制御弁40を挿入する際のスリーブ41の変形が抑制される。そのため、スリーブ41に対するスプール50の往復移動を良好に保つことができる。
(2)本実施形態では、油圧制御弁40の大径部44の外径と小径部43の外径との差は、ベーンロータ30をカムシャフト14に圧入固定した際の収容穴100の内径の縮小量に対応している。
これにより、油圧制御弁40は、小径部43と大径部44が収容穴100の内壁に液密に当接する。
(3)本実施形態では、油圧制御弁40は、大径部44に設けられた第2ポート402が大気開放されている。
これにより、遅角室64〜67から排出されるオイルの圧力損失を小さくすることが可能になる。
また、カムシャフト14が受けるトルク変動によって第3ポート403の油圧が大気圧よりも小さくなる場合でも、スリーブ41の大径部44が収容穴100の内壁に液密に当接しているので、第2ポート402から第3ポート403へ空気が導入されることが防がれる。したがって、遅角室64〜67へ空気が吸い込まれることが防がれるので、バルブタイミング調整装置1は、ハウジング内でベーンロータ30がばたつき、異音が発生することを防ぐことができる。
(4)本実施形態では、油圧制御弁40の大径部44と小径部43とは一体に形成される。
これにより、部品点数が増加することなく、製造コストを低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図6に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、油圧制御弁40のスリーブ41の有する大径部44と小径部43との境界が、第2ポート402と第3ポート403との略中間の位置にある。
小径部43は、ベーンロータ30の径内方向に設けられる。大径部44は、ベーンロータ30の径内方向を除く個所に設けられる。図6では、大径部44が設けられる範囲をAで示し、小径部43が設けられる範囲をBで示している。また、図6では、大径部44と小径部43との境界に設けられた段差46が示さている。
第2実施形態においても、小径部43は、ベーンロータ30の径内方向に位置する収容穴100の内壁に液密に当接する。また、大径部44は、ベーンロータ30の径内方向を除く位置で、収容穴100の内壁に液密に当接する。したがって、第2実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、吸気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置について説明した。これに対し、他の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、排気弁の開閉タイミングを調整するものであってもよい。
上述した実施形態では、油圧制御弁の第3ポートと連通する油路を遅角油路とし、第4ポートと連通する油路を進角油路とした。これに対し、他の実施形態では、油圧制御弁の第3ポートと連通する油路を進角油路とし、第4ポートと連通する油路を遅角油路としてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・バルブタイミング調整装置
13,14・・・カムシャフト(従動軸)
20 ・・・ハウジング
30 ・・・ベーンロータ
40 ・・・油圧制御弁
43 ・・・小径部
44 ・・・大径部
100・・・収容穴
101〜105・・・孔
401〜405・・・第1ポート〜第5ポート(ポート)

Claims (5)

  1. エンジン(10)の駆動軸(11)と従動軸(13,14)との回転位相を変更し、前記従動軸が開閉駆動する吸気弁(19)または排気弁(18)の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置(1)であって、
    前記従動軸に対して相対回転可能に設けられ、前記駆動軸と共に回転するハウジング(20)と、
    前記ハウジングの内側で前記従動軸の径外方向の外壁に圧入固定され、前記ハウジング内に設けられた進角室(60〜63)および遅角室(64〜67)の油圧に応じてハウジングに対し相対回転可能なベーンロータ(30)と、
    前記従動軸の軸方向に延びる収容穴(100)に収容され、前記ベーンロータの径内方向に位置する前記収容穴の内壁に当接する小径部(43)、及びその小径部よりも外径が大きく形成され前記ベーンロータの径内方向を除く位置で前記収容穴の内壁に当接する大径部(44)を有し、前記小径部に設けられたポート(403、404)から前記従動軸に設けられた孔(103、104)を通じて前記進角室および前記遅角室に油圧を供給および排出する油圧制御弁(40)と、を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記油圧制御弁の前記大径部の外径と前記小径部の外径との差は、前記ベーンロータを前記従動軸に圧入固定した際の前記収容穴の内径の縮小量に対応していることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記油圧制御弁は、前記大径部に設けられたポート(402)が、前記従動軸に設けられた孔(102)を通じて大気開放されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記油圧制御弁の前記大径部と前記小径部とは一体に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記油圧制御弁は、前記従動軸の内壁に固定される筒状のスリーブ(41)、およびそのスリーブの内側に往復移動可能に設けられるスプール(50)を有し、前記スプールの移動により、油圧供給油路(91)と前記ポートとの連通および遮断を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
JP2012182256A 2012-08-21 2012-08-21 バルブタイミング調整装置 Active JP5842767B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012182256A JP5842767B2 (ja) 2012-08-21 2012-08-21 バルブタイミング調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012182256A JP5842767B2 (ja) 2012-08-21 2012-08-21 バルブタイミング調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014040778A true JP2014040778A (ja) 2014-03-06
JP5842767B2 JP5842767B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=50393215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012182256A Active JP5842767B2 (ja) 2012-08-21 2012-08-21 バルブタイミング調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5842767B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015141245A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 日立オートモティブシステムズ株式会社 バルブタイミング制御装置の制御弁、及び内燃機関のバルブタイミング制御装置
CN113614430A (zh) * 2019-03-25 2021-11-05 株式会社电装 工作油控制阀和阀正时调整装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1136826A (ja) * 1997-05-19 1999-02-09 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2005325841A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Ina Schaeffler Kg 内燃機関の制御時間を変更するための装置用の制御弁
JP2012026322A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Toyota Motor Corp センターボルト
JP2012122456A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Denso Corp バルブタイミング調整装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1136826A (ja) * 1997-05-19 1999-02-09 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2005325841A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Ina Schaeffler Kg 内燃機関の制御時間を変更するための装置用の制御弁
JP2012026322A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Toyota Motor Corp センターボルト
JP2012122456A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Denso Corp バルブタイミング調整装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015141245A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 日立オートモティブシステムズ株式会社 バルブタイミング制御装置の制御弁、及び内燃機関のバルブタイミング制御装置
CN105934565A (zh) * 2014-03-19 2016-09-07 日立汽车系统株式会社 阀正时控制装置的控制阀,以及内燃机的阀正时控制装置
JPWO2015141245A1 (ja) * 2014-03-19 2017-04-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 バルブタイミング制御装置の制御弁、及び内燃機関のバルブタイミング制御装置
US10145273B2 (en) 2014-03-19 2018-12-04 Hitachi Automotove Systems, Ltd. Control valve for valve timing control device and valve timing control device for internal combustion engine
CN113614430A (zh) * 2019-03-25 2021-11-05 株式会社电装 工作油控制阀和阀正时调整装置
CN113614430B (zh) * 2019-03-25 2023-04-28 株式会社电装 工作油控制阀和阀正时调整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5842767B2 (ja) 2016-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5682614B2 (ja) バルブタイミング調整装置
US20090145386A1 (en) Valve timing adjusting apparatus
JP5574189B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP6417788B2 (ja) バルブタイミング調整システム及びその製造方法
JP2010196698A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2020159203A (ja) 作動油制御弁
WO2020195747A1 (ja) 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置
JP6390499B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP7021658B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009185719A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009068448A (ja) バルブタイミング調整装置
JP6558470B2 (ja) バルブタイミング調整システム
JP2008069651A (ja) バルブタイミング調整装置
JP5842767B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP5811358B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2015045282A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP5601542B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009209821A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4463186B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP5949373B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP5557064B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP6079448B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2007138722A (ja) バルブタイミング調整装置
JP5532338B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2016217327A (ja) チェーンケース

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151102

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5842767

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250