JP5176673B2 - 車両用のインホイールモータ - Google Patents
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Description
つぎに、この発明に係るインホイールモータの具体例を、図面に基づいて説明する。図1は、車両用のインホイールモータの構成を示す概略的な断面図、図2は車両の概念図である。車両1の車体2の下方にはホイルハウス3が形成されており、そのホイルハウス3内に車輪4が配置されている。この車輪4は、車両1の前輪または後輪のいずれであってもよい。また、車両1は前輪駆動車、または後輪駆動車あるいは四輪駆動車のいずれでもよい。以下、便宜上、1個の車輪4についてその構成を説明する。この車輪4は、路面に接地するタイヤ4Aと、このタイヤ4Aが取り付けられたホイール4Bとを有している。タイヤ4Aはゴム状弾性体を主体として構成され、ホイール4Bは金属材料を主体として構成されている。さらに、車輪4と動力伝達可能に接続された電動モータ5が設けられており、その電動モータ5がケーシング6の内部に配置されている。前記ホイール4Bは円筒部4Cを有しており、その円筒部4Cの内側の空間に、ケーシング6および電動モータ5が配置されている。このケーシング6と、車体2とを上下方向に相対移動可能な状態で接続する懸架装置7が設けられている。この懸架装置7は、車体2とケーシング6とを接続するアーム、およびアームと車体2との間に介在されたスプリングなどにより構成された公知のものである。この懸架装置7は、ストラット形式またはダブルウィッシュボーン形式またはスイングアーム形式またはマルチリンク形式のいずれでもよい。また、ケーシング6の内部には、電動モータ5により駆動されるオイルポンプ8が設けられている。以下、電動モータ5の構成およびオイルポンプ8の構成について具体的に説明する。
つぎに、オイルポンプ8を駆動する機構の具体例2を、図4に基づいて説明する。具体例2において、具体例1と同じ構成部分については、具体例1と同じ符号を付してある。この具体例2においても、インナロータ16が正回転するとオイルの吸入および吐出がおこなわれ、インナロータ16が逆回転すると、オイルの吸入および吐出はおこなわれない。この具体例2では、ブレーキ25を係合および解放させるためのアクチュエータが設けられていない点で、具体例1と異なる。この具体例2においては、ブレーキ25として、多板ブレーキまたは単板ブレーキが用いられている。この多板ブレーキおよび単板ブレーキは、環状のプレートおよび環状のディスクを軸線に沿った方向に交互に配置したものである。そして、ブレーキ25に、軸線に沿った方向の押圧力が増加すると係合され、軸線に沿った方向の押圧力が低下すると解放される構成である。また、前記リングギヤ22が環状部材28の内周に形成されており、遊星歯車機構20を構成する各ギヤは「はすば歯車」により構成されている。環状部材28は、金属材料により構成されている。このため、車両1を後進させる向きで電動モータ7が回転されると、各ギヤ同士の噛み合い力により、環状部材28を軸線に沿った方向に押し付ける押圧力(スラスト力)が発生する。
つぎに、電動モータからオイルポンプに至る動力伝達経路の他の具体例3を、図5に基づいて説明する。この具体例3においては、一方向クラッチ17の他に、別の一方向クラッチ34が設けられている。一方向クラッチ17は、内輪18および外輪19を有している。また、一方向クラッチ34は、内輪35および外輪19を有している。つまり、外輪19は、一方向クラッチ17および一方向クラッチ34で共用化されている。内輪18は回転軸13と一体回転する構成である。リングギヤ22にはコネクティングドラム39が動力伝達可能に連結され、そのコネクティングドラム39が車輪4と動力伝達可能に連結されている。このコネクティングドラム39と内輪35とが一体回転する構成である。また、コネクティングドラム39は円筒形状を有しており、そのコネクティングドラム39内にオイルポンプ8および一方向クラッチ17,34が配置されている。一方向クラッチ17は、内輪18が逆方向に回転すると係合され、かつ、内輪18が正方向に回転すると解放される構成である。これに対して、一方向クラッチ34は、内輪35が逆方向に回転すると係合され、かつ、内輪35が正方向に回転すると解放される構成である。さらに具体例3では、キャリヤ24が公転しないようにケーシング6に固定されている。この具体例3において、オイルポンプ8は、インナロータ16が逆回転するとオイルの吸入および吐出がおこなわれる構成である。その他の構成部分は具体例1の構成と同じである。
つぎに、具体例4を図7に基づいて説明する。この具体例4においては、電動モータ5のロータ10に出力軸30が動力伝達可能に接続されており、その出力軸30とロータ10とが同軸上に配置されている。また、出力軸30と回転軸13とが偏心して配置されている。出力軸30には2個のドライブギヤ31,32が形成されている。また、回転軸13にはドリブンギヤ33が形成されており、ドライブギヤ32とドリブンギヤ33とが噛合されている。また、具体例4では2個の一方向クラッチ17,34が並列に配置されている。一方向クラッチ17は、内輪18および外輪19を有している。また、一方向クラッチ34は、内輪35および外輪19を有している。つまり、外輪19は、一方向クラッチ17および一方向クラッチ34で共用化されている。一方向クラッチ34の内輪35と一体回転するドリブンギヤ36が設けられ、ドリブンギヤ36およびドライブギヤ31に噛合するピニオンギヤ37が設けられている。このピニオンギヤ37はキャリヤ38により自転可能に支持され、かつ、キャリヤ38はケーシング6に固定されており、ピニオンギヤ37は公転不可能である。
つぎに、具体例5について説明する。この具体例5は、電動モータ5のトルクが伝達される車輪4が、前輪または後輪のいずれか一方であり、他方の車輪にはエンジントルクが伝達される構成の車両を対象としている。このエンジンは、燃料を燃焼させて熱エネルギを発生させ、その熱エネルギを運動エネルギに変換して出力する動力装置である。このエンジンとしては、内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンを用いることができる。つまり、具体例5は、動力の発生原理が異なる2種類の駆動力源を搭載した車両、すなわち、ハイブリッド車を対象とするものである。この具体例5の基本的な構成は、具体例4と同じであるので、具体例5についても、図5を用いて説明する。これに対して、具体例5と具体例4とを比較すると、一方向クラッチ17,34の構成が異なる。すなわち、具体例5では、一方向クラッチ17は、内輪18が正回転すると係合され、かつ、内輪18が逆回転すると解放される構成である。また、一方向クラッチ34は、内輪35が正回転すると係合され、かつ、内輪35が逆回転すると解放される構成である。また、具体例5においては、サンギヤ21の回転数の方がリングギヤ22の回転数よりも高くなる構成である。
Claims (3)
- 車輪の一部を構成し、かつ、円筒部を有するホイールと、前記円筒部内に設けられた中空のケーシングと、このケーシングの内部に設けられ、かつ、前記ホイールに動力伝達可能に接続された電動モータと、この電動モータの動力により回転されて前記ケーシング内のオイルを吸入および吐出するオイルポンプと、このオイルポンプから吐出されたオイルが供給される被供給部とを有する、車両用のインホイールモータにおいて、
前記電動モータから前記オイルポンプに至る動力伝達経路に、車両を前進させるために前記電動モータが第1の方向に回転する場合、および前記車両を後進させるために前記電動モータが前記第1の方向とは逆の第2の方向に回転する場合の両方で、前記オイルポンプの回転方向を同じとする回転方向制御機構が設けられており、
前記回転方向制御機構が、
前記車両を前進させる場合に前記電動モータの動力が伝達される第1の動力伝達経路に設けられ、前記電動モータが前記第1の方向に回転する場合に係合して前記電動モータの動力を前記オイルポンプに伝達するとともに、前記電動モータが前記第2の方向に回転する場合に解放して前記第1の動力伝達経路を遮断する1個の一方向クラッチと、
前記電動モータが前記第2の方向に回転する場合に前記電動モータの動力を前記オイルポンプに伝達する伝動装置であって、互いに差動回転可能な入力要素、反力要素、および出力要素を有し、前記入力要素が前記電動モータに動力伝達可能に接続され、前記出力要素が前記オイルポンプに動力伝達可能に接続されている1個の遊星歯車機構と、
前記反力要素に制動力を与えるブレーキと
から構成されている
ことを特徴とする車両用のインホイールモータ。 - 前記入力要素および前記出力要素および反力要素が歯車を有しており、歯車同士の噛み合いにより生じる力を、前記ブレーキを係合させる力に変換する変換機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用のインホイールモータ。
- 前記回転方向制御機構は、前記車両を後進させるために前記電動モータが回転する場合における前記オイルポンプの回転数が、前車両を前進させるために前記電動モータが回転する場合における前記オイルポンプの回転数よりも高くなる構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用のインホイールモータ。
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