JP5949364B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の動力伝達装置では、エンジン入力軸とモータ入力軸との間の動力の伝達は、入力側クラッチにより許容または遮断される。また、エンジン入力軸から出力軸への動力の伝達は、出力軸上に設けられた第1出力側クラッチにより許容または遮断される。さらに、モータ入力軸から出力軸への動力の伝達は、出力軸上に設けられた第2出力側クラッチにより許容または遮断される。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による動力伝達装置を図1に示す。
エンジン入力軸21は、例えば金属により棒状に形成され、一端がエンジン10のクランクシャフトに接続される。これにより、エンジン10の動力は、エンジン入力軸21に入力される。
また、第1モータ11の動力は、モータ入力軸22、ローギアとしての第2ドライブギア32、第2ドリブンギア34、出力軸23、第1ドリブンギア33、最終ギア35および軸部材24を経由してディファレンシャルギア13に伝達される。
このように、エンジン10および第1モータ11の動力は、ハイギア機構としての第1ドライブギア31および第1ドリブンギア33、または、ローギア機構としての第2ドライブギア32および第2ドリブンギア34、ならびに、出力軸23を経由してディファレンシャルギア13に伝達される。
ECU90は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。ECU90は、車両の各部に取り付けられた各種センサからの信号等に基づき、ROMに記憶されたプログラムに従い処理を行い、車両の各種装置の駆動を制御することで車両を統合的に制御する。
より具体的には、ECU90には、車両100の車速に対応する車速信号、アクセル開度に対応するアクセル開度信号、車両駆動用バッテリ101の充電率に対応するSOC(State of charge)信号等が入力される。車速信号としては、例えば車輪近傍に設けられた車速センサから出力される信号を用いる。アクセル開度信号としては、例えばアクセル開度センサから出力される信号を用いる。SOC信号としては、車両駆動用バッテリ101の充電率を検出して出力するバッテリ監視装置等から出力される信号を用いる。
ECU90による入力側クラッチ40および第1出力側クラッチ50の制御によって、エンジン10の発生する動力は、ハイギア機構を経由して駆動輪15に伝達されることも、ローギア機構を経由して駆動輪15に伝達されることも可能である。一方、第1モータ11の発生する動力は、ローギア機構としての第2ドライブギア32および第2ドリブンギア34を経由して駆動輪15に伝達される。
(モータLモード)
モータLモードでは、第1モータ11の動力がローギア機構を経由して駆動輪15に伝達される。このモードでは、入力側クラッチ40および第1出力側クラッチ50は、切断(接続が解除)されている。
エンジンLモードでは、エンジン10の動力がローギア機構を経由して駆動輪15に伝達される。このモードでは、入力側クラッチ40が接続され、第1出力側クラッチ50は切断される。
エンジンHモードでは、エンジン10の動力がハイギア機構を経由して駆動輪15に伝達される。このモードでは、第1出力側クラッチ50が接続され、入力側クラッチ40は切断される。
発電モードでは、エンジン10の動力が、入力側クラッチ40または第1出力側クラッチ50の少なくとも一方を経由して第1モータ11に伝達される。このモードでは、入力側クラッチ40または第1出力側クラッチ50の少なくとも一方が接続される。このモードでは、エンジン10の動力を用いて第1モータ11により発電し、車両駆動用バッテリ101に充電を行うことができる。このモードでは出力軸23が回転するため、このモードは、車両100の走行時に実現可能である。
具体的には、第1モータ11とエンジン10とが共にローギア機構を使用する場合は、モータLモードとエンジンLモードとを組み合わせ、入力側クラッチ40を接続し、第1出力側クラッチ50を切断すればよい。
なお、ECU90は、駆動輪15から出力軸23を経由して伝達されるトルクにより第1モータ11を回転させることで発電を行う、所謂回生ブレーキ制御を行うことができる。
したがって、上述したような入力側クラッチ40および第1出力側クラッチ50の接続、切断の組み合わせと、第1モータ11による駆動、非駆動とを組み合わせることで、第1モータ11の作動モードとしては、出力軸23に動力を伝達しない非駆動モードおよびモータLモードがあり、エンジン10の作動モードとしては、出力軸23に動力を伝達しない非駆動モード、エンジンLモードおよびエンジンHモードがある。これら第1モータ11およびエンジン10の作動モードは、一部の組み合わせを除き、任意に組み合わせ可能である。
本発明の第2実施形態による動力伝達装置を図2に示す。
第2実施形態では、車両100に第2モータ12が設けられている。第2モータ12は、第1モータ11と同様、車両駆動用バッテリ101の電力により回転する電気モータであり、モータ軸にトルクが入力されることにより発電し車両駆動用バッテリ101に充電可能なジェネレータとしても機能する。第2モータ12は、出力軸23の第1ドリブンギア33とは反対側の端部に接続される。これにより、第2モータ12の動力は、出力軸23に入力される。
本実施形態では、動力伝達装置は、第2出力側クラッチ60および第2筒軸26をさらに備えている。第2出力側クラッチ60は、モータ入力軸22に対し同軸となるようモータ入力軸22の径方向外側に設けられている。第2出力側クラッチ60は、例えば単層湿式クラッチであり、クラッチハウジング61、係合部62および被係合部63を有している。クラッチハウジング61は、例えば金属により有底円筒状に形成され、両方の底部中央に形成された穴部にモータ入力軸22が挿通された状態でモータ入力軸22に対し同軸かつ相対回転可能に設けられている。係合部62は、クラッチハウジング61の第1モータ11側の底部の内壁側に設けられている。被係合部63は、円板状に形成され、クラッチハウジング61に収容され、中央がモータ入力軸22に固定され、モータ入力軸22に対し同軸かつ相対回転不能となるようモータ入力軸22に設けられている。
上記構成により、係合部52が被係合部53に係合したとき、すなわち、第1出力側クラッチ50が接続状態となったとき、エンジン10の動力は、エンジン入力軸21、第1出力側クラッチ50、第1筒軸25、ハイギアとしての第1ドライブギア31、第1ドリブンギア33、最終ギア35および軸部材24を経由してディファレンシャルギア13に伝達される。
また、第2出力側クラッチ60が接続状態となり、かつ、エンジン入力軸21の回転数がモータ入力軸22の回転数以上となった場合、すなわち、入力側クラッチ43が接続状態となった場合、エンジン10の動力は、エンジン入力軸21、入力側クラッチ43、モータ入力軸22、第2出力側クラッチ60、第2筒軸26、ローギアとしての第2ドライブギア32、第2ドリブンギア34、出力軸23、第1ドリブンギア33、最終ギア35および軸部材24を経由してディファレンシャルギア13に伝達される。なお、このとき、第1モータ11の動力がモータ入力軸22に入力された場合、エンジン10の動力と第1モータ11の動力とがディファレンシャルギア13に伝達される。
(モータLモード)
モータLモードでは、第1モータ11の動力がローギア機構を経由して駆動輪15に伝達される。このモードでは、第2出力側クラッチ60が接続され、第1出力側クラッチ50および入力側クラッチ43は切断(接続が解除)されている。なお、入力側クラッチ43(モータ入力軸22)は、エンジン入力軸21に対し空回りした状態である。
エンジンLモードでは、エンジン10の動力がローギア機構を経由して駆動輪15に伝達される。このモードでは、入力側クラッチ43および第2出力側クラッチ60が接続され、第1出力側クラッチ50は切断される。
エンジンHモードでは、エンジン10の動力がハイギア機構を経由して駆動輪15に伝達される。このモードでは、第1出力側クラッチ50および入力側クラッチ43が接続され、第2出力側クラッチ60は切断される。
発電モードでは、エンジン10の動力が入力側クラッチ43を経由して第1モータ11に伝達される。このモードでは、入力側クラッチ43が接続され、他のクラッチ(第1出力側クラッチ50および第2出力側クラッチ60)は切断される。このモードでは、エンジン10の動力を用いて第1モータ11により発電し、車両駆動用バッテリ101に充電を行うことができる。このモードは、車両100の停止時に実現可能である。また、第2モータ12の発生する動力で車両100が低速走行するようなときにも実現可能である。さらに、第1モータ11で発電した電力により第2モータ12を回転駆動し車両100を走行させる、所謂シリーズ運転を行うこともできる。
また、第1モータ11がローギア機構を使用し、エンジン10がハイギア機構を使用する場合は、モータLモードとエンジンHモードとを組み合わせ、第1出力側クラッチ50および第2出力側クラッチ60を接続すればよい。
なお、ECU90は、駆動輪15から出力軸23を経由して伝達されるトルクにより第2モータ12を回転させることで発電を行う、所謂回生ブレーキ制御を行うことができる。また、このとき、第2出力側クラッチ60を接続すれば、駆動輪15から出力軸23およびモータ入力軸22を経由して第1モータ11にトルクが伝達されるため、第1モータ11でも回生ブレーキによる発電を行うことができる。
また、本実施形態では、第2ドライブギア32は、モータ入力軸22に対し相対回転可能である。動力伝達装置は、第2出力側クラッチ60および第2筒軸26をさらに備えている。第2出力側クラッチ60は、モータ入力軸22に対し同軸となるよう設けられている。第2筒軸26は、モータ入力軸22に対し同軸かつ相対回転可能となるようモータ入力軸22の径方向外側に設けられ、一端が第2出力側クラッチ60に接続され、他端が第2ドライブギア32に接続される。これにより、第2出力側クラッチ60は、モータ入力軸22と第2ドライブギア32との接続を許容または解除することで、モータ入力軸22から出力軸23への動力の伝達を許容または遮断可能である。
このように、比較的体格の大きな第2出力側クラッチ60をモータ入力軸22と同軸に配置することにより、第1出力側クラッチ50および第2出力側クラッチ60をエンジン幅内に効率的に配置でき、動力伝達装置の体格を小さくすることができる。
本発明の第3実施形態による動力伝達装置を図3に示す。第3実施形態は、第2出力側クラッチの構成等が第2実施形態と異なる。
本発明の第4実施形態による動力伝達装置を図4に示す。第4実施形態では、第2出力側クラッチの位置等が第3実施形態と異なる。
第2出力側クラッチ64は、出力軸23と第2ドリブンギア34の内縁部との間に設けられている。そのため、第2出力側クラッチ64は、第2ドリブンギア34の回転数が出力軸23の回転数以上のときは第2ドリブンギア34と出力軸23とを接続し、第2ドリブンギア34の回転数が出力軸23の回転数より小さいときは第2ドリブンギア34と出力軸23とを切断する(空回りさせる)よう作動する。
上記構成により、本実施形態では、第3実施形態と同様の作動モードを実現できる。
本発明の第5実施形態による動力伝達装置を図5に示す。第5実施形態は、第1出力側クラッチの構成等が第3実施形態と異なる。
上記構成により、本実施形態では、第3実施形態と同様の作動モードを実現できる。
本発明の第6実施形態による動力伝達装置を図6に示す。第6実施形態は、第2出力側クラッチの配置が第5実施形態と異なる。
上記構成により、本実施形態では、第5実施形態と同様の作動モードを実現できる。
上述の実施形態では、第1ドライブギアをハイギアとして、第2ドライブギアをローギアとして形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1ドライブギアと第2ドライブギアとのギア比はどのように設定してもよい。
本発明の他の実施形態では、第1実施形態の入力側クラッチをワンウェイクラッチに置き換えることとしてもよい。また、第2〜6実施形態の入力側クラッチを、ワンウェイクラッチではなく、例えば第1実施形態のように湿式クラッチ等の通常のクラッチに置き換えることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、最終ギアおよび軸部材を備えず、出力軸をディファレンシャルギアに接続する構成としてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
21 ・・・エンジン入力軸
22 ・・・モータ入力軸
23 ・・・出力軸
31 ・・・第1ドライブギア
32 ・・・第2ドライブギア
33 ・・・第1ドリブンギア
34 ・・・第2ドリブンギア
40、43 ・・・入力側クラッチ
50 ・・・第1出力側クラッチ
Claims (8)
- エンジン(10)および第1モータ(11)の動力を車両(100)の車軸(14)に伝達する動力伝達装置(1)であって、
一端が前記エンジンに接続され、前記エンジンの動力が入力されるエンジン入力軸(21)と、
一端が前記第1モータに接続され、前記第1モータの動力が入力され、他端が前記エンジン入力軸の他端に対向するよう前記エンジン入力軸と同軸に設けられるモータ入力軸(22)と、
前記エンジン入力軸および前記モータ入力軸に対し平行に設けられ、入力された動力を前記車軸に出力する出力軸(23)と、
前記エンジン入力軸に対し同軸かつ相対回転可能となるよう前記エンジン入力軸の径方向外側に設けられる第1ドライブギア(31)と、
前記モータ入力軸に対し同軸となるよう前記モータ入力軸の径方向外側に設けられる第2ドライブギア(32)と、
前記第1ドライブギアに噛み合うとともに前記出力軸に対し同軸となるよう前記出力軸の径方向外側に設けられる第1ドリブンギア(33)と、
前記第2ドライブギアに噛み合うとともに前記出力軸に対し同軸となるよう前記出力軸の径方向外側に設けられる第2ドリブンギア(34)と、
前記エンジン入力軸の他端と前記モータ入力軸の他端との間に設けられ、前記エンジン入力軸と前記モータ入力軸との接続を許容または解除することで、前記エンジン入力軸と前記モータ入力軸との間の動力の伝達を許容または遮断可能な入力側クラッチ(40、43)と、
前記エンジン入力軸に対し同軸となるよう前記エンジン入力軸の径方向外側に設けられ、前記エンジン入力軸と前記第1ドライブギアとの接続を許容または解除することで、前記エンジン入力軸から前記出力軸への動力の伝達を許容または遮断可能な第1出力側クラッチ(50)と、
を備える動力伝達装置。 - 前記エンジン入力軸に対し同軸かつ相対回転可能となるよう前記エンジン入力軸の径方向外側に設けられ、一端が前記第1出力側クラッチに接続され、他端が前記第1ドライブギアに接続される第1筒軸(25)をさらに備える請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記出力軸には、第2モータ(12)が接続され、前記第2モータの動力が入力されることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
- 前記第2ドライブギアは、前記モータ入力軸に対し相対回転可能であり、
前記モータ入力軸に対し同軸となるよう設けられ、前記モータ入力軸と前記第2ドライブギアとの接続を許容または解除することで、前記モータ入力軸から前記出力軸への動力の伝達を許容または遮断可能な第2出力側クラッチ(60、64)をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。 - 前記モータ入力軸に対し同軸かつ相対回転可能となるよう前記モータ入力軸の径方向外側に設けられ、一端が前記第2出力側クラッチに接続され、他端が前記第2ドライブギアに接続される第2筒軸(26)をさらに備える請求項4に記載の動力伝達装置。
- 前記第2出力側クラッチ(64)は、ワンウェイクラッチであることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
- 前記第2ドリブンギアは、前記出力軸に対し相対回転可能であり、
前記出力軸に設けられ、前記出力軸と前記第2ドリブンギアとの接続を許容または解除することで、前記モータ入力軸から前記出力軸への動力の伝達を許容または遮断可能なワンウェイクラッチである第2出力側クラッチ(64)をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。 - 前記入力側クラッチ(43)は、ワンウェイクラッチであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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