JP3852414B2 - ハイブリッド車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を駆動するために内燃機関と電動機とを共に装備したハイブリッド車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両を駆動するために内燃機関(以下、エンジンという)と電動機(以下、電動モータ又は単にモータという)とを共に装備したハイブリッド車の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、トランスミッションの全長,重量,コスト等を増大させることなく、モータ単独やエンジン単独やエンジンと電気モータとの併用といった種々の駆動状況でも前進,後退を達成でき、また、減速時のエネルギ回生をできるようにしたハイブリッド車であり、図5に示すように構成されている。
【0003】
つまり、図5に示すように、このハイブリッド車は、エンジン3とモータ4とトランスミッション(変速機)を含む動力伝達機構1とを組み合わせて構成されており、動力伝達機構1のケーシング11はエンジン3のシリンダブロックに一体に固設されている。また、モータ4は、エンジン3の出力軸3aと同軸に設けられ、ロータ41と同軸一体に設けられたモータ4の出力軸43内を、エンジン3の出力軸3aが貫通している。また、モータ4のステータ42は、ケーシング11に固定されている。
【0004】
そして、エンジン3,モータ4と動力伝達機構1の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)6との間には、回転方向切替機構12が配設され、また、エンジン3と回転方向切替機構12との間には、トルクコンバータ13が介装されている。したがって、エンジン3,モータ4からそれぞれ入力される回転は、回転方向切替機構12を介して無段変速機構6に入力され、このうち、エンジン3から入力される回転はトルクコンバータ13,回転方向切替機構12を介して無段変速機構6に入力されるようになっている。
【0005】
回転方向切替機構12としては、プラネタリギヤユニットが採用されており、そのサンギヤ12aには、エンジン3の出力軸3aが連結され、ピニオンギヤ12bを支持するキャリア12cには、モータ4のロータ41に同軸一体に固設された出力軸43が連結されている。したがって、エンジン3の回転はサンギヤ12aから入力され、モータ4の回転はキャリア12cから入力されるようになっている。なお、ピニオンギヤ12bは、互いに噛合するインナピニオン12baとアウタピニオン12bbとからなるダブルピニオンギヤであり、インナピニオン12baはサンギヤ12aと噛合し、アウタピニオン12bbはリングギヤ12dと噛合している。
【0006】
回転方向切替機構12から無段変速機6への回転の出力は、キャリア12cから行なわれるようになっている。つまり、キャリア12cの無段変速機6側には、無段変速機6のプライマリプーリ62と同軸一体の入力軸61が連結されており、サンギヤ12a,キャリア12cにそれぞれ入力されたエンジン3,モータ4の回転をキャリア12cから入力軸61に出力するようになっている。
【0007】
また、リングギヤ12dにはリバースブレーキ14が設けられている。このリバースブレーキ14はケーシング11に固定されているので、リバースブレーキ14を接続(オン)することによってリングギヤ12dの回転を拘束できるようになっている。一方、リバースブレーキ14が解除(オフ)されたときには、リングギヤ12dは回転自在となり、ピニオンギヤ12bの自転,公転に応じて回転するようになっている。
【0008】
また、無段変速機6の入力軸61の内側には、クラッチ15が配設されている。このクラッチ15は、サンギヤ12aから無段変速機6側に延設されたシャフト16と、入力軸61とを連結切り離しするように設けられており、クラッチ15を接続(オン)することによって、シャフト16と一体のサンギヤ12aと、入力軸61と一体のキャリア12cとは互いに拘束されて一体に回転するようになっている。
【0009】
無段変速機6は、プライマリプーリ62とセカンダリプーリ64とベルト63とから構成されており、回転方向切替機構12から入力軸61に入力された回転は、入力軸61と同軸一体のプライマリプーリ62からベルト63を介してセカンダリプーリ64へ入力されるようになっている。
プライマリプーリ62,セカンダリプーリ64はそれぞれ固定シーブ62a,64aと可動シーブ62b,64bとをそなえ、セカンダリプーリ64に結合された出力軸65の回転が、出力軸65に固設されたギヤ66及びカウンタシャフト7に固設されたカウンタギヤ71からカウンタギヤ72を介してリングギヤ81からデファレンシャルギヤ8に伝達され、これにより、デファレンシャルギヤ8を介して左右の車輪軸(車輪駆動軸)9L,9Rが回転駆動されるようになっている。
【0010】
また、エンジン及びモータと変速機との間にエンジンやモータの回転を吸収しうるプラネタリギヤ機構を介装してトルクコンバータを省略することでトランスミッション部分の全長を短縮できるようにしたものが開発されている(例えば、特許文献2参照)。
図6は特許文献2に開示された従来技術のハイブリッド車の駆動系(主としてトランスミッション)を示すスケルトン図である。図6に示すように、トランスミッション1の入口部分にはプラネタリギヤ機構2がそなえられている。このプラネタリギヤ機構2は、ダブルピニオンタイプに構成され、サンギヤ21と、サンギヤ21と噛合するインナピニオン22及びインナピニオン22と噛合するアウタピニオン23と、ピニオン22,23を支持するキャリア24と、アウタピニオン23と噛合するリングギヤ25とをそなえている。
【0011】
サンギヤ21はエンジンの回転軸3に接続され、キャリア24に電動モータ4のロータ(回転子)41が接続されている。また、この一方で、キャリア24はキャリアクラッチ51を介して、リングギヤ25はリングギヤクラッチ52を介して、CVT6の入力軸61に接続可能になっている。また、トランスミッションケーシング11とリングギヤ25との間にはリングギヤブレーキ53が介装されている。さらに、トランスミッションケーシング11には、ロータ41と対向するように電動モータ4のステ−タ42が設けられている。
【0012】
CVT6は、入力軸61に連結されたプライマリプーリ62と、プライマリプーリ62にベルト63を介して接続されたセカンダリプーリ64とをそなえ、セカンダリプーリ64にCVT6の出力軸65が連結されている。なお、プライマリプーリ62及びセカンダリプーリ64は、可動シーブ62a,64a及び固定シーブ62b,64bからなる。
【0013】
さらに、出力軸65の回転は、出力軸65に固設されたギヤ66及びカウンタシャフト7に固設されたカウンタギヤ71からカウンタギヤ72を介してリングギヤ81からデファレンシャルギヤ8に伝達され、これにより、デファレンシャルギヤ8を介して左右の車輪軸(車輪駆動軸)9L,9Rが回転駆動されるようになっている。
【0014】
上記のキャリアクラッチ51,リングギヤクラッチ52,リングギヤブレーキ53は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置であって、油圧制御回路(図示略)から供給される作動油によって摩擦係合するようになっている。表1に示すように、これらのクラッチ51,52及びブレーキ53を適宜係脱することで、図7の共線図に示すような様々な動力伝達状態が達成される。
【0015】
【表1】
つまり、電動モータ4でエンジンを始動する場合、リングギヤブレーキ53のみ接続状態として、キャリアクラッチ51及びリングギヤクラッチ52は開放状態(切り離し状態)にする(表1(a)参照)。そして、図7(a)に示すように、電動モータ4を十分な速度まで回転させればエンジンを始動させることができる。なお、このときのモータ4の回転は、エンジンとは逆回転となる。また、もちろん、このときには、キャリアクラッチ51もリングギヤクラッチ52も開放されているので、駆動輪には動力は伝わらない。
【0016】
また、車両停止中に電動モータ4を発電機として駆動して充電を行なう場合にも、リングギヤブレーキ53のみ接続状態として、キャリアクラッチ51及びリングギヤクラッチ52は開放状態とする(表1(b)参照)。そして、図7(b)に示すように、エンジンで電動モータ4を回転させれば電動モータ4が発電機として機能して発電が行なわれ充電を行なうことができる。このときのモータ4の回転も、エンジンとは逆回転となる。また、もちろん、このときにも駆動輪には動力は伝わらない。
【0017】
電動モータ4のみで車両を走行させる場合には、キャリアクラッチ51のみ接続状態として、リングギヤクラッチ52及びリングギヤブレーキ53は開放状態とする(表1(c)参照)。そして、エンジンからの入力はないもの(即ち、サンギヤ停止)とすれば、電動モータ4の回転が図7(c)に太実線で示すように、電動モータ4をエンジンとは逆方向に回転させることでCVT6に前進方向の回転力が入力され車両は前進し、図7(c)に破線で示すように、電動モータ4をエンジンと同方向に回転させることでCVT6に後退方向の回転力が入力され車両は後退する。
【0018】
一方、エンジンのみで車両を走行させる場合には、キャリアクラッチ51及びリングギヤクラッチ52を接続状態として、リングギヤブレーキ53は開放状態とする(表1(d)参照)。これにより、図7(d)に示すように、サンギヤ21とプラネタリキャリア24とリングギヤ25とCVT6への入力軸61とが一体回転する直結状態となり、エンジンのみを作動させると、エンジンからCVT6に前進方向の回転力が入力され車両は前進する。
【0019】
また、エンジンと電動モータ4との両方を用いて車両を走行させる場合には、上記と同様に、キャリアクラッチ51及びリングギヤクラッチ52を接続状態として、リングギヤブレーキ53は開放状態とする(表1(e)参照)。これにより、図7(e)に示すように、サンギヤ21とプラネタリキャリア24とリングギヤ25とCVT6への入力軸61とが一体回転する直結状態となり、エンジン及び電動モータ4を作動させると、エンジン及び電動モータ4からCVT6に前進方向の回転力が入力され車両は前進する。
【0020】
さらに、走行中に電動モータ4により発電を行なう場合には、上記と同様に、キャリアクラッチ51及びリングギヤクラッチ52を接続状態として、リングギヤブレーキ53は開放状態とする(表1(f)参照)。これにより、図7(f)に示すように、サンギヤ21とプラネタリキャリア24とリングギヤ25とCVT6への入力軸61とが一体回転する直結状態となり、エンジンを作動させるとともに電動モータ4を発電機作動の状態とすれば、エンジンの駆動力の一部が発電機としての電動モータ4を回転駆動すると共に、エンジンの残りの駆動力がCVT6に前進方向の回転力として入力され車両は前進する。
【0021】
また、バッテリ容量が少なくて電動モータ4による発進を回避したい場合や、極低車速高負荷発進(急登坂路発進)の場合などエンジントルクを増幅させたいときには、エンジン始動(表1(a),図7(a)参照)の後に、リングギヤブレーキ53は開放状態としてリングギヤクラッチ52を接続状態とし、キャリアクラッチ51は開放状態のままとする(表1(g)参照)。ここで、図7(g)に破線で示すように、電動モータ4を発電状態とすると、電動モータ4がエンジントルク反力となってエンジントルクが増幅し、リングギヤ25が正方向に回転するように電動モータ4とエンジンとを制御することによって車両を発進させることができる。
【0022】
この状態から、キャリアクラッチ51を徐々に係合させていけば、この係合完了時には、図7(g)に実線で示すように、通常走行状態、つまり、エンジン走行状態(図7(d)参照)、又はエンジンと電動モータ4との両方を用いた走行状態(図7(e)参照)、又は電動モータ4により発電を行ないながらのエンジン走行状態(図7(f)参照)に移行することができる。
【0023】
また、車両が低速で(電動モータ4のみで)走行している際に回生制動条件(例えばアクセルオフ又はブレーキオン)が成立した場合には、キャリアクラッチ51を接続状態として、リングギヤクラッチ52及びリングギヤブレーキ53は開放状態とする(表1(h)参照)。そして、電動モータ4を発電状態とし、CVT6をローギヤ側に制御すると、これにより、図7(h)に示すように、CVT6の入力軸61の回転がプラネタリギヤ機構2を介して電動モータ4のロータ41に伝達され、走行エネルギが発電エネルギ(電動モータ4を発電機として駆動するエネルギ)に変換される回生制動が行なわれる。
【0024】
また、車両が中速以上で(エンジンのみで、又はエンジン及び電動モータ4で)走行している際に回生制動条件(例えばアクセルオフ又はブレーキオン)が成立した場合には、キャリアクラッチ51及びリングギヤクラッチ52を接続状態として、リングギヤブレーキ53は開放状態とする(表1(i)参照)。そして、電動モータ4を発電状態とし、CVT6をローギヤ側に制御しエンジン出力を下げると、これにより、図7(i)に示すように、エンジン回転とCVT6の入力軸61の回転とがプラネタリギヤ機構2を介して電動モータ4のロータ41に伝達され、エンジン回転エネルギや走行エネルギが発電エネルギ(電動モータ4を発電機として駆動するエネルギ)に変換される回生制動が行なわれる。
【0025】
さらに、エンジンの出力によって車両を後退させる場合には、キャリアクラッチ51を接続状態として、リングギヤクラッチ52を開放状態とし、さらにリングギヤブレーキ53を開放状態からフリクション係合状態とする(表1(j)参照)。リングギヤブレーキ53をフリクション係合していき、プラネタリキャリア24が逆方向に回転するようにCVT6を制御することで、図7(j)に破線で示す状態から実線で示す状態へと移行して、エンジン回転によってプラネタリキャリア24が逆回転駆動されて車両を後退走行させることができる。
【0026】
【特許文献1】
特開2002−118903号公報
【特許文献2】
特開2002−171601号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の従来技術では、電動モータ4を作動させない場合も含めて、モータ4のロータ41は基本的に常時回転するようになっている。このため、エネルギ損失が生じるだけでなく、モータ4に熱が発生しやすくこの熱が周囲に悪影響を及ぼすことがある。また、回転しているモータを制御するときには逆起電力が作用する等によってモータ回転速度が速いほどモータの回転を制御するために高いバッテリ電圧が必要になる。
【0028】
近年、ハイブリッド車のために高電圧バッテリが開発されているが、十分に高いバッテリ電圧を得るには、バッテリを複数接続することになり、車両のコスト増を招くと共に高電圧に対応した配慮が必要になる。
もちろん、車両の走行を電動モータに頼る場合を多くすれは、相応のバッテリ容量が必要になり、車両の重量増やコスト増は避けられないが、エンジンによる走行を主体にして電動モータによる走行を補助的に用いるならば、より容量の小さなバッテリでもよくなる。したがって、このようなハイブリッド車を考えた場合にも、不要な場合は電動モータ4を停止させ、また、電動モータは可能な限り低回転で作動させるようにしたい。
【0029】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、電動モータは可能な限り低回転で作動させることができるとともに、効率よく回生制動を実施することができるようにした、ハイブリッド車を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のハイブリッド車(請求項1)は、内燃機関と電動機との両方又は一方で発生した回転を変速機によって変速して駆動輪に伝達し走行するハイブリッド車であって、該電動機は回転駆動されることで発電機として作動しうるように構成され、該電動機の出力軸と該合トルク出力機構との間の動力伝達は維持しながら該内燃機関の出力トルクと電動機の出力トルクとを集合させて該変速機側に出力する合トルク出力機構と、該内燃機関の出力軸と該合トルク出力機構との間の動力の伝達を断接しうる断接手段と、該内燃機関の出力軸の回転を規制しうる第1回転規制手段と、をそなえ、該合トルク出力機構は、該内燃機関及び該電動機の回転軸と同軸上に設けられ、該内燃機関の回転軸に該断接手段を介して接続された第1入力回転要素と、該電動機の回転軸に接続された第2入力回転要素と、出力回転要素とをそなえ、該第1入力回転要素と該出力回転要素との間の差動を許容して該第1入力回転要素及び該第2入力回転要素と該出力回転要素との間で動力を伝達する差動許容型動力伝達機構であり、該第1回転規制手段は、該合トルク出力機構を収容するケーシングと、該第1入力回転要素との間に介装され、該ケーシングと、該電動機の回転軸との間に該電動機の回転軸の回転を規制しうる第2回転規制手段が介装され、該差動許容型動力伝達機構は、該第1入力回転要素をサンギヤとし、第2入力回転要素をリングギヤとし、該出力回転要素をプラネタリキャリアとする、遊星歯車機構であることを特徴としている。
【0031】
これにより、本発明のハイブリッド車(請求項1)では、該内燃機関の出力のみにより該駆動輪を駆動させる際には、該電動機のロータを回転停止させることができ、不要なモータの回転を防止して、エネルギ損失を抑制して、モータの発熱を抑制することができる。また、モータの作動時の回転速度を抑えやすく、モータの回転を制御するためのバッテリの電圧を抑えることができる。
【0033】
該電動機は、電動機を収容するケーシングに対して回転自在に装備されたステータと、該ステータに対して相対回転するロータと、該ロータと該ステータとの相対回転を適宜規制する第2回転規制手段と、該ケーシング側に固定されて該ステータ側の電極に摺接して該電極へ電気を供給するブラシとをそなえ、該合トルク出力機構は、該内燃機関の回転軸に該断接手段を介して接続された該ステータと、該ロータとをそなえ、該ステータと、該ロータとの間の差動を許容して該ステータと、該ロータとの間で動力を伝達する差動許容型動力伝達機構であることが好ましい(請求項2)。
【0034】
該合トルク出力機構の出力軸と該変速機の該入力軸との間に、該合トルク出力機構の出力軸の回転を正転のまま該入力軸に出力する正転状態と該合トルク出力機構の出力軸の回転を逆転させて該入力軸に出力する逆転状態とを切り替える回転方向切替機構が介装されていることが好ましい(請求項3)。
【0035】
該回転方向切替機構は、該電動機出力軸に接続されたサンギヤと、該変速機の該入力軸に接続されたキャリアと、リングギヤとを有する遊星歯車機構をそなえるとともに、該サンギヤと該キャリアとの間に該電動機出力軸の回転を正転のまま該入力軸に出力するためのフォワードクラッチが介装され、該リングギヤと該回転方向切替機構のケーシングとの間に該電動機出力軸の回転を逆転させて該入力軸に出力するリバースブレーキが介装されていることが好ましい(請求項4)。
該変速機は無段変速機であることが好ましい(請求項5)。
【0036】
本ハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、従来技術のもの(図6参照)と同様に、プラネタリギヤ機構2Aをそなえ、このプラネタリギヤ機構2Aが、エンジン(内燃機関)3の出力トルクと電動機(以下、電動モータ又は単にモータという)4の出力トルクとを集合させて変速機6側に出力する合トルク出力機構として機能するようになっている。
【0037】
つまり、本ハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジン3と電動機4と変速機6を含む動力伝達機構1とを組み合わせて構成されており、動力伝達機構1のケーシング11はエンジン3のシリンダブロックに一体に固設されている。
動力伝達機構1の入口部分には遊星歯車式動力伝達機構(単に、プラネタリギヤ機構という)2Aがそなえられ、動力伝達機構1の中間部には変速機として無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)6がそなえられている。そして、エンジン3,モータ4と動力伝達機構1のCVT6との間には、回転方向切替機構12が配設されている。したがって、エンジン3,モータ4からそれぞれ入力される回転は、回転方向切替機構12を介してCVT6に入力されるようになっている。
【0038】
また、動力伝達機構1の入口部分のプラネタリギヤ機構2Aとエンジン3の回転軸3aとの間には、モータ4の出力軸とプラネタリギヤ機構(合トルク出力機構)2Aとの間の動力伝達は維持しながら、エンジン出力軸3aとプラネタリギヤ機構2Aとの間の動力の伝達を断接しうる断接手段としてエンジンクラッチ56が介装されている。
【0039】
プラネタリギヤ機構2Aは、ダブルピニオンタイプに構成され、サンギヤ21と、サンギヤ21と噛合するインナピニオン22及びインナピニオン22と噛合するアウタピニオン23と、ピニオン22,23を支持するプラネタリキャリア(単に、キャリアともいう)24と、アウタピニオン23と噛合するリングギヤ25とをそなえている。
【0040】
サンギヤ21はエンジンクラッチ56を介してエンジン回転軸3aに接続される回転要素(第1入力回転要素)であり、リングギヤ25は電動機(以下、電動モータ又は単にモータという)4のロータ(回転子)41が接続される回転要素(第2入力回転要素)であり、キャリア24は中間軸(遊星歯車式動力伝達機構2Aの出力軸)26,回転方向切替機構12を介してCVT6の入力軸61に接続可能な回転要素(出力回転要素)である。
【0041】
したがって、プラネタリギヤ機構2Aは、サンギヤ(第1入力回転要素)21とキャリア(出力回転要素)24との間の差動を許容してサンギヤ(第1入力回転要素)21及びリングギヤ(第2入力回転要素)25とキャリア(出力回転要素)24との間で動力を伝達する差動許容型動力伝達機構として機能するようになっている。
【0042】
また、サンギヤ(第1入力回転要素)21とトランスミッションケーシング11との間にはサンギヤブレーキ(第1回転規制手段)57が介装され、モータ4のロータ41とトランスミッションケーシング11との間にはモータブレーキ(第2回転規制手段)54が介装されている。
回転方向切替機構12は、従来例(図5)と同様に、サンギヤ12a,プラネタリピニオン12ba,12bb,キャリア12c,リングギヤ12dを有するプラネタリギヤ機構12Aが採用されている。つまり、プラネタリギヤ機構12Aのサンギヤ12aには、プラネタリギヤ機構2Aのキャリア24と一体結合された中間軸26が直結されている。また、ピニオンギヤ12ba,12bbを支持するキャリア12cがフォワードクラッチ15を介してプラネタリギヤ機構2A側の中間軸26と接続されている。また、回転方向切替機構12のキャリア12cは、一方で(無段変速機6側で)、無段変速機6のプライマリプーリ62と同軸一体の入力軸61に連結されている。さらに、リングギヤ12dとケーシング11との間には、リバースブレーキ14が介装されている。
【0043】
したがって、エンジン3の回転やモータ4の回転は、プラネタリギヤ機構2Aのキャリア24から中間軸26を通じて回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達されるようになっている。フォワードクラッチ15が結合されてリバースブレーキ14が開放されていれば、回転方向切替機構12では、サンギヤ12aとキャリア12cとが直結されて、入力軸61が中間軸26と一体回転する。
【0044】
一方、フォワードクラッチ15が開放されてリバースブレーキ14が結合されていれば、回転方向切替機構12はダブルピニオンタイプのプラネタリギヤ機構であって、サンギヤ12aとキャリア12cとが相対回転可能になって且つリングギヤ12dが回転をロックされるので、キャリア12cはサンギヤ12aと逆方向に回転する。
【0045】
また、フォワードクラッチ15とリバースブレーキ14とがともに結合されていれば、入力軸61及び中間軸26はロック状態になって、プラネタリギヤ機構2Aにおいてはキャリア24が、CVT6においては入力軸61に連結されたプライマリプーリ62が、それぞれ回転をロックされる。したがって、このときには、プラネタリギヤ機構2Aにおいて、サンギヤ21とリングギヤ25とが連動する。すなわち、サンギヤ21に連結されたエンジン3とリングギヤ25に連結されたモータ4とが連動する。
【0046】
このときのサンギヤ21の回転速度ωSとリングギヤ25の回転速度ωRとの比(ωS:ωR)は、サンギヤ21の歯数をZS,リングギヤ25の歯数をZRとすると、(1/ZS):(1/ZR)となり、ZS<ZRなので、リングギヤ25の回転速度ωRはサンギヤ21の回転速度ωSよりも低速になる。つまり、リングギヤ25に連結されたモータ4はサンギヤ21に連結されたエンジン3よりも低速になる。
【0047】
なお、CVT6は、入力軸61に連結されたプライマリプーリ62と、プライマリプーリ62にベルト63を介して接続されたセカンダリプーリ64とをそなえ、セカンダリプーリ64にCVT6の出力軸65が連結されている。なお、プライマリプーリ62及びセカンダリプーリ64は、可動シーブ62a,64a及び固定シーブ62b,64bからなる。
【0048】
さらに、出力軸65の回転は、出力軸65に固設されたギヤ66及びカウンタシャフト7に固設されたカウンタギヤ71からカウンタギヤ72を介してリングギヤ81からデファレンシャルギヤ8に伝達され、これにより、デファレンシャルギヤ8を介して左右の車輪軸(車輪駆動軸)9L,9Rが回転駆動されるようになっている。
【0049】
なお、CVT6と車輪軸(車輪駆動軸)9L,9Rとの間にはカウンタシャフト7が介在するので、車輪軸(車輪駆動軸)9L,9RはCVT6のプライマリプーリ62,ベルト63,セカンダリプーリ64と同方向に回転する。
上記のフォワードクラッチ15,リバースブレーキ14,モータブレーキ54,エンジンクラッチ56及びサンギヤブレーキ57は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合される湿式多板式の油圧式摩擦係合装置であって、油圧制御回路(図示略)から供給される作動油によって摩擦係合するようになっている。表2に示すように、これらのクラッチ15,56及びブレーキ14,54,57を適宜係脱することで、図2の共線図に示すような様々な動力伝達状態が達成される。
【0050】
【表2】
つまり、モータ4でエンジン3を始動する場合には、フォワードクラッチ15,リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56をともに結合してモータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放する[表2(a)参照]。これにより、モータ4やエンジン3が回転しても、CVT6の入力軸61にはこのモータ4やエンジン3の回転は伝達されない状態で、サンギヤ21に連結されたエンジン3とリングギヤ25に連結されたモータ4とが連動するようになる。そして、図2(a)に示すように、モータ4を回転させればエンジン3を始動させることができる。
【0051】
なお、このときのモータ4の回転は、エンジン3と同方向であって、モータ4の回転速度に対してZR/ZS倍(ZS<ZRなので、ZR/ZS>1)に増速されてエンジン3が回転する。
また、車両停止中にモータ4を発電機として駆動して充電を行なう場合にも、フォワードクラッチ15,リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56をともに結合してモータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放する[表2(b)参照]。これにより、CVT6の入力軸61にモータ4やエンジン3の回転は伝達されず、且つ、サンギヤ21に連結されたエンジン3とリングギヤ25に連結されたモータ4とが連動するようになる。そして、図2(b)に示すように、エンジン3でモータ4を回転させればモータ4が発電機として機能して発電が行なわれ充電を行なうことができる。このときのモータ4の回転も、エンジンと同方向となる。
【0052】
車両を前進発進させる場合や低速走行させる場合には、リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56を接続状態として、フォワードクラッチ15,モータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放状態とする[表2(c)参照]。ここで、図2(c)に示すように、エンジン3を回転させるとともにモータ4を発電状態とする。これにより、キャリア24がサンギヤ21と逆方向に回転し、キャリア24の回転は中間軸26を介して回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。フォワードクラッチ15が開放されてリバースブレーキ14が結合されているので、サンギヤ12aが回転するとキャリア12cはサンギヤ12aと逆方向(したがって、エンジンと同方向)に回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と同方向に回転駆動され、エンジン3及びモータ(発電状態)4からCVT6に前進方向の回転力が入力されることになり車両は前進発進する。低速時にはこの状態を維持し、速度の上昇に応じてモータ(発電状態)4の回転速度を低下させていく。
【0053】
また、エンジン3のみで車両を走行させる場合には、リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56を接続状態として、フォワードクラッチ15,モータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放状態として、発電状態のモータ4の速度を低下させこの速度が略0になった時点で、モータブレーキ54を接続する[表2(d)参照]。これにより、図2(d)に示すように、リングギヤ25が回転をロックされ、エンジン回転とともにサンギヤ21が回転すると、サンギヤ21の回転に応じてキャリア24がサンギヤ21と逆方向に回転してこの回転が中間軸26を介して回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。フォワードクラッチ15が開放されてリバースブレーキ14が結合されているので、サンギヤ12aとキャリア12cとが相対回転可能で且つリングギヤ12dが回転をロックされることになり、サンギヤ12aが回転するとキャリア12cはサンギヤ12aと逆方向(したがって、エンジンと同方向)に回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と同方向に回転駆動され、エンジンからCVT6に前進方向の回転力が入力されることになり車両は前進する。この時には、モータ4のロータ41はモータブレーキ54により停止される。
【0054】
また、エンジン3とモータ4との両方の駆動力を用いて車両を走行させる場合には、リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56を接続状態として、フォワードクラッチ15,モータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放状態とする[表2(e)参照]。ここで、図2(e)に示すように、エンジン3を回転させるとともにモータ4をエンジン3とは逆方向に回転させる。これにより、リングギヤ25がサンギヤ21と逆方向に回転し、リングギヤ25固定時[エンジンのみでの走行、図2(d)参照]よりもモータ4の回転分だけ増速されてキャリア24が回転する。キャリア24の回転は中間軸26を介して回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。エンジンのみでの走行時と同様に、フォワードクラッチ15が開放されてリバースブレーキ14が結合されているので、サンギヤ12aが回転するとキャリア12cはサンギヤ12aと逆方向(したがって、エンジンと同方向)に回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と同方向に回転駆動され、エンジン3及びモータ4からCVT6に前進方向の回転力が入力されることになり車両は前進する。
【0055】
さらに、走行中にモータ4により発電を行なう場合には、エンジン3のみでの走行状態、即ち、リバースブレーキ14,モータブレーキ54及びエンジンクラッチ56を接続して、フォワードクラッチ15及びサンギヤブレーキ57は開放した状態から、モータブレーキ54を開放する[表2(f)参照]。そして、これとともに、モータ4を発電機として機能させ、エンジン出力を上げる。これにより、図2(f)に示すように、エンジン3の出力は、キャリア24側とリングギヤ25側とに配分される。キャリア24側に配分されたエンジン出力は中間軸26から回転方向切替機構12に伝達され、エンジン3と同方向に回転方向を切り替えられてCVT6への入力軸61に入力される。リングギヤ25側に配分されたエンジン出力は、リングギヤ25と一体のロータ41を回転駆動し、モータ4において発電が行なわれる。
【0056】
また、エンジン3のみでの走行状態においてエンジントルクを増幅させたい場合にも、エンジン3のみでの走行状態、即ち、リバースブレーキ14,モータブレーキ54及びエンジンクラッチ56を接続して、フォワードクラッチ15及びサンギヤブレーキ57は開放した状態から、モータブレーキ54を開放する[表2(g)参照]。そして、これとともに、モータ4を発電機として機能させれば、駆動力としてトルクを増幅させることができる。
【0057】
また、エンジン3とモータ4との両方の駆動力を用いて車両を走行させる場合、リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56を接続して、フォワードクラッチ15,モータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放した状態で[表2(e)参照]、エンジントルクとモータトルクとを出力する。
エンジンのみでの走行状態、即ち、リバースブレーキ14,モータブレーキ54及びエンジンクラッチ56を接続して、フォワードクラッチ15及びサンギヤブレーキ57を開放した状態[表2(d)参照]で、緩減速回生制動条件(例えばアクセルオフ)が成立した場合には、図2(h)に示すように、モータブレーキ54を開放しながらモータ4を発電状態にするとともに、CVT6をローギヤ側に制御してエンジン出力を下げると、エンジンブレーキ相当の減速度で車両を減速させることができる。
【0058】
更に減速が必要な場合には、エンジンクラッチ56を接続状態から開放状態に切り替えて、エンジン出力を必要最小限に下げるとともにサンギヤブレーキ57を拘束すると、モータ4のみの回生制動により、エンジンブレーキ相当以上の減速度で車両を減速させることができる。
なお、上記の必要最低限のエンジン出力とは、エンジン3によって駆動される補機類、特に、CVT6に作動油を供給する油圧ポンプの駆動を考慮したもので、一般に、CVT6の作動に必要な油圧はエンジン駆動の油圧ポンプによって発生させるようになっており、CVT6の作動に必要な油圧を確保するには相応のエンジン出力が必要になる。しかし、この油圧ポンプ等がエンジン以外の駆動源で作動するように構成されている場合や、エンジンで駆動される補記類が停止しても支障がない場合には、回生制動時にエンジン3を停止させることも考えられる。
【0059】
さらに、エンジン3とモータ4の駆動力によって車両を後退させる場合には、フォワードクラッチ15及びエンジンクラッチ56を接続状態として、リバースブレーキ14,モータブレーキ54及びサンギヤブレーキ57は開放状態とする[表2(i)参照]。ここで、図2(i)に示すように、エンジン3を回転させるとともにモータ4を発電状態とする。これにより、キャリア24がサンギヤ21と逆方向に回転し、キャリア24の回転は中間軸26を介して回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。フォワードクラッチ15が接続されてリバースブレーキ14が開放されているので、サンギヤ12aとキャリア12cとは同方向(したがって、エンジンと逆方向)に一体回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と逆方向に回転駆動され、エンジン3及びモータ(発電状態)4からCVT6に後退方向の回転力が入力されることになり車両は後退する。
【0060】
また、モータ4の駆動力によって車両を後退させる場合には、リバースブレーキ14及びサンギヤブレーキ56を接続状態として、フォワードクラッチ15,モータブレーキ54及びエンジンクラッチ56は開放状態とする[表2(j)参照]。ここで、図2(j)に示すように、エンジン3を回転させるとともにモータ4をエンジン3と同方向に回転させる。これにより、キャリア24が、リングギヤ25と同方向に回転し、キャリア24の回転は中間軸26を介して回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。フォワードクラッチ15が開放されてリバースブレーキ14が接続されているので、サンギヤ12aとキャリア12cとは逆方向に回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と逆方向に回転駆動され、モータ(駆動状態)4からCVT6に後退方向の回転力が入力されることになり車両は後退する。
【0061】
本発明の第1実施形態としてのハイブリッド車は、上述のように構成されているので、車両の走行用駆動源としてモータ4を用いずにエンジンのみを用いる場合[表2(d),図2(d)参照]には、モータ4のロータ41を停止させるので、不要なモータの回転を防止して、エネルギ損失を抑制することができ、モータの発熱を抑制することができる。これにより、モータ周囲への熱影響を抑制することができる。
【0062】
また、モータ4のロータ41とステータ42との相対回転数を制御することで駆動力の伝達状態を制御する方式なので、常時、電動機の回転速度を抑え易くなる。
この結果、モータの回転を制御するためのバッテリの必要電圧を抑えることができる。したがって、モータの回転を制御するためのバッテリ電圧は低いものでよく、バッテリにかかるコストを削減することや、バッテリの重量を削減することが可能になり、ひいては車両の重量やコストを抑えることができ、ハイブリッド車の実用性を高めることができる。
【0063】
特に、回生制動時には、エンジンクラッチ56を開放状態に、サンギヤブレーキ57を接続状態にすることによって、エンジン3とモータ4とを切り離して効率よくエネルギを回生できるので、これによりエネルギ効率が向上する利点もある。
もちろん、トルクコンバータを省略することができるので、構造の簡素化やコスト低減上も有利になる。
【0064】
また、回転方向切替機構12に遊星歯車機構12Aを利用しているので、回転方向の切り替えを、プラネタリギヤ機構(遊星歯車式動力伝達機構)2Aとは独立して構成することができ、モータ4の回転速度Nmをより低速に抑え易くなる。
また、変速機としてCVTを用いることにより、エンジンとモータとを効率良く運転して、燃費の向上と走行性能の向上とを両立できる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明すると、図3,図4は本発明の第2実施形態としてのハイブリッド車を示すもので、図3はその駆動系(主としてトランスミッション)を示すスケルトン図、図4はその電動機の要部を示す拡大断面図である。なお、図3において、図1と同符号は同様のものを示す。
【0066】
本ハイブリッド車の駆動系は、図3に示すように、モータ4A,合トルク出力機構,第2回転規制手段の各構成が第1実施形態のものと異なっており、他は第1実施形態と同様に構成されている。
つまり、図3に示すように、本実施形態では、動力伝達機構1の入口部分にそなえられるモータ4Aは、エンジン3の回転軸3aに直結されこのエンジン回転軸3aと一体に回転するステータ42と、エンジン回転軸3aと同一軸心線上に配設された中間軸26に直結されこの中間軸26と一体に回転するロータ41と、ケーシング11に固設され回転するステータ42に摺接して電力を供給するブラシ43とをそなえている。そしてロータ41とステータ42との間には、モータクラッチ(第2回転規制手段)59が介装されており、このモータクラッチ59が接続されるとロータ41とステータ42とは一体に回転する。ステータ42は回転するため、ロータ41をインナロータ、ステータ42をアウタロータとも称する。
【0067】
なお、ステータ42とブラシ43との摺接部分については、図4に示すように、スリップリングを適用することが好ましい。つまり、ステータ42と一体回転する円筒部44(ここでは、エンジン回転軸3aに直結されている)に集電環45を設け、この集電環45の外周にブラシ43を摺接させることで、スリップリングを構成し、集電環45とブラシ43とを確実に摺接できるようするとともに、この摺接部の耐久性を確保できるようにすることができる。なお、46はリード線である。
【0068】
これ以外の部分は、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態においても、フォワードクラッチ15,リバースブレーキ14,モータクラッチ59,エンジンクラッチ56,ステータブレーキ58は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合される湿式多板式の油圧式摩擦係合装置であって、油圧制御回路(図示略)から供給される作動油によって摩擦係合するようになっている。
【0069】
表3に示すように、これらのクラッチ15,59,56及びブレーキ14,58を適宜係脱することで、様々な動力伝達状態が達成される。
【0070】
【表3】
つまり、モータ4でエンジン3を始動する場合には、フォワードクラッチ15,リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56をともに結合してモータクラッチ59及びステータブレーキ58は開放する[表3(a)参照]。これにより、モータ4やエンジン3が回転しても、CVT6の入力軸61にはこのモータ4やエンジン3の回転は伝達されない状態で、モータ4が作動し(ロータ41は回転停止でステータ42が回転するように作動する)、モータ4のステータ42とエンジン3の回転軸3aとが一体回転できるようになる。そして、モータ4を回転させればエンジン3を始動させることができる。
【0071】
なお、このときのモータ4の回転(ステータ42の回転)は、エンジン3と同方向であって、エンジン3と等速度となる。
また、車両停止中にモータ4を発電機として駆動して充電を行なう場合にも、フォワードクラッチ15,リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56をともに結合してモータクラッチ59及びステータブレーキ58は開放する[表3(b)参照]。これにより、CVT6の入力軸61にモータ4やエンジン3の回転は伝達されず、且つ、エンジン3とモータ4(ステータ42)とが連動するようになる。そして、エンジン3でモータ4を回転させればモータ4が発電機として機能して発電が行なわれ充電を行なうことができる。このときのモータ4の回転も、エンジンと同方向で等速度となる。
【0072】
車両を前進発進させる場合や低速走行させる場合には、フォワードクラッチ15及びエンジンクラッチ56を接続状態として、リバースブレーキ14,モータクラッチ59及びステータブレーキ58は開放状態とする[表3(c)参照]。ここで、エンジン3を回転させるとともに、タービン41の回転がエンジン回転と同方向になるようにモータ4を作動させる。この場合、エンジン出力の一部によってモータは発電機として運転される。
【0073】
これにより、中間軸26はエンジンと同方向に回転し、フォワードクラッチ15が結合されてリバースブレーキ14が開放されているので、サンギヤ12aとキャリア12cとが一体回転し、CVT6の入力軸61がエンジン3と同方向に回転駆動され、エンジン3及びモータ4からCVT6に前進方向の回転力が入力されることになり車両は前進発進する。低速時にはこの状態を維持し、速度の上昇に応じてモータ(電動状態又は発電状態)4の回転速度、即ち、タービン41とステータ42との相対回転速度を低下させていく。
【0074】
また、エンジン3のみで車両を走行させる場合には、フォワードクラッチ15及びエンジンクラッチ56を接続状態、リバースブレーキ14,モータクラッチ59及びステータブレーキ58は開放状態として、モータ4の速度(タービン41とステータ42との相対回転速度)を低下させこの速度が略0になった時点で、モータクラッチ59を接続する[表3(d)参照]。これにより、タービン41とステータ42とが一体回転するようになり、中間軸26がエンジン3と一体回転する。フォワードクラッチ15が結合されてリバースブレーキ14が開放されているので、サンギヤ12aとキャリア12cとが一体回転し、CVT6の入力軸61がエンジン3と同方向に回転駆動され、エンジン3からCVT6に前進方向の回転力が入力されることになり車両は前進走行する。
【0075】
さらに、走行中にモータ4により発電を行なう場合には、エンジン3のみでの走行状態、即ち、フォワードクラッチ15,エンジンクラッチ56及びモータクラッチ59を接続し、リバースブレーキ14及びステータブレーキ58は開放した状態から、モータクラッチ59を開放する[表3(f)参照]。そして、これとともに、モータ4を発電機として機能させ、エンジン出力を上げる。これにより、エンジン3の出力は、一部をモータ4による発電に用いられ残りを車両の走行に用いられる。
【0076】
また、エンジン3のみでの走行状態においてエンジントルクを増幅させたい場合にも、フォワードクラッチ15,エンジンクラッチ56及びモータクラッチ59を接続し、リバースブレーキ14及びステータブレーキ58は開放した状態から、モータクラッチ59を開放する[表3(g)参照]。そして、これとともに、モータ4を発電機として機能させた時のモータトルクをエンジントルクよりも大きくすれば駆動力としてのトルクを増幅させることができる。
【0077】
また、エンジン3とモータ4との両方を用いて車両を走行させている状態、即ち、フォワードクラッチ15及びエンジンクラッチ56を接続し、リバースブレーキ14,モータクラッチ59及びステータブレーキ58は開放した状態で[表3(e)参照]、エンジントルクとモータトルクとを出力する。
エンジンのみでの走行状態、即ち、リバースブレーキ14,モータクラッチ59及びエンジンクラッチ56を接続して、フォワードクラッチ15及びステータブレーキ58を開放した状態[表3(d)参照]で、緩減速回生制動条件(例えばアクセルオフ)が成立した場合には、図2(h)に示すように、モータクラッチ59を開放しながらモータ4を発電状態にするとともに、CVT6をローギヤ側に制御してエンジン出力を下げると、エンジンブレーキ相当の減速度で車両を減速させることができる。
【0078】
更に減速が必要な場合には、エンジンクラッチ56を接続状態から開放状態に切り替えて、エンジン出力を必要最小限に下げるとともにステータブレーキ58を拘束すると、モータ4のみの回生制動により、エンジンブレーキ相当以上の減速度で車両を減速させることができる。
なお、必要最低限のエンジン出力とは、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
さらに、車両を後退させる場合には、リバースブレーキ14及びエンジンクラッチ56を接続状態として、フォワードクラッチ14,モータクラッチ59及びステータブレーキ58は開放状態とする[表3(i)参照]。ここで、エンジン3を回転させると同時にモータ4を発電状態にすると、中間軸26がエンジン3と同方向に回転して、回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。リバースブレーキ14が接続されてフォワードクラッチ15が開放されているので、キャリア12cはサンギヤ12aと逆方向(したがって、エンジンと逆方向)に回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と逆方向に回転駆動され、エンジン3からCVT6に後退方向の回転力が入力されることになり車両は後退する。
【0080】
また、モータ4の出力によって車両を後退させる場合には、フォワードクラッチ15及びステータブレーキ58を接続状態として、リバースブレーキ14,モータクラッチ59及びエンジンクラッチ56は開放状態とする[表3(j)参照]。ここで、エンジン3を必要最低限回転させるとともにモータ4をエンジン3と逆方向に回転させる。これにより、中間軸26がモータ4と同方向に回転して、回転方向切替機構12のサンギヤ12aに伝達される。フォワードクラッチ15が接続されてバースブレーキ14が開放されているので、キャリア12cはモータ4のロータ41と同方向(したがって、エンジンと逆方向)に回転する。このキャリア12cの回転により、CVT6の入力軸61がエンジン3と逆方向に回転駆動され、モータ4からCVT6に後退方向の回転力が入力されることになり車両は後退する。
【0081】
本発明の第2実施形態としてのハイブリッド車は、上述のように構成されているので、車両の走行用駆動源としてモータ4を用いずにエンジンのみを用いる場合[表3(d)]には、モータ4のロータ41を停止させるので、不要なモータの回転を防止して、エネルギ損失を抑制することができ、モータの発熱を抑制することができる。これにより、モータ周囲への熱影響を抑制することができる。
【0082】
また、モータ4のロータ41とステータ42との相対回転数を制御することで駆動力の伝達状態を制御する方式なので、常時、電動機の回転速度を抑え易くなる。
例えば、エンジン3出力にモータ4の出力も加えて走行する場合にも、モータ4は、エンジン出力に出力を加える分だけステータ42とロータ41との間に差回転を与えればよく、モータ4の実質的な回転速度(ステータ42とロータ41との相対回転速度)を低く抑えることができる。
【0083】
この結果、モータの回転を制御するためのバッテリの必要電圧を抑えることができる。したがって、モータの回転を制御するためのバッテリ電圧は低いものでよく、バッテリにかかるコストを削減することや、バッテリの重量を削減することが可能になり、ひいては車両の重量やコストを抑えることができ、ハイブリッド車の実用性を高めることができる。
【0084】
特に、回生制動時には、エンジンクラッチ56を開放状態に、ステータブレーキ58を接続状態にすることによって、エンジン3とモータ4とを切り離して効率よくエネルギを回生できるので、これによりエネルギ効率が向上する利点もある。
もちろん、トルクコンバータを省略することができるので、構造の簡素化やコスト低減上も有利になる。
また、変速機としてCVTを用いることにより、エンジンとモータとを効率良く運転して、燃費の向上と走行性能の向上との両立できる。
【0085】
[その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0086】
つまり、本発明は、内燃機関と電動機との両方又は一方の回転を変速機によって変速して駆動輪に伝達し走行するハイブリッド車であって、電動機を、ステータと、ロータと、ロータとステータとの相対回転を適宜規制する回転規制手段とをそなえるようにして、ロータに接続された電動機出力軸と変速機の入力軸との間に回転方向切替機構をそなえ、ステータが内燃機関の回転軸に接続され回転自在に装備されていればよく、他の構成は、上述の実施形態のものに限定されない。
【0087】
例えば、変速機として、ベルト式無段変速機のほかにトロイダル式無段変速機を用いたり、或いは、有段変速機を用いたりすることも考えられる。
また、回転規制手段も、ブレーキ機構を用いたものに限定されるものではない。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のハイブリッド車によれば、モータのロータとステータとの相対回転数を制御することで駆動力の伝達状態を制御する方式なので、電動機の回転速度を抑え易くなり、電動機の回転を制御するためのバッテリの必要電圧を抑えるうえで有利になる。また、構造の簡素化やコスト低減上も有利になるうえに、回生制動時には、断接手段によって、電動機の出力軸と合トルク出力機構との間の動力伝達は維持しながら内燃機関の出力軸と合トルク出力機構との間の動力伝達を遮断することにより、内燃機関と電動機とを切り離して効率よくエネルギを回生できるので、これによりエネルギ効率が向上する利点もある。
【0089】
請求項2,3記載の本発明のハイブリッド車によれば、電動機の回転速度を抑えることができ、電動機の回転を制御するためのバッテリの必要電圧を抑えることができる。したがって、電動機の回転を制御するためのバッテリにかかるコストを削減することや、バッテリの重量を削減することが可能になり、ひいては車両の重量やコストを抑えることができ、ハイブリッド車の実用性を高めることができる。
【0090】
請求項4記載の本発明のハイブリッド車によれば、電動機を用いずに内燃機関のみを用いて車両を駆動する場合には、電動機の作動を停止させるので、不要な電動機の作動を防止して、エネルギ損失を抑制することができ、モータの発熱を抑制することができる。これにより、電動機周囲への熱影響を抑制することができる。また、電動機を比較的低速で用い易くなるため、電動機の作動時の回転速度を抑えて、電動機の回転を制御するためのバッテリの必要電圧をより抑えることができる。
【0091】
請求項5,6記載の本発明のハイブリッド車によれば、回転方向切替機構により、回転方向の切り替えを、遊星歯車式動力伝達機構とは独立して構成することができ、電動機の回転速度をより低速に抑え易くなる。
また、変速機として無段変速機を用いることにより、エンジンとモータとを効率良く運転して、燃費の向上と走行性能の向上との両立できる(請求項7)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのハイブリッド車の駆動系(主としてトランスミッション)を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の第1実施形態としてのハイブリッド車の駆動系におけるプラネタリギヤの各要素の共線図であり、作動態様毎にそれぞれ(a)〜(j)に示す。
【図3】本発明の第2実施形態としてのハイブリッド車の駆動系(主としてトランスミッション)を示すスケルトン図である。
【図4】本発明の第2実施形態としてのハイブリッド車の駆動系におけるプラネタリギヤの各要素の共線図であり、作動態様毎にそれぞれ(a)〜(j)に示す。
【図5】従来技術(特許文献1)のハイブリッド車の駆動系(主としてトランスミッション)を示すスケルトン図である。
【図6】従来技術(特許文献2)のハイブリッド車の駆動系(主としてトランスミッション)を示すスケルトン図である。
【図7】従来技術(特許文献2)のハイブリッド車の駆動系におけるプラネタリギヤの各要素の共線図であり、作動態様毎にそれぞれ(a)〜(j)に示す。
【符号の説明】
1 トランスミッション
2 プラネタリギヤ機構
3 エンジンの回転軸
4 電動モータ
6 CVT
7 カウンタシャフト
8 デファレンシャルギヤ
9L,9R 車輪軸(車輪駆動軸)
11 トランスミッションケーシング
12 回転方向切替機構
12A プラネタリギヤ機構
12a サンギヤ
12ba インナピニオン
12bb アウタピニオン
12c キャリア
12d リングギヤ
14 リバースブレーキ
15 フォワードクラッチ
21 サンギヤ
22 インナピニオン
23 アウタピニオン
24,27 プラネタリキャリア
25 リングギヤ
26 プラネタリピニオン
41 ロータ(回転子)
42 ステ−タ
54 モータブレーキ(第2回転規制手段)
56 エンジンクラッチ(断接手段)
57 サンギヤブレーキ(第1回転規制手段)
58 ステータブレーキ(第1回転規制手段)
59 モータクラッチ(第2回転規制手段)
61 入力軸
62 プライマリプーリ
62a,64a 可動シーブ
62b,64b 固定シーブ
63 ベルト
64 セカンダリプーリ
65 出力軸
66 ギヤ
71 カウンタギヤ
72 カウンタギヤ
81 リングギヤ
Claims (5)
- 内燃機関と電動機との両方又は一方で発生した回転を変速機によって変速して駆動輪に伝達し走行するハイブリッド車であって、
該電動機は回転駆動されることで発電機として作動しうるように構成され、
該内燃機関の出力トルクと電動機の出力トルクとを集合させて該変速機側に出力する合トルク出力機構と、
該電動機の出力軸と該合トルク出力機構との間の動力伝達は維持しながら該内燃機関の出力軸と該合トルク出力機構との間の動力伝達を断接しうる断接手段と、
該内燃機関の出力軸の回転を規制しうる第1回転規制手段と、をそなえ、
該合トルク出力機構は、該内燃機関及び該電動機の回転軸と同軸上に設けられ、該内燃機関の回転軸に該断接手段を介して接続された第1入力回転要素と、該電動機の回転軸に接続された第2入力回転要素と、出力回転要素とをそなえ、該第1入力回転要素と該出力回転要素との間の差動を許容して該第1入力回転要素及び該第2入力回転要素と該出力回転要素との間で動力を伝達する差動許容型動力伝達機構であり、
該第1回転規制手段は、該合トルク出力機構を収容するケーシングと、該第1入力回転要素との間に介装され、
該ケーシングと、該電動機の回転軸との間に該電動機の回転軸の回転を規制しうる第2回転規制手段が介装され、
該差動許容型動力伝達機構は、該第1入力回転要素をサンギヤとし、第2入力回転要素をリングギヤとし、該出力回転要素をプラネタリキャリアとする、遊星歯車機構である
ていることを特徴とする、ハイブリッド車。 - 該電動機は、電動機を収容するケーシングに対して回転自在に装備されたステータと、該ステータに対して相対回転するロータと、該ロータと該ステータとの相対回転を適宜規制する第2回転規制手段と、該ケーシング側に固定されて該ステータ側の電極に摺接して該電極へ電気を供給するブラシとをそなえ、
該合トルク出力機構は、該内燃機関の回転軸に該断接手段を介して接続された該ステータと、該ロータとをそなえ、該ステータと、該ロータとの間の差動を許容して該ステータと、該ロータとの間で動力を伝達する差動許容型動力伝達機構である
ことを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド車。 - 該合トルク出力機構の出力軸と該変速機の該入力軸との間に、該合トルク出力機構の出力軸の回転を正転のまま該入力軸に出力する正転状態と該合トルク出力機構の出力軸の回転を逆転させて該入力軸に出力する逆転状態とを切り替える回転方向切替機構が介装されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のハイブリッド車。 - 該回転方向切替機構は、該電動機出力軸に接続されたサンギヤと、該変速機の該入力軸に接続されたキャリアと、リングギヤとを有する遊星歯車機構をそなえるとともに、
該サンギヤと該キャリアとの間に該電動機出力軸の回転を正転のまま該入力軸に出力するためのフォワードクラッチが介装され、該リングギヤと該回転方向切替機構のケーシングとの間に該電動機出力軸の回転を逆転させて該入力軸に出力するリバースブレーキが介装されている
ことを特徴とする、請求項3記載のハイブリッド車。 - 該変速機は無段変速機であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車。
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