以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは無論である。
図1に示す通り、弾球遊技機としてのパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット4が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の上面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット4のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル13が取り付けられている。この発射ハンドル13の外周には、回動リング9が擁され、これを時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
図2はパチンコ機10の裏面図であり、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の第1、第2特別図柄始動口40、42(図3参照)等に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
機構盤26には、脱着可能な主制御装置30及び払出制御装置31、前面枠12左下部に発射制御装置32、主制御装置30の上側に演出図柄制御装置(サブ制御装置)33、該演出図柄制御装置(サブ制御装置)33の左部に音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53と盤用外部接続端子58、演出図柄制御装置(サブ制御装置)33の上部に枠用外部接続端子60が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
図3を用いて遊技盤22について説明する。遊技盤22には、中央部に、センターケース35が設けられ、センターケース35の中央部には演出図柄表示装置33aとしてのLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)が設けられている。
センターケース35内の演出図柄表示装置33aの上には、第1振分装置36(本実施形態では振分シーソーを使用しているが、振分シーソーに関する構造は従来技術と同様なのでその詳細な説明は割愛する)が設けられ、第1振分装置36の上部には、第1振分装置36の流入口36a、第1振分装置36の左部および右部には、それぞれ、第1振分装置36の第1流出口36bおよび第2流出口36cが設けられている。
センターケース35内の演出図柄表示装置33aの左には、第2振分装置37(本実施形態では、2つの穴を備え、2つのうちどちらかの穴に入ることで振分の行われる2ヶ穴クルーンを使用しているが、2ヶ穴クルーンに関する構造は従来技術と同様なのでその詳細な説明は割愛する)が設けられ、第2振分装置37の上部には、第2振分装置37の流入口37a、第2振分装置37の右下部および左下部には、それぞれ、第2振分装置37の第1流出口37bおよび第2流出口37cが設けられている。
センターケース35内の演出図柄表示装置33aの右には、第3振分装置38(本実施形態では、2つの穴を備え、2つのうちどちらかの穴に入ることで振分の行われる2ヶ穴クルーンを使用しているが、2ヶ穴クルーンに関する構造は従来技術と同様なのでその詳細な説明は割愛する)が設けられ、第3振分装置38の上部には、第3振分装置38の流入口38a、第3振分装置38の左下部および右下部には、それぞれ、第3振分装置38の第1流出口38bおよび第2流出口38cが設けられている。
また、第1振分装置36の第1流出口36bと第2振分装置37の流入口37aの間には球通路39aが設けられ、球通路39aの中間付近上部には、センターケース35の外に向かって開口する、遊技球の入球可能な開口39bが設けられている。同様に、第1振分装置36の第2の流出口36cと第3振分装置38の流入口38aの間には球通路39cが設けられ、球通路39cの中間付近上部には、センターケース35の外に向かって開口する遊技球の入球可能な開口39dが設けられている。第2振分装置37の第1流出口37bおよび第3振分装置38の第1流出口38bの下流にはそれぞれ球通路39e、39fが設けられ、該球通路39eと39fの下流には、センターケース35の外の作動口43に向かって開口する開口39gが設けられている。また、センターケース35内の、第2振分装置37の第2流出口37cの直下には、第1特別図柄始動口40が設けられ、センターケース35内の、第3振分装置38の第2流出口38cの直下には、普通図柄作動ゲート41が設けられている。
以上の構成により、第1振分装置36の流入口36aからセンターケース35内に入球した遊技球は第1振分装置36で二者択一的に振り分けられることによって球通路39aまたは39cを介して第2振分装置37または第3振分装置38に到達する。第2振分装置37に到達した遊技球は、第2振分装置37によって二者択一的に振り分けられることにより、第2流出口37cを介して第1特別図柄始動口40に入球するか、または第1流出口37b、球通路39e、開口39gを介して作動口43に入球する。第3振分装置38に到達した遊技球は、第3振分装置38によって二者択一的に振り分けられることにより、第2流出口38cを介して普通図柄始動ゲート41を通過した後にセンターケース外に放出されるか、または第1流出口38b、球通路39f、開口39gを介して作動口43に入球する。なお、第2振分装置37には、開口39bからも入球可能であり、第3振分装置38には、開口39dからも入球可能である。
センターケース35内には、さらに、7セグメントにて特別図柄を表示させる為の特別図柄表示装置48、普通図柄を表示させる為の普通図柄表示装置49(LED)が設けられている。普通図柄の表示は、○×の各々の後ろにLEDが配置され、どちらかが点灯することで当りはずれを報知する。なお、上記した第1から第3の振分装置36、37、38、球通路および開口39a〜39g、演出図柄表示装置33a、第1特別図柄始動口40、普通図柄作動ゲート41、特別図柄表示装置48、普通図柄表示装置49は、センターケース35と一体に構成されている。遊技盤22上には、さらに、上部に、第2特別図柄始動口42、中央下部に特定入球装置44(本実施形態では、複数の穴の開いた回転体を内部に備えた回転体電動役物を使用しているが、回転体電動役物に関する構造は従来技術と同様なのでその詳細な説明は割愛する)、その下に、アタッカー扉45aを備えた、特別入球口である大入賞口45、さらにその下に、アウト口47、左下部には特別図柄保留記憶表示装置50(LED)、右下部には普通図柄保留記憶表示装置51(LED)、その他、図示しない普通入賞口、釘等が設けられている。
普通電動役物である第2特別図柄始動口42には、開閉することにより遊技球が入球し易い状態と入球し難い状態に変化する羽根部材42aが設けられている。特定入球装置44には、開放することにより遊技球が入球可能となる羽根部材44bが備えられている。特定入球装置44の内部には、複数の穴のあいた回転体があり、穴の1つが、特定領域(Vゾーン)46になっている。
これらの構成により、前述した発射ハンドル13の回動リング9を回動すれば(図1参照)発射制御装置32(図2参照)により駆動される図4にて後述する発射モータ32aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が第1、第2特別図柄始動口40、42等に入球すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入球しなければアウト口47を介してアウト球として同様に遊技盤22の盤面裏面に取り込まれる構成である。
センターケースの中央に配置される表示装置は、特別図柄を表示するものであっても特別図柄の疑似演出を行う疑似図柄を表示するものであってもよいが、本実施形態においては、疑似図柄を表示するものとし、遊技者が特別図柄の表示を見ることで当否結果を認識するよりも、主に演出図柄表示装置33a上に表示される疑似図柄の表示を見ることで、当否抽選の結果を認識する構成としている。この構成は、図3に示すように、演出図柄表示装置33aを遊技者に認識させやすいように遊技盤22上の中央部に配置し、特別図柄表示装置48は小さいものを採用することで実現可能である。また、本実施形態においては、疑似図柄及び特別図柄は連動して変動を開始することになっており、連動して変動が開始された疑似図柄及び特別図柄の最終的な図柄確定による当否結果は同じ態様で表示される。前述のように、特別図柄及び疑似図柄は連動して変動するので、その変動開始タイミング、変動終了タイミングは同時に行なわれ、よってその変動時間も同じである。尚、変動開始タイミング、変動終了タイミングを全く同時に行う構成に限らず、疑似図柄、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングを、前回の図柄変動や次回の図柄変動と重ならない範囲であれば、ずらして行っても良い。疑似図柄、特別図柄の変動開始タイミングは特別図柄保留記憶表示装置50の点灯が1つ消灯される毎に行なわれるが、特別図柄保留記憶表示装置50の点灯数が1つも無い場合には、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に遊技球が入球したと同時に行なわれる。
遊技球が作動口43に入球すると特定入球装置44の羽根部材44bが開き特定入球装置44に入球可能となる構成となっている。また、特定入球装置44に入球した球は回転体電動役物である特定入球装置44の内部に取り込まれ、回転体に設けられた複数の穴の1つに入る構成となっている。複数の穴のうち1つは特定領域46であり、遊技球が特定領域46を通過することにより、大入賞口45のアタッカー扉45aが開いて特別遊技状態となる。また、遊技球が第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に入球することによって行われる当否抽選が当選となることによっても、大入賞口45のアタッカー扉45aが開いて特別遊技状態となる。なお、本実施形態においては、普通図柄作動ゲート41を遊技球が通過することによって行われる普通図柄当否抽選が当選した場合には、第2特別図柄始動口42の上部に設けられた羽根部材42aが開放し、第2特別図柄始動口42に入球し易くなる構成となっている。上記した第1特別図柄始動口40、第2特別図柄始動口42、作動口43、特定入球装置44は入賞口であり、入球することにより、規定数の賞球が払出される。本実施形態においては、演出図柄表示装置33aとしてLCD(液晶表示器)を使用する構成としたが、これに限定されず、CRT表示器、LED表示器、プラズマ表示器を使用する構成としても良い。
前述したパチンコ機10の主な電気的構成を図4のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示する通り、主制御装置30、払出制御装置31、発射制御装置32、演出図柄制御装置(サブ制御装置)33、音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53等から構成されている。
主制御装置30は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各制御装置又は各種スイッチ類および各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御装置30の入力側には、満タンスイッチ54、球切れスイッチ55、始動口1スイッチ40a、始動口2スイッチ42b、普通図柄作動スイッチ41a、カウントスイッチ45b、Vスイッチ46a、特定入球装置開放スイッチ43a、特定入球装置スイッチ44c、各普通入賞口スイッチ56、賞球センサー31a等が接続されている。また、主制御装置30の出力側には、大入賞口ソレノイド45c、特定入球装置ソレノイド44d、普通役物ソレノイド42c、音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53、図柄中継基板52、試験信号端子57および盤用外部接続端子58等が接続されている。また、盤用外部接続端子58はホールメインコンピュータ59と接続され、主制御装置30から出力された情報をホールメインコンピュータ59へと出力している。
前述の満タンスイッチ54は下皿23内、球切れスイッチ55は球タンク27内、始動口1スイッチ40aは第1特別図柄始動口40内、始動口2スイッチ42bは第2特別図柄始動口42内、普通図柄作動スイッチ41aは、普通図柄作動ゲート41内、カウントスイッチ45bは大入賞口45内、Vスイッチ46aは特定領域46内、特定入球装置開放スイッチ43aは、作動口43内、特定入球装置スイッチ44cは、特定入球装置44内、各普通入賞口スイッチ56は各普通入賞口(図示せず)内、賞球センサー31aは払い出し装置29内に各々取り付けられている。
ここで、満タンスイッチ54は下皿23内の遊技球が満タン状態になったことを、球切れスイッチ55は球タンク27内に遊技球が存在しないことを、始動口1スイッチ40aおよび始動口2スイッチ42bはそれぞれ、第1特別図柄始動口40および第2特別図柄始動口42に入球したことを、普通図柄作動スイッチ41aは普通図柄作動ゲート41に入球したことを、カウントスイッチ45bは大入賞口45に入球したことを、Vスイッチ46aは遊技球が特定入球装置44の特定領域46を通過したことを、特定入球装置開放スイッチ43aは遊技球が作動口43に入球したことを、特定入球装置スイッチ44cは遊技球が特定入球装置44に入球したことを、各普通入賞口スイッチ56は各普通入賞口に入球したことを各々検出するためのものである。
主制御装置30の出力側に接続された大入賞口ソレノイド45cは大入賞口45のアタッカー扉45aの、特定入球装置ソレノイド44dは羽根部材44bの、普通役物ソレノイド42cは羽根部材42aの各々の開閉に使用される。
図柄中継基板52は、出力側に特別図柄表示装置48、普通図柄表示装置49、特別図柄保留記憶表示装置50、普通図柄保留記憶表示装置51が接続されており、主制御装置30から送られる図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを中継するためのものである。
払出制御装置31は、出力側に球貸ソレノイド31b、賞球モータ31c、枠用外部接続端子60、発射制御装置32が接続され、入力側に賞球センサー31a、球貸しセンサー31dが接続されている。また主制御装置30、プリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置61が双方向通信可能に接続されている。
払出制御装置31は、遊技者に貸球としての遊技球を払い出し、該払い出した貸球としての遊技球を球貸センサー31dにより検出し、更に第1特別図柄始動口40等に遊技球の入賞があった場合には、主制御装置30からの指令に従って賞球モータ31cを駆動制御して遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット4およびCR精算表示装置61等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示装置61は、下皿23の貸出釦16、精算釦17および残高表示部18等(図1参照)と接続されたものである。
払出制御装置31は主制御装置30からの指令に従って賞球としての遊技球を払い出すが、この遊技球が払い出されているか否かの検知は、賞球センサー31aにより主制御装置30および払出制御装置31の双方で行っている。
枠用外部接続端子60は、出力側にホールメインコンピュータ59、入力側に扉開放スイッチ62および払出制御装置31が接続され、払出制御装置31から出力された情報をホールメインコンピュータ59へ出力している。
発射制御装置32は、遊技者が操作する発射ハンドル13の回動量に応じて発射モータ32aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ32bを押下したとき遊技球の発射を停止させ、発射ハンドル13に内蔵されたタッチスイッチ32cがオン状態のときタッチランプを点灯させるためのものである。ここで、タッチスイッチ32cは、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するためのもので、検知情報は発射制御装置32に入力される。
音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53は、主制御装置30からの指令を受けて、賞球および貸球の払出表示、当り表示、球不足表示およびエラー表示等を行う各種ランプ63および各種LED64を点灯報知させたり、スピーカ65を駆動制御したりするためのものである。尚、音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53の入出力側には、演出図柄制御装置(サブ制御装置)33が接続され、演出図柄制御装置(サブ制御装置)33が演出図柄表示装置(LCD)33aに接続されている。
演出図柄制御装置(サブ制御装置)33は、演出図柄表示装置33a上に表示される画像(疑似図柄、背景等)を変動制御するものである。演出図柄制御装置(サブ制御装置)33は、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。演出図柄制御装置(サブ制御装置)33の入出力側には、主制御装置30が音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53を介して接続されている。演出図柄制御装置(サブ制御装置)33は、主制御装置30から音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53を介して送られる図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを基に、演出図柄表示装置33a上に表示される画像(疑似図柄、背景等)を変動制御することになっている。
本実施形態においては、特別図柄表示装置48に表示される特別図柄及び普通図柄表示装置49に表示される普通図柄の変動制御は、特別図柄保留記憶表示装置50および普通図柄保留記憶表示装置51の表示制御とともに、主制御装置30が、図柄中継基板52を介して図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを送ることによって行い、演出図柄表示装置33a上に表示される疑似図柄及び背景等の画像の変動制御は、主制御装置30から音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53を介して送られる図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを基に演出図柄制御装置(サブ制御装置)33が行う構成となっている。このように、主制御装置30ではなく演出図柄制御装置(サブ制御装置)33で演出図柄表示装置33a上の画像等を変動制御することで、主制御装置30にかかる処理負担を軽くすることが出来る。ここで、例えば疑似図柄変動の際には、主制御装置30が演出図柄制御装置(サブ制御装置)33に図柄情報や変動パターン情報等のコマンドを送信するが、このコマンドは簡素なものなので、主制御装置30にとって大きな負担にはならない。即ち、演出図柄制御装置(サブ制御装置)33は、主制御装置30の処理負担軽減の為に設けられたものである。尚、前述したように疑似図柄の変動制御は演出画像制御装置33が行うが、疑似図柄の変動開始、及び変動終了を制御するのは主制御装置30である。
本実施形態では、上記の回路構成であるパチンコ機10は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機10による遊技は、大入賞口45を閉鎖した遊技と大入賞口45を開放する特別遊技(大当たり遊技)とに大別され、大入賞口45を閉鎖した遊技には、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる時間短縮状態(以下、時短状態)と、該通常状態、時短状態に比べて特別遊技への移行が容易となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが設定されている。また、確率変動状態は確率変動図柄での特別遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、時短状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、該大当り終了後、確率変動状態に移行する。尚、本実施形態では、演出図柄表示装置33a上に表示される3桁同一の疑似図柄「111」、「333」、「555」、「777」、「999」、「BBB」、「DDD」、「FFF」を確率変動図柄での大当りとし、「222」、「444」、「666」、「888」、「AAA」、「CCC」、「EEE」を非確率変動図柄での大当りと設定している。時短状態は非確率変動図柄での特別遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、時短状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当りすれば、該大当り終了後、時短状態に移行する。時短状態の終了条件は、非確率変動図柄での大当り遊技終了後から数えて、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に入球することにより行われる当否抽選回数が100回に達した時点であり、該終了条件を満たした場合には、時短状態から通常状態に変更する構成となっている。尚、前記当否抽選回数が100回に達する前に、再び非確率変動図柄で大当りした場合には、該非確率変動図柄での特別遊技終了後から再び当否抽選回数を0回からカウントすることになっている。即ち、時短回数が大当り毎に上乗せされる構成ではない。尚、本実施形態では通常状態時と、時短状態時と、確率変動状態時とで、演出図柄表示装置33aに表示される背景画面の色が変化する構成となっている。
以下、図5に示す表を用いて、本実施形態における通常確率状態、時短状態、確率変動状態の3つの遊技状態の特徴を左欄に示す各要素について対比して説明する。先ず、図5(a)に示すように、特別図柄及び疑似図柄の変動時間が短縮される変動短縮機能は、時短状態時及び確率変動状態時には常に作動し、通常状態時には、所定の条件が成立した場合にのみ(本実施形態では、特別図柄保留記憶表示装置50の点灯数が2個以上ある場合)、変動短縮機能が作動することになっている。ただし、疑似図柄の変動が大当りやリーチになる場合には、通常状態時において特別図柄保留記憶表示装置50の点灯数が2個以上あったとしても、時短状態時または確率変動状態時であったとしても、特別図柄及び疑似図柄の変動短縮機能は作動しないことになっている。また、図5(b)に示すように、普通図柄が当選することにより開放する前記第2特別図柄始動口42に設けられた前記羽根部材42aの開放時間が長くなる開放延長機能は、時短状態時及び確率変動状態時には作動するが、通常状態時には未作動である。図5(a)、図5(b)に示すように、時短状態時、確率変動状態時には、特別図柄及び疑似図柄の変動短縮機能、開放延長機能が作動するので、通常状態時より有利な状態となっている。
図5(c)に示すように、特別図柄の当選確率は、通常状態時および時短状態時には1/300であり、確率変動状態時には1/60(5/300)となる。特別図柄及び疑似図柄の当否判定は第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に遊技球が入球する毎に抽出される当否乱数を基に主制御装置30が行う構成となっている。通常状態時および時短状態時での当否判定値は「1」であり、確率変動状態時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である。このように、確率変動状態時には、通常状態時、時短状態時より特別図柄及び疑似図柄の当選確率が高くなるので、特別遊技への移行が容易となり遊技者にとって有利な状態となっている。前記当否乱数が当選した場合には、特別図柄及び疑似図柄が大当り図柄の態様として表示される。前記当否乱数が外れであった場合には、特別図柄及び疑似図柄が外れ図柄の態様として表示される。尚、大当たりが発生するときの8/15の確率で確率変動図柄による大当りが発生し、該特別遊技終了後は、確率変動状態から始まる。残りの7/15の確率で非確率変動図柄による大当りが発生し、該特別遊技終了後は、時短状態から始まる。確率変動状態時において再び大当たりが発生したときの大当たり図柄が確率変動図柄であれば、更に確率変動状態が継続することになる。尚、大当たりが発生するときの8/15以上の確率で確率変動図柄による大当りが発生する構成としても良い。確率変動状態から時短状態または通常状態への移行契機については、従来技術に従う。
図5(d)にて、普通図柄の当選確率について説明する。普通図柄の当否判定は、前述した普通図柄作動ゲート41に遊技球が入球することにより行われる。普通図柄作動ゲート41に遊技球が入球すると普通図柄表示装置49(図3参照)上に表示される普通図柄が変動を開始し、普通図柄が当選すると、普通図柄の表示態様が○で停止表示され、外れると×で停止表示される。この普通図柄の当選確率は、通常状態、時短状態、確率変動状態のいずれの遊技状態においても1/2に設定されている。
図5(e)に示すように、特別図柄及び疑似図柄が変動を開始してから、変動を停止するまでの平均変動時間は、通常状態時で約9秒、時短状態時、及び確率変動状態時では約6秒となっている。図5(f)に示すように、特別図柄及び疑似図柄の最短変動時間は、通常状態の変動短縮機能未作動時では約10秒、時短状態時、及び確率変動状態時では約5秒となっている。図5(g)に示すように、普通図柄が変動を開始してから、変動を停止するまでの変動時間の平均時間は、通常状態時で約28秒、時短状態時、及び確率変動状態時では約4秒となっている。即ち、時短状態時、確率変動状態時には、特別図柄及び疑似図柄の変動短縮機能のみならず、普通図柄の変動短縮も行われることになる。図5(h)に示すように、1回の普通図柄が当選することにより、開放する普通電動役物としての第2特別図柄始動口42の羽根部材42aの開放時間は、通常状態時で0.3秒、時短状態時、及び確率変動状態時では4秒と設定されている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、上述のように、確率変動を伴う当否抽選の当選によって特別遊技状態に突入するが、さらに、特定入球装置44に入球した遊技球が特定領域46に入球することによっても特別遊技状態に突入する。
以上、パチンコ機10の回路構成及び処理概要を説明したが、次にパチンコ機10の主制御装置30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図6に示すフローチャートに従って説明することにする。
図6に示すフローチャートは、主制御装置30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。以後、ステップをSと略記することとする。S100〜S200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS210及びS220の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハードウェア割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判定される(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判定するためのものである。
S100で否定判定なら、前記メモリの所定領域に所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S110)、残余処理に移行する。
S100で肯定判定なら、まず初期乱数更新処理が実行される(S120)。この処理は、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1とするが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S120に続く当否乱数更新処理(S130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理である。
大当り図柄乱数更新処理(S140)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、演出図柄表示装置33a上に表示される3桁同一の疑似図柄「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA]、「BBB」、「CCC」、「DD」、「EEE」、「FFF」の各々に対応する。
外れ図柄乱数更新処理(S150)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当りでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。
普通図柄乱数更新処理(S160)は、「0」〜「7」の8個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
前述のS160の普通図柄乱数更新処理に続く処理では、S180の入賞確認処理が行われる。入賞確認処理とは、始動口1スイッチ40aまたは始動口2スイッチ42bからの入力の有無によって、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に遊技球が入球したか否かを確認し、入球が確認された場合には、該入球により抽出された種々の乱数(当否乱数等)を主制御装置30に記憶する処理である。S180で行われる処理については、図7にて詳細に説明する。
S180に続く処理では、主制御装置30に格納された当否乱数の値を当否判定値と比較し、当選の場合には特別遊技を実行する当否判定処理1が行われる(S190)。S190に続く処理では、遊技球が特定領域46を通過したか否かを判定し、通過した場合には特別遊技を実行する当否判定処理2(S195)が行われる。S190とS195の処理の詳細については、図8〜図12にて詳細に説明する。
続く処理として行われる各入出力処理(S200)では、主制御装置30に接続された各スイッチ類の入出力処理が実行される。即ち、前述した満タンスイッチ54、球切れスイッチ55、始動口1スイッチ40a、始動口2スイッチ42b、普通図柄作動スイッチ41a、カウントスイッチ45b、Vスイッチ46a、特定入球装置開放スイッチ43a、特定入球装置スイッチ44c、各普通入賞口スイッチ56等、各スイッチの作動状況をチェックする入力処理を実行し、更に、遊技の進行に応じて図柄中継基板52、払出制御装置31、音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53、大入賞口ソレノイド45c、特定入球装置ソレノイド44d、普通役物ソレノイド42c等の各種ソレノイド、に対して各々出力処理を実行する。即ち、例えば、始動口1スイッチ40aにより遊技球の入賞があることが検知されたときには、賞球としての球を払い出すべく払出制御装置31に賞球データを出力する処理ともに遊技状態に対応したサウンドデータ等を音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53に出力する処理等を、各々実行する。
前述した本処理(S100〜S200)に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(S210)及び初期乱数更新処理(S220)から構成されるが、各々前述したS150及びS120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
前述したS100〜S200までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性は無くなる。尚、本実施形態においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(S160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
以下、図7を用いて、S180の入賞確認処理について詳細に説明する。
入賞確認処理が開始されると、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に遊技球が入球したか否かの判定を、始動口1スイッチ40aまたは始動口2スイッチ42bに入力があるか否かを基に行う(S400)。ここで否定判定ならリターンに抜け、肯定判定なら主制御装置30内に記憶されている保留記憶が満杯(4個)か否か判定される(S410)。保留記憶とは、特別図柄保留記憶表示装置50に対応したものであり、例えば、保留記憶が主制御装置30内に2個格納されていた場合には、特別図柄保留記憶表示装置50の点灯数は2つとなる。主制御装置30の保留記憶の最大格納数は4個である。S410で肯定判定ならリターンに抜け、S410で否定判定ならS400で第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42への入球により抽出された種々の乱数を保留記憶として主制御装置30に格納する抽出乱数保留処理が行われる(S420)。尚、S420で行われる処理と同時に、特別図柄保留記憶表示装置50が左詰めに1つ点灯表示されることになる。S420の処理を終えると、リターンに抜ける。
以下、図8〜図11を用いて、前述したS190の当否判定処理1とS190の中で行われる特別遊技処理1について詳細に説明する。
当否判定処理1が開始されると、条件装置作動中か否か判定される(S500)。「条件装置」とは、大当り図柄が特別図柄表示装置48に表示されたときに作動され、特別遊技終了と共に作動が停止されるものである。S500で否定判定なら、現在、特別図柄が変動中か否か判定される(S510)。S510で否定判定なら、特別図柄の確定図柄が表示中か否か判定される(S520)。S520で否定判定なら、主制御装置30内に保留記憶はあるか否か判定される(S530)。S530で肯定判定ならば、確率変動フラグは立っているか否か判定される(S540)。S540で否定判定ならば、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42入球時に抽出され、主制御装置30に格納された当否乱数が通常テーブルの当否判定値「1」と一致しているか否か判定し(S550)、S540で肯定判定ならば、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42入球時に抽出され、主制御装置30に格納された当否乱数が確率変動テーブルの当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」と一致しているか否か判定する(S560)。尚、S550、S560にて判定する当否乱数が主制御装置30内に複数個格納されていた場合には、格納されてから最も時間が経過している当否乱数が当否判定値と一致しているか否か判定される。S550、S560による処理を終えると、S550、560の判定が大当りであったか否か判定される(S570)。S570にて肯定判定が為されると、特別図柄表示装置48上に表示される特別図柄の大当り図柄が決定され(S580)、続いて特別図柄の変動パターンが決定される(S590)。S570にて否定判定が為されると、特別図柄表示装置48上に表示される特別図柄の外れ図柄が決定され(S600)、続いて特別図柄の変動パターンが決定される(S610)。S590、又はS610の処理を終えると、特別図柄表示装置48上に表示される特別図柄を表示制御するとともに、演出図柄制御装置(サブ制御装置)33に変動開始コマンド(S580、又はS600により決定した図柄の情報、S590、S610にて決定した変動パターン情報も含むコマンド)を送信する処理を行い(S620)、続いて、図11にて説明する特別遊技処理1を行う。尚、S500にて肯定判定、又はS530にて否定判定が為された場合にも、続く処理として特別遊技処理1が行われることになっている。
次に図8で説明したS510にて肯定判定が為された後に、続く処理として主制御装置30にて行われる当否判定処理1について図9を用いて説明する。
図8で説明したS510にて肯定判定が為されると、S510にて判定された現在変動中である特別図柄の変動時間が経過したか否か判定する(S700)。S700にて肯定判定ならば、特別図柄表示装置48及び演出図柄制御装置(サブ制御装置)33に図柄停止コマンドを送信する処理が行われる(S710)。S710の処理を終えると、続く処理では、変動が停止された特別図柄が大当りになる組み合わせであるか否か判定される(S720)。ここで肯定判定ならば、特別図柄の確定図柄を表示する設定を行う(S730)。S730に続く処理では、条件装置作動開始処理を行う(S740)。S740に続く処理では、確率変動フラグは立っているか(確率変動中か)否か判定される(S750)。ここで肯定判定が為されると、確率変動フラグ及び時短フラグを終了させる処理を行う(S760)。S750にて否定判定が為されると、時短フラグが立っているか(時短状態中か)否か判定される(S770)。S770で肯定判定が為されると、時短フラグを終了させる処理を行う(S780)。
前述したS720にて否定判定が為されると、特別図柄の確定図柄表示設定を行う(S790)。S790に続く処理では、確率変動フラグが立っているか否か判定される(S800)。S800にて否定判定が為されると、時短フラグが立っているか否か判定される(S810)。S810にて肯定判定が為されると、現在の時短回数から1減算し、該減算された回数を時短回数として設定する処理を行う(S820)。尚、S800〜S820が示すように確率変動フラグが立っていれば、時短フラグが立っていても時短回数を減算する処理は行わないことになっている。S820の処理を終えると、S820にて設定された時短回数が0回か否か判定される(S830)。S830にて肯定判定が為されると、時短フラグを終了する処理を行う(S840)。尚、図9において、S700、S770、S810及びS830にて否定判定、S800にて肯定判定が為されるか、又はS760、S780、S840の処理が為されると、続いて図11にて後述する特別遊技処理1を行う。
次に図8で説明したS520にて肯定判定が為された後に主制御装置30にて行われる当否判定処理1について図10を用いて説明する。
図8のS520にて肯定判定が為されると、特別図柄の確定図柄の表示時間が終了したか否か判定される(S900)。ここで肯定判定なら、特別図柄の確定図柄表示終了処理を行う(S910)。尚、S900にて否定判定が為されるか、又はS910の処理を終えると、続いて後述する特別遊技処理1が行なわれることになっている。
次に図11を用いて、主制御装置30が行う特別遊技処理1について説明する。
特別遊技処理1とは、図8〜10にて説明した当否判定処理1に続く処理であり、特別遊技状態中に関する処理を行うものである。
特別遊技処理1が開始されると、条件装置が作動中か否か判定される(S1000)。ここで否定判定ならば、リターンに抜け、肯定判定ならば、大入賞口45が開放中か否か判定される(S1010)。ここで否定判定ならば、大当り開始演出中か否か判定される(S1020)。大当り開始演出とは、疑似図柄の大当り図柄が確定してから、特別遊技中に大入賞口45が開放されるまで、または遊技球が特定領域46を通過してから、特別遊技中に大入賞口45が開放されるまで、演出図柄表示装置33a上で大当りに関する演出が行われる期間を指す。S1020にて否定判定ならば、大当りインターバル中か否か判定される(S1030)。特別遊技状態には、大入賞口45が開放してから、閉鎖するまでの期間を1ラウンドとして、所定のラウンドが設定されており、大当りインターバルとは、前記ラウンド間の大入賞口45が開放されていない期間を指す。S1030にて否定判定が為されると、大当り終了演出中か否か判定される(S1040)。大当り終了演出とは、特別遊技状態中の設定された所定回数のラウンドによる大入賞口45の開放が終了してから、特別遊技が終了することを遊技者に報知する期間を指す。S1040にて否定判定が為されると、特別図柄の大当り図柄を記憶する処理を行い(S1050)、続いて大入賞口45の開放等を含む大当り開始演出処理を行い(S1060)、リターンに抜ける。前述したS1020、S1030、S1040にて肯定判定が為されると、リターンに抜ける。
前述したS1010にて肯定判定が為されると、大入賞口45が開放されてから、該大入賞口45内に遊技球が所定個数入球したか否か判定される(S1070)。ここで否定判定が為されると、大入賞口45の所定の開放時間が終了したか否か判定される(S1080)。本実施形態において、特別遊技状態に設定された所定回数のラウンドのうちの1ラウンドの終了条件は、大入賞口45に遊技球が所定個数入賞した場合、又は大入賞口45を開放してから所定の開放時間が経った場合のいずれかの条件を満たした場合に終了することになっている。S1070では、前記終了条件のうち、大入賞口45に遊技球が所定個数入球したか否かを判定しており、S1080では、前記終了条件のうち、大入賞口45を開放してから所定の開放時間が経ったか否かを判定する処理となっている。S1080にて否定判定が為されると、リターンに抜け、S1070、又はS1080にて肯定判定が為されると、続く処理では、大入賞口45を閉鎖する(1ラウンドを終了させる)処理を行う(S1090)。S1090の処理を終えると、S1090にて閉鎖処理を行った時の特別遊技中のラウンド数が最終ラウンドであったか否か判定される(S1100)。尚、前述したように特別遊技状態には、大入賞口45が開放してから、閉鎖するまでの期間を1ラウンドとして、所定のラウンドが設定されており、ここでいう最終ラウンドとは、前記所定回数のラウンドの最後のラウンド期間を指す。S1100にて否定判定が為されると、大当りインターバルの期間が開始される大当りインターバル処理が開始され(S1120)、S1120の処理を終えると、リターンに抜ける。S1100にて肯定判定が為されると、続く処理では、大当り終了演出処理が行われる(S1130)。S1130に続く処理では、条件装置の作動を停止する処理が行われる(S1140)。S1140に続く処理では、S1050で記憶した大当り図柄が確率変動図柄であったか否か判定される(S1150)。ここで肯定判定が為されると、確率変動フラグ・時短フラグ作動処理を行い(S1160)、S1160の処理を終えるとリターンに抜ける。即ち、S1160の処理が行われることにより確率変動状態に突入することになる。S1150にて否定判定が為されると、時短フラグ作動処理を行い(S1170)、S1170の処理を終えると、リターンに抜ける。即ち、S1170の処理が行われることにより時短状態に突入することになる。尚、S1170の時短フラグ作動処理により作動した時短フラグは、該時短フラグが作動してから数えて、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に入球することにより行われる当否抽選回数が100回に達した時点で時短フラグが作動を終了するように時短回数が設定されるが、S1160の時短フラグ作動処理により作動した時短フラグは、時短回数は設定されないことになっている。
次に図12を用いて、S195の当否判定処理2の中で主制御装置30が行う特別遊技処理2について説明する。なお、前半部分のフローチャートは省略するが、当否判定処理2においては、遊技球が特定領域46を通過することによって条件装置作動開始処理が行われる構成となっている。
特別遊技処理2が開始されると、条件装置が作動中か否か判定される(S2000)。ここで否定判定ならば、リターンに抜け、肯定判定ならば、大入賞口45が開放中か否か判定される(S2010)。ここで否定判定ならば、大当り開始演出中か否か判定される(S2020)。S2020にて否定判定ならば、大当りインターバル中か否か判定される(S2030)。特別遊技状態には、大入賞口45が開放してから、閉鎖するまでの期間を1ラウンドとして、所定のラウンドが設定されており、大当りインターバルとは、前記ラウンド間の大入賞口45が開放されていない期間を指す。S2030にて否定判定が為されると、大当り終了演出中か否か判定される(S2040)。大当り終了演出とは、特別遊技状態中の設定された所定回数のラウンドによる大入賞口45の開放が終了してから、特別遊技が終了することを遊技者に報知する期間を指す。S2040にて否定判定が為されると、大入賞口45の開放等を含む大当り開始演出処理を行い(S2060)、リターンに抜ける。前述したS2020、S2030、S2040にて肯定判定が為されると、リターンに抜ける。
前述したS2010にて肯定判定が為されると、大入賞口45が開放されてから、該大入賞口45内に遊技球が所定個数入球したか否か判定される(S2070)。ここで否定判定が為されると、大入賞口45の所定の開放時間が終了したか否か判定される(S2080)。本実施形態において、特別遊技状態に設定された所定回数のラウンドのうちの1ラウンドの終了条件は、大入賞口45に遊技球が所定個数入賞した場合、又は大入賞口45を開放してから所定の開放時間が経った場合のいずれかの条件を満たした場合に終了することになっている。S2070では、前記終了条件のうち、大入賞口45に遊技球が所定個数入球したか否かを判定しており、S2080では、前記終了条件のうち、大入賞口45を開放してから所定の開放時間が経ったか否かを判定する処理となっている。S2080にて否定判定が為されると、リターンに抜け、S2070、又はS2080にて肯定判定が為されると、続く処理では、大入賞口45を閉鎖する(1ラウンドを終了させる)処理を行う(S2090)。S2090の処理を終えると、S2090にて閉鎖処理を行った時の特別遊技中のラウンド数が最終ラウンドであったか否か判定される(S2100)。尚、前述したように特別遊技状態には、大入賞口45が開放してから、閉鎖するまでの期間を1ラウンドとして、所定のラウンドが設定されており、ここでいう最終ラウンドとは、前記所定回数のラウンドの最後のラウンド期間を指す。S2100にて否定判定が為されると、大当りインターバルの期間が開始される大当りインターバル処理が開始され(S2120)、S2120の処理を終えると、リターンに抜ける。S2100にて肯定判定が為されると、続く処理では、大当り終了演出処理が行われる(S2130)。S2130に続く処理では、条件装置の作動を停止する処理が行われる(S2140)。S2140の処理を終えるとリターンに抜ける。
その他、本実施形態では、主制御装置30は、特別図柄の抽選が当選することにより発生する特別遊技と遊技球が特定領域46を通過することにより発生する特別遊技が同時発生しないための制御等も行っている。
以上説明した本発明の実施形態においては、当否抽選確率が通常確率と高確率に変化し、変動短縮機能や開放延長機能などを持つパチンコ機10を例にとり説明したが、当否抽選確率の変化や変動短縮機能等のないパチンコ機にも、勿論、本発明を適応することができる。
以下、上記の遊技盤構成および回路構成によって行われる遊技の流れをまとめて説明する。
遊技者が発射ハンドル13を操作することにより発射された遊技球が第1振分装置36または開口39bを経た後、球通路39aを通って第2振分装置37に入球し、第2振分装置37によって振り分けられて、第2の流出口37cから第1特別図柄始動口40に入球すると、始動口1スイッチ40aによって検出された入球情報が主制御装置30に送られる。始動口1スイッチ40aから送られた情報に基づいて、主制御装置30は、払出制御装置31に指令を出して賞球の払出しを行うとともに、入球情報を受け取った際に抽出した乱数の値に基づいて当否抽選を行い、当否抽選の結果を音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53を介して演出図柄制御装置(サブ制御装置)33に送信するとともに特別図柄表示装置48に表示させる。当選の場合には、主制御装置30が大入賞口ソレノイド45cに指令を出すことによって大入賞口45を開いて遊技者にとって有利な特別遊技を実行する。特別遊技中は、大入賞口への入球毎に、所定数の賞球が払い出される。特別遊技開始後、所定の時間が経過するか、または大入賞口45内に設けられたカウントスイッチ45bによって所定の入球数がカウントされると、主制御装置30から大入賞口ソレノイド45cに指令が出されることによって大入賞口45が閉じる。大入賞口の開放から閉鎖までを1サイクル(1ラウンド)として、所定回数のサイクルが終了すると、特別遊技が終了する。始動口1スイッチ40aによって入球情報が検出された時点で、特別図柄が変動中であったり特別遊技中であったりする場合には、所定数の賞球を払い出すとともに、特別図柄保留記憶表示装置50のLEDを1つ点灯する。特別図柄変動または特別遊技が終了した後に当否抽選を行い、当否抽選が1回行われる毎に特別図柄保留記憶表示装置50のLEDを1つ消灯する。特別図柄保留記憶表示装置50の最大点灯数は4個であり、特別図柄変動中または特別遊技中に始動口1スイッチ40aによって入球が検出されたときに点灯数が既に4個であった場合には、所定数の賞球が払出し制御装置31によって払い出されるのみで、当否抽選および特別図柄保留記憶表示装置50のLED点灯は行わない。
遊技者が発射ハンドル13を操作することにより発射された遊技球が第2特別図柄始動口42に入球すると、始動口2スイッチ42bによって検出された入球情報が主制御装置30に送られる。これにより、第1特別図柄始動口40に入球した場合と同様に、始動口2スイッチ42bから送られた情報に基づいて、主制御装置30が、払出制御装置31に指令を出して賞球の払出しを行うとともに、入球情報を受け取った際に抽出した乱数の値に基づいて当否抽選を行い、当否抽選の結果を音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53を介して演出図柄制御装置(サブ制御装置)33に送信するとともに特別図柄表示装置48に表示させる。当選の場合には、やはり第1特別図柄始動口40に入球した場合と同様に、主制御装置30が大入賞口ソレノイド45cに指令を出すことによって大入賞口45を開いて遊技者にとって有利な特別遊技を実行する。特別遊技中は、大入賞口への入球毎に、所定数の賞球が払い出される。特別遊技開始後所定の時間が経過するか、または大入賞口45内に設けられたカウントスイッチ45bによって所定の入球数がカウントされると、主制御装置30から大入賞口ソレノイド45cに指令が出されることによって大入賞口45が閉じる。大入賞口の開放から閉鎖までを1サイクルとして、所定回数のサイクルが終了すると、特別遊技が終了する。始動口2スイッチ42bによって入球情報が検出された時点で、特別図柄変動中であったり特別遊技中であったりする場合には、所定数の賞球を払い出すとともに、特別図柄保留記憶表示装置50のLEDを1つ点灯する。特別図柄変動または特別遊技が終了した後に当否抽選を行い、当否抽選が1回行われる毎に特別図柄保留記憶表示装置50のLEDを1つ消灯する。特別図柄保留記憶表示装置50の最大点灯数は4個であり、特別図柄変動中または特別遊技中に始動口1スイッチ42bによって入球が検出されたときに点灯数が既に4個であった場合には、所定数の賞球が払出し制御装置31によって払い出されるのみで、当否抽選および特別図柄保留記憶表示装置50のLED点灯は行わない。
つまり、遊技球が第1特別図柄始動口40に入球しても、第2特別図柄始動口42に入っても、同じく当否抽選が行われ(抽選確率も同じ)、同じ特別図柄及び疑似図柄が変動し、当選した場合には同じ特別入球口が開いて特別遊技が実施される構成となっている。保留についても、第1特別図柄始動口40と第2特別図柄始動口42は同等に扱われる。また、保留記憶および保留記憶表示装置は、第1特別図柄始動口40と第2特別図柄始動口42に対して共通である。つまり、保留記憶されている乱数が全て第1特別図柄始動口40に入ったときに抽出した乱数であるときもあれば、第1特別図柄始動口40と第2特別図柄始動口42に入ったときに抽出した乱数が混在している場合もある。
遊技者が発射ハンドル13を操作することにより発射された遊技球が、第1振分装置36または開口39bを経た後、球通路39aを通って第2振分装置37に入球し、第2振分装置37によって振分けられて第1流出口37bから球通路39eを通過して作動口43に入球するか、または、発射された遊技球が、第1振分装置36または開口39dを経た後、球通路39cを通って第3振分装置38に入球し、第3振分装置38によって振分けられて第1流出口38bから球通路39fを通過して作動口43に入球すると、作動口43内に設けられた特定入球装置開放スイッチ43aによって検出された入球情報が主制御装置30に送られる。主制御装置30は、この情報に基づいて、払出制御装置31に指令を出して所定の賞球を払い出すとともに、特定入球装置ソレノイド44dに指令を出し、特定入球装置44に設けられた羽根部材44bを開放する。羽根部材44bが開放することによって、特定入球装置44に入球可能な状態となる。羽根部材44bは、開放後所定時間、例えば5秒経過すると閉じる。つまり、羽根部材44bが開いても特定入球装置44に遊技球が入球できない場合もある。
遊技者が発射ハンドル13を操作することにより発射された遊技球が特定入球装置44に入球すると、特定入球装置44に設けられた特定入球装置スイッチ44cによって検出された入球情報が主制御装置30に送られる。主制御装置30は、この情報に基づいて、払出制御装置31に指令を出して所定の賞球を払い出す。特定入球装置44を通った遊技球が特定入球装置44内の回転体の複数の穴のうちの1つである特定領域46(Vゾーン)を通過すると、特定領域46に設けられたVスイッチ46aによって検出された入球情報が主制御装置30に送られる。主制御装置30は、この情報に基づいて、大入賞口ソレノイド45cに指令を出し、大入賞口45を開いて遊技者にとって有利な特別遊技を実行する。特別遊技中は、大入賞口への入球毎に、所定数の賞球が払い出される。特別遊技開始後所定の時間が経過するか、または大入賞口45内に設けられたカウントスイッチ45bによってカウントされた入球数が所定の数に達すると、主制御装置30は大入賞口ソレノイド45cに指令を出し、大入賞口45を閉じる。大入賞口の開放から閉鎖までを1サイクルとして、所定回数のサイクルが終了すると、特別遊技を終了する。
特別図柄の抽選が当選することによる特別遊技と特定領域46入球による特別遊技の同時発生を回避するために、本実施形態では、次のような構成を採用している。まず、特別遊技中に遊技球が作動口43に入球しても特定入球装置44の羽根部材44bは開放しない、また前記したように、特別遊技中に遊技球が第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に入球しても特別図柄は変動しない(保留にされるか無効にされる)構成を採用している。これら2つの構成にすることで、ほとんどの場合、同時大当りを回避することができる。さらに、遊技球が特定領域46に入ったときに特別遊技が変動していた場合には変動を終了させ、そのとき変動していた特別図柄が本来、当りを示すものであった場合にも、強制的にハズレ図柄で確定表示させるという構成、及び、特別図柄の抽選が当選し、特別図柄が当り図柄で確定表示されたあとに遊技球が特定領域46に入った場合は、特定領域46に入ったことで行われる特別遊技は行わないという構成を採用している。これら2つの構成にすることで、最初の2つの構成で回避できなかった場合にも、同時大当りを回避できる。
なお、本実施例では、特別図柄始動口に入球したときの乱数が所定の値であった場合に行われる特別遊技と特定領域に入った場合に行われる特別遊技が同じ(開放する大入賞口、大入賞口の開放ラウンド数、1ラウンド中の大入賞口への入球可能数、大入賞口への入球に対する賞球数が、全て同じ)構成にしているが、大入賞口を複数設け、違う大入賞口で特別遊技を行うようにしてもよいし、同じ大入賞口でもラウンド数を異ならせる構成でもよい。
また、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に入球したことによって行われる抽選が当選した場合でも、特定領域46に入球した場合でも、演出図柄表示装置33aにて特別遊技の遊技状態(現在のサイクル数や、大入賞口に入球した遊技球の数など)を表示する構成である。
遊技者が発射ハンドル13を操作することにより発射された遊技球が第1振分装置36または開口39dを経た後、球通路39cを通って第3振分装置38に入球し、第3振分装置38によって振り分けられて、第2流出口38cから普通図柄作動ゲート41を通過すると、普通図柄作動スイッチ41aによって検出された情報が主制御装置30に送られる。この情報に基づき、主制御装置30は、入球情報を受け取った際に抽出した乱数の値に基づいて当否抽選を行い、当否抽選の結果を普通図柄表示装置49に表示する。当選の場合には、主制御装置30が普通役物ソレノイド42cに指令を出すことによって第2特別図柄始動口42に備えられた羽根部材42aを開く。羽根部材42a開放後、所定時間が経過するか、第2特別図柄始動口42に所定の個数入球することにより、羽根部材42aが閉鎖する。羽根部材42aが開くことにより始めて第2特別図柄始動口42への入球が可能となる構成とすることもできるが、本実施形態では、羽根部材42aが開いていない状態でも第2特別図柄始動口42への入球は可能であるが、羽根部材42aが開くことにより第2特別図柄始動口42への入球が容易となる構成を採用している。このため、普通図柄が当選しなくても、確率は少ないが第2特別図柄始動口42へ入球するチャンスがあり、遊技にさらに変化と興趣が生じる。なお、普通図柄作動スイッチ41aによって入球情報が検出された時点で、普通図柄が変動中であったり羽根部材42aが開放中であったりした場合には、普通図柄保留記憶表示装置51のLEDを1つ点灯する。普通図柄変動または羽根部材42aの開放が終了した後に当否抽選を行い、当否抽選が1回行われる毎に普通図柄保留記憶表示装置51のLEDを1つ消灯する。普通図柄保留記憶表示装置51の最大点灯数は4個であり、普通図柄変動中または羽根部材42a開放中に普通図柄作動スイッチ41aによって入球が検出されたときに点灯数が既に4個であった場合には、当否抽選および普通図柄保留記憶表示装置51のLED点灯は行わない。なお、本実施形態では、普通図柄の当選によって第2特別図柄始動口42に備えられた羽根部材42aが開放する構成としたが、普通入賞口等、他の入賞口の羽根部材が開放する構成としてもよい。
第1、第2特別図柄始動口40、42等への入賞、特別遊技状態への突入など、様々な遊技状態に応じて、主制御装置30は、サウンドデータ等を音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)53に出力する処理を行うが、これについても、従来技術と同様であるので、ここでは詳述しない。
以上説明した本発明の実施形態のパチンコ機10によれば、第1から第3の振分装置36、37、38によって振分けられる遊技球の挙動を目で追う視覚的面白さが得られ、また一連の振分装置によって振分けられた下流には、第1特別図柄始動口40、普通図柄作動ゲート41、作動口43といった、遊技者にとって有利な遊技状態を導く入球口および作動ゲートが設けられているので、第1振分装置36に入るか否かがまず遊技者の一大関心事となり、さらに、振分装置36に入球した後も、どこに振分けられるか、ハラハラしながら目で追うことになり、ゲームの興趣が高まる。さらに、第1、第2特別図柄始動口40、42に入球した際には当否抽選に伴って特別図柄表示装置48、演出図柄表示装置33aが変動表示されるので、変動表示を見る視覚的楽しみも味わうことができる。本発明でセンターケース中央に設ける表示装置は、特別図柄表示装置でも演出図柄表示装置でもよいが、本実施例のように、演出図柄表示装置33aを特別図柄表示装置48と別に設け、センターケース中央に配置することにより、より変化に富んだ表示の演出が可能となり、視覚的楽しみが増す。また、第1から第3までの振分装置36、37、38および演出図柄表示装置33a等をセンターケース35と一体の部材として遊技盤22の中央に配置することにより、遊技者の興味を引き付け易く、また、遊技球や表示画面の動きを一目で把握し易い構成となっている。
また、第1振分装置36を経なくても、開口39bから第2振分装置37へ、あるいは、開口39dから第3振分装置38へ入球することも可能なので、遊技に意外性が生じる。
なお、本実施例では、第1振分装置36と第2振分装置37の間に球通路39a、第1振分装置36と第3振分装置38の間に球通路39c、第2振分装置37と作動口43の間に球通路39e、第3振分装置38と作動口43の間に球通路39fを、それぞれ関係する流入口や流出口と接近して設け、また、第1特別図柄始動口40、普通図柄作動ゲート41、作動口43を、それぞれ関係する流出口または開口と接近して設けることにより、振分装置に入球した遊技球は最終的には、第1特別図柄始動口40、普通図柄作動ゲート41、作動口43のいずれかに振分けられることになっている。このため、振分装置に入ったものの何も起こらなくて遊技者ががっかりすることがない。また、遊技球が振分装置に入球すること自体が有利なこととして遊技者に認識される。これにより、一連の振分装置に対する遊技者の関心が高まり、遊技の面白みが増すという利点がある。さらに、振分装置間の関係が、視覚的に遊技者にとって分かりやすくなるという利点もある。一方、第1振分装置36の第1流出口36bと対向させてその下方位置に第2振分装置37の流入口37aを、第1振分装置36の第2流出口36cと対向させてその下方位置に第3振分装置38の流入口38aを、第2振分装置37の第1流出口37bと対向させてその下方位置に作動口43を、第2振分装置37の第2流出口37cと対向させてその下方位置に第1特別図柄始動口40を、第3振分装置38の第1流出口38bと対向させてその下方位置に作動口43を、第3振分装置38の第2流出口38cと対向させてその下方位置に普通図柄作動ゲート41を配設する構成は同じであるが、球通路39a、39c、39e、39fを設けないか、または、球通路と関係する流入口および流出口との間に間隔をあける、第1特別図柄始動口40、作動口43、普通図柄作動ゲート41と関係する流出口や開口との間に間隔をあけるなどによって、上流側の流出口から、それぞれの流出口と対向する流入口および第1特別図柄始動口40、作動口43、普通図柄作動ゲート41へは、入球し易いが、必ずしも入球するとは限らない構成とすることもできる。この構成とした場合には、遊技の意外性を高めることができる。
従来の弾球遊技機では、通常、特別遊技に至る過程が一通りであるが、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄始動口40または第2特別図柄始動口42に入球することによって行われる当否抽選が当選することによっても特別遊技状態となり、特定入球装置44に入球した遊技球が特定領域46を通過することによっても特別遊技状態となるので、特別遊技に至る過程に多様性があり、ゲーム性が向上している。なお、本実施形態では、特別遊技の際に開口する特別入球口に相当する入球口を大入賞口45のみとし、特別図柄当否抽選が当選することによっても、遊技球が特定領域46を通過することによっても同一の特別入球口たる大入賞口45が開口する構成とした。これにより、遊技盤22上に占める大入賞口45のスペースを節約することができる。一方、当否抽選が当選することによって開口する特別入球口と、遊技球が特定領域46を通過することによって開口する特別入球口を別個に設けることもできる。その場合、遊技盤22上のスペースは多く必要となるが、2つの特別入球口を別々に開口させることができるので、時には同時に開口する場合もあり、ゲーム性が向上する。
また、本実施形態では、普通図柄表示装置49が設けられているので、普通図柄の変動表示による視覚的面白さも同時に楽しむことができる。また、普通図柄作動ゲート41を遊技球が通過することによって行われる当否抽選が当選すると開放する羽根部材42aは、普通入賞口等に設けてもよいが、本実施形態では、第2特別図柄始動口42に設けることにより、遊技の流れをさらに劇的なものとしている。
本実施形態では、3つの振分装置を使用したが、作動口43の上流(球通路39e、39fの下流)に第4の振分装置を配置して、球通路39eや39fを通った遊技球が必ず作動口43に入る構成ではなく、球通路39eや39fを通っても、第4の振分装置によって振分けられることにより、遊技球が作動口43に入らない場合があるように構成してもよい。このような構成とすることにより、遊技球の動きにさらに変化が生じ、面白みが増す。