JP3669567B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、詳しくは、遊技盤面上に遊技球を発射するパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機、例えばパチンコ遊技機、とりわけ俗称「羽根モノ」は、特別電動役物に飛行機の羽根形状の開閉部品がついていることから、飛行機台ともいうが、通常時、1つの羽根作動口に入賞すると、一対の羽根が0.9秒間、1回開放し、他の羽根作動口に入賞すると0.9秒間、2回開放する。羽根の開放中に運良く入賞し、その入賞した遊技球が特定領域(V通過口)を通過すると大当りが発生する。大当り時には1回のラウンド動作は、羽根が18回以下の開放動作(開放時間の合計は30秒以下)、又は遊技球10個の入賞により終了する。但し、上記大当り動作中に入賞球がV通過口を通過すると、羽根の開放動作は終了する。この点がフィーバー機と異なり、出玉が少なくなる。入賞球がV通過口を通過しないと、羽根の18回開閉又は遊技球が10個入賞するものの、そのラウンドで大当りは終了してしまう。その1つの対策として、遊技球が10個入賞するまで、入賞した遊技球を停留させておき、一挙に流下させる手段も考えられる。しかし、羽根の18回以下の開閉動作が終了した時点以降にV通過口を通過することもあり、V通過口の通過は無効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
発明の遊技機は、「羽根モノ」といわれる遊技機において、特別電動役物の連続動作の停止後、有効期間の実質的な延長を防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため請求項1に記載の遊技機は、開閉可能な羽根部材を備えた電動役物と、遊技球が特定作動口に入球することに起因して、前記電動役物を遊技者に有利な遊技状態に作動させ、かつ、遊技球が電動役物内に設けた特定領域を通過することに起因して、前記電動役物を遊技者に有利な状態に連続作動させる制御手段と、を備え、該連続作動が実行されていない通常時において、前記特定作動口に入球して、前記電動役物が作動し、停止したときの前記電動役物内の残存球が前記電動役物内の特定領域を通過し得るに十分な、前記残存球の通過を有効とする有効期間を設定し、かつ、前記連続作動が実行されていない通常時において、前記特定作動口への入球から当該入球による前記電動役物作動を行うまでの間に、前記有効期間と同一の長さ以上の遅延期間を設定したことを特徴とする遊技機である。これにより、前記課題が好適に解決できる。
【0006】
ここでいう連続作動は電動役物の作動と停止を繰り返すものが例示され、連続作動の停止には一時停止を含む。また、特定領域は、特別領域を兼ねるものでも良いし、別途設けられるものでも良い。
請求項1により、連続作動が実行されていない通常時において、特定作動口への入球から当該入球による前記電動役物作動を行うまでの間に、前記有効期間と同一の長さ以上の遅延期間を設定したことで、仮に、有効期間内に再び特定作動口への入球があっても、この有効期間中には電動役物は作動しない。この結果、通常時における有効期間が重複するといったことや連続となることを防止できる。
【0007】
請求項2に記載の遊技機は、開閉可能な羽根部材を備えた電動役物と、遊技球が特定作動口への入球に起因して、前記電動役物を遊技者に有利な遊技状態に作動させ、かつ、遊技球が電動役物内に設けた特定領域を通過することに起因して、前記電動役物を遊技者に有利な状態に連続作動させる制御手段と、を備え、該連続作動が実行されていない通常時において、前記特定作動口に入球して、前記電動役物が作動し、停止したときの前記電動役物内の残存球が前記電動役物内の特定領域を通過し得るに十分な、前記残存球の通過を有効とする有効期間を設定し、かつ、前記連続作動が実行されていない通常時において、前記電動役物の作動終了後、前記特定作動口の機能が停止される無効期間を、前記有効期間と同一の長さ以上に設定したことを特徴とする遊技機である。これにより、連続作動が実行されていない通常時において電動役物の作動終了後、前記特定作動口への入球を無効化することで、仮に、有効期間内に再び特定作動口への入球があっても、この有効期間中には電動役物は作動しない。この結果、通常時における有効期間が重複するといったことや連続となることを防止できる。
【0008】
請求項3に記載の遊技機は、前記有効期間を複数種類設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機である。これにより請求項1又は2と同様の課題が達成できる上、様々な状況に応じて、V入賞率を変化させることで、趣向性を高めることができる。
【0009】
請求項4に記載の遊技機は、前記特定作動口は開放回数が異なる複数の特定作動口を備え、該複数の特定作動口毎に異なる長さの有効期間を設定したことを特徴とする請求項3記載の遊技機である。これにより請求項3と同様の課題を達成できる上、一層趣向性が高まる。
【0010】
請求項5記載の遊技機は、遊技球が特定の図柄作動口に入賞又は図柄作動通過領域を通過することに起因して所定の図柄を可変表示する可変表示手段と、前記図柄が所定の図柄で確定したとき、前記電動役物を連続作動させ、かつ、前記所定の図柄が特定図柄であるときに、前記連続作動が出現する確率を向上させることが可能な確率変動手段と、を備え、前記複数の有効期間は、前記確率が向上されたときと、前記確率が向上されないときとで、異なる長さに設定したことを特徴とする請求項3記載の遊技機である。これにより請求項3と同様な課題を達成できる上、大当り終了後、高確率状態に移行したときは、大当り図柄を表示する確率を高めると共に、羽根の開放時間を延長でき、V入賞率を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得る。
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の上面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、これを時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
【0012】
図2はパチンコ機10の裏面図であり、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。
この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
【0013】
また、機構盤26には主制御基板30及び賞球制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠12左下部には発射制御基板33が、特別図柄表示装置32の左側に外部接続端子基板40が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0014】
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。
図3に示すように、中央部に特別図柄表示装置32、遊技盤22の下部に設けられた特別図柄作動口としての普通電動役物36、上部にある普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられる左右の普通図柄作動ゲート38及び39、盤面最下部のアウト口41、普通電動役物36下部の大入賞口52を備えた第1特別電動役物50、遊技盤22の中央にある第2特別電動役物60、普通電動役物36の左右に一対設けられた普通入賞口である羽根作動口61a,61b、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。第2特別電動役物60は、上部に大入賞口として機能する一対の羽根62a,62b、中央部に特別図柄表示装置32、底部の両側に左右一対の球流下路67a(図4参照)と手前側に左右一対の球出口67b(図4参照)とが形成され、奥側に左右一対の外れ通過口68、その中央にV通過口69を備えている。また大当り時に遊技球が10個入賞するまで入賞した遊技球を停留させておき、10個入賞時に停留を解除して一挙に流下させる停留装置70(図4参照)をV通過口69の手前側に備えている。この停留装置70は、シャッタ71(図4参照)とシャッタ71を昇降させる駆動部(図示略)とを備えたものである。シャッタ71の前方にスロープ72(図4参照)が設けられ、シャッタ71が降下されると、球が自然に流下できるようにされている。羽根62a及び62bは羽根作動口61aへの入賞に応答して1回開き、羽根作動口61bへの入賞に応答して羽根62a及び62bは2回開く構造とされている。
これにより、羽根作動口61a又は61bへ遊技球の入賞があれば、羽根62a及び62bが1回又は2回0.9秒間開放し、開放したとき遊技球が第2特別電動役物60内に入賞すれば、入賞した遊技球は球流下路67aを通過して上部から下部に流下し、球出口67bを介してシャッタ71の手前に停留させられる。停留させられた遊技球は、シャッタ71を降下させることによりスロープ72を流下し、運が良ければV通過口69に流れ込み、運が悪ければ左右の外れ通過口68に流れ込む。
尚、図5に示す様に、第2特別電動役物60内に誘導装置80を設ける構成としても良い。この誘導装置80は、羽根62a,62bからの入賞球を受け入れる球通路81と、球通路81と連通する連絡通路82と、球を受け止めV通過口84a又は外れ通過口84bに誘導する誘導部材83と、表示装置85とから構成されている。
この構成により、入賞した遊技球は誘導部材83で受け止められ、このとき図示しないセンサにより受け止められたことが検出され、検出されたタイミングで抽出される乱数の値によりV通過口84a又は外れ通過口84bに誘導される。本具体例では、乱数は0〜9までの10個の整数を繰り返し作成するタイマーとして構成され、抽出された乱数値に対応した数字図柄を表示装置85に表示するよう構成されている。
前述した発射ハンドル24を回動すれば、発射制御基板33により駆動される発射モータ33a(図6参照)が駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールに沿って遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
【0015】
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図6のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示するように、主として、前述した主制御基板30、賞球制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継基板及び電源回路等は記載していない。
【0016】
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御基板30の入力側には、タッチスイッチ24a、賞球払出しスイッチ29a、特別図柄作動スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、カウントスイッチ54、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ)55、羽根作動スイッチ63a,63b、カウントスイッチ64、Vスイッチ65等が接続されている。また、主制御基板30の出力側には、普通役物ソレノイド36b、外部接続端子基板40、大入賞口ソレノイド56、Vソレノイド57、及び羽根ソレノイド66a,66b等が接続されている。
【0017】
タッチスイッチ24aは発射ハンドル24、賞球払出しスイッチ29aは払出し装置29内の球切りモータ29b(図6参照)の下方、特別図柄作動スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、Vスイッチ55は大入賞口52内の特定領域内、同じくカウントスイッチ54は大入賞口52内、羽根作動スイッチ63a,63bは羽根作動口61a,61b内、カウントスイッチ64は羽根62a,62bの取付部近傍、Vスイッチ65はV通過口69内に、各々取り付けられている。
【0018】
ここでタッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを、賞球払出しスイッチ29aは球切りモータ29bにより上皿15に排出される遊技球を、特別図柄作動スイッチ36aは普通電動役物36に入賞したことを、普通図柄作動スイッチ38a,39aは普通図柄作動ゲート38,39を遊技球が通過したことを、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、カウントスイッチ54は大入賞口52内に入賞する全ての遊技球を、Vスイッチ55は大入賞口52内に入賞した遊技球が特定領域(以下、「V領域」ともいう。)を通過したことを、羽根作動スイッチ63a,63bは羽根作動口61a,61bに入賞したことを、カウントスイッチ64は羽根62a,62b部分から入賞する全ての遊技球を、Vスイッチ65は羽根62a,62b部分から入賞した遊技球がV通過口69(V領域)を通過したことを、各々検出するためのものである。
【0019】
また、主制御基板30の出力側に接続された普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36、大入賞口ソレノイド56は大入賞口52、Vソレノイド57は大入賞口52内の特別領域、羽根ソレノイド66a,66bは羽根62a,62bの各々の開閉に使用されるものである。
【0020】
特別図柄表示装置32は、LCDパネルユニット32aと、これを駆動制御する図柄表示装置制御基板(以下、単に「図柄制御基板」という。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニット32cから構成されている。図柄制御基板32bは、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
【0021】
賞球制御基板31は、主制御基板30からの指令コマンドに従って球切りモータ29bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示基板47等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示基板47は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18等と接続されたものである。
【0022】
賞球制御基板31は主制御基板30からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御基板30で行われる。この遊技球が払い出されているか否かの検知は、主制御基板30及び賞球制御基板31の双方で行っても良い。
【0023】
発射制御基板33は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵された前記タッチスイッチ24aがオン状態のときタッチランプ45を点灯させるためのものである。
ランプ制御基板34は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板30からの指令を受けて普通図柄表示装置37、大当りランプやエラーランプ等の各種ランプ58及び各種LED59等の各種ランプ類を点灯表示させるためのものである。
音制御基板35は音源IC及びアンプ等から構成されており、主制御基板30の指令を受けてスピーカ46を駆動制御するためのものである。
前述した特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35への送信は、主制御基板30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されているが、双方向の通信も可能であるように構成できる。
【0024】
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10の主制御基板30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図7に示すフローチャートに従って説明することにする。
【0025】
図7に示すフローチャートは、主制御基板30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。ステップS100〜S200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップS210及びS220の処理を「残余処理」と称する。
【0026】
マイコンによるハードウェア割り込みが実行されると、スタックポインタの設定が行われた後、正常割り込みであるか否かが判断される(ステップS100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。通常でない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、大抵が電源投入時である。電源投入時には、RAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0027】
正常割り込みでないと判断されると(ステップS100:NO)、前記メモリの所定領域に所定値を書込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書込み、即ち初期設定が為される(ステップS110)。
【0028】
正常割り込みとの肯定判断が為されると(ステップS100:YES)、まず初期乱数更新処理が実行される(ステップS120)。この処理は、図8に示すように、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1とするが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「329」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「329」までの330個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0029】
ステップS120に続く当否乱数更新処理(ステップS130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であるが、図9に示すように、最大値である「329」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期乱数の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1とする処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期乱数の値を初期値とし「0」〜「329」までの330個の整数値を繰り返し作成する。即ち、割り込み処理毎に+1とし、乱数を構成する要素を「0」〜「329」までの330個の整数値とすることは前記初期乱数と何等変わることはないが、今回の更新最大値(図では「157」「24」「257」)に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値(図では「158」「25」「258」「95」)を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1とし、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当否乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「329」までの330個の整数値とし、割り込み処理毎に+1とするが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期乱数により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「329」の330個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
【0030】
大当り図柄乱数更新処理(ステップS140)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、画面上に表示される3桁同一の「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」、「FFF」に各々対応する。
【0031】
外れ図柄乱数更新処理(ステップS150)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当りでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。
【0032】
普通図柄乱数更新処理(ステップS160)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
【0033】
前述した各乱数更新処理(ステップS120〜S160)により、初期乱数、当否乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数及び普通図柄乱数が各々更新されるが、続く各入力処理(ステップS170)ではパチンコ機10に設けられ主制御基板30に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。前述したタッチスイッチ24a、賞球払出しスイッチ29a、特別図柄作動スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、カウントスイッチ54、Vスイッチ55、羽根作動スイッチ63a,63b、カウントスイッチ64、Vスイッチ65、その他の入賞口に設けられた図示しない各入賞検知スイッチ等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。
【0034】
この入力処理(ステップS170)により特別図柄作動スイッチ36aに入力がある場合には、作動口としての普通電動役物36に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される。第1実施形態のパチンコ機10は、確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、高確率時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」に増加する。当否乱数を構成する「0」〜「329」の330個の各整数値の出現率は均一であり、遊技球が作動口としての普通電動役物36に入賞するタイミングで抽出される当否乱数の値は、前記ハードウェア割り込みの微小時間である約2msと比較すれば、入賞タイミングを微小時間単位で調節できないことから無作為に抽出された値となり、当否乱数は完全なる乱数として機能する。従って、抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当りとなる確率は、通常確率時には1/330であり、高確率時には1/55(=6/330)となる。この大当りを発生させる確率が通常確率状態から高確率状態に移行するのは、第1実施形態では、大当り発生時の割り込み処理における前述した大当り図柄乱数の値が、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」及び「13」、即ち、大当り図柄が「111」、「333」、「555」、「777」、「999」、「BBB」及び「DDD」(以下、「高確率図柄」という。)の場合であり、大当りが発生するときの7/15の確率で高確率に移行する。そして、高確率中において、再び大当りを発生させたときの大当り図柄が高確率図柄であれば更に高確率状態が継続する。
【0035】
ここで、高確率状態の発生条件として、1つは、普通電動役物36への入賞に伴い特別図柄表示装置32へ表示された大当り図柄が高確率図柄で確定表示されること、2つは、羽根62a,62bが開放される間に第2特別電動役物60内に飛び込んだ打球がVスイッチ65で検知されたときに特別図柄表示装置32へ可変表示される確率変動判定図柄が高確率図柄であることである。後者の場合には、大当りが確定した後に表示されるものであり、単に確率変動判定を行うためのみを表示するものである。
【0036】
前記高確率判定処理に係る処理を示したのが図10に示す「高確率判定ルーチン」である。このルーチンは大当りと判定されると続いて実行される処理であり、このルーチンに処理が移行すると、まず、前記大当り図柄が高確率図柄であるか否かが判断され(ステップS300)、高確率図柄との肯定判断が為されると(ステップS300:YES)、高確率フラグFgが値「1」にセットされ当否判定値を「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」の6個に増加する処理が実行され(ステップS310〜S320)、リターンに抜ける。一方、前記大当り図柄が高確率図柄でないとの否定判断が為されると(ステップS300:NO)、高確率フラグFgを値「0」にリセットし当否判定値を「1」に戻す処理が実行され(ステップS330〜S340)、リターンに抜ける。
【0037】
一方、第2特別電動役物60内のV通過口69を遊技球が通過することにより大当りが発生したときは、前述の図10に示した処理に準じて、確率変動判定図柄が高確率図柄であるか否かにより高確率フラグFlgがセット又はリセットされる。ただし、この確率変動判定図柄が高確率図柄を表示するか否かは、遊技球がV通過口69を通過するタイミングで抽出される確率変動判定乱数の値により判定される。確率変動判定乱数は、0と1との整数を繰り返し作成する乱数であり、抽出された判定乱数の値が「1」のとき特別図柄表示装置32に高確率図柄を表示する。
【0038】
この判定乱数抽出処理の一例によれば、図11に示す通り、第2特別電動役物60が大当り動作を実行しているか否かを判定し(ステップS400)、大当り動作を実行していないとき(S400:NO)、羽根62a,62bが開放し、かつ、入賞球がV通過口69を通過したかどうかを判定する(ステップS410)。ここで肯定判断されると(ステップS410:YES)、上述の確率変動判定乱数の抽出を行い(ステップS420)、処理はリターンに抜ける。このステップS420は、大当り動作中にV通過口69を遊技球が通過しても(ステップS400:YES)、或は、大当り動作中でないときでもV通過口69を通過しなければ(ステップS410:NO)、実行されることはなく、処理はリターンに抜ける。
【0039】
尚、上述の判定乱数抽出処理は、大当り動作の最後、即ち16ラウンド目に遊技球がV通過口69を通過したとき実行するよう構成しても良いし、大当り動作が16ラウンドまで実行されず途中のラウンドで終るような場合を考慮して各ラウンド毎に実行し大当り動作中の最後に実行された処理を有効として処理するよう構成しても良い。
【0040】
また、図11の処理による確率変動判定乱数の抽出に起因して、図12の羽根開放時間制御ルーチンが実行される。即ち、高確率図柄が特別図柄表示装置32に確定表示されたか否かを判定する(ステップS500)。高確率図柄が表示されたとき(ステップS500:YES)、羽根62a,62bの開放時間(羽根ソレノイド66a,66bの通電時間)が1.8秒に設定され、処理はリターンに抜ける。一方、通常確率図柄が表示されたとき(ステップS500:NO)、羽根62a,62bの開放時間(羽根ソレノイド66a,66bの通電時間)が0.9秒に設定され、処理はリターンに抜ける。こうした処理により、高確率状態が発生すると、羽根作動口61a又は61bに入賞することにより開放する羽根62a及び62bの開放時間が0.9秒から1.8秒に延長される。これにより、高確率時において、通常確率時よりも、羽根62a及び62bの開放により遊技球が第2特別電動役物60内に入賞する確率が高くなり、趣向性が高まる。
【0041】
尚、この高確率状態の動作に替えて、第2特別電動役物60に入賞した遊技球を所定の通常確率(1/10)でV通過口69に誘導する誘導装置80(図5参照)を設け、高確率時には、該誘導装置80を前記所定の通常確率(1/10)よりも大きな値である所定の高確率(1/2)に設定する設定手段を設け、前記入賞した遊技球をV通過口84aに高確率で誘導する構成としても良い。即ち、図13に示す通り、高確率中であるか否かを判定し(ステップS550)、高確率中であれば(ステップS550:YES)、誘導装置80の誘導確率を高く(1/2)設定し(ステップS555)、リターンに抜ける。一方、通常確率であれば(ステップS550:NO)、誘導装置80の誘導確率を低く(1/10)設定し(ステップS560)、リターンに抜ける。これにより高確率時において、通常確率時よりも、入賞した遊技球がV通過口84aを通過する確率が高くなり、趣向性が高まる。
【0042】
また、図12では羽根62a,62bの開放時間を変更したが、これに代えて、高確率中には羽根62a,62bの開放回数を増加させる構成としても良い。即ち、図14に示す通り、高確率中であるか否かを判定し(ステップS570)、高確率中であれば(ステップS570:YES)、羽根62a,62bの開放回数を+1とするか、又は2倍に設定し(ステップS575)、リターンに抜ける。一方、通常確率であれば(ステップS570:NO)、羽根62a,62bの開放回数を通常回数に設定し(ステップS580)、リターンに抜ける。これにより高確率時において、通常確率時よりも、羽根の開放回数が増加する。
尚、高確率中であることを示すフラグFlgは、前述した図10に示す処理に準じた処理により零クリアされる他、電源投入時にも零クリアされる。
【0043】
そして、前述した図7に示す当否判定処理(ステップS180)、図10に示す「高確率判定ルーチン」、図11の「確率変動判定乱数抽出ルーチン」、図12の「羽根開放時間制御ルーチン」等が終了すると、続いて図7に示す画像出力処理(ステップS190)が実行される。
【0044】
画像出力処理(ステップS190)を、次の表1を用いて詳細に説明する。表1に示すコマンドコードは、主制御基板30から特別図柄表示装置32の図柄制御基板32bに送信されるコードである。表1に示すように、主制御基板30と図柄制御基板32bとの送信コマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当り開始時、5.大当り中、6.大当り終了時、7.動作異常時、の7種類に大別できる。
【0045】
【表1】
Figure 0003669567
【0046】
1.電源投入時
電源投入時のコマンドコードは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板30から図柄制御基板32bに送信されるコマンドコードであり、10Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って特別図柄表示装置32の画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
例えば、図15に示すLCDパネルユニット32a上の3つの特別図柄表示領域42a,42b及び42cに各々「7」、「7」、「7」と3桁同一の大当り図柄を表示し、4つの特別図柄保留記憶表示領域48a〜48dを所定時間(約5秒)点灯させた後に消灯し、背景画面49上にキャラクタとしてヒーロ(hero)及び悪人(bad)を表示し、ヒーロが悪人と所定時間(約1分)格闘したのち悪人を倒し「ファイヤ」という文字を表示するデモ画面を表示すると共に音制御基板35により「ファイヤ」という効果音を出力する処理を実行する。
【0047】
2.客待ちデモ
客待ちデモのコマンドコードは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドコードであり、20Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って特別図柄表示装置32の画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、特別図柄表示領域42a〜42c上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示する。このとき、背景画面49上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技者が発射ハンドル24を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後、繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル24に触れているか否かはタッチスイッチ24aの入力により検知することができる。第1実施形態では、タッチスイッチ24aの入力を主制御基板30に入力する構成としたので、主制御基板30と発射制御基板33との通信を主制御基板30からの一方向通信としながらも前記検知が可能なのである。もちろん、主制御基板30からタッチスイッチ24aのオンオフ情報は発射制御基板33に送信される。このタッチスイッチ24aの入力を発射制御基板33に入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22上のアウト口41にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
【0048】
3.図柄変動中
図柄変動中コマンドコードは、特別図柄変動時に送信されるコマンドであり、表1に示すように(1)変動タイムコード、(2)左静止図柄指定コード、(3)中静止図柄指定コード、(4)右静止図柄指定コード、の4種類のコマンドコード(以下、この4つのコマンドコードを総称して「画像表示コマンド」ということもある。)に分類される。
【0049】
(1)変動タイムコード
変動タイムコードは、、動作番号として30Hの1バイト命令と識別番号として01H〜1EHの30種類の1バイト命令とから30種類の2バイト命令として構成されている。30種類の1バイト命令は、1秒単位の5秒〜35秒の30種類の時間を表している。
【0050】
(2)左静止図柄指定コード
左静止図柄指定コードは、31Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号が01Hのときは左静止図柄として「0」、02Hのときは「1」、03Hのときは「2」、04Hのときは「3」、05Hのときは「4」、06Hのときは「5」、07Hのときは「6」、08Hのときは「7」、09Hのときは「8」、0AHのときは「9」、0BHのときは「A」、0CHのときは「B」、0DHのときは「C」、0EHのときは「D」、0FHのときは「E」の文字を特別図柄として特別図柄表示領域42aに表示させるためのものである。
【0051】
(3)中静止図柄指定コード
中静止図柄指定コードは、32Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域42bに表示させるためのものである。
【0052】
(4)右静止図柄指定コード
右静止図柄指定コードは、33Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域42cに表示させるためのものである。
【0053】
この変動タイムコード、左、中及び右静止図柄指定コードは、遊技盤22上に発射された遊技球が特別図柄作動口としての普通電動役物36に入賞したとき2バイトずつほぼ同時に送信されるコマンドコードであり、その内容は次のようにして決定される。
【0054】
即ち、遊技球が普通電動役物36に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当り図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、高確率時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当りが発生、一致しなければ外れとなる。一致して大当り発生時には、抽出された大当り図柄乱数値に+1として、この値を左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。即ち、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号は同一となる。それらが一致せず外れとなったときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1とした値を各々左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右静止図柄指定コードの識別番号の値を「1」だけ異なる値とする処理が為される。前述した変動タイムコードは、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致するときには大きな値とし、全て一致しなくとも左及び中静止図柄指定コードの識別番号が一致するときには中間の値とし、全く一致しないときには小さな値に振り分けられる。
【0055】
この4つのコマンドコードからなる画像表示コマンドを受信したときの図柄制御基板32bが行う処理を図16に示すフローチャートに従って説明する。図16に示す「通常表示ルーチン」は、送信される左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致しない場合、即ち大当りを発生させないときの画像処理に用いられる処理である。図柄制御基板32bのマイコンが前記画像表示コマンドを受信すると、受信した変動タイムコードと左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とから特別図柄の変動パターンを作成する処理を実行する(ステップS600)。図柄制御基板32bのROMには、次表2に示されるように、受信した画像表示コマンドの各値の組み合わせに対応したテーブルが書込まれている。図柄制御基板32bのマイコンは、受信した画像表示コマンドからROMに書込まれたテーブルを読み出し特別図柄の変動パターンを作成する。この変動パターンは次のようにして作成される。
【0056】
マイコンは、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号から左と中との識別番号が一致するか否か(即ち、リーチであるか否か)を判断して通常変動なのか、リーチ変動なのかを判断し、更にリーチ変動でも変動タイムコードの値が所定値より大きいのか小さいのかによりトリック変動をするのか否かを判断し、これらの判断と変動タイムコードとにより特別図柄の左、中及び右図柄の変動開始から静止するまでの各々の時間を決定する。作成された特別図柄の変動パターンに従って、背景画面49上に表示される背景及びキャラクタの表示データも作成される。こうして変動パターンが作成されると、表2に示す通り、この変動パターンに従って左、中及び右の各特別図柄の変動を開始し指定された静止図柄で静止表示する変動表示処理(ステップS610)を実行すると共に、背景及びキャラクタの表示制御も実行され、リターンに抜ける。
【0057】
【表2】
Figure 0003669567
【0058】
4.大当り開始時
大当り開始コマンドコードは、特別図柄表示領域42a〜42cに表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドコードであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板32bが受信すると特別図柄表示装置32の画面上に「大当り等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示すると共に、音制御基板35により効果音を出力する処理がなされる。
このとき、図17に示す通り、図柄制御基板32bは、前記画像表示コマンドから、即ち、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が一致しているか否かにより大当りが発生したことを判断し(ステップS700)、大当りとの肯定判断をすると(ステップS700:YES)、前回記憶した大当り回数の値を+1として(ステップS710)、その回数を背景画面49上に表示する処理を実行し(ステップS720)、リターンに抜ける。これにより、パチンコホールを開店してからの営業中におけるパチンコ機10で発生した大当り回数の累計回数を遊技者に報知することができる。一方、大当りでないとの否定判断をすると(ステップS700:NO)、リターンに抜ける。
【0059】
5.大当り中
大当り中コマンドコードは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コード及びラウンド表示コードの5個のコマンドコードに分類される。
(1)開放前コードは、50Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口52又は羽根62a,62bを開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面49に表示する処理を実行する。
(2)開放中コードは、50Hの動作番号及び02Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口52又は羽根62a,62bが開放中であることを遊技者に知らせる画像を背景画面49に表示する処理を実行する。
(3)10カウント入賞コードは、50Hの動作番号及び03Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口52又は羽根62a,62b部分から遊技球が入賞したことをカウントスイッチ54又はVスイッチ55により検知する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面49上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口52又は羽根62a,62b部分から遊技球が入賞する毎に0から10個までの個数表示がなされる。
(4)V通過コードは、50Hの動作番号及び04Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口52内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ55により検知するか、或はV通過口69を遊技球が通過したことをVスイッチ65が検知するかにより、この命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると画面に「V」の文字を大きく表示し大入賞口52又は羽根62a,62bが閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
(5)ラウンド表示コードは、50Hの動作番号及び05Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口52又は羽根62a,62bが開放動作終了後に再び開放する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面49上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口52又は羽根62a,62bの開放回数が報知される。
【0060】
6.大当り終了時
大当り終了コマンドコードは、大当り終了デモコマンドコードと高確率移行コマンドコードとからなる。
大当り終了デモコマンドコードは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口52又は羽根62a,62bが16回の開放動作を終了したとき、または16回まで継続しなくとも開放中に遊技球が特別領域を通過しなかったときに送信される命令コードであり、60Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成される。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。
高確率移行コマンドコードは、61Hの動作番号及び01H〜02Hの識別番号より構成される。識別番号が01Hのときは高確率状態が継続する場合であり、識別番号が02Hのときは高確率が継続しない場合である。この高確率移行コマンドコードは、第1実施形態において、主制御基板30から送信する構成としても良いし、前述した画像表示コマンドの値から図柄制御基板32bが判断する構成としても良い。
【0061】
図18の通り、第2特別電動役物60の第N回目(N=1〜15)のラウンドが停止する毎に、これに応答して、通常確率状態では、有効信号Eが有効期間(2.5s)ON状態となり、高確率状態では、有効信号Fが有効期間(5.0s)ON状態となり、該有効期間中は、Vスイッチ65の検知が有効と認定される。該有効期間経過後にOFFとなる。また、複数の有効期間を設けてその異なる長さに設定しているので、高確率時に遊技者により有利となる。そして、第16ラウンド終了後の乱数の抽選によって、確率変動判定図柄が決定され、確率変動判定図柄が5秒間変動表示され、普通確率状態又は高確率状態が設定され、次回の大当りまでの乱数抽選が普通確率で行われるか又は高確率で行われる。尚、第Nラウンド中又は有効時間中に特別領域を遊技球が通過した場合、第N+1ラウンドが開始されるまで、有効時間以上の期間を設け、大当り処理の有効性を確保することにする。
【0062】
図18の有効信号E,FをON・OFFとさせることで、第2特別電動役物60内の残存球がV通過口69を通過し得るに十分な期間を設定する。尚、第N回目のラウンドの終了は、羽根62a及び62bが18回開閉動作したとき、又は遊技球がカウントスイッチ64により10個検出されたときに終了する。そして終了したタイミングで前述のシャッタ71が降下される。Vスイッチ65の有効化により途中でラウンドが途切れる確率を低減することができる。すなわち、連続作動中における上記有効期間中は、連続作動の状態が継続されることになり、すべての残存球が特定領域を通過可能とし、これを検知することで、連続作動の継続可能性が高まり、賞球数が増大する可能性がある。また、大当り中のラウンドの継続性を確保するための対策を容易にすることが可能となる。例えば、停留装置がついたものでは、大当り時において、入賞した遊技球の停留を解除するタイミングの設定を容易とすることが可能となる。また、複数の有効期間を設け、高確率時に遊技者に有利な内容とし、遊技の幅を広げることができる。
【0063】
また、図18に示す様に、通常時(大当りでないとき)において、羽根作動口61a又は61bへの入賞から羽根62a及び62bの開放動作までは前記有効信号E,Fと同じ時間の遅延時間S,Tが設けられており、羽根作動スイッチ63a又は63bがオンしても羽根62a及び62bは直ちに開放されない。また、羽根62a及び62bの閉じた後に、有効信号E,Fがそれぞれ設定され、該有効信号E,Fに対応する期間はVスイッチ65は有効とされ、羽根62a及び62bの開放時間0.9秒と有効信号2.5秒とにより合計で3.4秒間、Vスイッチ65は有効とされる。
これにより、通常時(大当りでないとき)において、羽根作動口61a又は61bへの入賞があれば、羽根62a及び62bは0.9秒又は1.8秒開放しVスイッチ65は有効とされるが、開放したときから0.9秒又は1.8秒経過した後も前記有効期間中はVスイッチ65が有効とされ、この有効期間内に再び羽根作動口61a又は61bへの入賞があっても、この有効期間中には羽根62a及び62bは開放されない。この結果、Vスイッチ65が有効とされる期間が重複するといったことや、連続して有効となるといった弊害は未然に防がれる。尚、上述の遅延動作はプログラム制御でもハードウェアロジックであっても、その構成は当業者であれば実施可能であるから、詳細構成は省略する。
【0064】
上述の図18の例では、通常確率及び高確率に応じて、有効期間を複数個設けたが、図19の変更形態の通り、1回開きの始動口である羽根作動口61a、又は、2回開きの始動口である羽根作動口61bのいずれに遊技球が入賞したのか、ケースに応じて、2種類の有効信号G,Hを発生させ、該信号に対応する有効期間を設け、それぞれの期間の長さ(3.0s、6.0s)を異ならせたものである。これにより、同様に遊技の幅を広げることができる。
上述の変更形態は、通常確率であるか高確率であるかを問わず適用できるものである
尚、上述の処理においては、大当り中は有効信号E又はFは、第N回目のラウンド終了後にONする構成としたが、これはシャッタ71が大当り中はラウンド終了時に降下させられる構成だからである。シャッタ71を備えない構成の場合には、羽根62a及び62bの開放時から有効信号E又はFをON状態としラウンド終了後にも該信号のON状態を2.5s又は5.0s延長する構成としても良い。
また、大当り中でないときには、シャッタ71は降下させられたままであるが、大当り中と同様に構成し、シャッタ71が降下したときから2.5s又は5.0s間だけ有効信号E又はFをON状態としても良い。
【0065】
7.動作異常時
動作異常時コマンドコードは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドコードであり、本実施形態では、70H01HのE1エラーコード、70H02HのE2エラーコード、70H03HのE3エラーコードより構成されている。E1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり、大入賞口52又は羽根62a,62bが開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ43がオンしたとき出力され、E3エラーコードは補給スイッチ44がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信される70H04Hのエラー解除コードにより消去される。
【0066】
図7に戻り、続く各出力処理(ステップS200)において、主制御基板30は、遊技の進行に応じて特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34、音制御基板35、普通役物ソレノイド36b、大入賞口ソレノイド56、Vソレノイド57、羽根ソレノイド66a,66b等の各種ソレノイドに対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(ステップS170)により遊技盤22上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく賞球制御基板31に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音制御基板35に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板32bにエラー信号を出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理等を、各々実行する。尚、特別図柄表示装置32に表示される図柄変動中は羽根作動口61a,61b(大入賞口作動口)の機能は有効である。また大当り中は、図柄の変動機能、或は、羽根作動口61a,61b(大入賞口作動口)の機能は停止される。
【0067】
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(ステップS210)及び初期乱数更新処理(ステップS220)から構成されるが、各々前述したステップS150及びステップS120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したステップS100〜S200までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図7に示された割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性は無くなる。尚、第1実施形態においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(ステップS160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0068】
前述した各処理を実行することにより、パチンコ機10は、次のような動作を実行する。即ち、遊技者により操作される発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aにより遊技球が遊技盤22上に発射され、発射された遊技球が特別図柄作動口としての普通電動役物36に入賞すれば、これが特別図柄作動スイッチ36aにより検出され、特別図柄表示装置32の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に確定表示するように働く。この確定表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を表示すると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。大当り状態となるか否かは、前述の通り、遊技球が特別図柄作動スイッチ36aにより検出されたとき抽出される当否決定乱数の値が所定値であるか否かにより決定される。この条件が成立し大当り状態となると、大入賞口52が約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ54により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、このとき大入賞口52内に入賞した遊技球が特別領域を通過したことがVスイッチ55により検出されると、一旦、大入賞口52が閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を予め定められたラウンド回数、最大16回繰り返す。通常、遊技球1個の入賞に対して15個の遊技球を賞球として払い出すので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板31が実行する。尚、大入賞口52の特別領域を開閉するVソレノイド57は、特別領域に遊技球が1個通過すると特別領域を閉鎖する。この1個の通過条件がラウンドの継続条件となる。尚、遊技中において前述したランプ制御基板34及び音制御基板35が実行する制御は従来と同様であり、その説明は割愛する。
【0069】
また一方、羽根作動口61aへ入賞すると、これが羽根作動スイッチ63aにより検出されると、該検出に応答して、羽根62a,62bが1回開き、一方、羽根作動口61bへの入賞すると、これが羽根作動スイッチ63bにより検出され、該検出に応答して、羽根62a,62bが2回開く。通常確率状態において、羽根作動口61a,61bに入賞すれば、羽根62a,62bを所定時間(0.9秒以内)開放し、高確率状態において、羽根作動口61a,61bに入賞すれば、羽根62a,62bを所定時間(1.8秒以内)開放する。羽根62a,62bが開放したときに入賞した遊技球がV通過口69を通過し得る。そして、この開放期間内に羽根62a,62b部分から入賞があれば、第2特別電動役物60の下部に流下し、V通過口69を通過したり、しなかったりする。V通過口69への入賞(以下、V入賞という)により、第2特別電動役物60を遊技者に有利な内容、即ち、大当りになるとともに、大当り表示を特別図柄表示装置32に表示する。従って、大当り状態となるか否かは、V通過口69を遊技球が通過するか否かにより決定される。大当り状態となると、羽根62a,62bが18回以下の開閉動作(該開閉動作中の開放時間の合計は30秒以下)又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ64により検出されるまで、いずれか早く経過する時まで開放される。但し、上記大当り動作中に入賞球がV通過口69を通過すると、羽根62a,62bの開放動作は終了し、次のラウンドに移行する。一方、入賞球がV通過口69を通過しないと、羽根62a,62bの18回以下の開閉又は遊技球が10個入賞するものの、そのラウンドで大当りは終了する。そこで、羽根62a,62bの18回以下の開閉又は遊技球が10個入賞するまで、入賞した遊技球を停留させておき、停留を解除し、該入賞球を一挙に流下させ、V通過口69への入賞球の通過の確率を高める。羽根62a,62bの18回以下の開閉動作が終了した時点以降にV通過口69を通過することもある。そのときは、前述の有効期間Fの設定により救済され、V通過口69の通過は有効となる。
そして、入賞球のV通過口69への通過を条件として、一旦、羽根62a,62bが閉鎖された後に再び開放され、上記の開放動作を最大16回繰り返す。
通常、遊技球1個の入賞に対して15個の遊技球が賞球として払い出すよう構成しているので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板31が実行する。遊技中において前述したランプ制御基板34及び音制御基板35が実行する制御は従来と同様な構成であり、その説明は割愛することにする。
【0070】
以上詳細に説明した第1実施形態によると、大当り終了後、高確率に移行したとき、特別図柄が大当り図柄を表示する確率を甘くできるとともに、有効期間を設けたことにより、次のラウンドへの移行確率が高くなり、賞球数の増大をもたらすとともに、停留された入賞球の流下のタイミングの設定も容易となる。
【0071】
第2実施形態のパチンコ機を図20〜図22を参照して説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に有効信号E,Fを備えるが、始動入賞に伴う羽根の開閉を遅延させる代わりに、連続作動終了後に羽根作動スイッチ263a,263bの信号検出を無効とする無効信号J,Kを備えたものである。羽根作動スイッチ263a,263bの検知を無効化することでV入賞率を制御するためである。また、2つの特別電動役物50,60が1つの特別電動役物260に集約され、1つの特別電動役物260で第1実施形態で果たされた機能を兼ね備えるものである。即ち、本実施形態のパチンコ機は、第1実施形態の第1特別電動役物50とそれに付随する大入賞口52、カウントスイッチ54、Vスイッチ55、大入賞口ソレノイド56、Vソレノイド57等に対応する構成が全て削除され、それらの機能が第1実施形態の第2特別電動役物60に対応する1つの特別電動役物260に集約化されたものである。したがって、共通する構成要素の説明と図示は第1実施形態を援用し、主として、異なる構成について説明する。尚、図示の部品番号は第1実施形態の対応部品を200番台とし、適宜説明は略す。
【0072】
第2実施形態のパチンコ機の主要な構成は、図20に示す通り、遊技盤222の中央部に特別図柄表示装置232、下部に設けられた特別図柄作動口としての普通電動役物236、上部にある普通図柄表示装置237、普通図柄表示装置237に表示される図柄の変動開始に用いられる左右の普通図柄作動ゲート238及び239、盤面最下部のアウト口241、遊技盤222の中央にある特別電動役物260、普通電動役物236の左右に一対設けられた羽根作動口261a,261b、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。特別電動役物260は、上部に大入賞口として機能する一対の羽根262a,262b、中央部に前述の特別図柄表示装置232、下部に回転体268、V通過口269を備え、一対の羽根作動口261a,261bへの入賞に起因して羽根262a,262bが開閉作動するようになっている。
【0073】
第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を図21のブロック図を用いて説明する。第2実施形態のパチンコ機の電気回路は、第1実施形態と概ね同様であるが、スイッチ類が若干変更になっている。即ち、主制御基板230の入力側には、タッチスイッチ224a、賞球払出しスイッチ229a、特別図柄作動スイッチ236a、普通図柄作動スイッチ238a及び239a、満タンスイッチ243、補給スイッチ244、羽根作動スイッチ263a,263b、カウントスイッチ264、Vスイッチ265等が接続されている。また、主制御基板230の出力側には、普通役物ソレノイド236b、外部接続端子基板240、及び羽根ソレノイド266a,266b等が接続されている。カウントスイッチ264は羽根262a,262b部分から入賞する全ての遊技球を検出し、Vスイッチ265はV通過口269を通過した遊技球を検出するものである。尚、本実施形態では特別領域は設けなかったが、V通過口269が特別領域を兼ねるように構成する場合もあり、この場合には、特別領域を開閉するVソレノイドを設置する。その他の説明は第1実施形態と同様である。
【0074】
図22の通り、特別電動役物260による第N回目(N=1〜15)のラウンドが停止すると、これに応答して、通常確率状態では、有効信号Eが有効期間(2.5s)ON状態となり、高確率状態では、有効信号Fが有効期間(5.0s)ON状態となり、該有効期間中は、Vスイッチ265の検知が有効と認定される。また、有効信号E,Fとともに無効信号J,Kが設定され、該期間中は、羽根作動スイッチ263a,263bの検知を無効と認定し、第1実施形態の遅延時間S,Tと同様の機能を果たしている。また、複数の有効期間を設けてその異なる長さに設定し、高確率時に遊技者により有利となる。そして、第16ラウンド終了後の乱数の抽選によって、確率変動判定図柄が決定されることで普通確率又は高確率が決定され、確率変動判定図柄が5秒間変動表示され、普通確率状態又は高確率状態が設定される。尚、無効信号は、第1ラウンド終了後はON・OFFさせないようにすることもできる。
【0075】
第2実施形態のパチンコ機の動作を説明する。発射された遊技球が特別図柄作動口としての普通電動役物236に入賞すれば特別図柄作動スイッチ236aにより検出され、特別図柄表示装置232の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示する。この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を表示すると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。大当り状態となるか否かは、遊技球が特別図柄作動スイッチ236aにより検出されたとき抽出される当否決定乱数の値が所定値であるか否かにより決定される。これが第1の条件である。また一方、遊技球が羽根作動口261a,261bに入賞すれば、羽根作動スイッチ263a,263bにより検出され、羽根262a,262bを所定時間(0.9秒又は1.8秒以内)開放するよう働き、そして、開放期間内に羽根262a,262b部分から入賞があれば、特別電動役物260の下部に流下し、回転体268の回転により、遊技球がランダムに回転体268に当たり、V通過口269を通過したり、しなかったりする。遊技球がV通過口269を通過すれば特別電動役物260を遊技者に有利な内容とする。大当り状態となるか否かは、V通過口269を通過するか否かにより決定され、これが第2の条件である。第1の条件又は第2の条件のいずれかの条件が成立すると、大当り状態となり、いずれの場合にも、羽根262a,262bが約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ264により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、一旦羽根262a,262bが閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。その他は第1実施形態と重複するので、その説明は割愛することにする。
【0076】
第2実施形態によれば、無効信号J,KをON・OFFさせ、羽根作動スイッチ263a,263bの検知を無効とすることで、無効期間中に発生した始動入賞を無視することで、前記有効期間の実質的な延長を防止できる。また、複数の有効期間を設け、高確率時に遊技者に有利な内容とし、遊技の幅を広げることができる。また、1つの特別電動役物260が2つの別の条件のいずれかの成立によって遊技者に有利な遊技状態となるので、少ない電動役物でも豊富な遊技状態を作り出すことができ、趣向性が高まる。
【0077】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於て、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、羽根作動口61a,61bは普通電動役物であるが、単なる入賞口であっても良い。また、特別電動役物については、第1特別電動役物50とそれに関連する構成を削除し、第2特別電動役物60のみとしたものでも良い。有効期間は長さの制限はないが、例えば、上限(例えば、最大10秒程度)を設けても良い。有効期間は有効信号により設定したが、タイマー、フラグ等の他の有効期間設定手段により設定することもできる。
【0078】
【発明の効果】
「羽根モノ」といわれる遊技機において、連続作動が実行されていない通常時に遅延期間又は無効期間を設定したことで、仮に、有効期間内に再び特定作動口への入球があっても、この有効期間中には電動役物は作動しない。この結果、特別電動役物の連続動作の停止後、有効期間の実質的な延長を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した第1実施形態のパチンコ機10を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態のパチンコ機10を裏面からみた裏面図である。
【図3】第1実施形態のパチンコ機10の遊技盤22の構成を示す正面図である。
【図4】第1実施形態のパチンコ機10の停留装置70付近の構成を示す平面図である。
【図5】第1実施形態のパチンコ機10の誘導装置80の構成を示す正面図である。
【図6】第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態の主制御基板30で実行される「メインルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図8】「メインルーチン」で作成される初期乱数の更新処理を示す図である。
【図9】「メインルーチン」で作成される当否乱数の更新処理の1例を示す図である。
【図10】主制御基板30で実行される「高確率判定ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図11】主制御基板30で実行される「確率変動判定乱数抽出ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図12】主制御基板30で実行される「羽根開放時間制御ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図13】主制御基板30で実行される「誘導確率制御ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図14】主制御基板30で実行される「羽根開放回数制御ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図15】LCDパネルユニット32aの画面上の画像を例示する正面図である。
【図16】図柄制御基板32bで実行される「通常表示ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図17】図柄制御基板32bで実行される「大当り回数表示ルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図18】役物連続動作の停止に伴う有効信号のON・OFF、始動入賞に伴う羽根の開閉動作を示すタイミングチャートである。
【図19】該動作の変更形態を示すタイミングチャートである。
【図20】第2実施形態のパチンコ機の遊技盤222の構成を示す正面図である。
【図21】第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図22】役物連続動作の停止に伴う有効信号のON・OFFを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…パチンコ機 22…遊技盤 24…発射ハンドル
24a…タッチスイッチ 30…主制御基板 31…賞球制御基板
32a…LCDパネルユニット 32b…図柄制御基板
33…発射制御基板 35…音制御基板
36…普通電動役物(特別図柄作動口)
36a…特別図柄作動スイッチ 37…普通図柄表示装置
50…第1特別電動役物
52…大入賞口 54…カウントスイッチ(カウントSW)
55…Vスイッチ(VSW)
56…大入賞口ソレノイド 57…Vソレノイド
60…第2特別電動役物
61a,61b…羽根作動口 62a,62b…羽根
64…カウントスイッチ(カウントSW)
65…Vスイッチ(VSW)
66a,66b…羽根ソレノイド
69…V通過口

Claims (5)

  1. 開閉可能な羽根部材を備えた電動役物と、
    遊技球が特定作動口に入球することに起因して、前記電動役物を遊技者に有利な遊技状態に作動させ、かつ、遊技球が電動役物内に設けた特定領域を通過することに起因して、前記電動役物を遊技者に有利な状態に連続作動させる制御手段と、を備え、
    該連続作動が実行されていない通常時において、前記特定作動口に入球して、前記電動役物が作動し、停止したときの前記電動役物内の残存球が前記電動役物内の特定領域を通過し得るに十分な、前記残存球の通過を有効とする有効期間を設定し、
    かつ、前記連続作動が実行されていない通常時において、前記特定作動口への入球から当該入球による前記電動役物作動を行うまでの間に、前記有効期間と同一の長さ以上の遅延期間を設定したことを特徴とする遊技機。
  2. 開閉可能な羽根部材を備えた電動役物と、
    遊技球が特定作動口への入球に起因して、前記電動役物を遊技者に有利な遊技状態に作動させ、かつ、遊技球が電動役物内に設けた特定領域を通過することに起因して、前記電動役物を遊技者に有利な状態に連続作動させる制御手段と、を備え、
    該連続作動が実行されていない通常時において、前記特定作動口に入球して、前記電動役物が作動し、停止したときの前記電動役物内の残存球が前記電動役物内の特定領域を通過し得るに十分な、前記残存球の通過を有効とする有効期間を設定し、
    かつ、前記連続作動が実行されていない通常時において、前記電動役物の作動終了後、前記特定作動口の機能が停止される無効期間を、前記有効期間と同一の長さ以上に設定したことを特徴とする遊技機。
  3. 前記有効期間を複数種類設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
  4. 前記特定作動口は開放回数が異なる複数の特定作動口を備え、該複数の特定作動口毎に異なる長さの有効期間を設定したことを特徴とする請求項3記載の遊技機。
  5. 遊技球が特定の図柄作動口に入賞又は図柄作動通過領域を通過することに起因して所定の図柄を可変表示する可変表示手段と、
    前記図柄が所定の図柄で確定したとき、前記電動役物を連続作動させ、かつ、前記所定の図柄が特定図柄であるときに、前記連続作動が出現する確率を向上させることが可能な確率変動手段と、を備え、
    前記複数の有効期間は、前記確率が向上されたときと、前記確率が向上されないときとで、異なる長さに設定したことを特徴とする請求項3記載の遊技機。
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