JP4189501B2 - 遊技機 - Google Patents
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遊技者に有利な状態とする予め定められた図柄の組み合わせを表示するか否かは、遊技球が始動口に入賞又は通過口を通過したタイミングに起因して選択される乱数値の値によって決定され、選択された乱数値が予め定められた値と一致すれば画面上に、例えば「777」又は「333」等の所定の図柄の組み合わせを表示し遊技者に有利なゲーム内容となったことを報知すると共に、所謂「大当り」と称して大入賞口等を所定時間開放して遊技者に大量の遊技球を賞球として払い出している。前記選択される乱数値は、一般的にはハード割込み等の微小時間毎に+1(インクリメント)して所定範囲の整数値を繰り返し作成するカウンタとして構成され、遊技球が始動口に入賞するタイミングが予測できないことから乱数として機能する。
パチンコ遊技機では、前記乱数値の選択及び乱数値の判定又は大入賞口の開放等のゲームの進行及び内容を「主制御基板」と称する制御基板(以下、単に「主制御基板」と呼ぶ。)で司り、画面上に所定の図柄の組み合わせ表示を行う等の画像制御処理は画像制御基板(「図柄制御基板」とも言う。)で実行している。
主制御基板と画像制御基板との通信は、従来は所謂「オフセット方式」と呼ばれる手段で実行されていた。
しかしながら、ハード割り込み毎又はハード割り込みに対応した時間毎にデータを送信することは、前記乱数値のインクリメントのタイミングを主制御基板以外の外部に知られることになる。このことを不正に利用して強制的に大当りを発生させる虞も考えられないこともなかった。
また、近年、画像制御の技術の発達によることと遊技者に一層の娯楽感を提供することを目的として、画面上での表示制御に種々の趣のある制御がなされている。例えば、大当りの期待感を抱かせるために図柄が変動中にキャラクタを突然出現させたり、背景画面を変化させたり、あるいは図柄の変動表示態様に所謂リーチ動作やトリック動作を盛り込むこと等の制御がなされている。これらの制御も主制御基板からの指示により実行されるが、これらの指示を頻繁に主制御基板で行うことは主制御基板の処理の負担が大きいという課題、画像制御基板にしても主制御基板からの頻繁の指示により制御の自由度が損なわれるという課題等が発生していた。
そこで、前記不正の虞を払拭することと画像制御基板の自由度を高めるために、次に述べる所謂「インテリジェント化」と称される発明が為された。
このインテリジェント化を採用した遊技機は、主制御基板から画像制御基板に送信するタイミングは、前記乱数値のインクリメントのタイミングと異なることから不正の発生を未然に防止するという極めて優れた効果を有している。
一方、画像制御基板においても主制御基板から画像の変化時点毎に指示される構成には変わりはなく、画像制御基板が独自に判断して各種の画像処理を実行するという自由度は依然として低いのが実状である。
本発明は、これらの課題を好適に解決し、主制御基板が画像制御以外の各種制御を一層緻密に実行できることを可能とし、画像制御基板においては主制御基板からの自由度を大きくして一層興趣ある画像を表現することを可能とし遊技者に娯楽感溢れる遊技機を提供することを目的とする。
遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入賞口に入賞又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する主制御基板と、
該主制御基板により遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する毎に画面上の複数の図柄を変動表示した後、遊技者に有利なゲーム内容であるか否かを示す図柄の組み合わせの画像で静止表示するよう制御する図柄制御基板と、
を含む遊技機において、
前記主制御基板は、前記図柄の変動表示における変動の態様を指示する変動パターンをコード化したコマンドコードを送信する構成を有し、一方、図柄制御基板では、受信したコマンドコードに従って画面上に図柄を表示するよう構成し、
前記主制御基板は、
前記コマンドコードとして、前記図柄の最初の図柄が変動開始してから最後の図柄が停止するまでの1回の変動表示について設定された変動時間及び大当りか否かの情報を示す予め複数種類以上パターン化した変動パターンを選択するスタートコードを有し、
前記主制御基板のCPUは、前記タイミングに起因していずれか1つのスタートコードを選択し、前記選択されたスタートコードを前記図柄制御基板に送信し、
前記主制御基板のCPUは、遊技者が遊技を実行していないと判断したときには、客待ちデモコマンドを前記図柄制御基板に送信し、
一方、前記図柄制御基板のCPUは、
前記1つのスタートコードを受信し、受信したスタートコードの大当たりか否かを示す情報に従って選択された前記図柄の組み合わせの画像を、前記受信したスタートコードが示す変動時間の経過後に静止表示させるとともに、該図柄の組み合わせの画像以外の画面上において前記スタートコードを受信する毎に前回の図柄の変動から続く物語の展開をする画像構成とし、
前記客待ちデモコマンドを受信すると客待ちのデモ画面を画面上に表示することを特徴とする。
一方、図柄制御基板では、受信したコードに対応した変動パターンを読み出し、読み出した変動パターンに従って画面上に画像を表示するよう構成することが考えられる。
一方、図柄制御基板は、受信したスタートコードに従って画像を変動表示した後に遊技者に有利なゲーム内容であるか否かを示す画像で静止表示する。
一方、図柄制御基板においても、一度変像パターンの指示を受ければ次に変像パターンの指示を受けるまで主制御基板から開放され画面上で自由な画像を表示することができる。
即ち、請求項1に記載の発明によれば、従来の遊技機と比して主制御基板の処理の負担を著しく軽減することができると共に、図柄制御基板の自由度を高め画面上で一層興趣ある画像を表現することを可能とすることができるという極めて優れた効果を奏する。
また、スタートコードは遊技球が入賞口に入賞又は通過口を通過するタイミングに起因して選択する構成としたことにより、画面上に表示される画像の不規則性を有し、遊技のランダム性をも確保することができ遊技者の射幸心を高めることができるという効果を奏すると共に、表示される画像に偏りが発生するということもない。
[第1実施例]
図1に示すように、本実施例のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のカードリーダ(以下、プリペイドカードユニットともいう。)13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。カードリーダ13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重にはめ込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
また、各々後に詳述するが、機構盤26には主制御基板30及び賞球制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠左下部には発射制御基板33が各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
図3に示すように遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36、LCD32a上部の普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD32aの左右の普通図柄作動ゲート38及び39、普通電動役物36下部の大入賞口40、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
この構成により、前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御基板33により駆動される発射モータ33aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
パチンコ機10の電気回路は、図示するように、前述した主制御基板30、賞球制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34、音制御基板35、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示基板42等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御基板30の入力側には、第1種始動口スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38及びび39a、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ。)40a、カウントスイッチ40b、賞球払出しスイッチ29a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a等が接続されている。また、出力側には、大入賞口ソレノイド40c、Vソレノイド40d及び普通役物ソレノイド36b等が接続されている。
また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド40cは大入賞口40、Vソレノイド40dは大入賞口40内の特別領域、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に各々使用されるものである。
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10が提供するゲーム内容は、従来のものと同様なので簡単な説明に留める。
遊技中において前述したランプ制御基板34及び音制御基板35が実行する制御も従来と同様な構成であり、その説明は割愛することにする。
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板30から図柄制御基板32bに送信されるコマンドであり、10Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従ってLCD32aの画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
例えば、図8に示すように、画面上の特別図柄表示領域50a、50b、50cに各々「7」、「7」、「7」と3桁同一の大当り図柄を表示し、4つの特別図柄保留記憶51a〜51dを所定時間(約5秒)点灯させた後に消灯し、背景画面52上に道場を表示しキャラクタとしてヒーロ(hero)及び悪人(bad)を表示し、ヒーロが悪人と所定時間(約1分)格闘したのち悪人を倒し「ファイヤ」という文字を表示するデモ画面を表示すると共に音制御基板35により「ファイヤ」という効果音を出力する処理を実行する。
客待ちデモのコマンドは、前記電源投入のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドであり、20Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従ってLCD32aの画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、特別図柄表示領域50a〜50c上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示する。この変動パターンについては次の「3.図柄変動中」で詳細に説明する。このとき、背景画面52上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技客が発射ハンドル24を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル24に触れているか否かはタッチスイッチ24aの入力により検知することができる。本実施例では、タッチスイッチ24aの入力を主制御基板30に入力する構成としたので、主制御基板30と発射制御基板33との通信を主制御基板30からの一方向通信としながらも前記検知が可能なのである。もちろん、主制御基板30からタッチスイッチ24aのオンオフ情報は発射制御基板33に送信される。このタッチスイッチ24aの入力を発射制御基板33に入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22面のアウト口41にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
図柄変動中コマンドは、特別図柄変動時に送信されるコマンドであり、表に示すように(1)スタートコード、(2)左停止図柄指定コード、(3)中停止図柄指定コード、(4)右停止図柄指定コード、(5)左図柄確定コード、(6)中図柄確定コード、(7)右図柄確定コード、の7種類のコマンドに分類される。
スタートコードは、遊技盤22上に発射された遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞したとき送信されるコマンドであり、動作番号として30Hの1バイト命令と識別番号として01Hから1EHの30種類の1バイト命令とから30種類の2バイト命令として構成されている。この30種類の2バイト命令は特別図柄の変動パターンを示すものである。本具体例の30種類の変動パターンは、特別図柄の変動時間、変動態様及び大当りとなる確率の高低とから10種類の通常変動、8種類の短縮変動、4種類の通常リーチ、4種類のセミロングリーチ、2種類のロングリーチ、2種類の全回転からなる。
8種類の短縮変動は、特別図柄の保留記憶が1個ある場合、2個ある場合、3個ある場合、4個ある場合、の4種類のパターンと2種類の確率の高低の差とから8種類の変動時間が設定された変動パターンである。
4種類の通常リーチは、変動時間が8秒〜15秒の間の4種類の時間が設定された変動パターンである。ここで、リーチとは、必ずしも大当りとなるとは限らないが大当りの前提として特別図柄の変動が開始してから左特別図柄と中特別図柄とが一致し右特別図柄が変動中であってその図柄が確定していない状態をいう。
4種類のセミロングリーチとは、変動時間が15秒〜25秒の間の4種類の時間が設定された変動パターンである。
2種類のロングリーチとは、変動時間が30秒又は35秒に設定された変動パターンである。尚、リーチの時間が長ければ長いほど右図柄が左及び中図柄と一致する、即ち大当りとなる確率が高くなるよう構成されている。
2種類の全回転とは、全図柄が一斉に変動を開始し一斉に停止する変動パターンをいい、本具体例では変動時間は低確率時で25秒、高確率時で20秒に設定されている。
左停止図柄指定コードは、31Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号が01Hのときは左停止図柄として「0」、02Hのときは「1」、03Hのときは「2」、04Hのときは「3」、05Hのときは「4」、06Hのときは「5」、07Hのときは「6」、08Hのときは「7」、09Hのときは「8」、0AHのときは「9」、0BHのときは「A」、0CHのときは「B」、0DHのときは「C」、0EHのときは「D」、0FHのときは「E」の文字を特別図柄として特別図柄表示領域50aに表示させるためのものである。
中停止図柄指定コードは、32Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左停止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域50bに表示させるためのものである。
右停止図柄指定コードは、33Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左停止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域50cに表示させるためのものである。
尚、左、中及び右停止図柄指定コードの識別番号は、遊技球が普通電動役物36に入賞したときのタイミングで0〜14の整数値を繰り返し作成する各々の図柄カウンタより選択される。
左図柄確定コードは、変動中の左特別図柄を停止(静止)するために送信する命令コードであり、34Hの動作番号及び01Hの識別番号により構成されている。
中図柄確定コードは、変動中の中特別図柄を停止するために送信する命令コードであり、35Hの動作番号及び01Hの識別番号により構成されている。
右図柄確定コードは、変動中の右特別図柄を停止するために送信する命令コードであり、36Hの動作番号及び01Hの識別番号により構成されている。
大当りデモ開始コマンドは、特別図柄表示領域50a〜50cに表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板32bが受信するとLCD32aの画面上に「大当り」等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示すると共に、音制御基板35により効果音を出力する処理がなされる。
大当り中コマンドは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コードの4個のコマンドに分類される。
(1)開放前コードは、50Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口40を開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面52に表示する処理を実行する。
(2)開放中コードは、50Hの動作番号及び02Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口40が開放中であることを遊技者に知らせる画像を表示する処理を実行する。
(3)10カウント入賞コードは、50Hの動作番号及び03Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40に遊技球が入球したことをカウントスイッチ40b又はVスイッチ40aにより検知する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面52上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口40に遊技球が入賞する毎に零から10個までの個数表示がなされる。
(4)V通過コードは、50Hの動作番号及び04Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ40aにより検知するとこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると画面に「V」の文字を大きく表示し大入賞口40が閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
大当り終了コマンドは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口40が16回の開放動作を終了したとき、または16回まで継続しなくとも開放中に遊技球が特別領域を通過しなかったときに送信される命令コードであり、60Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成される。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示すると共に、高確率状態が継続する場合には「ラッキー!」の文字を、高確率が継続しない場合には「残念!」の文字を表示する処理を実行する。ここで、高確率が継続するとは、特別図柄が「777」又は「333」等の特定図柄で大当りが発生したとき、大当り動作終了後に大当りが発生する確率を、例えば1/250から1/50にすることを言う。さらに詳しく説明すれば当否決定乱数に使用されるカウンタの取り得る範囲を0〜249の範囲から0〜49に変更することを言う。
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、本具体例では、70H01HのE1エラーコード、70H02HのE2エラーコード、70H03HのE3エラーコードより構成されている。本具体例ではE1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり大入賞口40が開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ43がオンしたとき出力され、E3エラーコードは補給スイッチ44がオンしたとき出力される。尚、これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信されるエラー解除信号により消去される。
遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞すると、この入賞のタイミングで表1に示したスタートコードの30種類のうちの1つの変動パターンが選択され、この選択された命令コードが主制御基板30から図柄制御基板32bに送信される(表2 番号1)。図柄制御基板32bは送信された命令コードを受信すると、特別図柄表示領域50a〜50c上で左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄を一斉に変動開始する(図9タイミングチャート ポイント(1))。
前述した処理により、本具体例では特別図柄表示領域50aには「4」、特別図柄表示領域50bには「5」、特別図柄表示領域50cには「5」が各々表示される。
この結果、主制御基板30が他の制御基板、即ち賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34、音制御基板35等の各基板との処理を好適に実行することができるという効果を奏する。一方、図柄制御基板32bにおいては主制御基板30に拘束される度合いが激減したことにより、特別図柄表示領域50a〜50c以外の画面上においてストーリ的な画像を表示制御することが一層容易になるという優れた効果も奏する。このとき、表示制御される画像は、主制御基板30からのスタートコードが送信される毎にストーリ展開する構成とすること等が考えられる。
また、本実施例では、図柄の変動パターンを指示するスタートコードを30種類のパターンの中から遊技球が普通電動役物36に入賞するタイミングで選択する構成としたことにより、表示される画像のランダム性を有するという優れた効果を有している。
更に、本実施例では、図柄の変動を開始するスタートコードばかりでなく、各特別図柄の静止時期を主制御基板30から指示する構成としたことにより、遊技機の型式試験認定の試験機関等においても、主制御基板30から図柄制御基板32bへの送信タイミングを測定する場合、スタートコードを送信するタイミング及び各特別図柄確定コードを送信するタイミングを測定すれば画面上の特別図柄の変動開始及び停止時期をリアルタイムに、かつ正確に測定することができるという優れた効果も奏する。
[第2実施例]
第2の具体例では、第1の具体例で用いた表1に示すコマンドの替わりに次に示す表3の各コマンドを、また表4に示す変動パターン対応テーブルを使用する構成としたものであり、これ以外は第1の具体例と略同様の構成である。
第2の具体例では、表3に示すように第1の具体例で使用した左、中及び右図柄確定コードの使用をなくした構成としたものであり、主制御基板30は遊技球が普通電動役物36に入賞するとスタートコード及び左、中、及び右停止図柄指定コードを送信する。即ち、図柄制御基板32bに対して各図柄の停止を指示しない。これに対し図柄制御基板32bは受信した変動パターンに対応した各特別図柄の変動時間(停止時間)を表4のテーブルから読み取り、読みとった変動時間に従って各特別図柄を変動し停止する。
画面上での自由な画像を演出する構成としては、背景画面52上でスタートコードが送信される毎に物語りを展開する構成とし、遊技者が続く物語の展開および結末を知りたいと思わせ、遊技を途中で終わらせたくないと思わせる心理的効果を得ることができるような構成とすることが考えられる。このとき、大当りが発生すれば、強制的に物語の結末を表示する構成としても良いし、大当りか否かに関係なく物語を展開していく構成としても良い。これらの物語の展開を構成するに際して、画像制御装置は特別図柄の変動パターンの時間が予めわかっているので、この時間内には主制御基板30から指示がないものと判断し、この期間自由な演出ができるのである。
また、画面上での自由な画像を演出する構成として、特別図柄が変動開始して静止するまでは背景画面52上の物語の展開を無くし、特別図柄が変動しない状態で遊技者が発射ハンドル24を操作している場合に物語を展開する構成としても良い。
前述した第1実施例の「6.大当り終了」の命令コード送信時において、特別図柄が「777」又は「333」等の特定図柄の場合に高確率に移行することを説明したが、第3実施例は、特別図柄の特定図柄ではなく確率変動判定図柄を用いるものである。ここで、表5に示す命令コードは、第1の具体例に示した表1における「6.大当り終了」の命令コードのみを変更したものであり、その他の命令コードは同一内容である。
停止図柄指定コードは、本具体例では、高確率に移行する場合の「ラッキー!」という文字を表示させるためのものと、高確率に移行しない場合の「残念!」という文字を表示させるための2種類のコードよりなる。高確率に移行するか否かは、遊技球が普通電動役物36に入賞したときに選択されるカウンタ(当否決定乱数)の値により決定され、大当りのうち1/2の確率で高確率に移行する場合はカウンタは0〜1の範囲の整数値を、1/3の確率で高確率に移行する場合はカウンタは0〜2の範囲の整数値を前述した当否決定乱数と同様の手法により作成している。主制御基板30は、このカウンタの値を遊技球が普通電動役物36に入賞したときに記憶し、大当り動作終了時に記憶したカウンタの値を読み出し、読み出した値が特定の値であれば高確率に移行すると判定する。尚、遊技球が入賞したときに高確率に移行するか否か判定しこの判定した結果を記憶しても良い。
尚、大入賞口40が16回開放前であっても、開放中に遊技球が特別領域を通過しなければその開放の回で大当り動作が終了するのは言うまでもないことである。また、本具体例では、勝負事の画像を変動表示した後、高確率に移行するか否かを示す図柄を表示するよう構成したが、特別図柄と同様に確率変動判定図柄を変動表示して静止時の図柄で高確率に移行するか否かを示す構成としても何等差し支えない。
次に図11〜図18を用いて第4の具体例について説明する。
第4の具体例では、第1の具体例で用いた表3に示した図柄変動中のコマンドコードとして図11〜図13に示すコマンドコードを使用する構成であり、その他の構成については第1の具体例を援用することにする。
第4の具体例では、図11に示すように、スタートコードとしての変動パターンは特別図柄の変動時間を指示するものであり、本実施例では72パターン容易されている。この72通りの変動パターンは、遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞したタイミングで抽出される前述した当否決定乱数による当否の結果、同じく遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞したタイミングで抽出される前述した左、中及び右停止図柄指定コードの識別番号の元となる各図柄カウンタの値、及び当否決定乱数が高確率状態であるか否か等の各要素に基づき決定される。この図11の選択テーブルにより選択される変動パターンは、各特別図柄が順番に停止するのか、一斉に停止するのかといった変動態様の情報も含み、順番に停止する場合には、左特別図柄の変動時間、中特別図柄の変動時間等の情報も含まれる。
図12に示す特別図柄選択テーブルは、特別図柄の変動停止後に特別図柄作動領域50a〜50c上に停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄を指示するものである。このコマンドも抽出された前記各図柄カウンタの値に基づき決定される。また、図13に示す図柄停止コマンドは、左、中及び右特別図柄を停止させるときに用いるコマンドである。
次にこれらのコマンドを用いて主制御基板30のマイコンが図柄制御基板32bにコマンドを送信する制御を、図14〜図15に示すタイミングチャートに従って説明することにする。
また、各特別図柄が一斉に停止する場合、図15のポイントP8〜P13で示す通りのタイミングとなる。
このとき、画面上の背景画面52上に、受信した変動パターンの有する情報に従って、図16及び図17の選択テーブルに基づきキャラクタが出現し、背景画面52が変更される制御を図柄制御基板32bが実行する。
前述したように、主制御基板30から図柄制御基板32bに選択された変動パターン、停止表示される各特別図柄及び図柄停止コマンドが出力されるが、これらの各コマンドが図柄制御基板32bに何等かの原因、例えば電気的ノイズ等により受信されなかったときに図柄制御基板32bが実行するエラー処理を説明する。
ここでは、便宜のためにエラー処理を8パターンに分けて説明することにする。尚、図中の「○」はコマンドが正常に受信された場合を示し、「×」は受信できなかった場合を示す。
1.エラー処理ER1
エラー処理ER1は、変動パターンと図柄停止コマンドが正常に受信され、各指定特別図柄が1つ以上受信できなかった場合である。
このエラー処理ER1では、変動パターン(変動開始コマンド)入力後、1秒後に画面上に「通信エラー」の文字を表示し、受信できなかった指定特別図柄として「×」を表示する処理が実行される。
この正常に受信できなかった特別図柄が大当りを示す特別図柄の場合には、次に主制御基板30から大当り開始コマンドが送信されてくるので、大入賞口40が突然開放し遊技者が驚くといった不具合は無い。
また、外れ図柄の場合には、次の入賞に対応したコマンドが送信されてくるので不具合は無い。次の入賞が暫く無い場合、又は所謂「保留記憶」が無い場合には、主制御基板30は所定時間経過後に客待ちデモコマンドを送信するので「通信エラー」が表示され続けることはない。
エラー処理ER2は、変動パターンと各指定特別図柄が正常に受信され、図柄停止コマンドが受信できなかった場合である。
このエラー処理ER2では、各特別図柄の変動時間経過後に停止図柄で揺れ変動を実行する。このエラー処理による揺れ変動は、各特別図柄の変動時間経過後に各特別図柄毎に揺れ変動を実行しても良いし、右特別図柄の変動時間経過後、即ち全ての特別図柄の変動時間経過後に一斉に揺れ変動を実行しても良い。
エラー処理ER2においても、揺れ変動後のその後の処理はエラー処理ER1と同様の処理が実行される。
エラー処理ER3は、変動パターンが正常に受信され、各指定特別図柄のいずれかと図柄停止コマンドが受信できなかった場合である。
このエラー処理ER3では、各特別図柄の変動時間経過後に停止図柄で揺れ変動を実行する。受信できなかった指定特別図柄は、前回受信した指定特別図柄で揺れ変動を実行する。揺れ変動の開始時期はエラー処理ER2と同様である。
エラー処理ER4は、変動パターンのみが正常に受信されない場合である。
このエラー処理ER4では、特別図柄は変動せず、最初の指定特別図柄を受信時に「通信エラー」を表示する。
エラー処理ER5は、変動パターンと各指定特別図柄のいずれかが正常に受信されない場合である。
このエラー処理ER5では、特別図柄は変動せず、最初に受信した指定特別図柄の受信時に「通信エラー」を表示する。また、指定特別図柄を受信できなかった特別図柄は「×」を表示する。この「×」を表示するタイミングは、各特別図柄の停止コマンド受信時に表示しても良いし、全ての特別図柄の変動時間経過後に一斉に表示しても良い。
エラー処理ER6は、図柄停止コマンドのみが正常に受信された場合である。
このエラー処理ER6では、特別図柄は変動せず、図柄停止コマンドを受信時に「通信エラー」を表示し、各特別図柄として「×」を表示する。通信エラー及び「×」を表示するタイミングは、エラー処理ER5と同様である。
エラー処理ER7は、指定特別図柄のいづれかのみが受信された場合である。
このエラー処理ER7では、特別図柄は変動せず、最初の指定特別図柄を受信時に「通信エラー」を表示する。
エラー処理ER8は、全てのコマンドが受信できない場合である。
このエラー処理ER8では、特別図柄は変動せず、「通信エラー」も表示しない。この場合でもエラー処理ER1と同様のその後の処理が実行されるので、遊技者に不利益を与えるようなことはない。
22・・・・・遊技盤
24・・・・・発射ハンドル
24a・・・・・タッチスイッチ
30・・・・・主制御基板
31・・・・・賞球制御基板
32・・・・・特別図柄表示装置
32a・・・・・LCDパネルユニット(LCD)
32b・・・・・図柄表示装置制御基板(図柄制御基板)
33・・・・・発射制御基板
34・・・・・ランプ制御基板
35・・・・・音制御基板
36・・・・・普通電動役物(始動口)
36a・・・・・第1種始動口スイッチ
37・・・・・普通図柄表示装置
40・・・・・大入賞口
40a・・・・・役物連続作動スイッチ(VSW)
40b・・・・・テンカウントスイッチ(カウントSW)
50a、50b、50c
・・・・・特別図柄表示領域
52・・・・・背景画面
hero、bad
・・・・・キャラクタ
Claims (2)
- 遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入賞口に入賞又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する主制御基板と、
該主制御基板により遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する毎に画面上の複数の図柄を変動表示した後、遊技者に有利なゲーム内容であるか否かを示す図柄の組み合わせの画像で静止表示するよう制御する図柄制御基板と、
を含む遊技機において、
前記主制御基板は、前記図柄の変動表示における変動の態様を指示する変動パターンをコード化したコマンドコードを送信する構成を有し、一方、図柄制御基板では、受信したコマンドコードに従って画面上に図柄を表示するよう構成し、
前記主制御基板は、
前記コマンドコードとして、前記図柄の最初の図柄が変動開始してから最後の図柄が停止するまでの1回の変動表示について設定された変動時間及び大当りか否かの情報を示す予め複数種類以上パターン化した変動パターンを選択するスタートコードを有し、
前記主制御基板のCPUは、前記タイミングに起因していずれか1つのスタートコードを選択し、前記選択されたスタートコードを前記図柄制御基板に送信し、
前記主制御基板のCPUは、遊技者が遊技を実行していないと判断したときには、客待ちデモコマンドを前記図柄制御基板に送信し、
一方、前記図柄制御基板のCPUは、
前記1つのスタートコードを受信し、受信したスタートコードの大当たりか否かを示す情報に従って選択された前記図柄の組み合わせの画像を、前記受信したスタートコードが示す変動時間の経過後に静止表示させるとともに、該図柄の組み合わせの画像以外の画面上において前記スタートコードを受信する毎に前回の図柄の変動から続く物語の展開をする画像構成とし、
前記客待ちデモコマンドを受信すると客待ちのデモ画面を画面上に表示することを特徴とする遊技機。 - 前記主制御基板のCPUは、電源投入時には、前記客待ちデモコマンドと相違する電源投入時デモコマンドを前記図柄制御基板に送信することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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