JP4448907B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は弾球遊技機に係わり、詳しくはゲームの進行又は内容に対応した画像を表示可能な画面等を備え、また、遊技機に関する情報を遊技者に公開可能な弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技機の性能、遊技状態データ等を遊技者に報知するための発明が種種なされている。例えば、特開平9−135950は、遊技機の取扱説明書を可変表示装置に表示する発明が記載され、特開平9−66144は、大当確率等の遊技設定を可変表示で遊技者に報知する発明が記載され、特開平7−31733は、遊技状態データを可変表示にて遊技者に報知する発明が記載されている。このような各種の遊技機に係る情報を表示する表示制御手段を設けた場合、遊技機の性能を確実に遊技者に理解させ得ることで遊技者が遊技機選択を事前に行なうことができ、また、遊技機を稼働したときの実際の遊技結果を演算処理し、遊技状態データとして簡単な構成で液晶表示部に表示することにより、遊技者は遊技をしながらもその台の実稼働データを入手することもできる。
更に、遊技機自体に遊技機の取り扱い情報を表示することで、ホール側に容易かつ確実な遊技機の取り扱いを可能にすることもできる。
ところで、パチンコ遊技機の特徴としてリーチと称する状況がある。これは、ゲーム中にあと一つ図柄が揃えば「大当たり」という状況で、再変動、トリック変動等によりリーチが次から次へと発展する制御が実行されており、このような表示処理は、意外性があり遊技者を楽しませる。中でも、大当たり確率が通常より高めのリーチをスーパーリーチと称し、この時に個性的で派手な演出をすることにより、遊技者は更に興奮する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、今日では遊技機の発達とともにリーチも多種多様になってきており、「大当たり」に至るまでリーチがどのように発展していくのかは、初心者や遊技に不慣れな者にとっては難しく、その内容が理解できずに戸惑うことがある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、遊技者にリーチの発展に関する情報を容易に理解させることを可能にし得る弾球遊技機を提供することにある。
【0004】
上記に鑑み、請求項1に記載の弾球遊技機は、遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入球口に入球又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する当否決定手段と、
遊技者に有利なゲーム内容に移行するか否かを示す当否画像の種類を決定する当否画像決定手段と、
画像表示装置の画面上に画像を変動表示した後、前記当否画像決定手段による当否画像で静止表示するよう制御する画像制御手段と、
前記当否画像の種類が当り画像である場合、該当り画像を表示する前提となるリーチ画像を前記画面上に表示するリーチ表示手段と、
を備えた弾球遊技機において、
前記画面上に、リーチの発展段階を含む情報を提供するためのリーチ発展系統画像を表示する表示領域を設け、
前記リーチ発展系統画像は、該画像が当否とは無関係なダミーの画像変動表示であることを表示するとともに、個々のリーチ発展段階を示す段階画像を複数備えて前記リーチ画像と同時に表示する構成で、
表示中のリーチの発展段階及び解説を表示する窓部と、
前記表示中のリーチの次の発展先であるリーチの発展段階及び解説を表示する窓部とからなり、
前記リーチ画像の発展に伴い前記リーチ発展系統画像を更新し、
前記発展先が複数個所ある場合は、1つの前記窓部にて交互表示、または各々専用の前記窓部を設けて同時表示する
ことを特徴とするものである。
【0005】
請求項1に記載の弾球遊技機によれば、大当たりに至るまでリーチがどのように発展していくのかを、初心者や遊技に不慣れな者にとっては容易に理解させることができる効果がある。また、各種遊技機情報(遊技機毎の大当たり確率、遊技価値、確率変動に関する事項等)に加えて、前記リーチ発展系統画像を併せて表示した場合には、より確実に遊技機の性能を遊技者に理解させることができる。
【0006】
ここで、リーチ発展系統画像とは、リーチの発展段階を遊技者に理解させるものである。その種類は発展パターンを動画又は静止画、それらの組み合わせで表示するもの、テロップを表示する形式、カタログ形式、フローチャート形式で表示するものなど、各種のものが挙げられる。リーチ発展系統画像の表示タイミングは待機画面中、大当たり中、画像変動中、リーチ表示中等が挙げられる。リーチ発展系統画像の表示領域は画面の上下、左右、中央等適宜の領域が挙げられ、リーチ発展系統画像の表示領域は単独でも他の画像とともに表示しても良く、例えば、当否画像とともに表示する場合、別々の領域に表示されることが望ましいが、重複して表示されることもあり得る。待機画面中(デモンストレ−ション画面中)だけでなく、画像変動中、リーチ表示中、大当たり表示中に、画面にリーチ発展系統画像の専用の表示領域を設け、リーチ発展系統画像等を液晶画面等で表示することにより、遊技者は容易にその機種のリーチ情報を容易に理解することができる。
待機画面中とは、画像変動中以外の画面をいい、例えば、デモンストレーションを示す画面等をいう。画像変動中とは、当否画像の変動中、大当たり画像変動中、リーチ画像変動中等、各種画像が変動中の場合をいう。
また、入球口とは、球が入って入賞するものはもちろん、入賞のないものも全て含む。
【0010】
当否とは無関係なダミーの回転であることを遊技者に分かり易く表示することにより、当否画像変動と同時にリーチ発展系統画像等を表示することが可能となる。
更に、リーチ中においては、同時にリーチの進行が現在どの段階であるかを報知する機能を有したリーチ発展系統画像等を表示することによって、趣向を凝らした演出が可能となり遊技者は期待しながらリーチ情報を理解することができる。
【0011】
請求項2記載の弾球遊技機は、前記リーチ発展系統画像は、前記段階画像にてリーチの出現の希少価値の度合いを示めすことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のカードリーダ13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。カードリーダ(プリペイドカードユニットともいう。)13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
【0016】
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重にはめ込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
【0017】
図2はパチンコ機10を裏側から見た裏面図である。図示するように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
また、機構盤26には主制御基板30及び賞球制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠12の左下部には発射制御基板33が、特別図柄表示装置32の左側に外部接続端子基板50が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0018】
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。
図3に示すように遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36、LCD32a上部の普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD32aの左右の普通図柄作動ゲート38及び39、普通電動役物36下部の大入賞口40、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
この構成により、前述した発射ハンドル24の回転リング(図示略)を回動すれば発射制御基板33により駆動される発射モータ33aが駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
【0019】
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図4のブロック図を用いて説明する。
パチンコ機10の電気回路は、図示するように、前述した主制御基板30、賞球制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継基板及び電源回路等は記載していない。
【0020】
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM及び演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチェータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。
主制御基板30の入力側には、第1種始動口スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ)40a、カウントスイッチ40b、賞球払出しスイッチ29a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a等が接続されている。また、出力側には、大入賞口ソレノイド40c、Vソレノイド40d、普通役物ソレノイド36b及び外部接続端子基板50等が接続されている。
【0021】
第1種始動口スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ40aは大入賞口40内の特定領域内、同じくカウントスイッチ40bは大入賞口40内、賞球払出しスイッチ29aは払出し装置29内の球切りモータ29bの下方、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、に各々取り付けられている。ここで、Vスイッチ40aは大入賞口40内に入賞した遊技球が特別装置作動領域(以下、「特別領域」という。)を通過したことを、カウントスイッチ40bは大入賞口40内に入賞する全ての遊技球を、賞球払出しスイッチ29aは球切りモータ29bにより上皿15に排出される遊技球を、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを、各々検出するためのものである。
また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド40cは大入賞口40、Vソレノイド40dは大入賞口40内の特別領域、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に各々使用されるものである。
【0022】
特別図柄表示装置32は、前述したLCD32aと、このLCD32aを駆動制御する図柄表示装置制御基板(以下、単に「図柄制御基板」(「画像制御基板」ともいう。)という。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニット32cから構成されている。図柄制御基板32bは、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
【0023】
賞球制御基板31は、主制御基板30からの指令コマンドに従って球切りモータ29bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示基板42等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示基板42は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18等から構成されている。
賞球制御基板31は主制御基板30からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御基板30で行われる。
【0024】
発射制御基板33は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵されたタッチスイッチ24aがオン状態のときタッチランプ45を点灯させるためのものである。
【0025】
ランプ制御基板34は、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されており、主制御基板30からの指令を受けて普通図柄表示装置37、大当たりランプやエラーランプ等のランプ類及びLED等の周知の各種ランプ類を点灯表示させるためのものである。
【0026】
音制御基板35は、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されており、音源IC及びアンプ等を備え、主制御基板30の指令を受けてスピーカ46を駆動制御するためのものである。
【0027】
前述した特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35への送信は、主制御基板30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されている。
【0028】
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10の主制御基板30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図5に示すフローチャートに従って説明することにする。
図5に示されるフローチャートは、主制御基板30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施例では、ステップS100〜S200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップS210及びS220の処理を「残余処理」と称する。
【0029】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判定される(ステップS100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判定するためのものである。
正常でないと判定されると、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(ステップS110)、残余処理に移行する。
【0030】
正常との肯定判定が為されると、まず初期乱数更新処理が実行される(ステップS120)。この処理は、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「249」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「249」までの250個の整数を繰り返し昇順に作成する。
ステップS120に続く当否乱数更新処理(ステップS130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「249」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期乱数の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期乱数の値を初期値とし「0」〜「249」までの250個の整数値を繰り返し作成する。
【0031】
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「249」までの整数値とすることは前記初期乱数と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。
【0032】
大当たり図柄乱数更新処理(ステップS140)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、画面上に表示される3桁同一の「000」、「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」に各々対応する。
外れ図柄乱数更新処理(ステップS150)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当たりでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理で+1され最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1され最大値を超えると「0」に戻る。
普通図柄乱数更新処理(ステップS160)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
【0033】
前述した各乱数更新処理(ステップS120〜S160)により、初期乱数、当否乱数、大当たり図柄乱数、外れ図柄乱数及び普通図柄乱数が各々更新されるが、続く処理(ステップS170)ではパチンコ機10に設けられ主制御基板30に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、前述した満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a、第1種始動口スイッチ36a、Vスイッチ40a、カウントスイッチ40b、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、その他の入賞口に設けられた図示しない各入賞検知スイッチ、等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。
この入力処理により第1種始動口スイッチ36aに入力がある場合には、始動口としての普通電動役物36に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される(ステップS180)。
【0034】
本実施例のパチンコ機10は、確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、高確率時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である。前述したように当否乱数を構成する「0」〜「249」の250個の各整数値の出現率は均一であり、遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞するタイミングで抽出される当否乱数の値は、前記ハード割り込みの微小時間である2msと比較すれば入賞タイミングを微小時間単位で調節できないことから無作為に抽出された値となり、当否乱数は完全なる乱数として機能する。従って、抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当たりとなる確率は、通常確率時には1/250であり、高確率時には1/50(=5/250)となる。詳細は割愛する。
当否判定処理(ステップS180)が終了すると、続いて画像出力処理(ステップS190)が実行される。この画像出力処理については後に詳述する。
【0035】
続く各出力処理(ステップS200)は、遊技の進行に応じて主制御基板30は、特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34、音制御基板35、大入賞口ソレノイド40c等の各種ソレノイドに対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(ステップS170)により遊技盤22面上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく賞球制御基板31に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音制御基板35に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板32bにエラー信号を出力する処理を、更には、大当たり発生時には大当たり処理を、各々実行し残余処理に移行する。
【0036】
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(ステップS210)及び初期乱数更新処理(ステップS220)から構成されるが、各々前述したステップS150及びステップS120と全く同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
【0037】
ここで、前述した画像出力処理(ステップS190)を、図7を用いて詳細に説明すると、コマンドコードは、主制御基板30から特別図柄表示装置32の図柄制御基板32bに送信されるコードである。
図7に示すように、本実施例の主制御基板30と図柄制御基板32bとの送信コマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当たり開始時、5.大当たり中、6.大当たり終了時、7.動作異常時、の7種類に大別できる。
【0038】
1.電源投入時
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板30から図柄制御基板32bに送信されるコマンドコードであり、10Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従ってLCD32aの画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
【0039】
2.客待ちデモ
ここでLCD32aの画面上の全部又は一部にリーチ発展系統画像を表示する場合がある。客待ちデモのコマンドは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判定されたとき、又は特定の入球口若しくは通過口に所定時間入球しなかったときに送信されるコマンドであり、20Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従ってLCD32aの画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、図6に示す特別図柄表示領域50a〜50c上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示し、保留記憶表示部51a〜51dを順次点灯表示する。このとき、背景画面52上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示されるが、リーチ発展系統図の変動パターンに応じて特別図柄表示領域50a〜50cは適宜移動する。この客待ちデモ画面では、遊技客が発射ハンドル24を操作するまで、又は特定の入球口若しくは通過口に所定時間入球しなかったときに、画面上の全部又は一部にリーチ発展系統図が順次発展するように表示して、一巡した後、繰り返し表示する。
尚、遊技者が発射ハンドル24に触れているか否かはタッチスイッチ24aの入力により検知することができる。本実施例では、タッチスイッチ24aの入力を主制御基板30に入力する構成としたので、主制御基板30と発射制御基板33との通信を主制御基板30からの一方向通信としながらも前記検知が可能なのである。もちろん、主制御基板30からタッチスイッチ24aのオンオフ情報は発射制御基板33に送信される。このタッチスイッチ24aの入力を発射制御基板33に入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22面のアウト口41にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判定する構成としても良い。
【0040】
3.図柄変動中
ここでLCD32aの画面上の全部又は一部にリーチ発展系統画像を表示する場合がある。図柄変動中コマンドは、特別図柄変動時に送信されるコマンドであり、図7に示すように(1)基本変動パターンコード、(2)左静止図柄指定コード、(3)中静止図柄指定コード、(4)右静止図柄指定コード、の4種類のコマンドコード(以下、この4つのコマンドコードを総称して「画像表示コマンド」ということもある。)に分類される。
【0041】
(1)基本変動パターンコード
基本変動パターンコードは、動作番号として30Hの1バイト命令と識別番号として01Hから09Hの9種類の1バイト命令とからなる9種類の2バイト命令として構成されている。
(2)左静止図柄指定コード
左静止図柄指定コードは、31Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号が01Hのときは左静止図柄として「0」、02Hのときは「1」、03Hのときは「2」、04Hのときは「3」、05Hのときは「4」、06Hのときは「5」、07Hのときは「6」、08Hのときは「7」、09Hのときは「8」、0AHのときは「9」、0BHのときは「A」、0CHのときは「B」、0DHのときは「C」、0EHのときは「D」、0FHのときは「E」の文字を特別図柄として特別図柄表示領域50aに表示させるためのものである。
(3)中静止図柄指定コード
中静止図柄指定コードは、32Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域50bに表示させるためのものである。
(4)右静止図柄指定コード
右静止図柄指定コードは、33Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域50cに表示させるためのものである。
この基本変動パターンコード、左、中及び右静止図柄指定コードは、遊技盤22上に発射された遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞したとき、又は保留を消化するときに2バイトずつほぼ同時に送信されるコマンドコードであり、その内容は次のようにして決定される。
【0042】
前述したように、遊技球が普通電動役物36に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当たり図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、高確率時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当たりが発生、一致しなければ外れとなる。一致して大当たり発生時には、抽出された大当たり図柄乱数値に+1して、この値を左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。即ち、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号は同一となる。一致しなくて外れのときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1した値を各々左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右静止図柄指定コードの識別番号の値を値「1」だけ異なる値とする処理が為される。
【0043】
4.大当たり開始
大当たり開始デモコマンドコードは、図6に示す特別図柄表示領域50a〜50cに表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当たり動作が開始されるまでの間に大当たりが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板が受信するとLCD32aの画面上に「大当たり」等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示する等の処理を行うと共に、音制御基板35により効果音を出力する処理がなされる。
【0044】
5.大当たり中
大当たり中コマンドは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コード及びラウンド表示コードの5個のコマンドに分類される。ここでLCD32aの画面上の全部又は一部にリーチ発展系統画像を表示する場合がある。
(1)開放前コードは、50Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口40を開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面52に表示する処理を実行する。
(2)開放中コードは、50Hの動作番号及び02Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口40が開放中であることを遊技者に知らせる画像を表示する処理を実行する。
(3)10カウント入賞コードは、50Hの動作番号及び03Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40に遊技球が入球したことをカウントスイッチ40b又はVスイッチ40aにより検知する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントし、その値を背景画面52上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口40に遊技球が入賞する毎に零から10個までの個数表示がなされる。
【0045】
(4)V通過コードは、50Hの動作番号及び04Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ40aにより検知するとこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると画面に「V」の文字を大きく表示し、大入賞口40が閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
(5)ラウンド表示コードは、50Hの動作番号及び05Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40が開放動作終了後に再び開放する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントし、その値を背景画面52上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口40の開放回数が報知される。
【0046】
6.大当たり終了
大当たり終了コマンドは、大当たり終了デモコマンドコードと高確率移行コマンドコードとからなる。
大当たり終了デモコマンドコードは、大当たり動作が終了したとき、即ち大入賞口40が16回の開放動作を終了したとき、または16回まで継続しなくとも開放中に遊技球が特別領域を通過しなかったときに送信される命令コードであり、60Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成される。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると大当たりが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。
高確率移行コマンドコードは、61Hの動作番号及び01H〜02Hの識別番号より構成される。識別番号が01Hのときは高確率状態が継続する場合であり、識別番号が02Hのときは高確率が継続しない場合である。この高確率移行コマンドコードは、本実施例のように、主制御基板30から送信する構成としても良いし、前述した画像表示コマンドの値から図柄制御基板32bが判定する構成としても良い。
【0047】
7.動作異常時
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、第1の具体例では、70H01HのE1エラーコード、70H02HのE2エラーコード、70H03HのE3エラーコードより構成されている。第1の具体例ではE1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり大入賞口40が開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ43がオンしたとき出力され、E3エラーコードは補給スイッチ44がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信される70H04Hのエラー解除コードにより消去される。
【0048】
以上、特別図柄表示装置32を含むパチンコ機10の構成について説明してきたが、本実施形態は上記パチンコ機10の遊技盤22上のLCD32aの画面上にリーチ発展系統画像により、リーチの紹介や解説を待機中のデモ画面中、画像変動中、リーチ中、大当たり中等に表示して、遊技者にその機種の情報を分かり易く説明するものである。以下詳細を説明する。
【0049】
まずリーチ発展系統画像表示1及び2の処理を説明する。図8及び図9に示す処理は、予め設定されたタイミングによるハードウェア割り込みによりパチンコ機10の稼動中を通じて図柄制御基板32bにより繰り返し実行される。図柄制御基板32bによりリーチ判定乱数更新及び抽出によってリーチ決定制御がなされ、大当たり発生の場合には、必ず、その前にリーチが発生し、一方、大当たりでない場合、リーチが発生する場合と発生しない場合がある。リーチを発生させるか否かを決定するのがリーチ判定乱数であり、リーチ判定乱数によってリーチの有無を決定する。
【0050】
リーチ発展系統画像表示1の処理において、図8に示す通り、処理が開始されると、デモ画面か否かを判定し(ステップS310)、肯定判定ならリーチ発展系統画像を画面の全部又は一部に表示し(ステップS320)、リターンに抜ける。ステップS310で否定判定なら図柄(例えば特別図柄等)が変動中か否かを判定し(ステップS330)、肯定判定ならリーチ発展系統画像を画面の全部又は一部に表示し(ステップS320)、リターンに抜ける(ステップS320)。ステップS330で否定判定なら大当たり中か否かを判定し(ステップS340)、肯定判定ならリーチ発展系統画像を画面の全部又は一部に表示し(ステップS320)、リターンに抜ける(ステップS320)。このようにしてデモ画面中、図柄変動中、大当たり中においてリーチ発展系統画像が表示され、遊技者がリーチの内容を理解することを容易にできる。
【0051】
リーチ発展系統画像表示2の処理において、図9に示す通り、まず処理が開始されると、リーチ判定乱数1〜30をカウンタから読み込み(ステップS410)、このリーチ判定乱数が前述の判定値と等しいか否かを判定する(ステップS420)。ステップS420で肯定判断ならリーチコマンドを生成しリーチ表示をLCD32aに指示し(ステップS430)、続いてリーチ発展に伴いリーチ発展系統画像を更新しながらLCD32aの画面上に表示するように指示し(ステップS440)、ステップS420で否定判断なら非リーチコマンドを生成し非リーチ表示をLCD32aに指示し(ステップS450)、リターンに抜ける。このようにしてリーチ中においてリーチの発展に伴いリーチ発展系統画像が更新して表示され、遊技者がリーチの内容を理解することを容易にできる。
その他、図示は略すが、リーチが決定した後、リーチ発展系統画像用パターン決定用乱数の抽出を行っても良い。リーチ発展系統画像用パターン決定用乱数は、例えば、後述するリーチ発展系統画像のタイプに応じてパターンを決定するものである。該乱数の抽出タイミングは、リーチが決定した後でも良いし、始動入賞時に予め抽出しておいても良い。
【0052】
次にリーチ発展系統画像の具体的な表現手段として期待できる形態は次の3つがある。
第1にビデオ形式での表示手段、第2にパンフレット(カタログ)形式での表示手段、第3にフローチャート形式での表示手段などが挙げられる。リーチ発展系統画像、単独、或いはリーチ発展系統画像とともに、文字及び/又は音声での説明と共に表示する。このように、画像、又は画像若しくは音との調和の取れた演出により、様々なタイミングでリーチを紹介することにより、遊技者のリーチへの興味を引き付けることができる。また、第1乃至第3の表示手段を組み合わせた手段も実施が可能である。
また、リーチ発展系統画像は、静止画、動画、或いは静止画と動画との組み合わせもの等が挙げられる。
【0053】
先ず、テロップ形式とは、図10に示すように、リーチを紹介するビデオのような形式で、リーチの展開を報知するため、テロップ、注釈文等を入れたりして、個々の発展パターンを動画又は静止画で、必要により、文字や音声と共に紹介していく形であり、新機種等のリーチを紹介する宣伝用ビデオの役割も果たす。図10は各々リーチの展開を動画で紹介している画面LCD32a上に表示される画像が変化する様子を例示したものである。画面LCD32a左上では個々のリーチの段階と名称を示すと共に、リーチ画面の出現の希少価値を示す度合い(以下、レア度と略す)を星印の数で表示し、テロップ等を入れ、文字や音声でリーチの解説をしている。
【0054】
図10中の画像101は遊技球が普通電動役物36に入賞して画面上で左中右の3つの図柄が変動を開始した時の画像である。図柄の回転開始時には2種類の予告が登場し、1つの種類はキャラクタである鳥が少数(例えば1羽)の場合は期待度が小さく、他の種類は鳥が多数(例えば鳥の群)が現れた場合は期待度が大きいことを意味している。画像101の例では鳥が1羽しか飛んでいないので期待度が小さいと分かる。画像101から発展する最終段階の画像102では、そのまま3つの図柄の全てが回転しながらいきなり全回転リーチとして「大当たり」が確定する場合もあることを示している。この例では左中右の3つの図柄が全て7で揃った状態である。「大当たり確定!」とテロップで表示して遊技者に解りやすく表示すると共に音声でも遊技者に報知している。また、画面左上に表示されているレア度を示す星印の数が5つと多い事からも極稀にしか発生しないということが分かる。
画像101から発展する画像103はノーマルリーチの段階であり、この段階では左右2つの図柄が既に7で静止して真中の図柄がまだ回転中であり、あとは真中の図柄が静止するのを待つことになる。また、画面下に「ノーマルリーチからは様々なスーパーリーチに発展します」としたテロップが表示され、その説明から今後様々なスーパーリーチへ発展することを期待させられる。
【0055】
その一例として画像103から発展する第2段階の画像104はロングリーチに発展した場合である。画面下に「ロングリーチに発展すれば期待度UP!」としたテロップが表示され、その説明からロングリーチに発展すると期待度が上昇することが分かる。ここでは、ノーマルリーチよりも真中の図柄が長い時間回転し続けることにより遊技者は期待度が高まることになる。レア度は星2つである。画像105は更に発展して縮小リーチに発展した場合である。ここでは真中の図柄が小さくなって回転する。画面下に「更に縮小リーチに発展すれば期待度は大幅にUP!」としたテロップが表示され、この縮小リーチになると期待度が大幅に上昇することを示している。レア度の星の数も一気に4つになる。
【0056】
他には画像103のノーマルリーチから第2段階の画像106の鳥群リーチに発展する場合もある。この鳥群リーチに発展すると真中の図柄が回転している間に画面上にキャラクタの鳥の群が現れる。ここで出現する鳥の数は一定ではなく、鳥の群の大きさによりレア度も星1つから星3つと様々である。画面下に「鳥リーチに発展!鳥の数が多いほど期待度UP!」としたテロップが表示され、その説明からこの鳥の数が多いほど期待度が上昇することが分かる。
【0057】
以上のようなリーチ発展系統画像により、リーチが現在如何なる状態にあるか、又は各リーチは如何なる意味を持っているのかを紹介している。表示手段としては、リーチ中又は待機中の画面LCD32aの全体又は一部に、図10中の個々の画面を1又は数画面づつ順番に表示する(図13では2画面ずつ)。また、画面LCD32a上に各々の画面の集合体として、図10に示すような発展系統図全体を表示すれば、どのような経路を経て画像107の「大当たり」に辿り着くかを紹介することもできる。これにより遊技者は具体的なリーチの流れを楽しみながら理解することができる。尚、リーチ中に上記リーチ発展系統画像を同時に表示する場合の具体例等は後述する。
【0058】
次に、パンフレット・カタログ等をそのまま画面に写したものとは、パンフレット・カタログ等に載っているようなリーチ発展系統画像を静止画で、文字や音声での説明と共に表示する形である。前記ビデオ形式の場合は動画になるが、こちらの場合は動画ではなく静止画で切り替えていく形態となる。
【0059】
フローチャート形式の発展系統図とは、図11、図12のようなフローチャート形式の発展系統図を、デモ画面中やリーチ中の画面の全部又は一部に表示し、必要により音声での説明と共に紹介していく形である。図11は、その発展の経緯をフローチャート形式でLCD32a上に静止画像で分かり易く表示したものである。
図11はLCD32a画面上でリーチ発展系統画像をフローチャート形式で紹介している図である。前述したように、普通電動役物36に入賞すると画面上で図柄が変動を開始し、左右の図柄が一致するとノーマールリーチに突入する。そこから外れとしてリーチが終了するか、或いは、ノーマルリーチから複数の経路に分岐し、コマ送りリーチ系、スローリーチ系、又は高速リーチ系にそれぞれ発展する。稀に発展系統の途中でもいきなり「大当たり」表示をすることもある。このように発展系統の途中でも「大当たり」表示をする点にも特徴がある。
コマ送りリーチ系には拡大コマ送りリーチと縮小コマ送りリーチがあり、共に「大当たり」確率が向上したことを意味する。拡大コマ送りリーチからは外れることもあるが、縮小コマ送りリーチからは必ず「大当たり」に発展することが分かる。
同様にスローリーチ系にはスローロングリーチを経て、はずれ又は当りとなり、スローロングリーチからスロー逆回転リーチ又は超スローリーチに発展することもある。スロー逆回転リーチからは外れることもあるが、超スローリーチからは必ず「大当たり」に発展することが分かる。
高速リーチ系は高速急停止転リーチ、急停止再始動リーチと発展しながら途中で外れ又は大当たりとなったり、最終的に大当たりになる場合もある。
又、図11の画面がデモ画面であることが遊技者にも分かるように画面右上等の適宜の領域に「デモ画面」と表示している。
このように、リーチが発展していく過程で遊技者は一喜一憂することになり、「大当たり」か外れか明確になるまでに遊技者は様々なパターンにより興奮度が増す。
図12もフローチャート形式のリーチ発展系統画像であるが、詳細は後述する。
【0060】
つぎに、前記リーチ発展系統画像を表示するタイミングには3つの場合が考えられる。第1に遊技球が入賞していない状態での待機画面中のデモ画面に表示する場合(図11参照)、第2に回転中やリーチ中に画面の一部を使って同時に表示する場合(図12、図13参照)、第3に「大当たり中」に表示する場合である(図12参照)。
先ず、待機中のデモ画面に表示する場合は、遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判定された時、又は一定時間スタートに入賞がない時などに自動的に開始するようにし、LCD32aの画面全体又は一部にリーチ発展系統画像を表示する。もちろん、常に表示できるようにしても良いし、選択スイッチ(図示略)等を設け随時画面を切り換え可能にしても良いし、所定時間毎にリーチ発展系統画像の画面の種類を切りかえるようにしても良い。
このとき、例えば、LCD32a上に動画でリーチ例を紹介した場合、デモ画面中にはリーチになるための回転や大当たり乱数とは無関係なダミーの回転が表示されたり、又はそれに伴うリーチ表示をするわけであるが、それはゲームの進行とは無関係なダミーの回転であり、入賞とは全く別のデモである事を示す「デモ画面」等の文字を適宜の領域に分かり易く表示して、遊技者がゲーム中の本当のリーチと誤解しないようにすることが可能である。
【0061】
ところで、図10、図11の説明では、リーチ発展系統画像を画面全部に表示したものであるが、図12、図13の通り、LCD32aの画像変動中、リーチ中、又は大当たり中に画面の一部を使って同時に表示する場合がある。図13のように画像変動中やリーチ中、つまり遊技中においても、実際のゲーム中の図柄が変動している領域(以下、「メイン画面」と呼ぶ)とは別に、LCD32aの画面下、上、左右、中央等に専用の表示部分を設け、そこで実際のゲーム中の図柄の進行に合わせて、リーチ発展系統画像を表示してリーチの進行状況が現在どの段階であるかを報知することが可能である。
【0062】
図12は、LCD32aの画面左側等適宜の領域では実際のゲームで図柄が全回転中である遊技の進行状況を表示し、大当たり直前又は「大当たり」等の状況であることを示す。一方、画面の右側等の適宜の領域では、同時にリーチ発展系統画像を表示して現在の左側の遊技進行状況と対応させて表示するとともに、今回のリーチが通過してきた経路を紹介している。
図12の右側のリーチ発展系統画像によると、ゲーム中に普通電動役物36に入賞してデジタル回転が開始すると、リーチ予告、大当たり予告、又はプレミアム予告が発生する場合がある。大当たり予告発生後にリーチ予告も発生する場合もある。リーチ予告又は大当たり予告が発生した場合はその後リーチが発生し、確率変動を生じる場合は確変予告発生を経て各種リーチへと突入する場合がある。勿論、リーチに発展しても外れる場合もあるし、確変予告が発生しなくても確率変動を生じる場合もあり得る。
【0063】
リーチの種類には大別して奈良系リーチと京都系リーチの2種類がある。奈良系リーチの方には春日大社リーチ、法隆寺リーチがあり、法隆寺リーチを経て聖徳太子リーチに発展する場合もある。一方、京都系リーチの方には清水寺リーチ、金閣寺リーチ、又は銀閣寺リーチがあり、清水寺リーチに発展した場合には更に確変全回転リーチと全回転リーチの2種類に別れる。尚、プレミアム予告が発生した場合はいきなり清水寺リーチへと発展する。
図12のリーチ発展系統画像の表示例では、進行済みの部分の矢印を細線から太線(或いは白色から黒色)に変化させることにより、現在リーチがどの段階まで進んでいるかということを報知している。したがって、図12からはデジタル回転開始後、大当たり予告発生、リーチ発生、確変予告発生から京都系リーチに移り、清水寺リーチを経て確変全回転リーチに達したことが分かる。リーチ発展系統画像の下方等の適宜の領域に現在のリーチが確変全回転リーチであり期待度が5つ星であることを表示する。
【0064】
又、リーチ中に同時に表示するフローチャート型のリーチ発展系統画像の場合は、リーチの進行が現在どの段階であるか報知する機能も有する。例えば、リーチ発展系統画像を1つの画面として変動中のメイン画面の右横に表示し、進行済みの部分の矢印を白色から黒色に変化させたり、太線で示したり(図12参照)、現段階のリーチの箇所が光ったり、通過しなかった所が暗くなったり、逆にこれから発展する可能性のある所が明るくなったりなどして遊技者に報知する。このように、リーチ発展系統画像にはそのまま図を表示するだけではなくて今どの経路を通過してきたのかをも示すことができる。
【0065】
図13(a)は、LCD32a画面上に、実際のゲーム中に第2段階のロングリーチ(図10の画像104参照)に発展した画面を表示し、メイン画面の上、下、又は左右(ここでは下側)にリーチ発展系統画像の専用の表示部分を設け、メイン画面とともにリーチ発展系統画像を同時に表示している図である。メイン画面の左右の図柄は7で静止しており真中の図柄だけ揺動表示している。この状態の時に、図柄が変動している下側で対応するリーチ発展系統画像を表示してリーチの解説をしている。左側の窓で現在のリーチの段階がロングリーチであることを表示すると共に、右側の窓では発展先の次の段階は縮小リーチであることを表示し、この縮小リーチに発展すれば期待度が大幅に上昇することを説明している。これにより、遊技者は遊技中でも現在のリーチ状況を簡単に理解できると同時に、今後どのようにリーチが発展していくかも理解することができ、期待が膨らむ。
更に、図13(b)では、実際のゲームの中で上記ロングリーチの段階から縮小リーチに発展した画面をLCD32aで表示している図である。メイン画面の左右の図柄は7で静止していおり真中の図柄は小さくなって変動を続けている。図13(a)と同様に、画面下に専用部分を設けて、左側の窓では現在の段階が縮小リーチであることを表示しその特徴を解説すると同時に、右側の窓では次の発展先が「大当たり」であることを表示している。これにより、遊技者は「大当たり」に更に一歩近づいたことを認識でき興奮が高まる。
なお、発展先が複数箇所(例えば2ヶ所)ある場合は、右側の窓で発展先の次の段階を交互に表示しても良いし、図14(a)に例示するように、画面下(画面下、左右でも良い)の専用部分に窓を複数(例えば3ヶ所)設け、発展先の次の段階を右側の窓に二ヶ所並べて同時に表示しても良い。また、図14(b)に例示するように、中央の窓に現在のリーチ段階の状況を表示し、左右の窓に発展先の次の段階を表示するような構成にしても構わない。
【0066】
このように、LCD32aでメインの図柄変動表示や大当たり表示等を行なっている時に、同時にリーチ発展系統画像を表示することより、図柄変動表示や大当たり表示をさせながら、遊技者は期待と興奮の中でその台のリーチに関する情報を入手することができる。
特に、大当たり中においては、「大当たり」に関する表示をしている領域とは別に、例えば、画面下等の適宜の領域に専用の表示部分を設け、1ラウンド毎に違うパターンを1つずつ表示していくことにより、最大16種類のリーチ発展系統画像を紹介することも可能である。
【0067】
以上、説明したところからも明らかなように、本実施形態は、リーチ発展系統画像等を液晶表示器等で表示する事により、遊技者にリーチに関する情報を始め、遊技設定等その機種の情報を容易に理解させることができる。このように、多種多様なリーチに触れ理解することにより、特に初心者や遊技に不慣れな者にも安心感を与え、更なる興味を引くことができる。
尚、本発明の実施の形態は、上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは無論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したパチンコ機10を示す外観斜視図である。
【図2】パチンコ機10を裏面からみた裏面図である。
【図3】パチンコ機10の遊技盤22の構成を示す正面図である。
【図4】パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】主制御基板30で実行される「メインルーチン」の処理を示すフローチャートである。
【図6】LCDパネルユニット32aの画面上の画像を例示する正面図である。
【図7】主制御基板30から送信されるコマンドコードを示す図表である。
【図8】図柄制御基板32bで実行される「リーチ発展系統画像表示1」の処理を示すフローチャートである。
【図9】図柄制御基板32bで実行される「リーチ発展系統画像表示2」の処理を示すフローチャートである。
【図10】LCDパネルユニット32aの画面上にリーチ発展系統画像を表示した画面の推移を示す図である。
【図11】LCDパネルユニット32aの画面上にリーチ発展系統画像を例示した場合の正面図である。
【図12】LCDパネルユニット32aの画面変動中の右側に並べてリーチ発展系統画像を例示した場合の正面図である。
【図13】(a),(b)はLCDパネルユニット32aの画面変動中の下側にリーチ発展系統画像を例示した場合の正面図である。
【図14】(a),(b)はLCDパネルユニット32aの画面変動中の下側にリーチ発展系統画像を例示した場合の正面図である。
Claims (2)
- 遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入球口に入球又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する当否決定手段と、
遊技者に有利なゲーム内容に移行するか否かを示す当否画像の種類を決定する当否画像決定手段と、
画像表示装置の画面上に画像を変動表示した後、前記当否画像決定手段による当否画像で静止表示するよう制御する画像制御手段と、
前記当否画像の種類が当り画像である場合、該当り画像を表示する前提となるリーチ画像を前記画面上に表示するリーチ表示手段と、
を備えた弾球遊技機において、
前記画面上に、リーチの発展段階を含む情報を提供するためのリーチ発展系統画像を表示する表示領域を設け、
前記リーチ発展系統画像は、該画像が当否とは無関係なダミーの画像変動表示であることを表示するとともに、個々のリーチ発展段階を示す段階画像を複数備えて前記リーチ画像と同時に表示する構成で、
表示中のリーチの発展段階及び解説を表示する窓部と、
前記表示中のリーチの次の発展先であるリーチの発展段階及び解説を表示する窓部とからなり、
前記リーチ画像の発展に伴い前記リーチ発展系統画像を更新し、
前記発展先が複数個所ある場合は、1つの前記窓部にて交互表示、または各々専用の前記窓部を設けて同時表示する
ことを特徴とする弾球遊技機。 - 前記リーチ発展系統画像は、前記段階画像にてリーチの出現の希少価値の度合いを示めすことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
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